JP2007204716A - セルロース分散体及びセルロース分散体の製造方法 - Google Patents

セルロース分散体及びセルロース分散体の製造方法 Download PDF

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Masanori Osaki
正則 大▲崎▼
Takako Kojima
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Abstract

【課題】
セルロース分散体の特性を保持しつつも、前記セルロース分散体中のセルロース濃度を高めることなく、増粘されたセルロース分散体を提供する。
【解決手段】
平均粒子径が5μm以下のセルロースと分散媒体と該分散媒体に可溶な可溶性イオン化合物とを含有してなり、前記可溶性イオン化合物/前記セルロース(重量比)が、0.1/100〜1.2/100であることを特徴とするセルロース分散体を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロース分散体及びセルロース分散体の製造方法に関する。
従来から、ナイロン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、セルロースなどの数多くの高分子微粒子が種々な工業用途に用いられている。
これらの中でもセルロースは、生体適合性に優れていること、食物繊維としての性能があることなどから、食品、化粧品、塗料等の分野で非常に幅広い用途があり、用途に応じて微粒子の形態を変化させて使用されている。
セルロースの粒子をナノオーダーまで物理化学的手法で微粒子化したセルロース微粒子を固形成分として、分散媒体(例えば、水)に分散させてなるセルロース分散体は、ある特定の固形成分濃度でチクソトロピー性(低剪断速度下で粘度が高く、かつ高剪断速度下で粘度の低下が起こる現象)を発現するゲル状態となることが知られている。
特許文献1には、ある特定の方法により処理したセルロースを分散媒体に分散させたセルロース分散体が、従来のセルロース分散体よりも極めて分散体の透明性が高く、また、分散安定性が良好であり、更に、チクソトロピー性を発現するゲル状態となる等の特性を有することが開示されている。
前記特許文献1に記載のセルロース分散体は、上記で記載したように分散安定性が良好で、分散液の透明性が高く、更に、チクソトロピー性を発現するゲル状態となる等の特性を有するため、種々の工業用途に好適に用いられることが期待されている。
しかし、前記セルロース分散体を製造するには、煩雑な工程を経るため製造コストが掛かるという問題がある。また、前記セルロース分散体を各種用途に用いるためには、各種用途に応じた粘度に増粘させる必要があるため、セルロース分散体中のセルロース濃度を高めなければならず最終製品のコストが上がってしまうという問題がある。
国際公開第99/28350号パンフレット
そのため、前記セルロース分散体の特性を保持しつつも、前記セルロース分散体中のセルロース濃度を高めることなく、増粘されたセルロース分散体が要望されている。
本発明は、上記問題点及び要望に鑑み、前記セルロース分散体の特性を保持しつつも、前記セルロース分散体中のセルロース濃度を高めることなく、増粘されたセルロース分散体を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、分散媒体に可溶な可溶性イオン化合物を所定量含有させることで、前記セルロース分散体の特性を保持しつつも、前記セルロース分散体中のセルロース濃度を高めることなく、増粘されることを見いだし本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、平均粒子径が5μm以下のセルロースと分散媒体と該分散媒体に可溶な可溶性イオン化合物とを含有してなり、前記可溶性イオン化合物/前記セルロース(重量比)が、0.1/100〜1.2/100であることを特徴とするセルロース分散体を提供する。
本発明のセルロース分散体は、所定量の可溶性イオン化合物を含有しているため、良好な増粘性を示す。
また、本発明においては、前記セルロース/分散媒体(重量比)が、0.1/100〜10.0/100であることが好ましい。
