実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるディスク装置のディスク及び異物の判別機構を示す上面図である。本実施の形態1では、正規なディスクとして、例えば外径8cmの小径のディスク(以下、8cmディスクと称す)と外径12cmの大径のディスク(以下、12cmディスクと称す)の二種類のディスクを扱うものとする。図1に示すように、本実施の形態1による判別機構は、ディスクや異物の挿入を検知するためのセンサ1,2、ディスクの外径を判別するためのディスク外径判別スイッチ3、ディスク挿入口に設けられたレバー4,5、レバー4,5に付勢力を与えるバネ6a,6bを有する。
レバー4,5は、装置内のディスク挿入口の周辺部に、図1中の左右にスライド可能に配置されており、バネ6a,6bによって図1中の左右から符号Aで示す当接面にて互いに当接するように付勢力が与えられている。また、レバー4,5には、挿入物が当接する当接部4a,5aが設けられている。図1中の矢印で示す挿入方向にディスクが挿入されると、当接部4a,5aにディスクの周縁部が当接する。これにより、ディスクの挿入方向の力がレバー4,5に伝達されてバネ6a,6bによる付勢力に反してレバー4,5が図1中の左右に徐々にスライドし、ディスクが装置内に挿入される。
センサ(第1検知手段)1及びディスク外径判別スイッチ(外径判別手段)3はレバー4に配置される。センサ1は、例えば光透過センサ等により具現化され、挿入物により遮光されると検知状態になり、挿入されてきたディスクのセンターホールにより光透過すると非検知状態になる。また、センサ1は、レバー4のスライド過程において、挿入口から挿入された判別すべきディスクのうちの少なくとも一つのセンターホールの通過により状態遷移する関係でレバー4に設けられる。ディスク外径判別スイッチ3は、レバー4のスライドに伴ってスイッチ部3aとレバー5の係合部5bとが係合するとオン状態となり、スイッチ部3aが係合部5bとの係合から解放されるとオフ状態になる。
ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bは、レバー4,5に対向して配置され、ディスクの挿入に伴ってレバー4,5がそれぞれ図1中の左右にスライドすると互いに接近し、バネ6a,6bの付勢力によりレバー4,5が初期位置に戻るにつれて離れる。このように構成することにより、挿入物の外形状に応じてディスク外径判別スイッチ3のオンオフの状態遷移をさせることができる。
センサ(第2検知手段)2は、センサ1と同様に光透過センサ等により具現化され、挿入物により遮光されると検知状態になり、例えば装置内に搬送されてきたディスクのセンターホールで光透過すると非検知状態になる。また、センサ2は、ディスクの搬送ローラ7より奥の装置内の中央付近に配置され、搬送ローラ7により装置内中央部に搬送されてきたディスク又はディスク以外の挿入物により検知、非検知の状態が遷移する。搬送ローラ7は、挿入されたディスクを装置内部の再生デッキ部8に搬送する。再生デッキ部8は、搬送ローラ7を介して再生位置(クランプ位置)に搬送されたディスクの再生処理を行う。
なお、センサ1,2として、光透過センサを例としたが、挿入物とディスクのセンターホールが検知できるセンサであればよく、例えば挿入物の表面の凹凸を機械的に検知するセンサであってもよい。また、ディスク外径判別スイッチ3についても、レバー4,5のスライド量を検知する検知装置であってもよい。
図2は、実施の形態1によるディスク装置のディスク及び異物の判別処理構成を示すブロック図である。本実施の形態1による判別処理構成は、信号検知手段9、動作判定手段10、記憶手段11、動作制御手段12を有する。記憶手段11は、実施の形態1によるディスク装置に搭載されたメモリ等により具現化され、ディスクの外径及びセンターホールの有無に応じたセンサ1、センサ2及びディスク外径判別スイッチ3の状態遷移の組み合わせをまとめた動作判定テーブル(判定テーブル)を記憶する。
なお、信号検知手段9、動作判定手段10及び動作制御手段12は、例えば、本発明の趣旨に従う判別処理プログラムを本発明によるディスク装置に搭載した演算処理装置に実行させてその動作を制御することにより、ソフトウエアとハードウエアが協働した具体的な手段として実現することができる。
信号検知手段9は、センサ1,2及びディスク外径判別スイッチ3から、ディスクや異物の挿入に伴うセンサ1,2の検知、非検知及びディスク外径判別スイッチ3のオンオフが電気信号として入力され、この検知結果を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10は、信号検知手段9から入力した検知結果と記憶手段11に記憶されている動作判定テーブルの情報とを照合して挿入物が12cmディスク、8cmディスク及び異物のいずれかであるかを判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。
動作制御手段12は、動作判定手段10による判定結果に応じて搬送ローラ7の駆動用モータ13の回転方向を制御する。例えば、判定結果が12cmディスク及び8cmディスクであれば、正方向に搬送ローラ7を回転させ、再生デッキ部8の再生位置(クランプ位置)へ搬送する。また、異物であれば、逆方向に搬送ローラ7を回転させて挿入口から排出させる。
図3は、実施の形態1による動作判定テーブルを示す図であり、(a)は8cmディスクの挿入における検知結果の遷移、(b)は12cmディスクの挿入における検知結果の遷移を示し、(c)から(f)までは様々な挿入形態で異物が挿入された場合における検知結果の遷移を示している。図3に示すように、動作判定テーブルは、挿入物が搬送ローラ7に乗る前及び搬送ローラ7に乗っている間における、正規のディスクの外径及びセンターホールの有無に応じたセンサ1,2の検知、非検知の状態遷移及びディスク外径判別スイッチ3のオンオフの状態遷移が規定されている。
以降の説明では、例えばセンサ1,2が挿入物を検知(遮光)した場合に対してデジタル値1を設定し、非検知(透過)になると反転値0になるものとする。また、ディスク外径判別スイッチ3がオフになった場合に対してデジタル値1を設定し、オンになると反転値0になるものとする。例えば、記憶手段11の動作判定テーブルには、各信号検知段階における、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態をそれぞれ表すデジタル値を順番に並べた3ビットの信号が判定情報として記憶される。
