JP2007205475A - 駒式ボールねじ - Google Patents

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康司 立石
Hirakazu Yoshida
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Abstract

【課題】ナットに対する駒部材の位置決め精度と固定力を確保し、低コストで信頼性を向上させた駒式ボールねじを提供する。
【解決手段】ナット3の胴部に穿設された駒窓6に駒部材5が嵌合され、この駒部材5を塑性変形させて形成した加締部14によって駒部材5が固定された駒式ボールねじにおいて、駒部材5がMIMによって成形される焼結合金で形成され、両側にアーム9が突設された胴部10と、これから外径側に延びる頭部11とからなり、アーム9がナット3のねじ溝3aに係合されてナッ3に位置決めされると共に、頭部11に加締部14となる一対のガイド壁13が対向配置され、これらの間にリブ15がガイド壁13と略同じ高さに外径側に突出して形成されている。これにより、駒部材5を精度良く、かつ、容易に位置決め固定することができると共に、駒部材5の焼結工程でその変形を抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、放電加工機やタッピングセンター等の各種工作機械、あるいは自動車の電動パワーステアリングやアクチュエータ等に使用されるボールねじに関し、特に、ボール循環部品である駒部材を使用した駒式ボールねじに関する。
ボールねじは、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対向する両ねじ溝により形成された転動路に収容された多数のボールと、転動路を周回経路とする循環機構とを備え、例えば、ナットを回転運動させることでねじ軸を直線運動させる運動変換機構として使用されている。
一般的にボールねじは、ボールの循環機構が異なる種々の形式のものがあり、その一つに駒式と呼ばれるものがある。このボールねじは、ねじ溝の連結路を有し、転動路を周回経路とする循環用の駒部材がナットに装着され、構成が比較的簡素で、かつコンパクトに構成できる利点がある。
このような駒式ボールねじの代表的な一例を図5に示す。この駒式ボールねじにおいて、回転ナット50のナット本体50aには、小判形状をなす駒部材嵌合用開口51が内外周面に貫通して設けられて、この駒部材嵌合用開口51に駒部材52が内径側から嵌め込まれている。
駒部材52は、内ねじ溝53の隣り合う一周部分同士を連結する連結溝52aが形成され、回転ナット50の内ねじ溝53に係合してこの駒部材52をナット本体50aに対して軸方向に位置決めする一対のアーム54、54を一体に有している。これら一対のアーム54、54は、駒部材52の軸方向の両端に互いに円周方向逆向きに突出して設けられ、内ねじ溝53に嵌合する半円状の断面形状に形成されている。ここで、内ねじ溝53におけるアーム54が係合した部分は非ボール循環部となる。
駒部材52における回転ナット50の周方向両側縁は、他の部分よりも外径面が凹む凹み部55とされ、これら凹み部55から外径側へ立ち上がり、駒部材52の周方向を向く側面に沿って一対のガイド壁56が設けられている。ナット本体50aの駒部材嵌合用開口51は、対向する一対の内側面における開口縁に係合段部57が設けられ、この係合段部57よりも開口側部分の幅が若干幅広に形成されている。
駒部材52は、ナット本体50aの駒部材嵌合用開口51に内径側から嵌め込まれ、一対のアーム54が内ねじ溝53に係合されると共に、ガイド壁56を塑性変形させることによりナット本体50aに固定される。この塑性変形による固定は、ガイド壁56を駒部材嵌合用開口51の対向する一対の内側面に加締固定することにより行われる。具体的には、ガイド壁56を係合段部57に加締めて係合させることにより、駒部材52の固定の確実性を図っている。このようなアーム54付きの駒部材52は、アーム54により駒部材52の抜け止めと位置決めとがなされ、高精度で高強度の性能が得られると共に、簡単に、かつ確実に駒部材52の固定ができる。
特開2001−289301号公報
このような従来の駒式ボールねじでは、駒部材52は、その外径面に形成された一対のガイド壁56を塑性変形させることによりナット本体50aに加締固定されるが、駒部材52は、こうした加締作業時に割れが発生しないように、柔らかい材料、すなわち、延性を有する材料が必要となる。
