JP2005125226A - 粉粒体処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 被処理物1を加圧しながら撹拌混合すべく、水平方向に延出する回転軸心2の回りに駆動回転自在な回転部材3と、回転部材3に取り付けられ、被処理物1を加圧するインナーピース4と、被処理物1をインナーピース4との間で加圧する受け面5を内周に備えた筒状のアウターピース6とを備えた粉粒体処理装置であって、インナーピース4が回転軸心2の延出方向に沿って複数設けてある。
【選択図】 図1
Description
本発明の粉粒体処理装置は、請求項1に示すごとく、被処理物を加圧しながら撹拌混合すべく、水平方向に延出する回転軸心の回りに駆動回転自在な回転部材と、当該回転部材に取り付けられ、前記被処理物を加圧するインナーピースと、前記被処理物を前記インナーピースとの間で加圧する受け面を内周に備えた筒状のアウターピースとを備えた粉粒体処理装置であって、前記インナーピースが前記回転軸心の延出方向に沿って複数設けてある点に特徴を有する。
本構成のごとく、前記インナーピースを回転軸心の延出方向に沿って複数設けておくことで、前記加圧領域を広く確保することができる。この結果、粉粒体の滞留時間を長く確保して、粉粒体の連続処理を確実に行うことができる。
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項2に示すごとく、前記複数のインナーピースどうしが、前記回転部材の回転方向に沿った位相差を有するように構成することができる。
本構成のごとく、隣接するインナーピースどうしに前記回転部材の回転方向に沿った位相差を持たせることで、第1段目の加圧領域から押し出された粉粒体は、所定の位相だけ遅れて回転してくる第2段目のインナーピースによって再び加圧力を付与されることになる。よって、本構成の装置であれは、粉粒体を確実に移動させるという上記構成1の作用効果に加えて、当該移動してきた粉粒体に十分な加圧力を作用させるという効果を得ることができる。
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項3に示すごとく、前記回転軸心の長手方向に沿って隣接するインナーピースどうしの間に、前記受け面から突出すると共に前記回転方向に沿って延出する仕切部を設けてあることができる。
仮に、前記受け面とインナーピースとの間に何も設けない場合には、粉粒体の流れは円滑なものになるが、粉粒体が加圧領域に滞留している時間が短くなる傾向が生じる。いわゆる、粉粒体のショートパスが生じ、処理が十分に行われないまま取り出し手段によって取り出されてしまうこととなる。
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項4に示すごとく、前記仕切部には、その延出方向に沿って断続部を備えることとしてもよい。
上記構成3に示すごとく、仕切部を設けることは、粉粒体を滞留させることができる一方で、粉粒体の移動を阻害する要因ともなる。例えば、ローターの回転速度を高速化するほど、粉粒体が仕切部を乗り越え難くなり、大量に粉粒体を流して処理することが不可能となる。
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項5に示すごとく、前記仕切部に、前記回転軸心の側を向きつつ傾斜した第2受け面を設けることができる。
粉粒体の処理に際しては、粉粒体を加圧領域に所定の時間だけ滞留させる必要があるが、その一方で、粉粒体は確実に取出手段の位置まで搬送する必要がある。そのため、本構成のごとく、前記仕切部に、前記回転軸心の側を向きつつ傾斜した第2受け面を設けることで、一つの加圧領域を通過した粉粒体が当該傾斜面を比較的容易に乗り越えることができるものとする。そうすることで、粉粒体が加圧領域で滞留する時間は、前記傾斜面の高さを調節することで任意に設定することができるし、粉粒体の移動のし易さは傾斜面の角度で調節することができる。つまり、当該第2受け面の形状を適宜決定することで、被処理物の種類毎に最適な連続処理条件を得ることが可能となる。
