JP2007212358A - 超音波探触子及びそれを備えた温度測定装置 - Google Patents

超音波探触子及びそれを備えた温度測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波透過性を確保しながら、より高温状態での超音波測定を可能とした接触式の超音波探触子及びそれを備えた金型温度測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】超音波センサ51aが設けられる超音波センサ部51と超音波伝達部52とを備え、該超音波伝達部52の先端部52aを鍛造粗材1に接触させて超音波を発射する超音波探触子5であって、前記超音波伝達部52は、前記超音波センサ部51から前記先端部52aに向けてロッド状に延出されるとともに、先細り形状のテーパ形状となるテーパ部52cが形成され、該テーパ部52cの外周面に該超音波伝達部52と同質の溶射被膜が形成され、前記先端部52aの先端平面部に軟質金属部材59が取り付けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、超音波探触子及びそれを備えた温度測定装置に関し、より詳細には、ロッド状の超音波伝達部を備えた接触式の超音波探触子の改良技術に関する。
従来、超音波センサを用いて被測定物の内部温度や厚さを測定する測定装置が提案されている。このような測定装置の中でも、超音波センサが設けられる超音波センサ部とロッド状に形成された超音波伝達部からなり、先端部を被測定物に接触させて超音波を発射する接触式の超音波探触子を備えたものが公知である。このような測定装置では、超音波探触子の超音波伝達部の先端部を被測定物に接触させた状態で超音波を発射して、被測定物の底面からの反射波などを超音波センサにより検知し、コンピュータ装置にて被測定物の内部温度等が求められる。
従来の構成として、例えば、特許文献1に、超音波伝達部の先端部に被測定物の表面に押し付けられる遅延材が取り付けられ、この遅延材が弾性変形の高い材質の成形材(例えば、ブタジエンゴム等)より形成された接触式の超音波探触子が提案されている(特許文献1参照)。このように、遅延材を弾性変形の高い材質により形成することで、超音波伝達部の先端部を被測定物の表面に確実に密着させることができる。
また、特許文献2には、超音波探触子の先端面部に開口部を設け、この開口部に軟質緩衝金属板を嵌着させて高温での使用も可能とした接触式の超音波探触子が提案されている(特許文献2参照)。
特開平4−238208号公報 特開平11−304777号公報
ところで、接触式の超音波探触子では、被測定物との接触精度を高めて超音波透過性を確保するために、通常、被測定物との間に接触媒質(水・グリセリン等)が一様に塗布されて接触面での超音波透過性が向上されるように構成されている。
しかし、高温状態の被測定物を測定する際には、このような接触媒体を用いることができず(若しくは接触媒体が機能せず)、接触面での超音波透過性に劣っていた。また、上述した特許文献1の超音波探触子では、先端部にブタジエンゴム等からなる遅延材が取り付けられているため、高温状態で測定を行うことができない。
この点、上述した特許文献2の超音波探触子は、先端部に軟質緩衝金属板が嵌着されていることから、高温状態でも被測定物との接触面の超音波透過性をある程度確保でき、高温状態での測定が可能である。
しかしながら、特許文献2に開示される構成であっても、被測定物と超音波センサ部との離間が狭いため、超音波センサ部を特殊な材質(アルミや耐熱性樹脂等)で形成して超音波センサを保護すれば、ある程度高温(〜400℃)の被測定物の測定が可能であるが、鍛造粗材などより高温(〜1000℃)の被測定物の測定には用いることができなかった。
