JP2007211960A - 軸受ユニット及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受部材として樹脂含浸した焼結軸受を使用し、軸受部材とハウジングを接着固定することによって、安価で精度の高い軸受ユニットを実現する。
【解決手段】ハウジング1と、焼結体からなる軸受部材2と、スラストワッシャ15を有する軸部材3とを備え、ハウジング1内に潤滑油を封入し、軸部材3の回転時に該軸部材をラジアル方向及びスラスト方向に非接触支持する軸受ユニットであって、軸受部材2は、焼結体の気孔に樹脂を含浸しているとともに、ハウジング1の有底側と対向する軸受端面23に設けられて軸孔から半径方向に延びている横溝7b、及び軸受外周21に設けられて横溝7bに連通した状態で軸方向に延びている縦溝7aからなる連続溝7を複数有し、又、ハウジング1の内周に対しすきま嵌めで嵌合しかつ接着剤9を介して固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、磁気ディスク装置や光ディスク装置のディスクドライブモータに必要とされる高回転精度や高速安定性などに優れた動圧式の軸受ユニット及びその製造方法に関するものである。
情報機器に使用されるモータは、特に、記録の高密度化や情報の高速処理の点から高い回転精度や高速安定性などが要求されている。このため、最近のスピンドルモータは、シャフト(軸部材)の回転を利用して摺動面に油膜圧力を発生させ、軸部材を精度よく支持できる動圧ラジアル軸受及びスラスト軸受が使用されるようになった。この軸受構造では、特許文献1や2に例示されるように、量産性や製造コストなどの点から軸受部材として焼結軸受が好適とされたり軸受ユニットとして提供される。すなわち、各文献1,2の軸受ユニットは、軸受部材が動圧発生用溝を形成しているとともに潤滑油が含浸保持された後、有底筒形のハウジング内に固定されて、軸受部材に支持される軸部材を、該軸部材の回転時に前記動圧発生用溝の作用によって非接触状態で支持する。なお、この軸受構造において、スラスト方向の支持は、軸部材がハウジング底部内に設けられたスラスト受けに対し軸部材の球面状の端部を接触させるピボット構成であるが、本発明を適用した図1のごとく軸受部材が軸孔入口側の軸受端面に動圧発生用溝を有し、軸部材が前記軸受端面に支持されるスラストワッシャを有する構成もある。また、潤滑油は、焼結軸受の気孔に含浸させる構成であるが、ハウジング内に封入される構成もある。
ところで、上記した軸受ユニットは、ノートパソコン等の情報機器に適用される場合、軸受精度が外部から大きな衝撃を受けても維持されるようにする上で、耐久性としてハウジングに対する軸受部材の固定強度を向上しなければならない。このような背景から、従来は、ハウジングに対する軸受部材の密着強度、すなわち抜去力を十分確保するため軸受部材をハウジングに圧入や焼き嵌めで固定していたが、ハウジングと軸受部材との締め代を大きくすると、軸孔内径が必要以上に収縮されたり変形も発生し、高回転精度や高速安定性が損なわれる。そこで、特許文献1や2では、軸受部材の固定方法としてすきま嵌めで接着剤を使用して固定する方法を採用している。
以上の接着剤を用いる構成では、焼結体の軸受部材だと10〜20%の気孔を持つため、接着剤が気孔内に滲み込んで十分な接合力が得られず抜去力もばらつき易くなる。そこで、文献1の構成では、負圧による吸引力を作用させることで軸受部材とハウジングとの間のはめ合いすきまの80%以上の領域に接着剤を行き渡らせる。文献2の構成では、軸受部材の外周面の表面開口率を12%以下に調整したものを使用するとともに、接着剤を負圧による吸引力を作用させてほぼ全域に行き渡らせるようにしている。
特許第368665号公報 特開2004−316926号公報
