JP2007215415A - 大豆めん及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大豆粉を比較的多量に含む低炭水化物、高蛋白質で食感の優れた麺の提供。
【解決手段】小麦粉100重量部、大豆粉60〜500重量部、大豆粉100重量部当り、活性グルテン3〜15重量部及び、大豆粉100重量部当り、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アルギン酸及びサイリウムシードガムから選ばれた少なくとも一種の水溶性食物繊維2〜12重量部を含む混合原料粉を製麺してなる麺。
【選択図】なし
【解決手段】小麦粉100重量部、大豆粉60〜500重量部、大豆粉100重量部当り、活性グルテン3〜15重量部及び、大豆粉100重量部当り、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アルギン酸及びサイリウムシードガムから選ばれた少なくとも一種の水溶性食物繊維2〜12重量部を含む混合原料粉を製麺してなる麺。
【選択図】なし
Description
本発明は麺に関し、更に詳しくは大豆粉及び特定の水溶性食物繊維を配合した麺及びその製造方法に関する。
従来の麺類の主原料は小麦粉やそば粉がほとんどであり、中には、小麦粉に大麦粉、米粉、芋粉などを少量加えた麺もあるが、栄養的には炭水化物含量が高い食品である。
然るに、近年、従来のカロリー摂取量の制限をベースにした低脂肪ダイエットに代えて、低炭水化物ダイエットが注目されている。これは、従来の低脂肪ダイエットでは、脂肪の摂取カロリー比は確かに低下するが、低脂肪食は高炭水化物食であるため、すでに肥満のある人がインシュリン分泌を高める高炭水化物食にするとインシュリンが余計な炭水化物を脂肪へと変換するのを助けることになり、結果としてダイエットの成果は必ずしも十分ではなかった。
一方、大豆は、栄養成分、機能性に優れた食品素材として、さまざまな食品に活用されているが、麺類への積極的活用の例は少ない。例えば特許文献1には小麦粉に全粒豆腐を混入して麺を製造する方法が記載されているが、豆腐の水分含量は85%程度と高水分なので、小麦粉と同程度の水分になるように換算すると、大豆としての配合量は小麦粉100重量部に対し7重量部となり、本発明に比べて明らかに大豆配合量は低い。また特許文献2には、大豆粉に黄麹菌を接種培養したものを麺状に成形することによる大豆を主原料とした麺状食品の製造法が記載されているが、製法が特殊であるために産業上の利用可能性が著しく狭ばめられているという欠点を有する。
従って、本発明の目的は、通常の麺に比べて、その炭水化物量含有量を50%以上減らした低炭水化物、高たんぱく質で、更に柔かくかつ弾力性に富んだ麺及びその製造方法を提供することにある。
本発明に従えば、小麦粉100重量部、大豆粉60〜500重量部、大豆粉100重量部当り、活性グルテン3〜15重量部及び、大豆粉100重量部当り、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アルギン酸及びサイリウムシードガムから選ばれた少なくとも一種の水溶性食物繊維2〜12重量部を含む混合原料粉を製麺してなる麺が提供される。
本発明に従えば、前記麺を製造するに際し、小麦粉、大豆粉及び活性グルテンを含む原料粉に、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アルギン酸及びサイリウムシードガムから選ばれた少なくとも一種の水溶性食物繊維を配合し、これに、全混合原料粉100重量部当り、水28〜38重量部を加えて製麺する麺の製造方法が提供される。
本発明によれば、柔らかくかつ弾力性に富んだ、低炭水化物高蛋白質含有率の麺状食品を得ることができる。具体的には、上記麺状食品に適当な粘弾性を与える添加物として、水溶性食物繊維を使用できるようにすることで、添加する活性グルテンの量を少なくし、麺の食感を根本的に改善することができる。
本発明による大豆を主原料とする麺は、スパゲティ等の製造に用いられるエクストルーダによる押出し製法ではなく、一般にうどんや素麺類等の製造に用いられるロールによる圧延方式で製麺可能である。
