JP2006038475A - 溶湯圧力測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】動作不良や破損を起こすことがなく、測定精度が良いダイカストキャビティ内の溶湯圧力測定方法を提供する。
【解決手段】試験片を鋳造するための試験用鋳型2と、該試験用鋳型のキャビティ面に作用する溶湯の圧力を検出する圧力センサ4と、外部から該試験用鋳型のキャビティ面に超音波を照射するとともに該超音波の反射波を検出する第一の超音波センサ5と、を具備する試験片鋳造装置1を用いて、該圧力センサにより検出される溶湯の圧力と、該第一の超音波センサにより検出される反射波と、の関係を予め求め、該関係と、第二の超音波センサ25が外部から鋳造製品を鋳造するための製品用鋳型22のキャビティ面に照射した超音波の反射波と、に基づいて、該製品用鋳型のダイカストキャビティ内の溶湯圧力を測定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ダイカストキャビティの溶湯の圧力を測定する技術に関する。
従来、ダイカストキャビティに収容される溶湯の圧力を測定する技術は公知である。
例えば、特許文献1に記載の加圧式成形機においては、鋳型の外部からダイカストキャビティを形成する鋳型の内周面に貫通する孔が設けられ、該孔に摺接する(気密的に摺動可能な)荷重ピンを設け、該荷重ピンに歪みゲージ等の圧力センサを設けることによりダイカストキャビティ内の溶湯圧力を測定する。
これは、通常、圧力センサの耐熱温度が溶湯の温度よりも低いため、該圧力センサをダイカストキャビティのキャビティ面(鋳型の内周面)に直接設けることが困難であることによる。
実開平4−75930号公報
特許文献1に記載の加圧式成形機における圧力測定方法は、荷重ピンと鋳型との隙間(摺接部)に溶湯が差し込んで荷重ピンが動作不良を起こしたり(摺動しなくなったり)、破損したりして、溶湯の圧力を精度良く測定することが実質的に不可能となる場合があるという問題がある。
本発明は、以上の如き状況に鑑み、動作不良や破損を起こすことがなく、測定精度が良い溶湯圧力測定方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、鋳型の外部からキャビティ面に向かって照射された超音波が該キャビティ面で反射されて生じた反射波または該キャビティ面を透過して生じた透過波の強度に基づいて、該鋳型のダイカストキャビティに収容された溶湯の圧力を測定するものである。
請求項2においては、鋳型のダイカストキャビティ内に収容された溶湯の圧力を測定するための溶湯圧力測定方法であって、鋳型の外部から、溶湯が収容されたダイカストキャビティのキャビティ面に向かって超音波を照射し、該キャビティ面で反射されて生じた反射波または該キャビティ面を透過して生じた透過波を検出し、該反射波または透過波の強度を、予め求めた反射波または透過波と溶湯内部の圧力との関係に基づいて、前記溶湯の圧力に換算することにより前記鋳型のダイカストキャビティ内に収容された溶湯の圧力を求めるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、超音波センサにより非接触で溶湯の圧力を測定するため、溶湯により該超音波センサが動作不良を起こしたり、破損したりすることが無く、確実に溶湯圧力を測定することが可能である。
請求項2においては、超音波センサにより非接触で溶湯の圧力を測定するため、溶湯により該超音波センサが動作不良を起こしたり、破損したりすることが無く、確実に溶湯圧力を測定することが可能である。
以下では、図1、図2、図3および図4を用いて本発明の溶湯圧力測定方法の実施例に係る試験片鋳造装置1および製品鋳造装置21について説明する。
以下では、図4を用いて製品鋳造装置21の全体構成について説明する。
製品鋳造装置21は、主に製品用鋳型22、超音波センサ25、溶湯射出装置26、制御装置27等で構成される。