かかる組成であれば、より一層セルロース分散体の分散安定性が良好となり、分散体が透明性を有し及びチクソトロピー性を発現するゲル状態となる。
更に、本発明は、無機酸水溶液にセルロースを溶解させたセルロース溶液を凝固溶媒中で再沈殿させてセルロースの懸濁液を調製し、該懸濁液中のセルロースに酸加水分解処理を施し、次いで該懸濁液から酸を除去して平均粒子径が5μm以下のセルロースの懸濁液を得、得られた懸濁液に分散媒体を加え、更に、可溶性イオン化合物を可溶性イオン化合物/前記セルロース(重量比)が、0.1/100〜1.2/100となるように添加することを特徴とするセルロース分散体の製造方法を提供する。
本発明のセルロース分散体は、所定量の可溶性イオン化合物を含有させることで、セルロース分散体中のセルロース濃度を高めることなく、増粘され、しかも、分散安定性、分散体の透明性、更には、チクソトロピー性を発現するゲル状態となる等の特性を有するものである。
また、本発明のセルロース分散体は、セルロース分散体中のセルロース濃度を高めることがないため、最終製品のコストを抑制することができる。
更に、本発明のセルロース分散体の製造方法では、所定量の可溶性イオン化合物を添加することで増粘されたセルロース分散体が得られる。
本発明に係るセルロース分散体は、平均粒子径が5μm以下のセルロースと分散媒体と該分散媒体に可溶な可溶性イオン化合物とを含有してなり、前記可溶性イオン化合物/前記セルロース(重量比)が、0.1/100〜1.2/100であるものである。
前記セルロース分散体は、セルロースが分散媒体中で高度に会合した状態にあり、且つ分散体中のセルロースの平均粒子径が5μm以下、好ましくは3.5μm以下、更に好ましくは2μm以下である。
本発明において「セルロースの平均粒子径」とは、分散媒体中で等方的に会合しているセルロース粒子間の会合を、実施例記載の測定法に準じて、超音波等の手段で可能な限り微細に分散化させたときのセルロースが持つ広がり(直径)の大きさを意味する。
また、前記セルロース分散体中のセルロースは、セルロースI型結晶成分量(χI)が0.1以下、好ましくは0.06以下であり、セルロースII型結晶成分量(χII)が0.4以下、好ましくは0.3以下の低結晶性である。
尚、セルロースI型結晶成分量(χI)及びセルロースII型結晶成分量(χII)は、実施例記載の測定方法により測定される。
更に、前記セルロース分散体中のセルロースは、平均重合度(DP)が100以下であることが好ましく、より好ましくは20以上50以下である。
セルロースの平均重合度が、100以下であると会合性及び透明性に優れた分散体が得られる。
前記重合度が7〜10以下の場合には、水溶性を呈するため、分散媒体(例えば、水)に不溶なセルロース分散体を得ることができなくなる虞がある。
尚、平均重合度(DP)は、実施例記載の方法により測定される。
本発明のセルロース分散体においては、前記可溶性イオン化合物が、前記可溶性イオン化合物/前記セルロース(重量比)で、0.1/100〜1.2/100となるように含有されてなり、好ましくは前記可溶性イオン化合物/前記セルロース(重量比)で、0.2/100〜1.2/100となるように含有されてなり、更に好ましくは、前記可溶性イオン化合物/前記セルロース(重量比)で、0.5/100〜1.0/100となるように含有されてなる。
前記可溶性イオン化合物が、上記範囲内で含有されていれば、前記セルロース分散体中のセルロース濃度を高めなくても、目的とする粘度に増粘される。
前記可溶性イオン化合物が、上記範囲を超えて含有されている場合には、粘度低下の虞がある。
前記可溶性イオン化合物を所定量含有させることで、増粘される機構として以下の作用が推定される。
即ち、微小なセルロースの粒子がネットワーク構造を作ることでゲル構造を形成している前記セルロース分散体に、可溶性イオン化合物を添加すると、ネットワークを構成しているセルロース粒子に対して凝集作用が働き、他のネットワークを構成する粒子と付着し易くなり、粘性が増加するものと考えられる。また、可溶性イオン化合物を所定量以上添加すると、塩析効果により、凝集作用が働きネットワーク構造を形成しているセルロースの粒子が、集まり大きくなりすぎて、沈降し、粘性が低下すると考えられる。
本発明の前記セルロース分散体において、前記セルロースは、通常、前記セルロース/分散媒体(重量比)で、0.1/100〜10.0/100となるように含有されており、好ましくは、前記セルロース/分散媒体(重量比)で、1.0/100〜4.0/100となるように含有されている。
