JP2009017635A - モータの製造方法およびモータ - Google Patents

モータの製造方法およびモータ Download PDF

Info

Publication number
JP2009017635A
JP2009017635A JP2007174359A JP2007174359A JP2009017635A JP 2009017635 A JP2009017635 A JP 2009017635A JP 2007174359 A JP2007174359 A JP 2007174359A JP 2007174359 A JP2007174359 A JP 2007174359A JP 2009017635 A JP2009017635 A JP 2009017635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
motor
manufacturing
adhesive
injection molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007174359A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuji Miura
和司 三浦
Tsuchitsugu Watanabe
地嗣 渡邊
Michihiro Ito
通浩 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Corp filed Critical Nidec Corp
Priority to JP2007174359A priority Critical patent/JP2009017635A/ja
Publication of JP2009017635A publication Critical patent/JP2009017635A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Abstract

【課題】外側面を形成する部材が射出成形にて形成されたスリーブ部とベース部に形成された穴部との接着強度を高める。
【解決手段】スリーブ部であるスリーブユニット22は射出成形にて形成されたスリーブハウジング222を有し、スリーブハウジング222の外径が最大となる部位の外側面51には中心軸方向に平行に伸びる複数の縦溝511が形成されている。モータのベース部であるベースブラケット21には穴部212が形成され、穴部212の内側面61に周方向に伸びる横溝61a,61bが設けられる。穴部212の内側面61に接着剤71が塗布されてスリーブユニット22が挿入されることにより、接着剤71はスリーブハウジング222の縦溝511の内部および穴部212の横溝61aに付着して保持され、接着強度を向上することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動式のモータを製造する技術に関する。
従来、ハードディスク駆動装置等の記録ディスク駆動装置は、記録ディスクを回転するスピンドルモータを備えており、モータの軸受機構の1つとして流体動圧を利用する軸受機構が採用されている。流体動圧軸受機構がモータのベース部に固定される際には、圧入等によりスリーブの内径が変化して軸受の信頼性が損なわれてしまうことを避けるために接着剤により固定される場合がある。例えば、特許文献1では、ハードディスク駆動装置のスピンドルモータにおいてスリーブをハウジングに接着剤にて固定する場合に、接着隙間からはみ出した接着剤を紫外線で硬化させることにより、接着強度を確保しつつ内部の密封を行う手法が開示されている。
また、流体動圧軸受機構の一部の部品は射出成形にて形成されることがあり、例えば、特許文献2では、動圧軸受の射出成形においてラジアル軸受面の動圧溝を面取することにより、金型からの無理抜き時の離型圧力を抑える手法が開示されている。なお、特許文献3では、スリーブの外周面に中心軸に平行な導油溝を形成し、軸受内部の潤滑油の充填レベルを測定可能とする軸受装置が開示されている。
特開2000−82252号公報 特許3820814号公報 特開2006−46650号公報
ところで、特許文献1ではスリーブの底面により接着剤が下方に押し出されるため、スリーブとハウジングとの間において接着剤量が不足することがある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、少なくとも外側面を形成する部材が射出成形にて形成されるスリーブ部と、モータのロータハブまたはベース部に形成された穴部との接着強度を高めることを主たる目的としている。
