JP2007207350A - 光ピックアップ装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品の複合化によって、確実に製造効率を向上できる光ピックアップ装置の製造方法を提案すること。
【解決手段】グレーティング2aが複数個形成された回折格子板としてのグレーティング板22と、フィルム状の1/2波長板23と、レンズ4aが複数個形成されたレンズ板24とを、接着剤によって順次接着して積層体を形成する。この積層体を、複数の第1切断面25と第2切断面26とで切断して分割することにより、複数の光分岐部を形成する。個々のグレーティング部材と1/2波長板部材とレンズ部材とを接着するよりも少ない工程で光分岐部を作成できる。
【選択図】図2
【解決手段】グレーティング2aが複数個形成された回折格子板としてのグレーティング板22と、フィルム状の1/2波長板23と、レンズ4aが複数個形成されたレンズ板24とを、接着剤によって順次接着して積層体を形成する。この積層体を、複数の第1切断面25と第2切断面26とで切断して分割することにより、複数の光分岐部を形成する。個々のグレーティング部材と1/2波長板部材とレンズ部材とを接着するよりも少ない工程で光分岐部を作成できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、光学的情報記録媒体(以下光ディスクという。)の記録面上に光スポットを照射し、上記光ディスクに情報を記録し、また、上記光ディスクに記録された情報を再生する光ピックアップ装置の製造方法に関する。
従来より、DVD(デジタル多用途ディスク)とCD(コンパクトディスク)の両方について再生又は記録を行うディスクドライブ用の光ピックアップ装置では、DVD用とCD用との2つの異なる波長の光源を備え、この2つの光源から発した光を同一の光路に乗せている。この種の光ピックアップ装置としては、従来、図7(a)及び(b)に示すような光学系を有するものがある。この光ピックアップ装置は、レーザチップがフレームパッケージに搭載されてなるDVD用レーザ1を備え、このDVD用レーザ1から出射した直線偏光(P偏光)のレーザ発散光は、DVD用グレーティング52によって回折されて、0次光束及び±1次回折光束の3本の光束となってDVD用1/2波長板53に独立して入射する。
上記DVD用1/2波長板53は、3つの光束の偏波面を90度変えてS偏光の発散光に変換し、このS偏光の発散光はDVD用カップリングレンズ54に入射する。このDVD用カップリングレンズ54は、光ピックアップの外形形状やコリメートレンズ11の開口数NAによってその設置や仕様が決定され、リレーレンズとして働く。このDVD用カップリングレンズ54により僅かに絞られた発散光は、第1キューブプリズム9の蒸着によって形成された反射膜9aで反射され、コリメートレンズ11に入射する。
このコリメートレンズ11によって発散光が略平行光となり、この平行光は、図7(b)に示すように、立ち上げ全反射ミラー12によって光路が90度曲げられ、1/4波長板13を通過する。この1/4波長板13によって出射光が円偏光となり、この円偏光光が対物レンズ14に入射する。この対物レンズ14は、円偏光の平行光を絞り込み、ディスク15のピット面15a(又は記録膜面15b)に微小なスポットとして集光する。このディスクの記録媒体上のピット面15aには、上記DVDレーザ1からの出射光がDVD用グレーティング52で3本の光束に分離されることにより、3個の微小スポットが集光される。
上記光ディスク15に集光された微小スポットの反射光は、往路の光とは偏光面の旋回方向が反対の円偏光となり、再び対物レンズ14、1/4波長板13を通過して、往路の光と偏光方向が直交した直線偏光光となる。この直線偏光光は、立ち上げミラー12及びコリメートレンズ11を通り、第1キューブプリズム9の蒸着膜9aに入射する。この蒸着膜9aは偏光膜であり、往路の光と偏光方向が直交した光を通過させる。この蒸着膜9aを通過した光は、第2キューブプリズム10の蒸着膜(偏光膜)10aを通過し、シリンドリカルレンズ17によって非点収差が付加され、信号検出用PDIC(光検出器集積回路)18の受光面に入射する。このPDIC18によって、受光面からの光出力が電気信号に変換され、演算されて、公知のRF(高周波)信号やフォーカス信号や、トラッキング信号が出力される。
一方、CDディスクの再生又は記録を行う場合は、CD用レーザ5の発光点5aから出射された直線偏光(P偏光)の拡散光が、CD用グレーティング6、CD用1/2波長板7、CD用カップリングレンズ8を通過することにより、DVD側と同様なS偏光の拡散光となり、キューブプリズムの偏光膜10aによって反射される。