上記した文献1,2の軸受構造及び製造方法では、例えば、軸受部材をハウジングに接着固定する操作において、吸引用治具を用い、該治具の吸引部を軸受部材の軸孔に装着した状態で、はめ合いすきまの毛細管力より小さな吸引力で吸引しなくてはならないため複雑となり、また、軸受部材の外周とハウジングの内周との間の微少すきまから接着剤をディスペンサを介し所定量を注入しなければならず作業性や歩留まりが悪くなる。
なお、文献1,2の軸受構造は、軸受ユニットとして完成された後、軸部材を軸受部材の軸孔に挿通して支持するタイプ(前者)であり、軸受部材が外周の通気溝及び下端面の環状溝を有し、これらの溝を通じて軸部材を軸孔に挿入する際に軸孔内の空気を外部へ逃がすようにしている。このような空気抜き構造は、軸受部材が軸部材とともにハウジングに組み付けられた状態で軸受ユニットとして完成されるタイプ(後者)だと省略できる。但し、後者において、潤滑油をハウジング内に充填する構造では、小型化され内部空間の体積も小さくなっているため、通常は内部空間を減圧しかつ潤滑油を適所から注油しておき、その後、大気に開放して封入することが多い。この方法において、潤滑油を内部空間に十分に満たすためには、前記した各文献1,2の空気抜き構造と同様な溝が必要となるが、溝が接着剤で塞がれ易くなるためハウジングと軸受部材との間のすきま設定と溝の深さとの関係などで工夫を要することになる。そこで、本発明は、軸部材の回転時に動圧発生用溝で生じる動圧作用により該軸部材をラジアル方向及びスラスト方向に非接触支持する軸受ユニットとして、製造時の歩留まりを向上するとともに、高回転精度や高速安定性をより向上することを目的としている。
上記したような課題を解消するために、請求項1の発明は、有底筒形のハウジングと、軸孔内周及び軸孔入口側の軸受端面に動圧発生用溝を有し前記ハウジング内に固定される焼結体からなる軸受部材と、前記軸受端面に対向するスラストワッシャを有する軸部材とを備え、前記ハウジング内に潤滑油を封入し、前記軸部材の回転時に前記動圧発生用溝で生じる動圧作用により該軸部材をラジアル方向及びスラスト方向に非接触支持する軸受ユニットであって、前記軸受部材は、焼結体の気孔に樹脂を含浸しているとともに、前記ハウジングの有底側と対向する軸受端面に設けられて軸孔から半径方向に延びている横溝、及び軸受外周に設けられて前記横溝に連通した状態で軸方向に延びている縦溝からなる連続溝を複数有しており、前記ハウジングの内周に対しすきま嵌めで嵌合しかつ接着剤を介して固定されていることを特徴としている。
以上の軸受ユニットにおいては次のように具体化されることがより好ましい。
(ア)前記ハウジングの内周と前記軸受部材との間のすきまが0.005mmから0.01mmであり、前記連続溝の深さが前記ハウジングの内周と前記軸受部材との間のすきまの5倍から50倍の深さに形成されている構成である(請求項2)。
(イ)前記軸受端面の動圧発生用溝は外側から内周側に湾曲しながら延びる複数のスパイラル溝を有し、かつ該スパイラル溝の少なくとも一部が前記縦溝に連通しているとともに、前記軸孔内周の動圧発生用溝は前記軸部材が挿入される軸孔内周に軸方向に沿って延び、該軸孔内周を周方向に区分けする複数の分離溝を有し、かつ該分離溝が前記横溝に連通している構成である(請求項3)。
(ウ)前記軸受部材が前記ハウジングの有底側と対向する軸受端面と軸受外周との間に形成されて前記ハウジング内周との間で区画されている下向きに開口した受部を有している構成である(請求項4)。
これに対し、請求項5の発明は、請求項1から3の何れかに記載の軸受ユニットを製造する場合、前記軸受部材が前記ハウジングの有底側と対向する軸受端面と軸受外周との間に形成されて前記ハウジング内周との間で区画されている下向きに開口した受部を有し、前記ハウジング内周の入口側周方向に接着剤を略リング状に塗布した後、該ハウジング内に対し上から下方へ挿入されることにより、前記塗布された接着剤を前記受部に受け止めた状態で下移動しながら均一に引き延ばすことを特徴としている。