請求項1に記載の発明は、シャフトがスリーブ部に挿入された軸受機構により、界磁用磁石を有するロータ部が、電機子を有するステータ部に回転可能に支持されるモータの製造方法であって、射出成形において金型を中心軸に平行に相対移動して分離することにより略円筒状の外側面を形成する部材の前記外側面に前記中心軸に平行な少なくとも1つの縦溝が形成されたスリーブ部を準備する工程と、前記スリーブ部の前記外側面、および、ロータ部のロータハブまたはステータ部のベース部に形成された穴部の内側面の少なくとも一方に接着剤を塗布する工程と、前記少なくとも1つの縦溝内に前記接着剤を付着させつつ前記スリーブ部を前記穴部に挿入する工程とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータの製造方法であって、前記少なくとも1つの縦溝が前記スリーブ部の前記外側面のうち外径が最大となる部位の上端から下端まで伸びている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のモータの製造方法であって、前記少なくとも1つの縦溝の幅が、前記射出成形時に前記スリーブ部から前記金型が抜ける方向に向かって漸次幅が広がる。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のモータの製造方法であって、前記少なくとも1つの縦溝の数が2以上である。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のモータの製造方法であって、前記接着剤が嫌気性を有する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のモータの製造方法であって、前記少なくとも1つの縦溝の幅が0.05mm以上2mm以下であり、深さが0.01mm以上0.2mm以下である。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のモータの製造方法であって、前記スリーブ部が、前記シャフトが挿入される円筒状のスリーブと、射出成形により形成され、前記スリーブが挿入される有底円筒状のスリーブハウジングとを有する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のモータの製造方法であって、前記スリーブハウジングが樹脂の射出成形により形成されている。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載のモータの製造方法であって、前記スリーブ部が挿入される前記穴部が、前記内側面に周方向に伸びる横溝を有する。
請求項10に記載の発明は、電動式のモータであって、請求項1ないし9のいずれかの製造方法により製造されたものである。
本発明によれば、スリーブ部の外側面に形成された縦溝により穴部を有するロータハブまたはベース部とスリーブ部との接着強度を向上することができ、請求項3の発明では、射出成形時の離型を容易とすることができる。また、請求項9の発明では、横溝にて接着剤を保持することにより、接着強度をさらに向上することができる。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る電動式のモータ1の構成を示す図である。モータ1はハードディスク駆動装置において記録ディスク4を回転するものであり、図1では、記録ディスク4を二点鎖線にて示している。図1に示すように、モータ1はアウタロータ型のモータであり、固定組立体であるステータ部2、および、回転組立体であるロータ部3を備える。ロータ部3は、作動流体である潤滑油による流体動圧を利用した軸受機構20を介して、モータ1の中心軸J1(後述のスリーブユニット22の中心軸でもある。)を中心にステータ部2に対して回転可能に支持される。以下の説明では、便宜上、中心軸J1に沿ってロータ部3側を上側、ステータ部2側を下側として説明するが、中心軸J1は必ずしも重力方向と一致する必要はない。
ステータ部2は、ベース部であるベースブラケット21、有底円筒状のスリーブ部であるスリーブユニット22、および、スリーブユニット22の周囲にてベースブラケット21に取り付けられる電機子24を備える。スリーブユニット22はロータ部3を回転可能に支持する軸受機構20の一部となっており、ベースブラケット21の中央には、スリーブユニット22が挿入される穴部212が設けられている。穴部212の周囲は中心軸J1を中心とする略円筒状のホルダ211となっており、スリーブユニット22はホルダ211内に接着剤を介して固定される。
スリーブユニット22は、ロータ部3のシャフト32が開口部2221から底部2222に向かって挿入される有底円筒状となっており、具体的には、中心軸J1を中心とする円筒状であってシャフト32が挿入されるスリーブ221、スリーブ221が挿入される樹脂製かつ有底円筒状のスリーブハウジング222、および、スリーブハウジング222の内側においてスリーブ221の上方に配置される環状のシールキャップ223を備える。スリーブ221は焼結金属により形成された多孔質部材であり、スリーブハウジング222はスリーブ221に含浸された潤滑油を保持する役割を果たす。電機子24は、複数の珪素鋼板を積層してなるコア241、および、コア241の複数のティースに巻回されたコイル242を備える。
