JP2007204603A - 水溶性金属加工用油剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】切削、研削、塑性加工等の金属加工に用いられ、耐微生物劣化性に優れ、腐敗や黴の発生を十分に抑制できる水溶性金属加工用油剤組成物を提供する。
【解決手段】本水溶性金属加工用油剤組成物は、下記一般式(1)で表されるアルキレンジアミンオキシアルキレン付加物(例えば、トリメチレンジアミンのエチレンオキシド付加物、ヘキサメチレンジアミンのエチレンオキシド付加物等)を含有する。
〔式中、R1、R2、R3及びR4は、各々、水素原子、又は−R5−Hであり、且つR1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つは−R5−Hである。R5は、(ポリ)オキシアルキレン基である。xは3〜12の整数である。〕
【選択図】なし
【解決手段】本水溶性金属加工用油剤組成物は、下記一般式(1)で表されるアルキレンジアミンオキシアルキレン付加物(例えば、トリメチレンジアミンのエチレンオキシド付加物、ヘキサメチレンジアミンのエチレンオキシド付加物等)を含有する。
〔式中、R1、R2、R3及びR4は、各々、水素原子、又は−R5−Hであり、且つR1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つは−R5−Hである。R5は、(ポリ)オキシアルキレン基である。xは3〜12の整数である。〕
【選択図】なし
Description
本発明は、水溶性金属加工用油剤組成物に関する。更に詳しくは、切削、研削、塑性加工等の金属加工に用いられ、耐微生物劣化性に優れ、腐敗や黴の発生を十分に抑制できる水溶性金属加工用油剤組成物に関する。
切削加工、研削加工等の金属加工に用いられる水溶性切削油剤は、一般に鉱物油、油脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、極圧添加剤、界面活性剤、消泡剤、金属防食剤、酸化防止剤、防腐・防黴剤等を目的に応じて適宜混合して製造される。このようにして製造された水溶性切削油剤は、通常、水で10〜100倍に希釈して使用される。この希釈水は、一般に「クーラント」と呼ばれる。このクーラントには、切削性、研削性に関する性能、例えば仕上げ面精度の向上、工具寿命の延長等(以下、「一次性能」という)と、作業性、その他の性能(以下、「二次性能」という)が要求される。二次性能には、防錆性が良いこと、劣化しにくく管理しやすいこと、人体に無害であること、泡立ちが少ないこと、悪臭が少ないこと等も含まれる。
上記のように水溶性切削油剤(原液)を希釈して得られるクーラントには、細菌、酵母、黴などの微生物の好適な栄養源となる物質が多く含有されており、クーラントが腐敗しやすいという問題点があり、その微生物による劣化を防ぐことは非常に重要なことである。クーラントの腐敗が進行すると、1次性能及び2次性能が低下するうえ、腐敗による悪臭によって作業環境も悪くなってしまう。また、腐敗による油剤交換の頻度が高くなれば、コスト面においても不利になる。更に、クーラントに黴が発生すると、1次性能及び2次性能が共に低下するだけでなく、循環系統のパイプ詰まりの原因にもなる。
従って、水溶性切削油剤には、腐敗防止のために、各種の殺菌剤や防腐剤が使用されている。しかし、一般には、防腐剤は短期間に分解若しくは不活性化してしまい、短期間で効果が著しく低下するという問題点があった。更に、上記防腐剤や殺菌剤としては、ホルムアルデヒト放出型化合物、フェノール系化合物等が知られている。しかし、このような防腐剤、殺菌剤を、殺菌や黴を抑制しうるほど多量に添加した場合には、皮膚刺激性が激しくなり、人体に対して悪影響を及ぼすことがあり好ましくない。
従って、水溶性切削油剤には、腐敗防止のために、各種の殺菌剤や防腐剤が使用されている。しかし、一般には、防腐剤は短期間に分解若しくは不活性化してしまい、短期間で効果が著しく低下するという問題点があった。更に、上記防腐剤や殺菌剤としては、ホルムアルデヒト放出型化合物、フェノール系化合物等が知られている。しかし、このような防腐剤、殺菌剤を、殺菌や黴を抑制しうるほど多量に添加した場合には、皮膚刺激性が激しくなり、人体に対して悪影響を及ぼすことがあり好ましくない。
また、水溶性切削油剤の腐敗を抑制することに着目した水溶性切削油剤としては、例えば、アルカノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、アルキルジアミン等がカルボン酸の等モルの塩として含有するものなどが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。更には、メタ若しくはオルトキシレンジアミンのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物や、1,3ビスアミノメチルシクロヘキシルアミン、1,4ビスアミノメチルシクロヘキシルアミンのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物を含有するものなども知られている(例えば、特許文献3参照)。
上記特許文献1及び2の水溶性切削油剤においては、腐敗を抑制することはできるが、一級アミンの使用量が比較的多く、人体に対する刺激が強くなってしまうため、更なる改善が求められている。
また、上記特許文献3の水溶性切削油剤においては、アルカノールアミンやジシクロへキシルアミンが切削油剤に長年使用されてきたことから、バクテリアに耐性ができ、腐敗の抑制効果が相対的に低下してきているため、更なる改善が求められている。
また、上記特許文献3の水溶性切削油剤においては、アルカノールアミンやジシクロへキシルアミンが切削油剤に長年使用されてきたことから、バクテリアに耐性ができ、腐敗の抑制効果が相対的に低下してきているため、更なる改善が求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、切削、研削、塑性加工等の金属加工に用いられ、耐微生物劣化性に優れ、腐敗や黴の発生を十分に抑制できる水溶性金属加工用油剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、微生物の増殖等による腐敗に対する耐腐敗劣化について鋭意検討した結果、アルキレンジアミンのアルキレンオキシド付加物が酵母、細菌に対して、極めて良好な抗菌性を示し、水溶性切削油剤の耐微生物劣化性を著しく向上させることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示す通りである。