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項6に示すごとく、前記回転部材の外面と前記受け面との間隔が、前記インナーピースの厚みと略同じとなるように、前記回転部材の外径を設定することができる。
本構成のごとく、前記回転部材の外面と前記受け面との間隔を設定しておくことで、前記処理空間を必要最小限の大きさに設定することができる。つまり、当該処理空間に供給された粉粒体が不必要に堆積するような場所が生じないため、粉粒体が前記加圧領域に侵入し易い状況を作ることができる。この結果、粉粒体の加圧処理を効率的に進行させることができる。
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項7に示すごとく、前記アウターピースの一端側には、前記被処理物を前記アウターピースの内部に強制的に供給可能な供給手段を設けておくのが好ましい。
当該装置で処理する粉粒体には、例えば、極めて酸化し易い粉粒体など各種の粉粒体がある。このような場合には、処理空間の内部の雰囲気を、不活性ガス雰囲気にしておくことが望ましい。各種の運転条件に応じて、粉粒体を確実に処理空間の内部に供給するには、例えば、スクリューフィーダーのような粉粒体を強制供給できるような供給手段を用いる必要がある。
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項8に示すごとく、前記アウターピースの両端部のうち、前記供給手段を設けた側の内面が、前記アウターピースの端部側ほど内径が小さくなる傾斜面に形成しておくことができる。
本構成のごとく、前記アウターピースの両端部のうち、前記供給手段を設けた側の内面が、前記アウターピースの端部側ほど内径が小さくなる傾斜面に形成しておくことで、処理空間に供給された粉粒体が不必要に堆積するいわゆるデッドスペースを無くすことができる。
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項9に示すごとく、前記アウターピースの両端部のうち、前記供給手段を設けた側とは反対側の端部に、前記被処理物を強制的に取り出し可能な取出手段を設けておくことができる。
当該粉粒体処理装置では、粉粒体が加圧領域にどれだけの時間滞留しているかが特に重要である。この時間の長短によって粉粒体の処理程度が変化するからである。
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項10に示すごとく、前記アウターピースおよび前記回転部材のうち、少なくとも何れか一方に、冷媒を供給可能なジャケットを設けておくことができる。
例えば、医薬品や樹脂など、処理する粉粒体の中には、弱熱性の材料がある。このような粉粒体を複合化処理する場合、摩擦熱によって粉粒体の温度が上昇し、品質が損なわれたり、前記摩擦熱によって軟化し、複合化処理祖ものができない場合がある。
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項11に示すごとく、前記アウターピースの内部空間に液状添加物を供給可能な噴霧手段を前記アウターピースに設けておくことができる。
粉粒体の中には、粉粒体の表面に別の被膜をコーティングしたい場合がある。 従来では、高速撹拌型の各種のミキサが用いられていたが、原料粉粒体に生じる凝集を個々の粒子にまで分散させる力が十分ではなかったため、凝集状態のままで液体を被覆するという不都合が生じていた。
本発明の粉粒体処理装置を図1乃至図4に示す。
当該本発明の装置は、被処理物1を加圧しながら撹拌混合すべく、水平方向に延出する回転軸心2の回りに駆動回転自在な回転部材3と、当該回転部材3に取り付けられ、前記被処理物1を加圧するインナーピース4と、前記被処理物1を前記インナーピース4との間で加圧する受け面5を内周に備えた筒状のアウターピース6とを備えている。前記回転部材3と前記受け面5との間の空間が、被処理物1を処理する処理空間7となる。そして特に、前記インナーピース4とアウターピース6との間の狭い空間が被処理物1である粉粒体1aを加圧する加圧領域8となる。