ロータ部3は、記録ディスク4が固定されるロータハブ31、中心軸J1を中心としてロータハブ31から下側(すなわち、ステータ部2側)に突出するシャフト32、および、ロータハブ31に取り付けられて中心軸J1の周囲に配置される界磁用磁石33を備える。界磁用磁石33は、多極着磁された円環状の磁石であり、電機子24との間で中心軸J1を中心とする回転力(トルク)を発生する。すなわち、界磁用磁石33および電機子24により、ロータ部3をベースブラケット21に対して回転する駆動機構が構成される。
ロータハブ31は、シャフト32が取り付けられるとともにシャフト32の上端部から中心軸J1に対して外側に広がる略円板状のハブ本体312、および、ハブ本体312の外周から下側に突出する略円筒状であって内側面に界磁用磁石33が取り付けられるヨーク313を備える。
ハブ本体312は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金等により形成されており、上側に突出する略円板状であって記録ディスク4の中央の円形開口が嵌合する凸部3121、および、中心軸J1を中心とする略円環状であるとともに凸部3121の周囲において記録ディスク4が載置されるディスク載置部3122を備える。ヨーク313はステンレス鋼等の強磁性体により形成されており、ディスク載置部3122の下方に配置される。また、シャフト32もステンレス鋼等により形成されており、ハブ本体312の凸部3121に圧入等により取り付けられている。シャフト32の下側の先端部には、略円板状のスラストプレート321が取り付けられる。
モータ1では、シールキャップ223の内側面とシャフト32の外側面との間、スリーブ221の内側面とシャフト32の外側面との間、スリーブ221の下側の端面とスラストプレート321の上面との間、および、スラストプレート321の下面とスリーブハウジング222の内底面との間に微小な間隙が設けられ、シャフト32およびスリーブユニット22の間に設けられたこれらの間隙に潤滑油が連続して充填され、シャフト32、スラストプレート321、および、スリーブユニット22(並びに潤滑油)により軸受機構20が構成される。シールキャップ223の内側面はシャフト32の外側面に対して傾斜しており、シールキャップ223とシャフト32との間の間隙に形成されたテーパシールにより、潤滑油の流出が防止される。
スリーブ221の底部側の端面には、ロータ部3の回転時に潤滑油に対して流体動圧を発生させるための溝(例えば、スパイラル状の溝)が形成されており、当該端面および当該端面に対向するスラストプレート321の上面によりスラスト動圧軸受部が構成される。スラストプレート321の下面にも動圧溝が形成されており、スリーブハウジング222の底面との間にてスラスト動圧軸受部が構成される。また、スリーブ221の内側面には、潤滑油に流体動圧を発生させるための溝(例えば、中心軸J1の向く方向に関して、スリーブ221の内側面の上下に設けられたヘリングボーン溝等)が形成されており、これらの面によりラジアル動圧軸受部が構成される。
モータ1では、流体動圧を利用する軸受機構20によりロータ部3を潤滑油を介して非接触に支持することにより、ロータ部3およびロータ部3に取り付けられている記録ディスク4を高精度、かつ、低騒音にて回転することができる。
図2は、モータ1の軸受機構20近傍を拡大して示す縦断面図である。既述のように、スリーブハウジング222は樹脂にて形成されるため、スリーブユニット22は外側面51(すなわち、スリーブハウジング222の外側面)が樹脂で形成された部材となっている。スリーブユニット22はベースブラケット21のホルダ211の穴部212に隙間ばめの関係にて挿入されており、スリーブユニット22と穴部212とは、スリーブハウジング222の外側面51と穴部212の内側面61(ホルダ211の内側面でもある。)との間に介在する接着剤71により互いに固定される。スリーブハウジング222の外側面51には中心軸に平行な方向に伸びる縦溝511が設けられており、穴部212の内側面61には、周方向に伸びる横溝61a,61bが設けられている。縦溝511および横溝61aの内部に接着剤が保持されることによりスリーブハウジング222の外側面51との接着強度を向上することができる。
図3はスリーブハウジング222の正面図であり、図4は平面図である。スリーブユニット22の略円筒状の外側面を形成する部材であるスリーブハウジング222は、中心軸J1を中心とする円筒状の上側円筒部222a、および、上側円筒部222aの下に中心軸J1を中心とする有底円筒部222bを有し、有底円筒部222bは上側円筒部222aよりも外径が大きくなっている。