<1> 下記一般式(1)で表されるアルキレンジアミンオキシアルキレン付加物を含有することを特徴とする水溶性金属加工用油剤組成物。
〔一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4は、各々、水素原子、又は−R5−Hであり、且つR1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つは−R5−Hである。R5は、オキシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基である。xは3〜12の整数である。〕
<2> 上記R5におけるオキシアルキレン単位は、オキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、且つ上記−R5−Hの付加モル数が1〜4である上記<1>に記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
<3> 上記R5がオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、且つ上記−R5−Hの付加モル数が1〜4モルである上記<1>に記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
<4> 上記R5がオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基であり、且つ該R5におけるオキシエチレン基及びオキシプロピレン基がランダムに分布している請求項1に記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
<5> 上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量が、本水溶性金属加工用油剤組成物全量を100質量%とした場合に、0.01〜30質量%である上記<1>乃至<4>のいずれかに記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
<1> 下記一般式(1)で表されるアルキレンジアミンオキシアルキレン付加物を含有することを特徴とする水溶性金属加工用油剤組成物。
<2> 上記R5におけるオキシアルキレン単位は、オキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、且つ上記−R5−Hの付加モル数が1〜4である上記<1>に記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
<3> 上記R5がオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、且つ上記−R5−Hの付加モル数が1〜4モルである上記<1>に記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
<4> 上記R5がオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基であり、且つ該R5におけるオキシエチレン基及びオキシプロピレン基がランダムに分布している請求項1に記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
<5> 上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量が、本水溶性金属加工用油剤組成物全量を100質量%とした場合に、0.01〜30質量%である上記<1>乃至<4>のいずれかに記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
本発明の水溶性金属加工用油剤組成物は、アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物を含有しているため、耐微生物劣化性に優れ、腐敗や黴の発生を十分に抑制することができる。そのため、切削、研削、塑性加工等の金属加工に好適に用いることができる。
また、オキシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基〔以下、「(ポリ)オキシアルキレン基」ともいう。〕におけるオキシアルキレン単位が、オキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、且つ(ポリ)オキシアルキレン基を有する有機基の付加モル数が1〜4である場合には、より優れた耐微生物劣化性が得られる。
更に、(ポリ)オキシアルキレン基が、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、且つ(ポリ)オキシアルキレン基を有する有機基の付加モル数が1〜4である場合には、より優れた耐微生物劣化性が得られる。
また、上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物が特定量含有される場合には、十分な耐微生物劣化性を確実に得ることができる。
また、オキシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基〔以下、「(ポリ)オキシアルキレン基」ともいう。〕におけるオキシアルキレン単位が、オキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、且つ(ポリ)オキシアルキレン基を有する有機基の付加モル数が1〜4である場合には、より優れた耐微生物劣化性が得られる。
更に、(ポリ)オキシアルキレン基が、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、且つ(ポリ)オキシアルキレン基を有する有機基の付加モル数が1〜4である場合には、より優れた耐微生物劣化性が得られる。
また、上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物が特定量含有される場合には、十分な耐微生物劣化性を確実に得ることができる。