そこで、本発明においては、超音波探触子及びそれを備えた金型温度測定装置に関し、前記従来の課題を解決するもので、超音波透過性を確保しながら、より高温状態での超音波測定を可能とした接触式の超音波探触子及びそれを備えた金型温度測定装置を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、第1の発明は、超音波センサが設けられる超音波センサ部と超音波伝達部とを備え、該超音波伝達部の先端部を被測定物に接触させて超音波を発射する超音波探触子であって、前記超音波伝達部は、前記超音波センサ部から前記先端部に向けてロッド状に延出されるとともに、先細り形状のテーパ形状となるテーパ部が形成され、該テーパ部の外周面に該超音波伝達部と同質の溶射被膜が形成され、前記先端部の先端平面部に軟質金属部材が取り付けられたものである。
前記軟質金属部材は、好ましくは、少なくとも被測定物との接触側表面が研磨等により平滑面に構成されたものである。
また、第2の発明は、第1の発明を備えた温度測定装置である。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
第1の発明に示す構成としたので、接触媒質を不要としつつも、超音波透過性を確保しながら、より高温状態での超音波測定が可能である。
特に、前記軟質金属部材は、少なくとも被測定物との接触側表面が平滑に研磨に示す構成としたので、超音波探触子と被測定物とをより密接させることができ、超音波透過性を向上できる。
第2の発明に示す構成としたので、接触媒質を不要としつつも、超音波透過性を確保しながら、より高温状態での超音波測定が可能である。
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本実施例の超音波探触子を備えた温度測定装置の全体的な構成を示した図、図2は超音波探触子の正面図、図3は超音波探触子の相対移動の様子を示した図、図4は別実施例の温度測定装置の全体的な構成を示した図、図5は図4の温度測定装置における超音波探触子の配置部分の拡大側断面図である。
まず、本実施例の超音波探触子5を備えた温度測定装置2の全体構成について、以下に概説する。
図1には、鍛造工程における鍛造粗材1の内部温度を測定する温度測定装置2が示されている。本実施例での鍛造工程では、搬送経路3に沿って被測定物としての鍛造粗材1が搬送される。以下、鍛造粗材1の搬送方向を、図1における矢印方向(X方向)とする。鍛造粗材1は、温度測定装置2よりも搬送方向Xの上流側に配置された高周波加熱器4によって1000℃程度に加熱された後、温度測定装置2の所定位置まで搬送される。
温度測定装置2は、鍛造工程において高温に加熱された鍛造粗材1の内部温度を測定可能に構成されている。
具体的には、超音波送受信装置21と、高速AD変換器22と、時間計測部23aや超音波速度算出部23bや温度抽出部23cや温度特性判定部23dなどを備えたコンピュータ装置23と、鍛造粗材1の内部温度と超音波速度との関係を示す温度−速度テーブル24aを記憶した記憶部24と、超音波送受信装置21と接続され鍛造粗材1に接触して鍛造粗材1に向けて超音波を発射する超音波探触子5等とから構成されている。
超音波送受信装置21は、超音波探触子5に設けられた超音波センサ51aを介して超音波を送受信可能に構成されている。なお、超音波探触子5は、その先端部52aが鍛造粗材1の上面(上側面1a)に略垂直方向に接触し、先端部52aから超音波が発射されるように構成されている。この超音波探触子5の詳細は、後述する(図2及び図3参照)。
超音波送受信装置21から超音波センサ51aを介して発射された超音波は、鍛造粗材1の上側面1a(超音波探触子5の先端部)から下側面1b(鍛造粗材1と搬送経路3との境界面)にて反射して、超音波センサ51aへ戻ってくる。また、超音波センサ51aは、下側面1bで反射して戻ってきた超音波(反射波)を受信可能とされている。
このように、超音波送受信装置21は、鍛造粗材1の上側面1aから下側面1b側へ向けて超音波を発射するとともに、上述した反射波を検出可能に構成されている。
高速AD変換器22は、鍛造粗材1の下側面1bで反射して戻ってきた超音波(反射波)の波形をデジタルデータに変換して、コンピュータ装置23へと出力する。
コンピュータ装置23における時間計測部23aは、超音波センサ51aが超音波を照射してから鍛造粗材1の下側面1bにて反射した超音波(反射波)を受信して検出するまでの時間等を計測する。