製品用鋳型22は鋳造製品を鋳造するための鋳型である。製品用鋳型22は通常、熱間工具鋼等、耐熱温度が高く、温度変化による寸法変化が小さい材料で構成される。製品用鋳型22の内部には溶湯を収容する内部空間であるダイカストキャビティが形成される。
ここで、本出願における「溶湯」とは、溶融状態の金属(鋳鉄、アルミニウム合金、銅合金、亜鉛合金、マグネシウム合金等)等を指すものとする。なお、本実施例における溶湯は、アルミニウム合金からなる。
また、本出願における「ダイカストキャビティ」は、製品鋳造装置21や後述する試験用鋳型2の内部空間だけでなく、他の鋳型および溶湯を収容する容器(例えば、射出成形機のシリンダ部等)の内部空間等を広く含むものとする。
なお、「鋳造製品」とは、鋳物全般を指すものとする。
超音波センサ25は、製品用鋳型22の外部に設けられ、製品用鋳型22のキャビティ面(内周面)に超音波を照射(送波)するとともに該超音波の反射波を検出(受波)する。
ここで、本出願における「超音波」は、通常人間が耳で聴くことができない周波数(一般的には20kHz以上)の音波に限定されず、聴くことを目的としない音波を広く含むものとする。
また、本実施例における超音波センサ25は反射型の超音波センサであるが、試験片や鋳造製品の形状等によっては透過型の超音波センサを用いることも可能である。
なお、反射型の超音波センサは、送波用(照射用)の振動子と受波用(検出用)の振動子が一体(同一の筐体に収容されている)でも、別体(それぞれ異なる筐体に収容されている)でも良く、あるいは、一個の振動子が送波用の振動子としての機能および受波用の振動子としての機能の両方を兼ねる形式でも良い。
また、「振動子」とは、一般的には圧電素子等からなり、電圧を印加すると応力を生じて振動を起こす、また、逆に応力を加えると電圧を発生する強誘導体を指すが、超音波の送波(照射)および受波(検出)が可能であれば他のものでも良い。
また、透過型の超音波センサは、通常、送波用(照射用)の振動子と受波用(検出用)の振動子が別体(それぞれ異なる筐体に収容されている)である。
ただし、実用的な面からみれば、反射型の超音波センサを用いることが好ましい。これは、以下の理由による。
反射型の超音波センサによる反射波の検出の場合、該反射波の強度を精度良く検出することを阻害する要因としては、(A)超音波および反射波の行程距離(鋳型の厚さ)や(B)鋳型の形状が考えられる。すなわち、超音波および反射波の行程距離が長い場合には検出される反射波の強度が小さくなり、超音波および反射波の行程距離が短い場合には超音波(送信波)と反射波の分離ができなくなる。また、鋳型の形状が複雑な場合、検出される反射波の強度のピークが尖ったものとならず、不明瞭となる場合がある。
一方、透過型の超音波センサによる透過波の検出の場合、該透過波の強度を精度良く検出することを阻害する要因としては、上記(A)、(B)に加えて、(C)透過波の行程距離が更に長くなる場合があること、(D)溶湯の一部がダイカストキャビティのキャビティ面近傍で一部凝固して凝固層を形成している場合、該凝固層と溶湯との境界面で反射波が発生するため、透過波の強度に影響を及ぼす場合があること、(E)透過型の超音波センサの場合、送波用(照射用)の振動子が設けられている方の鋳型だけでなく、受波用(検出用)の振動子が設けられている方の鋳型の形状も透過波の強度に影響を及ぼす場合があること、(F)反射波の反射した位置は通常一箇所であるため、圧力の測定点を特定可能であるのに対し、透過波は少なくともキャビティ面を二回通過するため、該通過地点間の溶湯圧力に差がある場合、どの通過地点の圧力を測ったデータなのかを判断するのが困難であること、が挙げられる。
従って、上記技術的問題が解決された場合には、透過型の超音波センサによる圧力測定が反射型の超音波センサと略同様の精度を確保可能であり、透過型の超音波センサを溶湯圧力測定に適用可能であると考えられる。