本発明の水溶性金属加工用油剤組成物は、下記一般式(1)で表されるアルキレンジアミンオキシアルキレン付加物を含有することを特徴とする。
上記「−R5−H」は、−(CyH2yO)z−H[但し、yは1以上の整数(通常、100以下)、zは1以上の整数(通常、100以下)]の組成式で表されるオキシアルキレン単位(CyH2yO)を含有する有機基である。
上記yの値は、2〜4であることが好ましく、より好ましくは2〜3である。このyの範囲が2〜4である場合には、より優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
また、上記zの値は、1〜4であることが好ましく、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。このzの範囲が1〜4である場合には、より優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
上記yの値は、2〜4であることが好ましく、より好ましくは2〜3である。このyの範囲が2〜4である場合には、より優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
また、上記zの値は、1〜4であることが好ましく、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。このzの範囲が1〜4である場合には、より優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
また、上記オキシアルキレン単位の構造は特に限定されず、上記有機基(−R5−H)は、例えば、下記一般式(2)に示すように直鎖状の構造のオキシアルキレン単位を備える有機基であってもよい。また、分岐状の構造のオキシアルキレン単位を備える有機基〔例えば、下記一般式(3)で示される有機基〕であってもよい。更に、2種以上のオキシアルキレン単位を備える有機基〔例えば、下記一般式(4)で示される有機基等〕であってもよい。尚、2種以上のオキシアルキレン単位を備える場合、各単位は規則的に分布していても、ランダムに分布していてもよい。
また、上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物における上記有機基(−R5−H)の付加モル数は1〜4モルであり、好ましくは2〜4モル、より好ましくは2又は3モル、更に好ましくは2モルである。この付加モル数が、2〜4モルである場合には、より優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
尚、この有機基の付加モル数が2モル以上の場合、即ち、上記一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4のうちの2つ以上が上記有機基(−R5−H)である場合、この有機基の種類は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
尚、この有機基の付加モル数が2モル以上の場合、即ち、上記一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4のうちの2つ以上が上記有機基(−R5−H)である場合、この有機基の種類は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物においては、上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物における、上記オキシアルキレン単位がオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、且つ上記有機基(−R5−H)の付加モル数が1〜4(特に2〜4)であることが好ましい。この場合、より優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
更に、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物においては、上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物における、上記R5がオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、且つ上記有機基(−R5−H)の付加モル数が1〜4(特に2〜4)モルであることが好ましい。この場合、より優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
また、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物においては、上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物における、上記R5がオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基であり、且つ上記R5におけるオキシエチレン基及びオキシプロピレン基がランダムに分布しているものとすることができる。この場合、より優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
更に、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物においては、上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物における、上記R5がオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、且つ上記有機基(−R5−H)の付加モル数が1〜4(特に2〜4)モルであることが好ましい。この場合、より優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
また、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物においては、上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物における、上記R5がオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基であり、且つ上記R5におけるオキシエチレン基及びオキシプロピレン基がランダムに分布しているものとすることができる。この場合、より優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
