JP2007083275A - 金型の制御方法および装置 - Google Patents

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友和 奥野
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Abstract

【課題】 鋳造時に被鋳造材の凝固層と非凝固層との境界面からの反射波を検出して凝固層の割合(固相率)を求める際に、検出した超音波信号が真の反射波信号であるかノイズ信号であるかを正確に判断することが重要である。
【解決手段】 溶湯31の温度と溶湯中の超音波速度の関係を求め、キャビティ内へ超音波を照射し、その超音波が金型表面2aから戻った第1の反射波及び金型表面2bから戻った第2の反射波を検出し、第1の反射波の検出時刻から第2の反射波の検出時刻までの超音波伝播時間tを計測し、溶湯温度と超音波速度の関係から溶湯の凝固直前の超音波速度v1、及び凝固直後の超音波速度v2を求め、超音波伝播時間t、及び凝固直前後の超音波速度に基づいて溶湯の固相率を算出し、第2の反射波の検出レベルに対して閾値レベルThを設定し、検出レベルが閾値レベルよりも大きい状態にあるときに算出された溶湯の固相率を用いて金型2の制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋳造時における金型キャビティ内の溶融金属の挙動、特に溶融金属の固相率を算出し、算出した固相率に基づいて金型の制御を行う、金型の方法および装置に関する。
ダイカスト等の鋳造を行う際には溶融金属の凝固という現象を伴い、金型形状や金型温度等により溶融金属の凝固状態が変化するため、最適な凝固状態となるように金型形状や温度等の設計を行うことが重要である。
そして、金型設備や設計の最適化を図るためには、金型のキャビティ内における溶融金属の挙動を把握することが必要である。
従って、鋳造時の溶融金属の挙動を把握すべく、以下のような技術が考案されている。
つまり、特許文献1に記載されるように、鋳造機に超音波を照射して、鋳造機内の被鋳造材の凝固層と非凝固層との境界面からの反射波を検出することで、凝固層の厚みを把握する技術が考案されている。
特開昭58−159960号公報
前述の特許文献1記載の技術では、被鋳造材のある断面において、中央部の非凝固層の両側に存在する凝固層のうち、一方の凝固層厚みのみを測定するので、断面全体に対する凝固層の割合を求めることができない。
また、鋳造時には、凝固層の増大速度(被鋳造材の凝固速度)が速いため、凝固界面からの反射波を安定的に検出することができなかった。特に、ダイカストの場合は凝固速度が速いため、反射波の検出が困難であった。
また、前述の反射波の超音波を検出する際には、検出した超音波信号が、真の反射波信号であるか、ノイズ信号であるかを正確に判断することが、凝固層の割合(固相率)を正しく算出して、適切な金型の制御を行うために重要である。
上記課題を解決する溶湯の金型の制御方法および装置は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、金型のキャビティ内部に充填された溶湯の温度と、該溶湯中を伝播する超音波の速度との関係を予め求めておき、金型外部からキャビティ内へ向かって超音波を照射し、照射された超音波が超音波照射側の金型表面にて反射して照射位置まで戻ってきた第1の反射波、および照射された超音波が超音波照射側の金型表面と対向する金型表面で反射して照射位置まで戻ってきた第2の反射波を検出し、第1の反射波を検出した時刻から、第2の反射波を検出した時刻までの超音波伝播時間を計測するとともに、前記溶湯の温度と超音波の速度との関係から、溶湯の凝固直前の超音波速度、および溶湯の凝固直後の超音波速度を求めて、前記超音波伝播時間、溶湯の凝固直前の超音波速度、および溶湯の凝固直後の超音波速度に基づいて溶湯の固相率を算出し、前記第2の反射波の検出レベルに対して、予め所定の閾値レベルを設定しておき、検出された第2の反射波の信号レベルが、予め設定された閾値レベルよりも大きい状態にあるときに算出された溶湯の固相率を用いて、金型の制御を行う。