超音波速度算出部23bは、時間計測部23aにて計測した反射波の検出時間と鍛造粗材1の上側面1a及び下側面1b間の寸法(厚さ)とから、鍛造粗材1内を伝播する超音波の速度を算出する。
温度抽出部23cは、後述する温度−速度テーブル24aから、超音波速度算出部23bにて算出した超音波速度に対応する鍛造粗材1の内部温度を抽出する。
温度特性判定部23dは、予め設定された基準値(基準温度)を最低温度として、温度抽出部23cにて抽出された鍛造粗材1の内部温度とこの基準温度とを比較し、鍛造粗材1の温度特性を判定する。本実施例での鍛造粗材1の温度特性とは、基準温度に対して大きいか小さいかの評価をいう。
記憶部24に記憶される温度−速度テーブル24aは、予め実験により求めたものであり、温度と超音波速度との相関関係を読み出し可能なデータ形式として構成されている。予備実験としては、温度測定装置2に所定温度に加熱した熱電体を配置し、超音波探触子5から超音波を発射して、この熱電体中を伝播する超音波の速度を算出する。設定温度を変更した熱電体の超音波速度をそれぞれ測定していき、その結果を温度−速度テーブル24aとして記憶部24に記憶する。
以上のような構成において、まず、鍛造粗材1は、高周波加熱器4によって高温に加熱された状態で搬送経路3に沿って搬送され、温度測定装置2の所定位置に停止される。
温度測定装置2では、鍛造粗材1に超音波探触子5を接触させた状態で超音波が照射され、超音波センサ51aで受信された反射波が超音波送受信装置21を介して高速AD変換器22にてデジタルデータに変換されて、コンピュータ装置23に送られる。
コンピュータ装置23では、上述した時間計測部23a及び超音波速度算出部23bにおいて、上述したデジタルデータから鍛造粗材1内部での超音波速度が算出され、温度抽出部23cにおいて、算出された超音波速度と温度−速度テーブル24aとから鍛造粗材1の内部温度が抽出される。温度特性判定部23dにおいて、抽出された内部温度が基準温度内であると判定されれば、鍛造粗材1が搬送方向Xの下流側の設備へと搬送経路3に沿って搬送され、一方で、抽出された内部温度が基準温度よりも低いと判定されれば、鍛造粗材1が高周波加熱器4によって再加熱されるように搬送方向Xの下流側へと再搬送される。
次に、本実施例の超音波探触子5について、以下に詳述する。
図2及び図3に示すように、超音波探触子5は、超音波センサ51aが設けられる超音波センサ部51と、ロッド状の超音波伝達部52とを備えている。また、この超音波探触子5は、支持アーム53に位置決めして支持されるとともに、駆動モータ54に連動連結されており、支持アーム53に支持された状態で駆動モータ54により軸中心に回転されて鍛造粗材1との相対位置を変動可能としている。
超音波センサ部51は、超音波伝達部52の一端に形成され、超音波センサ51aと、該超音波センサ51aを囲繞するセンサホルダ51bとを備えている。センサホルダ51bは、超音波伝達部52の一端を覆うようにして取り付けられるとともに、端面に軸部55が固設されており、この軸部55が駆動モータ54の駆動軸と連動連結されている。
駆動モータ54の駆動軸が正逆回転されると、該駆動モータ54の回転駆動力が軸部55及びセンサホルダ51bを介して超音波探触子5に伝達され、これにより超音波探触子5が正逆回転される。
超音波伝達部52は、超音波センサ部51から他端に向けて長手方向に延出されたロッド部材であって、超音波センサ51aから照射された超音波が、この超音波伝達部52を伝達して、先端部52aから発射される。本実施例の超音波探触子5は、被測定物に対して接触して超音波を発射するものであって、鍛造粗材1の上側面1aに先端部52aが略垂直に当接した状態で超音波が発射される(図3(b)参照)。
この超音波伝達部52は、半径方向長さが同一に形成された胴部52bと、胴部52bから先端部52aにかけて半径方向長さが徐々に小さくなるように形成された側面視テーパ状のテーパ部52cとを備え、全体として先端部52aに向けて先細り形状となるように形成されている。