前記セルロースが、上記範囲内で含有されることで、チクソトロピー性を発現するようになる。このチクソトロピー性によって、例えば、チューブ状の容器内では保形性を保ちながら、押出し時には液体状となることができる。また、他の成分と混合する場合、混合時に液体としての性状を示す。
なお、前記セルロース/分散媒体(重量比)で、1.0/100未満の場合は、顕著なチクソトロピー性は示さず、溶液状の性状を示すようになる。
前記分散媒体としては、通常、水が用いられるが、目的に応じてメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトール等が用いられてもよい。
また、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の有機溶媒で上記分散媒体の一部又は全部を置換した分散体、又はこれらの混合溶媒で上記分散媒体の一部又は全部を置換した分散体であっても差し支えない。
前記可溶性イオン化合物としては、分散媒体に可溶性の無機塩、無機酸塩、有機酸、有機酸塩等が挙げられる。
具体的には、亜硫酸水素ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化第二鉄、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化銀、塩化リチウム、塩化コバルト、塩化スズ、塩化ニッケル、塩化鉛、塩化亜鉛、塩化銅、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、硝酸銀、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硫酸カドミウム、硫酸ナトリウム、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウムカリウム、硫酸鉛、硫酸マンガン、臭化ナトリウム、フッ化ナトリウム、臭化銅、シアン化カリウム、水酸化アルミニウム、酢酸、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、クエン酸、クエン酸カルシウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸鉄、リン酸アンモニウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸二−硫酸二ナトリウム、アスコルビン酸二−リン酸マグネシウム、アスコルビン酸二−リン酸ナトリウム、アスコルビル二−グルコシド、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸カリウム、ピロリドンカルボン酸カルシウム、ピロリドンカルボン酸マグネシウム、ピロリドンカルボン酸、サリチル酸ナトリウム等が挙げられる。
また、前記可溶性イオン化合物としては、アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイン、スレオニン、セリン、チロシン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、リジン、ロイシン等の各種アミノ酸及び前記各種アミノ酸の(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム)塩が挙げられる。
上記で記載した各種物質を単独で或いは2種以上併用して用いることもできる。
尚、ここで挙げた可溶性イオン化合物は、セルロースとは、反応しないものである。また、直接的又は間接的に人体に用いる場合には、有害性のないものを選択的に使用するものである。
前記した可溶性イオン化合物の中でも、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸亜鉛、酢酸、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、アルギニン、グリシン、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、セリン、プロリン、メチオニンが好適に用いることができる。
次に、本発明のセルロース分散体の製造方法について説明する。
