JP2007210989A - アルコール代謝促進剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】シジミ由来の新規なアルコール代謝促進剤、製造方法および飲食品の提供。
【解決手段】シジミ可食部に水を加えて煮沸による加熱抽出を行ったのち、濾別して得られる濾液を常圧で加熱濃縮し、スプレードライヤーに供して乾燥粉末のシジミ抽出物を得るアルコール代謝促進剤の製造方法、該抽出物を含有するアルコール代謝促進剤(錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、溶液剤、懸濁剤など)、および飲食品(菓子、飲料、調味料、水産加工食品、食肉加工食品、パン、健康食品など)。
【選択図】図1
【解決手段】シジミ可食部に水を加えて煮沸による加熱抽出を行ったのち、濾別して得られる濾液を常圧で加熱濃縮し、スプレードライヤーに供して乾燥粉末のシジミ抽出物を得るアルコール代謝促進剤の製造方法、該抽出物を含有するアルコール代謝促進剤(錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、溶液剤、懸濁剤など)、および飲食品(菓子、飲料、調味料、水産加工食品、食肉加工食品、パン、健康食品など)。
【選択図】図1
Description
本発明はシジミ可食部の抽出物を有効成分とするアルコール代謝促進剤に関する。
アルコールは祝祭や会食など多くの場面で飲まれ、生活・文化の一部として古くから親しまれている。しかしながら、多量のアルコールを摂取することで急性アルコール中毒を引き起こしたり、肝疾患や、脳卒中、ガン等多くの疾患がアルコールと関連したり、アルコール依存に陥るなどの弊害もある。
健康診断時、飲酒などによる肝機能の低下は、特に男性おいて多くみられ、生活習慣病やその予備段階につながることが予想される。これらを予防するためには、過度の飲酒習慣を改善することに加え、肝機能を改善することが望まれる。
一方、シジミは古くから味噌汁や佃煮として食されてきた一般的な和食材であると同時に、「肝臓に良い」や「黄疸に効く」などの理由から民間療法として利用されてきた。更に、近年の健康志向の高まりからシジミ抽出物食品が栄養補助食品、健康補助食品やサプリメントとして流通している。
しかしながら、ヘキサンなどの非プロトン溶媒は食品衛生法上、シジミの加工に用いることは認められておらず、実際の製造方法に用いることは困難である。(非特許文献1及び2)加えて、上述方法で製造されてた食品を長期的に飲用した場合の安全性については不明である。
本発明者らは、シジミ貝を剥き身とし、粉砕しながら、又は粉砕した後熱水で抽出することにより、より肝機能効果の高いシジミ抽出物を得ることを報告している。(特許文献2)
しかしながら、これら従来の技術はシジミ貝中に含まれる成分により肝炎に対する改善効果や脂質代謝に対するものであり、シジミ抽出物がアルコール代謝を促進することは知られていない。
特開昭57−2237号公報 特開2005−261408号公報 食品衛生法 第11条 厚生労働省告示 第370条
そこで、本発明者らは、古くから食経験のあるシジミを用いて実際の食品加工に用いることの出来る製造方法で、安全なアルコール代謝促進剤を提供することを課題とする。
本発明は上述した課題を解決するために検討を行った結果、第一の主題をシジミ抽出物を含むアルコール代謝促進剤とし、第二の主題を水によりシジミ可食部の加熱抽出を行う工程と、その抽出残渣を濾別し、得られる濾液からシジミ抽出物を製造する工程とを備えたアルコール代謝促進剤の製造方法とし、更に第三の主題として、このアルコール代謝促進剤を含有する飲食品として、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、シジミを水で加熱抽出したものを濾別することにより、実際の食品加工に用いることが出来、安全、且つ血中アルコール濃度を低下させるシジミ抽出物をアルコール代謝促進剤として得ることが出来る。またこれを用いた飲食品を提供することが出来る。
本発明に使用されるシジミは、二枚貝であり、ヤマトシジミ(Corbicula japonica)、セタシジミ(Corbicula sandai)、マシジミ(Corbicula leana)やタイワンシジミ(Corbicula fluminea)などがある。シジミは適宜、殻付きで生きたもの、冷凍したもの、加熱処理したもの、乾燥したもの、又は可食部のみで生のもの、冷凍したもの、加熱処理したもの、乾燥したものを用いることが出来る。可食部とは、シジミの貝殻以外の全て、又は一部を示す。