一方、こうした駒式ボールねじが自動車の電動パワーステアリングやアクチュエータ等に使用された場合、回転ナット50あるいはねじ軸(図示せず)に振動荷重が作用することが多い。そして、この振動荷重がモーメント荷重として作用し、ボールねじ内部の負荷分布が崩れて回転ナット50内のボール59の公転速度がバラツキ、その結果、駒部材52内をボール59が通過する際に連結溝52aに大きな応力が発生する恐れがある。こうした状況において、耐圧痕性や耐摩耗性を向上させて駒部材52の耐久性を高めるには、駒部材52の表面硬さを上げて強度を高めることが考えられるが、前記したように、延性を有して塑性変形によってナット本体50aに固定される駒部材52では難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ナットに対する駒部材の位置決め精度と固定力を確保し、低コストで信頼性を向上させた駒式ボールねじを提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対向する両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、前記ナットの胴部に穿設された駒窓に嵌合され、前記転動路を周回経路とする連結溝が形成された駒部材とを備え、この駒部材を塑性変形させて形成した加締部によって当該駒部材が前記駒窓に固定された駒式ボールねじにおいて、前記駒部材がMIMによって成形される焼結合金で形成され、両側にアームが突設された胴部と、この胴部から外径側に延びる頭部とからなり、前記アームが前記ナットのねじ溝に係合されて前記ナットに位置決めされると共に、前記頭部に前記加締部となる一対のガイド壁が対向配置され、これらガイド壁の間にリブが外径側に突出して形成されている。
このように、ナットの胴部に穿設された駒窓に嵌合され、転動路を周回経路とする連結溝が形成された駒部材を備え、この駒部材を塑性変形させて形成した加締部によって当該駒部材が駒窓に固定された駒式ボールねじにおいて、駒部材がMIMによって成形される焼結合金で形成され、両側にアームが突設された胴部と、この胴部から外径側に延びる頭部とからなり、アームがナットのねじ溝に係合されてナットに位置決めされると共に、頭部に加締部となる一対のガイド壁が対向配置され、これらガイド壁の間にリブが外径側に突出して形成されているので、ナットに対して駒部材を精度良く、かつ、容易に位置決め固定することができると共に、焼結工程で駒部材の変形を抑制することができ、金型で成形された駒部材の精度を維持することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記リブが前記ガイド壁と略同じ高さに形成されていれば、駒部材をMIM成形する際、ガイド壁を下方に向けた状態で駒部材が高温下で焼結されても、リブが駒部材の自重を支持してガイド壁が変形するのを抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記駒窓が断面略円形に形成され、この駒窓に対応して前記駒部材が断面円形に形成されていれば、駒窓の加工工数が削減できて低コスト化を図ることができると共に、駒部材がナットに対して軸方向に精度良く、かつ、容易に位置決めすることができ、信頼性を向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記加締部の傾斜角度が20〜45°の範囲に設定されていれば、加締部の割れ等の発生を防止するだけでなく、所望の固定力を確保すると共に、加締部の信頼性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記駒部材が浸炭材の金属粉からなる焼結合金で構成され、浸炭焼入れによって硬化処理されると共に、前記ガイド壁が焼戻しによって硬さが15〜30HRCの範囲に設定されていれば、加締部となるガイド壁の靭性が高く、駒部材をナットに加締固定する際に割れ等の発生を防止することができる。
本発明に係る駒式ボールねじは、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対向する両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、前記ナットの胴部に穿設された駒窓に嵌合され、前記転動路を周回経路とする連結溝が形成された駒部材とを備え、この駒部材を塑性変形させて形成した加締部によって当該駒部材が前記駒窓に固定された駒式ボールねじにおいて、前記駒部材がMIMによって成形される焼結合金で形成され、両側にアームが突設された胴部と、この胴部から外径側に延びる頭部とからなり、前記アームが前記ナットのねじ溝に係合されて前記ナットに位置決めされると共に、前記頭部に前記加締部となる一対のガイド壁が対向配置され、これらガイド壁の間にリブが外径側に突出して形成されているので、ナットに対して駒部材を精度良く、かつ、容易に位置決め固定することができると共に、焼結工程で駒部材の変形を抑制することができ、金型で成形された駒部材の精度を維持することができる。
