JP2007211093A - 半固体状物質の製造装置及び製造方法、並びに、半固体状物質の混練装置及び混練方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】グリースの製造装置は、中空状の筒状容器1と、筒状容器1の内径よりも小径な棒状部材2と、を備えている。グリースの原料を、棒状部材2とともに筒状容器1の内部に収容し、蓋を装着する等の方法により密封する。そして、中心軸を水平にした状態で、中心軸を回転軸として、筒状容器1を回転させる。そうすると、筒状容器1の内部において内容物と棒状部材2とがともに回転し、内容物が棒状部材2によって効率良く撹拌され、原料が均一に分散した均質なグリースが得られる。
【選択図】図1
Description
具体的には、下記のような点がデメリットとしてあげられる。
・ウレアグリースなどは、グリースの製造時にウレアの合成反応を伴うが、凝集が生じやすいために均一な反応が困難である。
・メチレンジイソシアネートのような反応しやすい物質は、水等の目的外の物質とも反応してしまう。
・グリースの製造時には、通常は反応容器に外部から熱を加えるが、均一に熱を加えることは困難である。
・これらの点から、ウレアの合成反応等のような化学反応を化学量論通りに行うことは困難である。
これらのデメリットは、グリースのような半固体状物質の製造において大きな問題点となっている。
また、グリース等の半固体状物質の製造は、実験室レベルでは手作業で行うことも多いが、手作業では均一な混合を行うことは容易ではなく、また、異物の混入の防止も限界がある。
そこで、本発明は前述のような従来技術が有する問題点を解決し、煩雑な作業を必要とせず、均質な半固体状物質を得ることができる半固体状物質の製造装置及び製造方法並びに混練装置及び混練方法を提供することを課題とする。
さらに、本発明に係る請求項3の半固体状物質混練装置は、複数の原料が混合されて半固体状をなしている半固体状物質を混練して均一性をより高める装置であって、前記半固体状物質を内部に収容可能であり且つその中心軸を回転軸として回転可能な筒状容器と、前記筒状容器の内径よりも小径であり前記半固体状物質とともに前記筒状容器の内部に収容される棒状部材と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項5の半固体状物質の製造方法は、複数の原料を混合して半固体状物質を製造する方法であって、筒状容器の内部に、前記筒状容器の内径よりも小径な棒状部材を前記複数の原料とともに入れ、その中心軸を回転軸として前記筒状容器を回転させることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項7の半固体状物質の混練方法は、複数の原料が混合されて半固体状をなしている半固体状物質を混練して均一性をより高める方法であって、筒状容器の内部に、前記筒状容器の内径よりも小径な棒状部材を前記半固体状物質とともに入れ、その中心軸を回転軸として前記筒状容器を回転させることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項8の半固体状物質の混練方法は、請求項7に記載の半固体状物質の混練方法において、前記半固体状物質がグリースであることを特徴とする。
さらに、本発明の半固体状物質混練装置を用いれば、グリース等の半固体状物質の均一性を、煩雑な作業を行うことなく高めることができる。さらに、本発明の半固体状物質の混練方法は、煩雑な作業がなく、半固体状物質の均一性をより高めることができる。
図1は、グリース等の半固体状物質の製造や混練に用いることができる装置の構成を説明する概念図である。この装置は、中空状の筒状容器1と、筒状容器1の内径(内部空間の径)よりも小径な棒状部材2と、を備えている。
さらに、グリースの製造時には、通常は外部から熱を加えるが、筒状容器1が回転しているために内容物に均一に熱を加えることが可能である。よって、所望の温度で反応を行うことができるので、同様の性状の半固体状物質を繰り返し製造することができる(すなわち再現性が良い)。
また、筒状容器1の肉厚を厚くすれば、加熱時の温度ムラを抑えることができる。さらに、筒状容器1の形状を、長手方向中央部の径が大きく長手方向両端部の径が小さいクラウニング形状(略樽状)とすれば、内容物が長手方向中央部に集まるので、内容物をより均質に混合することができる。さらに、筒状容器1の長手方向一端部に蓋を取り付ける構造とすれば、内部に原料や半固体状物質を容易に装入することができる。回転中は蓋がしてあるので、内容物の漏洩や外部からの異物の混入は防止される。
