JP2005125226A - 粉粒体処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被処理物の連続処理効率を高めると共に、均一な製品を得ることができる粉粒体処理装置を提供する。
【解決手段】 被処理物1を加圧しながら撹拌混合すべく、水平方向に延出する回転軸心2の回りに駆動回転自在な回転部材3と、回転部材3に取り付けられ、被処理物1を加圧するインナーピース4と、被処理物1をインナーピース4との間で加圧する受け面5を内周に備えた筒状のアウターピース6とを備えた粉粒体処理装置であって、インナーピース4が回転軸心2の延出方向に沿って複数設けてある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理物を加圧しながら撹拌混合すべく、水平方向に延出する回転軸心の回りに駆動回転自在な回転部材と、当該回転部材に取り付けられ、前記被処理物を加圧するインナーピースと、前記被処理物を前記インナーピースとの間で加圧する受け面を内周に備えた筒状のアウターピースとを備えた粉粒体処理装置に関する。
従来、粉粒体処理装置としては、例えば特願平10−295362に記載されたものがある。当該粉粒体処理装置を図10に示す。 この装置は、主に、基台31に設置した略円筒形状のケーシング32、および、当該ケーシング32の内部に設けた同じく略円筒形状の筒状回転体33、当該筒状回転体33との間に押圧力を発生させて被処理物34を処理すべく前記筒状回転体33の内部に配設したインナーピース35とからなる。前記筒状回転体33を回転させることで、当該筒状回転体33の内周面に形成した受け面36と前記インナーピース35とを相対回転させ、前記受け面36と前記インナーピース35との間の押圧部37に存在する被処理物34に押圧力を付与して粉粒体処理を行うものである。
この装置は、特に、前記押圧部37と筒状回転体33の外部空間とに亘って被処理物34を循環させ、押圧部37に対して被処理物34を順次入れ替えて供給することで、被処理物34の全体を確実に処理し、品質が極めて安定した製品を得ようとするものである。 このため、当該装置は前記押圧部37に対して被処理物34を積極的に循環させるための被処理物排除手段38を有している。この被処理物排除手段38は、前記押圧部37に保持された被処理物34の一部を、筒状回転体33が駆動回転されている最中に筒状回転体の内包空間39の外部に排除するものであり、これにより、全ての被処理物34が前記押圧部37に対して順次循環供給されるのである。
前記ケーシング32の外周下方部には羽根部材40を設けてある。当該羽根部材40は、前記孔部38から筒状回転体33の外方に排除された被処理物34を再び前記押圧部37に循環させるためのものである。 被処理物34は、被処理物投入口41から投入し、処理が終了した被処理物34はケーシング32の底部周縁に設けた排出口45から取り出す。 装置の運転に際して、インナーピース34等の温度を調節するために、前記ケーシング32の周囲にジャケット43を設けてある。
上記のごとく、従来の粉粒体処理装置では、処理精度の良い製品を連続的に得ることを目的として粉粒体34の循環手段を設けたものである。しかし、粉粒体34を加圧処理する加圧領域が鉛直方向に延出した受け面36であるから、受け面36に対する粉粒体34の堆積状態が上下方向で異なり、加圧効果が異なる場合があった。
しかも、図10から明らかなごとく、前記インナーピース35は、回転軸44に対して支持部材で保持されたものであり、回転軸44とインナーピース35との間には大きな空間が存在する。このため、処理作業中において、粉粒体34が当該空間にも浮遊して前記加圧領域に到達する粉粒体34の割合が低くなるという不都合が生じていた。このため、粉粒体34の処理効率を高めるにも限界があった。
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、被処理物の連続処理効率を高めると共に、均一な製品を得ることができる粉粒体処理装置を提供することにある。
〔構成1〕
本発明の粉粒体処理装置は、請求項1に示すごとく、被処理物を加圧しながら撹拌混合すべく、水平方向に延出する回転軸心の回りに駆動回転自在な回転部材と、当該回転部材に取り付けられ、前記被処理物を加圧するインナーピースと、前記被処理物を前記インナーピースとの間で加圧する受け面を内周に備えた筒状のアウターピースとを備えた粉粒体処理装置であって、前記インナーピースが前記回転軸心の延出方向に沿って複数設けてある点に特徴を有する。
〔作用効果〕
本構成のごとく、前記インナーピースを回転軸心の延出方向に沿って複数設けておくことで、前記加圧領域を広く確保することができる。この結果、粉粒体の滞留時間を長く確保して、粉粒体の連続処理を確実に行うことができる。
また、複数のインナーピースを設けることは、即ち、一つのインナーピースの長さを制限することになる。アウターピースとインナーピースとの間の空間では粉粒体に圧力が付与されるため、この空間は、粉粒体が通過する際の一種の抵抗領域となる。しかし、インナーピースの長さを制限して、両側に圧力の低い領域を形成することで、粉粒体は当該加圧領域を軸心方向に沿って抜け出し易くなり、粉粒体を確実に移送することができる。