外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対向する両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、前記ナットの胴部に穿設された駒窓に嵌合され、前記転動路を周回経路とする連結溝が形成された駒部材とを備え、この駒部材を塑性変形させて形成した加締部によって当該駒部材が前記駒窓に固定された駒式ボールねじにおいて、前記駒部材がMIMによって成形される焼結合金で形成され、両側にアームが突設された胴部と、この胴部から外径側に延びる頭部とからなり、前記アームが前記ナットのねじ溝に係合されて前記ナットに位置決めされると共に、前記頭部に前記加締部となる一対のガイド壁が対向配置され、これらガイド壁の間にリブが前記ガイド壁と略同じ高さに外径側に突出して形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る駒式ボールねじの一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。また、図2(a)はナットの断面斜視図、(b)は横断面図、図3(a)は駒部材を示す斜視図、(b)は平面図、図4(a)〜(c)は、駒部材のナットへの組立手順を示す説明図である。
この駒式ボールねじ1は、外周面に螺旋状のねじ溝2aが形成されたねじ軸2と、このねじ軸2に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝3aが形成されたナット3と、対向する両ねじ溝2a、3aにより形成された転動路に収容された多数のボール4と、これらボール4の循環用部材となる駒部材5とを備えている。
各ねじ溝2a、3aの断面形状は、サーキュラアーク形状であってもゴシックアーク形状であっても良いが、ここではボール4との接触角が大きくとれ、アキシアルすきまが小さく設定できるゴシックアーク形状に形成されている。これにより、軸方向荷重に対する剛性が高くなり、かつ振動の発生を抑制することができる。
円筒状のナット3の胴部には、内外の周面に貫通してねじ溝3aの一部を切欠く断面略円形の駒窓6が穿設され、この駒窓6に対応して断面略円形の駒部材5が嵌合されている。駒部材5の内方には、ねじ溝3aの隣合う1周分同士を連結する連結溝5aが形成され、この連結溝5aとねじ溝3aの略1周の部分とでボール4の転動路を構成している。転動路内の内外のねじ溝2a、3a間に介在された多数のボール4は、ねじ溝2a、3aに沿って転動し、そして、駒部材5の連結溝5aに案内され、ねじ軸2のねじ山を乗り越えて隣接するねじ溝3aに戻り、再びねじ溝2a、3aに沿って転動する。
図2(a)に示すように、駒部材5の連結溝5aは、ナット3の隣接するねじ溝3a、3a間を滑らかに接続するようにS字状に湾曲して形成されている。したがって、図2(b)に示すように、その両駒窓縁7、7は、ナット3の隣接するねじ溝3aの溝縁部8に合致するように連結溝5aがねじ溝3aに接続されている。また、連結溝5aの深さは、ボール4が連結溝5a内でねじ軸2におけるねじ溝2aのねじ山を越えることができる深さとされている。さらに、駒部材5の両側には丸棒状に形成されたアーム9が突設され、ナット3のねじ溝3aに所定の径方向すきまを介して係合されている。このアーム9によって、駒部材5がナット3に対して軸方向に位置決めされると共に、駒部材5が駒窓6から径方向外方に抜け出すのを防止することができる。
また、図3(a)に示すように、駒部材5は、アーム9、9が突設された胴部10と、この胴部10から外径側(ナット3の径方向外方側)に延びる頭部11からなる。胴部10は、ナット3の駒窓6の形状(円孔)に対応するように断面が円形に形成されて駒窓6に嵌合される。また、頭部11は、両側(ナット3の周方向両側)に他の部分よりも外径面が凹む凹み部12が形成され、これら凹み部12から外径側へ立ち上がり、円弧状周面を有する一対のガイド壁13、13が対向して配置されている。そして、駒部材5を駒窓6に嵌挿し、ナット3のねじ溝3aにアーム9、9を係合した後、これらガイド壁13、13を加締治具(図示せず)を使用して駒窓6の縁部6a側に塑性変形させて形成した加締部14によって駒部材5はナット3に固定されている(図2(b)参照)。
なお、駒窓6の縁部6aには所定の傾斜角θが形成されている。この傾斜角θは20〜45°の範囲が適切であり、それ以上加締量が増えていくと加締部14に割れが発生して信頼性が損なわれると共に、傾斜角θが20°未満では、加締部14のスプリングバックで駒部材5にガタが生じ、位置決め精度や固定力に問題がある。
