JP2007203378A - 刃具保持具および切削工具 - Google Patents

刃具保持具および切削工具 Download PDF

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Abstract


【課題】 部品の飛散を確実に防止することができる刃具保持具および切削工具を提供する。
【解決手段】 カートリッジ3は、アウタ部材4によって半径方向外方から覆われる状態で、アウタ部材4とインナ部材5とによって挟持される。カートリッジ3およびインナ部材5は、アウタ部材5によって半径方向外方から覆われ、半径方向外方へ飛散してしまうことが防がれる。またアウタ部材4は、周方向全周にわたって一体に連なって形成されており、アウタ部材4が分割されて半径方向外方へ飛散してしまうことがない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被削材を切削加工する刃具を保持する刃具保持具および刃具と刃具保持具とを備える切削工具に関する。
従来の技術の切削工具である転削工具が、特許文献1に示されている。この転削工具は、工具本体の外周部に形成される凹溝に、カートリッジを嵌まり込ませ、ボルトによって固定して構成される。転削工具では、さらにカートリッジは、ボルトよりも切刃側の位置で、クランプねじによって工具本体に固定されている。この特許文献1の添削工具では、クランプねじは、カートリッジの変位を防止して、被削材の加工面の面粗さが悪化するのを抑制する目的で設けられているが、固定用のボルトに加えて、クランプねじを設けることによって、カートリッジを飛散しにくくすることが可能であると考えられる。
また他の従来の技術の切削工具である回転切削工具が、特許文献2に示されている。この回転切削工具は、工具本体に固定されるカートリッジに、スローアウェイチップを取付けねじで固定して構成される。さらに回転切削工具では、スローアウェイチップの使用切刃の位置から取付けねじを挟んだ反対位置のすくい面に設けたクランプ溝を、工具本体に形成したスローアウェイチップの飛び出し方向と反対の方向に傾斜させた傾斜ねじ孔に挿入する止めねじの先端で押圧してクランプしている。この特許文献2の回転切削工具では、前述のようにスローアウェイチップを止めねじで押圧し、スローアウェイチップおよびカートリッジの飛散を防止している。
さらに他の従来の技術の切削工具である回転工具が、特許文献3に示されている。この回転工具は、工具本体のカートリッジ取付溝に、回転方向前方側に凹んだ凹溝が形成され、凹溝には回転工具の外周側に位置する係合面が形成され、カートリッジには、回転方向前方側に突出した凸部が形成され、凸部には、回転工具の外周側に位置する係合面が形成され、凹溝の係合面と凸部の係合面とが係合するように構成されている。この特許文献3の回転工具では、凹溝の係合面と凸部の係合面とを係合させ、部品の飛散を防止している。
さらにまた他の従来の技術の切削工具である正面フライスが、特許文献4に示されている。この正面フライスは、円板状をなす工具本体であるカッタ本体の外周部分に、軸方向でその一方が止溝となる取付け溝およびこの取付け溝の一側面に連接された凹部がそれぞれ形成されるとともに、前記取付け溝内には、切刃チップを備えたブレードおよび軸方向の調整楔が配置され、しかも、前記凹部内には、固定楔が配置される。この特許文献4の正面フライスでは、正面フライスでは、調整楔および固定楔は、カッタ本体側に備えられた係合部分によって係止されることにより、飛び出しが防止されるように構成されている。
特開2000−288819号公報 特開2002−113609号公報 特開2004−243496号公報 実開平6−66909号公報
