JP2007214673A - 携帯電子機器用アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】可撓性のエレメントを傾動して水平面内で回転できる小型かつ耐久性に優れた傾動機構と回転機構とする。
【解決手段】ベース部4内に回動可能に球状部8が、球受部13を介してコイルバネ14により付勢されて収納されている。第1エレメント部2と第2エレメント部3とからなる可撓性のエレメントを伸張して傾動させると球状部8がベース部4の球保持部に形成された摺動溝内に嵌入され、エレメントをベース部4に対して約90°まで傾動可能とすることができる。エレメントを傾動した状態において回動させると、ホルダー部5内の摺動バネにより弾性的に保持されているベース部4が、ホルダー部5内において回動するようになって、エレメントを水平面内において回転させることができる。
【選択図】図3
【解決手段】ベース部4内に回動可能に球状部8が、球受部13を介してコイルバネ14により付勢されて収納されている。第1エレメント部2と第2エレメント部3とからなる可撓性のエレメントを伸張して傾動させると球状部8がベース部4の球保持部に形成された摺動溝内に嵌入され、エレメントをベース部4に対して約90°まで傾動可能とすることができる。エレメントを傾動した状態において回動させると、ホルダー部5内の摺動バネにより弾性的に保持されているベース部4が、ホルダー部5内において回動するようになって、エレメントを水平面内において回転させることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、少なくとも受信機能を有する電子機器、特に地上波デジタルテレビ放送を受信することのできる携帯電話機等の携帯電子機器に備えられる携帯電子機器用アンテナに関するものである。
携帯電話機が普及しているが、この携帯電話機においては通話や情報を送受信するためにアンテナが備えられている。このアンテナは、待ち受け時には携帯に便利なように、携帯電話機の筐体に収納できるリトラクティブなアンテナとされているのが一般的である。このような携帯電話機用のアンテナの構成の一例を図31に示す。図31に示すアンテナ100は、可撓性とされたエレメント101を備え、エレメント101の先端にはトップ部103が設けられている。また、エレメント101はホルダー部102に対して摺動可能に保持されている。そして、ホルダー部102が携帯電話機の筐体に取り付けられることにより、エレメント101をホルダー部102に対して下方に摺動することにより、筐体内にエレメント101を収納することができるようになる。また、この状態においてトップ部103を把持してエレメント101をホルダー部102から引き出すことにより、エレメント101を伸張状態とすることができる。なお、エレメント101は可撓性を有し図示するように復元可能に撓むようになるため、エレメント101が障害物に当たっても折損することを防止することができる。
ところで、近年地上波デジタルテレビ放送が開始されて、地上波デジタルテレビ放送を受信することのできる携帯電話機も知られている。地上波デジタルテレビ放送を効率よく受信するには、アンテナの指向特性を電波の到来方向に合致させて受信することが必要となる。このため、地上波デジタルテレビ放送を受信するアンテナには、筐体に対して傾動可能かつ回転可能としてアンテナの指向特性を調整することができるアンテナが好適となる。
傾動可能かつ回転可能な従来のアンテナとして、いわゆるラジカセに多く使用されている多段式伸縮アンテナ(ロッドアンテナ)を用いるアンテナが知られている。このようなアンテナの構成の一例を図32に示す。図32に示すアンテナ200は、多段式構造とされている伸縮エレメント201を備え、伸縮エレメント201はアンテナ取付部202に対して傾動可能とされていると共に、アンテナ取付部202に対して回転可能に固着されている。そこで、このアンテナ取付部202を図示しない携帯電子機器の筐体に固着することにより、アンテナ200は筐体に対して傾動可能かつ回転可能に取り付けられるようになる。この伸縮エレメント201は、伸縮を実現するために多段とされている各エレメントがパイプ構造とされている。このため、伸縮エレメント201における最終段の外径が大きくなることから、これに起因して傾動機構と回転機構を作り出す機構部品の径として5mmないし8mmの径が必要とされている。
ここで、アンテナ200における傾動機構を図33に示す。図33に示すように伸縮エレメント201の下端からは平板状のエレメント基部201aが突出して形成されている。このエレメント基部201aは回転保持部203の上部に挟持され、固着用ビス204によりエレメント基部201aが回転保持部203に対して回転可能に固着されている。これにより、伸縮エレメント201は回転保持部203に対して傾動可能に取り付けられるようになる。次に、アンテナ200における回転機構について説明すると、回転保持部203の断面は円形とされており、この回転保持部203は図32に示すアンテナ取付部202に形成されている断面円形の嵌挿孔に弾性的に嵌挿されている。このため、アンテナ取付部202に対して回転保持部203を回転できるようになることから、結局の所、伸縮エレメント201はアンテナ取付部202に対して回転可能に固着される。
傾動可能かつ回転可能な従来のアンテナの他の構成例を図34、図35に示す。ただし、図34は従来のアンテナ300の構成を示す斜視図であり、図35はその構成を示す断面図である。
これらの図に示すアンテナ300において、先端にトップ部304を有するエレメント301の下端は球状部302に固着されている。球状部302は、その半分以上がホルダー部303内に摺動可能に保持されており、ホルダー部302の下部に収納されているコイルスプリング305により上方に付勢されている。これにより、球状部302はコイルスプリング305の付勢力によりホルダー部303に対して傾動可能かつ回転可能に保持されるようになる。このアンテナ300においては、球状部302とホルダー部303との摩擦力によりエレメント301が所定の角度を維持することができることから、球状部の径として5mmないし8mmの径が必要となる。
実開昭63−26108号公報