最初の信号検知段階である挿入前状態は、実施の形態1によるディスク装置の挿入口に挿入物を挿入し始めた状態である。このとき、挿入物は、センサ1,2に到達しておらず非検知であり、またディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bとを係合させるほど挿入されておらずディスク外径判別スイッチ3もオフ状態である。この状態では、搬送ローラ7は動作しておらず装置内へ挿入物の搬送を待機している。
続く信号検知段階である挿入確認状態とは、挿入物が、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bとを係合させるほど挿入されていないが、センサ1には到達して検知される状態である。挿入確認状態になると、搬送ローラ7が正方向に回転して挿入物の装置内への搬送が開始される。挿入前状態から挿入確認状態に至るまでにおけるセンサ1,2及びディスク外径判別スイッチ3からの信号検知結果は、挿入物がディスクか異物かを問わず同一である。なお、挿入確認状態以降は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態遷移によって信号検知段階が分けられる。詳細は後述する。
次に動作について説明する。
以降では、8cmディスク、12cmディスク、異物であるカードが挿入された場合における判別処理を説明する。
(1)8cmディスクの場合
先ず、図1中に矢印で示す挿入方向から8cmディスクの挿入を開始する。
挿入前状態において、8cmディスクがセンサ1に到達しておらず、センサ1,2が非検知である。また、8cmディスクは、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bとを係合させるほど挿入されておらず、ディスク外径判別スイッチ3もオフ状態である。従って、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態をそれぞれ表すデジタル値「001」となり、信号検知手段9からデジタル値「001」の信号が動作判定手段10に出力される。
動作判定手段10は、信号検知手段9から入力したデジタル値「001」を不図示のメモリに記憶し、このデジタル値「001」と図3(a)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、センサ1,2が非検知(×)状態であり、ディスク外径判別スイッチ3がオフであるから現在の状態を挿入前状態と判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入前状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13を駆動させず、搬送待機状態とする。
図4は、挿入確認状態における8cmディスクと判別機構とを示す上面図であり、判別機構とディスクとの関係を明確にするためにディスクを破線で記載し、ディスクを透過して下方の機構を記載している。なお、以降の挿入物と判別機構とを示す上面図においても同様に記載している。また、本図を含む以降の挿入物と判別機構とを示す上面図では、図1で示したバネ6a,6bの図示を省略する。図4に示すように、8cmディスク14aがさらに挿入されてセンサ1を遮光して検知状態にすると、挿入確認状態となる。
挿入確認状態では、8cmディスクの端によりセンサ1が遮光されて検知されるが、レバー4,5の当接部4a,5aに8cmディスク14aの周縁部が到達しておらず、ディスク外径判別スイッチ3がオフのままである。このとき、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「101」の信号を動作判定手段10に出力する。
動作判定手段10は、信号検知手段9から入力したデジタル値「101」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「001」、「101」と図3(a)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、挿入前状態から、センサ1が検知(○)状態、センサ2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフになったことにより現在の状態が挿入確認状態であると判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入確認状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13を正方向に回転させて8cmディスク14aの搬送を開始する。
8cmディスク14aがさらに装置内に搬送されると、8cmディスク14aの周縁部が、レバー4,5の当接部4a,5aに当接してレバー4,5を左右にスライドさせる。挿入確認状態から8cmディスク14aの搬送が進んで、レバー4,5が左右にスライドすると、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aがレバー5の係合部5bに係合してディスク外径判別スイッチ3をオン状態にする。このとき、8cmディスク14aのセンターホール15の位置とセンサ1の位置が重ならず、センサ1は、8cmディスク14aによって遮光されて検知(○)状態のままである。
この段階で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「100」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「100」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「101」、「100」と、図3(a)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、前回の状態から、センサ1が検知(○)状態、センサ2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオンになったことにより、挿入物が大小径いずれのディスクであるか若しくは異物であるかが不明な状態と判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12では、挿入物が不明な状態の判定結果を受けると、駆動用モータ13の正方向回転による搬送を続行する。
続いて、8cmディスク14aが上記状態からさらに搬送されて当接部4a,5a間の距離が8cm近辺になるまでレバー4,5がそれぞれ左右にスライドされると、図5に示すように、8cmディスクのセンターホール15の位置とセンサ1の位置とが重なる。これにより、センサ1が光透過されて再び非検知(×)状態になる。このとき、センサ2に8cmディスク14aが到達しておらず、センサ2は非検知(×)状態にあり、ディスク外径判別スイッチ3はオン状態のままである。