生きたシジミ貝を砂抜き、洗浄した後、シジミを水で加熱抽出し、濾別する製造方法で行うことを特徴とする。好ましくはシジミ貝を洗浄後、蒸煮することで開口させ可食部を分離し、分離した可食部を粉砕した後、又は粉砕しながら加熱抽出する。抽出するための加水量はどのような量を用いても良いが、可食部重量に対して1〜10倍量、好ましくは2倍量程度の水が最適である。1倍量以下の水では有効成分が十分に抽出されない恐れがあり、10倍量以上の加水量では抽出後の濾過、濃縮および乾燥に時間がかかり不効率である。
本発明による製造方法は、実際の食品製造に用いることが出来、得られたアルコール代謝促進剤は、安全で優れた血中アルコール低下作用を有するので日常的に摂取し、アルコール依存症やそれに伴う疾患の予防・改善をすることが出来る。
本発明のアルコール代謝促進剤は、常法により、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、溶液剤、懸濁剤、乳化剤等の形態にし摂取することが出来る。また、必要に応じて安定剤、乳化剤、賦形剤、結合剤等を添加することが出来る。
本発明のアルコール代謝促進剤は、菓子、飲料、調味料、水産加工食品、食肉加工食品、パン、健康食品等の種々の飲食品に添加して摂取することも出来る。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
生きたタイワンシジミ(Corbicula fluminea)40kgを真水に一晩浸漬し砂を吐かせ、さらに洗浄した。その後、殻付きシジミを蒸気釜で10分間蒸煮した。蒸煮により開口したシジミの殻から可食部を取り出し3.4kgを得た。取り出した可食部をミートチョッパーを用いて粉砕した。粉砕したシジミ可食部の重量に対し2倍量の水を加え、煮沸してから50分間攪拌し身を砕きながら加熱抽出した。その後80メッシュで濾別し、濾液を得た。その濾液をBrix20%となるまで常圧加熱濃縮し、その濃縮液をスプレードライヤーに供し乾燥粉末149gを得、試験例1とした。
実施例1で得られた本試験例1について成分分析を行った。その成分分析結果を表1に示す。
実施例1で得られた本試験例1のアルコール代謝促進作用を評価した。4週齢のWister雄ラットを購入し、室温23±1℃、白色蛍光灯で12時間/日(明期8:00〜20:00)の光調節をした飼育室で、市販の固形飼料で3日間飼育、その後20%カゼイン食で4日間、合計7日間の予備飼育をし、馴化を行った。食餌、及び水は自由摂取とした。
予備飼育後に、各投与群で体重に有意差がないように2つの投与群に群分けを行った。表2に示すようにコントロール、及び試験例1含有食群を調製し、15日間与えた。食餌、及び水は自由摂取とした。投与期間終了後に、餌を取り除き1晩絶食させた。その後ゾンデを用いて2g/kgとなるようにエタノールを投与した。エタノール投与後、1〜12時間後まで1時間間隔で尾静脈より採血した。採血した血液の血中エタノール濃度をF−kit(ベーリンガー・マンハイム社製)で測定した。
飼料中に30%と多量の試験例1を添加したが、飼育中、コントロールと比較して体重変動、臓器共に異常は見られず、服用が安全であることが確認された。また、血中エタノール濃度の変化を図1に示す。
図1に示されるようにコントロールに対し、試験例1を投与すると明らかに血中エタノールのクリアランスは早く、アルコール代謝が促進された。
Claims (3)
- シジミ抽出物を含むアルコール代謝促進剤。
- 水によりシジミ可食部の加熱抽出を行う工程と、その抽出残渣を濾別し、得られる濾液からシジミ抽出物を製造する工程とを備えたアルコール代謝促進剤の製造方法。
- 請求項2の製造方法により得られるアルコール代謝促進剤を含有する飲食品。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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ITFO20080021A1 (it) * | 2008-10-03 | 2010-04-04 | Ivan Biffi | Preparato alimentare per ottenere un piu' rapido abbassamento del tasso alcolico nel sangue. |
WO2016072496A1 (ja) * | 2014-11-07 | 2016-05-12 | 株式会社ニチレイバイオサイエンス | アルコール代謝促進剤 |
JP2018023312A (ja) * | 2016-08-10 | 2018-02-15 | 佐々木食品工業株式会社 | 食品組成物 |
-
2006
- 2006-02-08 JP JP2006063329A patent/JP2007210989A/ja active Pending
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