本発明によれば、炭水化物含有量を50%以上減らした低炭水化物高蛋白質で、柔らかくかつ弾力性に富んだ麺状食品を提供することができる。具体的には、小麦粉100重量部、大豆粉60〜500重量部、好ましくは100〜200重量部、大豆粉100重量部当り、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アルギン酸及びサイリウムシードガムから選ばれた少なくとも一種の水溶性食物繊維2〜12重量部、好ましくは3〜10重量部を含む混合原料粉を用いることにより、その水分量を全混合原料粉100重量部当たり水28〜38重量部、好ましくは32〜35重量部にコントロールすることにより、大豆粉100重量部当たりの活性グルテンの含有量を3〜15重量部、好ましくは4〜9重量部まで少なくすることができ、麺の食感を大幅に改善することができる。
本発明の好ましい態様によれば、上記必須成分に加えて、澱粉又は米粉を少量(例えば全混合原料粉100重量部当り好ましくは3重量部以下、更に好ましくは3〜6重量部)加えることで、炭水化物をあまり増加させずに、一層の食感改善を図ることができる。澱粉を含まないと、めんがパスタ様の食感となるおそれがある。そのような澱粉の例としてはコーンスターチ、タピオカ、馬鈴薯粉などをあげることができる。また米粉の例としては気流粉砕機やロール粉砕機で粉砕して製造した上新粉などをあげることができる。
即ち本発明では所定比率で配合した小麦粉、大豆粉、活性グルテン及び前記水溶性食物繊維、更に必要に応じ添加される食塩、更には乾燥野菜粉末及びフレーバーに適量の水を加え、製麺用ミキサーにて混練してできあがった製麺用生地を、製麺用ロールにて麺帯とよばれる帯状の生地成形物と成し、この麺帯を所定の麺厚になるよう、例えば5〜6段の複数の製麺ロールにて圧延する。適度な麺厚に整えられた麺帯は、所定番手の切刃ロールにて麺状に切出した後、所定速度で移行するチェーン上に両端を懸架された麺棒に簾状に掛け取り、所定の温度及び湿度(好ましくは温度25〜90℃及び相対湿度30〜90%)に調整された乾燥室内で所定の水分(例えば12.5〜25重量部)になるまで乾燥する。
本発明で用いる小麦粉は従来からパンや中華麺などに使用されている任意の小麦粉、例えば製パン用強力小麦粉又は準強力小麦粉を用いることができる。
本発明において使用する大豆粉としては、生大豆粉(好ましくはリポキシゲナーゼ酵素欠失大豆粉)、脱脂大豆粉のいずれも使用することができ、これら市販品として利用可能であり、従来から醤油、豆腐、きなこなどに使用されている。脱脂大豆粉を使用する場合には、製麺加工工程における生地の張り付きを防止するため、植物性油脂(例えばオリーブ油や綿実油など)を添加するのが好ましい。本植物性油脂を使用する場合の添加量には特に限定はないが、例えば大豆粉重量の1〜3重量%、好ましくは2〜2.5重量%配合する。
大豆粉の配合量は、小麦粉100重量部に対し、60〜500重量部、好ましくは100〜200重量部である。この配合量が少な過ぎると目的とする炭水化物の50%減量が達成できないので好ましくなく、逆に多過ぎると製麺加工において生地が硬くなりロールでの圧延が困難となるので好ましくない。
製麺工程において、小麦粉に大豆粉を添加するとグルテンが減少するために、生地の結着力が劣り、つながり性の悪い生地となるため、大豆粉の配合に応じて適当量の活性グルテンの添加が必要となる。即ち小麦粉配合量の減少により製麺性が劣るようになるが、これを活性グルテンを添加することによって生地の形成力及び生地の伸展性を高めることができる。かかる視点から、本発明によれば、大豆粉100重量部に対して、活性グルテンを3〜15重量部、好ましくは5〜11重量部を配合する。活性グルテンとしては例えば、小麦粉から取り出したグルテンを粉状にしたものが市販されている。
しかし、この配合の状態では、通常の麺に比べて、大豆粉及び活性グルテン由来の蛋白含量の著しい増加により、出来上がった麺は、硬く、弾力感に乏しく、麺としては好ましくない食感となってしまう。そこで、本発明では、前述のような水溶性食物繊維を使用することによって適度な硬さと弾力感の良好な麺を得ることに成功した。このように、本発明では、前述の水溶性食物繊維を、大豆粉100重量部に対して、2〜12重量部、好ましくは3〜10重量部配合する。この配合量が少な過ぎると麺の食感が硬く、粘弾性が低下するので好ましくなく、逆に多過ぎると弾力が強くなりすぎ、噛み砕きにくい食感となるので好ましくない。前述の水溶性食物繊維は加水前の粉体の状態で他の原料粉と一緒に配合しても良いし、予め前記水溶性食物繊維を加水する水に溶いてゲル状にして、他の粉体混合に添加しても良い。前記水溶性食物繊維としては、特にタマリンドガムやサイリウムシードガムを使用するのが好ましい。