超音波センサ25により照射された所定の周波数(製品用鋳型22および溶湯の材質、製品用鋳型22の形状、温度条件等により適宜選択された周波数)の超音波は、製品用鋳型22内を透過していき、キャビティ面に到達する。そして、該超音波は該キャビティ面に接触している溶湯を透過していく透過波と、該キャビティ面にて反射する反射波とに分かれる。そして、該反射波は超音波センサ25により受波(検出)される。
超音波センサ25は後述する制御装置27に接続され、検出した反射波に係る信号を該制御装置27に送信する。
溶湯射出装置26は製品用鋳型22内に溶湯を圧送するとともに、該溶湯を加圧するものである。
溶湯射出装置26は主に、シリンダ26a、ピストン26b、アクチュエータ26c等で構成される。
シリンダ26aは溶湯を収容する略円筒形状の容器であり、一端には射出口が形成され、他端からはピストン26bが気密的かつ摺動可能に嵌装される。シリンダ26aの射出口と製品用鋳型22のゲート22bとは配管28により接続されている。
アクチュエータ26cはピストン26bをシリンダ26aに没入する方向に押すことにより、シリンダ26a内に収容された溶湯をシリンダ26aの射出口から配管28、ゲート22bを経て製品用鋳型22のダイカストキャビティに圧送し、流入させる。
アクチュエータ26cは、製品用鋳型22のダイカストキャビティが溶湯で満たされた後、さらに溶湯を加圧状態で保持する。これは、ダイカストキャビティに流入した溶湯の圧力が低いと、キャビティ面と溶湯との密着が弱く、キャビティ面と溶湯との間に隙間が発生し、試験片の表面形状の不良や鋳巣(ピンホール)の原因となるからである。
従って、試験片の表面形状を良好なものとし(キャビティ面の形状を精度良く反映したものとし)、鋳巣の発生を防止するためには、ダイカストキャビティに流入した溶湯の圧力を所定の圧力以上に保持する必要がある。
溶湯射出装置26は制御装置27に接続され、制御装置27から送信される信号により作動する。
なお、溶湯射出装置26は本実施例に限定されず、製品用鋳型22に溶湯を圧送し、該溶湯を加圧可能であれば他の形式でも良い。
制御装置27は製品鋳造装置21を統括するものである。
制御装置27は、後述する試験片製造装置1における試験片の鋳造試験により得られた圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と、該超音波センサ5により検出される反射波と、の関係に係るデータを格納している。
制御装置27は、試験用鋳型2のダイカストキャビティ内の溶湯の圧力と製品用鋳型22のダイカストキャビティ内の溶湯の圧力とが同じ場合には、超音波センサ5により検出される反射波と、超音波センサ25により検出される反射波とが同じ強度(またはSN比)であると仮定して、圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と該超音波センサ5により検出される反射波との関係に係るデータと、超音波センサ25が検出した反射波に係る信号とを比較することにより、製品用鋳型22内の溶湯の圧力を測定する。
制御装置27は、製品用鋳型22内の溶湯の圧力を測定し、該測定した溶湯の圧力が所定の値以上となるように(製品用鋳型22により鋳造される鋳造製品の表面形状を良好なものとし、鋳巣の発生を防止するように)溶湯射出装置26に信号を送信して溶湯射出装置26の動作を制御する。
なお、溶湯の圧力が前記所定の値以上とならない場合としては、ゲート22b(の断面積)が小さい場合や、溶湯射出装置26の発生させる溶湯圧力が不足している場合が考えられるが、このような場合には、ゲート22b(の断面積)を大きくしたり、より大型の(高い溶湯圧力を発生させることが可能な)溶湯射出装置に交換する。
以下では、図1を用いて試験片鋳造装置1の全体構成について説明する。試験片鋳造装置1は試験片を鋳造するための装置である。
ここで、「試験片」とは、試験的に鋳造される鋳物であり、前記製品鋳造装置21により鋳造される鋳造製品と略同じ材質からなるものとする。