〔構成2〕
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項2に示すごとく、前記複数のインナーピースどうしが、前記回転部材の回転方向に沿った位相差を有するように構成することができる。
〔作用効果〕
本構成のごとく、隣接するインナーピースどうしに前記回転部材の回転方向に沿った位相差を持たせることで、第1段目の加圧領域から押し出された粉粒体は、所定の位相だけ遅れて回転してくる第2段目のインナーピースによって再び加圧力を付与されることになる。よって、本構成の装置であれは、粉粒体を確実に移動させるという上記構成1の作用効果に加えて、当該移動してきた粉粒体に十分な加圧力を作用させるという効果を得ることができる。
〔構成3〕
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項3に示すごとく、前記回転軸心の長手方向に沿って隣接するインナーピースどうしの間に、前記受け面から突出すると共に前記回転方向に沿って延出する仕切部を設けてあることができる。
〔作用効果〕
仮に、前記受け面とインナーピースとの間に何も設けない場合には、粉粒体の流れは円滑なものになるが、粉粒体が加圧領域に滞留している時間が短くなる傾向が生じる。いわゆる、粉粒体のショートパスが生じ、処理が十分に行われないまま取り出し手段によって取り出されてしまうこととなる。
しかし、本構成のごとく、隣接するインナーピースどうしの間に仕切部を設けることで、粉粒体が前記回転軸心の長手方向に沿って移動する際の抵抗を形成することができる。この結果、粉粒体がショートパスするのを有効に防止し、加圧領域での滞留時間を十分に確保して、処理効果を高めることができる。
〔構成4〕
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項4に示すごとく、前記仕切部には、その延出方向に沿って断続部を備えることとしてもよい。
〔作用効果〕
上記構成3に示すごとく、仕切部を設けることは、粉粒体を滞留させることができる一方で、粉粒体の移動を阻害する要因ともなる。例えば、ローターの回転速度を高速化するほど、粉粒体が仕切部を乗り越え難くなり、大量に粉粒体を流して処理することが不可能となる。
そこで、本構成のごとく、前記仕切部にその延出方向に沿って断続部を設けておけば、粉粒体を加圧領域に一定時間滞留させて粉粒体の処理効果を高めつつ、隣接する加圧領域に移動させることが容易となる。
〔構成5〕
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項5に示すごとく、前記仕切部に、前記回転軸心の側を向きつつ傾斜した第2受け面を設けることができる。
〔作用効果〕
粉粒体の処理に際しては、粉粒体を加圧領域に所定の時間だけ滞留させる必要があるが、その一方で、粉粒体は確実に取出手段の位置まで搬送する必要がある。そのため、本構成のごとく、前記仕切部に、前記回転軸心の側を向きつつ傾斜した第2受け面を設けることで、一つの加圧領域を通過した粉粒体が当該傾斜面を比較的容易に乗り越えることができるものとする。そうすることで、粉粒体が加圧領域で滞留する時間は、前記傾斜面の高さを調節することで任意に設定することができるし、粉粒体の移動のし易さは傾斜面の角度で調節することができる。つまり、当該第2受け面の形状を適宜決定することで、被処理物の種類毎に最適な連続処理条件を得ることが可能となる。
〔構成〕
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項6に示すごとく、前記回転部材の外面と前記受け面との間隔が、前記インナーピースの厚みと略同じとなるように、前記回転部材の外径を設定することができる。
〔作用効果〕
本構成のごとく、前記回転部材の外面と前記受け面との間隔を設定しておくことで、前記処理空間を必要最小限の大きさに設定することができる。つまり、当該処理空間に供給された粉粒体が不必要に堆積するような場所が生じないため、粉粒体が前記加圧領域に侵入し易い状況を作ることができる。この結果、粉粒体の加圧処理を効率的に進行させることができる。
〔構成〕
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項7に示すごとく、前記アウターピースの一端側には、前記被処理物を前記アウターピースの内部に強制的に供給可能な供給手段を設けておくのが好ましい。
〔作用効果〕
当該装置で処理する粉粒体には、例えば、極めて酸化し易い粉粒体など各種の粉粒体がある。このような場合には、処理空間の内部の雰囲気を、不活性ガス雰囲気にしておくことが望ましい。各種の運転条件に応じて、粉粒体を確実に処理空間の内部に供給するには、例えば、スクリューフィーダーのような粉粒体を強制供給できるような供給手段を用いる必要がある。
また、被処理物によっては、粘性を有するものなど、自身では処理空間の内部に侵入して行き難い材料を扱う場合もある。 そこで、本構成のごとく、強制供給可能な供給手段を用いることは粉粒体の連続処理を行う場合には非常に有用となる。