特許文献1〜4に示される従来の技術の切削工具は、前述のようにして、遠心力によるカートリッジおよびチップなどの部品の飛散を防止するように構成されているが、部品の飛散を完全に防止できる構成ではない。前述の各切削工具では、部品は、工具本体にボルトなどのねじ部材で固定され、または係止部を形成して係止されている。このようなねじ部材および係止部だけでは、部品の飛散を防止する十分な強度が得られず、部品の固定に必要な実質的強度が不足するおそれがある。また部品は、工具本体の外周部に形成され、半径方向外方に開放する溝に嵌まり込む状態で設けられており、部品は、半径方向外方から覆われていない。したがって切削加工に伴う振動などによって、部品を本体に固定するねじ部材が緩んだり、部品を工具本体に対して係止する係止部の係止状態が解除されたり、またはねじ部材および係止部が破損するなどの現象が生じると、部品が工具本体から即座に脱落して飛散してしまう。
切削工具において、カートリッジおよびチップなどの部品の飛散を防止する構造として、前述のような構成以外に、カートリッジを工具本体に固定するとともに、カートリッジ先端に固定されるスローアウェイチップを工具本体にねじ止めするサブクランプ構造、カートリッジとチップとの当接面にセレーションと呼ばれる溝を形成する構造、カートリッジ端面に凸部を設け、これを工具本体の凹部に嵌合させる構造が知られている。これの構造もまた、特許文献1〜4の切削工具における課題を解決することができる構成ではない。
本発明の目的は、部品の飛散を確実に防止することができる刃具保持具および切削工具を提供することである。
本発明は、周方向全周にわたって一体に連なって形成され、刃具を半径方向外方から覆う外側挟持体と、
外側挟持体の半径方向内方に設けられ、外側挟持体と協働して刃具を挟持する内側挟持体とを備えることを特徴とする刃具保持具である。
本発明に従えば、刃具は、外側挟持体と内側挟持体とによって挟持されて保持される。刃具は、外側挟持体によって半径方向外方から覆われ、内包される状態で設けられる。また内側挟持体も、外側挟持体の半径方向内方に設けられ、外側挟持体によって覆われている。このように刃具および内側挟持体などの部品(以下「内側部品」という)が、外側挟持体によって半径方向外方から覆われ、半径方向外方に関して閉じた領域に設けられるので、内側部品に遠心力が作用しても、その内側部品が半径方向外方へ飛散してしまうことが防がれる。また外側挟持体は、周方向全周にわたって一体に連なって形成されており、外側挟持体に遠心力が作用しても、その外側挟持体が分割されて半径方向外方へ飛散してしまうことがない。
このように部品の飛散を確実に防止することができるので、刃具を保持した状態で、従来の技術の構成と比較して高い回転速度で回転させる切削加工に用いることができる。したがって被削材を高能率で加工することができる。
また本発明は、外側挟持体および内側挟持体のうちの少なくとも一方に対して、刃具を位置決めする位置決め手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明に従えば、位置決め手段が設けられ、刃具が、外側挟持体および内側挟持体のうちの少なくとも一方に対して位置決めされる。これによって刃具を刃具保持具に対して装着するにあたって、刃具を位置決めすることができる。これによって刃具の刃具保持具に対する装着位置を容易に調整することができ、刃具の刃具保持具に対する装着作業を容易にすることができる。
また本発明は、位置決め手段は、
外側挟持体および内側挟持体のうち少なくとも一方に形成される係止部と、
係止部に係止される係止ねじ部材とを有し、
前記係止部には、軸線方向に沿って係止孔が形成され、
前記係止ねじ部材は、係止孔に挿入可能であり、かつ刃具に形成される係止ねじ孔に螺合可能であることを特徴とする。
本発明に従えば、半径方向外方への内側部品の飛散を防止するとともに、係止ねじ部材が刃具に対して軸線方向に回動することによって、刃具を刃具保持具に対して軸線方向に位置決めすることができる。これによって、刃先調整の操作性に優れ、装着作業が容易になるため、作業効率が高まる。