胴部52bの外周面には、雄ねじ56がねじ切り加工されており、上述した支持アーム53に穿設された挿通孔53aに形成された雌ねじ57と螺合されている。
テーパ部52cは、テーパ面の角度が例えば約2°程度となるように加工形成されており、その外周面が溶射被膜に覆われている。超音波伝達部52(胴部52b及びテーパ部52c)は、強硬度で耐熱性に優れたSKD系などの鋼材により形成されており、テーパ部52cに形成される溶射被膜としては、例えばSUS304等が用いられる。
超音波伝達部52の先端部52aは、端部の平面部に軟質金属部材59が取り付けられている。本実施例では、軟質金属部材59の材質としては、銅や錫などが用いられ、先端部52aの先端平面部にメッキ若しくは溶着された薄膜状態で取り付けられる。また、この軟質金属部材59は、鍛造粗材1の上側面1aとの接触側表面が平滑面となるように研磨されている。軟質金属部材59における鍛造粗材1の上側面1aとの接触側表面の平滑度合いは、軟質金属部材59が鍛造粗材1の上側面1aと密着して、軟質金属部材59と鍛造粗材1との間で、鍛造粗材1の温度計測に影響がない程度に超音波が伝達可能となるだけの平滑度合いとするのが好ましい。
軟質金属部材59の膜厚は、超音波センサ51aの周波数や超音波探触子5(特に、超音波伝達部52)の材質などに影響されるが、概ね超音波の波長の約1/4となるように調製される。このような膜厚に調製することで、超音波透過率がよく、軟質金属部材59で反射されずに鍛造粗材1にまで超音波を効率よく伝播させることができる。
超音波探触子5は、鍛造粗材1に対して位置決めするようにして支持アーム53に支持されており、具体的には、温度測定装置2の所定位置に停止された鍛造粗材1の上側面1aに対して略垂直となるように位置決めされている(図3参照)。この支持アーム53には、上述したように、内壁にねじ切り加工が施された挿通孔53aが穿設されており、超音波伝達部52に施されたねじ切り加工部(雄ねじ56)である胴部52bが、この挿通孔53aに施されたねじ切り加工部(雌ねじ57)と螺合して、超音波探触子5が固定されている。
なお、支持アーム53には、冷却水若しくは冷風を循環させて温度が上昇した超音波探触子5を冷却する循環ダクト60が内部に形成されている。この循環ダクト60は、挿通孔53aに挿通されて支持された超音波探触子5の円周方向に沿って、超音波センサ部51(若しくは超音波センサ51a)の近傍位置に形成される。このような循環ダクト60を設けることで、超音波センサ部51(超音波センサ51a)近辺を冷却することができ、超音波センサ部51(超音波センサ51a)の温度上昇を効果的に防止できる。ただし、この循環ダクト60は、被測定物の内部温度が低い場合等には、必ずしも設けられる必要はない。
また、超音波探触子5は、上述した駆動モータ54が正逆回転されることによって、支持アーム53に支持された状態で連動して正逆回転されて、鍛造粗材1に対する軸方向の相対位置が変動される。具体的には、超音波探触子5は、一方向(図3(a)において時計回り)に回転されると、先端部52aが鍛造粗材1から離間する方向に移動される。そして、他方向(図3(b)において反時計回り)に回転されると、先端部52aが鍛造粗材1に近接する方向に移動され、やがて先端部52aが鍛造粗材1の上側面1aに接触した状態で停止される。なお、本実施例では、かかる状態(図(b)参照)で鍛造粗材1に超音波が発射される。このような構成とすることで、超音波伝達部52の先端部52aを鍛造粗材1に当接した状態と離間した状態とに容易に切り換えることができ、超音波探触子5を常時高温の鍛造粗材1に接触させておく必要がなく、超音波センサ51a等の寿命を延ばすことができる。
以上のように、本実施例の超音波探触子5は、超音波センサ部51と超音波伝達部52とを備え、超音波伝達部52において、前記超音波センサ部51から先端部52aに向けてロッド状に延出され、先細り形状となるように形成されたテーパ部52cの外周面に該超音波伝達部と同質の溶射被膜が形成されるとともに、先端部52aの先端平面部に軟質金属部材59が取り付けられている。このような構成とすることで、超音波探触子5は、超音波透過性を確保しながら、より高温状態での超音波測定を可能としている。