このような溶湯の固相率の算出を、溶湯の充填時に行うことで、充填時にどれだけの割合の溶湯が凝固しているかを把握することができ、金型温度や溶湯温度の設定等といった鋳造条件を最適化するための指標として用いることができる。
特に、検出された第2の反射波の信号レベルが、予め設定された閾値レベルよりも大きい状態にあるときに算出された溶湯の固相率、つまり、設定された閾値レベルよりも第2の反射波の検出レベルが大きい領域である適正検出領域において算出された、溶湯の固相率を用いて金型の制御を行うことで、正しく検出した第2の反射波の検出信号に基づく固相率と、誤って検出したノイズの検出信号に基づく固相率とを分離して、固相率を正確に把握することができ、金型の制御を適正に行うことができる。
また、実際に算出した固相率をダイカスト凝固CAE(Computer Aided Engineering)の評価ツールとして用い、該ダイカスト凝固CAEにて求めた理論上のデータとの比較評価を行うことにより、ダイカスト凝固CAEの評価を行うことができる。例えば、ダイカスト凝固CAEでの各メッシュの固相率を平均して、実際の現象との比較や評価を行うことが可能となる。
また、請求項2記載の如く、前記溶湯の固相率を用いて行う金型の制御は、キャビティ内へ充填された溶湯を加圧する加圧ピンの動作の制御、および金型の型開きの制御である。
これにより、適切な時期に加圧ピンを動作させたり、適切な時期に金型2の型開きを行ったりすることで、鋳造されるダイカストの品質向上を図るとともに、タクトタイムの短縮を図ることが可能となる。
また、請求項3記載の如く、金型のキャビティ内部に充填された溶湯の温度と、該溶湯中を伝播する超音波の速度との関係を表わす温度−速度テーブルと、金型外部からキャビティ内へ向かって超音波を照射する超音波照射手段と、超音波照射手段から照射された超音波が、超音波照射側の金型表面にて反射して照射位置まで戻ってきた第1の反射波、および超音波照射手段から照射された超音波が、超音波照射側の金型表面と対向する金型表面で反射して照射位置まで戻ってきた第2の反射波を検出する超音波検出手段と、第1の反射波を検出した時刻から第2の反射波を検出した時刻までの超音波伝播時間を計測する時間計測手段と、前記温度−速度テーブルから、溶湯の凝固直前の超音波速度、および溶湯の凝固直後の超音波速度を抽出する速度抽出手段と、抽出された溶湯の凝固直前の超音波速度、および溶湯の凝固直後の超音波速度と、計測された前記超音波伝播時間とに基づいて、溶湯の固相率を算出する固相率算出手段と、前記第2の反射波の検出レベルに対して予め設定された、所定の閾値レベル値と、検出された第2の反射波の信号レベルが、予め設定された閾値レベルよりも大きい状態にあるときに算出された溶湯の固相率を用いて、金型の制御を行う制御手段とを備える。
このような溶湯の固相率の算出を、溶湯の充填時に行うことで、充填時にどれだけの割合の溶湯が凝固しているかを把握することができ、金型温度や溶湯温度の設定等といった鋳造条件を最適化するための指標として用いることができる。
特に、検出された第2の反射波の信号レベルが、予め設定された閾値レベルよりも大きい状態にあるときに算出された溶湯の固相率、つまり、設定された閾値レベルよりも第2の反射波の検出レベルが大きい領域である、適正検出領域において算出された溶湯の固相率を用いて金型の制御を行うことで、正しく検出した第2の反射波の検出信号に基づく固相率と、誤って検出したノイズの検出信号に基づく固相率とを分離して、固相率を正確に把握することができ、金型の制御を適正に行うことができる。
また、実際に算出した固相率をダイカスト凝固CAE(Computer Aided Engineering)の評価ツールとして用い、該ダイカスト凝固CAEにて求めた理論上のデータとの比較評価を行うことにより、ダイカスト凝固CAEの評価を行うことができる。例えば、ダイカスト凝固CAEでの各メッシュの固相率を平均して、実際の現象との比較や評価を行うことが可能となる。