本発明のセルロース分散体は、無機酸水溶液にセルロースを溶解させたセルロース溶液を凝固溶媒中で再沈殿させてセルロースの懸濁液を調製し、該懸濁液中のセルロースに酸加水分解処理を施し、次いで該懸濁液から酸を除去して平均粒子径が5μm以下のセルロースの懸濁液を得、得られた懸濁液に分散媒体を加え、更に、可溶性イオン化合物を可溶性イオン化合物/前記セルロース(重量比)が、0.1/100〜1.2/100となるように添加することで得られる。
前記セルロースを溶解させる無機酸水溶液としては、概ね60重量%以上の硫酸、75重量%以上のリン酸、60重量%以上の硝酸、40重量%以上の塩酸等の各水溶液が挙げられ、これらの中でも硫酸水溶液が好ましい。
セルロースを溶解するのに必要な無機酸水溶液の濃度は、使用するセルロースの種類又は溶解温度により異なる。例えば、硫酸水溶液の場合、−10〜30℃では、再生セルロースは約58重量%の硫酸水溶液に溶解するが、天然セルロースでは約60重量%以上を必要とする。何れの無機酸水溶液も、処理温度が高すぎると溶解作用よりも加水分解作用が優先するため、溶解温度は30℃以下が好ましい。
溶解温度が高すぎると、加水分解による重合度低下が激しく高分子溶液特有な粘ちょう溶液が得られなくなる虞がある。低粘度のセルロースドープからは、後の再沈殿工程で回収しやすい凝集物(フロック)の懸濁液が得られにくくなる虞がある。
前記セルロースドープの粘度は100〜3000ポイズ程度が好ましい。具体的には、平均重合度(DP)が500以上のセルロースを原料にして、本発明に適するセルロースドープを得るには、溶解過程で適度に加水分解を起こさせ、上記の所望の粘度に導くことが望ましい。
本発明で用いるセルロースは、木材等の夾雑物を含むセルロースでもよく、容易に入手できる高純度セルロースでもよい。
具体的には、コットンリント、コットンリンターや精製パルプ等が挙げられる。また、ホヤセルロース、バクテリアセルロース或いは再生セルロースでもよい。
前記セルロースドープ中のセルロース濃度は、一般的に2〜10重量%である。
次いで、前記セルロースドープを凝固溶媒中で再沈殿させ、懸濁液にして、フロック状のセルロース片を析出させる。
セルロースドープの再沈殿は、適度な攪拌状態の下に、1)前記セルロースドープを所定量の凝固溶媒中に投入する方法でも、2)所定量の凝固溶媒をセルロースドープに投入する方法でもよく、また、3)一定量のセルロースドープと凝固剤を供給できる混合機能を持つ装置により、一定温度で定常的に接触させ再沈殿させる方法であってもよい。
透明性の高いセルロース分散体を得ること等のために、再沈殿処理は可能な限り低温、好ましくは30℃以下で行う。
前記凝固溶媒としては、精製水や、精製水と50重量%以下の水溶性アルコールとの混合溶媒が好適に用いられる。
前記水溶性アルコールとしては、分散体中のセルロース濃度、粘度等にもよるので、限定することはできないが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールが挙げられる。
セルロースドープと凝固溶媒との混合割合は、分散体の性能やセルロース回収収率を考慮して決定すべきではあるが、概ね、セルロースドープに対し2重量倍以上の量の凝固溶媒を用いると高収率でセルロース片を得ることができる。
前記懸濁液には、引き続いて、酸加水分解処理の工程を施す。この際に、その懸濁液をそのまま加温して酸加水分解してもよいし、懸濁液中のフロックのセルロース片を一旦濾過して得た脱水ケークを50℃以上の水中に投入した後に酸加水分解してもよい。
酸加水分解工程で、セルロースは、より低重合度化と微細化がなされる。
前記酸加水分解工程で用いられる酸には、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸、酢酸、モノ又はジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸があるが、硫酸及び塩酸が好ましく、特に硫酸が好ましい。
加水分解に好適な酸濃度は、酸の種類や加水分解温度との兼ね合いで決定すべきであるが、温度が50℃以上であれば、酸濃度は30重量%以下、3重量%以上が好ましい。この範囲であれば、セルロースの回収効率も高く、精製も容易である。加水分解温度は概ね50〜100℃、好ましくは70〜95℃で、反応時間は約5〜180分間、好ましくは10〜120分間である。100℃を超える温度であると副反応によるセルロースの着色が起こりやすくなる虞がある。
