JP2007214442A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 充電電圧を大きくできる電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明による電気二重層キャパシタは、分極性負電極と分極性正電極とがセパレータを挟んで設置される電気二重層キャパシタであって、分極性正電極の面積は分極性負電極の面積より大きく、分極性正電極の側端部は分極性負電極の側端部よりも外側に張り出す部分を有し、分極性負電極の側端部は分極性正電極の側端部よりも外側に張り出さないように設置されることを特徴とする。このため、充電時に分極性正電極の周辺部に流れる電流の密度が小さくなり、結果として大きい充電電圧で充電を繰り返しても劣化が小さいという効果が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気エネルギー貯蔵に用いられる電気二重層キャパシタに関するものである。
電気二重層キャパシタは、正電極集電板に分極性正電極が密着されてなる正電極と、負電極集電板に分極性負電極が密着されてなる負電極と、セパレータと、電解液を備え、分極性正電極と分極性負電極とがセパレータを挟んで相対配置され、電解液中において分極性電極の表面に形成される電気二重層の静電容量を利用した蓄電素子である。電気二重層キャパシタの分極性電極の主たる構成要素としては、活性炭などの単位質量当たりの表面積が非常に大きい炭素系材料が使用されることが多く、それによって、アルミ電解コンデンサのような一般のキャパシタに比べて極めて大きな静電容量が得られることが特徴となっている。また、電気二重層キャパシタは二次電池のような酸化還元反応を利用した蓄電素子とは異なり、電気化学反応を伴わないので、非常に高速の充放電が可能となっている。これら特徴を利用して、電子機器のバックアップや、家電機器やコピー機の電力貯蔵、自動車のアイドルストップ時の始動用電源、ハイブリッド自動車の電源、風力や太陽光発電のピークシェービングや平準化のための電力貯蔵用の用途まで、幅広い利用が考えられ、省エネルギーや炭酸ガスの削減に役立つキーデバイスとして期待されている。
電気二重層キャパシタにおいては、その主要性能の一つである蓄電エネルギーの向上のための検討が行われている。キャパシタの蓄電エネルギーは充電電圧の2乗に比例するため、充電電圧を高めるための検討が種々行われている。例えば、電解液の溶媒として、水のかわりに電位窓の広い有機溶媒が用いられている。また電解液として、電位窓の広いイオン性液体(常温溶融塩)の検討がなされつつある。
さらには、有機溶媒の持つ電位窓の広さをより有効に利用しようとする検討がなされている。下記特許文献1には、分極性電極の目付け量を正負電極で変化させることによって、電位窓をもっとも広く利用しようとする方法が開示されている。正電極、負電極の分極性電極の目付け量をそれぞれW、Wとし、1.2<W/W<4、さらに好ましくは1.4<W/W<2.5とすると充電時に正電極と負電極とがほぼ同時に分解電圧に達するので、電位窓をもっとも広く利用でき、そのため充電電圧を従来以上に高めることができると記載されている。
特開平09−092583号公報
電気二重層キャパシタの充電電圧を決定する要素としては、正電極全体の電位および負電極全体の電位が電位窓の上下端に達するかどうかだけではなく、充電中に正電極や負電極の局部において電位窓の上下端に達するかどうかを考慮する必要がある。充電時における電解液中のイオンの移動は、もっとも電界の強い部分を通して起こるのであり、正電極と負電極とが、いずれかの電極のごく一部に電界集中が起こるような位置関係にある場合、充電時にはその部分がもっとも早く分解電位に達し、不可逆的な電気化学反応を生じて、特性の劣化が起こる。この現象は電圧の変化がほとんどないような使用方法の場合には大きな問題にはならない可能性もあるが、充放電を頻繁に繰り返すような使用方法の場合には寿命を早める結果となる。このことから、充電電圧を高めるためには正負電極の電位がどうなるかだけではなく、正電極と負電極の位置関係など電極構造への配慮が不可欠である。
従来の電気二重層キャパシタでは、正電極と負電極の分極性電極の目付量を変化させることにより電位窓を有効利用し、充電電圧を大きくしようとしていた。この方法では、正電極または負電極のごく一部分において、充電時に電流集中が起こり、その結果、その部分が分解電位に達してしまい、不可逆反応が起こって劣化する問題を防ぐことができない。
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、大きい充電電圧で充電を繰り返しても劣化が小さい電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