図3および図4に示すように、スリーブハウジング222の外径が最大となる部位である有底円筒部222bは、外側面51に中心軸J1に平行に上端から下端まで伸びる縦溝511を有し、縦溝511は中心軸J1方向において上方に向かって漸次幅が広がる形状とされる。また、図4に示すように縦溝511は周方向に均等な8箇所に設けられ、縦溝511の中心軸J1に垂直な面による断面の形状は略円弧状となっている(ただし、図3および図4では縦溝のエッジの傾斜を強調して示している。)。縦溝511の上端の幅(すなわち、最大の幅)は0.5mmとされ、深さは0.05mmとされる。図2に示すように縦溝511には接着剤71が保持され、これにより、スリーブハウジング222とベースブラケット21との間の接着強度が高められる。
なお、縦溝511の幅は0.5mmには限定されず、深さも0.05mmには限定されず、接着剤が流れ込むのに十分な大きさを確保し、かつ、接着剤が不完全硬化を起こさず硬化できるように、幅は0.05mm以上2mm以下とされ、深さは0.01mm以上0.2mm以下とされる。
図5は樹脂の射出成形によりスリーブハウジング222が形成される様子を示す縦断面図である。ただし、図5では中心軸J2は水平方向に配置されている。射出成形用材料としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリルスルフォン(PAS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)等が使用される。射出成形装置は樹脂材料を注入するゲート911を有する固定金型91、および、中心軸J2方向に移動可能な可動金型92を備え、可動金型92は、外側金型92a、内側金型92b、および、金型を抜去する際にスリーブハウジング222を押し出す押出ピン921を有する。可動金型92と固定金型91にて形成されるスリーブハウジング222の形状の空間にゲート911から樹脂が注入されることによりスリーブハウジング222が形成され、このとき、スリーブハウジング222の縦溝511(図3参照)が、最大径を有する有底円筒部222bの上端から下端まで伸びる形状とされることにより、樹脂を金型全体に容易に流し込むことが実現される。
固定金型91と可動金型92との間の間隙内に樹脂が充填されると、可動金型92全体が固定金型91から離れる方向に中心軸J2に平行に相対移動し、スリーブハウジング222が可動金型92と一体に移動して固定金型91から離間する。その後、外側金型92aのみが固定金型91から離れる方向にさらに移動し、スリーブハウジング222から分離してスリーブハウジング222の外側面が露出する。分離の際に、図3に示すように縦溝511が上方(すなわち、外側金型92aがスリーブハウジング222に対して相対的に抜ける方向)に向かって漸次幅が広がる形状であるため、スリーブハウジング222の金型からの離型が容易とされる。
外側金型92aが離れてスリーブハウジング222が内側金型92bのみに保持された状態となると、押出ピン921が中心軸J2に平行に固定金型91側に移動することにより、スリーブハウジング222が内側金型92bから押し出されて分離する。なお、実際には、スリーブハウジング222の内側面の径は開口側に向かって漸次大きくされ、これにより、内側金型92bからのスリーブハウジング222の離型が容易とされる。以上のようにしてスリーブハウジング222は樹脂の射出成形にて低コストにて製造される。
図6はモータ1の製造の流れを示す図であり、図7は製造途上のモータ1を示す図である。ただし、図7では図1のモータ1に対して上下が逆向きに配置されている。まず、ロータ部3およびスリーブユニット22の組立(ステップS1)、並びに、ステータ部2の組立(ステップS2)が行われ、ロータ部3、スリーブユニット22およびステータ部2が準備される。組み立てられたロータ部3およびスリーブユニット22は、図7に示すようにスリーブユニット22の底部2222が重力方向に上方を向く姿勢にて保持され(ステップS3)、スリーブユニット22の外側面51に接着剤硬化促進および接着力強化用のプライマ72が塗布される(ステップS4)。プライマ72が塗布された後のロータ部3およびスリーブユニット22は、加熱されて一定の温度で維持される。このとき、プライマ72はスリーブユニット22の外側面51の底部2222近傍に塗布され、塗布されたプライマ72は外側面51上にて下方に広がる。プライマ72としては、例えば、金属イオンを含むものが使用可能であり、アセック社製のASEC8250、スリーボンド社製のTB1390E、TB1390F、TB1390K等が使用される。
その後、ベースブラケット21の穴部212の内側面61のうち図2に示す周方向に伸びる環状の横溝61a,61bで挟まれる領域に嫌気性かつ紫外線硬化性を有する接着剤71が塗布され(ステップS5)、このとき、横溝61a,61bが接着剤71を塗布する際の目印として利用される。接着剤71としては、例えば、アセック社製のASEC5851、スリーボンド社製のTB1350等が使用される。なお、図7に示す状態における下側の横溝61b(図2参照)により、接着剤71がホルダ211の開口端まで流れてしまうことが防止される。接着剤71が塗布されると、図7に示すようにスリーブユニット22と対向する位置に中心軸J1に沿ってベースブラケット21が位置決めされて保持され、スリーブユニット22が底部2222を上方に向けた状態のまま底部2222からベースブラケット21の穴部212に挿入され、このとき、接着剤71がスリーブハウジング222の底部2222に押し上げられて広げられつつ、縦溝511内および横溝61a,61b(図2参照)内に接着剤71が付着する(ステップS6)。