上記キューブプリズムの偏光膜10aで反射された拡散光は、キューブプリズムの膜9aを通過する。この膜9aは偏光膜であると共にダイクロイック膜であり、DVD用波長(650nm)の光は反射する一方、CD用波長(780nm)の光は透過する特性を有している。上記第1キューブプリズム9を通過したCD用拡散光は、コリメートレンズ11、立ち上げミラー12、1/4波長板13を通過し、対物レンズ14によってディスク15のピット面15a(又は記録膜面15b)に3個の微小スポットとして集光される。
そしてディスク15により反射された光は、DVD側と同様に、往路の光と偏光方向が直交した直線偏光光として第1及び第2キューブプリズム9,10を通過し、PDIC18に受光される。
上記第1キューブプリズムの蒸着膜9aは、DVD用波長の光を一部透過し、また、CD用波長の光を一部反射させるものであり、この透過又は反射された光をフロントモニタ用PDIC16に入射させて、記録または再生時のレーザパワーのモニタリングを行う。
上記従来の光ピックアップ装置は、DVD用とCD用との波長が互いに異なる光源と、各光源に対応する光学系とを備えるので、単一の波長の光源を有する光ピックアップ装置に比べて多くの光学部品が必要である。したがって、部品コストの削減や、組み立て工数の削減が大きな課題となっている。
特に、DVD及びCD用レーザ1,5に対してグレーティング52,6、波長板53,7及びカップリングレンズ54,8を所定の精度で配置する必要がある。これらの部品を精度良く保持するため、図8に示すようなホルダー19を各レーザ1,5の光学系に用いており(図8ではDVD用のホルダー19を示している)、したがって、部品点数の削減が困難であるという課題があった。
そこで、従来、部品点数の削減や組み立て工数の削減を目的として、光学部品の複合化を行った光ピックアップ装置が提案されている。
具体的には、偏光ビームスプリッタの複数面のうちの3面に、回折格子、1/4波長板及びシリンドリカルレンズを接着剤によって一体化した光ピックアップ装置が提案されている(例えば特許文献1:特開昭60−93650号公報参照)。
また、レンズと回折格子を一体化した光ピックアップ装置が提案されている(例えば特許文献2:特開平11−176008号公報参照)。
また、レーザ光源に回折格子及び波長板等を一体化して、レーザユニットを構成した光ピックアップ装置が提案されている(例えば特許文献3:特開2002−92933号公報、特許文献4:特開2001−195770号公報参照)。
しかしながら、上記従来の光ピックアップ装置のいずれも、複数の光学部品の一体化を、光ピックアップ装置の1台毎に行っている。すなわち、光ピックアップ装置の光学部品のモジュールを構成する部品を1台単位で準備して、この構成部品を接着剤等で一体化して光学部品のモジュールを作成している。したがって、現実の製造ラインでは、構成部品の接着工程を、光ピックアップ装置の製造個数回行うことになるので、ホルダーを用いて複数の光学部品を一体化した場合に対して、組み立て工数の削減効果が殆ど得られなくて製造効率を向上できないという問題がある。
特開昭60−93650号公報
特開平11−176008号公報
特開2002−92933号公報
特開2001−195770号公報
そこで、本発明の課題は、部品の複合化によって、確実に製造効率を向上できる光ピックアップ装置の製造方法を提案することがある。
上記課題を解決するため、本発明の光ピックアップ装置の製造方法は、
光源と、
上記光源からの光束を、少なくとも3本の光束に分岐する光分岐部と、
上記少なくとも3本の光束を集光して、光学的情報記録媒体の記録面上に少なくとも3個の集光スポットを照射する集光光学系と、
上記少なくとも3個の集光スポットが上記光学的情報記録媒体で反射されてなる少なくとも3個の反射光を受ける受光面を有し、この受光面上における上記少なくとも3個の反射光の受光位置を検出する光検出器とを有する光ピックアップ装置の製造方法であって、
複数の回折格子が形成された回折格子板と、光の偏光面を変える波長板と、複数のレンズが形成されたレンズ板との少なくとも2つを互いに積層して、積層体を形成する工程と、
上記積層体を分割して、複数の上記光分岐部を形成する工程と
を備えることを特徴としている。
光源と、
上記光源からの光束を、少なくとも3本の光束に分岐する光分岐部と、
上記少なくとも3本の光束を集光して、光学的情報記録媒体の記録面上に少なくとも3個の集光スポットを照射する集光光学系と、
上記少なくとも3個の集光スポットが上記光学的情報記録媒体で反射されてなる少なくとも3個の反射光を受ける受光面を有し、この受光面上における上記少なくとも3個の反射光の受光位置を検出する光検出器とを有する光ピックアップ装置の製造方法であって、