請求項1の発明では、樹脂含浸した焼結軸受を使用し、軸受部材とハウジングの固定方法として締め代ろを持たせないですきま嵌めで接着剤を使用して固定しているので、精度の高い軸受ユニットを安価に提供できる。同時に、軸受ユニットは、樹脂含浸した焼結軸受を使用しているので軸受部材に接着剤が滲み込まないため高い接合力が得られる。また、軸受部材が軸受端面に設けられて軸孔から半径方向に延びる横溝及び外周の縦溝からなる複数の連続溝を有しているので、潤滑油をハウジング内に充填する操作時においてハウジング内の空気を確実に逃がして十分な油量を充填できる。この結果、本発明は、製造時の歩留まりとともに高回転精度や高速安定性をより向上できる。
請求項2の発明では、前記連続溝の深さを軸受部材とハウジングの内周との間のすきま0.005〜0.01mmの5〜50倍に設定しているので、軸受部材をハウジング内に接着固定したときに連続溝が接着剤で塞がれるという虞を解消して、軸受端面と軸受外周との連通を確実に維持し、軸受ユニット内に十分な潤滑油の量を封入することができる。
請求項3の発明では、軸受端面の動圧発生用溝がスパイラル溝で前記連続溝の縦溝と連通しているとともに、軸孔内周の動圧発生用溝が分割溝で前記連続溝の横溝と連通しているため、軸部材の回転時に十分な油量で油膜を確実に形成し、スラスト方向及びラジアル方向ともに優れた動圧作用を付与できる。
請求項4の発明では、請求項5の製造方法で軸受部材をハウジング内に最良の状態で接着固定でき、それにより接合力を大幅に向上できる。
請求項5の発明では、請求項1〜3の軸受ユニットの製法として、特に軸受部材をハウジング内に接着固定する工程において、ハウジング内周の入口側周方向に接着剤を略リング状に塗布した後、軸受部材をハウジング内に上から下方へ挿入すると、前記塗布された接着剤が軸受部材の受部で受け入れられかつ下移動されながら均一に引きのばされる。このため、この製造方法では、接着剤が軸受部材の外周全域に引き延ばされ易く、下側の軸受端面に不用意に残るという不具合をなくして、設計通りの接合力を確実に得られるようにする。
以下、本発明の形態例を図面を参照しながら説明する。この説明では、軸受構造を明らかにした後、組立要領に言及する。
(軸受構造)図1の軸受ユニットは、有底筒形のハウジング1と、動圧発生用溝を形成している軸孔内周20及び上側の軸受端面22に有してハウジング1の内周10に接着剤を介して固定される軸受部材2と、軸受部材2の軸孔に回転自在に挿入された状態で軸受端面22に対向するスラストワッシャ15を有する軸部材3とを備えているとともに、ハウジング1内に不図示の潤滑油が封入されている。そして、この軸受ユニットにおいて、スラスト軸受部S(SFDB)は軸受部材2の軸受端面22と軸部材3のスラストワッシャ15との間に設定され、ラジアル軸受部R(RFDB)は軸受部材2の軸孔内周20と軸部材3の外周との間に設定されている。なお、この軸受ユニットは、ディスク駆動用スピンドルモータ等に用いられて、例えば、軸部材3の上側軸部3bのうちスラストワッシャ15よりも上方部分にロータハブを介してディスクが搭載される。
ここで、ハウジング1は、内周10に軸受部材2の全体を挿入可能な筒形で、内周10の下側が底板11で閉じられ、内周10の上側がドーナツ状の蓋4でほぼ閉じられている。底板11は、ハウジング1に対し電子ビーム溶接やレーザ溶接などで機密性を保って固定されている。蓋4は、ハウジング1に対しハウジング1内に軸受部材2及び軸部材3を組み込むとともに潤滑油を充填した後、溶接や接着などの取付手段で固定される。なお、軸部材3は、軸受部材2の軸孔に挿入される軸部3a及び軸孔から外へ突出している軸部3bからなり、スラストワッシャ15が軸部3b側に装着されている。スラストワッシャ15は、軸受部材2の外径と同じか若干小さく設定されており、ハウジング1内に配置され、その上側の蓋4にて内周側を除いて覆われる。
