JP2007204741A - ポリエステル樹脂組成物およびそれからなるポリエステル成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 成形時のアセトアルデヒドの生成が抑制され、色相や透明性に優れ、透明性の変動、結晶化速度および結晶化速度変動の点で問題がなく、また耐熱性に優れた中空成形体、特に耐圧性や耐熱耐圧性に優れた中空成形品を高速成形により効率よく生産することができるポリエステル樹脂組成物及びその用途を提供することを目的とする。
【解決手段】 加熱溶融前後の環状エステルオリゴマー増加量が0.40重量%以下であるポリエステル樹脂と、少なくとも1種のアルデヒド低減剤を主成分として含むことを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】 加熱溶融前後の環状エステルオリゴマー増加量が0.40重量%以下であるポリエステル樹脂と、少なくとも1種のアルデヒド低減剤を主成分として含むことを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、飲料用ボトルをはじめとする中空成形体、シート状物、延伸フィルムなどの成形体や、紙、フィルムなどの基材の上にコートされた被覆物(以下、これらの用途を「成形体」と称することがある)あるいは繊維などの素材として好適に用いられるポリエステル樹脂組成物及びそれから成るポリエステル成形体、特に成形時のアセトアルデヒドの生成が抑制され、色相や透明性に優れ、透明性の変動、結晶化速度および結晶化速度変動の点で問題がなく、また耐熱性に優れた中空成形体や透明性、滑り性及び成形後の寸法安定性に優れたシート状物及び延伸フィルムなどの成形体や基材上への被覆物などの用途に関するものである。
ポリエチレンテレフタレ−ト(以下、PETと略称することがある)などのポリエステルは、機械的性質及び化学的性質が共に優れているため、工業的価値が高く、繊維、フィルム、シ−ト、ボトルなどとして広く使用されている。
調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの容器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目的に応じて種々の樹脂が採用されている。
調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの容器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目的に応じて種々の樹脂が採用されている。
これらのうちでポリエステルは機械的強度、耐熱性、透明性およびガスバリヤ−性に優れているので、特にジュ−ス、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器等の成形体の素材として最適である。
このようなポリエステルは、例えば、射出成形機械などの成形機に供給して中空成形体用プリフォ−ムを成形し、このプリフォ−ムを所定形状の金型に挿入し延伸ブロ−成形して清涼飲料用中空成形容器としたり、またプリフォーム口栓部を熱処理(口栓部結晶化)後に延伸ブロー成形および胴部を熱処理(ヒ−トセット)して耐熱性または耐熱圧性中空成形容器に成形されるのが一般的である。
このようなポリエステルは、例えば、射出成形機械などの成形機に供給して中空成形体用プリフォ−ムを成形し、このプリフォ−ムを所定形状の金型に挿入し延伸ブロ−成形して清涼飲料用中空成形容器としたり、またプリフォーム口栓部を熱処理(口栓部結晶化)後に延伸ブロー成形および胴部を熱処理(ヒ−トセット)して耐熱性または耐熱圧性中空成形容器に成形されるのが一般的である。
しかしながら、PETは、溶融重縮合時の副生物としてアセトアルデヒド(以下、AAと略称することがある)を含有する。また、PETは、中空成形体等の成形体を熱成形する際に熱分解によりアセトアルデヒドを生成し、得られた成形体の材質中のアセトアルデヒド含有量が多くなり、中空成形体等に充填された飲料等の風味や臭いに影響を及ぼす。
近年、ポリエチレンテレフタレ−トを中心とするポリエステル製容器は、ミネラルウオータやウーロン茶等の低フレーバー飲料用の容器として使用されるようになってきた。このような飲料の場合は、一般にこれらの飲料を熱充填したり、または充填後加熱して殺菌されるが、飲料容器のアセトアルデヒド含有量の低減がますます重要になって来ている。また、飲料用金属缶については、工程簡略化、衛生性、公害防止等の目的から、その内面にエチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とするポリエステルフィルムを被覆した金属板を利用して製缶する方法が採られるようになってきた。この場合にも、内容物を充填後高温で加熱殺菌されるが、この際、十分にアセトアルデヒド含有量の低いフィルムを使用することが内容物の風味や臭いの改善に必須要件であることが分かってきた。
このような理由から、従来からポリエステル中のアセトアルデヒド含有量を低減させるために種々の方策が採られてきた。これらの方策として、例えば、溶融重縮合したポリエステルを固相重合することによってAA含有量を低下させる方法(例えば、特許文献1参照)、融点がより低い共重合ポリエステルを使用して成形時のAA生成を低下させる方法(例えば、特許文献2参照)、溶融重合によって得られたポリエステルプレポリマーを減圧下または不活性気体の流通下で固相重合に付することにより、オリゴマーおよびアルデヒドを低下させる方法(例えば、特許文献3、4参照)、ポリエステルプレポリマーを水分率が2000ppm以上となるように調湿した後、結晶化および固相重合する方法(例えば、特許文献5参照)、ポリエステル粒子を50〜200℃の熱水で処理した後、減圧下または不活性気体流通下、加熱処理する方法(例えば、特許文献6参照)、固相重合の前後に水または有機溶媒で抽出、洗浄処理する方法(例えば、特許文献7参照)、熱成形時における成形温度を可及的に低くする方法および熱成形時におけるせん断応力を可及的に小さくする方法などが提案されている。しかしながら、これらの方法で得られるポリエステルを用いた成形体であっても、オリゴマーおよびアセトアルデヒドを問題ない水準に低減できているとは言えず問題は未解決である。
このような問題点をさらに解決する方法として、ポリエチレンテレフタレ−トを水と接触処理することによって触媒を失活さす方法(例えば、特許文献8、9参照)および水処理することによって触媒を失活させたPET(例えば、特許文献10参照)が開示されている。しかしながら、このような水との接触処理による触媒失活方法は、重縮合触媒としてゲルマニウム化合物を用いて製造したポリエステルにしか効果が無く、アンチモン化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物などを触媒として用いて製造したポリエステル中のこれらの触媒の失活にはほとんど効果が無いために成形時のAA含有量の増加を抑制さすことはできず、成形体の内容物の風味や臭いなどの特性がほとんど改良されないこと、さらには、前記処理のための装置と乾燥装置が必要となるために設備投資費用と処理費用が余分にかかるために原価上昇を招き採算性が悪くなるという問題がある。
また、リン化合物を含有する熱可塑性樹脂をPETに混練りすることによって重縮合触媒を失活させる方法(例えば、特許文献11参照)が開示されている。しかし、AA含有量の低減効果は不足しており、透明性および香味保持性などに優れた成形体を安定して常時得るのが難しいという問題がる。
さらにまた、PETにポリアミド樹脂を添加する方法(例えば、特許文献12参照)やPETにヒドロキシル基を含む化合物を含むポリマー添加物(例えば、特許文献13参照)が開示されているが、これらの技術によってもAA含有量の低減効果は不足しており香味保持性などに優れた成形体を得るのが難しいという問題があり解決が望まれている。
さらにまた、PETにポリアミド樹脂を添加する方法(例えば、特許文献12参照)やPETにヒドロキシル基を含む化合物を含むポリマー添加物(例えば、特許文献13参照)が開示されているが、これらの技術によってもAA含有量の低減効果は不足しており香味保持性などに優れた成形体を得るのが難しいという問題があり解決が望まれている。
本発明は、上記従来の方法の有する問題点を解決し、成形時のアセトアルデヒドの生成が抑制され、色相や透明性に優れ、透明性の変動、結晶化速度および結晶化速度変動の点で問題がなく、また耐熱性に優れた中空成形体、特に耐圧性や耐熱耐圧性に優れた中空成形品を高速成形により効率よく生産することができるポリエステル樹脂組成物及びその用途を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明のポリエステル樹脂組成物は、加熱溶融前後の環状エステルオリゴマー増加量が0.40重量%以下であるポリエステル樹脂と、少なくとも1種のアルデヒド低減剤を主成分として含むことを特徴とするポリエステル樹脂組成物である。加熱溶融前後の環状エステルオリゴマー増加量は、好ましくは0.30重量%以下、さらに好ましくは0.20重量%以下、最も好ましくは0.10重量%以下であることが好ましい。
加熱溶融した時の環状エステルオリゴマーの増加量が0.40重量%を越えると、成形の樹脂溶融時に環状エステルオリゴマー量が増加し、溶融押出成形機のベント孔の詰まり、溶融樹脂押出ノズルやダイスの汚れ、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加し、これらの個所の清浄化に多大の労力、時間がかかるなどの問題や得られた中空成形体等の成形体の透明性が非常に悪化するという問題が生じる。また、環状エステルオリゴマー増加量の下限値は0.01重量%程度であり、下限値をこれ未満に減少させても前記問題点に対する経済的効果は非常に少ない。
加熱溶融前後の環状エステルオリゴマー増加量が0.40重量%以下であるポリエステル樹脂は、重縮合に用いる触媒金属化合物を下記に説明するようにして失活処理することによって得られる。
ここで、加熱溶融前後の環状エステルオリゴマー増加量は、ポリエステル樹脂からの成形体をX℃の温度で60分間加熱溶融する際の環状エステルオリゴマー増加量であり、下記の「測定法」の項で説明する成形方法によってポリエステル樹脂から得られた段付成形板からの試料について求めた値である。なお、温度X℃は、下記のPET系ポリエステル樹脂、PBT系ポリエステル樹脂、PTT系ポリエステル樹脂、その他の融点が285℃以下のポリエステル樹脂などのポリエステル樹脂の場合は290℃であり、PEN系ポリエステル樹脂の場合は300℃である。
ここで、加熱溶融前後の環状エステルオリゴマー増加量は、ポリエステル樹脂からの成形体をX℃の温度で60分間加熱溶融する際の環状エステルオリゴマー増加量であり、下記の「測定法」の項で説明する成形方法によってポリエステル樹脂から得られた段付成形板からの試料について求めた値である。なお、温度X℃は、下記のPET系ポリエステル樹脂、PBT系ポリエステル樹脂、PTT系ポリエステル樹脂、その他の融点が285℃以下のポリエステル樹脂などのポリエステル樹脂の場合は290℃であり、PEN系ポリエステル樹脂の場合は300℃である。
この場合において、射出成形して得られた成形体のカラーb値が、5.0以下であることができる。
この場合において、前記ポリエステル樹脂が、重縮合触媒としてAl、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Nb、Mo、In、Taからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含む化合物を含有するポリエステル樹脂(1)と、リン化合物をリン原子として100〜10000ppmの量含有するポリエステル樹脂(2)と、から成るポリエステル樹脂(3)であることができる。
本発明に係るポリエステル樹脂(2)は、リン化合物をリン原子として、好ましくは200〜8000ppm、更に好ましくは300〜6000ppm含有するポリエステル樹脂であって、ポリエステル樹脂(2)に含まれるリン原子が100ppm未満ではポリエステル樹脂(1)中の重縮合触媒の失活を抑制するためにはポリエステル樹脂(2)の配合量を多くすることが必要となり、得られた成形体の耐熱性、機械的特性などが悪くなったり、また、相溶性が低下するために得られた成形体のヘイズが高くなり問題である。また、10000ppmを超えると重合速度が速くなりゲル化する場合があり、正常な生産が不可能となる場合が有り問題である。
すなわち、ポリエステル樹脂(1)中に残存する重縮合触媒をポリエステル樹脂(2)に含まれるリン化合物によって失活させることにより、これらからなるポリエステル樹脂(3)を成形する際に副生するアルデヒド類の副生量を減少させることが可能であるが、これにアルデヒド低減剤を配合することによって、透明性や色相を悪化させずに、より一層アルデヒド類の副生量を低減できることが判明したのである。
この場合において、前記ポリエステル樹脂(1)が、少なくとも2種の、実質的に同一組成のポリエステルを主成分として含むポリエステル樹脂であって、前記ポリエステルの極限粘度の差が0.05〜0.30デシリットル/グラムの範囲であり、前記ポリエステルの昇温時の結晶化温度の差が15℃以内で、かつ降温時の結晶化温度の差が20℃以内であることが好ましい。
この場合において、前記ポリエステル樹脂(2)が、Zn原子、Fe原子、Ni原子、Cr原子からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属原子を下記の式(1)〜(4)を満足する量含有することができる。
Cr ≦ 10ppm (1)
Fe ≦ 30ppm (2)
Ni ≦ 5ppm (3)
Zn ≦ 5ppm (4)
Cr ≦ 10ppm (1)
Fe ≦ 30ppm (2)
Ni ≦ 5ppm (3)
Zn ≦ 5ppm (4)
この場合において、アルデヒド低減剤がポリエステルアミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
この場合において、アルデヒド低減剤が、低分子量のアミノ基含有化合物、低分子量の水酸基含有化合物から選ばれる少なくとも一種を含むことができる。
この場合において、ポリアミドが、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とからなる繰り返し単位を少なくとも70モル%以上含むポリアミドであることができる。
この場合において、前記のポリエステル樹脂組成物を溶融成形してなるポリエステル成形体であり、前記ポリエステル成形体が、中空成形体、シ−ト状物あるいはこのシート状物を少なくとも一方向に延伸してなる延伸フィルムのいずれかであることを特徴とするポリエステル成形体である。
また、この場合において、前記のポリエステル樹脂組成物を基材上に溶融押出してなることを特徴とする被覆物であることができる。
さらにまた、前記ポリエステル樹脂組成物は、溶融成形してポリエステル繊維とすることができる。
前記ポリエステル樹脂組成物は、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類含有量が少なく、香味保持性、色相、透明性に優れ、また、環状エステルオリゴマー含有量が少なく、連続成形時に金型汚れの発生がほとんど無く、したがって、透明性に優れ、透明性の変動が少ない成形体、例えば、中空成形体、シート状物、延伸フィルムなど、あるいは、前記ポリエステル樹脂組成物を基材上に溶融押出してなる被覆物や繊維を与えることができる。
本発明は、流動特性が改良されるために成形時のアルデヒド発生量が少なく、また色相や透明性に優れ、透明性の変動、結晶化速度および結晶化速度変動の点で問題がなく、かつ成形体とした際には耐圧性などの機械的特性に優れた成形体を与えるポリエステル樹脂組成物を提供する。また、本発明のポリエステル樹脂組成物は流動特性が改良されるので成形時の歪みが少なく、耐熱寸法安定性の優れた成形体、特に中空成形品を高速成形により効率よく生産することができ、なおかつ、非常に耐熱性が良好な成形体や基材上への被覆物や繊維などを提供する。
以下に本発明の実施の形態を具体的に説明する。
(ポリエステル樹脂(1))
本発明に係るポリエステル樹脂(1)は、ポリエステルの酸成分の50モル%以上およびグリコール成分の50モル%以上、好ましくは、酸成分の70モル%以上およびグリコール成分の70モル%以上、さらに好ましくは、酸成分の80モル%以上およびグリコール成分の80モル%以上、特に好ましくは、酸成分の90モル%以上およびグリコール成分の90モル%以上、最も好ましくはポリエステルの酸成分の95モル%以上およびグリコール成分の95モル%以上が、それぞれ、同一の酸成分および同一のグリコール成分であるポリエステル樹脂である。
(ポリエステル樹脂(1))
本発明に係るポリエステル樹脂(1)は、ポリエステルの酸成分の50モル%以上およびグリコール成分の50モル%以上、好ましくは、酸成分の70モル%以上およびグリコール成分の70モル%以上、さらに好ましくは、酸成分の80モル%以上およびグリコール成分の80モル%以上、特に好ましくは、酸成分の90モル%以上およびグリコール成分の90モル%以上、最も好ましくはポリエステルの酸成分の95モル%以上およびグリコール成分の95モル%以上が、それぞれ、同一の酸成分および同一のグリコール成分であるポリエステル樹脂である。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物が延伸成形体の用途に用いられる場合には、本発明に係るポリエステル樹脂(1)は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とから得られる熱可塑性ポリエステルであり、好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の85モル%以上含むポリエステルであり、より好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の90モル%以上含むポリエステルであり、さらに好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の93モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の95モル%以上含むポリエステルである。
本発明に係るポリエステル樹脂(1)を構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニール−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、グルタル酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げられる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)を構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が挙げられる。
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニール−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸、3−ヒドロキシ酪酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸、グリコール酸、リンゴ酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類などが挙げられる。
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのグリコールとしては、ジエチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ダイマーグリコール等の脂肪族グリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,5−ノルボルナンジメチロール等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
さらに、前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としての多官能化合物としては、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができ、グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使用量は、ポリエステルが実質的に線状を維持する程度でなければならない。また、単官能化合物、例えば安息香酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
本発明に係るポリエステル樹脂(1)の好ましい一例は、主たる構成単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステル(以下、PET系ポリエステルと略称することがある)であり、好ましくはエチレンテレフタレート単位を50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含み、共重合成分としてイソフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、コハク酸などを含む共重合ポリエステルであり、特に好ましくはエチレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステル樹脂(1)の例としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称)、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレン−2,6−ナフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−ジオキシエチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−1,3−プロピレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンシクロヘキシレンジカルボキシレート)共重合体、テレフタル酸を主酸成分としエチレングリコールおよびネオペンチルグリコールを主グリコール成分とする共重合ポリエステルなどが挙げられる。
これらポリエステル樹脂(1)の例としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称)、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレン−2,6−ナフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−ジオキシエチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−1,3−プロピレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンシクロヘキシレンジカルボキシレート)共重合体、テレフタル酸を主酸成分としエチレングリコールおよびネオペンチルグリコールを主グリコール成分とする共重合ポリエステルなどが挙げられる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)の好ましいその他の一例は、主たる構成単位がエチレン−2、6−ナフタレートから構成されるポリエステル(以下、PEN系ポリエステルと略称することがある)であり、好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート単位を50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは、エチレン−2、6−ナフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステル樹脂(1)の例としては、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−エチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−ジオキシエチレン−2,6−ナフタレート)共重合体などが挙げられる。
これらポリエステル樹脂(1)の例としては、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−エチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−ジオキシエチレン−2,6−ナフタレート)共重合体などが挙げられる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)の好ましいその他の例としては、主たる構成単位が1,3−プロピレンテレフタレートから構成されるポリエステル(以下、PTT系ポリエステルと略称することがある)であり、好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステル樹脂(1)の例としては、ポリプロピレンテレフタレート(PTT)、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート−1,3−プロピレンイソフタレート)共重合体、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体などが挙げられる。
さらにまた、本発明に係るポリエステル樹脂(1)の好ましいその他の例としては、主たる構成単位がブチレンテレフタレートから構成されるポリエステル(以下、PBT系ポリエステルと略称することがある)であり、好ましくはブチレンテレフタレート単位を50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくはブチレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステル樹脂(1)の例としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ(ブチレンテレフタレート−ブチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(ブレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート−1,3−プロピレンテレフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート−ブチレンシクロヘキシレンジカルボキシレート)共重合体などが挙げられる。
また本発明に係るポリエステル樹脂(1)の好ましいその他の例としては、主たる構成単位が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を55モル%以上、、さらに好ましくは1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を80モル%以上、特に好ましいくは1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステルの例としては、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート−エチレンテレフタレート)共重合体などが挙げられる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)の好ましいその他の一例は、主たる構成単位が乳酸単位から構成されるポリエステルであり、好ましくは乳酸単位を55モル%以上、さらに好ましくは乳酸単位を80モル%以上、さらに好ましくは乳酸単位を90モル%以上、特に好ましくは乳酸単位を95モル%以上含むポリエステルである。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)の好ましいその他の一例は、主たる構成単位がグリコール酸単位から構成されるポリエステルであり、好ましくはグリコール酸単位を55モル%以上、さらに好ましくはグリコール酸単位を80モル%以上、さらに好ましくはグリコール酸単位を90モル%以上、特に好ましくはグリコール酸単位を95モル%以上含むポリエステルである。
さらにまた、本発明に係るポリエステル樹脂(1)の好ましいその他の一例は、主たる構成単位がコハク酸単位から構成されるポリエステルであり、好ましくはコハク酸単位を55モル%以上、さらに好ましくはコハク酸単位を80モル%以上、さらに好ましくはコハク酸単位を90モル%以上、特に好ましくはコハク酸単位を95モル%以上含むポリエステルである。特に共重合ポリエステルのグリコール成分の60モル%以上が1,4−ブタンジオールであるポリエステルが好ましい。
代表的な例としてはポリブチレンサクシネートやポリブチレンサクシネート・アジペート共重合ポリエステルが挙げられる。
代表的な例としてはポリブチレンサクシネートやポリブチレンサクシネート・アジペート共重合ポリエステルが挙げられる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)としては、前記の各種ポリエステル樹脂の少なくとも2種の混合物であってもよく、これらの例としては、PETとPENの混合物、PETとPBTの混合物などが挙げられる。
本発明に係るポリエステル樹脂(1)は、基本的には従来公知の溶融重縮合法、あるいは、この方法で製造されたプレポリマーの固相重合法によって製造することが出来る。溶融重縮合反応は1段階で行っても良いし、また、多段階に分けて行っても良い。これらは回分式反応装置から構成されていてもよいし、また、連続式反応装置から構成されていてもよい。また、溶融重縮合工程と固相重合工程は連続的に運転してもよいし、分割して運転してもよい。
以下に、ポリエチレンテレフタレート(PET)を例にして、本発明に係るポリエステル樹脂(1)の好ましい連続式製造方法の一例について説明するが、これに限定されるものではない。即ち、テレフタル酸とエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した後、重縮合触媒の存在下に減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、重縮合触媒の存在下に減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。また、極限粘度を増大させたり、低フレーバー飲料用耐熱容器や飲料用金属缶の内面用フィルム等のように低アセトアルデヒド含有量や低環状3量体含有量とするために、このようにして得られた溶融重縮合されたポリエステルは、引き続き、固相重合される。
前記の出発原料であるテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸またはエチレングリコールとしては、パラキシレンから誘導されるバージンのジメチルテレフタレート、テレフタル酸あるいはエチレンから誘導されるエチレングリコールは勿論のこと、使用済みPETボトルからメタノール分解やエチレングリコール分解などのケミカルリサイクル法により回収したジメチルテレフタレート、テレフタル酸、ビスヒドロキシエチルテレフタレートあるいはエチレングリコールなどの回収原料も、出発原料の少なくとも一部として利用することが出来る。前記回収原料の品質は、使用目的に応じた純度、品質に精製されていなければならないことは言うまでもない。
重縮合反応は、重縮合触媒を用いて行う。重縮合触媒としては、主としてAl、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Nb、Mo、In、Taからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含む化合物と、必要に応じてGe化合物、Sb化合物などの第2金属化合物から選ばれる少なくとも1種が用いられることが好ましい。これらの化合物は、粉体、水溶液、エチレングリコール溶液、エチレングリコールのスラリー等として反応系に添加される。
Ti化合物としては、具体的には、例えば、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のテトラアルキルチタネートおよびそれらの部分加水分解物、酢酸チタン、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン、チタンハロゲン化物の加水分解物、シュウ化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸アンモニウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、チタンアセチルアセトナート、チタンおよびケイ素あるいはジルコニウムからなる複合酸化物、チタンアルコキサイドとリン化合物の反応物、チタンアルコキサイドと芳香族多価カルボン酸またはその無水物との反応物にリン化合物を反応させて得た反応生成物等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマー中のTi残存量として0.1〜50ppmの範囲になるように添加する。
Al化合物としては、具体的には、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド、アルミニウムn-プロポキサイド、アルミニウムiso-プロポキサイド、アルミニウムn-ブトキサイド、アルミニウムt−ブトキサイドなどアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジiso-プロポキサイドなどのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらのうちカルボン酸塩、無機酸塩およびキレート化合物が好ましく、これらの中でもさらに塩基性酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセトネートがとくに好ましい。Al化合物は、生成ポリマー中のAl残存量として5〜200ppmの範囲になるように添加する。
これらのアルミニウム化合物の中でも、アルミニウム含有量が高い酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウムが好ましく、さらに溶解度の観点から酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウムが好ましい。さらに、装置を腐食しない観点から、酢酸アルミニウムの使用がとくに好ましい。
ここで、水酸化塩化アルミニウムは一般にポリ塩化アルミニウムや塩基性塩化アルミニウムなどとも呼ばれるものの総称であり、水道用に使われるものなどが使用できる。これらは、例えば一般構造式[Al2(OH)nCl6−n]m(ただし1≦n≦5)で表される。これらの中でも、装置を腐食しない観点から塩素含有量の少ないものが好ましい。
上記の酢酸アルミニウムは、塩基性酢酸アルミニウム、トリ酢酸アルミニウム、酢酸アルミニウム溶液などに代表される酢酸のアルミニウム塩の構造を有するものの総称であり、これらの中でも、溶解性および溶液の安定性の観点から、塩基性酢酸アルミニウムの使用が好ましい。塩基性酢酸アルミニウムの中でも、モノ酢酸アルミニウム、ジ酢酸アルミニウム、あるいはこれらがホウ酸で安定化されたものが好ましい。塩基性酢酸アルミニウムの安定剤としては、ホウ酸以外に尿素、チオ尿素などが挙げられる。