すなわち、超音波伝達部52において、超音波センサ部51から先端部52aに向けて軸心方向に長くなるようにロッド状に延出させることで、超音波センサ5aを鍛造粗材1からできるだけ遠ざけることができ、高温の被測定物の内部温度測定に適している。特に、超音波伝達部52をSKD系などの耐熱性の鋼材より形成したものは、超音波透過性(減衰性)がよく超音波が伝播し易いため、軸心方向に長いロッド状に形成し易い。このように超音波センサ51aを鍛造粗材1より遠ざけることで、耐熱性を備えた特殊な超音波センサ等を用いる必要がなく、例えば、SN比のよい安価な超音波センサを用いることができ、製造コストを低減できる。
また、超音波伝達部52において、先細り形状となるようにテーパ状に形成し、テーパ部52cの外周面に超音波伝達部52と同質の溶射被膜を形成することで、ロッド状に形成された超音波伝達部52おける遅れエコーなどのノイズ波を低減できる。
さらに、鍛造粗材1との接触部分である超音波伝達部52の先端部52aに軟質金属部材59からなる被膜を形成させることで、超音波探触子5と鍛造粗材1とを密着して接触させることができ、接触媒質を用いることなく鍛造粗材1への超音波透過性を十分に確保することができ、ドライな環境で超音波測定を行うことができる。また、高温による劣化も防止できる。特に、鍛造粗材1との接触面である接触側表面が平滑に研磨されることで、超音波探触子5と鍛造粗材1とをより密接させることができ、超音波透過性を向上できる。
なお、本実施例では、超音波探触子5を備えた装置構成として、鍛造工程での鍛造粗材1の温度測定装置2について説明したが、このような構成に限定されず、鍛造金型・鋳造金型・樹脂成形金型等の温度測定装置に適用することができる。
例えば、図4及び図5に、別実施例として鋳造工程におけるダイカストマシーンに適用された温度測定装置102を示す。本実施例での温度測定装置102は、超音波探触子105によって鋳造時での金型101のキャビティ111内の溶湯131に超音波を発射して、溶湯131温度を測定可能に構成されている。
ダイカストマシーンは、射出スリーブ103内に、プランジャロッド103aの先端に取り付けたプランジャチップ103bが摺動自在に嵌装されており、射出スリーブ103内の溶湯131が、プランジャチップ103bにより押し出されて、金型101のキャビティ111へ射出されるように構成されている。
金型101のキャビティ111には、鋳造面となるキャビティ面111a・111bがそれぞれ対向するように略平行に設けられている(図5参照)。金型101のキャビティ111内に充填される被測定物としての溶湯131(例えばアルミダイカストの場合はアルミ溶湯)は、充填後に温度が低下してその溶湯131の凝固温度に達すると凝固する。
図5に示すように、超音波探触子105は、タイガストマシーンの金型101に設けられた空間101aに配置され、先端部152aがキャビティ面111aに近接する一側面に常時接触されている。この超音波探触子105には、温度測定装置102を構成する超音波送受信装置121に接続された超音波センサ151aが設けられており、金型101のキャビティ111内に超音波が発射される。そして、金型101におけるキャビティ面111aにて反射して戻ってきた超音波(「第1の反射波」という)、及びキャビティ面111aとは反対側の表面であるキャビティ面111bにて反射して戻ってきた超音波(「第2の反射波」という)が受信される(図5参照)。
なお、本実施例の超音波探触子105は、図示せぬ支持部材によって固定されており、キャビティ面111aとの相対位置が変動不能に固定されている。ただし、上述した実施例(図3参照)のように、キャビティ面111aとの相対位置が変動可能に支持されてもよい。
温度測定装置102は、超音波送受信装置121と、高速AD変換器122と、時間計測部123aや超音波速度算出部123bや温度抽出部123cなどを備えたコンピュータ装置123と、温度−速度テーブル124aを記憶した記憶部124と、超音波送受信装置121と接続された超音波探触子105等とから構成されている。