本発明の電気二重層キャパシタは、分極性負電極と分極性正電極とがセパレータを挟んで設置される電気二重層キャパシタであって、分極性正電極の面積は分極性負電極の面積より大きく、分極性正電極の側端部は分極性負電極の側端部よりも外側に張り出す部分を有することを特徴とする電気二重層キャパシタである。
本発明による電気二重層キャパシタは、分極性負電極と分極性正電極とがセパレータを挟んで設置される電気二重層キャパシタであって、分極性正電極の面積は分極性負電極の面積より大きく、分極性正電極の側端部は分極性負電極の側端部よりも外側に張り出す部分を有するため、大きい充電電圧で充電を繰り返しても劣化が小さいという効果を有する。
以下の形態の説明において、その構成を図面を用いて説明するが、同じ構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の電気二重層キャパシタの構成を示す断面図である。図1において、電気二重層キャパシタは、外装フィルム8内に、正電極集電体1に分極性正電極2が密着してなる正電極3、負電極集電体4に分極性負電極5が密着してなる負電極6、セパレータ7、を備え、分極性正電極2と分極性負電極5とはセパレータ7を挟んで対向して設置されている。セパレータ7は微細な穴を多数有するフィルムである。外装フィルム8内には電解液9が充填され、分極性正電極2および5、セパレータ7は電解液9に含浸される。実施の形態1では、分極性正電極2の面積を分極性負電極5の面積より大きくして、分極性正電極2の側端部が対向する分極性負電極5の側端部よりも外側に張り出すように設置し、分極性負電極5の側端部が対向する分極性正電極2の側端部よりも外側に張り出さないように設置した。言い換えれば、分極性正電極2の面が対向する分極性負電極5の面を内包するように設置した。
また、実施の形態1の電気二重層キャパシタの構成部品は、例えば以下に述べる構成材料やサイズ等を有する。正電極集電体1と負電極集電体4はアルミ箔からなる。分極性正電極2と分極性負電極5とは、直径10μm程度の活性炭に、導電助剤としてのカーボンブラックと、バインダーとしてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と溶剤としてのNメチルピロリドンを加えてよく混合し、ペースト状にしたものを正電極集電体1または負電極集電体4に塗布し、乾燥して溶剤を蒸発させた後、プレスすることによって形成したものであり、正電極側、負電極側ともに厚さ約100μmである。セパレータ7は多孔質のセルロースで構成され、数十ミクロンからサブミクロンの穴を有し、その穴を通して電解質9中の陽イオン、陰イオンが分極性正電極2と分極性負電極5との間を行き来できるようになっている。またセパレータ7はセルロースで構成されるので電気的に絶縁性である。セパレータ7の厚みは通常数十から数百ミクロンであり、実施の形態1では約50ミクロンとした。電解液9としては、溶媒としてのプロピレンカーボネイト(PC)に電解質としてのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート((CN・BF)を1mol/lの濃度になるように溶解したものを用いている。
これらの正電極3、負電極6、セパレータ7、および電解液9を、外装フィルム8で包装して電気二重層キャパシタを形成する。外装フィルム8にはアルミ箔の表裏両面にポリエチレンを貼り合わせたアルミラミネートフィルムを用いる。正電極集電体1および負電極集電体4の一部はリード線として外装フィルム8の外へ出す。この際、電解液9が外部に漏洩するのを防ぎ、外部から水や空気が侵入するのを防ぐため、正電極集電体1および負電極集電体4にはシール用のフィルムをあらかじめ加熱溶着しておき、しかる後に加熱溶着したシール用フィルム部分と外装フィルム8とを完全に溶着する。
図2は実施の形態1の正電極3および負電極6の形状を示す模式図である。正電極3は分極性正電極2の大きさが32mm角となるように切断され、負電極6は分極性負電極5の大きさが分極性正電極2の大きさよりも小さい30mm角となるように切断されている。
図3は実施の形態1の正電極3と負電極6とがセパレータ7を挟んで対向して設置された状態を示す透視図である。図3のように、正電極から負電極を見通した場合に、分極性正電極2の側端部は分極性負電極5の側端部の外側にある。言い換えれば、正電極3から負電極6を見透した場合に、分極性正電極2の面が分極性負電極5の対向する面を内包するように設置されている。実施の形態1では分極性正電極2の周辺は対向する分極性負電極5の周辺の約1mm外側に張り出すようにした。この場合、分極性負電極5の側端部より張り出した分極性正電極2の幅はセパレータ7の厚み50ミクロンの20倍程度となっている。