図1に示す如く、試験片鋳造装置1は、主に試験用鋳型2、荷重ピン3、圧力センサ4、超音波センサ5、溶湯射出装置6、制御装置7等で構成される。
試験用鋳型2は試験片を鋳造するための鋳型である。試験用鋳型2は通常、熱間工具鋼等、耐熱温度が高く、温度変化による寸法変化が小さい材料で構成される。試験用鋳型2の内部にはダイカストキャビティが形成される。該ダイカストキャビティの形状は試験片に対応する。
荷重ピン3は、試験用鋳型2のキャビティ面の所定位置と、試験用鋳型2の外部とを貫通する貫通孔2aに気密的かつ摺動可能に設けられる略円柱形状の部材である。
荷重ピン2には試験用鋳型2のダイカストキャビティに圧送され、流入してきた溶湯の圧力が作用し、試験用鋳型2の外部に突出する方向に押される。
圧力センサ4は、試験用鋳型2のキャビティ面に作用する溶湯の圧力を検出するものである。本実施例における圧力センサ4は、例えば歪みゲージからなり、荷重ピン3の外部側の端部に設けられる。圧力センサ4は、荷重ピン3が圧力センサ4を押す力を検出することにより、間接的に荷重ピン3作用する溶湯の圧力を検出する。
圧力センサ4は後述する制御装置7に接続され、荷重ピン3に作用する溶湯の圧力に係る信号を該制御装置7に送信する。
超音波センサ5は、試験用鋳型2の外部に設けられ、試験用鋳型2のキャビティ面(内周面)に超音波を照射(送波)するとともに該超音波の反射波を検出(受波)する。
本実施例における超音波センサ5は反射型の超音波センサ(異なる物質の境界面で発射した超音波(反射波)を検出するもの)であるが、試験片や鋳造製品の形状等によっては透過型の超音波センサ(物質を透過してきた超音波を検出する)を用いることも可能である。
超音波センサ5により照射された所定の周波数(試験用鋳型2および溶湯の材質、試験用鋳型2の形状、温度条件等により適宜選択された周波数)の超音波は、試験用鋳型2内を透過していき、キャビティ面に到達する。そして、該超音波は該キャビティ面に接触している溶湯を透過していく透過波と、該キャビティ面にて反射する反射波とに分かれる。そして、該反射波は超音波センサ5により受波(検出)される。
超音波センサ5は後述する制御装置7に接続され、検出した反射波に係る信号を該制御装置7に送信する。
溶湯射出装置6は試験用鋳型2内に溶湯を圧送するとともに、該溶湯を加圧するものである。
溶湯射出装置6は主に、シリンダ6a、ピストン6b、アクチュエータ6c等で構成される。
シリンダ6aは溶湯を収容する略円筒形状の容器であり、一端には射出口が形成され、他端からはピストン6bが気密的かつ摺動可能に嵌装される。シリンダ6aの射出口と試験用鋳型2のゲート2bとは配管8により接続されている。
アクチュエータ6cはピストン6bをシリンダ6aに没入する方向に押すことにより、シリンダ6a内に収容された溶湯をシリンダ6aの射出口から配管8、ゲート2bを経て試験用鋳型2のダイカストキャビティに圧送し、流入させる。
アクチュエータ6cは、試験用鋳型2のダイカストキャビティが溶湯で満たされた後、さらに溶湯を加圧状態で保持する。これは、ダイカストキャビティに流入した溶湯の圧力が低いと、キャビティ面と溶湯との密着が弱く、キャビティ面と溶湯との間に隙間が発生し、試験片の表面形状の不良や鋳巣(ピンホール)の原因となるからである。
従って、試験片の表面形状を良好なものとし(キャビティ面の形状を精度良く反映したものとし)、鋳巣の発生を防止するためには、ダイカストキャビティに流入した溶湯の圧力を所定の圧力以上に保持する必要がある。
溶湯射出装置6は制御装置7に接続され、制御装置7から送信される信号により作動する。
なお、溶湯射出装置6は本実施例に限定されず、試験用鋳型2に溶湯を圧送し、該溶湯を加圧可能であれば他の形式でも良い。
制御装置7は試験片鋳造装置1を統括するものである。より具体的には、制御装置7は溶湯射出装置6に信号を送信して溶湯射出装置6の動作を制御するとともに、圧力センサ4が検出した荷重ピン3に作用する溶湯の圧力に係る信号、および、超音波センサ5が検出した反射波に係る信号を取得する。
