JP2007211509A - ベント梁、小屋組構造および小屋組構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水平部12の一端面12aに形成された第1溝14と傾斜部13の一端面13aに形成された第2溝18とに接合板25を挿入し、この接合板25を水平部12、傾斜部13の一方の側面から他方の側面に向けて挿通される止着部材26によって固定するので、水平部12と傾斜部13とを現場で容易に接合できる。
【選択図】図1
Description
そして、このようなベント梁は、接合部を挟んだ両端部側で軒げたと束とにそれぞれ支持され、かつ接合部においてベント梁を下方より支持する束部材を有さず、接合部の下方に小屋裏空間が確保されるので、部材数や工程数を減少させることができると共に屋根部分内部には十分に広い空間が確保され、いわゆる小屋裏空間である屋根裏部分の空間の有効利用を図ることができる。
このように、ガセットの固定は接着剤を釘と併用しており、現場では接着剤の硬化時間を十分にとれないため、工場等で予め水平部と傾斜部とをガセットによって接合してベント梁を形成し、このベント梁を現場に搬入している。
現場に搬入されたベント梁は、クレーン等で吊り下げて、建物躯体に取り付けられるが、このベント梁は水平部と傾斜部とを有する長い梁であり、略へ字型に曲がっているので、上方に凸の略へ字型の姿勢を保持しながら安定的に吊り下げるのは容易でなく、ベント梁の建物躯体への組み付け作業に手間を要していた。
また、略へ字型のベント梁をトラック等で搬送する場合、該ベント梁を寝かせてその側面をトラックの荷台に載せるようにする場合があるが、この場合、ベント梁の接合部にはガセットが固定されているので、ベント梁がトラックの荷台でガタツク恐れがあるため、ベント梁の側面と荷台との間にガセットの厚さ分だけのスペーサを介在させたりするなどの手間が必要であった。
前記水平部12の一端面12aに第1溝14が形成され、前記水平部12の一端面12aに接合される前記傾斜部13の一端面13aに第2溝18が前記第1溝14と対向して形成され、
前記第1溝14と第2溝18とに金属製の接合板25が挿入されており、この接合板25は前記水平部12の一方の側面から他方の側面に向けて挿通される止着部材26が貫通することによって前記水平部12に固定され、前記傾斜部13の一方の側面から他方の側面に向けて挿通される止着部材26が貫通することによって前記傾斜部13に固定されていることを特徴とする。
また、現場で水平部12と傾斜部13とを接合できるので、水平部12と傾斜部13とをそれぞれクレーン等で安定的に吊り下げて建物躯体1に取り付けることができる。
さらに、水平部12と傾斜部13とを現場で容易に接合できるので、ベント梁10,11を水平部12と傾斜部13とに分割して搬送できるとともに、水平部12と傾斜部13との接合部となる部分に従来のようなガセットがないので、スペーサを介在させたりするなどの手間がかからない。
前記接合板25は、前記水平部12または傾斜部13のうちの一方に予め固定されており、現場で他方に固定されることを特徴とする。
第1の支持構造体(敷げた6、束7a,7b)と、この第1の支持構造体と所定間隔をあけて設けられた第2の支持構造体(軒げた5)とに、前記ベント梁10,11が架設されていることを特徴とする。
また、第1の支持構造体と第2の支持構造体とにベント梁10,11が架設されているので、ベント梁10,11の中間部を下方から支持するような束部材等を有さず、接合部の下方に小屋裏空間が確保されるので、部材数や工程数を減少させることができるとともに、小屋裏空間に広い空間を確保し得て、いわゆる小屋裏空間である屋根裏部分の空間の有効利用を図ることができる。
前記ベント梁10,11を構成する水平部12と傾斜部13の接合部には、前記ベント梁10,11と直交して設けられた母屋40が固定されていることを特徴とする。
小屋組を構成する第1の支持構造体と、この第1の支持構造体と所定間隔をあけて第2の支持構造体とを設け、
次に、前記第1の支持構造体(敷げた6、束7a,7b)に、前記水平部材12または傾斜部材13のうち予め接合板25が固定された方の接合板付き部材(例えば水平部材12)の他端部を固定し、
次に、前記第2の支持構造体(軒げた5)に、前記接合板25が固定されていない方の接合板無し部材(例えば傾斜部材13)の他端部を固定するとともに、この接合板無し部材の一端部を前記接合板付き部材の一端部に、前記接合板25によって接合することを特徴とする。
また、接合板の水平部または傾斜部への固定作業の一方を現場で省略できるので、現場での水平部と傾斜部の接合作業が容易となる。
図1は、軸組みで構築された建物躯体上に、本発明にかかるベント梁を用いた寄せ棟屋根用の小屋組構造を示す斜視図である。