前記加水分解後の懸濁液中のセルロースは、水や水溶性アルコール及びその混合物による洗浄・脱溶媒を繰り返すことにより、洗液のpHが2以上、好ましくは4以上になるまで酸が除去され、平均粒子径5μm以下のセルロースの懸濁液が得られる。
本発明のセルロース分散体は、酸を除去した後の脱水ケーク或いは酸を除去した懸濁液に所望のセルロース濃度になるように分散媒体を添加後、混練機、ホモジナイザーやブレンダー等の混練装置により混練又は粗粉砕し、更に、所定量の可溶性イオン化合物を添加し、ホモジナイザー等を用いて分散攪拌することにより得られる。
上記の製造工程により製造されたセルロース分散体は、透明性を有し、例えば、セルロース濃度が0.05重量%の水分散体における波長660nmの可視光に対する透過率が好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは80%以上である。
尚、透過率は実施例記載の方法により測定される。
本発明のセルロース分散体は、所定量の可溶性イオン化合物を含有させることで、セルロース分散体中のセルロース濃度を高めなくても、目的とする粘度に増粘され、分散安定性が良好で、分散体の透明性が高く、更に、チクソトロピー性を発現するゲル状態を有する。
また、本発明のセルロース分散体は、セルロース濃度を高めなくても増粘するため、最終製品のコストを抑制することができる。
本発明のセルロース分散体は、チクソトロピー性を有するため、例えば、ゲル状のセルロース分散体をスプレーボトルに入れても、スプレーすることができるという特性を有している。
本発明のセルロース分散体は、分散安定性、増粘性、チクソトロピー性、保湿性、形態保持特性等を有し、加えて、高い透明性、優れた塗膜形成、べとつき感がない等の機能を有する。
従って、本発明のセルロース分散体は、化粧品添加剤、医薬品成形助剤、農薬、トイレタリー用品、塗料、インク、顔料、食品、香料、脱臭剤、消臭剤、機能性添加物、帯電防止剤、被膜コーティング剤等の分野に幅広く用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらにのみ限定されるものではない。
(「セルロースの平均粒子径」の測定方法)
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置:LA−920:下限検出値は0.02μm)で測定した。
分散媒体中のセルロース粒子間の会合を可能な限り切断した状態で粒子径を測定するために、次の工程で試料を調製した。
まず、セルロース濃度が約0.5重量%になるようにセルロース分散体を水で希釈した後、回転速度15,000rpm以上の能力を持つブレンダーで10分間混合処理を行い、均一な懸濁液を作製した。次いで、この懸濁液に超音波を照射する超音波処理を30分間施して得られた水分散試料を前記粒度分布測定装置のセルに供給し、再び超音波処理(3分間)を行った後、粒径分布を測定した。
尚、本発明の平均粒子径は、Mie散乱理論式から算出される体積換算の粒度分布から求められる重量平均粒子径(体積平均粒子径と同等)に相当する。
(「セルロースI型結晶成分(χI)」及び「セルロースII型結晶成分(χII)」の分率の測定方法)
セルロースI及びセルロースII型結晶成分の分率(χI及びχII)は、リガク(株)社製、機種名:RINK−ULtimaIIIを用いて広角X線回折法により下記手順で算出した。
セルロースI型結晶成分の分率(χI)は、乾燥セルロース試料を粉状に粉砕して錠剤に成形し、線源CuKαで反射法により得た広角X線回折図において、セルロースI型結晶の(110)面ピークに帰属される2θ=15.0°における絶対ピーク強度h0と、この面間隔におけるベースラインからのピーク強度h1とから、式(1):χI=h1/h0によって求められる値を用いた。
同様に、セルロースII型結晶成分の分率(χII)は、乾燥セルロース試料を粉状に粉砕して錠剤に成形し、線源CuKαで反射法により得た広角X線回折図において、セルロースII型結晶の(110)面ピークに帰属される2θ=12.6°における絶対ピーク強度h0*とこの面間隔におけるベースラインからのピーク強度h1*とから、式(2):χII=h1*/h0*によって求められる値を用いた。