スリーブユニット22のベースブラケット21への挿入は所定の位置で停止され、スリーブユニット22の外側面51と穴部212の内側面61との間の間隙からはみ出した接着剤71には紫外線が照射され、これにより、はみ出した接着剤(図2中に符号71aを付す接着剤)が硬化される(ステップS7)。接着剤71は、嫌気性かつ紫外線硬化性を有するため、スリーブユニット22とベースブラケット21との間の間隙に存在する接着剤71および間隙からはみ出した余剰の接着剤71を確実に硬化させることができ、容易に接着剤71全体を硬化させることができる。なお、接着剤71の塗布量は、図2に示すように、スリーブユニット22の挿入後に、はみ出した接着剤71aがベースブラケット21の底面213を越えない量とされる。
既述のように、スリーブユニット22とベースブラケット21との間の間隙に塗布される接着剤71は、スリーブユニット22の外側面51の縦溝511およびベースブラケット21の内周の横溝61a(図2参照)に保持される。縦溝511内に接着剤71が付着することにより、ベースブラケット21およびスリーブユニット22の接着面積が広げられ、スリーブユニット22とベースブラケット21との間に確実に接着剤71を介在させて横溝のみが設けられる場合に比べて接着強度を向上することができる。また、ベースブラケット21に設けられた横溝61aにて接着剤を保持することにより接着強度をさらに向上することができる。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係るモータの軸受機構20の近傍を示す縦断面図である。スリーブ部22aは図2のスリーブ部であるスリーブユニット22に対応するが、スリーブ部22aはスリーブとして機能する樹脂製の1つの部材となっている点でスリーブユニット22と異なる。すなわち、スリーブ部22aの略円筒状の外側面を形成する部材がスリーブ部22a自体となっており、スリーブ部22aは射出成形において金型を中心軸に平行に相対移動して分離することにより形成される。スリーブ部22aの外側面51には、図2に示すスリーブユニット22と同様に、中心軸に平行に伸びる縦溝511が周方向に均等な8箇所に形成されている。スリーブ部の構造が異なるという点を除き、図8のモータの製造方法は図2と同様である。
図8のモータにおいても、接着剤を縦溝511内に付着させつつスリーブ部22aがベースブラケット21の穴部212に挿入されることにより、ベースブラケット21およびスリーブ部22aの接着面積が広げられ、接着強度を向上することができる。また、ベースブラケット21の穴部212の内側面に設けられた横溝61a,61bにて接着剤71を保持することにより、接着強度がさらに向上される。
図9は、本発明の第3の実施の形態に係るモータの軸受機構20の近傍を示す縦断面図である。図9に示すスリーブユニット22bは、図2に示すスリーブユニット22からシールキャップ223が省かれ、スリーブハウジング222の形状が異なるものとなっている。スリーブハウジング222の上部は、径方向外側へ突出するフランジ部52となっており、フランジ部52の外径は下方に向かって漸次減少する。フランジ部52の外側にはロータハブ31の円筒部314が下方に円筒状に伸びており、フランジ部52と円筒部314との間は軸受機構20から連続する潤滑油で満たされる。フランジ部52と円筒部314との間の間隙41は、下方に向かうに従って漸次増大し、これにより、潤滑油の界面はメニスカス状となってテーパシールが形成され、潤滑油の流出が防止される。
スリーブハウジング222の底部2222は外径が一定となっており、フランジ部52は外側面51から突出する環状凸部となっている。スリーブユニット22bの底部2222の外側面51には図2と同様に中心軸に平行な複数の縦溝511が形成されており、ベースブラケット21の穴部212に挿入されて接着剤71にて接着される。また、スリーブ221の上端面2211には、ロータハブ31の回転時に潤滑油に対して中心軸側に向かう動圧を発生させるための動圧溝(例えば、スパイラル形状とされる。)が形成されており、上端面2211とロータハブ31の下面との間の間隙42にスラスト動圧軸受部が構成される。なお、スリーブ221、シャフト32およびスラストプレート321により、ラジアル動圧軸受部およびスラスト動圧軸受部が構成される点は、図2とほぼ同様である。また、スリーブハウジング222の樹脂の射出成形による製造方法および図9に示す軸受機構20を備えるモータの製造方法は、金型の形状や各種部品の形状が異なるという点を除き第1の実施の形態と同様である(図7参照)。