このように、センサ1は、当接部4a,5a間が8cmディスク14aの外径分程度にレバー4,5がスライドした際にちょうど8cmディスク14aのセンターホール15の位置と重なるように配置される。また、センサ2は、当接部4a,5a間が8cmディスク14aの外径分程度に広がり、8cmディスク14aの半分が装置内に挿入されても、8cmディスク14aにより遮光されない位置に固定的に配置される。
8cmディスクの挿入では、装置の挿入口の中央、左側、右側のどこから挿入しても、上述したセンサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3は同じ状態遷移となる。
上述の段階で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「000」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「000」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「100」、「000」と図3(a)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、前回の状態から、センサ1、センサ2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオンになったことにより、挿入物が8cmディスク14aであると判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。
動作制御手段12は、挿入物が8cmディスク14aである判定結果を受けると、駆動用モータ13の正方向回転を継続して、図6に示すように再生デッキ部8のディスク再生位置(クランプ位置)まで搬送する。これにより、再生デッキ部8は、8cmディスク14aの再生処理へ移行する。
なお、上述した、センサ1、センサ2が非検知(×)状態であり、ディスク外径判別スイッチ3がオンである状態を経過して再生位置(クランプ位置)までに搬送される途中、8cmディスク14aが、センサ1,2を遮光し、バネ6a,6bの付勢力によりレバー4,5が初期位置に戻ってディスク外径判別スイッチ3がオフになる状態も判別条件として、最終的に8cmディスク14aを判別するようにしてもよい(8cmディスクの判別確定)。
(2)12cmディスクの場合
先ず、図1中に矢印で示す挿入方向から12cmディスクの挿入を開始する。
挿入前状態において、12cmディスクがセンサ1に到達しておらず、センサ1,2が非検知である。また、12cmディスクは、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bとを係合させるほど挿入されておらず、ディスク外径判別スイッチ3もオフ状態である。従って、信号検知手段9からデジタル値「001」の信号が動作判定手段10に出力される。
動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「001」を不図示のメモリに記憶し、このデジタル値「001」と図3(b)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、センサ1,2が非検知(×)状態であり、ディスク外径判別スイッチ3がオフであることから現在の状態を挿入前状態であると判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12では、挿入前状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13を駆動させず、搬送待機状態とする。
図7は、挿入確認状態における12cmディスクと判別機構とを示す上面図である。12cmディスク14bがさらに挿入されてセンサ1を遮光して検知状態にすると、挿入確認状態となる。挿入確認状態では、図7に示すように、12cmディスクの端によりセンサ1が遮光されて検知されるが、レバー4,5の当接部4a,5aに12cmディスク14bの周縁部が到達しておらず、ディスク外径判別スイッチ3がオフのままである。この段階で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「101」の信号を動作判定手段10に出力する。
動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「101」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「001」、「101」と図3(b)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、挿入前状態から、センサ1が検知(○)状態、センサ2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフになったことにより、現在の状態を挿入確認状態と判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入確認状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13を正方向に回転させて12cmディスク14bの搬送を開始する。
12cmディスク14bがさらに装置内に搬送されると、12cmディスク14bの周縁部が、レバー4,5の当接部4a,5aに当接してレバー4,5を左右にスライドさせる。挿入確認状態から12cmディスク14bの搬送が進むと、8cmディスク14aが判別された、当接部4a,5a間の距離が8cm程度になる位置までレバー4,5がそれぞれ左右にスライドする。このとき、図8に示すように、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aは、レバー5の係合部5bに係合してディスク外径判別スイッチ3をオン状態にするが、12cmディスク14bでは、そのセンターホール15の位置とセンサ1の位置が重ならず、センサ1は検知(○)状態のままである。なお、センサ2には達しておらず非検知(×)状態である。