複数の回折格子が形成された回折格子板と、光の偏光面を変える波長板と、複数のレンズが形成されたレンズ板との少なくとも2つを互いに積層して、積層体を形成する工程と、
上記積層体を分割して、複数の上記光分岐部を形成する工程と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、上記回折格子板と、波長板と、レンズ板との少なくとも2つが積層されて積層体が形成される。この積層体が分割されて、複数の上記光分岐部が形成される。したがって、光分岐部の構成部品を光分岐部の一台毎に一体化するよりも、確実に組み立て工数の削減を行うことができる。その結果、確実に、光ピックアップ装置の製造効率を向上することができる。
一実施形態の光ピックアップ装置の製造方法は、上記回折格子板の回折格子は、フォトポリマー法、インジェクション成形法又はドライエッチングによって形成されている。
上記実施形態によれば、複数の回折格子を回折格子板に高精度に形成することができる。したがって、光分岐部の所定の性能を得つつ、光分岐部の1個当たりの製造コストを低減できる。
一実施形態の光ピックアップ装置の製造方法は、上記波長板は、上記光源から出射されたP偏光をS偏光に偏波する1/2波長板であり、所定方向に延伸された樹脂のキャスティングフィルムで形成されている。
上記実施形態によれば、上記キャスティングフィルムを用いて積層体を形成し、この積層体を分割することによって、1/2波長板を有する光分岐部を少ない工程で形成できる。したがって、光分岐部を安価に形成でき、ひいては、光ピックアップ装置の製造コストを削減できる。
一実施形態の光ピックアップ装置の製造方法は、上記レンズ板のレンズは、フォトポリマー法又はインジェクション成形法によって形成されている。
上記実施形態によれば、フォトポリマー法又はインジェクション成形法によって、上記レンズ板に複数のレンズを少ない工程で高精度に形成できる。したがって、光分岐部の所定の性能を得つつ、光分岐部の1個当たりの製造コストを低減できる。
一実施形態の光ピックアップ装置の製造方法は、上記積層体を形成する工程は、上記回折格子、波長板及びレンズ板のうちの少なくとも2つを、接着剤で互いに接着する工程である。
上記実施形態によれば、接着剤を用いることにより、上記回折格子、波長板及びレンズ板のうちの少なくとも2つを、簡易かつ少ない工程で一体化して、積層体を容易かつ安価に形成できる。したがって、光分岐部を少ない組み立て工数で形成できる。
一実施形態の光ピックアップ装置の製造方法は、上記積層体を形成する工程は、上記回折格子板と、上記波長板と、この波長板を覆うガラス板とを接着剤で互いに接着する工程である。
上記実施形態によれば、強度が比較的少ない回折格子板と波長板を、直接又は間接にガラス板に接着することにより、組み立てに必要な強度を有する積層体及び光分岐部を形成できる。
一実施形態の光ピックアップ装置の製造方法は、上記積層体を形成する工程は、上記回折格子とレンズ板とを接着剤で接着する工程である。
上記実施形態によれば、上記回折格子とレンズ板を接着することにより、積層体を容易に形成できる。
一実施形態の光ピックアップ装置の製造方法は、上記接着剤は、エポキシ系接着剤である。
上記実施形態によれば、エポキシ系接着剤は、光学的な収差が比較的少なく、経時変化が比較的小さく、また、硬化に伴う歪みの発生が比較的少ないので、光分岐部の構成部品を互いに接着するのに好適である。特に、上記エポキシ系接着剤は、紫外線硬化型であるのが好ましい。
一実施形態の光ピックアップ装置の製造方法は、上記積層体の表面及び裏面のうちの少なくとも一方に、反射防止膜を形成する工程を備える。
上記実施形態によれば、上記積層体に反射防止膜を形成し、この後に積層体を分割して光分岐部を形成することにより、個々の光分岐部に反射防止膜を形成するよりも、反射防止膜を形成する手間を大幅に削減できる。
一実施形態の光ピックアップ装置の製造方法は、上記光分岐部を形成する工程は、上記積層体をダイシングによって分割して、複数の上記光分岐部を形成する工程である。
上記実施形態によれば、一般的な半導体チップの製造工程で用いられるダイシングを応用することにより、上記積層体を容易に分割して、簡易な工程で複数の光分岐部が得られる。
以上のように、本発明の光ピックアップ装置の製造方法は、複数の回折格子が形成された回折格子板と、光の偏光面を変える波長板と、複数のレンズが形成されたレンズ板との少なくとも2つを互いに積層して、積層体を形成する工程と、上記積層体を分割して、複数の光分岐部を形成する工程とを備えるので、分岐部の構成部品を光分岐部の一台毎に一体化するよりも、確実に組み立て工数の削減を行うことができる。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態の光ピックアップ装置の製造方法によって製造された光分岐部を示す側面図であり、図2は、上記光分岐部の製造方法を模式的に示した斜視図である。