ここで、駒部材5は、金属粉末を可塑状に調整し、射出成形機で成形される焼結合金からなる。この射出成形に際しては、まず、金属粉と、プラスチックおよびワックスからなるバインダとを混練機で混練し、その混練物をペレット状に造粒する。造粒したペレットは、射出成形機のホッパに供給し、金型内に加熱溶融状態で押し込む、所謂MIM(Metal Injection Molding)により成形されている。こうしたMIMによって成形される焼結合金であれば、加工度が高く複雑な形状であっても容易に、かつ精度良く所望の形状・寸法に成形することができる。
本実施形態では、前記金属粉として、後に浸炭焼入が可能な材質、例えば、C(炭素)が0.13wt%、Ni(ニッケル)が0.21wt%、Cr(クロム)が1.1wt%、Cu(銅)が0.04wt%、Mn(マンガン)が0.76wt%、Mo(モリブデン)が0.19wt%、Si(シリコン)が0.20wt%、残りがFe(鉄)等からなるSCM415を例示することができる。駒部材5は、浸炭焼入れおよび焼戻し温度を調整して行われる。また、駒部材5の材料としてこれ以外にも、Niが3.0〜10.0wt%含有し、加工性、耐食性に優れた材料(日本粉末冶金工業規格のFEN8)、あるいは、Cが0.07wt%、Crが17wt%、Niが4wt%、Cuが4wt%、残りがFe等からなる析出硬化系ステンレスSUS630であっても良い。このSUS630は、固溶化熱処理で硬さを適切に上げることができ、強靭性と高硬度を確保することができる。
駒部材5をSCM415等の浸炭材で形成する場合は、駒部材5は浸炭焼入れおよび、焼戻し温度調整によるか、もしくは浸炭焼入れによって表面硬さが30〜40HRCの範囲になるように硬化処理されると共に、高周波テンパー装置を用いて、図2(b)に示す加締部14、すなわち、図3(a)に示すガイド壁13が焼戻しされ、硬さが15〜30HRCの範囲になるように設定されている。
ここで、浸炭焼入れによる硬化層の表面硬さが15HRC未満であれば、連結溝5aの耐圧痕性や耐摩耗性が不足し、30HRCを超えると駒部材5の熱処理変形が大きくなって好ましくない。また、焼戻しによるガイド壁13の硬さが15HRC未満であれば加締部強度が不足し、30HRCを超えると、加締加工時にクラック等が発生する恐れがあって好ましくない。なお、浸炭焼入れ以外に、これらを調質処理により所定の表面硬さに硬化させるようにしても良い。一方、駒部材5をSUS630等の析出硬化系ステンレスで形成する場合は、固溶化熱処理で硬さが30HRC以下になるように設定されている。このSUS630は、所定の温度に加熱した後急冷することにより、合金元素が容易に固溶化する特徴を有している。
駒部材5がこれら浸炭材あるいは析出硬化系ステンレスをMIMにより成形された焼結合金からなるので、大きな応力が発生する少なくとも連結溝5aは耐圧痕性や耐摩耗性を充分有する。また、加締部14となるガイド壁13の靭性が高く、駒部材5をナット3に加締固定する際に割れ等の発生を防止することができる。
ここで、本実施形態では、駒部材5における頭部11の凹み部12、12の間にリブ15が形成されている。このリブ15は三角形状をなし、ガイド壁13と略同じ高さに外径側に突出して形成されている。これにより、駒部材5をナット3の駒窓6に位置決めする時、このリブ15を保持して微調整することができるだけでなく、焼結工程で駒部材5の変形を抑制することができる。すなわち、この駒部材5は、MIM成形する際、ガイド壁13が下方に向けて載置された状態、つまり、炉中の床面に配列された状態で焼結されるが、この炉中では雰囲気温度が金属粉末の再結晶温度以上に上昇している。このため、駒部材5が高温で柔らかくなっており、自重によってガイド壁13が変形する恐れがある。その時、ガイド壁13と略同じ高さに形成されたリブ15が駒部材5の自重を支持してガイド壁13が変形するのを抑制し、金型で成形された駒部材5の精度を維持することができる。なお、このリブ15は三角形状に限らず、ガイド壁13と略同じ高さに形成されていれば良く、例えば、矩形状に形成されていても良く、また、複数個形成されていても良い。
ボール4の組み込みは、ナット3の駒窓6に駒部材5をナット3の内径側から装着した後、ねじ軸1の軸端からナット3を当てがい、ボール4を両ねじ溝2a、3a間に順次挿入しながらナット3を回転させ、ナット3をねじ軸1に移動させることによって行う。なお、これ以外にも、ナット3の駒窓6に駒部材5を装着した後、仮軸を用いてボール4を同様に挿入するようにしても良い。