この段階で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「100」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「100」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「101」、「100」と図3(b)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、前回の状態から、センサ1が検知(○)状態、センサ2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオンになったことにより、挿入物が大小径いずれのディスクであるか若しくは異物であるかが不明な状態と判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入物が不明な状態の判定結果を受けると、駆動用モータ13の正方向回転による搬送を続行する。
続いて、12cmディスク14bが上記状態からさらに搬送されると、図9に示すように、ディスク外径判別スイッチ3がオン状態のままで、12cmディスク14bの周縁部がセンサ2に到達して検知(○)状態にする。また、センサ1は、12cmディスク14bにより遮光されて検知(○)状態のままである。
この段階で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「110」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「110」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「100」、「110」と図3(b)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、前回の状態から、センサ1,2が検知(○)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオンになったことにより、挿入物が大小径いずれのディスクであるか若しくは異物であるかが不明な状態と判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入物が不明な状態の判定結果を受けると、駆動用モータ13の正方向回転による搬送を続行する。
8cmディスク挿入の場合で説明したように、センサ2は、当接部4a,5a間が8cmディスク14aの外径分程度に広がり、8cmディスク14aの半分が装置内に挿入されても、8cmディスク14aにより遮光されない位置に配置される。これに加えて、12cmディスク14bが挿入された場合では、当接部4a,5a間が8cmより広がるほど奥に搬送されてもディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bとの係合が外れる前に、12cmディスク14bにより遮光される位置に配置される。
ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aは、レバー4,5が左右にスライドされた際、レバー5の係合部5bのスライド方向の長さ分だけ係合部5bと係合して、ディスク外径判別スイッチ3をオン状態にしている。上述の状態より12cmディスク14bがさらに奥に搬送されると、図10に示すように、スイッチ部3aは、係合部5bとの係合が外れ、ディスク外径判別スイッチ3がオフ状態になる。このとき、センサ1,2は、12cmディスク14bにより遮光されて検知(○)状態のままである。
この段階で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「111」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10は、信号検知手段9から入力したデジタル値「111」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「110」、「111」と図3(b)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、前回の状態から、センサ1、センサ2が検知(○)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフになったことにより、挿入物が12cmディスク14bであると判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。
動作制御手段12では、挿入物が12cmディスク14bである判定結果を受けると、駆動用モータ13の正方向回転を継続して、図11に示すように再生デッキ部8のディスク再生位置(クランプ位置)まで搬送する。これにより、再生デッキ部8は、12cmディスク14bの再生処理へ移行する。
(3)長方形のカード状の異物をその長手方向から挿入口の中央部より挿入した場合
カード状異物としては、例えば縦8.56cm、横5.4cmの長方形であり、縦方向(長手方向)の寸法が8cmディスクの外径にほぼ等しい大きさを有しているものを考える。このカード状異物が縦方向に挿入されると、従来のディスク判別機構では、8cmディスクと区別できない可能性がある。これに対し、本実施の形態1によるディスク装置では、後述するように的確に正規のディスクとカード状異物を判別することができる。
先ず、挿入口の中央部よりカード状異物を挿入する。挿入前状態では、カード状異物がセンサ1に到達しておらず、センサ1,2が非検知である。また、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bが係合しておらず、ディスク外径判別スイッチ3もオフ状態である。この段階で、信号検知手段9は、デジタル値「001」の信号を動作判定手段10に出力する。
動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「001」を不図示のメモリに記憶し、このデジタル値「001」と図3(c)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、センサ1,2が非検知(×)状態であり、ディスク外径判別スイッチ3がオフであることから現在の状態を挿入前状態と判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12では、挿入前状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13を駆動させず、搬送待機状態とする。
図12は、挿入確認状態におけるカード状異物と判別機構とを示す上面図である。カード状異物16がさらに挿入されてセンサ1を遮光して検知状態にすると、挿入確認状態となる。挿入確認状態では、図12に示すように、カード状異物16の端部でセンサ1が遮光されて検知されるが、レバー4,5の当接部4a,5aにカード状異物16の端部に当接せず、ディスク外径判別スイッチ3がオフのままである。この段階で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「101」の信号を動作判定手段10に出力する。