建物躯体1は、土台2上に立設された柱3、これらの柱3の間にそれぞれ立設された間柱4、各柱上に取り付けられる軒げた5及び敷げた6から構成されている。
本実施の形態では、平行離間して配置された2本のベント梁10,10とこれらベント梁10,10間に配置されたベント梁11との合計3本のベント梁10,10,11が設置されている。そして、これらのベント梁10,10,11を支持するための支持構造体として、軒げた5および敷げた6に立設された束7a,7a,7bが用いられている。
すなわち、ベント梁10,10,11は、それぞれ建物躯体1の梁間方向に伸長する軒げた5と、敷きげた6に立設された束7a,7a,7bとの間に架設され、小屋組上に構築される寄せ棟の屋根部(図示せず)を支持している。
すなわち、図1〜図4に示すように、ベント梁10は略へ字型に形成されたものであり、水平方向に配設される水平部12と、この水平部12の一端に接合され、屋根勾配に対する傾斜角で配設される傾斜部13とを備えている。
水平部12は左右に長尺な木質の梁状に形成されており、その一端面12aは上面に対して鋭角に傾斜している。この一端面12aには2本の第1溝14,14が互いに平行にかつ所定間隔をもって形成されている。この2本の第1溝14,14は平面視において、水平部12の厚さ方向中心部を境として対称的に配置されている。また、第1溝14は水平部14の上面から下面まで貫通して形成されている。
水平部12の一端部の側面には該水平部12を厚さ方向に貫通する貫通孔15が複数形成されている。これら貫通孔15は、水平部12の側面視において、該水平部12の一端面12aと第1溝14の底面との間において形成されている。
また、水平部12の他端面12bには凹溝状の切欠部16が形成されており、この切欠部16の底面にはスリット17,17が形成されている。
傾斜部13の一端部の側面には該傾斜部13を厚さ方向に貫通する貫通孔19が複数形成されている。これら貫通孔19は、傾斜部13の側面視において、該傾斜部13の一端面13aと第2溝18の底面との間において形成されている。
また、傾斜部13の他端面13bには凹溝状の切欠部20が形成されており、この切欠部20の底面にはスリット21,21が形成されている。
また、このような水平部12への接合板25の固定は、工場等で予め行われている。したがって、水平部12は接合板25が固定されるとともにその左半分が水平部12の一端面12aから突出した状態で現場に搬入される。
なお、本実施の形態では、接合板25を五角形板状に形成したが、接合板25の形状はこれに限ることなく、例えば、水平部12と傾斜部13とで構成されるベント梁10に形状に沿った略へ字型の板状に形成してもよい。このようにすれば、ベント梁10の接合部(水平部12と傾斜部13の接合部)の下方に接合板が突出することがないので、その分小屋裏空間を広くとることができる。また、本実施の形態のように接合板25を五角形板状にする場合、へ字型のものに比して接合板25を板材から製造する際の加工が簡単であるとともに、上下の方向の長さが長くなるのでベント梁10の接合部が強度的に有利となる。
このように、水平部12と傾斜部13とは接合板25,25と止着部材26によって現場で強固に接合され、これによってベント梁10が構成されている。
すなわちまず、敷げた6とこれに立設された3本の束7a,7a,7bが第1の支持構造体を構成しており、軒げた5が第2の支持構造体を構成している。そして、束7a,7aと軒げた5とに、ベント梁10,10が架設されている。また、束7bと軒げた5とにベント梁11が架設されている。
また、束7aには締結ボルト32が挿通されており、この締結ボルト32の先端部は接合金具30の連結部30bに挿通され、この先端部にナット33が螺合されて締め付けられている。このようにして、ベント梁10の水平部12の他端面(右端面)12bは束7aの上端側面に固定されている。
また、軒げた5には締結ボルト32が挿通されており、この締結ボルト32の先端部は接合金具35の連結部35bに挿通され、この先端部にナット33が螺合されて締め付けられている。このようにして、ベント梁10の傾斜部13の他端面(右端面)13bは軒げた5の側面に固定されている。
また、上記のようなベント梁10,11は、前記束7a,7bに、予め接合板25が固定された水平部12の他端面12bを固定し、次に、軒げた5に、接合板25が固定されていない傾斜部13の他端面13bを固定するとともに、この傾斜部13の一端面13aを水平部12の一端面12aに、接合板25と止着部材26を使用して接合することによって、設置される。