また本発明は、外側挟持体および内側挟持体のうちの少なくとも一方に対して、刃具を仮止めする仮止め手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明に従えば、仮止め手段が設けられ、刃具が、外側挟持体および内側挟持体のうちの少なくとも一方に対して仮止めされる。これによって刃具を刃具保持具に対して着脱するにあたって、刃具を仮止めしておくことができ、刃具が脱落してしまうことを防ぐことができる。これによって刃具の刃具保持具に対する着脱作業を容易にすることができる。
また本発明は、外側挟持体と内側挟持体とは、互いに異なる材料から成ることを特徴とする。
本発明に従えば、外側挟持体と内側挟持体とが同一材料から成る場合に比べて、外側挟持体と内側挟持体とが凝着しにくくすることができる。外側挟持体と内側挟持体とは、刃具を挟持するにあたって部分的に圧接され、かつ切削加工に伴って発生する熱が加わったとしても、外側挟持体と内側挟持体とが凝着することを防ぐことができる。したがって好適な刃具保持具を実現することができる。
また本発明は、前記刃具保持具と、
刃具保持具によって保持される刃具とを備えることを特徴とする切削工具である。
本発明に従えば、前述のように部品の飛散を防止し、高い回転速度で回転させて切削加工し、被削材を高能率で加工することができる好適な切削工具を実現することができる。
また本発明は、前記外側挟持体および前記内側挟持体のうち少なくとも一方には、前記刃具の嵌合する嵌合溝が形成され、
前記刃具が前記嵌合溝に嵌合される状態で、前記刃具は、前記外側挟持体に半径方向外方で当接され、前記内側挟持体に半径方向内方で当接され、
前記外側挟持体において、前記刃具の近傍に締結ねじ部材が具備され、
前記締結ねじ部材によって、前記外側挟持体と前記内側挟持体とが固定され、
前記刃具が、前記外側挟持体と前記内側挟持体とにより押圧固定されることを特徴とする。
本発明に従えば、外側挟持体と内側挟持体とが強固に固定されるとともに、刃具が嵌合溝に嵌合して押圧固定されるので、刃具保持具によって強固に保持されるため、厳しい切削条件下においても刃具の飛散を防止することができる。
本発明によれば、刃具および内側挟持体が、外側挟持体によって覆われるとともに、外側挟持体が、周方向全周にわたって一体に連なって形成されるので、刃具、外側挟持体および内側挟持体を含む部品が、飛散することを防止することができる。このように部品の飛散を防止することができるので、本発明の刃具保持具は、回転速度の高い切削条件下でも、刃具を保持することができ、被削材を高能率で加工することができる。
また本発明によれば、刃具を刃具保持具に装着するにあたって、刃具を位置決めすることができ、刃具の刃具保持具に対する装着作業を容易にすることができる。
また本発明によれば、係止ねじ部材の回動することによって、刃具を位置決めすることができ、刃先調整の操作性に優れ、装着作業が容易になるため、作業効率が高まる。
また本発明によれば、刃具を刃具保持具に対して着脱するにあたって、刃具を仮止めしておくことができ、刃具が脱落してしまうことを防ぐことができ、刃具の刃具保持具に対する着脱作業を容易にすることができる。
また本発明によれば、外側挟持体と内側挟持体とが同一材料から成る場合に比べて、外側挟持体と内側挟持体とが凝着しにくくし、好適な刃具保持具を実現することができる。
また本発明によれば、高速回転させて切削加工し、被削材を高能率で加工することができる好適な切削工具を実現することができる。
また本発明によれば、刃具保持具によって強固に保持されので、回転速度が高いなど、厳しい切削条件下においても刃具の飛散を防止することができる。
図1は、本発明の実施の一形態の切削工具1を示す斜視図である。図2は、切削工具1を分解して示す斜視図である。図3は、切削工具1を基準軸線L0に垂直な平面で切断して示す断面図である。図4は、切削工具1を基準軸線L0を含む平面で切断して示す断面図である。図3は、図4の切断面線S3−S3で示される切削工具1の軸線方向一端部寄りの位置で切断して示す断面図である。切削工具1は、切削加工装置に装着され、基準軸線L0まわりに回転方向Aへ回転駆動されて被削材を切削加工するために用いられる。切削工具1は、被削材を平面切削加工する工具である。被削材は、たとえばアルミニウムおよびアルミニウム合金である非鉄金属を含む金属材料から成る。