上記のアルミニウム化合物は水やグリコールなどの溶剤に可溶化したものが好ましい。本発明で使用できる溶媒とは、水およびアルキレングリコール類である。アルキレングリコール類には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。好ましくは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、さらに好ましくはエチレングリコールである。水および/またはエチレングリコールに可溶化したものを用いることが本発明の効果を顕著に発現することができるので好ましい。
Al化合物は、生成ポリマー中のAl残存量として5〜200ppmの範囲になるように添加する。
重縮合触媒としてAl化合物を用いる場合は、リン化合物と併用することが好ましく、このようなP化合物としては、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種のリン化合物であることが好ましい。これらのリン化合物を用いることで触媒活性の向上効果が見られるとともに、ポリエステルの熱安定性等の物性が改善する効果が見られる。これらの中でも、ホスホン酸系化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
本発明で言うホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物とは、それぞれ下記化学式(化1)〜(化6)で表される構造を有する化合物のことを言う。
本発明で用いられるホスホン酸系化合物としては、例えば、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチルなどが挙げられる。本発明で用いられるホスフィン酸系化合物としては、例えば、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニルなどが挙げられる。本発明で用いられるホスフィンオキサイド系化合物としては、例えば、ジフェニルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物の中では、本発明で用いられるリン化合物としては、下記化学式(化7)〜(化12)で表される化合物が好ましい。
上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
また、本発明で用いられるリン化合物としては、下記化学式(化13)〜(化15)で表される化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が特に大きく好ましい。
(化学式(化13)〜(化15)中、R1、R4、R5、R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
本発明で用いられるリン化合物としては、上記化学式(化13)〜(化15)中、R1、R4、R5、R6が芳香環構造を有する基である化合物がとくに好ましい。
本発明で用いられるリン化合物としては、例えば、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらのうちで、フェニルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチルがとくに好ましい。
上述したリン化合物の中でも、本発明では、リン化合物としてリンの金属塩化合物がとくに好ましい。リンの金属塩化合物とは、リン化合物の金属塩であれば特に限定はされないが、ホスホン酸系化合物の金属塩を用いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。リン化合物の金属塩としては、モノ金属塩、ジ金属塩、トリ金属塩などが含まれる。
また、上記したリン化合物の中でも、金属塩の金属部分が、Li、Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgがとくに好ましい。
本発明で用いられるリンの金属塩化合物としては、下記化学式(化16)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
(化学式(化16)中、R1は水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
上記のR1としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。R3O−としては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
上記化学式(化16)で表される化合物の中でも、下記化学式(化17)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
(化学式(化17)中、R1は水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
上記のR1としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。R3O−としては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
上記化学式(化17)の中でも、Mが、Li,Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgがとくに好ましい。
本発明で用いられるリンの金属塩化合物としては、リチウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、カリウム[(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、リチウム[ベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[ベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベリリウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ストロンチウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、マンガンビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸]、ナトリウム[(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−クロロベンジルホスホン酸フェニル]、マグネシウムビス[4−クロロベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−アミノベンジルホスホン酸メチル]、マグネシウムビス[4−アミノベンジルホスホン酸メチル]、フェニルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[フェニルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[フェニルホスホン酸エチル]などが挙げられる。これらの中で、リチウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、リチウム[ベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[ベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸]がとくに好ましい。
上述したリン化合物の中でも、本発明では、リン化合物としてP−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物がとくに好ましい。これらのリン化合物を含有することでポリエステルの物性改善効果がとくに高まることに加えて、ポリエステルの重合時に、これらのリン化合物を本発明で用いられるアルミニウム化合物と共存して用いることで触媒活性の向上効果が大きく見られる。
P−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物とは、分子内にP−OHを少なくとも一つ有するリン化合物であれば特に限定はされない。これらのリン化合物の中でも、P−OH結合を少なくとも一つ有するホスホン酸系化合物を用いるとアルミニウム化合物との錯体形成が容易になり、ポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
P−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物とは、分子内にP−OHを少なくとも一つ有するリン化合物であれば特に限定はされない。これらのリン化合物の中でも、P−OH結合を少なくとも一つ有するホスホン酸系化合物を用いるとアルミニウム化合物との錯体形成が容易になり、ポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
本発明で用いられるP−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物としては、下記一般式(化18)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
(化学式(化18)中、R1は水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
上記のR1としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。
上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
本発明で用いられるP−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物としては、(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、(1−ナフチル)メチルホスホン酸、(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホスホン酸エチル、ベンジルホスホン酸、(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチル、4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、2−メチルベンジルホスホン酸エチル、4−クロロベンジルホスホン酸フェニル、4−アミノベンジルホスホン酸メチル、4−メトキシベンジルホスホン酸エチルなどが挙げられる。これらの中で、(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホスホン酸エチルがとくに好ましい。
本発明で用いられる好ましいリン化合物としては、化学式(化19)であらわされるリン化合物が挙げられる。
(化学式(化19)中、R1は炭素数1〜49の炭化水素基、または水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜49の炭化水素基を表し、R2,R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基は脂環構造や分岐構造や芳香環構造を含んでいてもよい。)
また、更に好ましくは、化学式(化19)中のR1,R2,R3の少なくとも一つが芳香環構造を含む化合物である。
これらのリン化合物の具体例を以下に示す。
また、本発明で用いられるリン化合物は、分子量が大きいものの方が重合時に留去されにくいため効果が大きく好ましい。
本発明で用いられるリン化合物は、フェノール部を同一分子内に有するリン化合物であることが好ましい。フェノール部を同一分子内に有するリン化合物を含有することでポリエステルの物性改善効果が高まることに加えて、ポリエステルの重合時にフェノール部を同一分子内に有するリン化合物を用いることで触媒活性を高める効果がより大きく、従ってポリエステルの生産性に優れる。
フェノール部を同一分子内に有するリン化合物としては、フェノール構造を有するリン化合物であれば特に限定はされないが、フェノール部を同一分子内に有する、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物を用いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらの中でも、一種または二種以上のフェノール部を同一分子内に有するホスホン酸系化合物を用いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果がとくに大きく好ましい。
本発明で用いられるフェノール部を同一分子内に有するリン化合物としては、下記化学式(化26)〜(化28)で表される化合物が好ましい。
(化学式(化26)〜(化28)中、R1はフェノール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基およびフェノール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4,R5,R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2,R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基などの置換基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は分岐構造やシクロヘキシル等の脂環構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。R2とR4の末端どうしは結合していてもよい。)
本発明で用いられるフェノール部を同一分子内に有するリン化合物としては、例えば、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメチル、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジエチル、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸メチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸フェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メチルホスフィンオキサイド、および下記化学式(化29)〜(化32)で表される化合物などが挙げられる。これらのうちで、下記化学式(化31)で表される化合物およびp−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメチルが特に好ましい。
上記の化学式(化31)にて示される化合物としては、SANKO−220(三光株式会社製)があり、使用可能である。
本発明で用いられるフェノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、下記化学式(化33)で表される特定のリンの金属塩化合物から選択される少なくとも一種がとくに好ましい。
(化学式(化33)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4O−としては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
これらの中でも、下記化学式(化34)で表される化合物から選択される少なくとも一種が好ましい。
(化学式(化34)中、Mn+はn価の金属カチオンを表す。nは1,2,3または4を表す。)
上記化学式(化33)または(化34)の中でも、Mが、Li,Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgがとくに好ましい。
本発明で用いられる特定のリンの金属塩化合物としては、リチウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、カリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、ベリリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル]、ストロンチウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、バリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル]、マンガンビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ニッケルビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、銅ビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]などが挙げられる。これらの中で、リチウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]がとくに好ましい。
本発明で用いられるフェノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、下記化学式(化35)で表されるP−OH結合を少なくとも一つ有する特定のリン化合物から選択される少なくとも一種がとくに好ましい。
(化学式(化35)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
これらの中でも、下記化学式(化36)で表される化合物から選択される少なくとも一種が好ましい。
(化学式(化36)中、R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基はシキロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
上記のR3としては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。
本発明で用いられるP−OH結合を少なくとも一つ有する特定のリン化合物としては、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸オクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸などが挙げられる。これらの中で、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチルがとくに好ましい。
本発明で用いられるフェノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、下記化学式(化37)で表される特定のリン化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合物が好ましい。
(上記化学式(化37)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
上記化学式(化37)の中でも、下記化学式(化38)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いるとポリエステルの物性改善効果や触媒活性の向上効果が高く好ましい。
(上記化学式(化38)中、R3、R4はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
上記化学式のR3、R4としては例えば、水素、メチル基、ブチル基等の短鎖の脂肪族基、オクタデシル等の長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基等の芳香族基、−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。
本発明で用いられる特定のリン化合物としては、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジイソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジ−n−ブチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジオクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジフェニルなどが挙げられる。これらの中で、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジオクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジフェニルがとくに好ましい。
本発明で用いられるフェノール部を同一分子内に有するリン化合物の中でも、本発明でとくに望ましい化合物は、化学式(化39)、(化40)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合物である。
上記の化学式(化39)にて示される化合物としては、Irganox1222(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)が市販されており、また化学式(化40)にて示される化合物としてはIrganox1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)が市販されており、使用可能である。
本発明で使用できるその他のリン化合物としては、下記する化学式(化41)、(化42)で表される連結基(X)を有するホスホン酸系あるいは(化43)で表される連結基(X)を有さないホスホン酸系などが挙げられる。
本発明で使用できる広範な連結基(X)を有するリン化合物である式(化41)で表されるリン化合物は次のようなものである。
[連結基を有する前記化学式(化41)中、R1は炭素数6〜50の芳香環構造あるいは炭素数4〜50の複素環構造を表し、前記芳香環構造あるいは複素環構造は置換基を有していてもよい。Xは連結基であり、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素(直鎖状あるいは分岐構造あるいは脂環構造であってもかまわない)、あるいは置換基を含有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素(直鎖状あるいは分岐構造あるいは脂環構造であってもかまわない)、−O−、−OCH2−、−SO2−、−CO−、−COCH2−、−CH2OCO−、−NHCO−、−NH−、−NHCONH−、−NHSO2−、−NHC3H6OCH2CH2O−から選ばれる。また、R2およびR3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜20の炭化水素基を表す。炭化水素基は脂環構造や分岐構造や芳香環構造を有していてもよい。]
化学式(化41)で表されるリン化合物の芳香環構造および複素環構造の置換基が、炭素数1〜50の炭化水素基(直鎖状であっても脂環構造、分岐構造、芳香環構造であってもよく、これらがハロゲン置換されたものであってもよい)または水酸基またはハロゲン基または炭素数1〜10のアルコキシル基またはアミノ基(炭素数1〜10のアルキルあるいはアルカノール置換されていてもかまわない)あるいはニトロ基あるいはカルボキシル基あるいは炭素数1〜10の脂肪族カルボン酸エステル基あるいはホルミル基あるいはアシル基あるいはスルホン酸基、スルホン酸アミド基(炭素数1〜10のアルキルあるいはアルカノール置換されていてもかまわない)、ホスホリル含有基、ニトリル基、シアノアルキル基、から選ばれる1種もしくは2種以上である。
化学式(化41)で表されるリン化合物には次のようなものが挙げられる。具体的には、ベンジルホスホン酸、ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、1−ナフチルメチルホスホン酸、1−ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、2−ナフチルメチルホスホン酸、2−ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、4−フェニル,ベンジルホスホン酸、4−フェニル,ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2−フェニル,ベンジルホスホン酸、2−フェニル,ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−クロル,ベンジルホスホン酸、4−クロル,ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−クロル,ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−メトキシ,ベンジルホスホン酸、4−メトキシ,ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−メトキシ,ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−メチル,ベンジルホスホン酸、4−メチル,ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−メチル,ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−ニトロ,ベンジルホスホン酸、4−ニトロ,ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−ニトロ,ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−アミノ,ベンジルホスホン酸、4−アミノ,ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−アミノ,ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2−メチル,ベンジルホスホン酸、2−メチル,ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2−メチル,ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、10−アンスラニルメチルホスホン酸、10−アンスラニルメチルホスホン酸モノエチルエステル、10−アンスラニルメチルホスホン酸ジエチルエステル、(4−メトキシフェニル−,エトキシ−)メチルホスホン酸、(4−メトキシフェニル−,エトキシ−)メチルホスホン酸モノメチルエステル、(4−メトキシフェニル−,エトキシ−)メチルホスホン酸ジメチルエステル、(フェニル−,ヒドロキシ−)メチルホスホン酸、(フェニル−,ヒドロキシ−)メチルホスホン酸モノエチルエステル、(フェニル−,ヒドロキシ−)メチルホスホン酸ジエチルエステル、(フェニル−,クロル−)メチルホスホン酸、(フェニル−,クロル−)メチルホスホン酸モノエチルエステル、(フェニル−,クロル−)メチルホスホン酸ジエチルエステル、(4−クロルフェニル)−イミノホスホン酸、(4−クロルフェニル)−イミノホスホン酸モノエチルエステル、(4−クロルフェニル)−イミノホスホン酸ジエチルエステル、(4−ヒドロキシフェニル−,ジフェニル−)メチルホスホン酸、(4−ヒドロキシフェニル−,ジフェニル−)メチルホスホン酸モノエチルエステル、(4−ヒドロキシフェニル−,ジフェニル−)メチルホスホン酸ジエチルエステル、(4−クロルフェニル−,ヒドロキシ−)メチルホスホン酸、(4−クロルフェニル−,ヒドロキシ−)メチルホスホン酸モノメチルエステル、(4−クロルフェニル−,ヒドロキシ−)メチルホスホン酸ジメチルエステル、その他、複素環を含有するリン化合物としては、2−ベンゾフラニルメチルホスホン酸ジエチルエステル、2−ベンゾフラニルメチルホスホン酸モノエチルエステル、2−ベンゾフラニルメチルホスホン酸、2−(5−メチル)ベンゾフラニルメチルホスホン酸ジエチルエステル、2−(5−メチル)ベンゾフラニルメチルホスホン酸モノエチルエステル、2−(5−メチル)ベンゾフラニルメチルホスホン酸などが挙げられる。上記の連結基を有するリン化合物は、重合活性の点で好ましい態様である。
本発明で使用できる連結基(X=−(CH2)n−)を有する化学式(化41)で表されるリン化合物は次のようなものである。
[化学式(化42)中、R0は、水酸基、C1〜C10のアルキル基、−COOH基あるいは−COOR4(R4は、C1〜C4のアルキル基を表す)、アルキレングリコール基あるいはモノアルコキシアルキレングリコール基を表す(モノアルコキシはC1〜C4を、アルキレングリコールはC1〜C4のグリコールを表す)。R1はベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルメタン、ジフェニルジメチルメタン、ジフェニルケトン、アントラセン、フェナントレンおよびピレンなどの芳香環構造を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、C1〜C4の炭化水素基を表す。mは1〜5の整数を表し、R0が複数個の場合、同一置換基あるいは異なる置換基の組合せであってもかまわない。nは0あるいは1〜5の整数を表す。]
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がベンゼンであるリン化合物としては次のようなものが挙げられる。すなわち、2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2−ヒドロキシベンジルホスホン酸、4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、6−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルエステル、6−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステル、6−ヒドロキシベンジルホスホン酸などのベンゼン環に水酸基を導入したベンジルホスホン酸類が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
2−n−ブチルベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2−n−ブチルベンジルホスホン酸モノメチルエステル、2−n−ブチルベンジルホスホン酸、3−n−ブチルベンジルホスホン酸ジエチルエステル、3−n−ブチルベンジルホスホン酸モノエチルエステル、3−n−ブチルベンジルホスホン酸、4−n−ブチルベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−n−ブチルベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−n−ブチルベンジルホスホン酸、2,5−n−ジブチルベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2,5−n−ジブチルベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2,5−n−ジブチルベンジルホスホン酸、3,5−n−ジブチルベンジルホスホン酸ジエチルエステル、3,5−n−ジブチルベンジルホスホン酸モノエチルエステル、3,5−n−ジブチルベンジルホスホン酸などのベンゼン環にアルキルを導入したベンジルホスホン酸類が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
さらに、2−カルボキシベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2−カルボキシベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2−カルボキシベンジルホスホン酸、3−カルボキシベンジルホスホン酸ジエチルエステル、3−カルボキシベンジルホスホン酸モノエチルエステル、3−カルボキシベンジルホスホン酸、4−カルボキシベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−カルボキシベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−カルボキシベンジルホスホン酸、2,5−ジカルボキシベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2,5−ジカルボキシベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2,5−ジカルボキシベンジルホスホン酸、3,5−ジカルボキシベンジルホスホン酸ジエチルエステル、3,5−ジカルボキシベンジルホスホン酸モノエチルエステル、3,5−ジカルボキシベンジルホスホン酸、2−メトキシカルボニルベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2−メトキシカルボニルベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2−メトキシカルボニルベンジルホスホン酸、3−メトキシカルボニルベンジルホスホン酸ジエチルエステル、3−メトキシカルボニルベンジルホスホン酸モノエチルエステル、3−メトキシカルボニルベンジルホスホン酸、4−メトキシカルボニルベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−メトキシカルボニルベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−メトキシカルボニルベンジルホスホン酸、2,5−ジメトキシカルボニルベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2,5−ジメトキシカルボニルベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2,5−ジメトキシカルボニルベンジルホスホン酸、3,5−ジメトキシカルボニルベンジルホスホン酸ジエチルエステル、3,5−ジメトキシカルボニルベンジルホスホン酸モノエチルエステル、3,5−ジメトキシカルボニルベンジルホスホン酸などのベンゼン環にカルボキル基あるいはカルボン酸エステル基を導入したベンジルホスホン酸類が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