図9のモータにおいても、スリーブユニット22bの外側面51に設けられた縦溝511内に接着剤71が付着することにより、ベースブラケット21およびスリーブユニット22bの接着面積が広げられ、接着強度が向上される。また、ベースブラケット21の穴部212の内側面に設けられた横溝61a,61bにて接着剤71を保持することにより、接着強度がさらに向上される。
図10はスリーブハウジング222の他の例を示す正面図であり、図11は図10のスリーブハウジング222が形成される様子を示す縦断面図である。ただし、図11では中心軸J2は水平方向に配置される。図10に示すスリーブハウジング222では、図3および図4に示すスリーブハウジング222と比べて、外側面51に設けられた縦溝511が下方に向かって漸次幅が広がる形状となっている(図10では強調して示している。)点で異なり、他は同様の形状である。
図11に示す射出成形装置は樹脂材料を注入するゲート911および押出ピン912を有する固定金型91、並びに、外側金型92a、内側金型92b、および、金型を抜去する際にスリーブハウジング222を押し出す押出ピン921を有する可動金型92を備え、可動金型92と固定金型91にて形成されたスリーブハウジング222の形状の空間にゲート911から樹脂が注入されてスリーブハウジング222が形成される。金型内に樹脂が充填されると、可動金型92が固定金型91から離れる方向に中心軸J2に平行に移動する。このとき、スリーブハウジング222は固定金型91内の押出ピン912に押され、可動金型92に保持されたまま移動する。図10に示すように、スリーブハウジング222の外側面51に設けられる縦溝511は下方に漸次幅が広くなる形状であり、換言すれば、固定金型91がスリーブハウジング222から相対的に抜ける方向に向かって縦溝511の幅が漸次広くなっており、これにより、スリーブハウジング222の固定金型91からの離型が容易とされる。
次に、外側金型92aが中心軸J2方向に固定金型91から離れる方向にさらに移動し、スリーブハウジング222から分離する。その後、押出ピン912により、固定金型91に向かってスリーブハウジング222が押し出されることにより、射出成形により形成されたスリーブハウジング222が取り出される。なお、スリーブハウジング222の内側面の径が開口側に向かって漸次大きくされることにより、可動金型92からのスリーブハウジング222の離型がさらに容易とされてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、接着剤71は、必ずしも嫌気性および紫外線硬化性を有するものである必要はなく、熱硬化性および紫外線硬化性の接着剤であってもよく、熱硬化性および嫌気性の接着剤や熱硬化性、紫外線硬化性および嫌気性の接着剤が使用されてもよい。例えば、熱硬化性接着剤としてエポキシテクノロジー社製のエポテック353ND、味の素ファインテクノ社製のAE−750等が使用可能である。
また、接着剤71の塗布領域は図2に示すホルダ211の内側面61のうち環状の凹部である横溝61a,61bの間の領域に限定されず、例えば、内側面61全体に塗布されてもよい。さらに、接着剤71はプライマ72が塗布された後のスリーブハウジング222の外側面51上に塗布されてもよく、穴部212の内側面61にも追加的に塗布されてよい。この場合においても縦溝511内に接着剤71を付着させつつ(挿入前に接着剤が縦溝511内に広がっている場合も含む。)スリーブ部が穴部に挿入されることとなる。すなわち、接着剤71はスリーブユニット22の外側面51およびベースブラケット21の穴部212の内側面61の少なくともいずれか一方に塗布される。また、横溝の数は2本には限定されず、少なくとも1つあればいくつであってもよい。
上記実施の形態では、縦溝511の数は8とされるが、縦溝511は少なくとも1つ設けられるのであれば他の数が採用されてもよい。例えば、縦溝511は100以上密に設けられてもよく、金型の製造を容易とする観点からは好ましくは2以上20以下とされ、さらに好ましくは周方向に等間隔に設けられる。図2において横溝61a,61bが省略されて縦溝511のみにより接着剤71が保持されてもよく、縦溝511の中心軸に垂直な面による断面形状はV字型や矩形等であってもよい。また、縦溝511は外側面51の上端から下端まで伸びていなくてもよく、射出成形時に金型が離型する方向の一方の端部まで伸びていれば、他方の端部まで伸びている必要はない。スリーブハウジング222の材質は樹脂以外とされてもよく、例えば、金属材料を金属射出成形(Metal Injection Molding)等することによりスリーブハウジング22が形成されてもよい。