本発明によれば、正しく検出した第2の反射波の検出信号に基づく固相率と、誤って検出したノイズの検出信号に基づく固相率とを分離して、固相率を正確に把握することができ、金型の制御を適正に行うことができる。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1には、ダイカストマシーンに適用された金型2が示されており、該ダイカストマシーンにおいては、プランジャロッド5aの先端に取り付けたプランジャチップ5bが、射出スリーブ3内に摺動自在に嵌装されている。
そして、射出スリーブ3内の溶湯をプランジャチップ5bにより押し出して、ランナ6を通じて金型2のキャビティ21へ射出するように構成されている。
また、金型2の制御装置1は、アルミダイカスト等の鋳造を行う際に、金型2のキャビティ21内の溶湯の固相率を算出し、算出した溶湯の固相率を用いて、キャビティ21内へ充填された溶湯を加圧する加圧ピンの動作の制御、や金型の型開きの制御等といった、金型2の制御を行うものであり、超音波送受信装置11と、高速AD変換器12と、時間計測部13a、速度抽出部13b、および固相率算出部13cを備えるコンピュータ装置13と、溶湯温度と超音波速度との関係を示す温度−速度テーブル14aを記憶した記憶部14と、コンピュータ装置13にて算出された溶湯の固相率を用いて金型2の制御を行う制御部15とを備えている。この温度−速度テーブル14aは、予め実験により求めたものであり、温度と超音波速度との相関関係を読み出し可能なデータ形式で構成されている。
超音波送受信装置11は超音波の送受信を行う超音波センサ11aを有しており、超音波センサ11aは金型2の外部に取り付けられている。
図2に示すように、超音波センサ11aは金型2のキャビティ21内へ向けて超音波を照射可能であるとともに、金型2における超音波センサ11a取付側の表面(キャビティ面)2aにて反射して戻ってきた超音波(以降「第1の反射波」と記載する)、および前記表面(キャビティ面)2aとは反対側の表面(キャビティ面)2bにて反射して戻ってきた超音波(以降「第2の反射波」と記載する)を受信可能に構成されている。
つまり、超音波送受信装置11は、金型2の外部からキャビティ21内へ向かって超音波を照射する超音波照射手段であるとともに、前記第1の反射波および第2の反射波を検出する超音波検出手段でもある。
金型2のキャビティ21内に充填される被鋳造材である溶湯(例えばアルミダイカストの場合はアルミ溶湯)31は、充填後に温度が低下してその溶湯の凝固温度に達すると凝固するが、凝固時にはキャビティ21の表面2a・2bに接している側から凝固し始める、表皮形成型の凝固現象をとる。
つまり、溶湯31の凝固過程におけるキャビティ21内には、表面2a・2b側に凝固層31aが存在し、中央側に非凝固層31bが存在することとなる。
図3に示すように、記憶部14の温度−速度テーブル14aには、溶湯の温度と、溶湯中を伝播する超音波の速度との関係を示すテーブルが格納されている。
この溶湯の温度と超音波速度との関係は、予め実験や試験により求めて記憶部14に格納されたものである。
記憶部14の温度−速度テーブル14aによれば、溶湯31の凝固温度であるT0を境界として、溶融側(高温側)では超音波速度が遅く、凝固側(低温側)では超音波速度が速くなっている。
次に、温度−速度テーブル14aについて詳細に説明する。温度−速度テーブル14aは、実験等により求めた溶湯の温度と溶湯中を伝播する超音波速度との相関関係を、読み取り可能な電子データとして構築したものであり、例えば図3に示すような横軸を温度、縦軸を超音波速度としたグラフに表わされるデータを含んでいる。
ダイカスト等の溶湯は、溶湯中の温度が凝固温度を下回るとことで凝固を開始するが、このような溶湯中を伝播する超音波の速度は、前記凝固温度を境界として大きく変化することが実験等により明らかとなっている。図3のグラフに示すように、溶湯31の凝固温度T0を境界として、溶融側(高温側)では溶湯中を伝わる超音波速度が急激に遅くなり、凝固側(低温側)では急激に速くなる。したがって、溶湯中を伝わる超音波速度を計測することで、計測時の溶湯の状態を知ることが可能となる。