さらに、2−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸、3−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、3−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、3−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸、4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸、2,5−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2,5−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2,5−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸、3,5−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、3,5−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、3,5−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルホスホン酸、2−(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2−(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、1−(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸、3−(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノメチルエステル、3−(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、3−(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、3−(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸、4−(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸、2,5−ジ(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、2,5−ジ(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、2,5−ジ(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸、3,5−ジ(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、3,5−ジ(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、3,5−ジ(2−メトキシエトキシ)ベンジルホスホン酸などのベンゼン環にアルキレングリコール基あるいはモノアルコキシ化アルキレングリコール基を導入したベンジルホスホン酸類が挙げられる。
本発明でのベンジル系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がナフタレンであるリン化合物としては次のようなものが挙げられる。すなわち、1−(5−ヒドロキシ)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(5−ヒドロキシ)ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(5−ヒドロキシ)ナフチルメチルホスホン酸、1−(5−ヒドロキシ)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(5−ヒドロキシ)ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(5−ヒドロキシ)ナフチルメチルホスホン酸、1−(5−n−ブチル)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(5−n−ブチル)ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(5−n−ブチル)ナフチルメチルホスホン酸、1−(4−カルボキシ)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(4−カルボキシ)ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(4−カルボキシ)ナフチルメチルホスホン酸、1−(4−メトキシカルボニル)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(4−メトキシカルボニル)ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(4−メトキシカルボニル)ナフチルメチルホスホン酸、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)]ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)]ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)]ナフチルメチルホスホン酸、1−(4−メトキシエトキシ)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(4−メトキシエトキシ)ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(4−メトキシエトキシ)ナフチルメチルホスホン酸、1−(5−ヒドロキシ)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、2−(6−ヒドロキシ)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、2−(6−ヒドロキシ)ナフチルモノエチルホスホン酸、2−(6−ヒドロキシ)ナフチルメチルホスホン酸、2−(6−n−ブチル)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、2−(6−n−ブチル)ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、2−(6−n−ブチル)ナフチルメチルホスホン酸、2−(6−カルボキシ)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、2−(6−カルボキシ)ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、2−(6−カルボキシ)ナフチルメチルホスホン酸、2−(6−メトキシカルボニル)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、2−(6−メトキシカルボニル)ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、2−(6−メトキシカルボニル)ナフチルメチルホスホン酸、2−[6−(2−ヒドロキシエトキシ)]ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、2−[6−(2−ヒドロキシエトキシ)]ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、2−[6−(2−ヒドロキシエトキシ)]ナフチルメチルホスホン酸、2−(6−メトキシエトキシ)ナフチルメチルホスホン酸ジエチルエステル、2−(6−メトキシエトキシ)ナフチルメチルホスホン酸モノエチルエステル、2−(6−メトキシエトキシ)ナフチルメチルホスホン酸などのナフタレン環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノアルコキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのナフタレン系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がビフェニルであるリン化合物としては次のようなものが挙げられる。すなわち、4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルホスホン酸、4−(4−n−ブチルフェニル)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−n−ブチルフェニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−n−ブチルフェニル)ベンジルホスホン酸、4−(4−カルボキシフェニル)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−カルボキシフェニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシフェニル)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシカルボニルフェニル)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルフェニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルフェニル)ベンジルホスホン酸、4−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシエトキシフェニル)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシフェニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシフェニル)ベンジルホスホン酸などのビフェニル環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノメトキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのビフェニル系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がジフェニルエーテルであるリン化合物としては次のようなものが挙げられる。すなわち、4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸、4−(4−n−ブチルフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−n−ブチルフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ブチルフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸、4−(4−カルボキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシカルボニルフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸、4−(4−ヒドロキシエトキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシエトキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシフェニルオキシ)ベンジルホスホン酸などのジフェニルエーテル環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノメトキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのジフェニルエーテル系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がジフェニチオエーテルであるリン化合物としては次のようなものが挙げられる。すなわち、4−(4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸、4−(4−n−ブチルフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−n−ブチルフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ブチルフェニルチオ)ベンジルホスホン酸、4−(4−カルボキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシカルボニルフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルフェニルチオ)ベンジルホスホン酸、4−(4−ヒドロキシエトキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシエトキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシフェニルチオ)ベンジルホスホン酸などのジフェニルチオエーテル環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノメトキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのジフェニルチオエーテル系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がジフェニルスルホンであるリン化合物としては次のようなものが挙げられる。4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸、4−(4−n−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−n−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸、4−(4−カルボキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシカルボニルフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸、4−(4−ヒドロキシエトキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシエトキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシフェニルスルホニル)ベンジルホスホン酸などのジフェニルスルホン環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノメトキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのジフェニルスルホン系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がジフェニルメタンであるリン化合物としては次のようなものが挙げられる。すなわち、4−(4−ヒドロキシベンジル)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−ヒドロキシベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシベンジル)ベンジルホスホン酸、4−(4−n−ブチルベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−n−ブチルベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ブチルベンジル)ベンジルホスホン酸、4−(4−カルボキシベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシベンジル)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシカルボニルベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルベンジル)ベンジルホスホン酸、4−(4−ヒドロキシエトキシベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシベンジル)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシエトキシベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシベンジル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシベンジル)ベンジルホスホン酸などのジフェニルメタン環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノメトキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのジフェニルメタン系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がジフェニルジメチルメタンであるリン化合物としては次のようなものが挙げられる。すなわち、4−(4−ヒドロキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−ヒドロキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸、4−(4−n−ブチルフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−n−ブチルフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ブチルフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸、4−(4−カルボキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシカルボニルフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸、4−(4−ヒドロキシエトキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシエトキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシフェニルジメチルメチル)ベンジルホスホン酸などのジフェニルメタン環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノメトキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのジフェニルジメチルメタン系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がジフェニルケトンであるリン化合物としては、次のようなものが挙げられる。すなわち、4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸、4−(4−n−ブチルベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−n−ブチルベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ブチルベンゾイル)ベンジルホスホン酸、4−(4−カルボキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−カルボキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシカルボニルベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシカルボニルベンゾイル)ベンジルホスホン酸、4−(4−ヒドロキシエトキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−ヒドロキシメトキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸、4−(4−メトキシエトキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、4−(4−メトキシエトキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸などのジフェニルケトン環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノメトキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのジフェニルケトン系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がアンスラセンであるリン化合物としては、次のようなものが挙げられる。すなわち、9−(10−ヒドロキシ)アンスリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、9−(10−ヒドロキシ)アンスリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、9−(10−ヒドロキシ)アンスリルメチルホスホン酸、9−(10−n−ブチル)アンスリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、9−(10−n−ブチル)アンスリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、9−(10−n−ブチル)アンスリルイルメチルホスホン酸、9−(10−カルボキシ)アンスリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、9−(10−カルボキシ)アンスリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、9−(10−カルボキシ)アンスリルメチルホスホン酸、9−(10−カルボキシ)9−(2−ヒドロキシエトキシ)アンスリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、9−(2−ヒドロキシエトキシ)アンスリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、9−(2−ヒドロキシエトキシ)アンスリルメチルホスホン酸、9−(2−メトキシエトキシ)アンスリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、9−(2−メトキシエトキシ)アンスリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、9−(2−メトキシエトキシ)アンスリルメチルホスホン酸、9−(2−メトキシカルボニル)アンスリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、9−(2−メトキシカルボニル)アンスリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、9−(2−メトキシカルボニル)アンスリルメチルホスホン酸などのアンスラセン環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノメトキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのアンスラセン系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がフェナントレンであるリン化合物としては次のようなものが挙げられる。すなわち、1−(7−n−ブチル)フェナントリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(7−n−ブチル)フェナントリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(7−n−ブチル)フェナントリルメチルホスホン酸、1−(7−カルボキシ)フェナントリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(7−カルボキシ)フェナントリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(7−カルボキシ)フェナントリルメチルホスホン酸、1−(7−ヒドロキシエトキシ)フェナントリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(7−ヒドロキシエトキシ)フェナントリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(7−ヒドロキシエトキシ)フェナントリルメチルホスホン酸、1−(7−メトキシエトキシ)フェナントリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(7−メトキシエトキシ)フェナントリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(7−メトキシエトキシ)フェナントリルメチルホスホン酸、1−(7−メトキシカルボニル)フェナントリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(7−メトキシカルボニル)フェナントリルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(7−メトキシカルボニル)フェナントリルメチルホスホン酸などのフェナントレン環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノメトキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのフェナントレン系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
本発明で用いられる化学式(化42)で表されるリン化合物の内、置換基を有する芳香環構造がピレンであるリン化合物としては次のようなものが挙げられる。すなわち、1−(5−ヒドロキシ)ピレニルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(5−ヒドロキシ)ピレニルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(5−ヒドロキシ)ピレニルメチルホスホン酸、1−(5−n−ブチル)ピレニリルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(5−n−ブチル)ピレニルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(5−n−ブチル)ピレニルメチルホスホン酸、1−(5−カルボキシ)ピレニルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(5−カルボキシ)ピレニルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(5−カルボキシ)ピレニルメチルホスホン酸、1−(5−ヒドロキシエトキシ)ピレニルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(5−ヒドロキシエトキシ)ピレニルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(5−ヒドロキシエトキシ)ピレニルメチルホスホン酸、1−(5−メトキシエトキシ)ピレニルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(5−メトキシエトキシ)ピレニルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(5−メトキシエトキシ)ピレニルメチルホスホン酸、1−(5−メトキシカルボニル)ピレニルルメチルホスホン酸ジエチルエステル、1−(5−メトキシカルボニル)ピレニルメチルホスホン酸モノエチルエステル、1−(5−メトキシカルボニル)ピレニルメチルホスホン酸などのピレン環にアルキル基、カルボキキシル基、カルボン酸エステル基、アルキレングリコール基、モノメトキシアルキレングリコール基などが導入されたホスホン酸類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明でのピレン系リン化合物は、上述した単一置換基種に限定されるものではなく、上述した置換基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基の混成されたものも使用できる。
上記一連の芳香環に導入されるヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基などの置換基は、ポリエステルの重合時のアルミニウム原子との錯体形成に深く関わるものと推定される。また、ポリエステル形成時の官能基であるカルボキシル基あるいは水酸基と類似のものも含まれており、ポリエステルマトリックス中に溶解または取り込まれやすいため、重合活性、異物低減などに特に有効であると考えられる。
芳香環構造(R1)に結合したR0が水素原子である未置換基に比べ、本発明で用いられるC1〜C10のアルキル基、−COOH基あるいは−COOR4(R4は、C1〜C4のアルキル基を表す)、アルキレングリコール基あるいはモノアルコキシアルキレングリコール基(モノアルコキシはC1〜C4を、アルキレングリコールはC1〜C4のグリコールを表す)で置換されたリン化合物は、触媒活性を改善するだけでなく、異物低減効果の点で好ましい。
芳香環構造に結合した置換基は、C1〜C10のアルキル基、カルボキシルおよびカルボキシルエステル基、アルキレングリコールおよびモノアルコキシアルキレングリコールなどが挙げられる。異物低減効果の点でより好ましくは、カルボキシルおよびカルボキシルエステル基、アルキレングリコールおよびモノアルコキシアルキレングリコールである。その理由は不明であるが、ポリエステルおよび触媒の媒体であるアルキレングリコールとの相溶性が改善されることによると推測している。
芳香環構造に結合した置換基は、C1〜C10のアルキル基、カルボキシルおよびカルボキシルエステル基、アルキレングリコールおよびモノアルコキシアルキレングリコールなどが挙げられる。異物低減効果の点でより好ましくは、カルボキシルおよびカルボキシルエステル基、アルキレングリコールおよびモノアルコキシアルキレングリコールである。その理由は不明であるが、ポリエステルおよび触媒の媒体であるアルキレングリコールとの相溶性が改善されることによると推測している。
本発明で使用できる連結基(X)を持たないリン化合物である化学式(化43)で表されるリン化合物は次のようなものである。
[一方、連結基(X)のない上記化学式(化43)で表されるリン化合物中、R1は炭素数6〜50の芳香環構造あるいは炭素数4〜50の複素環構造を表し、前記芳香環構造あるいは複素環構造は置換基を有していてもよい。R2およびR3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜20の炭化水素基を表す。炭化水素基は脂環構造や分岐構造や芳香環構造を有していてもよい。
化学式(化43)で表されるリン化合物の芳香環構造および複素環構造の置換基が、炭素数1〜50の炭化水素基(直鎖状であっても脂環構造、分岐構造、芳香環構造であってもよく、これらがハロゲン置換されたものであってもよい)または水酸基またはハロゲン基または炭素数1〜10のアルコキシル基またはアミノ基(炭素数1〜10のアルキルあるいはアルカノール置換されていてもかまわない)あるいはニトロ基あるいはカルボキシル基あるいは炭素数1〜10の脂肪族カルボン酸エステル基あるいはホルミル基あるいはアシル基あるいはスルホン酸基、スルホン酸アミド基(炭素数1〜10のアルキルあるいはアルカノール置換されていてもかまわない)、ホスホリル含有基、ニトリル基、シアノアルキル基から選ばれる1種もしくは2種以上である。また、前記化学式(化43)の芳香環構造がベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルメタン、ジフェニルジメチルメタン、アントラセン、フェナントレンおよびピレンから選ばれる。および前記複素環構造がフラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、ナフタランおよびフタリドから選ばれる。また、上記式(化43)中のR2およびR3の少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。]
化学式(化43)で表されるリン化合物の芳香環構造および複素環構造の置換基が、炭素数1〜50の炭化水素基(直鎖状であっても脂環構造、分岐構造、芳香環構造であってもよく、これらがハロゲン置換されたものであってもよい)または水酸基またはハロゲン基または炭素数1〜10のアルコキシル基またはアミノ基(炭素数1〜10のアルキルあるいはアルカノール置換されていてもかまわない)あるいはニトロ基あるいはカルボキシル基あるいは炭素数1〜10の脂肪族カルボン酸エステル基あるいはホルミル基あるいはアシル基あるいはスルホン酸基、スルホン酸アミド基(炭素数1〜10のアルキルあるいはアルカノール置換されていてもかまわない)、ホスホリル含有基、ニトリル基、シアノアルキル基から選ばれる1種もしくは2種以上である。また、前記化学式(化43)の芳香環構造がベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルメタン、ジフェニルジメチルメタン、アントラセン、フェナントレンおよびピレンから選ばれる。および前記複素環構造がフラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、ナフタランおよびフタリドから選ばれる。また、上記式(化43)中のR2およびR3の少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。]
本発明で使用できる化学式(化43)で表されるリン化合物としては、下記のリン化合物などが挙げられる。すなわち、(3−ニトロ,5−メチル)−フェニルホスホン酸ジエチルエステル、(3−ニトロ,5−メチル)−フェニルホスホン酸モノエチルエステル、(3−ニトロ,5−メチル)−フェニルホスホン酸、(3−ニトロ,5−メトキシ)−フェニルホスホン酸ジエチルエステル、(3−ニトロ,5−メトキシ)−フェニルホスホン酸モノエチルエステル、(3−ニトロ,5−メトキシ)−フェニルホスホン酸、(4−クロル)−フェニルホスホン酸ジエチルエステル、(4−クロル,)−フェニルホスホン酸モノエチルエステル、(4−クロル)−フェニルホスホン酸、(5−クロル,)−フェニルホスホン酸ジエチルエステル、(5−クロル,)−フェニルホスホン酸モノエチルエステル、(5−クロル,)−フェニルホスホン酸、(3−ニトロ,5−メチル)−フェニルホスホン酸ジエチルエステル、(3−ニトロ,5−メチル)−フェニルホスホン酸モノエチルエステル、(3−ニトロ,5−メチル)−フェニルホスホン酸、(4−ニトロ)−フェニルホスホン酸ジエチルエステル、(4−ニトロ)−フェニルホスホン酸モノエチルエステル、(4−ニトロ)−フェニルホスホン酸、(5−ニトロ)−フェニルホスホン酸ジエチルエステル、(5−ニトロ)−フェニルホスホン酸モノエチルエステル、(5−ニトロ)−フェニルホスホン酸、(6−ニトロ)−フェニルホスホン酸ジエチルエステル、(6−ニトロ)−フェニルホスホン酸モノエチルエステル、(6−ニトロ)−フェニルホスホン酸、(4−ニトロ,6−メチル)−フェニルホスホン酸ジエチルエステル、(4−ニトロ,6−メチル)−フェニルホスホン酸モノエチルエステル、(4−ニトロ,6−メチル)−フェニルホスホン酸、その他、式(化42)で表されるリン化合物において、上述のベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルメタン、ジフェニルジメチルメタン、ジフェニルケトン、アントラセン、フェナントレンおよびピレンなどの芳香環構造を有するそれぞれの構造式から連結基であるメチレン鎖すなわち、−CH2−を取り除いたリン化合物群、さらに複素環含有リン化合物として、5−ベンゾフラニルホスホン酸ジエチルエステル、5−ベンゾフラニルホスホン酸モノエチルエステル、5−ベンゾフラニルホスホン酸、5−(2−メチル)ベンゾフラニルホスホン酸ジエチルエステル、5−(2−メチル)ベンゾフラニルホスホン酸モノエチルエステル、5−(2−メチル)ベンゾフラニルホスホン酸などが挙げられる。上述の連結基を有しないリン化合物は、前述の連結基を有するリン化合物に比べ重合活性は若干劣るが、本発明で説明する触媒調製法を使用した場合、ポリエステル重合触媒として使用することは可能である。