実開昭60−103914号公報
これらの図に示すアンテナ300において、先端にトップ部304を有するエレメント301の下端は球状部302に固着されている。球状部302は、その半分以上がホルダー部303内に摺動可能に保持されており、ホルダー部302の下部に収納されているコイルスプリング305により上方に付勢されている。これにより、球状部302はコイルスプリング305の付勢力によりホルダー部303に対して傾動可能かつ回転可能に保持されるようになる。このアンテナ300においては、球状部302とホルダー部303との摩擦力によりエレメント301が所定の角度を維持することができることから、球状部の径として5mmないし8mmの径が必要となる。
図31に示す従来の携帯電話機用のアンテナ100は、リトラクタブルアンテナとされており、伸張時に衝撃を受けたときに衝撃を吸収するようエレメント101は復元可能に撓むようにされている。しかしながら、任意の位置にエレメント101を傾けて保持する傾動機構と、傾けたエレメント101を水平面内において回転させる回転機構を有していないことから、アンテナの指向特性を調整することができないという問題点があった。
また、図32に示す従来のアンテナ200における傾動機構は平板状のエレメント基部201aを回転保持部203の上部に挟持する構造とされている。この場合、傾動させた伸縮エレメント201を保持するための摩擦力は、平板状のエレメント基部201aが挟持される面の面積と回転保持部203の挟持力に依存するため、傾動した際の耐久力を数万回以上可能にするにはエレメント基部201aおよび回転保持部203の径や幅を5mmないし8mmの寸法とする必要が生じる。この場合、エレメント基部201aおよび回転保持部203の径や幅を2mm程度にしたときは傾動回数の耐久性は数百回程度になってしまい、傾動を繰り返し行うと伸縮エレメント201の自重が傾動保持力を超えてしまい、任意の位置に伸縮エレメント201を固定・保持できなくなってしまうようになる。
さらに、アンテナ200における回転機構は、回転保持部203をアンテナ取付部202に形成されている嵌挿孔に弾性的に嵌挿する機構とされている。このため、回転保持部203やアンテナ取付部202の径として5mmないし8mmの径が必要となり、仮に回転保持部203やアンテナ取付部202の径を2mm程度とすると回転耐久性が極端に落ちてしまい、伸縮エレメント201の自重により回転してしまうようになる。
したがって、アンテナ200においては傾動機構と回転機構を作り出す機構部品の径や幅として5mmないし8mmの径や幅が必要となることから、アンテナ200を携帯電話機等の携帯電子機器に取り付ける際に、携帯電子機器の筐体の寸法に比較して大きすぎて(太すぎて)、アンテナ200を携帯電子機器に適用することができないという問題点があった。
したがって、アンテナ200においては傾動機構と回転機構を作り出す機構部品の径や幅として5mmないし8mmの径や幅が必要となることから、アンテナ200を携帯電話機等の携帯電子機器に取り付ける際に、携帯電子機器の筐体の寸法に比較して大きすぎて(太すぎて)、アンテナ200を携帯電子機器に適用することができないという問題点があった。
さらにまた、図34および図35に示すアンテナ300では、球状部302の半分を超えてホルダー部303で保持しなければ抜け出てしまうことから、エレメント301をホルダー部303に対して90°まで傾動することができないようになる。さらに、球状部302とホルダー部303とにより傾動かつ回転可能としているため、その耐久性から球状部302の径として8mmないし10mmが必要になる。したがって、アンテナ300を携帯電話機等の携帯電子機器に取り付ける際に、携帯電子機器の筐体の寸法に比較して大きすぎて、アンテナ300を携帯電子機器に適用することができないという問題点があった。
そこで、本発明は可撓性のエレメントを傾動できると共に、水平面内で回転することのできる小型かつ耐久性に優れた傾動機構と回転機構を有する携帯電子機器用アンテナを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の携帯電子機器用アンテナは、球状部が下端に固着されたエレメントを傾動可能とする傾動溝が縦方向に形成され、貫通孔内に配置された球状部を付勢する弾性手段が、貫通孔の下部に嵌着されているストッパー部と球状部との間に設けられているベース部を備え、このベース部が回転可能にホルダー部に弾性的に保持され、エレメントが2段に伸張できることを最も主要な特徴としている。
本発明によれば、球状部が下端に固着されたエレメントを傾動可能とする傾動溝が縦方向に形成され、貫通孔内に配置された球状部を付勢する弾性手段が、貫通孔の下部に嵌着されているストッパー部と球状部との間に設けられているベース部を備え、このベース部が回転可能にホルダー部に弾性的に保持され、エレメントが2段に伸張できることから、2段に伸張することができるエレメント部を約90°まで傾動できると共に、水平面内で回転することができ、小型かつ耐久性に優れた傾動機構と回転機構を有する電子機器用アンテナとすることができる。
本発明の携帯電子機器用アンテナの実施例とされるアンテナ1を備える携帯電子機器の構成の一例を図1に示す。
本発明にかかるアンテナ1は、携帯電子機器である携帯電話機50を構成している筐体51の上面に取り付けられている。筐体51には、テンキーや操作ボタンからなる操作部52と液晶等からなる表示部53とが設けられている。アンテナ1は、伸張した際に矢印で示すように筐体51に対して傾動可能とされていると共に傾動した状態において水平面内で回転可能とされている。さらに、アンテナ1は2段に伸縮自在とされてアンテナ1の長さを変えることができるようにされている。また、アンテナ1を縮納した際には先端に設けられたアンテナトップを残して筐体51内にアンテナ1を収納することができる。これにより、携帯電話機50に取り付けられているアンテナ1の指向特性を所望の方向に向けると共に、アンテナ1の長さを変えることができるようになり、地上波デジタル放送等のテレビ放送を受信することのできる携帯電話機50とした際に好適なアンテナとすることができる。