〔構成〕
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項8に示すごとく、前記アウターピースの両端部のうち、前記供給手段を設けた側の内面が、前記アウターピースの端部側ほど内径が小さくなる傾斜面に形成しておくことができる。
〔作用効果〕
本構成のごとく、前記アウターピースの両端部のうち、前記供給手段を設けた側の内面が、前記アウターピースの端部側ほど内径が小さくなる傾斜面に形成しておくことで、処理空間に供給された粉粒体が不必要に堆積するいわゆるデッドスペースを無くすことができる。
そして、回転部材の回転によって、処理空間内の粉粒体はある程度の遠心力を付与され、処理空間の外周側に押し出される。その際、本構成のごとく傾斜面を形成しておけば、粉粒体を前記送りブレードの側に容易に案内させることができ、粉粒体を加圧領域に確実に移動させることが可能となる。
〔構成〕
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項9に示すごとく、前記アウターピースの両端部のうち、前記供給手段を設けた側とは反対側の端部に、前記被処理物を強制的に取り出し可能な取出手段を設けておくことができる。
〔作用効果〕
当該粉粒体処理装置では、粉粒体が加圧領域にどれだけの時間滞留しているかが特に重要である。この時間の長短によって粉粒体の処理程度が変化するからである。
当該時間を調節するには、例えば、処理終了後の粉粒体の取り出し量を調節するのが有効である。つまり、本構成のごとく、前記被処理物を強制的に取り出し可能な取出手段を設けることで、処理室の内部にある被処理物の取出量を規制しつつ取り出すことが可能となり、粉粒体の処理程度を最適化することができるのである。
〔構成〕
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項10に示すごとく、前記アウターピースおよび前記回転部材のうち、少なくとも何れか一方に、冷媒を供給可能なジャケットを設けておくことができる。
〔作用効果〕
例えば、医薬品や樹脂など、処理する粉粒体の中には、弱熱性の材料がある。このような粉粒体を複合化処理する場合、摩擦熱によって粉粒体の温度が上昇し、品質が損なわれたり、前記摩擦熱によって軟化し、複合化処理祖ものができない場合がある。
そこで、本構成のごとく、前記アウターピースおよび前記回転部材のうち、少なくとも何れか一方に、冷媒を供給可能なジャケットを設けておくことで、上記不都合を解決しつつ、粉粒体の処理効果を高めることができる。
〔構成〕
本発明の粉粒体処理装置においては、請求項11に示すごとく、前記アウターピースの内部空間に液状添加物を供給可能な噴霧手段を前記アウターピースに設けておくことができる。
〔作用効果〕
粉粒体の中には、粉粒体の表面に別の被膜をコーティングしたい場合がある。 従来では、高速撹拌型の各種のミキサが用いられていたが、原料粉粒体に生じる凝集を個々の粒子にまで分散させる力が十分ではなかったため、凝集状態のままで液体を被覆するという不都合が生じていた。
しかし、本構成のごとく、前記アウターピースの内部空間に液状添加物を供給可能な噴霧手段を備えることで、機械的な圧縮専断作用によって分散された個々の微粒子に液状添加剤を吹き付け、コーティングすることが可能となる。この結果、多品種の粉粒体処理に本装置を適用することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を図1から図9に基づいて説明する。以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
(概要)
本発明の粉粒体処理装置を図1乃至図4に示す。
当該本発明の装置は、被処理物1を加圧しながら撹拌混合すべく、水平方向に延出する回転軸心2の回りに駆動回転自在な回転部材3と、当該回転部材3に取り付けられ、前記被処理物1を加圧するインナーピース4と、前記被処理物1を前記インナーピース4との間で加圧する受け面5を内周に備えた筒状のアウターピース6とを備えている。前記回転部材3と前記受け面5との間の空間が、被処理物1を処理する処理空間7となる。そして特に、前記インナーピース4とアウターピース6との間の狭い空間が被処理物1である粉粒体1aを加圧する加圧領域8となる。
前記アウターピース6の一方側に設けた供給手段9から被処理物1である粉粒体1aを供給し、前記インナーピース4とアウターピース6との間に形成される加圧領域8に粉粒体1aを誘導しつつ、前記供給手段9とは反対側に設けた取出手段10から粉粒体1aを取り出すものである。
本装置を用いることで、被処理物1である例えば粉粒体1aどうしの粗混合や複合化の他、精密混合あるいは形状制御等の各種処理を行うことができる。 このうち特に、複合化とは、複数の粉粒体1aを混ぜ合わせたものに加圧力およびせん断力を加えて特定の粉粒体1aの表面に他の粉粒体1aを融合し、一体化することをいう。
また、精密混合とは、異種の粉粒体1aを単一粒子レベルで均一に分散させた状態に混合することをいう。