本発明においては、上記リン化合物が、予め水およびアルキレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種の溶媒中で加熱処理されたものを用いることが好ましい実施態様である。前記処理により前記のアルミニウムやアルミニウム化合物に上記のリン化合物を併用することによる重縮合触媒活性が向上すると共に、前記重縮合触媒起因の異物形成性が低下する。
リン化合物を予め加熱処理する時に使用する溶媒としては、水およびアルキレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であれば限定されず任意であるが、リン化合物を溶解する溶媒を用いることが好ましい。アルキレングリコールとしては、エチレングリコール等の目的とするポリエステルの構成成分であるグリコールを用いることが好ましい。溶媒中での加熱処理は、リン化合物を溶解してから行うのが好ましいが、完全に溶解していなくてもよい。また、加熱処理の後に、化合物がもとの構造を保持している必要はなく、加熱処理による変性で溶媒に対する溶解性が向上するものであっても構わない。
加熱処理の温度は特に限定はされないが、20〜250℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは、100〜200℃の範囲である。温度の上限は、用いる溶媒の沸点付近とすることが好ましい。加熱時間は、温度等の条件によっても異なるが、溶媒の沸点付近の温度だと1分〜50時間の範囲であることが好ましく、より好ましくは30分〜10時間、さらに好ましくは1〜5時間の範囲である。加熱処理の系の圧力は常圧、もしくはそれ以上あるいは以下であってもよく特に限定されない。溶液の濃度は、リン化合物として1〜500g/lであることが好ましく、より好ましくは5〜300g/l、さらに好ましくは10〜100g/lである。加熱処理は窒素等の不活性気体の雰囲気下で行うことが好ましい。加熱後の溶液もしくはスラリーの保管温度は特に限定はされないが、0℃〜100℃の範囲であることが好ましく、20℃〜60℃の範囲であることがより好ましい。溶液の保管は窒素等の不活性気体の雰囲気下で行うことが好ましい。
リン化合物を予め溶媒中で加熱処理する際に、本発明で用いられるアルミニウムまたはその化合物を共存してもよい。また、リン化合物を予め溶媒中で加熱処理したものに、本発明で用いられるアルミニウムまたはその化合物を粉状、溶液状、あるいはスラリー状として添加してもよい。さらに、添加後の溶液またはスラリーを加熱処理してもよい。これらの操作で得られた溶液もしくはスラリーを本発明に係る重縮合触媒として用いることが可能である。95質量%以上がグリコール成分よりなる溶媒に溶解あるいは分散して添加するのが好ましい。
本発明におけるリン化合物の使用量としては、得られるポリエステルのカルボン酸成分の全構成ユニットのモル数に対して0.0001〜0.1モル%が好ましく、0.005〜0.05モル%であることがさらに好ましい。
Mn化合物としては、酢酸マンガン、安息香酸マンガン等の有機酸塩、塩化マンガン等の塩化物、マンガンメトキサイド等のアルコキサイド、マンガンアセチルアセトナ−ト等が挙げられる。
Fe化合物としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酢酸第一鉄、酢酸第二鉄などが挙げられる。
Co化合物としては、酢酸コバルトのような低級脂肪酸塩、ナフテン酸コバルト、安息香酸コバルト等の有機酸塩、塩化コバルト等の塩化物、コバルトアセチルアセトネ−ト等が挙げられる。
Zn化合物としては、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛等の有機酸塩、塩化亜鉛等の塩化物、亜鉛メトキサイド等のアルコキサイド、亜鉛アセチルアセトナ−ト等が挙げられる。
Sn化合物としては、塩化第一錫、塩化第二錫、硫酸第一錫、酸化第一錫、酸化第二錫、テトラフェニル錫、オクタン酸第一錫、酢酸第一錫、酢酸第二錫、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、モノブチルヒドロキシスズオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズサルファイド、ジブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸などが挙げられる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)の製造方法においては、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を併用してもよい。アルカリ金属、アルカリ土類金属としては、Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種であることが好ましく、アルカリ金属ないしその化合物の使用がより好ましい。アルカリ金属ないしその化合物を使用する場合、特にLi,Na,Kの使用が好ましい。アルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物としては、例えば、これら金属のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸、1−ペンタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセトネートなどとのキレート化合物、水素化物、酸化物、水酸化物などが挙げられる。
前記のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物は、粉体、水溶液、エチレングリコール溶液等として反応系に添加される。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物は、生成ポリマー中のこれらの元素の残存量として1〜100ppmの範囲になるように添加する。
本発明に係るポリエステル樹脂(1)を製造する際に使用できる第2金属化合物には、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アンチモン、ゲルマニウム、タンタル、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、珪素、ガリウムおよびそれらの化合物などがある。
これらの化合物の添加が前述のようなポリエステル樹脂(1)の特性、加工性、色調など製品に問題を生じない添加量の範囲内において共存させて用いることは、重縮合時間の短縮による生産性を向上させる際に有効であり、好ましい。
これらの化合物の添加が前述のようなポリエステル樹脂(1)の特性、加工性、色調など製品に問題を生じない添加量の範囲内において共存させて用いることは、重縮合時間の短縮による生産性を向上させる際に有効であり、好ましい。
アンチモン化合物は、重合して得られるポリエステルに対してアンチモン原子として50ppm以下の量で添加することが好ましい。より好ましい添加量は、30ppm以下である。アンチモンの添加量を50ppm超にすると、金属アンチモンの析出が起こり、ポリエステルに黒ずみや異物が発生するため好ましくない。
ゲルマニウム化合物は、重合して得られるポリエステルに対してゲルマニウム原子として20ppm以下の量で添加することが好ましい。より好ましい添加量は10ppm以下である。ゲルマニウムの添加量を20ppm超にすると、コスト的に不利になるため好ましくない。
本発明において使用可能なアンチモン化合物としては、特に限定はされないが、好適な化合物として三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイドなどが挙げられ、特に三酸化アンチモンの使用が好ましい。また、ゲルマニウム化合物としては、特に限定はされないが、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウムなどが挙げられ、特に二酸化ゲルマニウムが好ましい。二酸化ゲルマニウムとしては結晶性のものと非晶性のものの両方が使用できる。
前記のようにして重縮合されたポリエステル樹脂は、最終溶融重縮合反応器から溶融状態でノズルへと輸送され、例えば、ダイス細孔より溶融ポリエステルを水中に押出して水中でカットする方式、あるいは、ダイス細孔より空気中にストランド状に押出した後、冷却水で冷却しながらチップ化する方式によって柱状、球状、角状や板状の形態にチップ化される。また、ダイススリットより空気中,または水中にシート状に押出したあと冷却水で冷却しながらシート状物の形態にされる。この際、ダイスまでの溶融状態での温度を可能な限り低くし、また、滞留時間が出来るだけ短時間になるようにすることも本発明に係るポリエステル樹脂(1)を得るために必要な事項である。
また、前記の溶融重縮合ポリエステルのチップ化時の冷却水としては、下記の式(5)〜(8)の少なくとも一つを満足する冷却水を用いることが好ましく、さらには式(5)〜(8)のすべてを満足する水を用いることが最も好ましい。
Na ≦ 1.0(ppm) (5)
Mg ≦ 1.0(ppm) (6)
Si ≦ 2.0(ppm) (7)
Ca ≦ 1.0(ppm) (8)
Na ≦ 1.0(ppm) (5)
Mg ≦ 1.0(ppm) (6)
Si ≦ 2.0(ppm) (7)
Ca ≦ 1.0(ppm) (8)
冷却水中のナトリウム含有量(Na)は、好ましくはNa≦0.5ppmであり、さらに好ましくはNa≦0.1ppmである。冷却水中のマグネシウム含有量(Mg)は、好ましくはMg≦0.5ppmであり、さらに好ましくはMg≦0.1ppmである。また、冷却水中の珪素の含有量(Si)は、好ましくはSi≦0.5ppmであり、さらに好ましくはSi≦0.3ppmである。さらに、冷却水中のカルシウム含有量(Ca)は、好ましくはCa≦0.5ppmであり、さらに好ましくはCa≦0.1ppmである。
前記冷却水のナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を低減させるために、チップ冷却工程に工業用水が送られるまでの工程で少なくとも1ヶ所以上にナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除去する装置を設置する。また、粒子状になった二酸化珪素やアルミノ珪酸塩等の粘土鉱物を除去するためにはフィルターを設置する。ナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除去する装置としては、イオン交換装置、限外濾過装置や逆浸透膜装置などが挙げられる。
本発明に係るポリエステル樹脂(1)、特に、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステル樹脂(1)の極限粘度は、0.55〜1.50デシリットル/グラム、好ましくは0.60〜1.30デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.65〜1.00デシリットル/グラム、最も好ましくは0.70〜0.85デシリットル/グラムの範囲である。ポリエステル樹脂(1)の極限粘度が0.55デシリットル/グラム未満では、得られた成形体等の機械的特性が悪い。また、ポリエステル樹脂(1)の極限粘度が1.50デシリットル/グラムを越える場合は、成形機等による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)、特に、主たる繰り返し単位が1,3−プロピレンテレフタレ−トから構成されるポリエステル樹脂(1)の極限粘度は、0.50〜1.30デシリットル/グラム、好ましくは0.55〜1.20デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.60〜1.00デシリットル/グラムの範囲である。極限粘度が0.50デシリットル/グラム未満では、得られた成形体の弾性回復および耐久性が悪くなり問題である。また、極限粘度の上限値は、1.30デシリットル/グラムであり、これを越える場合は、成形体成形時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、分子量の低下が激しく、また、黄色に着色する等の問題が起こる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)、特に、主たる繰り返し単位がエチレン−2,6−ナフタレートから構成されるポリエステル樹脂(1)の極限粘度は、0.40〜1.00 デシリットル/グラム、好ましくは0.42〜0.90デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.45〜0.80デシリットル/グラムの範囲である。IVが0.40デシリットル/グラム未満では、得られた成形体などの機械的特性が悪い。また、1.00 デシリットル/グラムを超える場合は、成形機などによる溶融時の樹脂温度を高くする必要が生じるため熱分解を伴うようになり、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子化合物の増加、成形体が黄色に着色するなどの問題点が起こる。
また、ポリ乳酸などの生分解性ポリエステルの数平均分子量は10000〜200000、好ましくは12000〜180000、さらに好ましくは15000〜150000範囲である。10000未満では、得られた成形体などの機械的特性が悪く実用に耐えない。また、200000を超える場合は、成形機などによる溶融時の樹脂温度を高くする必要が生じるため熱分解を伴うようになり、成形時の分子量の低下が激しく、成形体が黄色に着色するなどの問題点が起こる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)が、少なくとも2種の、実質的に同一組成のポリエステルを主成分として含むポリエステル樹脂である場合は、前記ポリエステルの極限粘度の差は好ましくは0.06〜0.27デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.07〜0.23デシリットル/グラム、特に好ましくは0.10〜0.20デシリットル/グラムの範囲であり、昇温時の結晶化温度の差は、好ましくは10℃以内、さらに好ましくは7℃以内、特に好ましくは5℃以内であり、降温時の結晶化温度の差は、好ましくは18℃以内、さらに好ましくは15℃以内、特に好ましくは10℃以内であることが好ましい。
前記の極限粘度差が0.05デシリットル/グラム未満の場合は、得られた成形体のアセトアルデヒドなどのアルデヒド含有量を低減できず香味保持性が改良できない。また前記の極限粘度差が0.30デシリットル/グラムを越える場合は、得られた成形体に厚み斑や白化した流れ模様等が生じて透明性が悪くなり問題となる。ここで、本発明に係るポリエステル樹脂(1)が2種類以上のポリエステルからなる場合は、前記極限粘度の差とは、極限粘度に関して最大のポリエステルと最少のポリエステルとの極限粘度の差のことである。
前記の昇温時の結晶化温度の差が15℃を超える場合は、得られた成形体の結晶化速度変動が大きくなる。その結果、例えば、成形体の透明性の変動が大きくなり、また、結晶化による収縮量の変動も大きくなるなど問題である。また、昇温時の結晶化温度の差の下限値は1℃以上であり、これ未満では効果の差が明確でなくなる。ここで、本発明に係るポリエステル樹脂(1)が2種類以上のポリエステルからなる場合は、前記昇温時の結晶化温度の差は、最も高い昇温時結晶化温度を持つポリエステルの値と最も低い昇温時結晶化温度を持つポリエステルの値の差を表す。
前記の降温時の結晶化温度の差が20℃を超える場合は、得られた成形体の透明性は非常に悪くなる。また、降温時の結晶化温度の差の下限値は1℃以上であり、これ未満では効果の差が明確でなくなる。ここで、本発明に係るポリエステル樹脂(1)が2種類以上のポリエステルからなる場合は、前記降温時の結晶化温度の差は、最も高い降温時結晶化温度を持つポリエステルの値と最も低い降温時結晶化温度を持つポリエステルの値の差を表す。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)がエチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂である場合、下記のポリエステルIとポリエステルIIとを主成分として含み、ポリエステルIの昇温時の結晶化温度とポリエステルIIの昇温時の結晶化温度の差が15℃以内であり、ポリエステルIの降温時の結晶化温度とポリエステルIIの降温時の結晶化温度の差が20℃以内であることが好ましい。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)がエチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂である場合、下記のポリエステルIとポリエステルIIとを主成分として含み、ポリエステルIの昇温時の結晶化温度とポリエステルIIの昇温時の結晶化温度の差が15℃以内であり、ポリエステルIの降温時の結晶化温度とポリエステルIIの降温時の結晶化温度の差が20℃以内であることが好ましい。
ポリエステルI:極限粘度IVIが0.60〜0.80デシリットル/グラム、DSCで測定した昇温時の結晶化温度が140〜180℃、降温時の結晶化温度が160〜200℃であるポリエステル。
ポリエステルII:極限粘度IVIIが0.70〜0.95デシリットル/グラム、DSCで測定した昇温時の結晶化温度が140〜180℃、降温時の結晶化温度が160〜200℃であるポリエステル。
ポリエステルII:極限粘度IVIIが0.70〜0.95デシリットル/グラム、DSCで測定した昇温時の結晶化温度が140〜180℃、降温時の結晶化温度が160〜200℃であるポリエステル。
さらにまた、本発明に係るポリエステル樹脂(1)がPENである場合は、下記のポリエステルIIIとポリエステルIVとを主成分として含み、ポリエステルIIIの昇温時の結晶化温度とポリエステルIVの昇温時の結晶化温度の差が15℃以内であり、ポリエステルIIIの降温時の結晶化温度とポリエステルIVの降温時の結晶化温度の差が20℃以内であることが好ましい。
ポリエステルIII:極限粘度IVIIIが0.40〜0.70デシリットル/グラム、DSCで測定した昇温時の結晶化温度が180〜235℃、降温時の結晶化温度が160〜210℃であるポリエステル。
ポリエステルIV:極限粘度IVIVが0.50〜0.80デシリットル/グラム、DSCで測定した昇温時の結晶化温度が180〜235℃、降温時の結晶化温度が160〜210℃であるポリエステル。
ポリエステルIV:極限粘度IVIVが0.50〜0.80デシリットル/グラム、DSCで測定した昇温時の結晶化温度が180〜235℃、降温時の結晶化温度が160〜210℃であるポリエステル。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)に共重合されたジアルキレングリコール含有量は、前記ポリエステルを構成するグリコ−ル成分の好ましくは0.5〜7.0モル%、より好ましくは1.0〜6.0モル%、さらに好ましくは1.0〜5.0モル%であることが望ましい。ジアルキレングリコ−ル量が7.0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、成形時に分子量低下が大きくなったり、アルデヒド類の含有量の増加量が大となり好ましくない。また、ジアルキレングリコ−ル含有量が0.5モル%未満のポリエステルを製造するには、エステル交換条件、エステル化条件あるいは重合条件として非経済的な製造条件を選択することが必要となり、コストが合わない。ここで、ポリエステル中に共重合されたジアルキレングリコールとは、例えば、主たる構成単位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルの場合には、グリコールであるエチレングリコールから製造時に副生したジエチレングリコ−ルのうちで、前記ポリエステルに共重合したジエチレングリコ−ル(以下、DEGと略称する)のことであり、1,3−プロピレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの場合には、グリコールである1,3−プロピレングリコールから製造時に副生したジ(1,3−プロピレングリコ−ル)(またはビス(3−ヒドロキシプロピル)エーテル)のうちで、前記ポリエステルに共重合したジ(1,3−プロピレングリコ−ル(以下、DPGと称する))のことである。
そして本発明に係るポリエステル樹脂(1)、特に、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トから構成されるポリエステルに共重合されたジエチレングリコール含有量は、前記のポリエステル樹脂を構成するグリコール成分の1.0〜5.0モル%、好ましくは1.3〜4.5モル%、更に好ましくは1.5〜4.0モル%であることが望ましい。ジエチレングリコール含有量が5.0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、成形時に分子量低下が大きくなったり、アセトアルデヒド含有量の増加量が大となり好ましくない。また、ジエチレングリコール含有量が1.0モル%未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪くなる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)のアセトアルデヒドなどのアルデヒド類の含有量は、50ppm以下、好ましくは30ppm以下、より好ましくは10ppm以下であることが望ましい。アルデヒド類含有量が50ppmを超える場合は、このポリエステル樹脂組成物から成形された成形体等の内容物の香味保持性の効果が悪くなる。また、これらの下限は製造上の問題から、0.1ppbであることが好ましい。
ここで、アルデヒド類とは、ポリエステルがエチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルやエチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステルなどのようにエチレングリコ−ルをグリコール成分の主要成分とするポリエステルの場合はアセトアルデヒドやホルムアルデヒドであり、1,3−プロピレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの場合はアリルアルデヒドであり、さらにブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステルの場合はブタナールである。ただし、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステルの場合は前記アルデヒドは大部分がテトラヒドロフランとして検出される。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)がエチレンテレフタレートを主繰返し単位とするポリエステル樹脂であり、これからなる前記ポリエステル樹脂組成物がミネラルウオータ等の低フレーバー飲料用の容器の材料として用いられる場合には、アセトアルデヒド含有量が10ppm以下、好ましくは6ppm以下、さらに好ましくは4ppm以下であることが望ましい。
また、本名発明のポリエステル樹脂組成物からなる成形体の香味保持性に対しては、本発明に係るポリエステル樹脂(1)が、前記ポリエステルに由来する遊離の芳香族ジカルボン酸含有量が20ppm以下、遊離のグリコ−ル含有量が70ppm以下、遊離の芳香族ジカルボン酸モノグリコ−ルエステル含有量が100ppm以下、遊離の芳香族ジカルボン酸ジグリコ−ルエステル含有量が150ppm以下であるポリエステル樹脂であることが好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂(1)の環状エステルオリゴマーの含有量は、前記ポリエステルの溶融重縮合体が含有する環状エステルオリゴマーの含有量の70%以下、好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下、特に好ましくは35%以下であることが好ましい。環状エステルオリゴマー含有量の下限値は、経済的な生産の面から溶融重縮合体が含有する環状エステルオリゴマー含有量の20%以上、好ましくは22%以上、さらに好ましくは25%以上である。なお、ポリエステル樹脂(1)の溶融重縮合体が含有する環状エステルオリゴマーの含有量とは、溶融重縮合した数平均分子量が約5000以上のポリエステル樹脂(1)中に存在している、遊離の数種の環状エステルオリゴマーのうちで最も含有量が高い環状n量体の含有量のことである。本発明に係るポリエステル樹脂(1)がエチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの代表であるPETの場合は、環状n量体は環状3量体のことであり、かつ、溶融重縮合ポリエステルの環状3量体の含有量は約1.0重量%であるから、環状3量体の含有量は、好ましくは0.70重量%以下、より好ましくは0.50重量%以下、さらに好ましくは0.40重量%以下であることが望ましい。本発明のポリエステル樹脂組成物から耐熱性中空成形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、環状3量体の含有量が0.70重量%以上含有する場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
本発明に係るポリエステル樹脂(1)中のファインの含有量は、0.1〜5000ppm、好ましくは0.1〜3000ppm、より好ましくは0.1〜1000ppm、さらに好ましくは0.1〜500ppm、最も好ましくは0.1〜100ppmであることが望ましい。配合量が0.1ppm未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、中空成形容器の口栓部の結晶化が不十分となり、このため口栓部の収縮量が規定値の範囲内に収まらず、キャッピング不可能となる。また、5000ppmを超える場合は、結晶化速度が必要以上に早くなると共に、その速度の変動も大きくなる。したがって、中空成形体の口栓部の結晶化度が過大、かつ変動大となり、このため口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないため口栓部のキャッピング不良となり内容物の漏れが生じたり、中空成形体用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となる。特に、ポリエステル樹脂(1)が中空成形体用のポリエステル樹脂として用いられる場合は、そのファイン含有量は、0.1〜500ppmが好ましい。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)が、エチレンテレフタレートを主繰返し単位とするポリエステル樹脂である場合は、これを射出成形して得た成形体のヘイズが30%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下であり、かつ昇温時の結晶化温度(Tc1)が140℃〜180℃、好ましくは145〜175℃、さらに好ましくは150〜170℃の範囲であることが好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂(1)の形状は次のようである。チップの場合は、シリンダー型、角型、球状または扁平な板状等の何れでもよい。その平均粒径は、通常1.0〜4mm、好ましくは1.0〜3.5mm、さらに好ましくは1.0〜3.0mmの範囲である。例えば、シリンダー型の場合は、長さは1.0〜4mm、径は1.0〜4mm程度であるのが実用的である。球状粒子の場合は、最大粒子径が平均粒子径の1.1〜2.0倍、最小粒子径が平均粒子径の0.7倍以上であるのが実用的である。また、チップの平均重量は2〜40mg/個の範囲が実用的である。また、固相重合速度を向上させたり、アルデヒド類の含有量をより効果的に低減させたりすることが必要な場合は、チップの平均重量は1〜5mg/個にすることも好ましい。
また、シート状物の場合は、その厚みは0.1〜5mm程度であり、これを上記と同程度の大きさに切断して、その後の用途に用いる。また、これらのチップの嵩密度は0.70〜0.97グラム/立方センチメートル、好ましくは0.80〜0.96グラム/立方センチメートル、特に好ましくは0.83〜0.95グラム/立方センチメートルであることが好ましい。
また、シート状物の場合は、その厚みは0.1〜5mm程度であり、これを上記と同程度の大きさに切断して、その後の用途に用いる。また、これらのチップの嵩密度は0.70〜0.97グラム/立方センチメートル、好ましくは0.80〜0.96グラム/立方センチメートル、特に好ましくは0.83〜0.95グラム/立方センチメートルであることが好ましい。
(ポリエステル樹脂(2))
本発明に係るポリエステル樹脂(2)に共重合または配合されるリン化合物としては、リン酸系化合物、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、亜リン酸系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物が挙げられる。
本発明に係るポリエステル樹脂(2)に共重合または配合されるリン化合物としては、リン酸系化合物、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、亜リン酸系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物が挙げられる。
リン酸系化合物の具体例としては、例えば、リン酸、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジプロピルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジアミルホスフェート、ジヘキシルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリアミルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、リン酸とアルキレングリコールとのエステルなどが挙げられる。
ホスホン酸系化合物の具体例としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、トリエチルホスホノアセテート、トリブチルホスホノアセテート、トリ(ヒドロキシエチル)ホスホノアセテート、トリ(ヒドロキシプロピル)ホスホノアセテート、トリ(ヒドロキシブチル)ホスホノアセテートなどがあげられる。
ホスホン酸系化合物の具体例としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、トリエチルホスホノアセテート、トリブチルホスホノアセテート、トリ(ヒドロキシエチル)ホスホノアセテート、トリ(ヒドロキシプロピル)ホスホノアセテート、トリ(ヒドロキシブチル)ホスホノアセテートなどがあげられる。
ホスフィン酸系化合物の具体例としては、例えば、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニル、2−カルボキシエチル−メチルホスフィン酸、2−カルボキシエチル−エチルホスフィン酸、2−カルボキシエチル−プロピルホスフィン酸、2−カルボキシエチル−フェニルホスフィン酸、2−カルボキシエチル−m−トルイルホスフィン酸、2−カルボキシエチル−p−トルイルホスフィン酸、2−カルボキシエチル−キシリルホスフィン酸、2−カルボキシエチル−ベンジルホスフィン酸、2−カルボキシエチル−m−エチルベンジルホスフィン酸、2−カルボキシメチル−メチルホスフィン酸、2−カルボキシメチル−エチルホスフィン酸、2−カルボキシエチル-プロピルホスフィン酸、2−カルボキシメチル−フェニルホスフィン酸、2−カルボキシメチル−m−トルイルホスフィン酸、2−カルボキシメチル−p−トルイルホスフィン酸、2−カルボキシメチル-キシリルホスフィン酸、2−カルボキシメチル-ベンジルホスフィン酸、2−カルボキシメチル−m−エチルベンジルホスフィン酸、及びこれらの環状酸無水物、或いはこれらのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、エチレングリコールエステル、プロピオングリコールエステル、ブタンジオールとのエステルなどが挙げられる。
亜リン酸系化合物の具体例としては、例えば、亜リン酸ならびにジメチルホスファイト、ジエチルホスファイト、ジプロピルホスファイト、ジブチルホスファイト、ジアミルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4‘−ビフェニレンジホスファイト、亜リン酸とアルキレングリコールとのエステルなどが挙げられる。
亜ホスホン酸系化合物の具体例としては、例えば、メチル亜ホスホン酸、メチル亜ホスホン酸ジメチル、メチル亜ホスホン酸ジフェニル、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ジメチル、フェニル亜ホスホン酸ジフェニルなどがあげられる。
その他のリン化合物としては、下記のポリエステル樹脂(2)で用いる上記以外のリン化合物も用いることができる。
その他のリン化合物としては、下記のポリエステル樹脂(2)で用いる上記以外のリン化合物も用いることができる。
発明に係るポリエステル樹脂(2)は、ポリエステルの酸成分の50モル%以上およびグリコール成分の50モル%以上、好ましくは、酸成分の70モル%以上およびグリコール成分の70モル%以上、さらに好ましくは、酸成分の80モル%以上およびグリコール成分の80モル%以上、特に好ましくは、酸成分の90モル%以上およびグリコール成分の90モル%以上、最も好ましくはポリエステルの酸成分の95モル%以上およびグリコール成分の95モル%以上が、それぞれ、同一の酸成分および同一のグリコール成分であるポリエステルであって、前記のリン化合物を共重合又は配合したものである。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物が延伸成形体の用途に用いられる場合には、本発明に係るポリエステル樹脂(2)は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とから得られる熱可塑性ポリエステルであり、好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の85モル%以上含むポリエステルであり、より好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の90モル%以上含むポリエステルであり、さらに好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の93モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の95モル%以上含むポリエステルであって、前記のリン化合物を共重合または配合したものである。