軸受部材2は、量産性やコスト的に好ましい焼結軸受であり、焼結体の気孔に樹脂を含浸している。軸受外径寸法を決める場合は、図4(b)に示すようにハウジング1の内周10との嵌めあいすきまC=0.005mm〜0.01mm程度になるよう設計される。このC値は良好なすきま嵌めを維持し、かつ接着力の低下を防ぐ上で必須となる。また、軸受部材2は、下側の軸受端面23と軸受外周21との間、つまり軸受端面23の外周縁側に形成されたテーパー状の受部24を有している。この受部24は、テーパー形状でなくてもよく、要は軸受部材2がハウジング1内に挿入された状態で、ハウジング1の内周10との間で下向きに開口して接着剤受入用の空間を区画形成する形状であればよい。
軸孔内周20には、図3(c)に示されるように、動圧発生用溝として断面が略半円弧状で、軸方向に沿って真っ直ぐ延び、かつ軸孔内周を周方向に等分する複数の分離溝5を有している。分離溝5の深さは0.05〜0.15mmに設定される。隣接する分離溝5同士の間には、水平断面において軸芯Pを支点とした円に対し偏芯し、かつ逆時計回り方向に向かうにしたがって内周側に縮径していく形状の円弧面6が形成されている。各円弧面6は、軸部材3の対応軸部3aの外周との間の微少すきまが軸部材の回転方向に向かうにしたがって次第に狭小となる断面くさび状に形成される。また、軸受外周21には、周方向に等分する箇所で、それぞれ軸方向に真っ直ぐ延びている複数(この例では分離溝5と同じ5つ)の縦溝7aが設けられている。
上側の軸受端面22には、図3(b)に示されるように、逆時計回り方向に向かうにしたがって内周側に湾曲しながら延びる複数の動圧発生用スパイラル溝8(図面上、この溝には分かり易くするためハッチングした)が周方向に等間隔に設けられている。各スパイラル溝8は、内周側の端部が軸孔に開放されておらず閉塞されているのに対し、外周側の端部が軸受外周に開放されるとともに、スパイラル溝8の全部又は一部が前記対応する縦溝7aと連通している。また、下側の軸受端面23には、図3(c)に示されるように、軸孔から半径方向に延びている複数の横溝7bが周方向に等間隔に設けられている。各横溝7bは、前記縦溝7aとともに連続溝7を構成しており、軸孔側が前記対応する分割溝5に連通し、かつ外周側が前記対応する縦溝7aに連通している。ここで、連続溝7(縦溝7aと横溝7b)の深さのうち、接着剤で塞がる虞がある縦溝7aの深さは0.05〜0.25mmに設定することが好ましい。この値は、ハウジング1と軸受部材2との間のすきまCの5倍〜50倍に相当している。この点、横溝7bの深さは0.01前後であればよい。これらの値は、各種の比較試験結果から得られたものである。なお、符号25と26は軸受端面22の内側縁部と外側縁部に形成された面取りである。
以上の軸受部材2は製造方法として圧粉工程、焼結工程、再圧縮工程、封孔処理である樹脂含浸工程を経る。圧粉工程では、原料粉末が成形金型により筒形の圧粉体として圧縮形成される。焼結工程では、前記圧粉体が所定条件下での焼結処理により多孔質の焼結体として形成される。再圧縮工程では、前記焼結体がサイジング等の塑性加工により設計軸受形状として分離溝5及び円弧面6、連続溝7(縦溝7aと横溝7b)、スパイラル溝8、受部24、面取り25,26が金型の転写方式でそれぞれ高精度に形成される。
樹脂含浸工程では、再圧縮後の焼結体、つまり軸受部材2の気孔が樹脂で封孔処理される。この処理では、樹脂含浸した状態で固化させると軸受部材2の表面に薄い樹脂の膜が残る。これを放置すると寸法精度が損なわれるばかりでなく、軸受表面に残った樹脂の膜の上に接着剤を塗布しても接着力がほとんど得られない。このため、この作業では、樹脂を含浸した後、固化する前に軸受表面を水洗浄し、表面の樹脂を完全に除去することが重要となる。なお、使用する樹脂は、潤滑油に対して耐久性があること、耐熱性及び摺動特性に優れているものが好ましい。具体例としては、含浸性から加熱硬化性の樹脂液であり、比較試験からはアクリル系の熱硬化型樹脂が総合して良好であった。含浸法は、通常の減圧含浸が好ましいが、樹脂を硬化する前に加圧して含浸させてもよい。