動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「101」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「001」、「101」と図3(c)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、挿入前状態から、センサ1が検知(○)状態、センサ2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフになったことにより、現在の状態を挿入確認状態と判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入確認状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13の正方向回転を開始する。
挿入確認状態からカード状異物16をさらに搬送する。このとき、上述の寸法を有するカード状異物16は、図13に示すように、その端部がセンサ2に到達して検知(○)状態にする。また、センサ1は、カード状異物16により遮光されて検知(○)状態のままである。一方、カード状異物16の横方向の寸法は5.4cmであることから、挿入口の中央から挿入した場合、カード状異物16の端部が当接部4a,5aに当接することがなく、ディスク外径判別スイッチ3はオフ状態のままである。
この段階で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「111」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「111」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「101」、「111」と図3(c)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、挿入確認状態から、センサ1,2が検知(○)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフになったことにより、挿入物が正規のディスクではなく、異物あると判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入物がカード状異物16であるとの判定結果を受けると、駆動用モータ13を逆方向に回転させて排出する。
このように、正規のディスクとして取り扱うディスクの外径寸法に近い縦寸法を有するカード状異物16が挿入されて、正規ディスクの外径寸法に応じたセンサ1,2の検知、非検知状態になっても、正規のディスクの外形状に沿ってスライドするレバーに配置したディスク外径判別スイッチ3が正規のディスクに応じたオンオフ状態にならない。これにより、正規ディスクと異物とを的確に判別することができる。
(4)長方形のカード状の異物をその長手方向から挿入口の右側より挿入した場合
カード状異物は、(3)の場合と同様に、縦8.56cm、横5.4cmのものを考える。このカード状異物が縦方向から挿入されると、従来のディスク判別機構では、8cmディスクと区別できない可能性がある。これに対し、本実施の形態1によるディスク装置では、後述するように、的確に正規のディスクとカード状異物を判別することができる。
先ず、挿入口の右側よりカード状異物を挿入する。挿入前状態では、カード状異物がセンサ1に到達しておらず、センサ1,2が非検知である。また、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bが係合しておらず、ディスク外径判別スイッチ3もオフ状態である。従って、信号検知手段9からデジタル値「001」の信号が動作判定手段10に出力される。
動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「001」を不図示のメモリに記憶し、このデジタル値「001」と図3(d)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、センサ1,2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフであることから現在の状態を挿入前状態と判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12では、挿入前状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13を駆動させず、搬送待機状態とする。
図14は、挿入口の右側から挿入した場合における挿入確認状態のカード状異物と判別機構とを示す上面図である。挿入前状態からカード状異物16をさらに挿入すると、センサ1が遮光されて検知状態になり、挿入確認状態となる。
挿入確認状態では、図14に示すように、カード状異物16の端部がセンサ1を遮光して検知される。一方、カード状異物16の横方向の寸法が5.4cmであることから、カード状異物16が挿入口の右側から挿入されると、その端部はレバー4の当接部4aには当接するが、レバー5の当接部5aには当接しない。従って、ディスク外径判別スイッチ3がオフのままである。このとき、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「101」の信号を動作判定手段10に出力する。
動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「101」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「001」、「101」と図3(d)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、挿入前状態から、センサ1が検知(○)状態、センサ2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフになったことにより現在の状態を挿入確認状態と判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入確認状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13の正方向回転を開始する。