実施の形態1に対して従来の技術を用いた比較の形態1を作製した。比較の形態1の電気二重層キャパシタは、正電極3の分極性正電極2および負電極6の分極性負電極5の大きさをいずれも30mm角の正方形とし、かつ、正電極3から負電極6を見透した場合に、分極性正電極2の主面は分極性負電極5の主面とほぼ一致するように配置した。その他の条件、使用材料や製造方法はすべて実施の形態1と同じとした。
電気二重層キャパシタは充電時に正電極3と負電極6との間に充電電圧を印加して、電解質9中の負イオンを分極性正電極2の表面に引き寄せ、また電解質9中の正イオンを分極性負電極5の表面に引き寄せ、分極性正電極2に正電荷、分極性負電極5に負電荷を蓄えることで、電気エネルギーを蓄えるデバイスである。充電時には電解液9中で分極性正電極2から分極性負電極5に電流が流れる。また、逆に放電時には分極性負電極5から分極性正電極2に電流が流れる。
以上の構成の電気二重層キャパシタの特性を、充電電圧をパラメータとして変化させて充放電サイクル試験によって評価した。短期間で評価するために70℃の恒温槽に入れ、充電時には定電流定電圧法を用いた。定電流定電圧法は、まず、正電極3と負電極6との間に50mAの定電流を流し、正電極3と負電極6との間の充電電圧が所定の値に達したところで、正電極3と負電極6との間の電圧をその充電電圧に維持し、充電開始からの時間が6分になったところで充電を終了する。続けて定電流法で放電する。定電流法では、50mAの一定電流で放電し、正電極3と負電極6との間の放電電圧がほぼ0Vになった時点で放電を終了する。その後、2分間の休止時間をとる。以上の充電、放電、休止を1サイクルとして、連続して試験を行なう。
充放電サイクル試験の3サイクル目の放電容量を100%として、1000サイクル目の放電容量を%表示する放電容量保持率を測定する。このようにして充電電圧を、2.5V〜3.5Vまで変化させた各場合について放電容量保持率を測定した。放電容量保持率の充電電圧依存性を調べることによって、キャパシタの特性を評価した。
図4は、実施の形態1および比較の形態1の放電容量保持率の充電電圧依存性を示すグラフである。比較の形態1のキャパシタでは、充電電圧を2.5V〜3.5Vと上げるに伴い放電容量保持率は徐々に低下し、特に2.8V以上の充電電圧では低下が激しく、1000サイクルの充放電を繰り返すような用途には性能上問題がある。一方、実施の形態1のキャパシタでは、充電電圧を2.5V〜3.5Vと上げるに伴い放電容量保持率が低下する傾向はあるが、充電電圧が2.5V〜3.2Vの間は低下が緩やかであり、3.2Vを超えると低下が著しくなった。容量保持率96%を保持できる充電電圧は比較の形態1で2.7Vに対して、実施の形態1では3.2Vであった。従って、実施の形態1では充電電圧3.2Vの実使用に耐えうると考えられ、比較の形態1より繰り返し充電特性が大きく改善された。
繰り返しの充放電で容量保持率の低下が起こる主な原因は、分極性電極の一部が分解電位に達し、不可逆反応が起こって劣化したものと考えられる。一般に電解液中での分解電位は分極性負電極に比べて、分極性正電極の方が分解電位までの電圧に余裕が小さい。従って、不可逆反応による劣化は主に分極性正電極で生じることになる。
実施の形態1では分極性正電極の周辺部分は対向する分極性負電極5の側端部の外側に張り出し、分極性負電極とは対向しない。充電時には、分極性負電極の面に対向する分極性正電極の面に加えて、分極性負電極の側端部から張り出した分極性正電極の周辺部分からも、分極性負電極側に電流が流れる。
従って、充電中に分極性正電極の周辺部分から分極性負電極へ流れる電流密度は減少する。充電中に分極性正電極の周辺部から対向する分極性負電極側に局部的に流れる電流密度を減少できるので、分極性正電極の周辺部が分解電位に達することを防止でき、大きい充電電圧で充電を繰り返しても劣化を小さくすることができたと推察される。
以上のことから、分極正正電極の側端部は必ずしも全周にわたって分極正負電極の側端部よりも外側にある必要は無く、部分的に張り出した場合も同様な効果がある。また、逆に、分極性負電極の側端部が分極性正電極の側端部よりも外側に張り出した場合は、充電中に分極性正電極の周辺部から対向する分極性負電極側に局部的に流れる電流密度が増加し、充電を繰り返した際の劣化が大きくなることが予想される。そこで、分極性負電極の側端部は分極性正電極の側端部よりも外側に張り出さないように設置されることが望ましい。
以上のように、分極性負電極と分極性正電極とがセパレータを挟んで設置される電気二重層キャパシタであって、分極性正電極の面積は分極性負電極の面積より大きく、分極性正電極の側端部は分極性負電極の側端部よりも外側に張り出す部分を有するように設置した構成は、大きい充電電圧で充電を繰り返しても劣化を小さくすることに効果がある。
実施の形態2.