(組立要領)組立では、まず、軸受部材2がハウジング1内に接着固定される。なお、手順的には、ハウジング1に対し軸受部材2を接着する前に底板11を固着しておく方法、ハウジング1に底板11を固着した後、軸受部材2をハウジング1に接着する方法の何れであってもよい。軸受部材2の接着操作では、図4(a),(b)に模式的に示したように、接着剤9がハウジング1内の入口側周方向に略リング状に塗布される。その後、軸受部材2はハウジング1に対し上から下方へ挿入される。すると、リング状に塗布されていた接着剤9は、軸受部材2の下側に設けられた受部24に受け入れられた後、受部2とともに下移動されながら、ハウジング1の内周10にあって、当初のリング状に塗布した箇所から軸受部材2と対向する全域に渡って均一に引き延ばされる。このため、軸受部材2は、ハウジング1の内周10に接着剤9の薄い膜を介して理想的な状態で確実に接合される。なお、以上の接着構造において、本発明の受部24は、特に、ハウジング1と軸受部材2とのすきまが0.005mm前後になると、接着剤9が軸受端面23に付着し易くなり、軸受外周とハウジング内周とのすきまに均等に引き伸ばされずに軸受端面23に残り易くなるため、その対策として工夫されたものである。すなわち、受部24は、ハウジング内周との間で下向きに開口した空間を区画形成しているため、軸受部材2の下移動により接着剤9を受部24内に受け入れた状態で一様に引き延ばすようにし、かつ接着剤9が軸受端面23に残る虞をなくする。したがって、上記したようにハウジング1と軸受部材2とのすきまが0.005mm前後の狭いすきまの場合も、最良な状態で接着されるようになる。但し、ハウジング1と軸受部材2との間のすきまCが0.005mm以下になると、軸受部材2をハウジング1に挿入し難くなり作業性が悪くなるので、この嵌めあいすきまCとしては0.005mm以上の寸法に設定することが好ましい。
以上のようにして、軸受部材2がハウジング1内に接着固定された後、軸部材3が軸受部材2の軸孔内周20に軸部3aを挿入すると、スラストワッシャ15が軸受端面22に対向配置される。この状態から、潤滑油がハウジング1内に封入操作される。次に、その封入操作の一例を説明する。この操作では、以上の軸受ユニット(蓋4が取り付けられていない状態)が密閉容器(図示しない)に入れられる。そして、軸受ユニットを入れた密閉容器内は所定の圧力に減圧される。次に、減圧状態でスラストワッシャ15の外周とハウジング1の内周10との間に所定の潤滑油をマイクロディスペンサー等の封入治具を使用して滴下する。その後、密閉容器を大気に圧力開放すると、滴下された潤滑油は、
連続溝7(縦溝7aから横溝7b)、更に分離溝5などから軸受部材2の周辺のすきま全てに気泡のない状態で封入されることになる。なお、潤滑油の封入量は、軸受ユニットの大きさや連続溝7の寸法などで異なるが、通常は10マイクロリッターから数十マイクロリッター前後の量である。これは、例えば、軸受部材の軸孔内径寸法(直径)が1mm〜3mmのものでは、ラジアル軸受部Rの最小すきまは軸受性能の観点から1μm〜4μm程度の狭いすきまに設定され、底板11と軸部材3の端面との間のすきまは数十μm程度であり、連続溝7(縦溝7aから横溝7b)を含め軸受周辺の空間は狭いすきまになっているからである。
以上のようにして潤滑油が充填された後、蓋4がハウジング1に対し取り付けられることで軸受ユニットとして完成される。軸受ユニットとしては、上記したように軸受部材2として樹脂含浸した焼結軸受を使用し、軸受部材2とハウジング1とをすきま嵌めにし、締め代ろを持たせないで接着固定しているので、安価で精度の高い軸受ユニットが提供される。また、軸受部材2として樹脂含浸した焼結軸受を使用しているため接着剤が滲みこまないので高い接着力が得られる。さらに、軸受端面23と軸受外周21を連通させるための連続溝7(縦溝7aから横溝7b)を設け、溝の深さを軸受部材2とハウジング1との間のすきまC寸法の5倍から50倍の深さにしているので、軸受端面23と軸受外周21の連通が確実となり、軸受ユニット内に潤滑油を容易かつ充分に封入できる。したがって、以上の軸受ユニットを高回転精度、高速安定性を必要とする光ディスク装置などのスピンドルモータに適用すると安価で信頼性の高いモータが実現される。