また、制御装置7は、溶湯の圧力条件を変更しつつ試験片製造装置1による試験片の鋳造試験を行い、圧力センサ4が検出した荷重ピン3に作用する溶湯の圧力に係る信号、および、超音波センサが検出した反射波に係る信号に基づいて、圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と、該超音波センサ5により検出される反射波と、の関係を求める。制御装置7は、市販のパソコン等で構成することが可能である。
以下では、図2および図3を用いて圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と、該超音波センサ5により検出される反射波と、の関係の具体例について説明する。
図2(a)は図1における試験片鋳造装置1の超音波センサ5と試験用鋳型2および溶湯の位置関係を示す図、図2(b)は超音波センサ5が超音波(送信波)を照射(送波)してから種々の反射波を検出(受波)するまでの時間と、該反射波の強度との関係を示す図である。
図2(b)に示す如く、反射波には幾つかの種類があり、(1)超音波センサ5から近い方の試験用鋳型2のキャビティ面(図2(a)中の位置31)で反射した反射波、(2)超音波センサ5から近い方の試験用鋳型2のキャビティ面に沿って溶湯が凝固した部分と溶融状態の溶湯との境界面(図2(a)中の位置32)で反射した反射波、(3)超音波センサ5から遠い方の試験用鋳型2のキャビティ面に沿って溶湯が凝固した部分と溶融状態の溶湯との境界面(図2(a)中の位置33)で反射した反射波、(4)超音波センサ5から遠い方の試験用鋳型2のキャビティ面(図2(a)中の位置34)で反射した反射波、(5)超音波センサ5から遠い方の試験用鋳型2の外周面で反射した反射波、等が存在する。
なお、溶湯の温度が高く、溶湯が試験用鋳型2のキャビティ面に沿って凝固していない場合、または、溶融状態の溶湯が超音波の透過経路上に無い場合には、上記(2)および(3)の反射波は検出されないことになる。
超音波センサ5が、時刻T0に超音波(送信波)を照射(送波)し、時刻T0+t1に(1)超音波センサ5から近い方の試験用鋳型2のキャビティ面(図2(a)中の位置31)で反射した反射波を検出(受波)した場合、図1および図2(a)中の長さL1および試験用鋳型を構成する材質の音速Vを用いてt1=(2×L1)/Vと表すことができる。
すなわち、制御装置7は、時刻との関係において、(1)超音波センサ5から近い方の試験用鋳型2のキャビティ面(図2(a)中の位置31)で反射した反射波の強度に係るデータを取得することが可能である。
一方、制御装置7は、圧力センサ4により検出される溶湯の圧力に係るデータについても、該圧力が検出された時刻との関係において取得することが可能である。
従って、制御装置7は、同時刻における(1)超音波センサ5から近い方の試験用鋳型2のキャビティ面(図2(a)中の位置31)で反射した反射波の強度と圧力センサ4により検出される溶湯の圧力との関係を取得することが可能である。
そして、制御装置7は、試験用鋳型2に収容された溶湯の圧力を時間とともに変化させ、同時刻における(1)超音波センサ5から近い方の試験用鋳型2のキャビティ面(図2(a)中の位置31)で反射した反射波の強度と圧力センサ4により検出される溶湯の圧力との関係を取得することにより、図3に示す如く、圧力センサ4により検出される溶湯の圧力(横軸)と、(1)超音波センサ5から近い方の試験用鋳型2のキャビティ面(図2(a)中の位置31)で反射した反射波の強度(縦軸)との関係を取得することが可能である。
一般的に、超音波が比重(密度)の異なる二種類の物質の境界面を透過する際に反射波が発生する。そして、境界面を形成する二種類の物質間の比重差が大きいほど、反射波の強度は大きくなる。