この光分岐部は、図1に示すように、所定の断面形状の溝が複数個形成されてなる回折格子としてのグレーティング2aを有するグレーティング部材2と、1/2波長板部材3と、レンズ4aが形成されたレンズ部材4とが接着剤25で順次接着されて一体に形成されている。上記接着剤は、紫外線硬化型のエポキシ系接着剤である。上記レンズ部材4の表面とグレーティング部材2の表面には、必要に応じて、少なくとも1方に反射防止膜を形成する。この光分岐部は、図7(a),(b)に示した従来のDVD及びCD用光ピックアップ装置に搭載されるものである。この光ピックアップ装置は、従来のグレーティング52、波長板53及びカップリングレンズ54に代えて光分岐部を備えること以外は、従来の光ピックアップ装置と同様の構成を有する。本実施形態の光ピックアップ装置において、従来の光ピックアップ装置と同じ構成部分には同じ参照番号を用いて、詳細な説明を省略する。
この光分岐部は、図2に示すようにして製造される。すなわち、1つの光分岐部に対応するグレーティング2aを複数個形成した回折格子板としてのグレーティング板22と、フィルム状の1/2波長板23と、1つの光分岐部に対応するレンズ4aを複数個形成したレンズ板24とを、順次接着して積層体を形成する。この積層体を、複数の第1切断面25と第2切断面26とで切断して分割することにより、複数の光分岐部を形成する。上記第1切断面25と第2切断面26は、平面視において互いに直交している。なお、図2では、回折格子板22と、1/2波長板23と、レンズ板24とを接着する前の状態を示している。
上記グレーティング板22は、以下のようにして複数のグレーティング2aが形成されている。
例えば、フォトポリマー法を用いる場合、樹脂で形成された板材上に、紫外線硬化樹脂を均一に塗布し、この紫外線硬化樹脂に、ガラス等からなり、グレーティングのパターン原版が表面に形成されたテンプレートを押圧して、このテンプレートのパターンを転写する。この後、紫外線を照射して上記紫外線硬化樹脂を硬化させて、複数のグレーティングを硬化樹脂の表面に形成する。このグレーティングパターンが形成された紫外線硬化樹脂と、この紫外線硬化樹脂が表面に設けられた樹脂板材とで、グレーティング板22を形成する。
また、インジェクション形成法を用いる場合、複数のグレーティングのパターンが形成された金型に、樹脂を射出成形して、複数のグレーティングを有する樹脂製のグレーティング板22を形成する。
また、ドライエッチング法を用いる場合、ガラス板上に、グレーティングパターンのネガをマスク材料で印刷してマスクを形成し、このマスクで被覆されていないガラス板の表面の部分をエッチングによって除去する。これにより、ガラス板の表面に複数の所定パターンのグレーティングを有するグレーティング板22を形成する。
このようにして、グレーティング2aを複数個有するグレーティング板22を少ない工程によって形成する。
上記1/2波長板23は、例えばJSR(株)製のARTON(商品名:環状オレフィン構造を持つ樹脂:特開2001-195770公報〔0024〕段落を参照)等の樹脂フィルムを所定方向に延伸させて、所定の歪みを持たせることによって偏光効果を付加して形成されている。従来は、偏光効果を有する樹脂フィルムを、1個の光分岐部に対応した寸法に予め切断して1/2波長板部材を形成し、この1/2波長部材を、1個の光分岐部に対応したグレーティング部材やレンズ部材と一体化していた。これに対して、本実施形態では、複数個の光分岐部に対応するシート状の1/2波長板23を用いる。
上記レンズ板24は、カップリングレンズとして機能するレンズ4aが、板材の表面に形成されている。上記レンズ4aの機能を、図3(a),(b)を用いて説明する。通常、往路(光源からディスクに向かう経路)の光学系では、コリメートレンズ11のNA(開口数)を決定すれば、レーザの発光点とコリメートレンズ11との間の距離が決定する。ここで、光ピックアップ装置の機構上の制限等を満たすために、光路中にレンズを挿入して、コリメートレンズ11とレーザ発光点との間の距離を調整する。図3(a)は、光路中に凸レンズ4aを挿入することにより、凸レンズ4を設けない場合の発光点1aを、この発光点1aよりもコリメートレンズ11に近い発光点1bに移動させた様子を示している。図3(b)は、凹レンズ4bを挿入することにより、凹レンズを設けない場合の発光点1aを、この発光点1aよりもコリメートレンズ11から遠い発光点1cに移動させた様子を示している。本実施形態では、凸のレンズ4aを有するレンズ部材4を用いることにより、コリメートレンズ11に対する距離を短くしている。