本発明に係るポリエステル樹脂(2)を構成する主なジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニール−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、グルタル酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げられる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)を構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が挙げられる。
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニール−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸、3−ヒドロキシ酪酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸、グリコール酸、リンゴ酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類などが挙げられる。
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのグリコールとしては、ジエチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ダイマーグリコール等の脂肪族グリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,5−ノルボルナンジメチロール等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
さらに、前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としての多官能化合物としては、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができ、グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使用量は、ポリエステルが実質的に線状を維持する程度でなければならない。また、単官能化合物、例えば安息香酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
本発明に係るポリエステル樹脂(2)の好ましい一例は、主たる構成単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくはエチレンテレフタレート単位を50モル%以上含み、共重合成分としてイソフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジメタノール、コハク酸などを含む共重合ポリエステルであり、さらに好ましくはエチレンテレフタレート単位を70モル%以上、特に好ましくはエチレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステル、最も好ましくはエチレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルであって、前記のリン化合物を共重合または配合したものである。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)の好ましいその他の一例は、主たる構成単位がエチレン−2、6−ナフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート単位を50モル%以上含むポリエステルであり、さらに好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート単位を70モル%以上、特に好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート単位を90モル%以上含むポリエステル、最も好ましくは、エチレン−2、6−ナフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルであって、前記のリン化合物を共重合または配合したものである。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)の好ましいその他の例としては、主たる構成単位が1,3−プロピレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を50モル%以上含むポリエステルであり、さらに好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を70モル%以上、特に好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を90モル%以上、最も好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルであって、前記のリン化合物を共重合または配合したものである。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)の好ましいその他の例としては、主たる構成単位がブチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくはブチレンテレフタレート単位を50モル%以上含む共重合ポリエステルであり、さらに好ましくはブチレンテレフタレート単位を70モル%以上、特に好ましくはブチレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステル、最も好ましくはブチレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルであって、前記のリン化合物を共重合または配合したものである。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)の好ましいその他の例としては、主たる構成単位がブチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくはブチレンテレフタレート単位を50モル%以上含む共重合ポリエステルであり、さらに好ましくはブチレンテレフタレート単位を70モル%以上、特に好ましくはブチレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステル、最も好ましくはブチレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルであって、前記のリン化合物を共重合または配合したものである。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)の好ましいその他の一例は、主たる構成単位が乳酸単位から構成されるポリエステルであり、好ましくは乳酸単位を55ル%以上、さらに好ましくは乳酸単位を70モル%以上、さらに好ましくは乳酸単位を90モル%以上、特に好ましくは乳酸単位を95モル%以上含むポリエステルであって、前記のリン化合物を共重合又は配合したものである。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)の好ましいその他の一例は、主たる構成単位がグリコール酸単位から構成されるポリエステルであり、好ましくはグリコール酸単位を55モル%以上、さらに好ましくはグリコール酸単位を70モル%以上、特に好ましくはグリコール酸単位を90モル%以上含むポリエステル、特に好ましくはグリコール酸単位を95モル%以上含むポリエステルであって、前記のリン化合物を共重合又は配合したものである。
さらにまた、本発明に係るポリエステル樹脂(2)の好ましいその他の一例は、主たる構成単位がコハク酸単位から構成されるポリエステルであり、好ましくはコハク酸単位を55モル%以上、さらに好ましくはコハク酸単位を70モル%以上、特に好ましくはコハク酸単位を90モル%以上含むポリエステル、特に好ましくはコハク酸単位を95モル%以上含むポリエステルであって、前記のリン化合物を共重合又は配合したものである。
特に共重合ポリエステルのグリコール成分の60モル%以上が1,4−ブタンジオールであるリン化合物を共重合ないしは配合したポリエステルが好ましい。
特に共重合ポリエステルのグリコール成分の60モル%以上が1,4−ブタンジオールであるリン化合物を共重合ないしは配合したポリエステルが好ましい。
本発明に係る、リン化合物を共重合または配合したポリエステル樹脂(2)は、重縮合時に前記リン化合物を添加して共重合する方法(以下、「重縮合法」ということがある)あるいはポリエステル樹脂(1)と前記リン化合物から選ばれた少なくとも一種を押出機、例えば二軸押出機で混練する方法やポリエステル樹脂(1)のチップ表面に前記リン化合物を付着させる方法(以下、「添加法」ということがある)などによって製造することが可能であるが、これらに限定されるものではない。
共重合方法による場合は、例えば、テレフタル酸とエチレングリコールおよびリン化合物からの共重合ポリエステルの場合には、以下のような方法により製造することができる。
テレフタル酸及び/またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとのエステル化反応生成物を重縮合して、ポリエステルにする際に採用される任意の方法で合成することができる。
前記リン化合物はポリエステルの製造時に添加されるが、その添加時期は、エステル化工程初期から、初期縮合後期までの任意の段階で添加できるが、アセトアルデヒド生成などの副反応の抑制、反応機台の腐食の問題などから、エステル化工程の後期から初期縮合初期に添加するのが好ましい。
テレフタル酸及び/またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとのエステル化反応生成物を重縮合して、ポリエステルにする際に採用される任意の方法で合成することができる。
前記リン化合物はポリエステルの製造時に添加されるが、その添加時期は、エステル化工程初期から、初期縮合後期までの任意の段階で添加できるが、アセトアルデヒド生成などの副反応の抑制、反応機台の腐食の問題などから、エステル化工程の後期から初期縮合初期に添加するのが好ましい。
好ましい製造条件は、次のようである。すなわち、エステル化反応は、230〜250℃で常圧〜加圧下に0.5〜5時間実施してエステル化反応率を少なくとも90%、好ましくは95%以上にする。次いで、リン化合物を添加し、240〜255℃、好ましくは240〜250℃、さらに好ましくは240〜248℃で300〜0.1Torrで0.5〜2時間第一段の重縮合を実施し、さらに、250〜280℃、好ましくは250〜278℃、さらに好ましくは250〜275℃で10〜0.1Torr、好ましくは5〜0.1Torrで目的の重合度まで重縮合を行う。特に、第一段目の重縮合反応を250℃以下で実施することが本発明の目的を達成するために重要である。
前記の出発原料である2,6−ナフタレンジカルボン酸やテレフタル酸またはエチレングリコールとしては、パラキシレンやナフタレンから誘導されるバージンの2,6−ナフタレンジカルボン酸やテレフタル酸あるいはエチレンから誘導されるエチレングリコールは勿論のこと、使用済みPENボトルやPETボトルからメタノール分解やエチレングリコール分解などのケミカルリサイクル法により回収した2,6−ナフタレンジカルボン酸やテレフタル酸、ビスヒドロキシエチル−2,6−ナフタレートやビスヒドロキシエチルテレフタレートあるいはエチレングリコールなどの回収原料も、出発原料の少なくとも一部として利用することが出来る。前記回収原料の品質は、使用目的に応じた純度、品質に精製されていなければならないことは言うまでもない。
重縮合触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、錫、鉛、ビスマス、スカンジウム、イットリウム、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、テルル、タンタル、タングステン、ガリウム、アルミニウム、アンチモン、ゲルマニウム、チタン、ケイ素、銀などからなる群より選ばれる1種以上の金属化合物が用いられ、特に、前記のリン化合物によって触媒作用が失活されないアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、タングステン化合物が最適である。
Sb化合物としては、具体的には、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレート、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられる。Sb化合物は、生成ポリマー中のSb残存量として50〜300ppm、好ましくは55〜200ppm、さらに好ましくは60〜150ppmの範囲になるように添加する。
Ge化合物としては、具体的には、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド、亜リン酸ゲルマニウム等の化合物が挙げられる。Ge化合物を使用する場合、その使用量はポリエステル樹脂(2)中のGe残存量として10〜100ppm、好ましくは11〜50ppm、更に好ましくは11〜15ppmである。
前記のようにして得られた溶融重縮合ポリエステルは、例えば、溶融重縮合終了後にダイス細孔より溶融ポリエステルを水中に押出して水中でカットする方式、あるいは溶融重縮合終了後にダイス細孔より空気中にストランド状に押出した後、冷却水で冷却しながらチップ化する方式によって柱状、球状、角状や板状の形態にチップ化される。また、ダイススリットより空気中,または水中にシート状に押出したあと冷却水で冷却しながらシート状物の形態にされる。
また、前記の溶融重縮合ポリエステルのチップ化時の冷却水としては、前記の式(5)〜(8)の少なくとも一つを満足する冷却水を用いることが好ましく、さらには式(5)〜(8)のすべてを満足する水を用いることが最も好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂(2)は前記のようにして製造されるが、これらに加えて下記に示す方法を適宜採用することができる。すなわち、IVが0.55デシリットル/グラム以上の溶融重縮合ポリマーをチップ化後直ちに減圧下または不活性気体流通下に150℃までの温度で加熱結晶化する方法、IVが0.40〜0.60デシリットル/グラムの溶液重縮合プレポリマーを固相重合する手法を用いることができる。また、ポリエステルをベント式押出機で減圧下、あるいは不活性気体流通下に溶融押出しする方法を用いることができる。また、これらの方法を適当に組み合せることも出来る。
また、「添加法」、すなわち、ポリエステル樹脂にリン化合物を添加配合する方法による場合は、例えば、乾燥したポリエステル樹脂と前記リン化合物を二軸押出機で溶融混練してチップ化する方法、ポリエステル樹脂粒状体をリン化合物の水溶液や有機溶媒の溶液に浸漬させる方法、あるいはこれらの溶液を表面に付着させる方法などにより製造可能である。
本発明に係るポリエステル樹脂(2)中のCr原子含有量は、Cr原子として、好ましくは8ppm以下、より好ましくは6ppm以下、さらに好ましくは4ppm以下、最も好ましくは1ppm以下である。Fe原子含有量は、Fe原子として、25ppm以下、より好ましくは20ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下、最も好ましくは5ppm以下である。Ni原子含有量は、Ni原子として、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下である。Zn原子含有量は、好ましくは4ppm以下、より好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下である。さらには、前記の式(1)〜(4)のすべてを満足することが最も好ましい。また、前記金属原子含有量の下限値は経済性の点より0.01ppmである。
前記の金属原子含有量の少なくとも1つが、前記の上限値を超える場合には、ポリエステル樹脂(2)の色調が悪くなり、アルデヒド類含有量も多くなり、本発明のポリエステル樹脂組成物から得られた成形体などの透明性が悪化し、成形体などの着色が激しくなり、また香味保持性も悪くなり問題である。
式(1)〜(4)を満足する金属含有量のポリエステル樹脂(2)は、共重合方法による場合は反応器の金属材質、また、押出成形機によりポリエステル樹脂(1)に付着配合あるいは混練配合させる方法による場合は押出成形機などの金属材質を下記のようにすることによって得ることが出来る。
エステル化反応や重縮合反応を行う反応器としては、SUS316、SUS316L、SUS317、SUS317L、ハステロイ製以上の高温耐蝕性が必要で、好ましくはSUS316L、SUS317、SUS317L、ハステロイ製、あるいはガラスライニング製、最も好ましくはSUS317、SUS317L、ハステロイ製の反応器、攪拌機などを用いる。特に、230℃以上でリン化合物を反応させる反応器としては必ずこのような反応器を用いることが必要である。PETの重縮合に用いられる金属材質製反応器では、Cr金属やFe金属が多量に溶出するので好ましくない。
また、押出成形機による混練配合する際には、SUS316、好ましくはSUS316L、SUS317、SUS317L、ハステロイ製スクリューやバレルで構成された二軸押出機を使用することが必要である。
また、押出成形機による混練配合する際には、SUS316、好ましくはSUS316L、SUS317、SUS317L、ハステロイ製スクリューやバレルで構成された二軸押出機を使用することが必要である。
本発明に係るポリエステル樹脂(2)の極限粘度は、0.40〜1.20デシリットル/グラム、好ましくは0.50〜1.00デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.60〜0.90デシリットル/グラム、最も好ましくは0.65〜0.85デシリットル/グラムの範囲であるであることが望ましい。
極限粘度が0.60デシリットル/グラム以上の場合は、溶融重縮合したポリマーを固相状態で重合する方法によるのが好ましい。
極限粘度が0.40デシリットル/グラム未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪くなり、また、機械的強度が実用的な範囲を満たさず問題となる。また、1.20デシリットル/グラムを越える場合はポリエステル樹脂(2)との組成物を成形する際に混練が不完全となり均一な品質の成形体が得られない。
極限粘度が0.60デシリットル/グラム以上の場合は、溶融重縮合したポリマーを固相状態で重合する方法によるのが好ましい。
極限粘度が0.40デシリットル/グラム未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪くなり、また、機械的強度が実用的な範囲を満たさず問題となる。また、1.20デシリットル/グラムを越える場合はポリエステル樹脂(2)との組成物を成形する際に混練が不完全となり均一な品質の成形体が得られない。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)に共重合されたジアルキレングリコール含有量およびトリアルキレングリコール含有量が、構成するグリコ−ル成分の、それぞれ、10モル%以下および2モル%以下、好ましくは、それぞれ、8.0モル%以下および1.5モル%以下、より好ましくは、それぞれ、6.0モル%以下および1.0モル%以下、さらに好ましくは、それぞれ、5.0モル%以下および0.5モル%以下であることが望ましい。ジアルキレングリコ−ル量が10モル%を越える場合は、熱安定性および熱酸化安定性が悪くなり、成形時に分子量の低下が大きくなり、また、アルデヒド類の含有量の増加量が大となり好ましくない。
また、トリアルキレングリコ−ル量が2モル%を越える場合は、熱安定性および熱酸化安定性が悪くなり、加熱乾燥時や成形時に分子量低下が大きくなり、また、アルデヒド類の含有量の増加量や着色が大となり好ましくない。
また、ジアルキレングリコール含有量およびトリアルキレングリコール含有量の下限値は、それぞれ、0.5モル%および0.1モル%であり、これらの下限値未満に低減するためには前記の塩基性窒素含有化合物を大量に添加せねばならず、着色の問題が生じるので好ましくない。
また、トリアルキレングリコ−ル量が2モル%を越える場合は、熱安定性および熱酸化安定性が悪くなり、加熱乾燥時や成形時に分子量低下が大きくなり、また、アルデヒド類の含有量の増加量や着色が大となり好ましくない。
また、ジアルキレングリコール含有量およびトリアルキレングリコール含有量の下限値は、それぞれ、0.5モル%および0.1モル%であり、これらの下限値未満に低減するためには前記の塩基性窒素含有化合物を大量に添加せねばならず、着色の問題が生じるので好ましくない。
ここで、ポリエステル中に共重合されたジアルキレングリコールとは、例えば、主たる構成単位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルの場合には、グリコールであるエチレングリコールから製造時に副生したジエチレングリコ−ルのうちで、前記ポリエステルに共重合したジエチレングリコ−ル(以下、DEGと略称する)のことであり、1,3−プロピレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの場合には、グリコールである1,3−プロピレングリコールから製造時に副生したジ(1,3−プロピレングリコ−ル)(またはビス(3−ヒドロキシプロピル)エ−テル)のうちで、前記ポリエステルに共重合したジ(1,3−プロピレングリコ−ル)のことである。また、ポリエステル中に共重合されたトリアルキレングリコールとは、例えば、主たる構成単位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルの場合には、同様にして製造時に副生したトリエチレングリコ−ルのうちで、前記ポリエステルに共重合したトリエチレングリコ−ル(以下、TEGと略称する)のことであり、1,3−プロピレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの場合には、同様にして製造時に副生したトリ(1,3−プロピレングリコ−ル)(またはトリス(3−ヒドロキシプロピル)エ−テル)のうちで、前記ポリエステルに共重合したトリ(1,3−プロピレングリコ−ル)のことである。
本発明に係るポリエステル樹脂(1)の製造において、ジアルキレングリコール含有量およびトリアルキレングリコール含有量を本発明の範囲に抑制する方法として、例えば、塩基性窒素化合物を用いることができる。塩基性窒素化合物としては、脂肪族、脂環式、芳香族および複素環式窒素化合物のいずれでもかまわない。具体例としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、キノリン、ジメチルベンジルアミン、ピペリジン、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイド、イミダゾール、イミダゾリン等が挙げられる。これらの化合物は遊離形で用いてもよいし、低級脂肪酸やTPAの塩として用いてもよい。また、これらの塩基性窒素化合物の反応系への添加は、初期重縮合反応が終了するまでの任意の段階で適宜選ぶことが出来、単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。これらの塩基性窒素化合物の配合量は、ポリエステル当り0.01〜1モル%、好ましくは0.05〜0.7モル%、更に好ましくは0.1〜0.5モル%である。
また、エステル化反応の初期においてエステル化率が60%以上になるまでは反応温度を230℃近辺に保持する方法も有効である。
また、エステル化反応の初期においてエステル化率が60%以上になるまでは反応温度を230℃近辺に保持する方法も有効である。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)が含むアルデヒド類の含有量は200ppm以下、好ましくは150ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、最も好ましくは50ppm以下であることが望ましい。アルデヒド類の含有量が200ppmを越える場合には、本発明のポリエステル樹脂組成物から得られる成形体の内容物の香味保持性は非常に悪くなり、問題が生じる。また、アルデヒド類の含有量の下限値は、経済的な生産の面から1ppm、好ましくは2ppm、さらに好ましくは3ppmである。ここで、アルデヒド類とは、ポリエステル樹脂(2)がエチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルやエチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステルなどのようにエチレングリコ−ルをグリコール成分の主要成分とするポリエステルの場合はアセトアルデヒドやホルムアルデヒドであり、1,3−プロピレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの場合はアリルアルデヒドであり、さらにブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステルの場合はブタナールである。ただし、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステルの場合、前記アルデヒドは大部分がテトラヒドロフランとして検出される。
なお、本発明に係るポリエステル樹脂(2)のアルデヒド類の含有量を200ppm以下とする方法としては、IVが0.30〜0.60の溶液重合ポリエステルプレポリマーを固相重合する手法、所定のIVのポリエステルを不活性気体雰囲気下または減圧下にIVが実質的に変化しない条件で加熱処理する方法、ポリエステルを不活性気流中または減圧下で50〜180℃の温度で熱処理する方法、ポリエステルをベント式押出機で減圧下あるいは不活性気体流通下に溶融押出しする方法、リン含有ポリエステル樹脂を水やクロロフォルムなどの有機溶媒で熱処理する方法、または溶剤に溶解した溶液から再沈法などでポリエステルを析出させる方法などの方法があり、これらを単独あるいは適当に組み合わせて用いることが出来る。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(2)の環状エステルオリゴマーの含有量は、前記ポリエステル樹脂の溶融重縮合体が含有する環状エステルオリゴマーの含有量の80%以下、好ましくは75%以下、さらに好ましくは70%以下、特に好ましくは65%以下であることが好ましい。環状エステルオリゴマー含有量の下限値は、経済的な生産の面から溶融重縮合体が含有する環状エステルオリゴマー含有量の30%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは40%以上である。なお、ポリエステル樹脂(2)の溶融重縮合体が含有する環状エステルオリゴマーの含有量とは、溶融重縮合した数平均分子量が約5000以上のポリエステル樹脂(2)中に存在している、遊離の数種の環状エステルオリゴマーのうちで最も含有量が高い環状n量体の含有量のことである。本発明に係るポリエステル樹脂(2)がエチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの代表であるPETベースの場合は、環状n量体は環状3量体のことであり、溶融重縮合ポリエステルの環状3量体の含有量は約1.0重量%であるから、ポリエステル樹脂(2)の環状3量体含有量は8000ppm以下、好ましくは7500ppm以下、さらに好ましくは7000ppm以下であることが好ましい。環状3量体含有量が8000ppmを越える場合は、成形金型の汚れが酷くなり、長時間成形時には透明性の優れた中空成形体が得られない。なお、環状エステルオリゴマー含有量を低減さす方法としては、前記に記載したアルデヒド類の含有量を低減させる方法と同様の方法を用いることが出来る。
本発明に係るポリエステル樹脂(2)のチップの形状は、シリンダー型、角型、球状または扁平な板状等の何れでもよい。その平均粒径は、通常1.0〜4mm、好ましくは1.0〜3.5mm、さらに好ましくは1.0〜3.0mmの範囲である。例えば、シリンダー型の場合は、長さは1.0〜4mm、径は1.0〜4mm程度であるのが実用的である。球状粒子の場合は、最大粒子径が平均粒子径の1.1〜2.0倍、最小粒子径が平均粒子径の0.7倍以上であるのが実用的である。また、チップの重量は2〜40mg/個の範囲が実用的である。また、シート状物の場合は、その厚みは0.1〜5mm程度であり、これを上記と同程度の大きさに切断して、その後の用途に用いる。また、固相重合速度を向上させたり、アルデヒド類の含有量をより効果的に低減させたりすることが必要な場合は、チップの平均重量は1〜5mg/個にすることも好ましい。
また、これらのチップの嵩密度は0.70〜0.97グラム/立方センチメートル、好ましくは0.80〜0.96グラム/立方センチメートル、特に好ましくは0.83〜0.95グラム/立方センチメートルであることが好ましい。
また、これらのチップの嵩密度は0.70〜0.97グラム/立方センチメートル、好ましくは0.80〜0.96グラム/立方センチメートル、特に好ましくは0.83〜0.95グラム/立方センチメートルであることが好ましい。
また、ポリエステル樹脂(2)の製造工程を構成する、溶融重縮合ポリマーをチップ化する工程、固相重合工程、溶融重縮合ポリマーチップや固相重合ポリマーチップを輸送する工程等において、本来造粒時に設定した大きさのチップよりかなり小さな粒状体や粉等が発生する。ここでは、このような微細な粒状体や粉等をファインと称する。
このようなファインは、ポリエステル樹脂組成物からの成形体の結晶化を促進させる性質を持っており、ポリエステル樹脂(2)のファイン含有量を1重量%以下に管理することが重要である。ファイン含有量が1重量%を越える場合には、ポリエステル樹脂(1)との組成物から成形される成形体の透明性が悪くなり、また、結晶化速度が高くかつその変動が非常に早くなるなどの諸問題が発生し、本発明の目的を達成するポリエステル樹脂組成物およびポリエステル成形体が得られない。ポリエステル樹脂(2)のファイン含有量の下限値は約10ppm以下であり、これ以下にすることは経済性の点で問題である。
ポリエステル樹脂(1)のファイン含有量を1重量%以下にする方法としては、リン化合物を共重合した溶融ポリマーやリン化合物を混練した溶融ポリマーを約5〜約60℃の水中に吐出すると同時に水中で切断する水中カッターでチップ化し、チップに付着した水分を除去後、チップにせん断応力や衝撃力が掛からない搭型結晶化装置などで結晶化、乾燥する方法、また、これに篩分工程や空気流によるファイン除去工程を追加する方法、約10〜60℃の水中に溶融ポリマーを吐出後ストランドカッターでチップ化し、前途と同様の方法でファイン除去後は高密度輸送する方法などを採用することができる。
ここで、ファインとは、JIS−Z8801による呼び寸法1.7mmの金網をはった篩いを通過したポリエステルの微粉末を意味し、これらの含有量は下記の測定法によって測定する。
ここで、ファインとは、JIS−Z8801による呼び寸法1.7mmの金網をはった篩いを通過したポリエステルの微粉末を意味し、これらの含有量は下記の測定法によって測定する。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(1)は、射出成形した4mm厚みの成形体のヘイズが40%以下であることを特徴とするポリエステル樹脂である。成形体のヘイズは、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。前記のヘイズが40%を越える場合は、ポリエステル樹脂(2)とのポリエステル樹脂組成物から成形される成形体の透明性が悪くなり、また結晶化速度が早くなるなどの諸問題が発生する。ヘイズの下限値は1%であり、これ以下に低減しても効果は殆ど現れない。
なお、成形体のヘイズが40%以下であるポリエステル樹脂(1)を得る方法としては、例えば、重縮合触媒としてGe化合物を用いる方法、Sb化合物を用いる場合はSb残存量が190ppmを越えないような添加量に管理する方法、反応装置からから溶出するCrなどの金属原子の含有量を前記の式(1)〜(4)を満足させるようにする方法、重縮合時の温度を285℃以下に維持して重縮合時の熱分解を出来るだけ抑制する方法、成形前または固相重合前の結晶化または乾燥はチップに衝撃力ができるだけかからない設備を用いる方法などによることができ、また、これらの方法を適宜組み合せてもよいが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
ただし、本発明に係るポリエステル樹脂(1)を成形する射出成形機のシリンダー温度は、用いるポリエステル樹脂(1)の融点によって変更することが必要である。具体的には、PET系ポリエステル、PBT系ポリエステル樹脂あるいはPTT系ポリエステル樹脂をベースとしたポリエステル樹脂(1)、または、PEN系ポリエステル樹脂をベースとしたポリエステル樹脂(1)に対しては、測定法(11)に記した、その他のシリンダー温度の設定値は、それぞれ、290℃または300℃である。
ただし、本発明に係るポリエステル樹脂(1)を成形する射出成形機のシリンダー温度は、用いるポリエステル樹脂(1)の融点によって変更することが必要である。具体的には、PET系ポリエステル、PBT系ポリエステル樹脂あるいはPTT系ポリエステル樹脂をベースとしたポリエステル樹脂(1)、または、PEN系ポリエステル樹脂をベースとしたポリエステル樹脂(1)に対しては、測定法(11)に記した、その他のシリンダー温度の設定値は、それぞれ、290℃または300℃である。
また、ポリマーカラー、加水分解性など物性を損なわない程度に従来公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、酸素捕獲剤、外部より添加する滑剤や反応中に内部析出させた滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯電防止剤、青み付け剤、染料、顔料などの各種の添加剤を併用することも可能である。
(ポリエステル樹脂(3))
本発明に係るポリエステル樹脂(3)は、加熱溶融前後の環状エステルオリゴマー増加量が0.10重量%以下であるポリエステル樹脂であり、具体的には、前記のポリエステル樹脂(1)とポリエステル樹脂(2)とを混合して得たポリエステル樹脂、あるいは、ポリエステル樹脂(2)に共重合または配合される前記のリン化合物をポリエステル樹脂(1)に配合したポリエステル樹脂である。