尚、本発明の分散体のように分散媒体を含むセルロース試料は、減圧乾燥法等の手段で乾燥して、乾燥セルロース試料として測定に用いた。
(「平均重合度」の測定方法)
平均重合度(DP)は、上述の乾燥セルロース試料をカドキセンに溶解した希薄セルロース溶液の比粘度をウベローデ型粘度計で測定し(25℃)、その極限粘度数[η]から粘度式(3):[η]=3.85×10-2×MW 0.76及び換算式(4):DP=MW/162により算出した値を採用した。
ここで、Mw:重量平均分子量を示す。
(粘度の測定方法)
液温25℃に調製した試料をBH型粘度計(ブルックフィールド社製、ローターNo4)を用いて測定した。
測定は、前記粘度計で回転数が2.5rpmの場合を測定した。
(透過率の測定方法)
透過率は、可視紫外分光光度計(島津製作所製、機種名:可視紫外分光光度計UV−2500PC)で測定した。まず、セルロース濃度を0.05重量%に調整した分散液に10分間超音波処理を施し、できるだけ速やかにその分散液を光路長1cmの石英セルに充填し、波長660nmの可視光を入射した時の入射光の強さ(対照試料を水とした時の対照セルを通過した光の強さ、I0)と透過光の強さ(試料セルを通過した光の強さ、It)との比(It/I0)の百分率(%)で規定した。分散液のセルロース濃度の調整は、その分散液の分散媒体の組成に関わらず、水で希釈することにより行った。
(分散体の製造方法)
セルロース濃度が5重量%になるようにセルロース粉末を、−5℃の65重量%硫酸水溶液に加えて、150rpmの攪拌条件下で10分間溶解し、セルロースドープを作製した。
該セルロースドープは、均一透明で溶解班は観察されなかった。
前記セルロースドープを重量で2.5倍量の水中(5℃)に攪拌しながら注ぎ、セルロースをフロック状に凝集させて懸濁液を作製した。
前記懸濁液を85℃で20分間加水分解し、次いで洗液のpHが4以上になるまで十分に水洗と減圧脱水を繰り返しセルロース濃度が15重量%のゲル状物を得た。
前記ゲル状物のセルロース濃度(固形分濃度)が4重量%になるように水で希釈し、分散機(プライミクス社製、機種名:TKロボミックス)を用いて10,000rpmの攪拌条件下で15分間処理し、その後、超高圧ホモジナイザー(みづほ工業(株)社製、機種名:マイキウロフルイダイザーM−110−E/H、圧力:100MPa)で5回繰り返して粉砕処理を行った。
(試験例1)
セルロース濃度(固形分濃度)が4重量%の水分散体400gを用いて、セルロース濃度(固形分濃度)が1.5重量%となるように水で希釈し、そこに水に可溶な可溶性イオン化合物として乳酸アンモニウム(和光純薬社製、試薬一級、化学式:CH3CH(OH)COONH4)を乳酸アンモニウム/セルロース(重量比)で0.1/100、0.2/100、0.3/100、0.4/100、0.5/100、0.6/100、0.7/100、1.0/100、1.2/100、1.5/100となるように各々加え、各試料を予備分散(プライミクス社製、機種名:TKロボミックス、10,000rpmで15分間攪拌)し、更に、超高圧ホモジナイザー(みづほ工業(株)社製、機種名:マイキウロフルイダイザーM−110−E/H、圧力:100MPa)で5回繰り返して粉砕処理を行ない、セルロース分散体を得た(実施例1〜実施例9、比較例2)。
得られたセルロース分散体を1日室温で放置し、粘度、透明度及びセルロースの平均粒子径を測定した。
その結果を表1及び粘度−含有割合との関係を表2に示した。
(試験例2)
可溶性イオン化合物として硫酸ナトリウム(和光純薬社製、試薬一級、化学式:Na2SO4)を硫酸ナトリウム/セルロース(重量比)で0.1/100、0.2/100、0.3/100、0.4/100、0.6/100、0.8/100、1.0/100、1.2/100、1.5/100となるように加えた以外、試験例1と同様の操作を行い、セルロース分散体を得た(実施例10〜実施例17、比較例3)。
その結果を表1及び粘度−含有割合との関係を表2に示した。
(試験例3)
可溶性イオン化合物として硫酸アンモニウム(和光純薬社製、試薬一級、化学式:(NH4)2SO4)を硫酸アンモニウム/セルロース(重量比)で0.1/100、0.2/100、0.3/100、0.4/100、0.5/100、0.6/100、0.7/100、1.0/100、1.2/100、1.5/100となるように加えた以外、試験例1と同様の操作を行い、セルロース分散体を得た(実施例18〜実施例26、比較例4)。