実施の形態2の電気二重層キャパシタは、分極性負電極と分極性正電極とが積層される構造を有し、積層積層される構造における分極性正電極の層数が分極性負電極の層数よりも多い電気二重層キャパシタである。
図5は実施の形態2の構成を示す電気二重層キャパシタの断面図である。正電極集電体1は2枚あり、外装フィルム8の外側で電気的に接続してある。2枚の正電極集電体1のそれぞれには両面に分極性正電極2が形成され、分極性正電極は合計4層である。一方、負電極集電体4も2枚であり、外装フィルム8の外側で電気的に接続してあるが、2枚のうち1枚には両面に分極性負電極5が形成され、他の1枚には片面のみに分極性負電極5が形成され、従って分極性負電極5合計3層である。図5のように、両面に分極性負電極5が備えられた1枚の負電極集電体4は、2枚の正電極集電体1の間に挟まれるように設置されている。またもう1枚の片側に分極性負電極5が備えられた負電極集電体4は、その分極性負電極5が正電極集電体1の一方の分極性正電極2に対向するように設置されている。対向しあう分極性正電極2と分極性負電極5とはセパレータ7を挟んで設置されている。分極性正電極2の層数が分極性負電極5の層数よりも多いので、分極性負電極5に対向しない分極性正電極2、図5では右端、がある。なお、実施の形態2では分極性正電極2の面積、分極性負電極5の大きさをともに30mm角に揃えている。
つまり、図5は、分極性負電極5と分極性正電極2とがセパレータ7を挟んで積層される構造を有し、その積層される構造における分極性正電極2の層数が分極性負電極5の層数よりも1層多い構造である。従って、分極性負電極5に対向しない分極性正電極2が存在する。
図6は実施の形態2に対する比較の形態2の構成を示す断面図である。図6は図5の構成から、分極性負電極5に対向していない分極性正電極2、図5においては右端の1層、を取り除いた構成である。比較の形態2は実施の形態2より分極性正電極の層数が少ない。比較の形態2では分極性正電極2の層数と分極性負電極5の層数を同じにして、すべての分極性正電極2が負電極側分極性電5にセパレータを介して対向するように配置されている。すなわち、比較の形態2には分極性負電極5と対向しない分極性正電極2がない。
なお実施の形態2および比較の形態2の電気二重層キャパシタの各構成部品については、実施の形態1および比較の形態1の電気二重層キャパシタの各構成部品と同じ材質のものを使用した。
以上に説明した実施の形態2および比較の形態2の電気二重層キャパシタについて、実施の形態1と同様の評価方法、すなわち、70℃の環境において、充電時の電圧を2.5V〜3.5Vまで変化させ、各々の場合について放電容量保持率を測定し、放電容量保持率の充電電圧依存性を調べる方法によって評価した。ただし、定電流法での充電および放電における電流は150mAとした。
図7は実施の形態2および比較の形態2の、1000サイクル後の放電容量の充電電圧依存性を示すグラフである。比較の形態2のキャパシタでは、充電電圧を2.5V〜3.5Vと上げるに伴い放電容量保持率は徐々に低下し、特に2.7V以上の充電電圧では低下が激しくなる傾向であった。一方、実施の形態2のキャパシタでは、充電電圧を2.5V〜3.5Vと上げるに伴い放電容量保持率が低下する傾向はあるが、充電電圧が2.5V〜3.2Vの間は低下が緩やかであり、3.2Vを超えると低下が著しくなった。容量保持率96%を保持できる充電電圧は比較例2で2.7Vに対して、実施例2では3.2Vであった。従って、実施例2では充電電圧3.2Vの実使用に耐えうると考えられる。
実施の形態2は充電電圧を大きくしても放電容量保持率が低下することを抑制できるという実施の形態1に良く似た効果を示すことがわかった、すなわち、分極性負電極と分極性正電極とが積層された構造を有する電気二重層キャパシタにおいて、分極性正電極の層数が前記分極性負電極の層数よりも多くすることで、充電電圧を大きくしても放電容量保持率が低下することを抑制できることがわかった。
実施の形態2の構成において、充電時に、分極性負電極5に対向しない分極性正電極2から、分極性負電極5の特に周辺部に電流が流れると考えられる。それによって分極性負電極5に対向する分極性正電極2の周辺部から、分極性負電極5に流れる電流密度は減少すると推察される。このように分極性正電極2の周辺部から流れる電流密度を減少できたので、結果として充電電圧を大きくしても、その部分で局所的に分解電圧に達することが抑制されたものと推察される。
また、分極性負電極5に対向しない分極性正電極2は、積層される構造の最外層とすることは、効果的であるが、本発明には必須ではない。分極性負電極5に対向しない分極性正電極2は積層された構造の内側の層であっても良い。また、積層される分極性電極の分極性負電極5の層数より分極性正電極2の層数が複数多い構成としても良い。