さらに、形状制御とは、例えば、複数の粉粒体1aに加圧力あるいはせん断力を作用させて、球状を有しない特定の粉粒体1aの表面に他の粉粒体1aを付着させ、当該特定の粉粒体1aを球状に整形すること等をいう他、球状を有しない粉粒体1aに加圧力等を作用させてその一部を破砕し、当該粉粒体1aを球状に整形すること等をいう。尚、これらの処理を総称してメカノフュージョン処理という場合もある。
このような複合化処理などを行えることは、例えば、医薬品や食品などの原料粉粒体1aを複合化処理する場合に非常に有利である。つまり、バインダーなどを使用することなく複数の粉粒体1aを連続的に複合化することができるため、製品の成分が問題となる事態が生じ難いからである。以下、本実施形態に係る粉粒体処理装置の詳細について説明する。
(回転部材)
図1に示すごとく、本装置は、被処理物1に加圧力を加えるべく、水平方向に延出する回転軸心2を中心に回転可能な回転部材3を備えている。当該回転部材3の軸部11の一旦側には、図示は省略するが、駆動力入力部を備えている。当該駆動入力部としては、例えばベルト駆動の為のプーリーを備えておき、駆動モーターによって駆動する。
図2に示すごとく、本実施形態の回転部材3は、中空構造の円筒部材で構成してある。これにより、回転部材3の軽量化を図り、駆動効率を向上させている。また、外径の大きな円筒部材とすることで、粉粒体1aの処理空間7が広くなり過ぎるのを防止し、加圧領域8に粉粒体1aを効率よく供給する構成としている。
図2に示すごとく、当該回転部材3の内側には、複数の支持部12を設けてあり、後述するインナーピース4の取り付け部に位置するように構成してある。これにより、インナーピース4とアウターピース6との間で加圧力を生じさせる際に、インナーピース4に対して反力を付与する。
(インナーピース)
図1乃至図3に示すごとく、前記回転部材3の外周面には複数のインナーピース4を取り付けてある。本実施形態では、前記回転軸心2の延出方向に沿って三組のインナーピース4を設けてある。そして、一組のインナーピース4は、回転軸心2を中心にして180度対向した位置に設けてある。
回転軸心2の方向に三組のインナーピース4を設けたことで、前記加圧領域8を広く確保することができ、粉粒体1aの連続処理を確実に行うことができる。 また、夫々のインナーピース4の長さを所定の長さに制限することで、一つのインナーピース4によって形成される加圧領域8も回転軸心2に沿って断続的に形成されることとなる。つまり、高圧の加圧領域8を所定の長さに制限しておき、その両側に低圧の領域を設けることで、粉粒体1aは、当該加圧領域8を通り抜け易くなる。よって、連続処理を確実に行うことができるのである。
三組のインナーピース4は、図3に示したごとく、隣接する組どうしが回転軸心2を中心に60度の位相差を設けて配置することができる。本構成にすれば、第1段目の加圧領域8から押し出された粉粒体1aは、60度の位相だけ遅れて回転してくる第2段目のインナーピース4によって再び加圧力を付与される。粉粒体1aは、前記受け面5に沿って、螺旋状に移送されることとなる。このようにして粉粒体1aの加圧処理が連続して行われる。
インナーピース4は、例えば図2乃至図3に示したごとく、円柱を半分に切断したようなかまぼこ状の部材で構成してある。インナーピース4は、前記回転部材3の表面に、例えば、ネジ止めによって取り付ける。このように、断面形状を半円形状とすることで、インナーピース4が回転する際に、粉粒体1aはインナーピース4とアウターピース6との間に次第に食い込むように侵入する。これにより、粉粒体1aに強力な圧力を付与することができる。
(送りブレード)
図1および図2に示すごとく、前記回転部材3の両端部のうち前記供給手段9の側には、粉粒体1aを前記加圧領域8に移動させるため、プロペラ状の送りブレード13を設けてある。本実施形態では、第1段目のインナーピース4と同じ位相となる位置に二枚の送りブレード13を設けてある。
回転部材3を高速回転させることで、処理空間7の内部に供給された粉粒体1aは前記受け面5の側に押し付けられる。そしてこの位置に当該送りブレード13を設けておくことで、粉粒体1aを加圧領域8に確実に供給するのである。 当該送りブレード13は、溶接などによって前記回転部材3の上に直に取り付けても良いし、ボルト等によって交換可能に取り付けても良い。
(アウターピース)
図1乃至図3に示すごとく、アウターピース6は、当該粉粒体処理装置の装置本体を兼ねている。当該アウターピース6の内周面は、前記インナーピース4との間で粉粒体1aを加圧する受け面5として機能する。
当該受け面5と、前記回転部材3の外周面との間隔は、前記インナーピース4が配置可能であって、さらに、受け面5とインナーピース4との間に加圧領域8を形成できるだけの所定のクリアランスを設けてある。当該クリアランスは約5mmに設定した。
このように、前記回転部材3の外面と前記受け面5との間隔を、前記インナーピース4の厚みと略同じになるよう前記回転部材3の外径を設定しておくことで、前記処理空間7を必要最小限の大きさに設定することができる。この結果、当該処理空間7に供給された粉粒体1aが、前記加圧領域8に侵入し易い状況を作ることができ、粉粒体1aの加圧処理を効率的に進行させることができるのである。