母屋40の端面40aには、凹溝状の切欠部41が形成されており、この切欠部41の底面にはスリット42,42が形成されている。このスリット42,42には接合金具43が挿入されている。この接合金具43は平面視略コ字型に形成されたもので、その両片部43a,43aがそれぞれ前記スリット42,42に挿入され、両片部43a,43aをつなぐ連結部43bが母屋40の端面40aと面一となっている。また、母屋40の端部側面には、該母屋40の厚さ方向に貫通する貫通孔44が複数形成されており、接合金具43の両片部43a,43aには貫通孔44と対向して貫通孔43cや溝が形成されている。そして、貫通孔44に止着部材26を、母屋40の一方の側面から他方の側面に向けて挿通するとともに、前記貫通孔43cや溝に挿通することによって、接合金具43が母屋40の端面40aに固定されている。
また、ベント梁10の水平部12と傾斜部13との接合部には、締結ボルト32が挿通されており、この締結ボルト32の先端部は接合金具43の連結部43bに挿通され、この先端部にナット33が螺合されて締め付けられている。このようにして、母屋40の端面40aは、水平部12と傾斜部13との接合部に固定されている。
なお、母屋40の他方の端面も、上記と同様にしてベント梁11の傾斜部12の側面に固定されている。
また、現場で水平部12と傾斜部13とを接合できるので、水平部12と傾斜部13とをそれぞれクレーン等で安定的に吊り下げて建物躯体1に取り付けることができる。
さらに、水平部12と傾斜部13とを現場で容易に接合できるので、ベント梁10,11を水平部12と傾斜部13とに分割して搬送できるとともに、水平部12と傾斜部13との接合部となる部分に従来のようなガセットがないので、スペーサを介在させたりするなどの手間がかからない。
加えて、水平部12と傾斜部13との接合部に母屋40が固定されているので、該接合部の強度を向上させることができるとともに、ベント梁10,11の設置状態が安定的なものとなる。
また、本実施の形態では、水平部12と傾斜部13とを接合する接合板25を2枚使用したが、接合板の枚数は適宜変更してもよい。例えば、接合板を厚くすれば、1枚の接合板を用いて接合してもよい。
5 軒げた(第2の支持構造体)
6 敷げた(第1の支持構造体)
7a,7b(第1の支持構造体)
10,11 ベント梁
12 水平部
12a 一端面
13 傾斜部
13a 一端面
14 第1溝
18 第2溝
25 接合板
26 止着部材
40 母屋
Claims (5)
- 水平方向に配設される水平部と、この水平部の一端に接合され、屋根勾配に対する傾斜角で配設される傾斜部とを備えたベント梁において、
前記水平部の一端面に第1溝が形成され、前記水平部の一端面に接合される前記傾斜部の一端面に第2溝が前記第1溝と対向して形成され、
前記第1溝と第2溝とに金属製の接合板が挿入されており、この接合板は前記水平部の一方の側面から他方の側面に向けて挿通される止着部材が貫通することによって前記水平部に固定され、前記傾斜部の一方の側面から他方の側面に向けて挿通される止着部材が貫通することによって前記傾斜部に固定されていることを特徴とするベント梁。 - 請求項1に記載のベント梁において、
前記接合板は、前記水平部または傾斜部のうちの一方に予め固定されており、現場で他方に固定されることを特徴とするベント梁。 - 請求項1または2に記載のベント梁を備えた建物の小屋組構造において、
第1の支持構造体と、この第1の支持構造体と所定間隔をあけて設けられた第2の支持構造体とに、前記ベント梁が架設されていることを特徴とする小屋組構造。 - 請求項3に記載の建物の小屋組構造において、
前記ベント梁を構成する水平部と傾斜部の接合部には、前記ベント梁と直交して設けられた母屋が固定されていることを特徴とする小屋組構造。 - 請求項2に記載のベント梁を用いて建物の小屋組を構築する小屋組構築方法において、
小屋組を構成する第1の支持構造体と、この第1の支持構造体と所定間隔をあけて第2の支持構造体とを設け、
次に、前記第1の支持構造体に、前記水平部または傾斜部のうち予め接合板が固定された方の接合板付き部材の他端部を固定し、
次に、前記第2の支持構造体に、前記接合板が固定されていない方の接合板無し部材の他端部を固定するとともに、この接合板無し部材の一端部を前記接合板付き部材の一端部に、前記接合板によって接合することを特徴とする小屋組構築方法。
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JP2020111932A (ja) * | 2019-01-10 | 2020-07-27 | ミサワホーム株式会社 | ベント梁及び屋根の小屋組構造 |
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