さらに、筒状容器1の内面及び棒状部材2の外面の表面粗さは、1μmRa以下であることが好ましい。よって、研削加工,切削加工,プレス加工等により筒状容器,棒状部材を成形加工した後に、ホーニング,バニシング,化学研磨を施すことが好ましい。
さらに、モータ11の種類を変更する、歯車を使用する等の方法により筒状容器1の回転速度を種々変更できるようにすれば、内容物に作用する剪断速度を変えることができるので、種々の品質の半固体状物質を得ることができる。
さらに、筒状容器1に温度計,圧力計を取り付けて、温度や圧力を監視することもできる。その場合には、ワイヤレスの温度計,圧力計が好ましい。さらに、これらのセンサーの取付や原料等の装入のためのプラグを設けてもよい。
さらに、半固体状物質の製造や混練が終了した後に、筒状容器1の内部を減圧状態として再び回転させると、半固体状物質の脱泡処理を行うことができる。また、中心軸を水平から若干傾斜させて筒状容器1を回転させれば、撹拌力をさらに高めることが可能である。
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。ウレア化合物を増ちょう剤として含有するウレアグリースを、種々の方法により製造した。
実施例1のグリースは、図3の装置を用いて製造したものである。比較例1のグリースは、ビーカーにグリースの原料を装入し、撹拌翼を手作業で動かして製造したものである。比較例2のグリースは、従来グリースの製造にしばしば用いられていたプラネタリーミキサーで撹拌することにより製造したものである。
3種のグリースについて、ちょう度及び滴点を測定した。また、グリース中に実際に含有されているウレア化合物の含有量を測定した。さらに、グリース中に存在する凝集物の最大粒径を測定した。結果を表1に示す。
また、ちょう度は、実施例1は小さく、比較例1,2は大きかった。この結果から、実施例1は、基油中に増ちょう剤が非常に均一に分散しているのに対して、比較例1,2は分散が不均一であることが分かる。
さらに、凝集物の最大粒径からも、比較例1,2と比べて実施例1が十分に混練されていることが分かる。
さらに、実施例1は、比較例1,2と比べて滴点が高いことから、増ちょう剤が3次元網目構造となっていることが分かる。この結果から、ウレア化合物の合成だけでなく、増ちょう剤の形成においても本発明の装置が優れていることが分かる。
2 棒状部材
Claims (8)
- 複数の原料を混合して半固体状物質を製造する装置であって、前記複数の原料を内部に収容可能であり且つその中心軸を回転軸として回転可能な筒状容器と、前記筒状容器の内径よりも小径であり前記複数の原料とともに前記筒状容器の内部に収容される棒状部材と、を備えることを特徴とする半固体状物質製造装置。
- 前記半固体状物質がグリースであることを特徴とする請求項1に記載の半固体状物質製造装置。
- 複数の原料が混合されて半固体状をなしている半固体状物質を混練して均一性をより高める装置であって、前記半固体状物質を内部に収容可能であり且つその中心軸を回転軸として回転可能な筒状容器と、前記筒状容器の内径よりも小径であり前記半固体状物質とともに前記筒状容器の内部に収容される棒状部材と、を備えることを特徴とする半固体状物質混練装置。
- 前記半固体状物質がグリースであることを特徴とする請求項3に記載の半固体状物質混練装置。
- 複数の原料を混合して半固体状物質を製造する方法であって、筒状容器の内部に、前記筒状容器の内径よりも小径な棒状部材を前記複数の原料とともに入れ、その中心軸を回転軸として前記筒状容器を回転させることを特徴とする半固体状物質の製造方法。
- 前記半固体状物質がグリースであることを特徴とする請求項5に記載の半固体状物質の製造方法。
- 複数の原料が混合されて半固体状をなしている半固体状物質を混練して均一性をより高める方法であって、筒状容器の内部に、前記筒状容器の内径よりも小径な棒状部材を前記半固体状物質とともに入れ、その中心軸を回転軸として前記筒状容器を回転させることを特徴とする半固体状物質の混練方法。
- 前記半固体状物質がグリースであることを特徴とする請求項7に記載の半固体状物質の混練方法。
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WO2014142198A1 (ja) * | 2013-03-14 | 2014-09-18 | 出光興産株式会社 | 軸受用グリース組成物 |
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