一般的に、ダイカストキャビティ内の溶湯の圧力が低いと、溶湯表面と鋳型のキャビティ面との密着性が低いため、該キャビティ面と溶湯表面との間には隙間(空気の層)が形成されている。従って、該キャビティ面に超音波を照射した場合には、鋳型を構成する材質(例えば熱間工具鋼)と空気の層との境界(比重差が大きい物質間の境界)で反射波が発生することとなり、発生する反射波の強度が大きい。
逆に、溶湯の圧力が高いと、溶湯表面と鋳型のキャビティ面との密着性が高いため、該キャビティ面と溶湯表面との間には隙間(空気の層)が形成されない。従って、該キャビティ面に超音波を照射した場合には、鋳型を構成する材質(例えば熱間工具鋼)と溶湯との境界(比重差が小さい物質間の境界)で反射波が発生することとなり、発生する反射波の強度が小さい。
なお、圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と該超音波センサ5により検出される反射波との関係は、上記具体例(圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と(1)超音波センサ5から近い方の試験用鋳型2のキャビティ面(図2(a)中の位置31)で反射した反射波の強度との関係)に限定されず、圧力センサ4が検出した荷重ピン3に作用する溶湯の圧力に係る信号と、該超音波センサ5により検出される反射波に係る信号とが一対一の対応関係を成すものであれば他の関係(例えば、圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と、超音波センサ5による送波信号と受波信号の強度比(Signal to Noise Ratio;SN比)との関係)でも良い。
以上の如く、本発明に係る溶湯圧力測定方法は、鋳型の外部からキャビティ面に向かって照射された超音波が該キャビティ面で反射されて生じた反射波または該キャビティ面を透過して生じた透過波の強度に基づいて該鋳型のダイカストキャビティに収容された溶湯の圧力を測定するものである。
本実施例の場合、試験片を鋳造するための試験用鋳型2と、試験用鋳型2のキャビティ面に作用する溶湯の圧力を検出する圧力センサ4と、外部から試験用鋳型2のキャビティ面に超音波を照射するとともに該超音波の反射波を検出する第一の超音波センサ(超音波センサ5)と、を具備する試験片鋳造装置1を用いて、圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と、第一の超音波センサ(超音波センサ5)により検出される反射波と、の関係を予め求めておき、
第二の超音波センサ(超音波センサ25)が外部から鋳造製品を鋳造するための製品用鋳型22のキャビティ面に照射した超音波の反射波の強度を検出し、該反射波の強度を、前記圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と、第一の超音波センサ(超音波センサ5)により検出される反射波との関係に基づいて、製品用鋳型22のダイカストキャビティ内の溶湯圧力に換算することにより、製品用鋳型22のダイカストキャビティ内に収容された溶湯の圧力を求めるものである。
このように構成することは、以下の如き利点を有する。
第一に、超音波センサ25により非接触で溶湯の圧力を測定するため、溶湯により超音波センサ25が動作不良を起こしたり、破損したりすることが無く、確実に溶湯圧力を測定することが可能である。
第二に、従来の圧力センサによる溶湯圧力測定方法の場合には、該圧力センサに溶湯の圧力を作用させるための荷重ピンの一端が溶湯に接触するため、鋳造製品の表面に荷重ピンの跡が残るが、本実施例に係る溶湯圧力測定方法の場合には、鋳造製品の表面にそのような跡が残ることが無く、鋳造製品の表面の美観が重視される場合に有効である。
また、本実施例に係る溶湯圧力測定方法は、試験用鋳型2により鋳造される試験片の形状を略板状(一対の略平行な平滑面たる板面を有する形状)とし、該試験片の一方の板面に対応する試験用鋳型2のキャビティ面と外部とを貫通する貫通孔2aに気密的に摺動可能な荷重ピン3を設け、圧力センサ4は、荷重ピン3に作用するダイカストキャビティ内の溶湯の圧力を検出し、超音波センサ5は、該試験片の他方の板面に対応するキャビティ面に超音波を照射するとともに該超音波の反射波を検出する。