また、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物において、上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量は、本水溶性金属加工用油剤組成物全量を100質量%とした場合に、0.001質量%以上であることが好ましく、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.05〜30質量%、更に好ましくは0.1〜30質量%である。この含有量が0.001質量%以上である場合には、優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
尚、切削、研削、塑性加工等の金属加工に使用する際の上記水溶性金属加工用油剤組成物における上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量は、本水溶性金属加工用油剤組成物全量を100質量%とした場合に、0.001〜1質量%、特に0.005〜1質量%、更には0.01〜1質量%であることが好ましい。この含有量が1質量%を超える場合には、それ以上の耐微生物劣化性の向上が望めない。そのため、この含有量が1質量%を超える場合(例えば、1〜30質量%である場合)には、使用する際に、後述するように油剤原液に水を配合して稀釈するなどして上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量を調整することが好ましい。
尚、切削、研削、塑性加工等の金属加工に使用する際の上記水溶性金属加工用油剤組成物における上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量は、本水溶性金属加工用油剤組成物全量を100質量%とした場合に、0.001〜1質量%、特に0.005〜1質量%、更には0.01〜1質量%であることが好ましい。この含有量が1質量%を超える場合には、それ以上の耐微生物劣化性の向上が望めない。そのため、この含有量が1質量%を超える場合(例えば、1〜30質量%である場合)には、使用する際に、後述するように油剤原液に水を配合して稀釈するなどして上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量を調整することが好ましい。
本発明の水溶性金属加工用油剤組成物には、通常、水が配合される。この水の配合量については特に限定はないが、通常は、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物を100質量%とした場合に、0.1質量%以上、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは1〜60質量%、更に好ましくは5〜40質量%である。この水の含有量が0.1質量%以上である場合には、組成物の粘度を低下させて作業性を向上することができるので好ましい。
尚、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物は、上記のように最初から水を配合した組成物とするだけでなく、使用する際に水を加えて所定の組成物として使用することもできる。また、必要に応じて、使用の際に更に水で稀釈(通常、10〜100倍)して使用することもできる。
尚、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物は、上記のように最初から水を配合した組成物とするだけでなく、使用する際に水を加えて所定の組成物として使用することもできる。また、必要に応じて、使用の際に更に水で稀釈(通常、10〜100倍)して使用することもできる。
また、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物には、潤滑成分が含有されていてもよい。 上記潤滑成分としては、例えば、鉱物油、合成エステル、動植物油脂、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。これらのなかでも、鉱物油、合成エステル、ポリアルキレングリコールが好ましく用いられる。
上記鉱物油は、石油を蒸留精製して得られる成分を示し、水素添加や改質等の工程を経たものを使用できる。例えば、スピンドル油等が挙げられる。
上記合成エステルとしては、例えば、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ネオペンチルグリコールモノオレート、ネオペンチルグリコールジオレート、トリメチルプロパンモノオレート、トリメチルプロパンジオレート、トリメチロールプロパントリオレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ペンタエリスリトールジオレート、ペンタエリスリトールトリオレート、及びペンタエリスリトールテトラオレート等が挙げられる。
上記動植物油脂としては、例えば、豚脂、牛脂、羊脂及び魚油等の動物性油脂、並びに菜種油、大豆油、ヤシ油、及びパーム油等の植物性油脂が挙げられる。
尚、これらの潤滑成分は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。
上記合成エステルとしては、例えば、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ネオペンチルグリコールモノオレート、ネオペンチルグリコールジオレート、トリメチルプロパンモノオレート、トリメチルプロパンジオレート、トリメチロールプロパントリオレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ペンタエリスリトールジオレート、ペンタエリスリトールトリオレート、及びペンタエリスリトールテトラオレート等が挙げられる。
上記動植物油脂としては、例えば、豚脂、牛脂、羊脂及び魚油等の動物性油脂、並びに菜種油、大豆油、ヤシ油、及びパーム油等の植物性油脂が挙げられる。
尚、これらの潤滑成分は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。