図1に示すごとく、本装置は、被処理物1に加圧力を加えるべく、水平方向に延出する回転軸心2を中心に回転可能な回転部材3を備えている。当該回転部材3の軸部11の一旦側には、図示は省略するが、駆動力入力部を備えている。当該駆動入力部としては、例えばベルト駆動の為のプーリーを備えておき、駆動モーターによって駆動する。
図1乃至図3に示すごとく、前記回転部材3の外周面には複数のインナーピース4を取り付けてある。本実施形態では、前記回転軸心2の延出方向に沿って三組のインナーピース4を設けてある。そして、一組のインナーピース4は、回転軸心2を中心にして180度対向した位置に設けてある。
図1および図2に示すごとく、前記回転部材3の両端部のうち前記供給手段9の側には、粉粒体1aを前記加圧領域8に移動させるため、プロペラ状の送りブレード13を設けてある。本実施形態では、第1段目のインナーピース4と同じ位相となる位置に二枚の送りブレード13を設けてある。
図1乃至図3に示すごとく、アウターピース6は、当該粉粒体処理装置の装置本体を兼ねている。当該アウターピース6の内周面は、前記インナーピース4との間で粉粒体1aを加圧する受け面5として機能する。
図1および図2,図4に示すごとく、前記回転軸心2の長手方向に沿って隣接するインナーピース4どうしの間に、前記受け面5から突出すると共に前記回転方向に沿って延出する仕切部15を設けてある。ここでは、環状の板部材を前記受け面5に一体化して設けてある。
前記アウターピース6の一端側には、前記被処理物1を前記アウターピース6の内部に強制的に供給可能な供給手段9を設けてある。 当該装置で処理する粉粒体1aには、例えば、極めて酸化し易い粉粒体1aなど各種の粉粒体1aがある。このような場合には、処理空間7の内部の雰囲気を、不活性ガス雰囲気にしておくことが望ましい。
前記アウターピース6の両端部のうち、前記供給手段9を設けた側とは反対側の端部には、前記被処理物1を強制的に取り出し可能な取出手段10を設けてある。
本発明の粉粒体処理装置は、各種の粉粒体1aの処理に適用することができる。 例えば、グラファイトとコークス+ピッチ、粉体塗料とSiやAl、トナーとカーボンブラック等、広範囲に亘る技術分野で用いる粉粒体1aを処理することができる。これらの場合は、例えば、複数の粉粒体1aを融合させる複合化処理を行うことが多い。
当該粉粒体処理装置を用いて粉粒体1aの処理を行った例を以下に示す。
図5には、処理空間7に投入した粉粒体1aが処理空間7にどれくらいの時間滞留しているかを検証した結果を示す。 粉粒体1aとして粒径150μmの白と黒の2種類のポリエチレン粉末を用いて滞留時間を測定した。まず、白色の粉末を供給して連続運転を行い、ある時点から、供給する粉粒体1aを黒色のもに切り換える。そして、取出手段10から取り出される粉粒体1aが白から黒に切り替わっていく割合を時間毎に測定した。
以上のごとく、本発明の粉粒体処理装置では、特に、インナーピース4を回転軸心2の延出方向に沿って複数設けておくことで、前記加圧領域8を広く確保することができる。この結果、粉粒体1aの滞留時間を長く確保して、粉粒体1aの連続処理を確実に行うことができる。
図8及び図9には、別実施形態に係る粉粒体処理装置を示す。
回転部材3の一方側には、前記送りブレード13に加えて、第2の送りブレード17を設けてある。この場合の回転部材3は、先の実施形態のものに比べてその外径が小さく、前記受け面5との距離が比較的大きい。よって、本別実施形態の回転部材3に対しては、図8に示すごとく第1の送りブレード13に加えて、処理空間7のより内側に存在する粉粒体1aを搬送するための第2の送りブレード17を設けてある。