前記受け面5と前記インナーピース4との間隔は、通常5mm程度であるが、粉粒体1aの送給方向の下流側ほど狭く設定することとしても良い。つまり、粉粒体1aの処理の進行状況に応じて、各インナーピース4の機能を分担させるのである。例えば、インナーピース4を三段階に設ける場合、一段目においては、撹拌により粉粒体1aを分散・混合する効果を主に発揮させる。二段目は、中程度の機械的エネルギーを付与して粉粒体1a処理を行う。そして、三段目で、高エネルギーを粉粒体1aに付与し、例えば粉粒体1aの融合効果を高めるのである。
アウターピース6の端部の形状に注目すれば、図1に示したごとく、本実施形態では、前記アウターピース6の両端部のうち、前記供給手段9を設けた側の内面が、前記アウターピース6の端部側ほど内径が小さくなる傾斜面14に形成してある。
本構成することで、処理空間7に供給された粉粒体1aが不必要に堆積してしまういわゆるデッドスペースを無くすことができる。 回転部材3の回転によって処理空間7内の粉粒体1aはある程度の遠心力を付与され、処理空間7の外周側に押し出される。その際に、本構成のごとく傾斜面14を形成しておけば、粉粒体1aを前記送りブレード13の側に移動させることができ、粉粒体1aを加圧領域8に確実に案内移動させることが可能となる。
尚、当該傾斜面14は、図1のごとく円錐状とするものであっても良いし、紡錘形状等であっても良く、上記効果が得られる形状であれば任意の形状を採用することができる。
粉粒体1aの処理に際し、アウターピース6の内部は任意の環境に設定することができる。例えば、通常の大気中で作業することとしても良いし、粉粒体1aが酸化するのを避けたいような場合には、処理空間7の内部に窒素ガスなどの不活性ガスを充填することとしても良い。
(仕切部)
図1および図2,図4に示すごとく、前記回転軸心2の長手方向に沿って隣接するインナーピース4どうしの間に、前記受け面5から突出すると共に前記回転方向に沿って延出する仕切部15を設けてある。ここでは、環状の板部材を前記受け面5に一体化して設けてある。
このような仕切部15を設けない場合には、粉粒体1aの流れは円滑なものになるが、粉粒体1aが加圧領域8に滞留している時間が短くなる傾向が生じる。いわゆる、粉粒体1aのショートパスが生じ、処理が十分に行われないまま取り出し手段によって取り出されてしまうものが生じる。
しかし、本構成のごとく、隣接するインナーピース4どうしの間に仕切部15を設けることで、粉粒体1aが前記回転軸心2の長手方向に沿って移動する際の抵抗を形成することができる。この結果、粉粒体1aがショートパスするのを有効に防止し、加圧領域8での滞留時間を十分に確保して、処理効果を高めることができる。
その一方で、前記仕切部15の設置は、粉粒体1aの移動を阻害する要因ともなる。例えば、回転部材3の回転速度を高速化するほど、粉粒体1aに作用する遠心力が増大し、粉粒体1aが仕切部15を乗り越え難くなる。このため、大量に粉粒体1aを流して処理することが不可能となる。
そこで、当該不都合を解決すべく、本実施形態では、前記仕切部15にその延出方向に沿って断続部16を設けることとた。例えば、図4に示すごとく、前記仕切部15を環状の板部材で形成し、その外周側の一部分に断続部16としての切欠き16aを設けておく。当該切欠き16aは、粉粒体1aの処理量に応じた大きさに形成しておく。つまり、処理量を多くしたい場合には、粉粒体1aが通過し易くなるように切欠き16aを大きく形成し、処理量を少なくしたい場合には、切欠き16aを小さくするのである。このようにして、粉粒体1aの流れ速度が最適となるようにするのである。
また、図4に示すごとく、二枚の仕切部15を設ける場合には、夫々の切欠き16aを上側と下側といった具合振り分けて設置するのが好ましい。こうすることで、粉粒体1aが移動する際には、必ず受け面5を半周以上回りつつ次の切欠き16aまで移動することとなり、粉粒体1aの処理効果を高めることができるからである。
(供給手段)
前記アウターピース6の一端側には、前記被処理物1を前記アウターピース6の内部に強制的に供給可能な供給手段9を設けてある。 当該装置で処理する粉粒体1aには、例えば、極めて酸化し易い粉粒体1aなど各種の粉粒体1aがある。このような場合には、処理空間7の内部の雰囲気を、不活性ガス雰囲気にしておくことが望ましい。
各種の運転条件に応じて、粉粒体1aを確実に処理空間7の内部に供給するには、例えば、スクリューフィーダーのような粉粒体1aを強制供給できるような供給手段9を用いる必要がある。また、被処理物1によっては、粘性を有するものなど、自身では処理空間7の内部に侵入して行き難い材料を扱う場合にも、強制供給可能な供給手段9は非常に有用である。
尚、図1乃至図3には二つの供給手段9を示してある。よって、このうち少なくとも何れか一方が当該強制供給可能な供給手段9となる。
(取出手段)
前記アウターピース6の両端部のうち、前記供給手段9を設けた側とは反対側の端部には、前記被処理物1を強制的に取り出し可能な取出手段10を設けてある。