本発明に係るポリエステル樹脂(3)は、加熱溶融前後の環状エステルオリゴマー増加量が0.10重量%以下であるポリエステル樹脂であり、具体的には、前記のポリエステル樹脂(1)とポリエステル樹脂(2)とを混合して得たポリエステル樹脂、あるいは、ポリエステル樹脂(2)に共重合または配合される前記のリン化合物をポリエステル樹脂(1)に配合したポリエステル樹脂である。
本発明に係るポリエステル樹脂(3)が前記の混合物である場合、本発明に係るポリエステル樹脂(3)を構成する前記ポリエステル樹脂(1)と前記ポリエステル樹脂(2)の混合割合は、前記ポリエステル樹脂(1)100重量部に対して前記ポリエステル樹脂(2)0.01重量部〜10重量部であることが好ましい。前記ポリエステル樹脂(2)の配合量が0.01重量部未満の場合は、ポリエステル樹脂(1)に含まれる重縮合触媒を十分に失活させることができず、得られた成形体のアルデヒド類の含有量が非常に多くなって香味保持性に影響し問題となる。また成形体の環状エステルオリゴマー含有量が非常に多くなり、連続成形時の金型汚れが激しくなる。このために透明性の優れた成形体が得られなくなるという問題が生じる。また前記ポリエステル樹脂(2)の配合量が10重量部を越える場合は、得られた成形体の耐熱性が悪くなったり、黄色く着色したりして商品価値が落ちるという問題が生じる。
また、ポリエステル樹脂(1)とポリエステル樹脂(2)はその樹脂組成が実質的に同じであることが好ましい。ここで実質的に同じとは、組成の差が10モル%以下、好ましくは8モル%以下、より好ましくは6モル%以下、さらに好ましくは4モル%以下、特に好ましくは3モル%以下、最も好ましくは2モル%以下である。なお、ポリエステル樹脂(1)とポリエステル樹脂(2)で用いられるアルキレングリコール由来のジアルキレングリコールの場合は組成の差が15モル%以下、好ましくは12モル%以下、より好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは8モル%以下、特に好ましくは6モル%以下、最も好ましくは5モル%以下であっても良い。
本発明に係るポリエステル樹脂(3)は、従来公知の方法により前記のポリエステル樹脂(1)と前記のポリエステル樹脂(2)を混合して得ることができる。例えば、前記のポリエステル樹脂(1)と前記のポリエステル樹脂(2)とをタンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドする方法、さらにドライブレンドした混合物を一軸押出機、二軸押出機、ニーダー等で1回以上溶融混合する方法、さらには必要に応じて溶融混合物を高真空下または不活性ガス雰囲気下で固相重合する方法などが挙げられる。
混合時や成形時に混合比率が変動しないようにするためには、ポリエステル樹脂(1)とポリエステル樹脂(2)のチップ形状や粒重は、ほぼ同一であることが好ましい。両者の嵩密度の比が0.7〜1.3、好ましくは0.8〜1.2、更に好ましくは0.9〜1.1の範囲であることが好ましい。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(3)が、前記のリン化合物をポリエステル樹脂(1)に配合したポリエステル樹脂である場合は、前記の方法などにより得ることが可能である。
また、本発明に係るポリエステル樹脂(3)を得る際に用いるチップ化時の冷却水やリン化合物などの溶解用の水としては、前記の式(5)〜(8)の少なくとも一つを満足する水を用いることが好ましく、さらには式(5)〜(8)のすべてを満足する水を用いることが最も好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂(3)が、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステル樹脂の場合は、本発明のポリエステル樹脂組成物からなる成形体を290℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量は0.40重量%以下、好ましくは0.30重量%以下、さらに好ましくは0.20重量%以下、最も好ましくは0.10重量%以下である。290℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.40重量%を越えると言うことは、ポリエステル樹脂(1)の重縮合触媒の触媒作用を完全に失活出来ていないことを表しており、成形溶融時に環状3量体が再生し、連続成形時には加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の成形体の透明性が非常に悪化するという問題や前記金型の清浄化に多大の労力、時間がかかるなどの問題が生じる。また、環状3量体増加量の下限値は0.01重量%程度であり、下限値をこれ未満に減少させても前記問題点に対する経済的効果は非常に少ない。
本発明に係るポリエステル樹脂(3)は、ポリエステル樹脂(1)が含有するリン原子の含有量、ポリエステル樹脂(1)が含有する重縮合触媒金属原子の種類および重縮合触媒金属原子の残存量、及びポリエステル樹脂(2)とポリエステル樹脂(1)の配合割合、また、ポリエステル樹脂(1)に配合するリン化合物とポリエステル樹脂(1)の配合割合などを適宜調節することによって得ることが出来る。例えば、ポリエステル樹脂(3)中に残存する、Ge金属原子残存量とSb金属原子残存量とを除く重縮合触媒由来の金属原子の残存量(Me)に対するリン原子残存量(P)のモル比(P/Me)が0.3〜20、好ましくは0.5〜15、さらに好ましくは1.0〜10であり、またリン原子残存量が0.5〜200ppm、好ましくは1〜150ppm、さらに好ましくは5〜100ppmになるようにポリエステル樹脂(2)とポリエステル樹脂(1)を配合する方法、あるいは、ポリエステル樹脂(1)の重縮合触媒としてGe化合物を用い、またポリエステル樹脂(2)の重縮合触媒としてアルミニウム化合物またはチタン化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種を用いる方法、または、これらの方法を組み合わせる方法などによって得ることが出来るが、これらに限定するものではない。
(アルデヒド低減剤)
本発明で用いられるアルデヒド低減剤としては、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリビニルアルコール類などの水酸基含有ポリマー、低分子量のアミノ基含有化合物、低分子量の水酸基含有化合物、ヒンダートフェニール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ポリフェノール系化合物、リン系安定剤、イオウ系安定剤が挙げられる。
本発明で用いられるアルデヒド低減剤としては、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリビニルアルコール類などの水酸基含有ポリマー、低分子量のアミノ基含有化合物、低分子量の水酸基含有化合物、ヒンダートフェニール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ポリフェノール系化合物、リン系安定剤、イオウ系安定剤が挙げられる。
アルデヒド低減剤として配合するポリアミドとしては、脂肪族ポリアミド、部分芳香族ポリアミドから選ばれる少なくとも一種のポリアミドが挙げられる。
脂肪族ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン6/66、ナイロン6/610等が例示される。
部分芳香族ポリアミドの好ましい例としては、メタキシリレンジアミン、もしくはメタキシリレンジアミンと全量の30%以下のパラキシリレンジアミンを含む混合キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に少なくとも20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上、特に好ましくは40モル%以上含有するメタキシリレン基含有ポリアミドである。
また、部分芳香族ポリアミドは、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3塩基以上の多価カルボン酸から誘導される構成単位を実質的に線状である範囲内で含有していてもよい。
脂肪族ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン6/66、ナイロン6/610等が例示される。
部分芳香族ポリアミドの好ましい例としては、メタキシリレンジアミン、もしくはメタキシリレンジアミンと全量の30%以下のパラキシリレンジアミンを含む混合キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に少なくとも20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上、特に好ましくは40モル%以上含有するメタキシリレン基含有ポリアミドである。
また、部分芳香族ポリアミドは、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3塩基以上の多価カルボン酸から誘導される構成単位を実質的に線状である範囲内で含有していてもよい。
これらポリアミドの例としては、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキシリレンスペラミド等のような単独重合体、及びメタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピペラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、メタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸/ω―アミノカプロン酸共重合体等が挙げられる。
また、部分芳香族ポリアミドの好ましいその他の例としては、脂肪族ジアミンとテレフタル酸またはイソフタル酸から選ばれた少なくとも一種の酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に少なくとも20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上、特に好ましくは40モル%以上含有するポリアミドである。
これらポリアミドの例としては、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/イソフタル酸共重合体、ポリノナメチレンテレフタルアミド、ポリノナメチレンイソフタルアミド、ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/イソフタル酸共重合体、ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸共重合体等が挙げられる。
これらポリアミドの例としては、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/イソフタル酸共重合体、ポリノナメチレンテレフタルアミド、ポリノナメチレンイソフタルアミド、ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/イソフタル酸共重合体、ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸共重合体等が挙げられる。
また、部分芳香族ポリアミドの好ましいその他の例としては、脂肪族ジアミンとテレフタル酸またはイソフタル酸から選ばれた少なくとも一種の酸以外に、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等を共重合成分として使用して得た、脂肪族ジアミンとテレフタル酸またはイソフタル酸から選ばれた少なくとも一種の酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に少なくとも20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上、特に好ましくは40モル%以上含有するポリアミドである。
これらポリアミドの例としては、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、ヘキサメチレンジアミン/イソフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸/ε−カプロラクタム共重合体等が挙げられる。
これらポリアミドの例としては、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、ヘキサメチレンジアミン/イソフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸/ε−カプロラクタム共重合体等が挙げられる。
また、ポリエステルアミドとしては、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびポリエチレンイミンから製造されたポリエステルアミド、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびヘキサメチレンジアミンから製造されたポリエステルアミド、テレフタル酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびヘキサメチレンジアミンから製造されたポリエステルアミド、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンから製造されたポリエステルアミドおよびこれらの混合物などが挙げられる。共重合成分として使用できる酸成分としては、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、オルソフタル酸、キシリレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類が挙げられる。
用いられるポリアミドやポリエステルアミドは、DSC(示差走査熱量計)で測定した二次転移点が、50〜120℃であることが好ましい。二次転移点が50℃未満の場合は、乾燥工程やポリエステル樹脂との押出し時に融着したり、定量的に押出せなかったりするので好ましくない。また、120℃を越える場合には、ポリエステル未延伸成形体を延伸する際に均一に延伸されないで厚み斑などが生じて好ましくない。
また、水酸基含有ポリマーとしてはポリビニールアルコール、エチレンビニールアルコールポリマーなどが挙げられる。
低分子量の水酸基含有化合物としては、糖アルコール、トリグリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、デキストリン、シクロデキストリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのポリオール類およびこれらのアルコキシル化ポリオール類などが挙げられる。
前記のアルデヒド低減剤が、高分子量のポリマーであってチップ形状で得られる場合は、チップ化時に用いる冷却水としては、前記の式(5)〜(8)の少なくとも一つを満足する冷却水を用いることが好ましく、さらには式(5)〜(8)のすべてを満足する水を用いることが最も好ましい。
前記のアルデヒド低減剤が、高分子量のポリマーであってチップ形状で得られる場合は、チップ化時に用いる冷却水としては、前記の式(5)〜(8)の少なくとも一つを満足する冷却水を用いることが好ましく、さらには式(5)〜(8)のすべてを満足する水を用いることが最も好ましい。
また、低分子量のアミノ基含有化合物としては、ステアリルアミンなどの脂肪族アミン化合物、o−フェニレンジアミン、3,4−ジアミノ安息香酸、1,8−ジアミノナフタレン、N,N‘−1,6−ヘキサンジルビス(2−アミノベンズアミド)、4,4´−ジアミノジフェニールメタンなどの芳香族アミン化合物、アンスラニルアミド、サリシルアミド、サリシルアニリド、o−メルカプトベンズアミド、N−アセチルグリシンアミド、マロンアミド、2−アミノベンゼンスルホンアミドなどの酸アミド化合物類、2,3−ジアミノピリジン、1,2−ジアミノアンスラキノン、ジアニリノエタンなどのジアミノ化合物類、メラミン、ベンゾグアナミンなどのトリアジン化合物、4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールなど官能基がアミノ基およびヒドキシル基である化合物類、アミノ酸等が挙げられる。
ヒンダートフェニール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ−フェニルプロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ−フェニルプロピオネート]、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
ベンゾフェノン系化合物としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン等や下記式(Ea−1、Ea−2)のものが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
式(Ea-1)中、R2はアルキル基、好ましくは炭素数1〜20のものを表わす。式(Ea-1)の化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ヒンダートアミン系化合物の具体例としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))や下記式(F−1、F−2、F−3、F−4)のものが挙げられこれらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
式(F-3)中、xは1以上の整数を表わす。式(F-4)中、nは1以上の整数、好ましくは1〜20を表わす。式(F-4)の化合物の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。
これらのポリアミド化合物、低分子量アミノ基含有化合物、あるいは水酸基含有化合物などのアルデヒド低減剤は、単独で用いても良いし、適当な割合で混合して用いても良い。
また、低分子量のアルデヒド低減剤は、そのままの形で使用することが不都合な場合は、ポリエステル樹脂(1)との濃縮したマスターバッチ(以下、「MB」と略称することがある。)として用いる方が好都合である。この際、MBチップの嵩密度は0.70〜0.97グラム/立方センチメートル、好ましくは0.80〜0.96グラム/立方センチメートル、特に好ましくは0.83〜0.95グラム/立方センチメートルが好ましい。
また、低分子量のアルデヒド低減剤は、そのままの形で使用することが不都合な場合は、ポリエステル樹脂(1)との濃縮したマスターバッチ(以下、「MB」と略称することがある。)として用いる方が好都合である。この際、MBチップの嵩密度は0.70〜0.97グラム/立方センチメートル、好ましくは0.80〜0.96グラム/立方センチメートル、特に好ましくは0.83〜0.95グラム/立方センチメートルが好ましい。
(ポリエステル樹脂組成物)
本発明のポリエステル樹脂組成物は、前記ポリエステル樹脂(1)と、前記ポリエステル樹脂(2)および少なくとも1種のアルデヒド低減剤、を主成分として含むポリエステル樹脂組成物、または、前記リン化合物をポリエステル樹脂(1)に配合したポリエステル樹脂(3)と少なくとも1種のアルデヒド低減剤を主成分として含むポリエステル樹脂組成物である。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、前記ポリエステル樹脂(1)と、前記ポリエステル樹脂(2)および少なくとも1種のアルデヒド低減剤、を主成分として含むポリエステル樹脂組成物、または、前記リン化合物をポリエステル樹脂(1)に配合したポリエステル樹脂(3)と少なくとも1種のアルデヒド低減剤を主成分として含むポリエステル樹脂組成物である。
前記アルデヒド低減剤は、例えば、本発明に係るポリエステル樹脂(3)100重量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部用いることができる。0.001重量%未満ではアルデヒド含有量の低減効果がなくなり問題である。また、5重量%を超えると成形体の透明性や色調などが悪くなる。
前記アルデヒド低減剤は、例えば、ポリエステル樹脂(1)の低重合度オリゴマーの製造からポリエステルポリマーの製造の任意の反応段階に於いて所定量のアルデヒド低減剤を添加することによって配合することができる。前記のアルデヒド低減剤が高分子量の樹脂である場合は細粒、粉状、溶融体、あるいは溶液など適当な形として、また、低分子量化合物である場合は粉状、溶液状の形として、エステル化反応器や重縮合反応器などの反応器に添加したり、前記の反応器から次工程の反応器への前記ポリエステルの反応物の輸送配管中に前記アルデヒド低減剤またはこれと前記ポリエステルとの混合物を溶融状態で導入したりして配合できる。さらには必要に応じて得られたチップを高真空下または不活性ガス雰囲気下で固相重合することも可能である。
また、従来公知の方法によりポリエステル樹脂(3)とアルデヒド低減剤を混合する方法によって得ることもできる。例えば、アルデヒド低減剤とポリエステル樹脂(3)のチップとをタンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドしたもの、さらにドライブレンドした混合物を一軸押出機、二軸押出機、ニーダー等で1回以上溶融混合したもの、さらには必要に応じて溶融混合物からのチップを高真空下または不活性ガス雰囲気下で固相重合したものなどが挙げられる。
さらに、前記アルデヒド低減剤を溶剤に溶解させた溶液をポリエステルのチップの表面に付着させる方法などが挙げられる。
さらに、前記アルデヒド低減剤を溶剤に溶解させた溶液をポリエステルのチップの表面に付着させる方法などが挙げられる。
アルデヒド低減剤を前記ポリエステル樹脂に配合させたあと、溶融状態からチップ化したり、また、シート状形態にする場合、チップ化時などの冷却水としては、上記の式(5)〜(8)の少なくとも一つを満足する冷却水を用いることが好ましく、さらには式(5)〜(8)のすべてを満足する水を用いることが最も好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物のアルデヒド類の含有量は、30ppm以下、好ましくは20ppm以下、より好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下である。アルデヒド類の含有量が30ppm以上の場合は、このポリエステル樹脂組成物から成形された容器等の内容物の風味や臭い等が悪くなる。特に、本発明に係るポリエステル樹脂(1)が、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステル樹脂であり、これからなる前記ポリエステル樹脂組成物がミネラルウオータ等の低フレーバー飲料用の容器の材料として用いられる場合には、前記ポリエステル樹脂組成物のアセトアルデヒドの含有量は10ppm以下、好ましくは8ppm以下、より好ましくは6ppm以下、最も好ましくは5ppm以下であることが望ましい。下限値は1ppmであり、これ以下に低減してもその効果は現れない。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物を射出成形して得られた成形体のアルデヒド類の含有量をBtppmとし、射出成形前の前記ポリエステル樹脂組成物のアルデヒド類の含有量をB0ppmとした場合に、Bt−B0が10ppm以下、好ましくは9ppm以下、さらに好ましくは8ppm以下、最も好ましくは5ppm以下であることが好ましい。Bt−B0が10ppmを越える場合は、得られた成形体などのアルデヒド類の含有量が30ppm以下に低減できず問題である。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物の前記のBt−B0の値が、10ppm以下のポリエステル樹脂組成物を用いることにより内容物の風味や香りなどの特性が変化することのない成形体を得ることができる。前記のBt−B0の値が、10ppmを越える場合には、異臭がきつくて香味保持性が悪く、内容物の風味や香りなどの特性が悪くなり問題となる。また、前記のBt−B0の下限値は1ppmであり、この値未満に低減させても香味保持性はほとんど変わらず、効果がないことが判っている。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物を射出成形して得られた成形体の環状エステルオリゴマーの含有量をAtppmとし、射出成形前の前記ポリエステル樹脂組成物の環状エステルオリゴマーの含有量をA0ppmとした場合に、At−A0が好ましくは300ppm未満、さらに好ましくは200ppm未満であり、特に好ましくは100ppm以下であることが好ましい。また、At−A0の下限値は、経済的な生産性の面から5ppmである。前記のAt−A0が500ppm以下の場合には、成形機の排気口、溶融樹脂吐出口および成形金型などの汚れや詰まりなどの問題はなく長時間成形が可能であり、透明性の良好なポリエステル成形体が得られ、操業性も問題ない。しかし、前記のAt−A0が500ppmを超える場合には、成形機の排気口、溶融樹脂吐出口および成形金型などの汚れや詰まりなどが激しくなり、長時間成形が困難となる。中空成形体の成形時は、その透明性は非常に悪くなり問題である。
本発明のポリエステル樹脂組成物の環状エステルオリゴマーの含有量は、0.70重量%、好ましくは0.60重量%以下、さらに好ましくは0.50重量%以下、特に好ましくは0.35重量%以下であることが好ましい。環状エステルオリゴマーの下限値は、経済的な生産の面から0.20重量%以上、好ましくは0.22重量%以上、さらに好ましくは0.25重量%以上である。本発明のポリエステル樹脂組成物から耐熱性の中空成形体等を成形する場合は、加熱金型内で熱処理を行うが、環状エステルオリゴマーの含有量が0.70重量%以上含有する場合には、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
前記ポリエステルがエチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステルの代表であるPETの場合は、溶融重縮合ポリエステルプレポリマーの環状3量体の含有量は約1.0重量%であるから、本発明に係るポリエステル樹脂組成物の環状3量体の含有量は、0.70重量%以下、好ましくは0.60重量%以下、さらに好ましくは0.50重量%以下、特に好ましくは0.35重量%以下であることが好ましい。環状3量体含有量の下限値は、経済的な生産の面から0.20重量%以上、好ましくは0.25重量%以上、さらに好ましくは0.30重量%以上である。
本発明のポリエステル樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ5mmの成形体のヘイズが30%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、最も好ましくは8%以下であることが望ましい。特に、本発明のポリエステル樹脂組成物が中空成形体に用いられる場合は前記ヘイズは15%以下、また、耐熱性中空成形体に用いられる場合は前記ヘイズは10%以下であることが望ましい。成形体のヘイズが30%を超える場合は,得られた成形体の透明性が悪くなって問題となり、商品価値がなくなる。
また、前記ポリエステルがエチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステルの場合は、本発明のポリエステル樹脂組成物を射出成形して得た厚さ2mmの成形体からの試験片の昇温時の結晶化温度(以下「Tc1」と称する)が、140〜180℃の範囲、好ましくは142〜175℃の範囲、さらに好ましくは145〜170℃の範囲であることが望ましい。Tc1が180℃を越える場合は、加熱結晶化速度が非常に遅くなり中空成形体口栓部の結晶化が不十分となり、内容物の漏れの問題が発生する。また、Tc1が140℃未満の場合は、中空成形体の透明性が低下し問題となる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ4mmの成形体のカラーb値は、5.0以下、好ましくは4.0以下、さらに好ましくは2.0以下、最も好ましくは1.5以下である。カラーb値が5.0を超える場合は、成形体の色相が黄色〜茶褐色を帯び、透明性も悪くなって商品価値が無い成形体などしかえられないので問題である。カラーb値が、5.0を超えないようにするには、アルデヒド低減剤の種類や配合量、ポリエステル樹脂(2)の配合量、前記のモル比(P/Me)などを適宜管理することが重要である。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物にはポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ−ル樹脂、ポリブチレンテレフタレ−ト樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の樹脂0.1ppb〜1000ppmを配合してもよい。本発明のポリエステル樹脂組成物中での前記のポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂の配合割合は0.1ppb〜1000ppm、好ましくは0.3ppb〜100ppm、より好ましくは0.5ppb〜1ppm、さらに好ましくは0.5ppb〜45pbbである。配合量が0.1ppb未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、中空成形体の口栓部の結晶化が不十分となるため、サイクルタイムを短くすると口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャッピング不良となったり、また、耐熱性中空成形体を成形する延伸熱固定金型の汚れが激しく、透明な中空成形体を得ようとすると頻繁に金型掃除をしなければならない。また、1000ppmを超える場合は、結晶化速度が早くなり、中空成形体の口栓部の結晶化が過大となり、このため口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャッピング不良となり内容物の漏れが生じたり、また、中空成形体用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となる。また、シ−ト状物の場合、1000ppmを越えると透明性が非常に悪くなり、延伸性もわるくなって正常な延伸が不可能で、厚み斑の大きな、透明性の悪い延伸フィルムしか得られない。
本発明のポリエステル樹脂組成物に配合されるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはα−オレフィン系樹脂が挙げられ、これらの樹脂は結晶性でも非晶性でもかまわない。
また、前記のポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂配合ポリエステル樹脂組成物の製造は、前記ポリエステル樹脂(1)に前記熱可塑性樹脂を、その含有量が前記範囲となるように、直接に添加し溶融混練する方法以外に、マスタ−バッチとして添加し溶融混練する方法等の慣用の方法、前記の熱可塑性樹脂を、前記ポリエステル樹脂(1)の製造段階、例えば、溶融重縮合時、溶融重縮合直後、予備結晶化直後、固相重合時、固相重合直後等のいずれかの段階、または、製造段階を終えてから成形段階に到るまでの間等、で粉粒体として直接に添加するか、あるいは、ポリエステル樹脂(1)のチップの流動条件下に前記の熱可塑性樹脂製の部材に接触させる等の方法で混入させた後、溶融混練する方法等によることもできる。
また、前記のポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂配合ポリエステル樹脂組成物の製造は、前記ポリエステル樹脂(1)に前記熱可塑性樹脂を、その含有量が前記範囲となるように、直接に添加し溶融混練する方法以外に、マスタ−バッチとして添加し溶融混練する方法等の慣用の方法、前記の熱可塑性樹脂を、前記ポリエステル樹脂(1)の製造段階、例えば、溶融重縮合時、溶融重縮合直後、予備結晶化直後、固相重合時、固相重合直後等のいずれかの段階、または、製造段階を終えてから成形段階に到るまでの間等、で粉粒体として直接に添加するか、あるいは、ポリエステル樹脂(1)のチップの流動条件下に前記の熱可塑性樹脂製の部材に接触させる等の方法で混入させた後、溶融混練する方法等によることもできる。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて他の添加剤、例えば、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、酸素吸収剤、酸素捕獲剤、外部より添加する滑剤や反応中に内部析出させた滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯電防止剤、青み付け剤、染料、顔料などの各種の添加剤を配合してもよい。また、紫外線遮断性樹脂、耐熱性樹脂、使用済みポリエチレンテレフタレ−トボトルからの回収品等を適当な割合で混合することも可能である。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物をフィルム用途に使用する場合には、滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性を改善するために、ポリエステル樹脂組成物中に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の無機粒子、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等の有機塩粒子やジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体等の架橋高分子粒子などの不活性粒子を含有させることが出来る。
(ポリエステル成形体などの用途)
本発明のポリエステル樹脂組成物は、一般的に用いられる溶融成形法を用いて、シート状物、2軸延伸フィルム、中空成形体、トレー等の包装材を成形したり、また溶融押出法によって別の基材上にコートした被覆物を形成することができる。また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、多層成形体や多層フィルム等の1構成層としても用いることが出来る。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、一般的に用いられる溶融成形法を用いて、シート状物、2軸延伸フィルム、中空成形体、トレー等の包装材を成形したり、また溶融押出法によって別の基材上にコートした被覆物を形成することができる。また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、多層成形体や多層フィルム等の1構成層としても用いることが出来る。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなるシート状物は、それ自体公知の手段にて製造することができる。例えば、押出機とダイを備えた一般的なシート成形機やカレンダー加工によるシート成形機を用いて製造することができる。
また、このシート状物は、圧空成形、真空成形によりカップ状やトレー状に成形することもできる。また、本発明のポリエステル樹脂組成物からのポリエステル成形体は、電子レンジおよび/またはオ−ブンレンジ等で食品を調理したり、あるいは冷凍食品を加熱するためのトレイ状容器の用途にも用いることができる。この場合は、シ−ト状物をトレー形状に成形後、熱結晶化させて耐熱性を向上させる。