以上の通り、本発明によれば、茹で麺のレオメータ試験結果から、硬さHの減少、付着性の減少、凝集性の増加が生じ、麺としての適正な硬さとこしを備え、滑らかな口当たりの良好な麺が得られる。
本発明によれば前記した小麦粉、大豆粉、活性グルテン、前記水溶性食物繊維及び好ましくは配合する澱粉、更にはその他の従来の任意的な副原料(例えば食塩、ほうれん草等の乾燥野菜粉末及びオニオン、ガーリック等のフレーバー)などの原料粉100重量部に対し、好ましくは2〜5重量部、更に好ましくは3〜4重量部の水を配合して、常法に従って、製麺することができる。
以下、具体例をあげて本発明の乾麺、半生麺及びそれらの製造方法を説明するが、本発明をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1〜4及び比較例1〜4
表I及び表IIに示す配合の原料粉を製麺用横軸ミキサーにて混合し、これに表I及び表IIに示す量の水を加えて混錬し、そぼろ状の生地とする。ここで出来上がった生地を製麺用ロール機により複数回の圧延を行ない、1.4〜1.5mmの麺厚に調整した後、丸切り歯No.14を用いて、スパゲティ様の麺とし、温度25〜80℃、相対温度50〜90%の温湿度を適宜組合わせた乾燥条件の下で水分13.0〜13.5%の乾麺を製造した。この乾麺は縦割れもなく良質で、茹で時間5〜6分にて適度な硬さと好ましい粘弾性を持ちなめらかさのある、優れた食感の麺であった。
実施例1〜4及び比較例1〜4
表I及び表IIに示す配合の原料粉を製麺用横軸ミキサーにて混合し、これに表I及び表IIに示す量の水を加えて混錬し、そぼろ状の生地とする。ここで出来上がった生地を製麺用ロール機により複数回の圧延を行ない、1.4〜1.5mmの麺厚に調整した後、丸切り歯No.14を用いて、スパゲティ様の麺とし、温度25〜80℃、相対温度50〜90%の温湿度を適宜組合わせた乾燥条件の下で水分13.0〜13.5%の乾麺を製造した。この乾麺は縦割れもなく良質で、茹で時間5〜6分にて適度な硬さと好ましい粘弾性を持ちなめらかさのある、優れた食感の麺であった。
以上の通り、本発明に従えば、多量の大豆粉を小麦粉に配合した硬さ及び弾力性の良好な麺を製造することができ、しかも活性グルテン及び前述の水溶性食物繊維を配合することにより低炭水化物、高蛋白質で、柔らかく、弾力性に富んだ食感の優れた麺を作ることができる。
Claims (4)
- 小麦粉100重量部、大豆粉60〜500重量部、大豆粉100重量部当り、活性グルテン3〜15重量部及び、大豆粉100重量部当り、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アルギン酸及びサイリウムシードガムから選ばれた少なくとも一種の水溶性食物繊維2〜12重量部を含む混合原料粉を製麺してなる麺。
- 請求項1に記載の混合原料粉が、全混合原料粉100重量部当り7重量部以下の澱粉を更に含む麺。
- 請求項1に記載の麺を製造するに際し、小麦粉、大豆粉及び活性グルテンを含む原料粉に、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アルギン酸及びサイリウムシードガムから選ばれた少なくとも一種の水溶性食物繊維を配合し、これに、全混合原料粉100重量部当り、水28〜38重量部を加えて製麺する麺の製造方法。
- 請求項2に記載の麺を製造するに際し、小麦粉、大豆粉及び活性グルテンを含む原料粉に、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アルギン酸及びサイリウムシードガムから選ばれた少なくとも一種の水溶性食物繊維と澱粉を配合し、これに全混合原料粉100重量部当たり水28〜38重量部を加えて製麺する麺の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009065946A (ja) * | 2007-09-18 | 2009-04-02 | Yasuhiro Sato | 大豆めんおよび大豆めんの製造方法 |
JP2010081888A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Yakult Health Foods Co Ltd | 食物繊維及びタンパク質高含有麺類及びその製造方法 |
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