上記潤滑成分の含有量は、本水溶性金属加工用油剤組成物全量を100質量%とした場合に、70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜60質量%、更に好ましくは0.1〜50質量%である。
また、上記潤滑成分及び上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量の合計を100質量%とした場合に、この潤滑成分の含有量は0.01〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜70質量%、更に好ましくは0.01〜50質量%である。この含有量が0.01〜80質量%である場合には、優れた耐微生物劣化性が得られると共に、優れた潤滑性が得られるため好ましい。
また、上記潤滑成分及び上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量の合計を100質量%とした場合に、この潤滑成分の含有量は0.01〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜70質量%、更に好ましくは0.01〜50質量%である。この含有量が0.01〜80質量%である場合には、優れた耐微生物劣化性が得られると共に、優れた潤滑性が得られるため好ましい。
また、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物には、乳化剤が含有されていてもよい。
上記乳化剤としては、例えば、界面活性剤、脂肪酸、アルコール等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、通常の水系の潤滑油や金属加工油に使用されているノニオン系、アニオン系の各界面活性剤を挙げることができる。
上記乳化剤としては、例えば、界面活性剤、脂肪酸、アルコール等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、通常の水系の潤滑油や金属加工油に使用されているノニオン系、アニオン系の各界面活性剤を挙げることができる。
上記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテルブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリグリセリンアルキルエステル、アルキルアミンポリオキシエチレン付加物、アルキルアミンポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加物、脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。これらのなかでも、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテルブロックコポリマーが好ましく用いられる。
上記アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸金属塩又はアミン塩、カルボン酸金属塩又はアミン塩、アルキルスルホン酸の金属塩又はアミン塩、アルキル硫酸の金属塩又はアミン塩、アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩又はアミン塩、アルキルリン酸の金属塩又はアミン塩等が挙げられる。これらのなかでも、脂肪酸金属塩又はアミン塩、アルキルスルホン酸の金属塩又はアミン塩、アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩又はアミン塩が好ましく用いられる。また、これらの金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく用いられる。
上記アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸金属塩又はアミン塩、カルボン酸金属塩又はアミン塩、アルキルスルホン酸の金属塩又はアミン塩、アルキル硫酸の金属塩又はアミン塩、アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩又はアミン塩、アルキルリン酸の金属塩又はアミン塩等が挙げられる。これらのなかでも、脂肪酸金属塩又はアミン塩、アルキルスルホン酸の金属塩又はアミン塩、アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩又はアミン塩が好ましく用いられる。また、これらの金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく用いられる。
上記脂肪酸としては、通常の水系の潤滑油や金属加工油に使用されている炭素数が6〜36のものが使用される。例えば、カプロン酸、カプリル酸、ノナン酸、ラウリル酸、ステアリン酸、ドデカン酸、オレイン酸、エルカ酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシ脂肪酸、アラキン酸、ベヘン酸、メリシン酸、イソノナン酸、ネオデカン酸、イソステアリン酸、油脂より抽出された大豆脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、石油より抽出されたナフテン酸等;アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、モノ又はジヒドロキシアラキン酸;オレイン酸、リシノレイン酸、リシノレイン酸縮合物、12−ヒドロキシステアリン酸等の二量体、三量体等の合成脂肪酸が挙げられる。これらのなかでも、ヤシ油脂肪酸、リシノレイン酸、エルカ酸、リシノレイン酸縮合物、ドデカン酸、ドデカン二酸、オレイン酸が好ましく用いられる。
上記アルコールとしては、炭素数が12〜18のものが好ましく用いられる。例えば、2エチルヘキシルアルコール、オレイルアルコール及びイソステアリルアルコール等が挙げられる。
尚、これらの乳化剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。
尚、これらの乳化剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。