挿入確認状態からカード状異物16をさらに搬送する。このとき、上述の寸法を有するカード状異物16は、図15に示すように、センサ1から外れて遮光しなくなる。これにより、センサ1は非検知(×)状態になる。一方、挿入口の右側から挿入すると、カード状異物16がセンサ2の位置に達しても幅が足らずに遮光しない。従って、センサ2は非検知(×)のままである。さらに、挿入口の右側から挿入する場合、カード状異物16の端部が当接部4aに当接するが、レバー4,5がスライドしなければディスク外径判別スイッチ3がオン状態にならず、オフ状態のままである。なお、図15では、カード状異物16と当接部4aとの当接が外れてもレバー4,5が右側に寄っているが、実際はバネ6aの付勢力により初期の中央位置に戻ることになる。
この段階(センサ1が非検知となった段階)で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「001」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「001」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「101」、「001」と図3(d)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、挿入確認状態から、センサ1,2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフになったことにより、挿入物が正規のディスクではなく、異物あると判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入物がカード状異物16であるとの判定結果を受けると、駆動用モータ13を逆方向に回転させて排出する。
このように、正規のディスクとして取り扱うディスクの外径寸法に近い縦寸法を有するカード状異物16が挿入口の右側から挿入されても、正規ディスクの外径寸法に応じたセンサ1,2の検知、非検知状態にならず、正規のディスクの外形状に沿ってスライドするレバーに配置したディスク外径判別スイッチ3も正規のディスクに応じたオンオフ状態にならない。これにより、正規ディスクと異物とを的確に判別することができる。
(5)長方形のカード状の異物をその長手方向から挿入口の左側より挿入した場合
カード状異物は、(4)の場合と同様に、縦8.56cm、横5.4cmのものを考える。このカード状異物が縦方向から挿入されると、従来のディスク判別機構では、8cmディスクと区別できない可能性がある。これに対し、本実施の形態1によるディスク装置では、後述するように、的確に正規のディスクとカード状異物を判別することができる。
先ず、挿入口の左側よりカード状異物を挿入する。挿入前状態では、カード状異物がセンサ1に到達しておらず、センサ1,2が非検知である。また、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bが係合しておらず、ディスク外径判別スイッチ3もオフ状態である。従って、信号検知手段9からデジタル値「001」の信号が動作判定手段10に出力される。
動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「001」を不図示のメモリに記憶し、このデジタル値「001」と図3(e)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、センサ1,2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフであることから現在の状態を挿入前状態と判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12では、挿入前状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13を駆動させず、搬送待機状態とする。
図16は、挿入口の左側から挿入した場合における挿入確認状態のカード状異物と判別機構とを示す上面図である。挿入前状態からカード状異物16をさらに挿入すると、センサ1が遮光されて検知状態になり、挿入確認状態となる。
挿入確認状態では、図16に示すように、カード状異物16の端部がセンサ1を遮光して検知される。一方、カード状異物16の横方向の寸法が5.4cmであることから、カード状異物16が挿入口の左側から挿入されると、その端部はレバー5の当接部5aには当接するが、レバー4の当接部4aには当接しない。従って、ディスク外径判別スイッチ3がオフのままである。このとき、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「101」の信号を動作判定手段10に出力する。
動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「101」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「001」、「101」と図3(e)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、挿入前状態から、センサ1が検知(○)状態、センサ2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフになったことにより、現在の状態を挿入確認状態と判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入確認状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13の正方向回転を開始する。
挿入確認状態からカード状異物16をさらに搬送する。このとき、上述の寸法を有するカード状異物16は、図17に示すように、センサ1から外れて遮光しなくなる。これにより、センサ1は非検知(×)状態になる。一方、挿入口の左側から挿入すると、カード状異物16がセンサ2の位置に達しても幅が足らずに遮光しない。従って、センサ2は非検知(×)のままである。さらに、挿入口の左側から挿入する場合、カード状異物16の端部が当接部5aに当接しても、レバー4,5がスライドしなければディスク外径判別スイッチ3はオンにならず、オフ状態のままである。なお、図17では、カード状異物16と当接部5aとの当接が外れてもレバー4,5が左側に寄っているが、実際はバネ6bの付勢力により初期の中央位置に戻ることになる。