以下、詳細に説明する。
前記コンピュータ装置13は、超音波センサ11aが超音波を照射してから、キャビティ21の表面2aにて反射した超音波(第1の反射波)を受信して検出するまでの時間、超音波センサ11aが超音波を照射してから、キャビティ21の表面2bにて反射した超音波(第2の反射波)を受信して検出するまでの時間、および第1の反射波を検出した時刻から第2の反射波を検出した時刻までの時間等を計測可能な時間計測部13aと、前記温度−速度テーブル14aから、凝固直前状態にある(凝固温度T0よりも若干高く溶湯31が非凝固状態となっている温度T1になっている)溶湯31内を伝播する超音波の速度v1、および凝固直後の状態にある(凝固温度T0よりも若干低く溶湯31が凝固状態となっている温度T2になっている)溶湯内を伝播する超音波の速度v2を抽出する速度抽出部13bと、時間計測部13aにて計測した時間と速度抽出部13bにて抽出した超音波速度とに基づいて、キャビティ21内の溶湯31の固相率を算出する固相率算出部13cとを備えている。
このように構成される金型2の制御装置1では、鋳造時における溶湯の固相率の算出を、次のようにして行うことができる。
まず、被鋳造物である溶湯31の温度と超音波速度との関係を実験や試験により求めて、前述の温度−速度テーブル14aを予め作成して記憶部14に記憶させておく。
次に、超音波送受信装置11の超音波センサ11aからキャビティ21内へ向けて超音波を照射する。照射された超音波は、キャビティ21内に充填された溶湯31内を伝播して、金型2における超音波センサ11a取付側の表面2aとは反対側の表面2bに到達し、該表面2bにて反射する。
表面2bで反射した第2の反射波は超音波センサ11aにより受信される。
また、照射された超音波の一部は、金型2の超音波センサ11a取付側の表面2aで反射し、第1の反射波として超音波センサ11aにより受信される。
超音波送受信装置11からは、表面2aで反射した超音波の波形、および表面2bで反射した超音波の波形が高速AD変換器12に出力され、高速AD変換器12にてデジタルデータに変換された後、コンピュータ装置13に入力される。
コンピュータ装置13では、入力された超音波波形および温度−速度テーブル14aを用いてキャビティ21内の溶湯の固相率を算出する。
次に、コンピュータ装置13での溶湯の固相率を算出について具体的に説明する。
まず、パーソナルコンピュータ13では、時間計測部13aにて、照射された超音波が表面2aから表面2bまでの間を往復するのに要した時間(以降超音波伝播時間tと記載する)を、入力された波形に基づいて計測する。
この場合、超音波伝播時間tは、表面2aにて反射された超音波(第1の反射波)を受信した時刻から、表面2bにて反射された超音波(第2の反射波)を受信した時刻までの間の時間となる。つまり、超音波伝播時間tは、超音波を照射してから表面2bにて反射された超音波(第2の反射波)を受信するまでの時間t2から、超音波を照射してから表面2aにて反射された超音波(第1の反射波)を受信するまでの時間t1を引いた時間となる。
具体的には、図4に示すような、超音波センサ11aにて受信した第1の反射波および第2の反射波との超音波波形を用いており、第1の反射波の受信時刻から第2の反射波の受信時刻までの間の時間を、超音波伝播時間tとして計測している。
なお、図4に示すような波形を得るためには、(時間t1>>超音波伝播時間t)となるような位置に、前記超音波センサ11aの配置位置を決定することが好ましい。
また、パーソナルコンピュータ13の速度抽出部13bでは、温度−速度テーブル14aから、凝固直前状態にある溶湯(即ち、非凝固相となっている溶湯)31内の超音波速度v1、および凝固直後の状態にある溶湯(即ち、凝固相となっている溶湯)31内の超音波速度v2を抽出する。
超音波伝播時間tを計測し、非凝固相の溶湯の超音波速度v1および凝固相の溶湯の超音波速度v2を抽出した後、固相率算出部13cにてキャビティ21内の溶湯の固相率を算出する。