図8は実施の形態2の別の形態の構成を示す断面図である。4層の分極性正電極2、2層の分極性負電極5を外装フィルム8内で積層され、電解液9に浸された構造となっている。分極性正電極2は正電極集電体1によって、また分極性負電極5は負電極集電体4によって相互に電気的に外装フィルム8の外部で接続されている。図8において、中央の正電極集電体1の両側に接続された2層の分極性正電極2は、分極性負電極5とは対向せず、セパレータ7を介して負電極集電体4に対向している。このような構成にしても、分極性負電極5と対向しない2層の分極性正電極2から、分極性負電極5の周辺部に電流が流れることにより、図8において、左右両端にある分極性負電極5に対向する分極性正電極2の周辺部から流れる電流を減少できるので、本発明の効果を発揮できる。
また、分極性負電極5に対向していない分極性正電極2の大きさおよび形状は他の分極性正電極2または分極性負電極5の大きさ、形状とはまったく異なっていても差し支えない。例えば、図9は実施の形態2の別の形態の構成を示す断面図である。図9は図6の比較の形態2の構成に、積層しあう分極性電極と異なる位置に、分極性正電極2を形成した正電極集電体1を設置した構成である。図9において、分極性負電極5に対向しない分極性正電極2は、外装フィルム8内側に沿って、分極性負電極の側端部の外側に、セパレータの厚み以上の距離をおいて、積層された分極性電極の側端部に面するように配置される。その分極性正電極2が形成された正電極集電体1は外装フィルム8内部で他の正電極集電体1と接続されているが、この接続部は外装フィルム8の外部であっても構わない。このように構成した分極性正電極2からも、充電時に分極性負電極5の特に周辺部に電流が流れるので、充電電圧を高くしても繰り返しの充電による劣化を抑制できる効果がある。
なお、図9に示した構成では、分極性負電極5に対向しない分極性正電極2を、分極性負電極5の側面にセパレータ7の厚みより近い距離に近接して設置すると、近接する部分では充電時に電流の集中が生じると予想されるので、分極性負電極5に対向しない分極性正電極2は分極性負電極5からセパレータ7の厚みの距離より離れた位置に設置するほうが良い。また、セパレータ7を介して分極性電極の側端部に面するように配置しても良い。
実施の形態2では、分極性正電極2の面積を分極性負電極5と同じにしたが、実施の形態1のように分極性正電極2の面積を分極性負電極5より大きくして、分極性正電極の側端部の全周が分極性正電極の側端部よりも外側に張り出すように構成されていても、本発明の効果がある。ただし、実施の形態2においては、分極性負電極に対向しない分極性正電極を備えて分極性正電極の周辺部に流れる電流密度を減少できるので、必ずしも分極性正電極の側端部は分極性負電極の側端部よりも外側に張りさなくても、本発明の効果がある。しかし、分極性負電極の側端部が分極性正電極の側端部より外側に張り出ている場合は、その部分で分極性正電極の周辺部に流れる電流密度が高くなる可能性がある。従って、分極性正電極の面積は分極性負電極の面積以上とするほうが良い。また、分極性負電極の側端部は分極性正電極の側端部よりも外側に張り出さないように積層した構成とすることが、充電電圧を高くしても繰り返しの充電による劣化を抑制するのに効果的である。
以上のように、実施の形態1においては、分極性正電極2の面積を分極性負電極5よりも大きくすることにより、分極性正電極2の周辺部が分極性負電極5に対向しない部分となり、また実施の形態2においては、分極性正電極2の層数が分極性負電極5の層数が多いことにより、分極性負電極5に対向しない分極性正電極2を有するため、充電電圧を高くしても繰り返しの充電による劣化を抑制するという本発明の効果を有するものである。
以上の実施の形態1および実施の形態2に記した材料は一例であり、種々の変形が考えられる。まず、正電極集電体1および負電極集電体4にはアルミ箔を用いたが、電解液9に侵されない金属ならば何でも使用できる。また、集電体の表面は光沢面であってもよいし、分極性電極との密着性を向上させるためにエッチング等の方法によって表面を荒らした金属箔でもよい。また、分極性電極の主要構成物質として活性炭を用いたが、分極性電極の単位重量当たりの静電容量を問題にしないような用途においては、導電性があり、電解液9に侵されない物質ならば何でも使用できる。