この段階(センサ1が非検知となった段階)で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「001」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「001」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「101」、「001」と図3(e)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、挿入確認状態から、センサ1,2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフになったことにより、挿入物が正規のディスクではなく、異物であると判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入物がカード状異物16であるとの判定結果を受けると、駆動用モータ13を逆方向に回転させて排出する。
このように、正規のディスクとして取り扱うディスクの外径寸法に近い縦寸法を有するカード状異物16が挿入口の左側から挿入されても、正規ディスクの外径寸法に応じたセンサ1,2の検知、非検知状態にならず、正規のディスクの外形状に沿ってスライドするレバーに配置したディスク外径判別スイッチ3も正規のディスクに応じたオンオフ状態にならない。これにより、正規ディスクと異物とを的確に判別することができる。
なお、センサ2は、装置内に搬送された12cmディスク14bのセンターホール15の搬送経路上に配置されていることから、センサ2がセンターホール15により状態遷移することに基づいて、12cmディスク14bの判別を確定するようにしてもよい。
(6)長方形のカード状の異物を横向きに挿入口の中央から挿入した場合
カード状異物は、(5)の場合と同様に、縦8.56cm、横5.4cmのものを考える。このカード状異物が横向きから挿入されると、従来のディスク判別機構では、8cmディスクと区別できない可能性がある。これに対し、本実施の形態1によるディスク装置では、後述するように、的確に正規のディスクとカード状異物を判別することができる。
先ず、カード状異物を横向きに挿入口の中央から挿入する。挿入前状態では、カード状異物がセンサ1に到達しておらず、センサ1,2が非検知である。また、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bが係合しておらず、ディスク外径判別スイッチ3もオフ状態である。従って、信号検知手段9からデジタル値「001」の信号が動作判定手段10に出力される。
動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「001」を不図示のメモリに記憶し、このデジタル値「001」と図3(f)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、センサ1,2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフであることから、現在の状態を挿入前状態と判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12では、挿入前状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13を駆動させず、搬送待機状態とする。
この後、上述の寸法のカード状異物16を横向きにさらに装置内に挿入するには、例えばカード状異物16のコーナーを挿入方向に傾けて当接4a,5aの双方に当接させることにより、レバー4,5を押し広げるようにスライドさせる必要がある。このとき、カード状異物16がセンサ1を遮光して検知(○)され、センサ2には到達せずに非検知(×)であり、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bが係合するまでレバー4,5がスライドしていないことから、ディスク外径判別スイッチ3はオフ状態のままである。
この段階(センサ1が検知状態になった段階)で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「101」の信号を動作判定手段10に出力する。
動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「101」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「001」、「101」と図3(f)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、挿入前状態から、センサ1が検知(○)状態、センサ2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオフになったことにより、現在の状態を挿入確認状態と判定して、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入確認状態の判定結果を受けると、搬送ローラ7の駆動用モータ13の正方向回転を開始する。
図18は、挿入確認状態からカード状異物16を横向きに挿入した場合におけるカード状異物と判別機構とを示す上面図である。挿入確認状態からカード状異物16をさらに挿入すると、カード状異物16によりセンサ1が遮光されて検知状態になり、挿入確認状態となる。また、この状態では、カード状異物16はセンサ2に到達せず、非検知(×)のままである。
一方、カード状異物16の縦方向の寸法が8.56cmであることから、カード状異物16を挿入口で完全に横向きにすると、レバー4,5の当接部4a,5aにカード状異物16の端部が当接し、レバー4,5が押し広げられ、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bが係合し、ディスク外径判別スイッチ3がオン状態になる。
この段階(ディスク外径判別スイッチ3がオン状態になった段階)で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「100」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「100」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「101」、「100」と図3(f)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、挿入確認状態から、センサ1が検知(○)状態、センサ2が非検知(×)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオンになったことにより、挿入物が大小径いずれのディスクであるか若しくは異物であるかが不明な状態と判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入物が不明な状態の判定結果を受けると、駆動用モータ13の正方向回転による搬送を続行する。