また、上記実施の形態に係るモータ1は、必ずしも界磁用磁石33が電機子24の外側に配置された、いわゆるアウタロータ型である必要はなく、界磁用磁石33が電機子24の内側に配置されたインナロータ型であってもよい。モータ1はスリーブユニット22がベースブラケット21に固定されるものに限定されず、スリーブユニット22がロータ部3のロータハブの中央に形成された穴部に固定され、シャフトがベースブラケット21に固定されるシャフト固定型のモータであってもよい。その場合、接着剤71はスリーブユニット22の外側面51、および、ロータ部のロータハブに形成された穴部の内側面の少なくとも一方に塗布される。また、軸受機構20として、例えば、空気を流体とした、いわゆるエア動圧軸受が用いられてもよく、さらには、流体動圧軸受には限定されず、滑り軸受が用いられてもよい。
さらに、上記実施の形態に係るモータ1は、ハードディスク駆動装置以外の他の装置(例えば、リムーバブルディスク駆動装置等のディスク駆動装置)の駆動源として利用されてよい。
第1の実施の形態に係るモータの縦断面図である。 軸受機構近傍の拡大図である。 スリーブハウジングの正面図である。 スリーブハウジングの平面図である。 スリーブハウジングの射出成形を示す縦断面図である。 モータの製造の流れを示す図である。 製造途上のモータを示す縦断面図である。 第2の実施の形態に係るモータの軸受機構近傍の拡大図である。 第3の実施の形態に係るモータの軸受機構近傍の拡大図である。 スリーブハウジングの他の例の正面図である。 スリーブハウジングの射出成形を示す縦断面図である。
符号の説明
1 モータ
2 ステータ部
3 ロータ部
20 軸受機構
21 ベースブラケット
22,22b スリーブユニット
22a スリーブ部
24 電機子
31 ロータハブ
32 シャフト
33 界磁用磁石
51 (スリーブ部の)外側面
61 (穴部の)内側面
61a,61b 横溝
71,71a 接着剤
91 固定金型
92 可動金型
212 穴部
221 スリーブ
222 スリーブハウジング
511 縦溝
J1,J2 中心軸
S1,S6,S7 ステップ

Claims (10)

  1. シャフトがスリーブ部に挿入された軸受機構により、界磁用磁石を有するロータ部が、電機子を有するステータ部に回転可能に支持されるモータの製造方法であって、
    射出成形において金型を中心軸に平行に相対移動して分離することにより略円筒状の外側面を形成する部材の前記外側面に前記中心軸に平行な少なくとも1つの縦溝が形成されたスリーブ部を準備する工程と、
    前記スリーブ部の前記外側面、および、ロータ部のロータハブまたはステータ部のベース部に形成された穴部の内側面の少なくとも一方に接着剤を塗布する工程と、
    前記少なくとも1つの縦溝内に前記接着剤を付着させつつ前記スリーブ部を前記穴部に挿入する工程と、
    を備えることを特徴とするモータの製造方法。
  2. 請求項1に記載のモータの製造方法であって、
    前記少なくとも1つの縦溝が前記スリーブ部の前記外側面のうち外径が最大となる部位の上端から下端まで伸びていることを特徴とするモータの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のモータの製造方法であって、
    前記少なくとも1つの縦溝の幅が、前記射出成形時に前記スリーブ部から前記金型が抜ける方向に向かって漸次幅が広がることを特徴とするモータの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
    前記少なくとも1つの縦溝の数が2以上であることを特徴とするモータの製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
    前記接着剤が嫌気性を有することを特徴とするモータの製造方法。
  6. 請求項5に記載のモータの製造方法であって、
    前記少なくとも1つの縦溝の幅が0.05mm以上2mm以下であり、深さが0.01mm以上0.2mm以下であることを特徴とするモータの製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
    前記スリーブ部が、
    前記シャフトが挿入される円筒状のスリーブと、
    射出成形により形成され、前記スリーブが挿入される有底円筒状のスリーブハウジングと、
    を有することを特徴とするモータの製造方法。
  8. 請求項7に記載のモータの製造方法であって、
    前記スリーブハウジングが樹脂の射出成形により形成されていることを特徴とするモータの製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
    前記スリーブ部が挿入される前記穴部が、前記内側面に周方向に伸びる横溝を有することを特徴とするモータの製造方法。
  10. 電動式のモータであって、
    請求項1ないし9のいずれかの製造方法により製造されたことを特徴とするモータ。