上記乳化剤の含有量は、本水溶性金属加工用油剤組成物全量を100質量%とした場合に、30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.001〜30質量%、更に好ましくは0.01〜25質量%である。
また、上記乳化剤及び上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量の合計を100質量%とした場合に、この乳化剤の含有量は0.5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜40質量%、更に好ましくは0.3〜30質量%である。この含有量が0.5〜50質量%である場合には、優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
また、上記乳化剤及び上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量の合計を100質量%とした場合に、この乳化剤の含有量は0.5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜40質量%、更に好ましくは0.3〜30質量%である。この含有量が0.5〜50質量%である場合には、優れた耐微生物劣化性が得られるため好ましい。
また、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物には、アミン化合物が含有されていてもよい。上記アミン化合物としては、炭素数2〜36のものが好ましく用いられる。例えば、アルカノールアミン、脂肪族アミン及びシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
上記アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−エチル−1・3−プロパンジオール及びN−(βアミノエチル)エタノールアミン等が挙げられる。これらのなかでも、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンが好ましく用いられる。
上記シクロヘキシルアミンとしては、ジシクロヘキシルアミンが挙げられる。
尚、これらのアミン化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。
上記アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−エチル−1・3−プロパンジオール及びN−(βアミノエチル)エタノールアミン等が挙げられる。これらのなかでも、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンが好ましく用いられる。
上記シクロヘキシルアミンとしては、ジシクロヘキシルアミンが挙げられる。
尚、これらのアミン化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。
上記アミン化合物の含有量は、本水溶性金属加工用油剤組成物全量を100質量%とした場合に、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜20質量%、更に好ましくは0.1〜15質量%である。
また、上記アミン化合物及び上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量の合計を100質量%とした場合に、このアミン化合物の含有量は10〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは20〜50質量%である。この含有量が10〜70質量%である場合には、耐微生物劣化性を向上させることができるため好ましい。
また、上記アミン化合物及び上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量の合計を100質量%とした場合に、このアミン化合物の含有量は10〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは20〜50質量%である。この含有量が10〜70質量%である場合には、耐微生物劣化性を向上させることができるため好ましい。
更に、本発明の水溶性金属加工用油剤組成物には、必要に応じて、極圧添加剤、消泡剤、金属防食剤、酸化防止剤、防腐剤等の他の添加剤を本発明の要求する性能を阻害しない範囲で含有させることができる。
上記極圧添加剤としては、例えば、硫化脂肪油、ポリスルフィド等の硫黄系、亜鉛ジチオホスフェート等のリン系、塩素化パラフィン等の塩素系のもの、及びカルシウムスルホネート等が挙げられる。
上記消泡剤としては、シリコーンエマルション等が挙げられる。
上記金属防食剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、アミン系化合物、フェノール系化合物等が挙げられる。
上記防腐剤としては、チアゾリン系化合物等の有機窒素化合物等が挙げられる。
上記消泡剤としては、シリコーンエマルション等が挙げられる。
上記金属防食剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、アミン系化合物、フェノール系化合物等が挙げられる。
上記防腐剤としては、チアゾリン系化合物等の有機窒素化合物等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本発明においては、以下の具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
(1)水溶性金属加工用油剤組成物の調製
表1に示す配合割合の実施例1〜6及び比較例1〜4の各水溶性金属加工用油剤組成物を調製した。単位は質量%である。尚、表1において用いた成分は以下の通りである。
表1に示す配合割合の実施例1〜6及び比較例1〜4の各水溶性金属加工用油剤組成物を調製した。単位は質量%である。尚、表1において用いた成分は以下の通りである。
<配合成分の詳細>
鉱物油:スピンドル油(粘度:8mm2/s)
合成エステル:トリメチロールプロパントリオレート
石油スルホン酸ナトリウム
非イオン界面活性剤:ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポリマーのプルロニック型活性剤(ポリエチレングリコールの比率:10質量%、平均分子量2220)