上述の状態からカード状異物16をさらに搬送すると、上述の寸法を有するカード状異物16は、図19に示すように、その端部がセンサ2に達して遮光し検知される上、センサ1も遮光しており検知状態のままである。つまり、8cmディスクの場合と異なり、カード状異物16にはセンターホールがないのでセンサ1が非検知にならない。
一方、カード状異物16の縦方向の寸法は、8cmディスクの外径にほぼ等しい8.56cmであることから、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bとの係合状態が継続し、ディスク外径判別スイッチ3はオン状態のままである。
この段階(センサ2が検知状態になった段階)で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「110」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「110」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「100」、「110」と図3(f)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合して、前回の状態から、センサ1,2が検知(○)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオンになったことにより、挿入物が8cmディスクではないが、12cmディスクか異物であるのかが不明な状態と判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入物が不明な状態の判定結果を受けると、駆動用モータ13の正方向回転による搬送を続行する。
上述の状態からカード状異物16をさらに搬送すると、上述の寸法を有するカード状異物16は、図20に示すように、センサ1から外れて遮光しなくなる。これにより、センサ1は非検知(×)状態になる。また、センサ2は遮光されて検知(○)状態のままである。一方、ディスク外径判別スイッチ3についても、ディスク外径判別スイッチ3のスイッチ部3aとレバー5の係合部5bとの係合状態が継続しオン状態のままである。
この段階(センサ1が非検知となった段階)で、信号検知手段9は、センサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態を示すデジタル値「010」の信号を動作判定手段10に出力する。動作判定手段10では、信号検知手段9から入力したデジタル値「010」を不図示のメモリに記憶し、前回と今回の段階で記憶したデジタル値「110」、「010」と図3(f)に示す動作判定テーブルの判定情報とを照合し、前回の状態から、センサ1が非検知(×)状態、センサ2が検知(○)状態、ディスク外径判別スイッチ3がオンになったことにより、挿入物が正規のディスクではなく異物であると判定し、判定結果を動作制御手段12に出力する。動作制御手段12は、挿入物がカード状異物16であるとの判定結果を受けると、駆動用モータ13を逆方向に回転させて排出する。
このように、正規のディスクとして取り扱うディスクの外径寸法に近い縦寸法を有するカード状異物16が横向きに挿入されてディスク外径判別スイッチ3がオン状態になっても、正規のディスクの外径寸法に応じたセンサ1,2の検知、非検知の状態遷移、ディスク外径判別スイッチ3のオンオフ状態遷移に合致しない。これにより、正規ディスクと異物とを的確に判別することができる。
上記説明では、カード状異物16が横向きに挿入口の中央から挿入する場合を示したが、挿入口の右側、左側から横向きに挿入しても、センサ1,2の検知、非検知の状態遷移、ディスク外径判別スイッチ3のオンオフ状態遷移は同様であり、同様に異物であると判別される。
(3)から(6)までに示したように、動作判定手段10は、図3(a)及び図3(b)に示す動作判定テーブルの情報に合致しない状態遷移が発生した時点で、挿入物が異物であると判定し、装置内から排出されることになる。
以上のように、この実施の形態1によれば、レバー4,5のスライド過程において挿入口から挿入されたディスクのセンターホールの通過により状態遷移する関係でレバー4に設けられたセンサ1、センサ1を経由して装置内に搬送された挿入物の通過により状態遷移するセンサ2、レバー4に設けられ、レバー4,5のスライドに伴って状態遷移してディスクの外径を判別するディスク外径判別スイッチ3の、挿入物の挿入前及び挿入物が搬送ローラ7上にある間における各状態遷移の組み合わせをまとめた動作判定テーブルと、挿入物の通過によるセンサ1,2、ディスク外径判別スイッチ3の状態遷移とを照合して、外径に応じたディスク種別及びディスク以外の挿入物であるか否かを判別するように構成したので、大小径の複数種類の正規なディスクの判別に加え、正規なディスクと同等な形状を有するディスク以外の挿入物(異物)を的確に判別することができる。
なお、上記実施の形態1では、レバー4にディスク外径判別スイッチ3、センサ1を設ける例を示したが、レバー5側に設けてもよく、小径の8cmディスクの外径分程度に当接部4a,5a間が開いたときにディスク外径判別スイッチ3にオンになる位置に配置されていればよい。
また、上記実施の形態1では、8cmディスク14aの外径とほぼ同一な寸法の部分を有するカード状異物16を用いて、異物挿入における判別処理を説明したが、12cmディスク14bの外径とほぼ同一な寸法の部分を有するカード状異物であっても同様に判別することができる。この場合、例えばセンサ2がセンターホール15の通過により状態遷移するか否かにより、12cmディスク14bと異物とを判別することができる。また、センサ1,2のセンターホール15の通過による状態遷移の有無を判別条件とすれば、異物がディスクと同様に円盤状であっても的確に判別することができる。
さらに、上記実施の形態1では、装置内に搬送された挿入物が搬送ローラ7上にある段階におけるセンサ1、センサ2、ディスク外径判別スイッチ3の状態遷移の組み合わせを用いて正規ディスク及びディスク以外の挿入物を判別するため、装置内に搬送された異物が「異物である」と判別された時点では異物が搬送ローラ7上にある。これにより、異物を確実に排出することが可能である。
1,2 センサ(第1検知手段、第2検知手段)、3 ディスク外径判別スイッチ(外径判別手段)、3a スイッチ部、4,5 レバー、4a,5a 当接部、5b 係合部、6a,6b バネ、7 搬送ローラ、8 再生デッキ部、9 信号検知手段、10 動作判定手段、11 記憶手段、12 動作制御手段、13 モータ、14a,14b ディスク、15 センターホール、16 カード状異物。