ここで、キャビティ21内における溶湯31の表面2a側の凝固層(凝固相が層状に存在している部分)31aの厚さ寸法をx1とし、表面2b側の凝固層(凝固相が層状に存在している部分)31cの厚さ寸法をx3とし、溶融状態にある溶湯31の非凝固層(非凝固相が層状に存在している部分)31bの厚さ寸法をx2とし、キャビティ21の厚さ寸法(表面2aから表面2bまでの寸法)をxとし、凝固層31aの厚さ寸法x1と凝固層31cの厚さ寸法x3とを加えた凝固層総厚さ寸法をx4とすると、次の式(1)および式(2)の関係が成立する。
Figure 2007083275
Figure 2007083275
この前記式(1)および式(2)を用いて、キャビティ21内における溶湯の凝固層31a・31cの総厚さ寸法x4と、溶湯31の非凝固層31bの厚さ寸法x2とを算出し、さらに、前記寸法xに対する寸法x4の割合で示される固相率を算出するようにしている。
このような固相率算出装置1による溶湯の固相率の算出を、溶湯の充填時に行うことで、充填時にどれだけの割合の溶湯が凝固しているかを把握することができる。
また、固相率の算出を、溶湯の充填時から離型時までにかけて継続的に行うことで、正凝固層の進展速度を求めることができる。
そして、このように求めた溶湯の固相率や凝固層の進展速度等は、金型温度や溶湯温度の設定等といった鋳造条件を最適化するための指標として用いることができる。
また、算出されたキャビティ21内における溶湯の固相率は、制御装置1の制御部15に入力されるように構成されており、該制御部15は、入力された固相率に応じてプランジャロッド5aの移動速度を制御して溶湯の射出速度を調節したり、キャビティ内へ充填された溶湯を加圧する加圧ピンの動作の制御や金型の型開きの制御等といった金型2の動作の制御を行ったりする。
このように、溶湯の射出速度を調節したり、金型2の動作の制御を行ったりすることで、リアルタイムで鋳造条件の最適化を図ることが可能となっている。
なお、溶湯の固相率の算出は、凝固直前状態にある溶湯(非凝固相となっている溶湯)31および凝固直後の状態にある溶湯(凝固相となっている溶湯)31が、それぞれ本例の非凝固層31bおよび凝固層31a・31cのように層状に存在している場合のみならず、凝固層31a・31cが非凝固層31bの中に不連続状に存在していたり、浮島状に存在していたりした場合でも、また非凝固相と凝固相とが不規則に混じり合った状態にある場合でも行うことができる。
ここで、図5に、コンピュータ装置13にて算出したキャビティ21内における溶湯の固相率を示しており、溶湯の固相率は溶湯のキャビティ21内への鋳造圧力の加圧時から上昇している。
溶湯の固相率は、前述のように、金型2の表面2bにて反射した第2の反射波の受信時刻等を用いて算出されるが、図5に示すように、第2の反射波の超音波センサ11aによる受信レベル(超音波送受信装置11により検出される第2の反射波の信号の大きさのレベル)は、溶湯のキャビティ21への鋳造圧力の加圧時から時間が経過するに従って低下していくため、算出された固相率が、いつの時点まで正確に算出されているのかが問題になる。
つまり、キャビティ21への溶湯の充填および凝固が進むにつれて、検出される第2の反射波の信号の大きさが減少するため、検出した第2の反射波の信号が小さくなったときに、ノイズ信号を第2の反射波の信号として誤って検出してしまうことがある。このように、第2の反射波の信号として誤って検出したノイズ信号に基づいて算出した固相率を用いて金型2の制御を行ったのでは、適切な制御を行うことができない。
そこで、図5に示すように、本発明においては、超音波送受信装置11により検出される第2の反射波の信号の大きさのレベル(第2の反射波の検出レベル)に、予め所定の閾値レベルthを設定しておき、検出した第2の反射波の信号レベルが、前記閾値レベルThよりも大きい値を保っている状態にある範囲を、第2の反射波の信号を正しく検出している適正検出領域Raと判断し、検出した第2の反射波の信号レベルが前記閾値レベルth以下となる状態にある範囲を、ノイズ信号を誤って検出している誤検出領域Rbと判断して、前記適正検出領域Raで算出された固相率を用いて金型2の制御を行うようにしている。