切削工具1は、刃具保持具である工具本体2に、1または複数の刃具であるカートリッジ3が保持されて構成される。工具本体2は、外側挟持体であるアウタ部材4と、内側挟持体であるインナ部材5とを有し、アウタ部材4とインナ部材5とによってカートリッジ3を挟持し、カートリッジ3を保持する。本実施の形態では、4つのカートリッジ3が、工具本体2に保持される。
各カートリッジ3は、切刃10を有するチップ6が、ホルダ7に固定されてそれぞれ構成される。各チップ6は、ねじ部材を用いてホルダ7にそれぞれ固定されてもよいが、本実施の形態ではろう付けされてホルダ7にそれぞれ固定される。各カートリッジ3は、切刃10が工具本体2の軸線方向一端部から突出し、かつ切刃10が回転方向A下流側に向く状態で、工具本体2に保持されている。
図5は、アウタ部材4を示す正面図である。図6は、インナ部材5を示す正面図である。図5には、アウタ部材4を、工具本体2の軸線方向一端部側から見て示し、図6には、インナ部材5を、工具本体2の軸線方向一端部側から見て示す。図1〜図4を併せて参照して説明する。工具本体2の軸線は、切削工具1の軸線である基準軸線L0と一致している。アウタ部材4およびインナ部材5の各軸線は、基準軸線L0と一致する。したがって基準軸線L0は、工具本体2の軸線であり、アウタ部材4の軸線であり、インナ部材5の軸線である。
アウタ部材4は、大略的に短円筒状の形状を有する単一部材であり、周方向全周にわたって一体に連なって形成される。アウタ部材4には、内周部11に、半径方向外方へ凹むアウタ嵌合溝12が形成される。アウタ嵌合溝12は、アウタ部材4の軸線方向の全長にわたって、アウタ部材4の軸線方向へ延びて形成される。アウタ部材4には、工具本体2によって保持されるカートリッジ3の個数と同数のアウタ嵌合溝12が形成される。本実施の形態では、4つのアウタ嵌合溝12が形成される。各アウタ嵌合溝12は、周方向に等角度位置θ4毎に形成される。本実施の形態では、各アウタ嵌合溝12は、90度毎(θ4=90度)に形成される。
各アウタ嵌合溝12を除く残余の部分におけるアウタ部材4の内周面(以下「主内周面」という)13は、基準軸線L0を中心とする1つの円筒面と一致する曲面である。各アウタ嵌合溝12は、基準軸線L0に垂直な断面の形状が長方形14の溝である。前記長方形14は、長辺15が短辺16の約2倍の寸法を有している。各アウタ嵌合溝12は、前記断面における長方形14の短辺16が、そのアウタ嵌合溝12の位置における半径方向と平行に配置されて、形成される。したがって各アウタ嵌合溝12は、前記断面における長方形14の長辺15が、長方形14の中心P12を通りかつ基準軸線L0と直交する直線に対して垂直に配置されて、形成される。図5には、1つのアウタ嵌合溝12についてだけ、前記長方形14を仮想的に示す。
インナ部材5は、大略的に短円柱状の形状を有する単一部材である。インナ部材5には、中央部に基準軸線L0に沿って、インナ部材5の軸線方向へ貫通するインナ装着用孔28が形成されている。このインナ装着用孔28を用いて、切削工具2が切削装置の駆動軸に装着される。
またインナ部材5には、外周部18に、半径方向内方へ凹むインナ嵌合溝19が形成される。インナ嵌合溝19は、インナ部材5の軸線方向一端部側の部分に、インナ部材5の軸線方向へ延びて形成される。インナ部材5には、工具本体2によって保持されるカートリッジ3の個数と同数のインナ嵌合溝19が形成される。本実施の形態では、4つのインナ嵌合溝19が形成される。各インナ嵌合溝19は、周方向に等角度位置θ5毎に形成される。本実施の形態では、各インナ嵌合溝19は、90度毎(θ5=90度)に形成される。