当該取出手段10としては、スクリューコンベヤーのような手段が適用可能な他、ボールコンベヤーを用いたり、開閉式排出口を備えた取出手段10を用いることができる。
特に、取出手段10としては、処理空間7の内部にある被処理物1の取出量を規制しつつ取り出し得るものが望ましい。つまり、当該取出手段10の操作によって、加圧領域8での粉粒体1aの滞留時間を制御することができ、粉粒体1aの処理程度を最適化することができるからである。
(適用対象)
本発明の粉粒体処理装置は、各種の粉粒体1aの処理に適用することができる。 例えば、グラファイトとコークス+ピッチ、粉体塗料とSiやAl、トナーとカーボンブラック等、広範囲に亘る技術分野で用いる粉粒体1aを処理することができる。これらの場合は、例えば、複数の粉粒体1aを融合させる複合化処理を行うことが多い。
また、粉体塗料やトナー、黒鉛の球形化などを行うことも可能であるし、メタカオリンやコークス、グラファイトの高密度化を図ることもできる。このような処理により、例えば、粉粒体1aの流動性を向上させることができる。 更には、粉粒体1aに撥水性を持たせる等の表面改質に適用することもできる。
本装置は、例えば以下のような酸化し易い材料を複合化処理するような場合にも有用である。例えば、希土類系のネオジム−鉄−ボロン系磁性材料を複合化処理する場合、希土類系磁性材料は非常に酸化・燃焼し易いから、処理空間7の内部の雰囲気は、主に窒素ガス雰囲気とし、酸素濃度は0.5〜2.0%程度に下げておく必要がある。
また、ネオジ鉄、サマリウムコバルト、サマリウム鉄コバルト、コバルト、イットリウム、テリビウム、酸化セリウム等の希土類系磁性材料の処理にも適用可能である。 この他にも、蝠光塗料・セラミックス・シリカゲル・アルミナ等の高純度物質、タングステンカーバイド・シリコンカーバイド・ボロンカーバイド・各種アルミナ・酸化マグネシウム・酸化ジルコニウム・酸化シリコン・コランダム等の研磨剤、アルミニウム粉末・銅粉末等の金属粉、トナー・殺虫剤・ワックス・樹脂・脂肪・エポキシ樹脂等の弱熱性・低融点物質、マイカ・グラファイト・タルク等の鱗片状物質、シリカゲルのような材料を処理することも可能である。
リチウムイオン電池材料のように、材料どうしを混練する必要がある場合にも本装置は有用である。 例えば、リチウムイオン電池の正極を形成するための正極材料は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)等の正極活物質と、カーボン等の導電剤、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤、さらには、これらの材料をスラリー状にするための1−メチル−2−ピロリドン等の溶剤とを混練するような用途にも適用可能である。
(実施例)
当該粉粒体処理装置を用いて粉粒体1aの処理を行った例を以下に示す。
図5には、処理空間7に投入した粉粒体1aが処理空間7にどれくらいの時間滞留しているかを検証した結果を示す。 粉粒体1aとして粒径150μmの白と黒の2種類のポリエチレン粉末を用いて滞留時間を測定した。まず、白色の粉末を供給して連続運転を行い、ある時点から、供給する粉粒体1aを黒色のもに切り換える。そして、取出手段10から取り出される粉粒体1aが白から黒に切り替わっていく割合を時間毎に測定した。
このときのインナーピース4の回転数は1000rpm、駆動動力は23kwであった。処理空間7に存在する粉粒体1aは約3.8kgであった。
図5より明らかなごとく、約5分で半分の白色粒子が黒色粒子に入れ替わり、約20分で完全に黒色粒子に入れ替わったことがわかる。この場合、各粒子の平均滞留時間は約6.5分であった。この滞留時間は、粉粒体1aの処理に際して、粉粒体1aのショートパスが生じず、各粉粒体1aが確実に処理されるのに適した時間である。
また、本装置を用いて黒鉛粉末を球状化処理した場合の、処理粉粒体1aの密度向上の様子を図6に示した。黒鉛は、例えばリチウムイオン2次電池の負極材として用いる。その際には、黒鉛を球形化し、充填性を高めて電池の充電容量を高める必要がある。
そこで、固めかさ密度が0.53g/ccである原料粉粒体1aを用いて、本装置による処理と、従来の循環型装置による処理とを比較してみた。本装置においては、上記と同様にインナーピース4の回転数を1000rpmとした。駆動動力は23kwのものと18kwのものとを用いた。粉粒体1aは23kg/hの割合で連続供給した。従来の循環型装置と消費エネルギーを比較するため、粉粒体1aを当該装置に1〜3回繰り返し供給して処理した。
一方の、従来型のものでは、インナーピース4の回転数1500rpmで処理時間を30分および60分とし、1100rpmで処理時間120分および180分とした。動力は、1500rpmのものが9kw、1100rpmのものが5.5kwであった。粉粒体1aは何れも5kg投入してバッチ処理を行った。
この結果を、投入した粉粒体1a当たりの消費エネルギーを横軸にとり、縦軸に固めかさ密度をとって図6のごとく整理した。ここでは、原料粉粒体1aのかさ密度を要求の固めかさ密度0.75g/cc以上に高められることが確認できた。