図4は、本実施形態のレンズ部材4の一例を示す断面図である。このレンズ部材4は、一般的な凸レンズの仕様を有しており、レンズ4aの有効系がφ2〜3mm、かつ、レンズ4aの厚みが0.05〜0.2mmである。図4は、光分岐部からグレーティング部材2や1/2波長板部材3を削除して、レンズ部材4のみを取り出して図示している。本実施形態では、複数のレンズ4aが板材上に形成されてなるレンズ板24を形成する。この複数のレンズ4aを有するレンズ板24は、インジェクション成形法やフォトポリマー法によって製造する。なお、光ピックアップ装置の機構や構造に応じて凹レンズを有するレンズ部材を用いてもよい。
以上のようなグレーティング板22と1/2波長板23との間と、この1/2波長板23とレンズ板24との間を、紫外線硬化型のエポキシ系接着剤で接着する。この紫外線硬化型のエポキシ系接着剤は、光学的な収差が少なく、かつ、経時変化が小さい点で好適である。なお、紫外線硬化型のエポキシ系接着剤の他に、熱硬化性エポキシ系接着剤等を接着剤として用いることができる。上記グレーティング板22と、1/2波長板23と、レンズ板24とを接着剤で接着して一体化することにより、本発明の積層体が得られる。
引き続いて、上記積層体のグレーティング板22のグレーティング2aが形成された側の表面と、レンズ板24のレンズ4aが形成された側の表面とに、反射防止コーティングを製膜する。従来は、1つの光ピックアップ装置用の1つの光分岐部を形成した後、個々の光分岐部をパレット等に人手で整列させて搭載し、この光分岐部が搭載されたパレットを蒸着炉に入れて反射防止コーティングの蒸着を行っていた。これに対して、本実施形態では、後の分割工程によって複数個の光分岐部が得られる積層体に蒸着処理を行うことにより、蒸着工程の効率化を大幅に向上できる。なお、上記反射防止コーティングとしては、フッ化マグネシウム等の膜を用いることができる。また、コーティング膜は、何層形成してもよく、また、グレーティング板22の表面とレンズ板24の表面とのいずれか一方のみに形成してもよい。
上記蒸着処理を施した積層体を、半導体IC等の製造工程で一般的に用いられるダイシング加工によって分割して、光ピックアップに搭載できる寸法にして、光分岐部が完成する。図2において、複数の第1切断面25及び第2切断面26が、ダイシング加工時にブレードが通過する切断面である。このように製造することにより光分岐部の切断面は一つの面となるので、グレーティング部材2、1/2波長部材3、レンズ部材4を個々に製造してから貼り合せた場合に比較すると、断面の位置がずれて設計値より余分なスペースを取るといった問題が発生しない。
本実施形態において、光分岐部は、グレーティング部材2と、1/2波長板部材3と、レンズ部材4とで構成したが、カップリングレンズが不要である場合、レンズ部材4を削除してもよい。この場合、図5に示すように、1/2波長板部材3を保持するためのガラス板部材28を用いて、このガラス板部材28と1/2波長板部材3とを接着剤25で接着し、この1/2波長板部材3とグレーティング部材2とを接着剤25で接着して一体化した光分岐部を形成する。この光分岐部は、ガラス板にグレーティング板22と1/2波長板23とを接着剤で順次接着して積層体を形成し、この積層体を分割して製造すればよい。
また、光源からのレーザ光をP偏光からS偏光に変換する必要が無い場合、1/2波長板部材3を削除してもよい。この場合、図6に示すように、レンズ部材4とグレーティング部材2とを接着剤25で接着して一体化した光分岐部を形成する。この光分岐部は、レンズ板24にグレーティング板22を接着剤で接着して積層体を形成し、この積層体を分割して製造すればよい。
また、本実施形態では、従来のDVD側の往路に設けられたグレーティング52、波長板53及びカップリングレンズ54に置き換えられる光分岐部について説明したが、従来のCD側の往路のグレーティング6、波長板7及びカップリングレンズ8についても、本発明の光分岐部に置き換えることができるのは言うまでもない。
2a グレーティング
4a レンズ
22 グレーティング板
23 1/2波長板
24 レンズ板
25 第1切断面
26 第2切断面
4a レンズ
22 グレーティング板
23 1/2波長板
24 レンズ板
25 第1切断面
26 第2切断面
Claims (10)
- 光源と、
上記光源からの光束を、少なくとも3本の光束に分岐する光分岐部と、
上記少なくとも3本の光束を集光して、光学的情報記録媒体の記録面上に少なくとも3個の集光スポットを照射する集光光学系と、
上記少なくとも3個の集光スポットが上記光学的情報記録媒体で反射されてなる少なくとも3個の反射光を受ける受光面を有し、この受光面上における上記少なくとも3個の反射光の受光位置を検出する光検出器とを有する光ピックアップ装置の製造方法であって、