本発明にかかるアンテナ1は、携帯電子機器である携帯電話機50を構成している筐体51の上面に取り付けられている。筐体51には、テンキーや操作ボタンからなる操作部52と液晶等からなる表示部53とが設けられている。アンテナ1は、伸張した際に矢印で示すように筐体51に対して傾動可能とされていると共に傾動した状態において水平面内で回転可能とされている。さらに、アンテナ1は2段に伸縮自在とされてアンテナ1の長さを変えることができるようにされている。また、アンテナ1を縮納した際には先端に設けられたアンテナトップを残して筐体51内にアンテナ1を収納することができる。これにより、携帯電話機50に取り付けられているアンテナ1の指向特性を所望の方向に向けると共に、アンテナ1の長さを変えることができるようになり、地上波デジタル放送等のテレビ放送を受信することのできる携帯電話機50とした際に好適なアンテナとすることができる。
次に、本発明の携帯電子機器用アンテナの実施例であるアンテナ1の構成を図2ないし図6に示す。図2および図4は2段に伸縮自在とされたアンテナ1を伸張した際の構成を示す図であり、図3は図2に示す構成を断面図で示す図である。また、図5は2段に伸縮自在とされたアンテナ1を縮納した際の構成を示す図であり、図6は図5に示す構成を断面図で示す図である。
図2および図3に示す本発明にかかるアンテナ1は、先端にトップ部10が設けられている第1エレメント部2と、第1エレメント部2を内部に摺動自在に収納可能な第2エレメント部3からなるエレメントを備え、このエレメントはベース部4に傾動可能に保持されている。第1エレメント部2は、超弾性合金製の可撓性を有するエレメント導体2aを柔軟な絶縁チューブ2bで被覆して構成されている。また、第2エレメント部3は、屈曲自在とされているコイルスプリング3dを柔軟な絶縁チューブ3eで被覆して構成されている。第2エレメント部3の上部には金属製の上部ホールド部3aが嵌着されており、下部には金属製の下部ホールド部3cが嵌着されている。第1エレメント部2におけるエレメント導体2aの下部に保持バネ3fが固着されており、第1エレメント部2を第2エレメント部3内において摺動した際に保持バネ3fの作用により第1エレメント部2がコイルスプリング3dの内周面に弾性的に接触して保持されるようになる。これにより、第1エレメント部2を第2エレメント部3から任意の長さで引き出して保持することができるようになる。
図2および図3に示す本発明にかかるアンテナ1は、先端にトップ部10が設けられている第1エレメント部2と、第1エレメント部2を内部に摺動自在に収納可能な第2エレメント部3からなるエレメントを備え、このエレメントはベース部4に傾動可能に保持されている。第1エレメント部2は、超弾性合金製の可撓性を有するエレメント導体2aを柔軟な絶縁チューブ2bで被覆して構成されている。また、第2エレメント部3は、屈曲自在とされているコイルスプリング3dを柔軟な絶縁チューブ3eで被覆して構成されている。第2エレメント部3の上部には金属製の上部ホールド部3aが嵌着されており、下部には金属製の下部ホールド部3cが嵌着されている。第1エレメント部2におけるエレメント導体2aの下部に保持バネ3fが固着されており、第1エレメント部2を第2エレメント部3内において摺動した際に保持バネ3fの作用により第1エレメント部2がコイルスプリング3dの内周面に弾性的に接触して保持されるようになる。これにより、第1エレメント部2を第2エレメント部3から任意の長さで引き出して保持することができるようになる。
ベース部4は、第2エレメント部3の下端に傾動可能に固着されており、ベース部4の外径は、第2エレメント部3の外径とほぼ等しくされている。そして、ベース部4と第2エレメント部3はホルダー部5内を上下方向に摺動可能に保持されている。ホルダー部5は上部に鍔部が形成された円筒状の本体部5iを備えている。円筒状の本体部5iの外周面にはネジ部が形成されており、この本体部5iを例えば携帯電話機50の筐体51に形成した孔部に挿通してそのネジ部にナットを締着することにより、ホルダー部5の鍔部とナットとで筐体51の壁部が挟持されて、アンテナ1が携帯電話機50に取り付けられるようになる。図2ないし図4には、第1エレメント部2と第2エレメント部3からなるエレメントがホルダー部5から上方向に摺動されて伸張されたアンテナ1の構成が示されている。第2エレメント部3における下部ホールド部3cは球状部8の上端に螺着されており、球状部8の下部はベース部4内に収納されている。この球状部8の下部は球受部13を介してコイルバネ14により上方に付勢されている。また、ホルダー部5の内周面には摺動バネが収納されており、この摺動バネの作用によりベース部4が弾性的にホルダー部5に保持されている。球状部8の上部は、ベース部4に設けられている傾動溝7a内に嵌入されて傾動できることから、ベース部4に対して第2エレメント部3、すなわちエレメントを図4に破線で図示すようにほぼ90°まで傾動することができる。このように、本発明のアンテナ1においては、第1エレメント部2および第2エレメント部3からなるエレメントをベース部4に対してほぼ90°までの任意の角度で傾動することができるようになる。
また、ベース部4は摺動バネにより弾性的にホルダー部5に対して保持されていることから、第2エレメント部3をベース部4に対して任意の角度で傾動した状態において、第1エレメント部2および第2エレメント部3からなるエレメントを水平面内(正しくは、傾動できる面とほぼ直交する面内)においてホルダー部5に対して回転することができる。これにより、アンテナ1を筐体に対して傾動可能かつ回転可能としてアンテナ1の指向特性を所望の方向に調整することができるようになると共に、第1エレメント部2および第2エレメント部3からなる伸縮可能なエレメントを備えている。
さらに、トップ部10は、第1エレメント部2および第2エレメント部3からなるエレメントを伸縮する際に把持される摘みとなる合成樹脂製の円盤状の形状とされているアンテナトップ10aと、第1エレメント部2の先端に固着された金属製のトップ取付軸11とを有している。アンテナトップ10aは、トップ取付軸11の上部に成形あるいは嵌着されることにより固着されている。