つまり、検出された第2の反射波の信号レベルが、予め設定された閾値レベルよりも大きい状態にあるときに算出された固相率を用いて、金型2の制御が行われる。
本例の場合、第2の反射波の信号レベルの閾値レベルThは、例えばS/N比が2となるように設定されており、適正検出領域Raは溶湯の充填開始直後から第2の反射波の信号レベルが閾値レベルThに達する時間t1までの範囲となり、誤検出領域Rbは第2の反射波の信号レベルが閾値レベルTh以下となる時間t1以降の範囲となっている。
そして、前記制御部15は、前記適正検出領域Raにて固相率がSaとなる時刻taの時点で、金型2に備えられる加圧ピン18をキャビティ21内へ押し出して充填された溶湯を加圧し、適正検出領域Raにて固相率がSbとなる時刻ta以降の時刻tbの時点で、前記加圧ピン18による溶湯の加圧を停止する、といった制御を行う。
さらに、第2の反射波の信号レベルが閾値レベルTh以下となった時点では、キャビティ21内へ充填された溶湯の凝固がかなり進んで、凝固引けが発生している状態と判断できるので、制御部15は、適正検出領域Raが終了して誤検出領域Rbへ移行した後の時刻tcにて、金型2を型開きする制御を行っている。
次に、以上のような制御装置1による金型2の制御を、図6に示すフローを用いて説明する。
まず、金型2の外側に設置された超音波送受信装置11の超音波センサ11aからキャビティ21内へ向けて超音波を送信する(S01)。
次に、第1の反射波および第2の反射波を超音波送受信装置11により検出し(S02)、第2の反射波の検出レベルを取得する(S03)。
そして、予め設定された前期閾値レベルThと、取得した第2の反射波の検出レベルとを比較する(S04)。比較の結果、第2の反射波の検出レベルが閾値レベルThよりも大きければ、第1の反射波の検出時刻と第2の反射波の検出時刻との差を計測し(S05)、記憶部14に予め記憶された温度−速度テーブル14aにから、凝固直前状態にある温度T1での超音波の速度v1、および凝固直後の状態にある温度T2での超音波の速度v2を求め(S11)、求めた超音波の速度v1・v2等に基づいて、前述のようにキャビティ21内に充填された溶湯の固相率を算出する(S06)。
このようにして行われる固相率の算出を、キャビティ21内で凝固引けが発生して第2の反射波の検出レベルが閾値レベルTh以下となるまで繰り返される。
そして、算出した固相率を用いて、制御部15により、金型2における加圧ピン18の動作の制御や金型2の型開きの制御を行う(S07)。
なお、ステップS04にて、第2の反射波の検出レベルが閾値レベルTh以下であった場合には、第2の反射波の検出信号がノイズの検出信号であったと判断し、ステップS03に戻って再度第2の反射波の検出レベルを取得する。
以上のように、前記第2の反射波の検出レベルに対して、予め所定の閾値レベルthを設定しておき、前記検出レベルが閾値レベルthよりも大きい適正検出領域Raにおいて算出された溶湯の固相率を用いて金型の制御を行うことで、正しく検出した第2の反射波の検出信号に基づく固相率と、誤って検出したノイズの検出信号に基づく固相率とを分離して、固相率を正確に把握することができ、金型2の制御を適正に行うことができる。
また、適切な時期に加圧ピンを動作させたり、適切な時期に金型2の型開きを行ったりすることで、鋳造されるダイカストの品質向上を図るとともに、タクトタイムの短縮を図ることが可能となる。
また、実際に算出した固相率をダイカスト凝固CAE(Computer Aided Engineering)の評価ツールとして用い、該ダイカスト凝固CAEにて求めた理論上のデータとの比較評価を行うことにより、ダイカスト凝固CAEの評価を行うことができる。例えば、ダイカスト凝固CAEでの各メッシュの固相率を平均して、実際の現象との比較や評価を行うことが可能となる。