一般に、かさ密度を向上させるには、希望の時間だけ処理し得るバッチ処理の方が有利といわれる。しかし、図6から明らかなごとく、本装置のごとく、連続処理するものでも、バッチ処理と同等の効果が得られることがわかる。
図7には、本装置を用いて得られた粉粒体1aの拡大写真を示す。この例は、コークス原料を、上記と同様の条件、即ち、インナーピース4の回転数を1400rpm、動力を23kwとして、2.5kgのコークス原料を20分間処理した場合の処理前(図7(イ))および処理後(図7(ロ))の状態を示す写真である。図7(ロ)の写真では、比較的大径な粒子の間に細かな粒子が高密度に充填されているのがよくわかる。 当該処理により、当初、固めかさ密度が0.99g/ccであったものが、1.2g/ccにまで高められた。
(効果)
以上のごとく、本発明の粉粒体処理装置では、特に、インナーピース4を回転軸心2の延出方向に沿って複数設けておくことで、前記加圧領域8を広く確保することができる。この結果、粉粒体1aの滞留時間を長く確保して、粉粒体1aの連続処理を確実に行うことができる。
また、加圧領域8では粉粒体1aに圧力が付与されるため、加圧領域は、粉粒体1aが通過する際の一種の抵抗領域となる。しかし、インナーピース4の長さを制限して、両側に圧力の低い領域を形成することで、粉粒体1aは当該加圧領域8を軸心方向に沿って抜け出し易くなり、粉粒体1aを確実に移送することができる。
そして、隣接するインナーピース4どうしには位相差を持たせてあるから、第1段目の加圧領域8から押し出された粉粒体1aは、所定の位相だけ遅れて回転してくる第2段目のインナーピース4によって再び加圧力を付与されることになる。 このように、本構成の装置であれは、粉粒体1aを確実に移動させつつ、十分な加圧効果を得ることができる。
また、本発明の粉粒体処理装置では、回転軸心2の長手方向に沿って隣接するインナーピース4どうしの間に、前記受け面5から突出すると共に前記回転方向に沿って延出する仕切部15を設けてある。このように、隣接するインナーピース4どうしの間に仕切部15を設けることで、粉粒体1aが前記回転軸心2の長手方向に沿って移動する際の抵抗を形成することができる。この結果、粉粒体1aがショートパスするのを有効に防止し、加圧領域8での滞留時間を十分に確保して、処理効果を高めることができる。
〔別実施の形態〕
図8及び図9には、別実施形態に係る粉粒体処理装置を示す。
(第2の送りブレード)
回転部材3の一方側には、前記送りブレード13に加えて、第2の送りブレード17を設けてある。この場合の回転部材3は、先の実施形態のものに比べてその外径が小さく、前記受け面5との距離が比較的大きい。よって、本別実施形態の回転部材3に対しては、図8に示すごとく第1の送りブレード13に加えて、処理空間7のより内側に存在する粉粒体1aを搬送するための第2の送りブレード17を設けてある。
(スクレーパー)
また、本別実施形態の装置では、図9に示すごとく、前記第1の送りブレード13の近傍にスクレーパー18を設けてある。第1の送りブレード13は、前記インナーピース4ほど受け面5に近接していないから、受け面5には被処理物1が付着し易くなる。このため、図9に示すごとくスクレーパー18を設け、前記受け面5に粉粒体1aが付着するのを防止している。尚、当該スクレーパー18と前記受け面5とのクリアランスは、約1mmである。
(第2受け面)
図8に示したごとく、本別実施形態の装置では、前記仕切部15に、前記回転軸心2の側を向きつつ傾斜した第2受け面19を設けてある。例えば、図8に示したごとく、仕切部15の断面形状を三角形状に形成する。ここには、図8の断面視で左右に2カ所の第2受け面19が形成されている。ただし、特に重要なのは、粉粒体1aの流れ方向において上手側に位置する第2受け面19である。
当該第2受け面19は、粉粒体1aが容易にショートパスするのを防止すると共に、隣接する加圧領域8に粉粒体1aを搬送し易くする機能を有する。仕切部15をこのような傾斜面に形成してあれば、一つの加圧領域8を通過した粉粒体1aが当該傾斜面を乗り越えることは容易である。このように第2受け面19を設けることで、粉粒体1aの滞留時間は第2受け面19の高さで調節し、粉粒体1aの移動のし易さは第2受け面19の角度で調節することができるため、処理する粉粒体1aの種類に応じた最適な連続処理条件を得ることができるようになる。
(ジャケット)
本別実施形態に係る装置には、アウターピース6の外側に冷却用のジャケット20を設けてある。例えば、医薬品や樹脂など、弱熱性材料を複合化処理するような場合、摩擦熱によって粉粒体1aの温度が上昇し、品質が損なわれるおそれがある。そこで、前記アウターピース6の外面にジャケット20を設け、粉粒体1aの温度を制御することとしている。本実施形態のごとく、アウターピース6の外周全体に亘ってジャケット20を設けることで、冷却効果が非常に高いものとなる。
例えば、融点76℃のイブプロフェンを球状セルロース担体粒子の表面に融合させるような場合には、イブプロフェンは、50℃程度で軟化して融合処理が不可能となるから、この温度よりも低く保つ必要がある。そこで、冷媒としてマイナス5℃のブラインを冷媒に用いることで、イブプロフェンの温度を30℃以下に保持することができ、軟化の問題を解消しつつ良好な複合粒子を得ることができる。