さらに、トップ部10は、第1エレメント部2および第2エレメント部3からなるエレメントを伸縮する際に把持される摘みとなる合成樹脂製の円盤状の形状とされているアンテナトップ10aと、第1エレメント部2の先端に固着された金属製のトップ取付軸11とを有している。アンテナトップ10aは、トップ取付軸11の上部に成形あるいは嵌着されることにより固着されている。
図5は、第1エレメント部2が第2エレメント部3に縮納されていると共に、この第2エレメント部3がホルダー部5に対して縮納されているアンテナ1の構成を示す図であり、この構成の断面図が図6に示されている。このように縮納した際には、アンテナ1を筐体51内に収納することができる。これらの図に示すように、第1エレメント部2を第2エレメント部3に収納してホルダー部5に対して縮納した際には、第1エレメント部2の先端に固着されているアンテナトップ10aにおけるトップ取付軸11が、ホルダー部5内に上から挿入されて弾性的に保持されるようになる。この際に、円盤状のアンテナトップ10aの下面がホルダー部5の鍔部の上面に当接するようになる。図示するように、第2エレメント部3の下部には金属製のベース部4が固着されており、ベース部4の上部は第2エレメント部3の下端に固着されている球状部8を傾動可能に保持する球保持部とされており、球保持部にホルダー部5内を摺動する摺動部6が連接されている。なお、第2エレメント部3をホルダー部5に対して図2ないし図4に示すように伸張した際に、摺動部6がホルダー部5内に下から挿入されて弾性的に保持されるようになる。摺動部6の下部には摺動部6の外径より若干径が大きくされている係止部を備えるストッパー部9が固着されており、ストッパー部9の係止部の上部がホルダー部5の下面に当接した際に、第2エレメント部3が上まで伸張された状態となる。
次に、本発明にかかるアンテナ1の詳細構成の一部を示す断面図を図7に示す。図7は第2エレメント部3をホルダー部5に対して伸張することにより、ベース部4がホルダー部5内に弾性的に保持されている状態のベース部4とホルダー部5との構成を示す断面図である。
図7に示す構成を、ベース部4およびホルダー部5の組立体の詳細構成を説明することにより説明する。図8はベース部4の組立体の分解組立図であり、ベース部4の詳細構成を図9ないし図11に示す。ただし、図9はベース部4の構成を示す正面図であり、図10はベース部4の構成を示す上面図であり、図11はベース部4の構成を示す断面図である。また、球状部8の詳細構成を図12に示し、球受部13の詳細構成を図13に示し、コイルバネ14の詳細構成を図14に示し、ストッパー部9の詳細構成を図15に示す。
図7に示す構成を、ベース部4およびホルダー部5の組立体の詳細構成を説明することにより説明する。図8はベース部4の組立体の分解組立図であり、ベース部4の詳細構成を図9ないし図11に示す。ただし、図9はベース部4の構成を示す正面図であり、図10はベース部4の構成を示す上面図であり、図11はベース部4の構成を示す断面図である。また、球状部8の詳細構成を図12に示し、球受部13の詳細構成を図13に示し、コイルバネ14の詳細構成を図14に示し、ストッパー部9の詳細構成を図15に示す。
図9ないし図11に示すように、金属製のベース部4はほぼ円筒状に形成されており、ベース部4の上部が第2エレメント部3の下端に固着されている球状部8を傾動可能に保持する球保持部7とされ、球保持部7に続く部分が摺動部6とされている。球保持部7には、挿通孔7bと、この挿通孔7bから側部へ向かって連通するよう傾動溝7aが形成されている。挿通孔7bの径および傾動溝7aの幅は球状部8における挿通部8bが挿通可能な径および幅とされている。すなわち、傾動溝7a内において球状部8における挿通部8bを挿通することができ、傾動溝7aの長さは、球状部8が固着された第2エレメント部3がベース部4に対して約90°まで傾動することのできる長さとされている。摺動部6内には挿通孔7bより径が大きくされている貫通孔4aが全体にわたり形成されており、挿通孔7bと貫通孔4aとは断面が円弧状のテーパ部7cにより繋がれている。このテーパ部7cの断面形状は球状部8における断面円形とされる球部8cの形状に合わせた半円形に形成されている。なお、摺動部6の下端にはリング部4bが形成されてその上にカシメ部6aが形成されている。
ベース部4内に収納される球状部8は、図12に示すように球状の球部8cと、球部8cから延伸している挿通部8bからなり、挿通部8bの上部にはネジ部8aが形成されている。このネジ部8aを第2エレメント部3の下部ホールド部3cに形成されている雌ネジ部に締着することにより、球状部8が第2エレメント部3に固着される。ここで、図8に示すようにベース部4における摺動部6の貫通孔4a内に下から球状部8を挿通部8bから挿入する。挿通部8bは挿通孔7bあるいは傾動溝7aから突出し、球部8cがテーパ部7cに当接するようになる。この場合、球状部8における球部8cの上部が当接されるテーパ部7cの断面は球部8cの外形と同様の形状とされて、球部8cがベース部4から抜け出ないと共に滑らかに摺接できるようになる。
球状部8を下から受ける球受部13は、図13に示すように、例えば、耐疲労性に優れたポリアセタール等の樹脂製とされる。球受部13は、断面円形に形成されて円盤状とされている。球受部13の上面には、球状部8における球部8cを受ける凹部13aが形成されており、凹部13aの上縁にはテーパ部13bが形成されている。球部8cを受けるテーパ部13bの断面は球部8cの外径とほぼ同様の円弧状の形状に形成されている。球受部13は、図8に示すようにベース部4内に収納された球状部8に続いて貫通孔4a内に上面側から挿入され、球部8cにテーパ部13bが当接するようになる。テーパ部13bの断面は球部8cの外径とほぼ同様の形状とされていることから、球状部8は滑らかに傾動できるようになる。
球状部8を下から受ける球受部13は、図13に示すように、例えば、耐疲労性に優れたポリアセタール等の樹脂製とされる。球受部13は、断面円形に形成されて円盤状とされている。球受部13の上面には、球状部8における球部8cを受ける凹部13aが形成されており、凹部13aの上縁にはテーパ部13bが形成されている。球部8cを受けるテーパ部13bの断面は球部8cの外径とほぼ同様の円弧状の形状に形成されている。球受部13は、図8に示すようにベース部4内に収納された球状部8に続いて貫通孔4a内に上面側から挿入され、球部8cにテーパ部13bが当接するようになる。テーパ部13bの断面は球部8cの外径とほぼ同様の形状とされていることから、球状部8は滑らかに傾動できるようになる。