また、このシート状物は、圧空成形、真空成形によりカップ状やトレー状に成形することもできる。また、本発明のポリエステル樹脂組成物からのポリエステル成形体は、電子レンジおよび/またはオ−ブンレンジ等で食品を調理したり、あるいは冷凍食品を加熱するためのトレイ状容器の用途にも用いることができる。この場合は、シ−ト状物をトレー形状に成形後、熱結晶化させて耐熱性を向上させる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物の別の用途は、ラミネート金属板の片面あるいは両面にラミネートするフィルムである。用いられる金属板としては、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等が挙げられる。
ラミネート法としては、従来公知の方法が適用でき、特に限定されないが、有機溶剤フリーが達成でき、残留溶剤による食料品の味や臭いに対する悪影響が回避できるサーマルラミネート法で行うことが好ましい。なかでも、金属板の通電加工によるサーマルラミネート法が特に推奨される。また、両面ラミネートの場合は、同時にラミネートしてもよいし、逐次でラミネートしてもよい。
なお、接着剤を用いてフィルムを金属板にラミネートできることはいうまでもない。
ラミネート法としては、従来公知の方法が適用でき、特に限定されないが、有機溶剤フリーが達成でき、残留溶剤による食料品の味や臭いに対する悪影響が回避できるサーマルラミネート法で行うことが好ましい。なかでも、金属板の通電加工によるサーマルラミネート法が特に推奨される。また、両面ラミネートの場合は、同時にラミネートしてもよいし、逐次でラミネートしてもよい。
なお、接着剤を用いてフィルムを金属板にラミネートできることはいうまでもない。
また、金属容器は、前記ラミネート金属板を用いて成形することによって得られる。前記金属容器の成形方法は特に限定されるものではない。また、金属容器の形状も特に限定されるものではないが、絞り成型、絞りしごき成型、ストレッチドロー成型等の成型加工により製缶されるいわゆる2ピース缶への適用が好ましいが、例えばレトルト食品やコーヒー飲料等の食料品を充填するのに好適な天地蓋を巻締めて内容物を充填する、いわゆる3ピース缶へも適用可能である。
以下には、PETの場合の種々の用途についての具体的な製法を簡単に説明する。
延伸フィルムを製造するに当たっては、延伸温度は通常は80〜130℃である。延伸は一軸でも二軸でもよいが、好ましくはフィルム実用物性の点から二軸延伸である。延伸倍率は一軸の場合であれば通常1.1〜10倍、好ましくは1.5〜8倍の範囲で行い、二軸延伸であれば縦方向および横方向ともそれぞれ通常1.1〜8倍、好ましくは1.5〜5倍の範囲で行えばよい。また、縦方向倍率/横方向倍率は通常0.5〜2、好ましくは0.7〜1.3である。得られた延伸フィルムは、さらに熱固定して、耐熱性、機械的強度を改善することもできる。熱固定は通常緊張下、120℃〜240、好ましくは150〜230℃で、通常数秒〜数時間、好ましくは数十秒〜数分間行われる。
延伸フィルムを製造するに当たっては、延伸温度は通常は80〜130℃である。延伸は一軸でも二軸でもよいが、好ましくはフィルム実用物性の点から二軸延伸である。延伸倍率は一軸の場合であれば通常1.1〜10倍、好ましくは1.5〜8倍の範囲で行い、二軸延伸であれば縦方向および横方向ともそれぞれ通常1.1〜8倍、好ましくは1.5〜5倍の範囲で行えばよい。また、縦方向倍率/横方向倍率は通常0.5〜2、好ましくは0.7〜1.3である。得られた延伸フィルムは、さらに熱固定して、耐熱性、機械的強度を改善することもできる。熱固定は通常緊張下、120℃〜240、好ましくは150〜230℃で、通常数秒〜数時間、好ましくは数十秒〜数分間行われる。
中空成形体を製造するにあたっては、本発明のポリエステル樹脂組成物から成形したブリフォームを延伸ブロー成形してなるもので、従来PETのブロー成形で用いられている装置を用いることができる。具体的には例えば、射出成形または押出成形で一旦プリフォームを成形し、そのままあるいは口栓部、底部を加工後、それを再加熱し、ホットパリソン法あるいはコールドパリソン法などの二軸延伸ブロー成形法が適用される。この場合の成形温度、具体的には成形機のシリンダー各部およびノズルの温度は通常260〜300℃の範囲である。延伸温度は通常70〜120℃、好ましくは90〜110℃で、延伸倍率は通常縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5倍の範囲で行えばよい。得られた中空成形体は、そのまま使用できるが、特に果汁飲料、ウーロン茶などのように熱充填を必要とする飲料の場合には一般的に、さらにブロー金型内で熱固定処理を行い、耐熱性を付与して使用される。熱固定は通常、圧空などによる緊張下、100〜200℃、好ましくは120〜180℃で、数秒〜数時間、好ましくは数秒〜数分間行われる。
また、口栓部に耐熱性を付与するために、射出成形または押出成形により得られたプリフォームの口栓部を遠赤外線や近赤外線ヒーター設置オーブン内で結晶化させたり、あるいはボトル成形後に口栓部を前記のヒーターで結晶化させる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、これを溶融押出し後に切断した溶融塊を圧縮成形して得たプリフォームを延伸ブロー成形する、所謂、圧縮成形法による延伸中空成形体の製造にも用いることができる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、これを溶融押出し後に切断した溶融塊を圧縮成形して得たプリフォームを延伸ブロー成形する、所謂、圧縮成形法による延伸中空成形体の製造にも用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、常法の溶融紡糸法により繊維を製造することが可能であり、紡糸・延伸を2ステップで行う方法及び1ステップで行う方法が採用できる。さらに、捲縮付与、熱セットやカット工程を備えたステープルの製造方法やモノフィラメントなど公知の繊維製造方法がすべて適用できるものである。
また得られた繊維は、異型断面糸、中空断面糸、複合繊維、原着糸等の種々繊維構造となすことができ、糸加工においても例えば混繊、混紡、等の公知の手段を採用することができる。
更に上記ポリエステル繊維は、織編物或いは不織布、等の繊維構造体となすことができる。
そして上記ポリエステル繊維は、衣料用繊維、カーテン、カーペット、ふとん綿、ファイバーフィル等に代表されるインテリア・寝装用繊維、タイヤコード、ロープ等の抗張力線、土木・建築資材、エアバッグ等の車輛用資材、等に代表される産業資材用繊維、各種織物、各種編物、ネット、短繊維不織布、長繊維不織布用、等の各種繊維用途に使用することができる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお、主な特性値の測定法を以下に説明する。
なお、主な特性値の測定法を以下に説明する。
(1)ポリエステルの極限粘度(以下「IV」という)
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
ポリエステルチップの極限粘度を測定するための試料は、ポリエステルを冷凍粉砕して測定に供する。
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
ポリエステルチップの極限粘度を測定するための試料は、ポリエステルを冷凍粉砕して測定に供する。
(2)ポリエステルのアセトアルデヒド含有量(以下「AA」という)
試料/蒸留水=0.2〜1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィーで測定し、濃度をppmで表示した。前記操作を5回繰返し、その平均値をAA含有量とする。
ポリエステル樹脂組成物の(11)の方法による5枚の段付成形板のAA含有量(平均値)Btおよび射出成形前の前記ポリエステル樹脂組成物のAA含有量B0を求め、これから「Bt−B0」を求める。なお、B0は構成する各ポリエステル樹脂のAA含有量と構成割合から計算で求める。
試料/蒸留水=0.2〜1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィーで測定し、濃度をppmで表示した。前記操作を5回繰返し、その平均値をAA含有量とする。
ポリエステル樹脂組成物の(11)の方法による5枚の段付成形板のAA含有量(平均値)Btおよび射出成形前の前記ポリエステル樹脂組成物のAA含有量B0を求め、これから「Bt−B0」を求める。なお、B0は構成する各ポリエステル樹脂のAA含有量と構成割合から計算で求める。
(3)ポリエステルのジエチレングリコール含有量(以下「DEG」という)、トリエチレングリコール含有量(以下「TEG」という)
ポリエステルを重水素化トリフルオロ酢酸/重水素下クロロフォルム(容量比1/9)に溶解し、ブルカ・バイオスピン社製AVANCE−500型NMR装置で1H−NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピークの積分強度から求めた。
ポリエステルを重水素化トリフルオロ酢酸/重水素下クロロフォルム(容量比1/9)に溶解し、ブルカ・バイオスピン社製AVANCE−500型NMR装置で1H−NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピークの積分強度から求めた。
(4)ポリエステルの環状三量体の含有量(以下「CT」という)
試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解し、さらにクロロフォルム30mlを加えて希釈する。これにメタノ−ル15mlを加えてポリマ−を沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法により環状三量体を定量した。前記操作を5回繰返し、その平均値をCT含有量とする。
ポリエステル樹脂組成物からの、(11)の方法による5枚の段付成形板のCT含有量Atおよび射出成形前の前記ポリエステル樹脂組成物のCT含有量A0を求め、これから平均値を計算して「At−A0」を求める。なお、A0は構成する各ポリエステル樹脂のCT含有量と構成割合から計算で求める。
試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解し、さらにクロロフォルム30mlを加えて希釈する。これにメタノ−ル15mlを加えてポリマ−を沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法により環状三量体を定量した。前記操作を5回繰返し、その平均値をCT含有量とする。
ポリエステル樹脂組成物からの、(11)の方法による5枚の段付成形板のCT含有量Atおよび射出成形前の前記ポリエステル樹脂組成物のCT含有量A0を求め、これから平均値を計算して「At−A0」を求める。なお、A0は構成する各ポリエステル樹脂のCT含有量と構成割合から計算で求める。
(5)ポリエステルの加熱溶融前後の環状3量体増加量(△CT量)
以下に、PET系ポリエステル樹脂、PBT系ポリエステル樹脂、PTT系ポリエステル樹脂、その他の融点が285℃以下のポリエステル樹脂などからのポリエステル樹脂について説明する。
(11)の方法で290℃で成形された3mm厚みのプレートから試料を採取し、140℃、0.1mmHg以下で16時間程度減圧乾燥後、その試料3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させる。溶融時の環状3量体増加量は、次式により求める。
なお、溶融前の環状3量体含有量は、前記プレートの環状3量体含有量を用いた。
加熱溶融前後の環状3量体増加量(重量%)=
溶融後の環状3量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重量%)
なお、PEN系ポリエステルからのポリエステル樹脂の場合は、300℃で成形された段付成形板からの3mm厚みのプレートを用いて300℃のオイルバスで溶融処理を行う。
以下に、PET系ポリエステル樹脂、PBT系ポリエステル樹脂、PTT系ポリエステル樹脂、その他の融点が285℃以下のポリエステル樹脂などからのポリエステル樹脂について説明する。
(11)の方法で290℃で成形された3mm厚みのプレートから試料を採取し、140℃、0.1mmHg以下で16時間程度減圧乾燥後、その試料3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させる。溶融時の環状3量体増加量は、次式により求める。
なお、溶融前の環状3量体含有量は、前記プレートの環状3量体含有量を用いた。
加熱溶融前後の環状3量体増加量(重量%)=
溶融後の環状3量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重量%)
なお、PEN系ポリエステルからのポリエステル樹脂の場合は、300℃で成形された段付成形板からの3mm厚みのプレートを用いて300℃のオイルバスで溶融処理を行う。
(6)ポリエステル中のCr、Fe、Ni、Zn金属含有量分析
試料1.2gを白金坩堝にとり、電熱器を用いて炭化させた後、電気炉を用いて550℃で一晩加熱し、灰化させた。次に、灰を1.2M塩酸溶液で溶解させたものを測定液とし、IPC発光分析法を用いてCr、Fe、Ni、Zn元素を測定した。
試料1.2gを白金坩堝にとり、電熱器を用いて炭化させた後、電気炉を用いて550℃で一晩加熱し、灰化させた。次に、灰を1.2M塩酸溶液で溶解させたものを測定液とし、IPC発光分析法を用いてCr、Fe、Ni、Zn元素を測定した。
(7)ファインの含有量の測定
樹脂約0.5kgを、JIS−Z8801による呼び寸法5.6mmの金網をはった篩(A)と呼び寸法1.7mmの金網をはった篩(直径20cm)(B)を2段に組合せた篩の上に乗せ、テラオカ社製揺動型篩い振トウ機SNF−7で1800rpmで1分間篩った。この操作を繰り返し、樹脂を合計20kg篩った。ただし、ファイン含有量が少ない場合には、試料の量を適宜変更する。
前記の篩(B)の下にふるい落とされたファインは、0.1%のカチオン系界面活性剤水溶液で洗浄し、次いでイオン交換水で洗浄したあと岩城硝子社製G1ガラスフィルターで濾過して集めた。これらをガラスフィルターごと乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を繰り返し、恒量になったことを確認し、この重量からガラスフィルターの重量を引き、ファイン重量を求めた。ファイン含有量は、ファイン重量/篩いにかけた全樹脂重量、である。
樹脂約0.5kgを、JIS−Z8801による呼び寸法5.6mmの金網をはった篩(A)と呼び寸法1.7mmの金網をはった篩(直径20cm)(B)を2段に組合せた篩の上に乗せ、テラオカ社製揺動型篩い振トウ機SNF−7で1800rpmで1分間篩った。この操作を繰り返し、樹脂を合計20kg篩った。ただし、ファイン含有量が少ない場合には、試料の量を適宜変更する。
前記の篩(B)の下にふるい落とされたファインは、0.1%のカチオン系界面活性剤水溶液で洗浄し、次いでイオン交換水で洗浄したあと岩城硝子社製G1ガラスフィルターで濾過して集めた。これらをガラスフィルターごと乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を繰り返し、恒量になったことを確認し、この重量からガラスフィルターの重量を引き、ファイン重量を求めた。ファイン含有量は、ファイン重量/篩いにかけた全樹脂重量、である。
(8)ヘイズ(霞度%)
下記(11)の成形体(肉厚5mm)より試料を切り取り、日本電色(株)製ヘイズメーター、modelNDH2000で測定。
下記(11)の成形体(肉厚5mm)より試料を切り取り、日本電色(株)製ヘイズメーター、modelNDH2000で測定。
(9)成形体の昇温時の結晶化温度(Tc1)
セイコー電子工業株式会社製の示差熱分析計(DSC)、RDC−220で測定。下記(11)の成形板の2mm厚みのプレートの中央部からの試料10mgを使用。昇温速度20度C/分で昇温し、その途中において観察される結晶化ピークの頂点温度を測定し、昇温時結晶化温度(Tc1)とする。
セイコー電子工業株式会社製の示差熱分析計(DSC)、RDC−220で測定。下記(11)の成形板の2mm厚みのプレートの中央部からの試料10mgを使用。昇温速度20度C/分で昇温し、その途中において観察される結晶化ピークの頂点温度を測定し、昇温時結晶化温度(Tc1)とする。
(10)ポリエステルチップおよび成形体のカラーb値
結晶化したポリエステルチップおよび下記(11)の成形体(肉厚4mm)を東京電色製色差計TC−1500MC−88 JIS−Z8722(ハンター系色差)に準じて測定した。
結晶化したポリエステルチップおよび下記(11)の成形体(肉厚4mm)を東京電色製色差計TC−1500MC−88 JIS−Z8722(ハンター系色差)に準じて測定した。
(11)段付成形板の成形
ここでは、PET系ポリエステルからのポリエステル樹脂組成物の場合について説明する。
本特許記載にかかる段付成形板の成形においては、減圧乾燥機を用いて水分率を約50ppm以下に減圧乾燥したポリエステルチップを名機製作所製射出成形機M−150C―DM型射出成形機により図1、図2に示すようにゲート部(G)を有する、2mm〜11mm(A部の厚み=2mm、B部の厚み=3mm、C部の厚み=4mm、D部の厚み=5mm、E部の厚み=10mm、F部の厚み=11mm)の厚さの段付成形板を射出成形した。
ここでは、PET系ポリエステルからのポリエステル樹脂組成物の場合について説明する。
本特許記載にかかる段付成形板の成形においては、減圧乾燥機を用いて水分率を約50ppm以下に減圧乾燥したポリエステルチップを名機製作所製射出成形機M−150C―DM型射出成形機により図1、図2に示すようにゲート部(G)を有する、2mm〜11mm(A部の厚み=2mm、B部の厚み=3mm、C部の厚み=4mm、D部の厚み=5mm、E部の厚み=10mm、F部の厚み=11mm)の厚さの段付成形板を射出成形した。
ヤマト科学製真空乾燥器DP61型を用いて予め減圧乾燥したポリエステルチップを用い、成形中にチップの吸湿を防止するために、成形材料ホッパー内は乾燥不活性ガス(窒素ガス)パージを行った。
M−150C−DM射出成形機による可塑化条件としては、フィードスクリュウ回転数=70%、スクリュウ回転数=120rpm、背圧0.5MPa、シリンダー温度はホッパー直下から順に45℃、250℃、以降ノズルを含めてその他のシリンダー温度を290℃に設定した。射出条件は射出速度及び保圧速度は20%、また、成形品重量が146±0.2gになるように射出圧力及び保圧を調整し、その際保圧は射出圧力に対して0.5MPa低く調整した。
射出時間、保圧時間はそれぞれ上限を10秒、7秒,冷却時間は50秒に設定し、成形品取出時間も含めた全体のサイクルタイムは概ね75秒程度である。
金型には常時、水温10℃の冷却水を導入し温調するが、成形安定時の金型表面温度は22℃前後である。
成形品特性評価用のテストプレートは、成形材料導入し樹脂置換を行った後、成形開始から11〜18ショット目の安定した成形品の中から任意に選ぶものとした。
M−150C−DM射出成形機による可塑化条件としては、フィードスクリュウ回転数=70%、スクリュウ回転数=120rpm、背圧0.5MPa、シリンダー温度はホッパー直下から順に45℃、250℃、以降ノズルを含めてその他のシリンダー温度を290℃に設定した。射出条件は射出速度及び保圧速度は20%、また、成形品重量が146±0.2gになるように射出圧力及び保圧を調整し、その際保圧は射出圧力に対して0.5MPa低く調整した。
射出時間、保圧時間はそれぞれ上限を10秒、7秒,冷却時間は50秒に設定し、成形品取出時間も含めた全体のサイクルタイムは概ね75秒程度である。
金型には常時、水温10℃の冷却水を導入し温調するが、成形安定時の金型表面温度は22℃前後である。
成形品特性評価用のテストプレートは、成形材料導入し樹脂置換を行った後、成形開始から11〜18ショット目の安定した成形品の中から任意に選ぶものとした。
なお、PEN系ポリエステルからのポリエステル樹脂組成物の場合は、射出成形機のシリンダー温度はホッパー直下から順に45℃、250℃、以降ノズルを含めてその他のシリンダー温度を300℃に設定し、金型には30℃の冷却水を流した。
2mm厚みのプレート(図1のA部)は昇温時の結晶化温度(Tc1)測定およびアセトアルデヒド含有量の測定、3mm厚みのプレート(図1のB部)は環状3量体含有量(CT含有量)の測定、4mm厚みのプレート(図1のC部)はカラーb値の測定、また、5mm厚みのプレート(図1のD部)はヘイズ(霞度%)測定、に使用する。
2mm厚みのプレート(図1のA部)は昇温時の結晶化温度(Tc1)測定およびアセトアルデヒド含有量の測定、3mm厚みのプレート(図1のB部)は環状3量体含有量(CT含有量)の測定、4mm厚みのプレート(図1のC部)はカラーb値の測定、また、5mm厚みのプレート(図1のD部)はヘイズ(霞度%)測定、に使用する。
(12)中空成形体の成形(PET系ポリエステルの場合)
乾燥したポリエステル樹脂およびポリエステル樹脂組成物を用いて各機製作所製M−150C―DM射出成形機により樹脂温度290℃でプリフォームを成形した。このプリフォームの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた。次にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−01E成形機で二軸延伸ブローし、引き続き約150℃に設定した金型内で熱固定し、容量が2000ccの容器(胴部肉厚0.45mm)を成形した。延伸温度は100℃にコントロールした。
乾燥したポリエステル樹脂およびポリエステル樹脂組成物を用いて各機製作所製M−150C―DM射出成形機により樹脂温度290℃でプリフォームを成形した。このプリフォームの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた。次にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−01E成形機で二軸延伸ブローし、引き続き約150℃に設定した金型内で熱固定し、容量が2000ccの容器(胴部肉厚0.45mm)を成形した。延伸温度は100℃にコントロールした。
(13)中空成形体用予備成形体の口栓部形状および寸法
(12)で結晶化させた予備成形体口栓部の形状および寸法を目視観察し、下記のように評価した。
◎ : 極めて安定した寸法精度が得られた。
○ : 安定した寸法精度が得られた。
× : 結晶化不十分、形状不良、または、過度に結晶化、寸法不良。
(12)で結晶化させた予備成形体口栓部の形状および寸法を目視観察し、下記のように評価した。
◎ : 極めて安定した寸法精度が得られた。
○ : 安定した寸法精度が得られた。
× : 結晶化不十分、形状不良、または、過度に結晶化、寸法不良。
(ポリエステル樹脂(1)−A)
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグリコールとのスラリーを連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2Gで所定の反応度まで反応を行った。また、塩基性酢酸アルミニウムのエチレングリコール溶液と、Irganox1222(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)とエチレングリコールを事前に加熱処理したエチレングリコール溶液とをこの第2エステル化反応器に連続的に供給した。このエステル化反応生成物を連続的に第1重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重縮合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに最終重縮合反応器で撹拌下、約275℃、0.3〜1torrで重縮合させた。得られた溶融重縮合PETの極限粘度は0.56デシリットル/グラムであった。重縮合反応物をチップ化してシリンダー形状のチップとし、ひきつづき窒素雰囲気下、約155℃で結晶化し、さらに窒素雰囲気下で約200℃に予熱後、連続固相重合反応器に送り窒素雰囲気下で約208℃で固相重合した。固相重合後篩分工程およびファイン除去工程で連続的に処理しファインを除去した。
なお、チップ化時の冷却水としては、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.4ppmのイオン交換水を用いた。
得られたPETの極限粘度は0.74デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は3.2ppm、DEG含有量は2.6モル%、環状3量体の含有量は3300ppm、密度は1.400g/cm3、嵩密度は0.85g/cm3であった。Al残存量は20ppm、P残存量は35ppm、ファイン含有量は約50ppmであった。特性を表1に示す。
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグリコールとのスラリーを連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2Gで所定の反応度まで反応を行った。また、塩基性酢酸アルミニウムのエチレングリコール溶液と、Irganox1222(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)とエチレングリコールを事前に加熱処理したエチレングリコール溶液とをこの第2エステル化反応器に連続的に供給した。このエステル化反応生成物を連続的に第1重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重縮合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに最終重縮合反応器で撹拌下、約275℃、0.3〜1torrで重縮合させた。得られた溶融重縮合PETの極限粘度は0.56デシリットル/グラムであった。重縮合反応物をチップ化してシリンダー形状のチップとし、ひきつづき窒素雰囲気下、約155℃で結晶化し、さらに窒素雰囲気下で約200℃に予熱後、連続固相重合反応器に送り窒素雰囲気下で約208℃で固相重合した。固相重合後篩分工程およびファイン除去工程で連続的に処理しファインを除去した。
なお、チップ化時の冷却水としては、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.4ppmのイオン交換水を用いた。
得られたPETの極限粘度は0.74デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は3.2ppm、DEG含有量は2.6モル%、環状3量体の含有量は3300ppm、密度は1.400g/cm3、嵩密度は0.85g/cm3であった。Al残存量は20ppm、P残存量は35ppm、ファイン含有量は約50ppmであった。特性を表1に示す。
(ポリエステル樹脂(1)−B)
重縮合触媒としてチタニウムテトラブトキシドのエチレングリコール溶液、酢酸マグニシウム4水和物のエチレングリコール溶液、また、安定剤として燐酸のエチレングリコール溶液を用いる以外は前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様の方法で溶融重縮合PETを得た。得られた溶融重縮合PETの極限粘度は0.57デシリットル/グラムであった。
次いで、前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様にして固相重合を行った。
得られたPETの極限粘度は0.74デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は4.6ppm、DEG含有量は2.6モル%、環状3量体の含有量は3600ppm、密度は1.399g/cm3、嵩密度は0.85g/cm3であった。Ti残存量は3.5ppm、Mg残存量は2ppm、P残存量は7ppm、ファイン含有量は約50ppmであった。特性を表1に示す。
重縮合触媒としてチタニウムテトラブトキシドのエチレングリコール溶液、酢酸マグニシウム4水和物のエチレングリコール溶液、また、安定剤として燐酸のエチレングリコール溶液を用いる以外は前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様の方法で溶融重縮合PETを得た。得られた溶融重縮合PETの極限粘度は0.57デシリットル/グラムであった。
次いで、前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様にして固相重合を行った。
得られたPETの極限粘度は0.74デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は4.6ppm、DEG含有量は2.6モル%、環状3量体の含有量は3600ppm、密度は1.399g/cm3、嵩密度は0.85g/cm3であった。Ti残存量は3.5ppm、Mg残存量は2ppm、P残存量は7ppm、ファイン含有量は約50ppmであった。特性を表1に示す。
(ポリエステル樹脂(1)−C)
原料としてテレフタル酸/イソフタル酸=98.5重量部/1.5重量部の混合物を用いる以外は前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様の方法で溶融重縮合PETを得た。得られた溶融重縮合PETの極限粘度は0.57デシリットル/グラムであった。次いで、前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様にして固相重合を行った。得られたPETの特性を表2に示す。
原料としてテレフタル酸/イソフタル酸=98.5重量部/1.5重量部の混合物を用いる以外は前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様の方法で溶融重縮合PETを得た。得られた溶融重縮合PETの極限粘度は0.57デシリットル/グラムであった。次いで、前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様にして固相重合を行った。得られたPETの特性を表2に示す。
(ポリエステル樹脂(1)−D)
重縮合触媒として三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液、安定剤として燐酸のエチレングリコール溶液を用いる以外は前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様の方法で溶融重縮合PETを得た。得られた溶融重縮合PETの極限粘度は0.56デシリットル/グラムであった。次いで前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様にして固相重合を行った。
得られたPETの極限粘度は0.75デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は4.5ppm、DEG含有量は2.6モル%、環状3量体の含有量は3800ppm、密度は1.400g/cm3、嵩密度は0.85g/cm3であった。Sb残存量は350ppm、P残存量は15ppm、ファイン含有量は約50ppmであった。特性を表1に示す。
重縮合触媒として三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液、安定剤として燐酸のエチレングリコール溶液を用いる以外は前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様の方法で溶融重縮合PETを得た。得られた溶融重縮合PETの極限粘度は0.56デシリットル/グラムであった。次いで前記ポリエステル樹脂(1)−Aの場合と同様にして固相重合を行った。
得られたPETの極限粘度は0.75デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は4.5ppm、DEG含有量は2.6モル%、環状3量体の含有量は3800ppm、密度は1.400g/cm3、嵩密度は0.85g/cm3であった。Sb残存量は350ppm、P残存量は15ppm、ファイン含有量は約50ppmであった。特性を表1に示す。
(ポリエステル樹脂(1)−E)
固相重合時間を短縮する以外はポリエステル樹脂(1)−Aと同様にしてポリエステル樹脂(1)−Eを得た。得られたPETの特性を表−2に示す。
固相重合時間を短縮する以外はポリエステル樹脂(1)−Aと同様にしてポリエステル樹脂(1)−Eを得た。得られたPETの特性を表−2に示す。
(ポリエステル樹脂(1)−F)
重縮合触媒添加量、固相重合時間を変更する以外は実施例1と同様にして反応させてポリエステル樹脂(1)−Fを得た。得られたPETの特性を表−2に示す。
重縮合触媒添加量、固相重合時間を変更する以外は実施例1と同様にして反応させてポリエステル樹脂(1)−Fを得た。得られたPETの特性を表−2に示す。
(ポリエステル樹脂(1)−G)
重縮合触媒添加量を減らし、最終重縮合時間を短縮する以外はポリエステル樹脂(1)−Aと同様にして反応させて、IV=0.47の溶融重縮合プレポリマーを得、これをチップ化冷却水としてナトリウム含有量が約9.9ppm、カルシウム含有量が約11.9ppm、マグネシウム含有量が約2.3ppm、珪素含有量が15.6ppmの水を用いチップ化した。ファイン除去せずに回転式減圧固相重合装置に投入し、回転しながら減圧下において70〜160℃で結晶化後、210℃で固相重合した。固相重合後、篩分工程でファイン等の除去処理を実施しなかった。ファイン含有量は約9000ppmであった。得られたPETの特性を表2に示す。
重縮合触媒添加量を減らし、最終重縮合時間を短縮する以外はポリエステル樹脂(1)−Aと同様にして反応させて、IV=0.47の溶融重縮合プレポリマーを得、これをチップ化冷却水としてナトリウム含有量が約9.9ppm、カルシウム含有量が約11.9ppm、マグネシウム含有量が約2.3ppm、珪素含有量が15.6ppmの水を用いチップ化した。ファイン除去せずに回転式減圧固相重合装置に投入し、回転しながら減圧下において70〜160℃で結晶化後、210℃で固相重合した。固相重合後、篩分工程でファイン等の除去処理を実施しなかった。ファイン含有量は約9000ppmであった。得られたPETの特性を表2に示す。
(ポリエステル樹脂(2)―A)