複数の回折格子が形成された回折格子板と、光の偏光面を変える波長板と、複数のレンズが形成されたレンズ板との少なくとも2つを互いに積層して、積層体を形成する工程と、
上記積層体を分割して、複数の上記光分岐部を形成する工程と
を備えることを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 請求項1に記載の光ピックアップ装置の製造方法において、
上記回折格子板の回折格子は、フォトポリマー法、インジェクション成形法又はドライエッチングによって形成されたことを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 請求項1に記載の光ピックアップ装置の製造方法において、
上記波長板は、上記光源から出射されたP偏光をS偏光に偏波する1/2波長板であり、所定方向に延伸された樹脂のキャスティングフィルムで形成されたことを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 請求項1に記載の光ピックアップ装置の製造方法において、
上記レンズ板のレンズは、フォトポリマー法又はインジェクション成形法によって形成されたことを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 請求項1に記載の光ピックアップ装置の製造方法において、
上記積層体を形成する工程は、上記回折格子、波長板及びレンズ板のうちの少なくとも2つを、接着剤で互いに接着する工程であることを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 請求項1に記載の光ピックアップ装置の製造方法において、
上記積層体を形成する工程は、上記回折格子板と、上記波長板と、この波長板を覆うガラス板とを接着剤で互いに接着する工程であることを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 請求項1に記載の光ピックアップ装置の製造方法において、
上記積層体を形成する工程は、上記回折格子とレンズ板とを接着剤で接着する工程であることを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 請求項5乃至7のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置の製造方法において、
上記接着剤は、エポキシ系接着剤であることを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 請求項1に記載の光ピックアップ装置の製造方法において、
上記積層体の表面及び裏面のうちの少なくとも一方に、反射防止膜を形成する工程を備えることを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 請求項1に記載の光ピックアップ装置の製造方法において、
上記光分岐部を形成する工程は、上記積層体をダイシングによって分割して、複数の上記光分岐部を形成する工程であることを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。
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WO2011001912A1 (ja) * | 2009-07-01 | 2011-01-06 | 協立化学産業株式会社 | 深部硬化性に優れたエネルギー線硬化型エポキシ樹脂組成物 |
WO2011074322A1 (ja) * | 2009-12-17 | 2011-06-23 | コニカミノルタオプト株式会社 | 中間生成体及び光アシスト磁気ヘッドの製造方法 |
WO2011078025A1 (ja) * | 2009-12-24 | 2011-06-30 | コニカミノルタオプト株式会社 | 光アシスト磁気ヘッド |
CN106626097A (zh) * | 2016-12-13 | 2017-05-10 | 莱特巴斯光学仪器(镇江)有限公司 | 一种非对称透镜的生产工艺 |
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2006
- 2006-02-02 JP JP2006025398A patent/JP2007207350A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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