球受部13の次にコイルバネ14が嵌挿されたストッパー部9がベース部4の貫通孔4a内に挿入される。コイルバネ14は、図14に示すようにリン青銅やステンレス等の弾性金属を巻回することにより形成されている。コイルバネ14の内径は、例えば約1.5mmとされている。また、ストッパー部9は図15に示すように、金属棒を加工して形成されており、ストッパー部9の下端部に係止部9aが形成されている。係止部9aは、第2エレメント部3が伸張された際にホルダー部5の下面に当接できるようストッパー部9における最大径とされており、その上部にベース部4内に嵌着される嵌着部9bが形成されている。嵌着部9bの上部には若干径が小さくされた導入部9dが形成されており、嵌着部9bと導入部9dとの境界に段部9eが形成されている。導入部9dは、ベース部4内にストッパー部9を圧入して固着する際に、嵌着部9bをベース部4内に導く役割を担っている。導入部9dの上面からは径の細くされた延伸部9cが形成されている。延伸部9cは、コイルバネ14内に挿通されてコイルバネ14を保持するようにしている。係止部9a、嵌着部9b、導入部9dおよび延伸部9cの各部の断面の形状は円形とされている。
図8において、コイルバネ14が延伸部9cに嵌挿されたストッパー部9をベース部4の下から貫通孔4a内に圧入し、摺動部6の下部に形成されているカシメ部6aをカシメ加工する。これにより、ベース部4に確実にストッパー部9が固着されてベース部4が組み立てられる。この場合、コイルバネ14により球受部13が上方へ付勢され、付勢された球受部13により球状部8の球部8cがテーパ部7cと球受部13との間に弾性的に保持されるようになる。これにより、第2エレメント部3の下端に螺着されている球状部8を傾動溝7a内に嵌入して傾動することができるようになる。
図7に戻り、上記説明したベース部4の組立体はホルダー部5内に下から挿入されて保持されている。ホルダー部5の詳細構成を断面図で図16に示し、その分解組立図を断面図で図17に示す。これらの図に示すように、ホルダー部5内には全体にわたり貫通孔5eが形成されており、この貫通孔5e内に摺動バネ12を収納することにより組み立てられている。
図7に戻り、上記説明したベース部4の組立体はホルダー部5内に下から挿入されて保持されている。ホルダー部5の詳細構成を断面図で図16に示し、その分解組立図を断面図で図17に示す。これらの図に示すように、ホルダー部5内には全体にわたり貫通孔5eが形成されており、この貫通孔5e内に摺動バネ12を収納することにより組み立てられている。
ホルダー部5の詳細構成が図18ないし図20に示されており、図18はホルダー部5の構成を示す正面図、図19はホルダー部5の構成を示す上面図、図20はホルダー部5の構成を示す断面図とされている。
これらの図に示すように、金属製のホルダー部5はほぼ円筒状に形成されており、ホルダー部5の上端部には最大径を有する円盤状の鍔部5bが形成されており、下部には本体部5iより径が若干細くされた下部延伸部5cが形成されている。そして、鍔部5bと下部延伸部5cとの間が円筒状の本体部5iとされている。本体部5iの外周面にはネジ部5aが形成されている。また、ホルダー部5の全体にわたり貫通孔5eが形成されており、鍔部5bの上面には図19に示すように十字状の切溝5dが形成されている。切溝5dは、ホルダー部5を電子機器の筐体に取り付ける際にドライバーや専用工具が嵌着される溝とされている。
これらの図に示すように、金属製のホルダー部5はほぼ円筒状に形成されており、ホルダー部5の上端部には最大径を有する円盤状の鍔部5bが形成されており、下部には本体部5iより径が若干細くされた下部延伸部5cが形成されている。そして、鍔部5bと下部延伸部5cとの間が円筒状の本体部5iとされている。本体部5iの外周面にはネジ部5aが形成されている。また、ホルダー部5の全体にわたり貫通孔5eが形成されており、鍔部5bの上面には図19に示すように十字状の切溝5dが形成されている。切溝5dは、ホルダー部5を電子機器の筐体に取り付ける際にドライバーや専用工具が嵌着される溝とされている。
ホルダー部5の内周面には図20に示すように上部に第1段部5fが、下部に第2段部5gが形成され、第1段部5fと第2段部5gとの間の内径が若干大きくされている。この第1段部5fと第2段部5gとの空間に摺動バネ12が嵌挿され、摺動バネ12が嵌挿された際に自らの弾性によりホルダー部5の内周面に密着するようになる。そして、摺動バネ12の上端が第1段部5fに係合し、下端が第2段部5gに係合することから、摺動バネ12は貫通孔5e内から抜け出ないようになる。この摺動バネ12は、上方向からホルダー部5の貫通孔5e内にトップ取付軸11が挿入された際に、トップ取付軸11を弾性的に保持して容易に貫通孔5e内から抜け出ないようにしている。
摺動バネ12の詳細構成が図21ないし図23に示されており、図21は摺動バネ12の構成を示す展開図であり、図22は摺動バネ12の構成を示す上面図であり、図23は摺動バネ12の構成を示す断面図である。これらの図に示すように、リン青銅等の弾性を有する矩形の金属板に複数の矩形の切欠部12bが所定間隔で形成された本体部12aに本体部12aから若干突出される絞り部12cが形成されるよう加工し、さらに円形になるよう加工することにより摺動バネ12が形成されている。この場合、切欠部12bの間に形成されている複数の絞り部12cは、内面側へ突出するようにされる。このように形成された摺動バネ12がホルダー部5内に収納されることにより、トップ取付軸11あるいはベース部4がホルダー部5内に挿入された際に、絞り部12cがその外周面に弾性的に接触して保持されるようになり、絞り部12cによりトップ取付軸11あるいはベース部4が弾性的に保持されるようになる。