このように、試験片の一方の板面に対応するキャビティ面側に荷重ピン3、試験片の他方の板面に対応するキャビティ面側に超音波センサ5、をそれぞれ配置することにより、超音波センサ5の照射する超音波の一部が、圧力センサ4、荷重ピン3、荷重ピン3が設けられる貫通孔2a等にて反射され、超音波センサ5の検出する反射波のノイズ(外乱要素)となる事態を防止することが可能であり、圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と、超音波センサ5により検出される反射波と、の関係を精度良く得ることが可能である。
また、本実施例に係る溶湯圧力測定方法は、試験用鋳型2のキャビティ面において、第一の超音波センサ(超音波センサ5)が超音波を照射する部位が、荷重ピン3が設けられている部位と対向する。
このように構成することにより、圧力センサ4が溶湯の圧力を検出する位置と、キャビティ面において超音波センサ5により照射される超音波が反射される部位と、を近くし、圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と、超音波センサ5により検出される反射波と、の関係を精度良く得ることが可能である。
また、試験片鋳造装置1を用いて求められる圧力センサ4により検出される溶湯の圧力と超音波センサ5により検出される反射波との関係と、超音波センサ25が外部から製品用鋳型22のキャビティ面に照射した超音波の反射波と、に基づいて、該製品用鋳型22のダイカストキャビティ内の溶湯圧力を測定する際の精度を向上させるという観点から、
(1)試験用鋳型2の材質と用鋳型22の材質とを略同じとする、
(2)超音波センサ5と超音波センサ25とを略同型とする(例えば、同じメーカーから市販されている同じ型式の二個の超音波センサを使用し、両者が略同じ周波数の超音波を送波するとともに反射波に対する感度を略同じとする)、
(3)超音波センサ5から試験用鋳型2のキャビティ面において超音波センサ5が超音波を照射する部位までの距離(図1中のL1)と、超音波センサ25から製品用鋳型22のキャビティ面において超音波センサ25が超音波を照射する部位までの距離(図4中のL2)と、を略同じとする、
ことが好ましい。
試験片鋳造装置の全体構成を示す模式図。 超音波センサにより反射波が検出される時刻と該反射波の強度との関係を示す図。 圧力センサにより検出される溶湯の圧力と超音波センサにより検出される反射波との関係を示す図。 製品鋳造装置の全体構成を示す模式図。
符号の説明
1 試験片鋳造装置
2 試験用鋳型
4 圧力センサ
5 超音波センサ(第一の超音波センサ)
22 製品用鋳型
25 超音波センサ(第二の超音波センサ)

Claims (2)

  1. 鋳型の外部からキャビティ面に向かって照射された超音波が該キャビティ面で反射されて生じた反射波または該キャビティ面を透過して生じた透過波の強度に基づいて、該鋳型のダイカストキャビティに収容された溶湯の圧力を測定することを特徴とする溶湯圧力測定方法。
  2. 鋳型のダイカストキャビティ内に収容された溶湯の圧力を測定するための溶湯圧力測定方法であって、
    鋳型の外部から、溶湯が収容されたダイカストキャビティのキャビティ面に向かって超音波を照射し、
    該キャビティ面で反射されて生じた反射波または該キャビティ面を透過して生じた透過波を検出し、
    該反射波または透過波の強度を、予め求めた反射波または透過波と溶湯内部の圧力との関係に基づいて、前記溶湯の圧力に換算することにより前記鋳型のダイカストキャビティ内に収容された溶湯の圧力を求めることを特徴とする溶湯圧力測定方法。
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