JP2007174359A 2007-07-02 2007-07-02 モータの製造方法およびモータ Withdrawn JP2009017635A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007174359A JP2009017635A (ja) 2007-07-02 2007-07-02 モータの製造方法およびモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007174359A JP2009017635A (ja) 2007-07-02 2007-07-02 モータの製造方法およびモータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009017635A true JP2009017635A (ja) 2009-01-22

Family

ID=40357867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007174359A Withdrawn JP2009017635A (ja) 2007-07-02 2007-07-02 モータの製造方法およびモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009017635A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101133356B1 (ko) 2010-08-25 2012-04-06 삼성전기주식회사 모터 및 이를 구비하는 기록 디스크 구동장치
CN115276336A (zh) * 2022-08-04 2022-11-01 江苏中车电机有限公司 两端双圆锥轴承电机装配方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101133356B1 (ko) 2010-08-25 2012-04-06 삼성전기주식회사 모터 및 이를 구비하는 기록 디스크 구동장치
CN115276336A (zh) * 2022-08-04 2022-11-01 江苏中车电机有限公司 两端双圆锥轴承电机装配方法
CN115276336B (zh) * 2022-08-04 2023-08-29 江苏中车电机有限公司 两端双圆锥轴承电机装配方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7435001B2 (en) Hydrodynamic bearing device, method for manufacturing the same, spindle motor and recording and reproduction apparatus
US8107190B2 (en) Fluid bearing device, method of manufacturing the same, and disk drive device
JP2008035605A (ja) モータの製造方法およびモータ
US7988810B2 (en) Sleeve unit, method of manufacturing thereof, and motor using the sleeve unit
JP2006226410A (ja) 流体動圧軸受装置およびこれを備えたモータ
JP5306747B2 (ja) 流体軸受装置
JP2012087867A (ja) 回転機器及び回転機器の製造方法
CN1807908B (zh) 流体润滑轴承装置
JP2007327544A (ja) 動圧軸受装置
US8403565B2 (en) Fluid dynamic bearing device
JP2008267531A (ja) 動圧軸受装置の製造方法
KR20090015099A (ko) 유체 베어링 장치, 및 그 제조 방법
WO2011077883A1 (ja) 流体動圧軸受装置
JP2009017635A (ja) モータの製造方法およびモータ
JP4657734B2 (ja) 動圧軸受装置
JP2005337490A (ja) 動圧軸受装置
JP6297309B2 (ja) 流体動圧軸受装置及びその製造方法
JP5670061B2 (ja) 流体動圧軸受装置及びその製造方法
JP4579218B2 (ja) 動圧型軸受ユニットの製造方法
JP2005163903A (ja) 動圧軸受装置
JP6472609B2 (ja) 流体動圧軸受装置及びこれを備えたモータ、並びに流体動圧軸受装置の樹脂部品の製造方法
JP2004316926A (ja) 動圧型軸受ユニット及びその製造方法
JP2005061486A (ja) 動圧軸受装置およびその製造方法、ならびに記録ディスク駆動装置
JP5247987B2 (ja) 流体軸受装置
JP2008248977A (ja) 流体軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100907