摺動バネ12の詳細構成が図21ないし図23に示されており、図21は摺動バネ12の構成を示す展開図であり、図22は摺動バネ12の構成を示す上面図であり、図23は摺動バネ12の構成を示す断面図である。これらの図に示すように、リン青銅等の弾性を有する矩形の金属板に複数の矩形の切欠部12bが所定間隔で形成された本体部12aに本体部12aから若干突出される絞り部12cが形成されるよう加工し、さらに円形になるよう加工することにより摺動バネ12が形成されている。この場合、切欠部12bの間に形成されている複数の絞り部12cは、内面側へ突出するようにされる。このように形成された摺動バネ12がホルダー部5内に収納されることにより、トップ取付軸11あるいはベース部4がホルダー部5内に挿入された際に、絞り部12cがその外周面に弾性的に接触して保持されるようになり、絞り部12cによりトップ取付軸11あるいはベース部4が弾性的に保持されるようになる。
すなわち、図7に示すように下方向からホルダー部5の貫通孔5e内にベース部4が挿入された際に、ベース部4を弾性的に保持して自重により貫通孔5e内から抜け落ちないようにしている。なお、下部延伸部5cの下端内周面にはテーパ部5hが形成されて、下方向から貫通孔5e内に挿入されるベース部4が容易に挿入できる形状とされている。
以上説明したように、図7に示す構成においては、第2エレメント部3の下端に固着されている球状部8を傾動溝7a内に嵌入して傾動した状態において、水平面内に回動させた際に摺動部6がホルダー部5に対して水平面内で摺動することにより、第1エレメント部2および第2エレメント部3からなるエレメントが図1に示すように水平面内において回動できるようになる。
以上説明したように、図7に示す構成においては、第2エレメント部3の下端に固着されている球状部8を傾動溝7a内に嵌入して傾動した状態において、水平面内に回動させた際に摺動部6がホルダー部5に対して水平面内で摺動することにより、第1エレメント部2および第2エレメント部3からなるエレメントが図1に示すように水平面内において回動できるようになる。
次に、第1エレメント部2および第2エレメント部3からなるエレメントの詳細構成を断面図で図24に示し、その分解組立図を図25に示す。
これらの図に示すように、エレメントを構成している第1エレメント部2において、ニッケル−チタン合金等とされた超弾性金属製の可撓性を有する所定長のエレメント導体2aはビニル等の柔軟な絶縁チューブ2bで被覆されている。エレメント導体2aの上端部は金属製のトップ取付軸11に強固に固着されており、トップ取付軸11の上部には合成樹脂製の円盤状の形状とされているアンテナトップ10aが嵌着されている。また、絶縁チューブ2bで被覆されたエレメント導体2aに金属製とされた円筒状の上部ホールド部3aを挿通した状態において、エレメント導体2aの下部には弾性を有する金属性とされた円筒状の細い保持バネ3fが挿通されている。そして、保持バネ3fの下に金属製とされた円筒状の細いカシメ片3gが挿通されてエレメント導体2aの下端にカシメられることにより、保持バネ3fがエレメント導体2aから抜け出ないようになっている。
これらの図に示すように、エレメントを構成している第1エレメント部2において、ニッケル−チタン合金等とされた超弾性金属製の可撓性を有する所定長のエレメント導体2aはビニル等の柔軟な絶縁チューブ2bで被覆されている。エレメント導体2aの上端部は金属製のトップ取付軸11に強固に固着されており、トップ取付軸11の上部には合成樹脂製の円盤状の形状とされているアンテナトップ10aが嵌着されている。また、絶縁チューブ2bで被覆されたエレメント導体2aに金属製とされた円筒状の上部ホールド部3aを挿通した状態において、エレメント導体2aの下部には弾性を有する金属性とされた円筒状の細い保持バネ3fが挿通されている。そして、保持バネ3fの下に金属製とされた円筒状の細いカシメ片3gが挿通されてエレメント導体2aの下端にカシメられることにより、保持バネ3fがエレメント導体2aから抜け出ないようになっている。
保持バネ3fの構成の一例を図29(a)(b)に示す。図29(a)は保持バネ3fの構成を示す正面図であり、図29(b)は保持バネ3fの構成を示す上面図である。これらの図に示すように、保持バネ3fは、リン青銅等の弾性を有する細い金属パイプに縦方向に、複数本(例えば、4本)の所定長のスリット29を形成し、スリット29の形成された部分を外側に膨出して複数の膨出片28を形成することにより作成されている。なお、カシメ片3gによりエレメント導体2aから抜け出ないようにされた保持バネ3fの上端面は、絶縁チューブ2bの下端面に当接している。また、スリット29の数は4本に限らず、スリット数に対応する任意の数の膨出片28を形成することができる。
カシメ片3gの構成を図31(a)(b)に示す。図31(a)はカシメ片3gの構成を示す正面図であり、図31(b)はカシメ片3gの構成を示す上面図である。これらの図に示すように、カシメ片3gは、細い金属パイプを所定長に切断することにより作成されており、内部を貫通する嵌着孔31が形成されている。この嵌着孔31内に、保持バネ3fの下端から突出しているエレメント導体2aの下端部を挿通してカシメることにより、絶縁チューブ2bおよび保持バネ3fがエレメント導体2aから抜け出ないように固着される。
カシメ片3gの構成を図31(a)(b)に示す。図31(a)はカシメ片3gの構成を示す正面図であり、図31(b)はカシメ片3gの構成を示す上面図である。これらの図に示すように、カシメ片3gは、細い金属パイプを所定長に切断することにより作成されており、内部を貫通する嵌着孔31が形成されている。この嵌着孔31内に、保持バネ3fの下端から突出しているエレメント導体2aの下端部を挿通してカシメることにより、絶縁チューブ2bおよび保持バネ3fがエレメント導体2aから抜け出ないように固着される。