防腐剤;ヘキサヒドロ−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン
鉱物油:スピンドル油(粘度:8mm2/s)
合成エステル:トリメチロールプロパントリオレート
石油スルホン酸ナトリウム
非イオン界面活性剤:ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポリマーのプルロニック型活性剤(ポリエチレングリコールの比率:10質量%、平均分子量2220)
防腐剤;ヘキサヒドロ−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン
〔アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物(本発明の範囲内のもの)〕
トリメチレンジアミンEO2:エチレンオキシド(EO)の2モル付加物であり、トリメチレンジアミンにおける各アミノ基にEOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
トリメチレンジアミンPO2:プロピレンオキシド(PO)の2モル付加物であり、トリメチレンジアミンにおける各アミノ基にPOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
ヘキサメチレンジアミンEO2:EOの2モル付加物であり、ヘキサメチレンジアミンにおける各アミノ基にEOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
ヘキサメチレンジアミンEO3:EOの3モル付加物であり、ヘキサメチレンジアミンにおける各アミノ基にEOが各々1モルと2モル付加(合計3モル付加)したもの。
ヘキサメチレンジアミンEO4:EOの4モル付加物であり、ヘキサメチレンジアミンにおける各アミノ基にEOが2モルずつ合計4モル付加したもの。
1,2ジアミノドデカンEO2:EOの2モル付加物であり、1,2ジアミノドデカンにおける各アミノ基にEOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
トリメチレンジアミンEO2:エチレンオキシド(EO)の2モル付加物であり、トリメチレンジアミンにおける各アミノ基にEOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
トリメチレンジアミンPO2:プロピレンオキシド(PO)の2モル付加物であり、トリメチレンジアミンにおける各アミノ基にPOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
ヘキサメチレンジアミンEO2:EOの2モル付加物であり、ヘキサメチレンジアミンにおける各アミノ基にEOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
ヘキサメチレンジアミンEO3:EOの3モル付加物であり、ヘキサメチレンジアミンにおける各アミノ基にEOが各々1モルと2モル付加(合計3モル付加)したもの。
ヘキサメチレンジアミンEO4:EOの4モル付加物であり、ヘキサメチレンジアミンにおける各アミノ基にEOが2モルずつ合計4モル付加したもの。
1,2ジアミノドデカンEO2:EOの2モル付加物であり、1,2ジアミノドデカンにおける各アミノ基にEOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
〔アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物(本発明の範囲外のもの)〕
エチレンジアミンPO4:プロピレンオキシド(PO)の4モル付加物であり、エチレンジアミンにおける各アミノ基にPOが2モルずつ合計4モル付加したもの。
ジエチレントリアミンEO2:EOの2モル付加物であり、ジエチレントリアミンにおける末端アミノ基にEOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
メタキシレンジアミンEO2:EOの2モル付加物であり、メタキシレンジアミンにおける各アミノ基にEOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
エチレンジアミンPO4:プロピレンオキシド(PO)の4モル付加物であり、エチレンジアミンにおける各アミノ基にPOが2モルずつ合計4モル付加したもの。
ジエチレントリアミンEO2:EOの2モル付加物であり、ジエチレントリアミンにおける末端アミノ基にEOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
メタキシレンジアミンEO2:EOの2モル付加物であり、メタキシレンジアミンにおける各アミノ基にEOが1モルずつ合計2モル付加したもの。
(2)微生物劣化試験
表1に示す組成の実施例1〜6及び比較例1〜4の各水溶性金属加工用油剤組成物を各々水道水で希釈し、水溶性金属加工用油剤組成物の含有量が3質量%となるように希釈し、各試料を調製した。
その後、試料2000gの入った水槽(容積;5L)に、鋳物切屑200gと、潤滑油(モービル石油製、商品名「バクトラNo.2 SLC」)100gを添加し、ポンプで循環させた。次いで、この水槽に、種菌として、予め腐敗させたエマルション(ユシロ化学工業株式会社製、商品名「ユシロ−ケンFGE275」、pH8.0、生菌数:106個以上/mL、酵母数:102個/mL)を、初日60mL、1日後20mL、2日後20mL、7日後20mL、その後一週間毎に20mLずつ添加した。尚、蒸発した水分は、毎日水道水を補給した。
そして、一週間毎に各試料から50ml採取し、pH、生菌数及び酵母数を測定した。更に、臭気の有無及びさび止め性についても評価した。これらの結果を表2及び3に示した。尚、生菌数及び酵母数の各測定方法、並びに、臭気の有無及びさび止め性の評価方法の詳細を以下に示す。
表1に示す組成の実施例1〜6及び比較例1〜4の各水溶性金属加工用油剤組成物を各々水道水で希釈し、水溶性金属加工用油剤組成物の含有量が3質量%となるように希釈し、各試料を調製した。
その後、試料2000gの入った水槽(容積;5L)に、鋳物切屑200gと、潤滑油(モービル石油製、商品名「バクトラNo.2 SLC」)100gを添加し、ポンプで循環させた。次いで、この水槽に、種菌として、予め腐敗させたエマルション(ユシロ化学工業株式会社製、商品名「ユシロ−ケンFGE275」、pH8.0、生菌数:106個以上/mL、酵母数:102個/mL)を、初日60mL、1日後20mL、2日後20mL、7日後20mL、その後一週間毎に20mLずつ添加した。尚、蒸発した水分は、毎日水道水を補給した。