記憶部124に記憶される温度−速度テーブル124aは、予め実験により求めたものであり、溶湯131の温度と溶湯131を伝播する超音波速度との相関関係を読み出し可能なデータ形式として構成されている。
ここで、溶湯131は、凝固温度を境として溶湯131中を伝播する超音波速度が急激に変化することが知られており、高温側(溶融側)では超音波速度が遅く、低温側(凝固側)では超音波速度が速くなる。そのため、超音波速度算出部123bにて算出された超音波速度から、温度抽出部123cにて温度−速度テーブル24aから対応する溶湯131の温度が抽出されることで、溶湯131の現在(及び過去)の状態が検知される。
以上のような構成において、温度測定装置102では、金型101の空間101aに配置された超音波探触子5から超音波が照射される。発射された超音波は、キャビティ111内に充填された溶湯131内を伝播して、金型101のキャビティ面111bにて反射されて、第2の反射波として超音波センサ151aにより受信される。また、発射された超音波の一部は、金型101のキャビティ面111aで反射されて、第1の反射波として超音波センサ151aにより受信される。
超音波センサ151aで受信された第1及び第2の反射波は、超音波送受信装置121を介して高速AD変換器122にてデジタルデータに変換されて、コンピュータ装置123に送られる。
コンピュータ装置123では、上述した時間計測部123aにおいて照射された超音波がキャビティ面111aからキャビティ面111b間を往復するのに要した時間(超音波伝播時間t)が計測される。なお、この超音波伝播時間tは、超音波を発射してから第2の反射波が受信されるまでの時間t2から、超音波を発射してから第1の反射波が受信されるまでの時間t1を引いた時間である。
超音波速度算出部123bでは、時間計測部123aにおいて計測された超音波伝播時間tから、溶湯131内部での超音波速度が算出され、温度抽出部123cにおいて、算出された超音波速度と温度−速度テーブル124aから溶湯131の内部温度が抽出される。
本実施例の温度測定装置102は、コンピュータ装置123にて抽出された内部温度から、例えば、溶湯131の固相率を算出するように構成してもよく、算出された固相率を用いて、キャビティ111内に充填された溶湯を加圧する加圧ピンの動作の制御や、金型101の型開きの制御等といった制御を行うように構成されてもよい。また、溶湯131充填時の固相率を算出しておけば、充填時の固相割合(凝固している溶湯131の割合)を把握することができる。さらに、固相率の算出を溶湯131の充填時から離型時にかけて継続的に行うことで、正凝固層の進展速度を算出することもできる。
本実施例の超音波探触子を備えた温度測定装置の全体的な構成を示した図。 超音波探触子の正面図。 超音波探触子の相対移動の様子を示した図。 別実施例の温度測定装置の全体的な構成を示した図。 図4の温度測定装置における超音波探触子の配置部分の拡大側断面図。
符号の説明
1 鍛造粗材(被測定物)
2 温度測定装置
5 超音波探触子
51 超音波センサ部
51a 超音波センサ
52 超音波伝達部
52a 先端部
52b 胴部
52c テーパ部
59 軟質金属部材

Claims (3)

  1. 超音波センサが設けられる超音波センサ部と超音波伝達部とを備え、該超音波伝達部の先端部を被測定物に接触させて超音波を発射する超音波探触子であって、
    前記超音波伝達部は、前記超音波センサ部から前記先端部に向けてロッド状に延出されるとともに、先細り形状のテーパ形状となるテーパ部が形成され、該テーパ部の外周面に該超音波伝達部と同質の溶射被膜が形成され、前記先端部の先端平面部に軟質金属部材が取り付けられたことを特徴とする超音波探触子。
  2. 前記軟質金属部材は、少なくとも被測定物との接触側表面が平滑面に構成されることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記請求項1又は請求項2に記載の超音波探触子を備えたことを特徴とする温度測定装置。
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