次に、図4を用いて、ナット3に駒部材5を組み立てる手順を説明する。先ず、(a)に示すように、ナット3の駒窓6の内方位置に駒部材5を配置し、駒部材5のガイド壁13がナット3の周方向に対向するよう、駒窓6と駒部材5との位置合わせを行う。そして、(b)に示すように、駒部材5を駒窓6の内方から弾性装着する。最後に、(c)に示すように、駒部材5の胴部10を駒窓6にフィットさせ、駒部材5のガイド壁13、13を加締めてナット3に固定する。
本実施形態では、ナット3の胴部に断面略円形の駒窓6が形成され、この駒窓6に嵌合される駒部材5が、焼結合金をMIMによって成形することによって断面略円形に形成されると共に、胴部10の両側に一対のアーム9が突設され、これらアーム9、9をナット3のねじ溝3aに係合させているため、駒窓6の加工工数が削減できて低コスト化を図ることができると共に、ナット3に対して駒部材5を精度良く、かつ、容易に位置決め固定することができる。また、駒部材5の対向するガイド壁13、13間に、これらガイド壁13と略同じ高さにリブ15が外径側に突出して形成されているので、焼結工程で駒部材5の変形を抑制することができ、金型で成形された駒部材5の精度を維持することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る駒式ボールねじは、自動車の電動アクチュエータ等に使用される駒式ボールねじに適用することができる。
(a)は、本発明に係る駒式ボールねじの一実施形態を示す平面図である。 (b)は、同上縦断面図である。 (a)は、本発明に係るナットを示す断面斜視図である。 (b)は、同上、横断面図である。 (a)は、本発明に係る駒部材を示す斜視図である。 (b)は、同上、下方から見た平面図である。 (a)〜(c)は、ナットに駒部材を組み立てる手順を示す説明図である。 (a)は、従来の駒式ボールねじを示す縦断面図である。 (b)は、同上横断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・ボールねじ
2・・・・・・・・・・ねじ軸
2a、3a・・・・・・ねじ溝
3・・・・・・・・・・ナット
4・・・・・・・・・・ボール
5、15・・・・・・・駒部材
5a・・・・・・・・・連結溝
6・・・・・・・・・・駒窓
6a・・・・・・・・・縁部
7・・・・・・・・・・駒窓縁
8・・・・・・・・・・溝縁部
9・・・・・・・・・・アーム
10・・・・・・・・・胴部
11、16・・・・・・頭部
12・・・・・・・・・凹み部
13・・・・・・・・・ガイド壁
14・・・・・・・・・加締部
15・・・・・・・・・リブ
50・・・・・・・・・回転ナット
50a・・・・・・・・ナット本体
51・・・・・・・・・駒部材嵌合用開口
52・・・・・・・・・駒部材
52a・・・・・・・・連結溝
53・・・・・・・・・内ねじ溝
54・・・・・・・・・アーム
55・・・・・・・・・凹み部
56・・・・・・・・・ガイド壁
57・・・・・・・・・係合段部
58・・・・・・・・・繋ぎ部
59・・・・・・・・・ボール
θ・・・・・・・・・・傾斜角

Claims (5)

  1. 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、
    対向する両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、
    前記ナットの胴部に穿設された駒窓に嵌合され、前記転動路を周回経路とする連結溝が形成された駒部材とを備え、
    この駒部材を塑性変形させて形成した加締部によって当該駒部材が前記駒窓に固定された駒式ボールねじにおいて、
    前記駒部材がMIMによって成形される焼結合金で形成され、両側にアームが突設された胴部と、この胴部から外径側に延びる頭部とからなり、前記アームが前記ナットのねじ溝に係合されて前記ナットに位置決めされると共に、前記頭部に前記加締部となる一対のガイド壁が対向配置され、これらガイド壁の間にリブが外径側に突出して形成されていることを特徴とする駒式ボールねじ。
  2. 前記リブが前記ガイド壁と略同じ高さに形成されている請求項1に記載の駒式ボールねじ。
  3. 前記駒窓が断面略円形に形成され、この駒窓に対応して前記駒部材が断面円形に形成されている請求項1または2に記載の駒式ボールねじ。
  4. 前記加締部の傾斜角度が20〜45°の範囲に設定されている請求項1乃至3いずれかに記載の駒式ボールねじ。
  5. 前記駒部材が浸炭材の金属粉からなる焼結合金で構成され、浸炭焼入れによって硬化処理されると共に、前記ガイド壁が焼戻しによって硬さが15〜30HRCの範囲に設定されている請求項1乃至4いずれかに記載の駒式ボールねじ。
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