その結果を表1及び粘度−含有割合との関係を表2に示した。
(試験例4)
可溶性イオン化合物として硫酸カルシウム(ナカライテスク製、試薬一級、化学式:CaSO4)を硫酸カルシウム/セルロース(重量比)で0.1/100、0.2/100、0.3/100、0.4/100、0.6/100、0.8/100、1.0/100、1.2/100、1.5/100となるように加えた以外、試験例1と同様の操作を行い、セルロース分散体を得た(実施例27〜実施例34、比較例5)。
その結果を表1及び粘度−含有割合との関係を表2に示した。
(試験例5)
可溶性イオン化合物としてクエン酸(ナカライテスク製、試薬一級、化学式:HOOCCH2C(OH)(COOH)CH2COOH)をクエン酸/セルロース(重量比)で0.1/100、0.2/100、0.3/100、0.4/100、0.6/100、0.8/100、1.0/100、1.2/100、1.5/100となるように加えた以外、試験例1と同様の操作を行い、セルロース分散体を得た(実施例35〜実施例42、比較例6)。
その結果を表1及び粘度−含有割合との関係を表2に示した。
(試験例6)
可溶性イオン化合物としてクエン酸ナトリウム(ナカライテスク製、試薬一級、化学式:HOOCCH2C(OH)(COOH)CH2COOH・3Na)をクエン酸ナトリウム/セルロース(重量比)で0.1/100、0.2/100、0.3/100、0.4/100、0.6/100、0.8/100、1.0/100、1.2/100、1.5/100となるように加えた以外、試験例1と同様の操作を行い、セルロース分散体を得た(実施例43〜実施例50、比較例7)。
その結果を表1及び粘度−含有割合との関係を表2に示した。
(比較例1)
セルロース濃度(固形分濃度)が4重量%の前記分散体をセルロース濃度(固形分濃度)が1.5重量%となるように水で希釈した。
得られた試料を1日室温で放置し、BH粘度計を用いて粘度を測定した。
その結果を表1及び粘度−含有割合との関係を表2に示した。
尚、セルロース濃度1.5重量%の分散体(可溶性イオン化合物含有せず)の粘度は、13400mPa.s、透明度は90.8%、セルロースの平均粒子径:0.11μm、セルロースI型結晶成分量:0、セルロースII型結晶成分量:0.26、平均重合度(DP):44であった。
Figure 2007204716
(*1):可溶性イオン化合物/セルロース(重量比)を示す。
Figure 2007204716
(試験例7)
可溶物イオン化合物として、表3に示した化合物を用い、化合物/セルロース(重量比)で1.0/100となるように加えた、試験例1と同様の操作を行い、セルロース分散体を得た(実施例51〜実施例86)。
得られたセルロース分散体を1日室温で放置し、粘度、透明度及びセルロースの平均粒子径を測定した。
その結果を表3に示した。
Figure 2007204716
(*2):可溶性イオン化合物/セルロース(重量比)=1.0/100
試験例1〜試験例6及び表2より、可溶性イオン化合物の含有割合が、可溶性イオン化合物/セルロース(重量比)で1.0/100付近で、顕著な粘度の上昇が確認された。

Claims (3)

  1. 平均粒子径が5μm以下のセルロースと分散媒体と該分散媒体に可溶な可溶性イオン化合物とを含有してなり、前記可溶性イオン化合物/前記セルロース(重量比)が、0.1/100〜1.2/100であることを特徴とするセルロース分散体。
  2. 前記セルロース/分散媒体(重量比)が、0.1/100〜10.0/100である請求項1記載のセルロース分散体。
  3. 無機酸水溶液にセルロースを溶解させたセルロース溶液を凝固溶媒中で再沈殿させてセルロースの懸濁液を調製し、該懸濁液中のセルロースに酸加水分解処理を施し、次いで該懸濁液から酸を除去して平均粒子径が5μm以下のセルロースの懸濁液を得、得られた懸濁液に分散媒体を加え、更に、可溶性イオン化合物を可溶性イオン化合物/前記セルロース(重量比)が、0.1/100〜1.2/100となるように添加することを特徴とするセルロース分散体の製造方法。
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