また、本別実施形態の装置では、図9に示すごとく、前記第1の送りブレード13の近傍にスクレーパー18を設けてある。第1の送りブレード13は、前記インナーピース4ほど受け面5に近接していないから、受け面5には被処理物1が付着し易くなる。このため、図9に示すごとくスクレーパー18を設け、前記受け面5に粉粒体1aが付着するのを防止している。尚、当該スクレーパー18と前記受け面5とのクリアランスは、約1mmである。
図8に示したごとく、本別実施形態の装置では、前記仕切部15に、前記回転軸心2の側を向きつつ傾斜した第2受け面19を設けてある。例えば、図8に示したごとく、仕切部15の断面形状を三角形状に形成する。ここには、図8の断面視で左右に2カ所の第2受け面19が形成されている。ただし、特に重要なのは、粉粒体1aの流れ方向において上手側に位置する第2受け面19である。
本別実施形態に係る装置には、アウターピース6の外側に冷却用のジャケット20を設けてある。例えば、医薬品や樹脂など、弱熱性材料を複合化処理するような場合、摩擦熱によって粉粒体1aの温度が上昇し、品質が損なわれるおそれがある。そこで、前記アウターピース6の外面にジャケット20を設け、粉粒体1aの温度を制御することとしている。本実施形態のごとく、アウターピース6の外周全体に亘ってジャケット20を設けることで、冷却効果が非常に高いものとなる。
粉粒体1aの中には、例えば、化粧品のファンデーション等、無機物粉粒体にオイルを被覆処理したり、炭酸カルシウムと尿素を複合化処理しつつ、脂肪酸やステアリン酸をコーティングして粉粒体1aに撥水性を持たせることが求められる場合がある。
2 回転軸心
3 回転部材
4 インナーピース
5 受け面
6 アウターピース
9 供給手段
10 取出手段
15 仕切部
16 断続部
19 第2受け面
20 ジャケット
21 噴霧手段
Claims (11)
- 被処理物を加圧しながら撹拌混合すべく、
水平方向に延出する回転軸心の回りに駆動回転自在な回転部材と、
当該回転部材に取り付けられ、前記被処理物を加圧するインナーピースと、
前記被処理物を前記インナーピースとの間で加圧する受け面を内周に備えた筒状のアウターピースとを備えた粉粒体処理装置であって、
前記インナーピースが前記回転軸心の延出方向に沿って複数設けてある粉粒体処理装置。 - 前記複数のインナーピースどうしが前記回転部材の回転方向に沿って位相差を有している請求項1に記載の粉粒体処理装置。
- 前記回転軸心の長手方向に沿って隣接するインナーピースどうしの間に、前記受け面から突出すると共に前記回転方向に沿って延出する仕切部を設けてある請求項1又は2に記載の粉粒体処理装置。
- 前記仕切部がその延出方向に沿って断続部を備えている請求項3に記載の粉粒体処理装置。
- 前記仕切部に、前記回転軸心の側を向きつつ傾斜した第2受け面を設けてある請求項3または4に記載の粉粒体処理装置。
- 前記回転部材の外面と前記受け面との間隔が、前記インナーピースの厚みと略同じになるよう前記回転部材の外径を設定してある請求項1から5の何れか一項に記載の粉粒体処理装置。
- 前記アウターピースの一端側には、前記被処理物を前記アウターピースの内部に強制的に供給可能な供給手段を設けてある請求項1から6の何れか一項に記載の粉粒体処理装置。
- 前記アウターピースの両端部のうち、前記供給手段を設けた側の内面が、前記アウターピースの端部側ほど内径が小さくなる傾斜面に形成してある請求項7に記載の粉粒体処理装置
- 前記アウターピースの両端部のうち、前記供給手段を設けた側とは反対側の端部に、前記被処理物を強制的に取り出し可能な取出手段を設けてある請求項7または8に記載の粉粒体処理装置。
- 前記アウターピースおよび前記回転部材のうち、少なくとも何れか一方に、冷媒を供給可能なジャケットを設けてある請求項1から9の何れか一項に記載の粉粒体処理装置。
- 前記アウターピースの内部空間に液状添加物を供給可能な噴霧手段を前記アウターピースに設けてある請求項1から10の何れか一項に記載の粉粒体処理装置。
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