そして、一週間毎に各試料から50ml採取し、pH、生菌数及び酵母数を測定した。更に、臭気の有無及びさび止め性についても評価した。これらの結果を表2及び3に示した。尚、生菌数及び酵母数の各測定方法、並びに、臭気の有無及びさび止め性の評価方法の詳細を以下に示す。
<生菌数及び酵母数の測定>
生菌数は普通寒天培地を用いてプレートカウント法により測定した。
また、酵母数は、抗生物質(クロラムフェニコール)を添加したポテトデキストロース寒天培地を用いてプレートカウント法により測定した。
生菌数は普通寒天培地を用いてプレートカウント法により測定した。
また、酵母数は、抗生物質(クロラムフェニコール)を添加したポテトデキストロース寒天培地を用いてプレートカウント法により測定した。
<臭気の評価>
臭気は、その強さを下記の三段階の評価基準により評価した。
「○」:腐敗臭なし
「△」:やや腐敗臭がある
「×」:腐敗臭がある
臭気は、その強さを下記の三段階の評価基準により評価した。
「○」:腐敗臭なし
「△」:やや腐敗臭がある
「×」:腐敗臭がある
<さび止め性の評価>
さび止め性の評価は、鋳物切屑法によって行った。具体的には、約15gのドライカットした鋳物切屑(材質:FC25、8〜12メッシュ)をペトリ皿(内径60mm)に採取し、これに前記各試料25mLを添加し、十分に振とうして、約4分間静置した。その後、試料を傾斜法によって除去した。次いで、6時間後及び24時間後に、ペトリ皿上に発生するさびを観察し、下記の評価基準により評価した。
「◎」:さびの発生なし
「○」:さびが数点発生
「△」:さびが十数点発生
「×」:さびが1/3面以上発生
さび止め性の評価は、鋳物切屑法によって行った。具体的には、約15gのドライカットした鋳物切屑(材質:FC25、8〜12メッシュ)をペトリ皿(内径60mm)に採取し、これに前記各試料25mLを添加し、十分に振とうして、約4分間静置した。その後、試料を傾斜法によって除去した。次いで、6時間後及び24時間後に、ペトリ皿上に発生するさびを観察し、下記の評価基準により評価した。
「◎」:さびの発生なし
「○」:さびが数点発生
「△」:さびが十数点発生
「×」:さびが1/3面以上発生
(3)評価結果
表2及び3によれば、実施例1〜6の試料では、3週間経過してもpHの低下が少なくpH9.0以上を維持していた。これに対して、比較例1〜4の試料では、pHの低下が大きく1週間経過した時点でpH9.0未満に低下してしまった。
また、実施例1〜6の試料では、3週間経過しても生菌数(個/mL)は103未満又は104であった。これに対して、比較例1、2及び4の試料では、2週間経過時点で107と著しく増加しており、比較例3の試料においても、3週間経過した時点で107と著しく増加していた。
更に、酵母数(個/mL)においても、実施例1〜6の試料では、3週間経過しても10未満であった。これに対して、比較例1〜4の試料では、2週間経過した時点で102と著しく増加していた。
表2及び3によれば、実施例1〜6の試料では、3週間経過してもpHの低下が少なくpH9.0以上を維持していた。これに対して、比較例1〜4の試料では、pHの低下が大きく1週間経過した時点でpH9.0未満に低下してしまった。
また、実施例1〜6の試料では、3週間経過しても生菌数(個/mL)は103未満又は104であった。これに対して、比較例1、2及び4の試料では、2週間経過時点で107と著しく増加しており、比較例3の試料においても、3週間経過した時点で107と著しく増加していた。
更に、酵母数(個/mL)においても、実施例1〜6の試料では、3週間経過しても10未満であった。これに対して、比較例1〜4の試料では、2週間経過した時点で102と著しく増加していた。
また、実施例1〜6の試料では、3週間経過しても腐敗臭は発生しなかった。これに対して、比較例1〜4の試料では、1週間経過した時点で腐敗臭が発生した。
更に、実施例1〜6の試料では、3週間経過しても24時間さびが発生しなかった。これに対して、比較例1〜4の試料では、2週間経過後にさびが発生した。
以上のことから、本実施例の水溶性金属加工用油剤組成物は、優れた耐微生物劣化性を有することが分かった。
更に、実施例1〜6の試料では、3週間経過しても24時間さびが発生しなかった。これに対して、比較例1〜4の試料では、2週間経過後にさびが発生した。
以上のことから、本実施例の水溶性金属加工用油剤組成物は、優れた耐微生物劣化性を有することが分かった。
Claims (5)
- 上記R5におけるオキシアルキレン単位は、オキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、且つ上記−R5−Hの付加モル数が1〜4である請求項1に記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
- 上記R5がオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、且つ上記−R5−Hの付加モル数が1〜4モルである請求項1に記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
- 上記R5がオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基であり、且つ該R5におけるオキシエチレン基及びオキシプロピレン基がランダムに分布している請求項1に記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
- 上記アルキレンジアミンオキシアルキレン付加物の含有量が、本水溶性金属加工用油剤組成物全量を100質量%とした場合に、0.01〜30質量%である請求項1乃至4のいずれかに記載の水溶性金属加工用油剤組成物。
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- 2006-02-01 JP JP2006025014A patent/JP2007204603A/ja active Pending
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