なお、本発明は、以上の形態例に何ら制約されるものではなく、請求項1や5で特定される要件を除いて種々変形可能なものである。
発明形態の軸受ユニットを示す縦断面図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 (a)〜(c)は発明形態の軸受部材を示す縦断面図と上面図と下面図である。 (a)と(b)は軸受部材をハウジングに接着する要領を示す模式図である。
符号の説明
1…ハウジング(10は内周、11は底板、4は蓋)
2…軸受部材(20は軸孔内周、21は外周、22,23は軸受端面)
3…軸部材(3a,3bは軸部、15はスラストワッシャ)
5…分離溝
6…円弧面
7…連続溝(7aは縦溝、7bは横溝)
8…スパイラル溝
9…接着剤
24…受部
S…スラスト軸受部
R…ラジアル軸受部

Claims (5)

  1. 有底筒形のハウジングと、軸孔内周及び軸孔入口側の軸受端面に動圧発生用溝を有し前記ハウジング内に固定される焼結体からなる軸受部材と、前記軸受端面に対向するスラストワッシャを有する軸部材とを備え、前記ハウジング内に潤滑油を封入し、前記軸部材の回転時に前記動圧発生用溝で生じる動圧作用により該軸部材をラジアル方向及びスラスト方向に非接触支持する軸受ユニットであって、
    前記軸受部材は、焼結体の気孔に樹脂を含浸しているとともに、前記ハウジングの有底側と対向する軸受端面に設けられて軸孔から半径方向に延びている横溝、及び軸受外周に設けられて前記横溝に連通した状態で軸方向に延びている縦溝からなる連続溝を複数有しており、前記ハウジングの内周に対しすきま嵌めで嵌合しかつ接着剤を介して固定されていることを特徴とする軸受ユニット。
  2. 前記ハウジングの内周と前記軸受部材との間のすきまが0.005mmから0.01mmであり、前記連続溝の深さが前記ハウジングの内周と前記軸受部材との間のすきまの5倍から50倍の深さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受ユニット。
  3. 前記軸受端面の動圧発生用溝は外側から内周側に湾曲しながら延びる複数のスパイラル溝を有し、かつ該スパイラル溝の少なくとも一部が前記縦溝に連通しているとともに、前記軸孔内周の動圧発生用溝は前記軸部材が挿入される軸孔内周に軸方向に沿って延び、該軸孔内周を周方向に区分けする複数の分離溝を有し、かつ該分離溝が前記横溝に連通していることを特徴とする請求項1又は2に記載の軸受ユニット。
  4. 前記軸受部材が、前記ハウジングの有底側と対向する軸受端面と軸受外周との間に形成されて前記ハウジング内周との間で下向きに開口した空間を区画する受部を有していることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の軸受ユニット。
  5. 請求項1から3の何れかに記載の軸受ユニットを製造する場合、前記軸受部材が前記ハウジングの有底側と対向する軸受端面と軸受外周との間に形成されて前記ハウジング内周との間で下向きに開口した空間を区画する受部を有し、前記ハウジング内周の入口側周方向に接着剤を略リング状に塗布した後、該ハウジング内に対し上から下方へ挿入されることにより、前記塗布された接着剤を前記受部に受け止めた状態で下移動しながら均一に引き延ばすことを特徴とする軸受ユニットの製造方法。

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