第2エレメント部3は、柔軟な絶縁チューブ3eで被覆した屈曲自在とされているコイルスプリング3dの上部に上部ホールド部3aが、下部に下部ホールド部3cが嵌着されて構成されている。第2エレメント部3の上部に嵌着された金属製の上部ホールド部3aの構成を断面図で図28に示す。この図に示すように、上部ホールド部3aは、ほぼ円筒状とされており、上端から下に向かって次第に細くなるテーパ状の挿通孔25が形成されており、この挿通孔25に連通して径が大きいエレメント嵌着部26が内部に形成されている。さらに、エレメント嵌着部26に連通して若干径が広げられたエレメント収納部27が形成されている。挿通孔25内には絶縁チューブ2bで被覆されたエレメント導体2aが挿通され、挿通孔25の下端の狭められた内径の大きさは、保持バネ3fの上部の外径より小さくされている。これにより、第1エレメント部2が第2エレメント部3から引き出された際に、保持バネ3fの上端面が挿通孔25の下端の周囲に当接して、第1エレメント部2の伸張が抜け出ることなく停止されるようになる。また、エレメント収納部27内には絶縁チューブ3eで被覆したコイルスプリング3dの上部が収納され、エレメント嵌着部26内には絶縁チューブ3eから突出しているコイルスプリング3dの上端が収納され、エレメント嵌着部26の外周面をカシメ加工することにより、コイルスプリング3dの上端が上部ホールド部3a内に嵌着されるようになる。
第2エレメント部3の下部に嵌着された金属製の下部ホールド部3cの構成を断面図で図27に示す。この図に示すように、下部ホールド部3cは、ほぼ円筒状とされており、上部から中央部にかけて径の大きいエレメント収納部21が形成されている。このエレメント収納部21に連通して、若干径の細くされたエレメント嵌着部22が形成され、下部ホールド部3cの下部にはエレメント嵌着部22より経の細くされた貫通孔24が形成されている。貫通孔24の内周面には雌ネジ部23が形成されている。エレメント収納部21内には絶縁チューブ3eで被覆したコイルスプリング3dの下部が収納され、エレメント嵌着部22内には絶縁チューブ3eから突出しているコイルスプリング3dの下端が収納され、エレメント嵌着部22の外周面をポンチメ加工することにより、コイルスプリング3dの下端が下部ホールド部3c内に嵌着されるようになる。なお、ポンチ加工に替えてカシメ加工を施すようにしてもよい。また、雌ネジ部23には球状部8におけるネジ部8aが螺着される。
コイルスプリング3dの構成が図26(a)(b)に示されている。図26(a)はコイルスプリング3dの構成を示す正面図であり、図26(b)はその断面図である。これらの図に示すように、断面が細長い形状とされた弾性を有する金属線を巻回することによりコイルスプリング3dは作成されている。この金属線の外周側の上下の縁部は面取りされており、コイルスプリング3dを屈曲した際に面取りされた縁部が接触しながら屈曲するようになる。このため、第2エレメント部3を滑らかに屈曲することができると共に屈曲しても電気長がほぼ変化しないようになる。
次に、図25を参照してエレメントの組み立て工程を説明すると、エレメント導体2aの上端にアンテナトップ10aが被嵌されたトップ取付軸11を固着する。次いで、エレメント導体2aの下から絶縁チューブ2bを嵌挿し、上部ホールド部3aをその上に挿通する。さらに、絶縁チューブ2bの下に突出しているエレメント導体2aに保持バネ3fおよびカシメ片3gの順序で挿通し、カシメ片3gをエレメント導体2aにカシメる。これにより、第1エレメント部2が組み立てられる。次に、絶縁チューブ3eで被覆したコイルスプリング3d内に保持バネ3fが嵌着されているエレメント導体2aを摺動させながら挿通し、コイルスプリング3dの上端を上部ホールド部3a内に下から挿入してエレメント嵌着部26をカシメ加工する。さらに、下部ホールド部3cを絶縁チューブ3eで被覆したコイルスプリング3dの下部に嵌挿して、エレメント嵌着部22にポンチ加工を施す。これにより、第1エレメント部2および第2エレメント部3からなるエレメントを組み立てることができる。
図7に戻ると、球状部8におけるネジ部8aに螺着された第2エレメント部3および第1エレメント部2からなるエレメントをホルダー部5に対して伸張すると、エレメントの下端に固着されているベース部4がホルダー部5に下から挿通されるようになる。そして、ベース部4の下端に固着されているストッパー部9における係止部9aがホルダー部5の下端に当接されて伸張が停止されるようになる。これにより、ベース部4における球保持部7がホルダー部5から上方へ突出するようになる。この伸張状態において、ベース部4はホルダー部5の本体部5i内に収納されている摺動バネ12により保持され、エレメントは自重により下方へ抜け出ないようになる。ここで、エレメントに横方向に荷重を加えて球状部8における挿通部8bを球保持部7に形成されている傾動溝7a内に嵌入させていくと、エレメントはホルダー部5に保持されているベース部4に対して傾動していくようになる。そして、断面円形の挿通部8bが傾動溝7aの半円形の下端に当接した際にそれ以上傾動できなくなり、その傾動角度は約90°となる。
ベース部4内の上部には球状部8が収納され、この球状部8における球部8cを球受部13が受けるようベース部4内に収納されている。さらに、ベース部4の下端から圧入されて固着されたストッパー部9と球受部13との間にコイルバネ14が配置されている。コイルバネ14は、ストッパー部9における延伸部9cに挿入されて変形してもその位置がずれないようにされている。この構成において、エレメントが自重に抗して傾動した状態を保持するための付勢力をコイルバネ14が球受部13に下から印加している。また、エレメントを傾動した状態において、水平面内に回動させた際にベース部4における摺動部6が、摺動バネ12により弾性的に保持されながらホルダー部5に対して回動することにより、エレメントが水平面内において回動できるようになる。この場合、エレメントを回動させても、その自重に抗してその位置を保持するための付勢力が摺動バネ12によりベース部4に印加されている。