ハステロイ製攪拌機付き熱媒循環式エステル化反応器に高純度テレフタル酸1162kgとその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3モル%加え、0.25MPaの加圧下240℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を2時間行いビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびオリゴマーの混合物(以下BHET混合物という)を得た。このBHET混合物をハステロイ製攪拌機付き重縮合器に輸送し、これに重縮合触媒として結晶性二酸化ゲルマニウム/エチレングリコール溶液およびリン酸とエチレングリコールを加熱処理した溶液を得られるポリエステルに対し、それぞれGe残存量で約20ppmおよびP残存量で約2000ppmになるように添加した。次いで、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で10分間攪拌した。その後、250℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として50分間第一段目の初期重縮合を行い、さらに270℃、13.3PaでIVが約0.65デシリットル/グラムになるまで重縮合反応を実施した。放圧に続き、微加圧下のレジンを水中カッターに導きチップ化してシリンダー形状のチップを得た。なお、チップ化時、重縮合器出口からノズル細孔までの樹脂温度は約265℃とし、約30分以内に全量をチップ化した。なお、チップ化時の冷却水としては、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水を用いた。
次いで、直ちに減圧乾燥機にて約50〜約150℃で熱処理し、振動式篩分工程および気流分級工程によって処理して、結晶化ポリマーを得た。IVは0.65デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は45ppm、DEG含有量は4.8モル%、TEG含有量は0.2モル%、環状3量体の含有量は7100ppm、Cr原子含有量、Fe原子含有量、Ni原子含有量およびZn原子含有量は、全て0.1ppmであった。特性を表1に示す。
ハステロイ製攪拌機付き熱媒循環式エステル化反応器に高純度テレフタル酸1162kgとその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3モル%加え、0.25MPaの加圧下240℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を2時間行いビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびオリゴマーの混合物(以下BHET混合物という)を得た。このBHET混合物をハステロイ製攪拌機付き重縮合器に輸送し、これに重縮合触媒として結晶性二酸化ゲルマニウム/エチレングリコール溶液およびリン酸とエチレングリコールを加熱処理した溶液を得られるポリエステルに対し、それぞれGe残存量で約20ppmおよびP残存量で約2000ppmになるように添加した。次いで、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で10分間攪拌した。その後、250℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として50分間第一段目の初期重縮合を行い、さらに270℃、13.3PaでIVが約0.65デシリットル/グラムになるまで重縮合反応を実施した。放圧に続き、微加圧下のレジンを水中カッターに導きチップ化してシリンダー形状のチップを得た。なお、チップ化時、重縮合器出口からノズル細孔までの樹脂温度は約265℃とし、約30分以内に全量をチップ化した。なお、チップ化時の冷却水としては、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水を用いた。
次いで、直ちに減圧乾燥機にて約50〜約150℃で熱処理し、振動式篩分工程および気流分級工程によって処理して、結晶化ポリマーを得た。IVは0.65デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は45ppm、DEG含有量は4.8モル%、TEG含有量は0.2モル%、環状3量体の含有量は7100ppm、Cr原子含有量、Fe原子含有量、Ni原子含有量およびZn原子含有量は、全て0.1ppmであった。特性を表1に示す。
(ポリエステル樹脂(2)−B)
SUS316L製攪拌機付き熱媒循環式エステル化反応器、重縮合触媒として結晶性二酸化ゲルマニウムの代わりに三酸化アンチモンをSb残存量として180ppmになるように添加する以外は前記ポリエステル樹脂(2)−Aを得るのと同一条件でIVが約0.56デシリットル/グラムになるまで溶融重縮合反応を実施した。
上記溶融重縮合反応で得られたポリエステルチップを加熱処理してポリエステルを結晶化させた後、静置固相重縮合塔で窒素気流下、約100℃〜130℃、次いで150℃で乾燥後、185℃で固相重合しIVが0.72デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は26ppm、DEG含有量は5.2モル%、TEG含有量は0.3ppm、環状3量体の含有量は6000ppm、Cr原子含有量、Fe原子含有量、Ni原子含有量およびZn原子含有量は、それぞれ、4ppm、10ppm、2ppmおよび1ppmであった。特性を表1に示す。
SUS316L製攪拌機付き熱媒循環式エステル化反応器、重縮合触媒として結晶性二酸化ゲルマニウムの代わりに三酸化アンチモンをSb残存量として180ppmになるように添加する以外は前記ポリエステル樹脂(2)−Aを得るのと同一条件でIVが約0.56デシリットル/グラムになるまで溶融重縮合反応を実施した。
上記溶融重縮合反応で得られたポリエステルチップを加熱処理してポリエステルを結晶化させた後、静置固相重縮合塔で窒素気流下、約100℃〜130℃、次いで150℃で乾燥後、185℃で固相重合しIVが0.72デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は26ppm、DEG含有量は5.2モル%、TEG含有量は0.3ppm、環状3量体の含有量は6000ppm、Cr原子含有量、Fe原子含有量、Ni原子含有量およびZn原子含有量は、それぞれ、4ppm、10ppm、2ppmおよび1ppmであった。特性を表1に示す。
(ポリエステル樹脂(2)−C)
SUS304製攪拌機付き熱媒循環式エステル化反応器に高純度テレフタル酸1162kgとその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.1モル%加え、0.25MPaの加圧下250℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を2時間行いビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびオリゴマーの混合物(以下BHET混合物という)を得た。このBHET混合物を重縮合器に輸送し、これに重縮合触媒として三酸化アンチモン/エチレングリコール溶液およびリン酸とエチレングリコールを加熱処理した溶液を得られるポリエステルに対し、それぞれSb残存量で約350ppmおよびP残存量で約2000ppmになるように添加した。次いで、窒素雰囲気下、常圧にて250℃で10分間攪拌した。その後、260℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として50分間第一段目の初期重縮合を行い、さらに290℃、13.3PaでIVが約0.55デシリットル/グラムになるまで重縮合反応を実施した。放圧に続き、微加圧下のレジンを水中カッターに導きチップ化してシリンダー形状のチップを得た。なお、チップ化時、重縮合器出口からノズル細孔までの樹脂温度は約290℃とし、約30分以内に全量をチップ化した。
次いで、ポリエステル樹脂(2)−Bと同様にして熱処理後、固相重合した。IVは0.73デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は25ppm、DEG含有量は13.6モル%、TEG含有量は2.4ppm、環状3量体の含有量は5900ppm、Cr原子含有量、Fe原子含有量、Ni原子含有量およびZn原子含有量は、それぞれ、18ppm、35ppm、7ppmおよび6ppmであった。特性を表1に示す。
SUS304製攪拌機付き熱媒循環式エステル化反応器に高純度テレフタル酸1162kgとその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.1モル%加え、0.25MPaの加圧下250℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を2時間行いビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびオリゴマーの混合物(以下BHET混合物という)を得た。このBHET混合物を重縮合器に輸送し、これに重縮合触媒として三酸化アンチモン/エチレングリコール溶液およびリン酸とエチレングリコールを加熱処理した溶液を得られるポリエステルに対し、それぞれSb残存量で約350ppmおよびP残存量で約2000ppmになるように添加した。次いで、窒素雰囲気下、常圧にて250℃で10分間攪拌した。その後、260℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として50分間第一段目の初期重縮合を行い、さらに290℃、13.3PaでIVが約0.55デシリットル/グラムになるまで重縮合反応を実施した。放圧に続き、微加圧下のレジンを水中カッターに導きチップ化してシリンダー形状のチップを得た。なお、チップ化時、重縮合器出口からノズル細孔までの樹脂温度は約290℃とし、約30分以内に全量をチップ化した。
次いで、ポリエステル樹脂(2)−Bと同様にして熱処理後、固相重合した。IVは0.73デシリットル/グラム、アセトアルデヒド含有量は25ppm、DEG含有量は13.6モル%、TEG含有量は2.4ppm、環状3量体の含有量は5900ppm、Cr原子含有量、Fe原子含有量、Ni原子含有量およびZn原子含有量は、それぞれ、18ppm、35ppm、7ppmおよび6ppmであった。特性を表1に示す。
[実施例および比較例に使用したAA低減剤含有マスターバッチ(以下、「MB」と略称することがある)]
(ポリアミドMB)(AA低減剤a)
東洋紡績社製の東洋紡ナイロンMXD6樹脂(T600)5重量部とポリエステル樹脂(1)−A、95重量部のチップ混合物を用いて溶融押出機で溶融混練し、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水中で冷却しながらチップ化してマスターバッチを作成した。チップの嵩密度は0.85g/cm3であった。
(ポリアミドMB)(AA低減剤a)
東洋紡績社製の東洋紡ナイロンMXD6樹脂(T600)5重量部とポリエステル樹脂(1)−A、95重量部のチップ混合物を用いて溶融押出機で溶融混練し、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水中で冷却しながらチップ化してマスターバッチを作成した。チップの嵩密度は0.85g/cm3であった。
(ポリエステルアミドMB)(AA低減剤b)
テレフタル酸およびイソフタル酸が90/10モル比、シクロヘキサンジメタノールおよびヘキサメチレンジアミンの50/50モル比から製造した重量平均分子量21,000のポリエステルアミドを用い、ポリアミドMBと同様にしてマスターバッチを作成した。
テレフタル酸およびイソフタル酸が90/10モル比、シクロヘキサンジメタノールおよびヘキサメチレンジアミンの50/50モル比から製造した重量平均分子量21,000のポリエステルアミドを用い、ポリアミドMBと同様にしてマスターバッチを作成した。
(ポリエチレンビニルアルコールMB)(AA低減剤c)
ポリエチレン/ビニルアルコール(エチレン35%含有)重量平均分子量20,000の粒状物を用い、ポリアミドMBと同様にしてマスターバッチを作成した。
ポリエチレン/ビニルアルコール(エチレン35%含有)重量平均分子量20,000の粒状物を用い、ポリアミドMBと同様にしてマスターバッチを作成した。
(ソルビトールMB)(AA低減剤d)
ソルビトール、1重量部と、ポリエステル樹脂(1)−A、99重量部とを用いて溶融押出機で溶融混練し、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水中で冷却しながらチップ化してマスターバッチを作成した。チップの嵩密度は0.85g/cm3であった。
ソルビトール、1重量部と、ポリエステル樹脂(1)−A、99重量部とを用いて溶融押出機で溶融混練し、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水中で冷却しながらチップ化してマスターバッチを作成した。チップの嵩密度は0.85g/cm3であった。
(アンスルニルアミドMB)(AA低減剤e)
アンスルニルアミド、1重量部と、ポリエステル樹脂(1)−A、99重量部とを用いて溶融押出機で溶融混練し、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水中で冷却しながらチップ化してマスターバッチを作成した。チップの嵩密度は0.85g/cm3であった。
アンスルニルアミド、1重量部と、ポリエステル樹脂(1)−A、99重量部とを用いて溶融押出機で溶融混練し、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水中で冷却しながらチップ化してマスターバッチを作成した。チップの嵩密度は0.85g/cm3であった。
(3,4−ジアミノ安息香酸MB)(AA低減剤f)
3,4−ジアミノ安息香酸、1重量部と、ポリエステル樹脂(1)−A、99重量部とを用いて溶融押出機で溶融混練し、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水中で冷却しながらチップ化してマスターバッチを作成した。チップの嵩密度は0.85g/cm3であった。
3,4−ジアミノ安息香酸、1重量部と、ポリエステル樹脂(1)−A、99重量部とを用いて溶融押出機で溶融混練し、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水中で冷却しながらチップ化してマスターバッチを作成した。チップの嵩密度は0.85g/cm3であった。
(1,8−ジアミノナフタレートMB)(AA低減剤g)
1,8−ジアミノナフタレート、1重量部と、ポリエステル樹脂(1)−A、99重量部とを用いて溶融押出機で溶融混練し、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水中で冷却しながらチップ化してマスターバッチを作成した。チップの嵩密度は0.85g/cm3であった。
1,8−ジアミノナフタレート、1重量部と、ポリエステル樹脂(1)−A、99重量部とを用いて溶融押出機で溶融混練し、ナトリウム含有量が0.1ppm、カルシウム含有量が約0.1ppm、マグネシウム含有量が約0.07ppm、珪素含有量が約0.5ppmのイオン交換水中で冷却しながらチップ化してマスターバッチを作成した。チップの嵩密度は0.85g/cm3であった。
(実施例1)
前記のポリエステル樹脂(1)−A、98重量部とポリエステル樹脂(2)−A、2重量部からなるポリエステル樹脂(3)100重量部と、ポリアミドMB(AA低減剤a)0.5重量部とをブレンダーにて混合して得たポリエステル樹脂組成物を(11)の方法で段付成形板、(12)の方法で中空成形体を成形し評価を実施した。ポリエステル樹脂(3)の(5)の方法による加熱溶融前後の環状3量体増加量は0.15重量%と問題なかった。結果を表3に示す。
ポリエステル樹脂組成物のCT含有量が3380ppm、成形板のCT含有量が3360ppm、成形による環状3量体の増加量(At−A0)は60ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は8.3ppm、成形体のヘイズは6.2%、成形体のカラーb値は0.8と低い値であり、成形体のTc1は167℃と問題なく、中空成形体用予備成形体の口栓部形状および寸法は◎と問題なかった。
前記のポリエステル樹脂(1)−A、98重量部とポリエステル樹脂(2)−A、2重量部からなるポリエステル樹脂(3)100重量部と、ポリアミドMB(AA低減剤a)0.5重量部とをブレンダーにて混合して得たポリエステル樹脂組成物を(11)の方法で段付成形板、(12)の方法で中空成形体を成形し評価を実施した。ポリエステル樹脂(3)の(5)の方法による加熱溶融前後の環状3量体増加量は0.15重量%と問題なかった。結果を表3に示す。
ポリエステル樹脂組成物のCT含有量が3380ppm、成形板のCT含有量が3360ppm、成形による環状3量体の増加量(At−A0)は60ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は8.3ppm、成形体のヘイズは6.2%、成形体のカラーb値は0.8と低い値であり、成形体のTc1は167℃と問題なく、中空成形体用予備成形体の口栓部形状および寸法は◎と問題なかった。
(実施例2〜7)
表2のポリエステル樹脂組成物について実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表3に示す。
全て問題なかった。
表2のポリエステル樹脂組成物について実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表3に示す。
全て問題なかった。
(比較例1)
ポリエステル樹脂(1)−A、98重量部とポリエステル樹脂(2)−A、2重量部からなるポリエステル樹脂(3)のみを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
成形による環状3量体の増加量(At−A0)は80ppm、成形体のヘイズは6.0%、成形体のカラーb値は0.7、成形体のTc1は167℃、口栓部形状および寸法は○と問題なかったが、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は12.2ppmと高かった。
ポリエステル樹脂(1)−A、98重量部とポリエステル樹脂(2)−A、2重量部からなるポリエステル樹脂(3)のみを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
成形による環状3量体の増加量(At−A0)は80ppm、成形体のヘイズは6.0%、成形体のカラーb値は0.7、成形体のTc1は167℃、口栓部形状および寸法は○と問題なかったが、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は12.2ppmと高かった。
(比較例2)
ポリエステル樹脂(1)−A、100重量部とポリアミドMB(AA低減剤a)1重量部からなるポリエステル樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
成形体のヘイズは6.5%、成形体のカラーb値は2.9、成形体のTc1は165℃、口栓部形状および寸法は○と問題なかったが、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は11.0ppm、成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1500ppmと多かった。
ポリエステル樹脂(1)−A、100重量部とポリアミドMB(AA低減剤a)1重量部からなるポリエステル樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
成形体のヘイズは6.5%、成形体のカラーb値は2.9、成形体のTc1は165℃、口栓部形状および寸法は○と問題なかったが、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は11.0ppm、成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1500ppmと多かった。
(比較例3)
ポリエステル樹脂(1)−D、98重量部とポリエステル樹脂(2)−C、2重量部とからなるポリエステル樹脂(3)のみを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1700ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量
(Bt−B0)は25.3ppmと多く、成形体のヘイズは31.0%、成形体のカラーb値は5.9と高く、また成形体のTc1は138℃と低く、口栓部形状および寸法は××と問題であった。
ポリエステル樹脂(1)−D、98重量部とポリエステル樹脂(2)−C、2重量部とからなるポリエステル樹脂(3)のみを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1700ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量
(Bt−B0)は25.3ppmと多く、成形体のヘイズは31.0%、成形体のカラーb値は5.9と高く、また成形体のTc1は138℃と低く、口栓部形状および寸法は××と問題であった。
(比較例4)
ポリエステル樹脂(1)−D、98重量部とポリエステル樹脂(2)−C、2重量部からなるポリエステル樹脂(3)100重量部と、ポリアミドMB(AA低減剤a)1重量部を混合して得たポリエステル樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1700ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量
(Bt−B0)は18.5ppmと多く、成形体のヘイズは31.7%、成形体のカラーb値は8.6と高く、また成形体のTc1は135℃と低く、口栓部形状および寸法は××と問題であった。
ポリエステル樹脂(1)−D、98重量部とポリエステル樹脂(2)−C、2重量部からなるポリエステル樹脂(3)100重量部と、ポリアミドMB(AA低減剤a)1重量部を混合して得たポリエステル樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1700ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量
(Bt−B0)は18.5ppmと多く、成形体のヘイズは31.7%、成形体のカラーb値は8.6と高く、また成形体のTc1は135℃と低く、口栓部形状および寸法は××と問題であった。
(比較例5)
ポリエステル樹脂(1)−Aのみを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
成形体のヘイズは6.6%、成形体のカラーb値は0.9、成形体のTc1は170℃、口栓部形状および寸法は○と問題なかったが、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は11.5ppm、成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1700ppmと多かった。
ポリエステル樹脂(1)−Aのみを実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
成形体のヘイズは6.6%、成形体のカラーb値は0.9、成形体のTc1は170℃、口栓部形状および寸法は○と問題なかったが、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は11.5ppm、成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1700ppmと多かった。
(実施例8〜13)
表4のポリエステル樹脂組成物について実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表4に示す。
全て問題なかった。
表4のポリエステル樹脂組成物について実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表4に示す。
全て問題なかった。
(比較例6)
ポリエステル樹脂(1)−A、100重量部とアンスルニルアミドMB(AA低減剤e)0.1重量部からなるポリエステル樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
成形体のヘイズは6.2%、成形体のカラーb値は1.6、成形体のTc1は173℃、口栓部形状および寸法は○と問題なかったが、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は11.8ppm、成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1300ppmと多かった。
ポリエステル樹脂(1)−A、100重量部とアンスルニルアミドMB(AA低減剤e)0.1重量部からなるポリエステル樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
成形体のヘイズは6.2%、成形体のカラーb値は1.6、成形体のTc1は173℃、口栓部形状および寸法は○と問題なかったが、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は11.8ppm、成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1300ppmと多かった。
(比較例7)
ポリエステル樹脂(1)−D、98重量部とポリエステル樹脂(2)−C、2重量部からなるポリエステル樹脂(3)100重量部と、アンスルニルアミドMB(AA低減剤e)0.1重量部を混合して得たポリエステル樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1500ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量
(Bt−B0)は18.0ppmと多く、成形体のヘイズは31.3%、成形体のカラーb値は6.9と高く、また成形体のTc1は139℃と低く、口栓部形状および寸法は××と問題であった。
ポリエステル樹脂(1)−D、98重量部とポリエステル樹脂(2)−C、2重量部からなるポリエステル樹脂(3)100重量部と、アンスルニルアミドMB(AA低減剤e)0.1重量部を混合して得たポリエステル樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1500ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量
(Bt−B0)は18.0ppmと多く、成形体のヘイズは31.3%、成形体のカラーb値は6.9と高く、また成形体のTc1は139℃と低く、口栓部形状および寸法は××と問題であった。
(実施例14)
前記のポリエステル樹脂(1)−E、70重量部とポリエステル樹脂(1)−F、30重量部とからなるポリエステル樹脂(1)とポリエステル樹脂(2)−A、2重量部とからなるポリエステル樹脂(3)100重量部と、ポリアミドMB(AA低減剤a)1重量部と、をブレンダーにて混合して得たポリエステル樹脂組成物を(11)の方法で段付成形板、(12)の方法で中空成形体を成形し評価を実施した。
ポリエステル樹脂(3)の(5)の方法による加熱溶融前後の環状3量体増加量は0.15重量%と問題なかった。成形による環状3量体の増加量(At−A0)は50ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は6.2ppm、成形体のヘイズは9.3%、成形体のカラーb値は1.0と低い値であり、中空成形体用予備成形体の口栓部形状および寸法は◎と問題なかった。結果を表5に示す。
但し、(11)の段付成形板の成形においては、射出成形機の可塑化条件としてはノズルまでは前記(11)の方法の項に記載したとうりの温度設定とし、以降ノズルを含め280℃に設定した。また、(12)の中空成形体の成形では、射出成形機での樹脂温度を280℃としてプリフォームを成形した。下記の実施例及び比較例も同様にして成形した。
前記のポリエステル樹脂(1)−E、70重量部とポリエステル樹脂(1)−F、30重量部とからなるポリエステル樹脂(1)とポリエステル樹脂(2)−A、2重量部とからなるポリエステル樹脂(3)100重量部と、ポリアミドMB(AA低減剤a)1重量部と、をブレンダーにて混合して得たポリエステル樹脂組成物を(11)の方法で段付成形板、(12)の方法で中空成形体を成形し評価を実施した。
ポリエステル樹脂(3)の(5)の方法による加熱溶融前後の環状3量体増加量は0.15重量%と問題なかった。成形による環状3量体の増加量(At−A0)は50ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量(Bt−B0)は6.2ppm、成形体のヘイズは9.3%、成形体のカラーb値は1.0と低い値であり、中空成形体用予備成形体の口栓部形状および寸法は◎と問題なかった。結果を表5に示す。
但し、(11)の段付成形板の成形においては、射出成形機の可塑化条件としてはノズルまでは前記(11)の方法の項に記載したとうりの温度設定とし、以降ノズルを含め280℃に設定した。また、(12)の中空成形体の成形では、射出成形機での樹脂温度を280℃としてプリフォームを成形した。下記の実施例及び比較例も同様にして成形した。
(実施例15)
表5のポリエステル樹脂組成物について実施例14と同様にして評価を実施した。結果を表5に示す。
全て問題なかった。
表5のポリエステル樹脂組成物について実施例14と同様にして評価を実施した。結果を表5に示す。
全て問題なかった。
(比較例8)
前記のポリエステル樹脂(1)−F、70重量部とポリエステル樹脂(1)−G、30重量部とからなるポリエステル樹脂(1)のみを実施例1と同様にして評価した。結果を表5に示す。
成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1000ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量 (Bt−B0)は12.5ppmと多く、成形体のヘイズは30.4%と高く、また、口栓部形状および寸法は×と問題であった。
前記のポリエステル樹脂(1)−F、70重量部とポリエステル樹脂(1)−G、30重量部とからなるポリエステル樹脂(1)のみを実施例1と同様にして評価した。結果を表5に示す。
成形による環状3量体の増加量(At−A0)は1000ppm、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量 (Bt−B0)は12.5ppmと多く、成形体のヘイズは30.4%と高く、また、口栓部形状および寸法は×と問題であった。
(比較例9)
表5のポリエステル樹脂組成物について実施例14と同様にして評価を実施した。結果を表5に示す。
成形体のヘイズが高く、口栓部形状および寸法も×と問題であった。
表5のポリエステル樹脂組成物について実施例14と同様にして評価を実施した。結果を表5に示す。
成形体のヘイズが高く、口栓部形状および寸法も×と問題であった。
(比較例10)
ポリエステル樹脂(1)−Bのみを実施例14と同様にして評価した。結果を表5に示す。
成形による環状3量体の増加量、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量は多く、成形体のヘイズは高く、また、口栓部形状および寸法は×と問題であった。
ポリエステル樹脂(1)−Bのみを実施例14と同様にして評価した。結果を表5に示す。
成形による環状3量体の増加量、成形によるアセトアルデヒド含有量の増加量は多く、成形体のヘイズは高く、また、口栓部形状および寸法は×と問題であった。
本発明は、流動特性が改良されるために成形時のアルデヒド発生量が少なく、また色相や透明性に優れ、透明性の変動、結晶化速度および結晶化速度変動の点で問題がなく、かつ成形体とした際には耐圧性などの機械的特性に優れた成形体を与えるポリエステル樹脂組成物を提供する。また、本発明のポリエステル樹脂組成物は流動特性が改良されるので成形時の歪みが少なく、耐熱寸法安定性の優れた成形体、特に中空成形品を高速成形により効率よく生産することができ、なおかつ、非常に耐熱性が良好な成形体や基材上への被覆物や繊維などを提供することができ、産業界へ寄与すること大である。
Claims (12)
- 加熱溶融前後の環状エステルオリゴマー増加量が0.40重量%以下であるポリエステル樹脂と、少なくとも1種のアルデヒド低減剤を主成分として含むことを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
- 射出成形して得られた成形体のカラーb値が、5.0以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記ポリエステル樹脂が、重縮合触媒としてAl、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Nb、Mo、In、Taからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含む化合物を含有するポリエステル樹脂(1)と、リン化合物をリン原子として100〜10000ppmの量含有するポリエステル樹脂(2)と、から成るポリエステル樹脂(3)であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記ポリエステル樹脂(1)が、少なくとも2種の、実質的に同一組成のポリエステルを主成分として含むポリエステル樹脂であって、前記ポリエステルの極限粘度の差が0.05〜0.30デシリットル/グラムの範囲であり、前記ポリエステルの昇温時の結晶化温度の差が15℃以内で、かつ降温時の結晶化温度の差が20℃以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記ポリエステル樹脂(2)が、Zn原子、Fe原子、Ni原子、Cr原子からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属原子の含有量が下記の式(1)〜(4)を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
Cr ≦ 10ppm (1)
Fe ≦ 30ppm (2)
Ni ≦ 5ppm (3)
Zn ≦ 5ppm (4) - アルデヒド低減剤が、ポリエステルアミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- アルデヒド低減剤が、低分子量のアミノ基含有化合物、低分子量の水酸基含有化合物から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- ポリアミドが、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とからなる繰り返し単位を少なくとも70モル%以上含むポリアミドであることを特徴とする請求項6に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を溶融成形してなることを特徴とするポリエステル成形体。
- 請求項9に記載のポリエステル成形体が、中空成形体、シ−ト状物あるいはこのシート状物を少なくとも一方向に延伸してなる延伸フィルムのいずれかであることを特徴とするポリエステル成形体。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を基材上に溶融押出してなることを特徴とする被覆物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を溶融成形してなることを特徴とするポリエステル繊維。
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