尚、本別実施形態では、前記アウターピース6の外側にジャケット20を設けているが、前記インナーピース4の側にもジャケット20を設けることは可能である。例えば、前記取出手段10の側の回転部材3の軸受け部から冷媒を供給する構成とする。本構成であれば、冷却効果を更に高めることができる。
(噴霧手段)
粉粒体1aの中には、例えば、化粧品のファンデーション等、無機物粉粒体にオイルを被覆処理したり、炭酸カルシウムと尿素を複合化処理しつつ、脂肪酸やステアリン酸をコーティングして粉粒体1aに撥水性を持たせることが求められる場合がある。
従来は、高速撹拌型の各種のミキサーを用いていたが、無機物粉粒体中に生じる凝集を個々の粒子にまで分散させる力が十分ではないため、凝集状態のままで液体を被覆するという不都合が生じていた。しかし、本構成のごとく、前記アウターピース6の内部空間に液状添加物を供給可能な噴霧手段21を備えることで、機械的な圧縮専断作用によって分散された個々の微粒子に液状添加剤を吹き付け、コーティングすることが可能となる。この結果、多品種の粉粒体1a処理に本装置を適用することが可能となる。
(その他) 上記実施形態では、アウターピース6の形状は完全な円筒形状のものとしたが、下半分だけが円筒形状を呈するものであっても良い。つまり、粉粒体1aの重量・物性等によっては必ずしもアウターピース6の上方に粉粒体1aが搬送されない場合もある。そのような場合には、少なくとも下半分の領域を加圧領域8とすることで粉粒体1aの複合化処理などを行うことができる。
また、上記の何れの実施形態においてもアウターピース6は静止したものであったが、アウターピース6も回転する構成であっても良い。アウターピース6が回転することで、粉粒体1aが下方に滞留する不都合を回避でき、アウターピース6に形成した受け面5の全体を有効に利用できる。よって、被処理物1の処理効率を向上させることができる。
本発明に係る粉粒体処理装置の概要を示す説明図 本発明に係る粉粒体処理装置の回転軸心を含む断面図 本発明に係る粉粒体処理装置の回転軸心に垂直な断面図 本発明に係る仕切部を示す一部切欠き斜視図 被処理物の滞留時間を示す説明図 処理後の固めかさ密度の分布を示す説明図 処理前後の粉粒体の状態を示す顕微鏡写真 別実施形態に係る粉粒体処理装置の回転軸心を含む断面図 別実施形態に係る粉粒体処理装置の回転軸心に垂直な断面図 従来の粉粒体処理装置の概要を示す説明図
符号の説明
1 被処理物
2 回転軸心
3 回転部材
4 インナーピース
5 受け面
6 アウターピース
9 供給手段
10 取出手段
15 仕切部
16 断続部
19 第2受け面
20 ジャケット
21 噴霧手段

Claims (11)

  1. 被処理物を加圧しながら撹拌混合すべく、
    水平方向に延出する回転軸心の回りに駆動回転自在な回転部材と、
    当該回転部材に取り付けられ、前記被処理物を加圧するインナーピースと、
    前記被処理物を前記インナーピースとの間で加圧する受け面を内周に備えた筒状のアウターピースとを備えた粉粒体処理装置であって、
    前記インナーピースが前記回転軸心の延出方向に沿って複数設けてある粉粒体処理装置。
  2. 前記複数のインナーピースどうしが前記回転部材の回転方向に沿って位相差を有している請求項1に記載の粉粒体処理装置。
  3. 前記回転軸心の長手方向に沿って隣接するインナーピースどうしの間に、前記受け面から突出すると共に前記回転方向に沿って延出する仕切部を設けてある請求項1又は2に記載の粉粒体処理装置。
  4. 前記仕切部がその延出方向に沿って断続部を備えている請求項3に記載の粉粒体処理装置。
  5. 前記仕切部に、前記回転軸心の側を向きつつ傾斜した第2受け面を設けてある請求項3または4に記載の粉粒体処理装置。
  6. 前記回転部材の外面と前記受け面との間隔が、前記インナーピースの厚みと略同じになるよう前記回転部材の外径を設定してある請求項1から5の何れか一項に記載の粉粒体処理装置。
  7. 前記アウターピースの一端側には、前記被処理物を前記アウターピースの内部に強制的に供給可能な供給手段を設けてある請求項1から6の何れか一項に記載の粉粒体処理装置。
  8. 前記アウターピースの両端部のうち、前記供給手段を設けた側の内面が、前記アウターピースの端部側ほど内径が小さくなる傾斜面に形成してある請求項7に記載の粉粒体処理装置
  9. 前記アウターピースの両端部のうち、前記供給手段を設けた側とは反対側の端部に、前記被処理物を強制的に取り出し可能な取出手段を設けてある請求項7または8に記載の粉粒体処理装置。
  10. 前記アウターピースおよび前記回転部材のうち、少なくとも何れか一方に、冷媒を供給可能なジャケットを設けてある請求項1から9の何れか一項に記載の粉粒体処理装置。
  11. 前記アウターピースの内部空間に液状添加物を供給可能な噴霧手段を前記アウターピースに設けてある請求項1から10の何れか一項に記載の粉粒体処理装置。
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