また、セパレータ7についても天然パルプ、天然セルロース、溶剤紡糸セルロース、バクテリアセルロースなどのセルロース系や、ガラス繊維、非フィブリル化有機繊維を含有する不織布の他、ナイロン66、芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリアゾ化合物、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの多孔質フィルムが使用できる。
電解質としては、カチオンとアニオンの組み合わせで、カチオンが4級アンモニウム、1,3−ジアルキルイミダゾリウム、又は1,2,3−トリアルキルイミダゾリウムで、アニオンがBF4 -、PF6 -、ClO4 -、又はCF3SO3 -の塩や、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム(DMPI)のAlCl4 -やBF4 -などの塩などが使用できる。
また、電解質を溶解する溶媒としては、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、ジメトキシメタン、ジエトキシエタン、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリルから選ばれる一種又はこれらの二種以上の混合溶媒などが使用できる。また、電解液9には電解質を溶媒に溶解したもの以外にイミダゾリウム系などのイオン性液体を用いてもよく、さらには液状の電解液9の代わりにゲル状の電解質を用いても差し支えない。包装には外装フィルム8を用いたが、空気や水分を通さず、電解液9に侵されない材料であれば何でも使用でき、短絡への配慮があれば金属ケースでも使用できる。
また、キャパシタの構造、構成に関しても種々の変形が可能である。例えば、実施の形態1および実施の形態2に記したキャパシタは短冊型および短冊積層型であるが、捲回型でも差し支えない。その場合、捲回型に巻かれた正電極3と負電極6とを解いて平らな面に展開した際に、実施の形態1のように分極性正電極2の面積を分極性負電極5の面積より大きくして、分極性正電極の側端部の全周が分極性正電極の側端部よりも外側に張り出す構成や、実施の形態2のように積層する分極性正電極2の層数を分極性負電極5の層数よりも多くする構成であってもよい。
また、それらの正電極集電体1および負電極集電体4は外装フィルム8の外側で電気的に接続したが、外装フィルム8の内部で電気的に接続してもまったく同様の効果が得られる。
実施の形態1の電気二重層キャパシタの構成を示す断面図である。 実施の形態1の正電極および負電極の形状を示す模式図である。 実施の形態1の正電極と負電極とが対向した状態を示す透視図である。 実施の形態1の放電容量の充電電圧依存性を示すグラフである。 実施の形態2の構成を示す電気二重層キャパシタの断面図である。 実施の形態2に対する比較の形態2の構成を示す断面図である。 実施の形態2の放電容量の充電電圧依存性を示すグラフである。 実施の形態2の別の形態の構成を示す断面図である。 実施の形態2の別の形態の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 正電極集電体、2 分極性正電極、3 正電極、4 負電極集電体、5 分極性負電極、6 負電極、7 セパレータ、8 外装フィルム、9 電解液

Claims (4)

  1. 分極性負電極と分極性正電極とがセパレータを挟んで設置される電気二重層キャパシタであって、前記分極性正電極の面積は前記分極性負電極の面積より大きく、前記分極性正電極の側端部は前記分極性負電極の側端部よりも外側に張り出す部分を有することを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 分極性負電極と分極性正電極とがセパレータを挟んで積層される構造を有する電気二重層キャパシタであって、前記分極性正電極の層数が前記分極性負電極の層数よりも多いことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  3. 分極性正電極の面積は分極性負電極の面積以上とすることを特徴とする請求項2に記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 分極性負電極と分極性正電極とがセパレータを挟んで設置される電気二重層キャパシタであって、前記分極性負電極の側端部の外側に、前記セパレータの厚み以上の距離をおいて、前記分極性負電極の側端部に面する分極性正電極をさらに備えることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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