本発明にかかる、ダイカストマシーンに適用された金型の制御装置を示すブロック図である。 制御装置により制御される金型を示す拡大側面断面図である。 溶湯温度と溶湯中を伝播する超音波速度との関係を示す図である。 超音波送受信装置により検出した第1の反射波および第2の反射波の波形を示す図である。 固相率および超音波の検出レベルの経時変化を示す図である。 本発明にかかる金型の制御方法のフローを示す図である。
符号の説明
1 制御装置
2 金型
11 超音波送受信装置
11a 超音波センサ
13 コンピュータ装置
14 記憶部
14a 温度−速度テーブル
15 制御部
18 加圧ピン
21 キャビティ
31 溶湯
31a・31c 凝固層
31b 非凝固層

Claims (3)

  1. 金型のキャビティ内部に充填された溶湯の温度と、該溶湯中を伝播する超音波の速度との関係を予め求めておき、
    金型外部からキャビティ内へ向かって超音波を照射し、
    照射された超音波が超音波照射側の金型表面にて反射して照射位置まで戻ってきた第1の反射波、および照射された超音波が超音波照射側の金型表面と対向する金型表面で反射して照射位置まで戻ってきた第2の反射波を検出し、
    第1の反射波を検出した時刻から、第2の反射波を検出した時刻までの超音波伝播時間を計測するとともに、
    前記溶湯の温度と超音波の速度との関係から、溶湯の凝固直前の超音波速度、および溶湯の凝固直後の超音波速度を求めて、
    前記超音波伝播時間、溶湯の凝固直前の超音波速度、および溶湯の凝固直後の超音波速度に基づいて溶湯の固相率を算出し、
    前記第2の反射波の検出レベルに対して、予め所定の閾値レベルを設定しておき、
    検出された第2の反射波の信号レベルが、予め設定された閾値レベルよりも大きい状態にあるときに算出された溶湯の固相率を用いて、金型の制御を行う、
    ことを特徴とする金型の制御方法。
  2. 前記溶湯の固相率を用いて行う金型の制御は、
    キャビティ内へ充填された溶湯を加圧する加圧ピンの動作の制御、および金型の型開きの制御である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の金型の制御方法。
  3. 金型のキャビティ内部に充填された溶湯の温度と、該溶湯中を伝播する超音波の速度との関係を表わす温度−速度テーブルと、
    金型外部からキャビティ内へ向かって超音波を照射する超音波照射手段と、
    超音波照射手段から照射された超音波が、超音波照射側の金型表面にて反射して照射位置まで戻ってきた第1の反射波、および超音波照射手段から照射された超音波が、超音波照射側の金型表面と対向する金型表面で反射して照射位置まで戻ってきた第2の反射波を検出する超音波検出手段と、
    第1の反射波を検出した時刻から第2の反射波を検出した時刻までの超音波伝播時間を計測する時間計測手段と、
    前記温度−速度テーブルから、溶湯の凝固直前の超音波速度、および溶湯の凝固直後の超音波速度を抽出する速度抽出手段と、
    抽出された溶湯の凝固直前の超音波速度、および溶湯の凝固直後の超音波速度と、計測された前記超音波伝播時間とに基づいて、溶湯の固相率を算出する固相率算出手段と、
    前記第2の反射波の検出レベルに対して予め設定された、所定の閾値レベル値と、
    検出された第2の反射波の信号レベルが、予め設定された閾値レベルよりも大きい状態にあるときに算出された溶湯の固相率を用いて、金型の制御を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とする金型の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015033790A1 (ja) * 2013-09-09 2015-03-12 株式会社エスジー 鋳造システムの溶湯凝固終了検知方法及び溶湯凝固終了検知装置
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