上記したように、本発明にかかるアンテナ1において、傾動機構は傾動溝7aとテーパ部7cが形成されたベース部4と球状部8とにより主に構成されており、球状部8に付勢力を与える球受部13、コイルバネ14およびストッパー部9がこの構成を補充している。また、回転機構はホルダー部5と摺動部6を備えるベース部4とにより主に構成されており、摺動バネ12がこの構成を補充している。この傾動機構において、第2エレメント部3の下端に螺着されている球状部8における球部8cの径を、例えば約2.7mmまで小さくしても十分な保持力をコイルバネ14により与えることができると共に、十分な耐久性を得ることができるようになる。この場合、ベース部4の最大径を約3.7mm程度に長さを約13mmとすることができ、ホルダー部5の本体部5iの外径を約5mm程度にすることができる。このように、本発明にかかるアンテナ1は従来の携帯電話機に用いられる傾動機構を備えていないアンテナとほぼ同様の大きさとすることができ、回転機構において摺動バネ12によりベース部4に十分な摩擦力を与えることができることから、十分な回転保持力が得られると共に十分な耐久性を得ることができる。
なお、アンテナ1における傾動機構と回転機構とによりアンテナ1を任意の角度に傾動して水平面内において回転可能とすることができることから、電子機器の筐体に取り付けたアンテナ1を任意の電波到来方向に向けることができるようになる。また、アンテナ1のエレメントを構成している第1エレメント部2および第2エレメント部3は衝撃を受けた際に復元可能に撓む可撓性を有していると共に、2段に伸縮可能とされて受信チャンネルに合わせてエレメントの長さを調節することができ、さらに縮納した際に筐体内に収納可能となっている。さらにまた、携帯電話機50に搭載されるアンテナ1の電気長は、筐体51内の整合回路を含めて携帯電話で使用する周波数帯域にほぼ共振するようにされており、地上波デジタル放送を効率的に受信できるものとされている。
以上の説明では、テレビ放送を受信することのできる携帯電話機等の携帯電子機器用アンテナとして説明したが、これに限るものではなく傾動して水平面内において回転することが必要とされるアンテナ一般に適用することができるものである。
1 アンテナ、2 第1エレメント部、2a エレメント導体、2b 絶縁チューブ、3 第2エレメント部、3a 上部ホールド部、3c 下部ホールド部、3d コイルスプリング、3e 絶縁チューブ、3f 保持バネ、3g カシメ片、4 ベース部、4a 貫通孔、4b リング部、5 ホルダー部、5a ネジ部、5b 鍔部、5c 下部延伸部、5d 切溝、5e 貫通孔、5f 段部、5g 段部、5h テーパ部、5i 本体部、6 摺動部、6a カシメ部、7 球保持部、7a 傾動溝、7b 挿通孔、7c テーパ部、8 球状部、8a ネジ部、8b 挿通部、8c 球部、9 ストッパー部、9a 係止部、9b 嵌着部、9c 延伸部、9d 導入部、9e 段部、10 トップ部、10a アンテナトップ、11 トップ取付軸、12 摺動バネ、12a 本体部、12b 切欠部、12c 絞り部、13 球受部、13a 凹部、13b テーパ部、14 コイルバネ、21 エレメント収納部、22 エレメント嵌着部、23 雌ネジ部、24 貫通孔、25 挿通孔、26 エレメント嵌着部、27 エレメント収納部、28 膨出片、29 スリット、31 嵌着孔、50 携帯電話機、51 筐体、52 操作部、53 表示部、100 アンテナ、101 エレメント、102 ホルダー部、103 トップ部、200 アンテナ、201 伸縮エレメント、201a エレメント基部、202 アンテナ取付部、203 回転保持部、204 固着用ビス、300 アンテナ、301 エレメント、302 ホルダー部、302 球状部、303 ホルダー部、304 トップ部、305 コイルスプリング
Claims (5)
- 可撓性を有する線状の第1エレメント部と、該第1エレメント部が摺動自在に内部に収納される可撓性を有する第2エレメント部からなり、前記第1エレメント部の先端にトップ取付軸を備えるトップ部が固着されていると共に、前記第2エレメント部の下端に球状部が固着されているエレメントと、
前記エレメントに固着されている前記球状部を弾性的に保持することにより、前記エレメントを傾動可能かつ水平面内において回転可能に保持すると共に、前記第2エレメント部の外径とほぼ同様の外径とされているベース部と、
前記エレメントが摺動可能に保持されると共に、該エレメントを引き出した際に前記ベース部が弾性的に保持され、前記エレメントを縮納した際に前記トップ取付軸が弾性的に保持されるホルダー部とを備え、
前記ベース部の上部に、前記エレメントを傾動可能とするように前記球状部の上部が嵌入可能な傾動溝が縦方向に形成され、前記ベース部に形成された貫通孔内に前記球状部が配置され、前記貫通孔の下部に嵌着されているストッパー部と前記球状部との間に前記球状部を付勢する弾性手段が設けられることにより、前記エレメントを前記ベース部に対して傾動可能とされ、前記ベース部が前記ホルダー部に弾性的に保持されることにより、前記エレメントを水平面内において前記ホルダー部に対して回動可能とされていることを特徴とする携帯電子機器用アンテナ。 - 前記第2エレメント部が断面が縦長のコイルスプリングにより構成されて、屈曲自在とされていることを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器用アンテナ。
- 前記球状部を受ける球受部が前記ベース部内に収納されており、前記弾性手段とされるコイルバネが前記球受部と前記ストッパー部との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器用アンテナ。
- 前記ホルダー部の内周面に沿って摺動バネが配置されて、該摺動バネの作用により前記エレメント、前記ベース部あるいは前記トップ取付軸が弾性的に保持されることを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器用アンテナ。
- 前記球状部は、前記ベース部内に配置される球部と、該球部から延伸され前記傾動溝内に嵌入可能な挿通部からなり、該挿通部の上部が前記第2エレメント部の下端に螺着されていることを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器用アンテナ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-02-07 JP JP2006029880A patent/JP2007214673A/ja not_active Withdrawn
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