アウタ部材4およびインナ部材5の少なくも一方に、一体的に係止部20が形成される。本実施の形態では、インナ部材5に、複数の係止部20が形成される。各係止部20は、インナ部材5の外周部18における周方向に関して各インナ嵌合溝19が形成される位置に、それぞれ形成されている。各係止部20は、各インナ嵌合溝19に対して、インナ部材5の軸線方向他端部側に形成される。インナ部材5の軸線方向一端部は、工具本体2の軸線方向一端部側の端部であり、インナ部材5の軸線方向他端部は、工具本体2の軸線方向他端部側の端部である。
各インナ嵌合溝19および各係止部20を除く残余の部分におけるインナ部材5の外周面(以下「主外周面」という)22は、基準軸線L0を中心とする1つの円筒面と一致する曲面である。各インナ嵌合溝19は、基準軸線L0に垂直な断面の形状が長方形23の溝である。前記長方形23は、長辺24が短辺25の約2倍の寸法を有している。各インナ嵌合溝19は、前記断面における長方形23の短辺25が、そのインナ嵌合溝19の位置における半径方向と平行に配置されて、形成される。したがって各インナ嵌合溝19は、前記断面における長方形23の長辺24が、長方形23の中心P23を通りかつ基準軸線L0と直交する直線に対して垂直に配置されて、形成される。図6には、1つのインナ嵌合溝19についてだけ、前記長方形23を仮想的に示す。
各係止部20は、残余の部分に比べて半径方向外方へ突出して形成される。各係止部20は、基準軸線L0に垂直な断面の形状が正方形であり、この正方形は、前記インナ嵌合溝19の長方形23と、その半径方向外方に同様の長方形を並べた正方形である。各係止部20には、インナ部材5の軸線方向に貫通する係止孔27がそれぞれ形成されている。
工具本体2は、アウタ部材4にインナ部材5が嵌合されて構成される。工具本体2、アウタ部材4およびインナ部材5の各軸線方向一端部は、基準軸線L0に沿う切削工具1の軸線方向一端部側の端部であり、工具本体2、アウタ部材4およびインナ部材5の各軸線方向他端部は、切削工具1の軸線方向他端部側の端部である。
アウタ部材4とインナ部材5とは、軸線方向の寸法が同一であり、軸線方向の各端面がそれぞれ面一になるように配置される。アウタ部材4の主内周面13の内径D13は、インナ部材5の主外周面22の外径D22より大きく、主内周面13と主外周面22との間には、アウタ部材4およびインナ部材5が外力を受けていない自然状態にある状態で間隔がΔd=(D13−D22)/2となる隙間44が形成される。隙間44は、図7に示される。図3には、隙間44は省略して示す。
各アウタ嵌合溝12と、各インナ嵌合溝19とは、周方向に関して一致する位置に、配置される。各係止部20は、各アウタ嵌合溝12の軸線方向他端部側の部分に嵌まり込んでいる。これによって工具本体2には、アウタ部材4とインナ部材5との間に、アウタ嵌合溝12およびインナ嵌合溝19による4つの嵌合孔30が形成される。各嵌合孔30は、有底の孔であり、本実施の形態では工具本体2の軸線方向に垂直な断面の形状が正方形である。各嵌合孔30は、工具本体2の軸線方向一端部側の部分に、周方向に90度毎に形成される。各係止部20は、各嵌合孔30の軸線方向他端部側に配置される。
各カートリッジ3は、直方体状であって、カートリッジ3の軸線に垂直な断面の形状が正方形である四角柱状の形状を有する。各カートリッジ3は、カートリッジ3の軸線方向一端部にチップ6によって切刃10が形成されている。各カートリッジ3は、カートリッジ3の軸線方向一端部が工具本体2の軸線方向一端部側に配置される状態で、カートリッジ3の軸線を基準軸線L0と平行になるように配置して、各嵌合孔30に嵌合させて設けられる。各カートリッジ3は、切刃10が工具本体2から突出し、切刃10が回転方向A下流側に向くように配置される。
各カートリッジ3は、アウタ部材4とインナ部材5とによって、半径方向に挟持されて工具本体2に保持される。工具本体2は、1または複数の締結片である締結ねじ部材33を有する。本実施の形態では、8つの締結ねじ部材33が設けられる。工具本体2は、各締結ねじ部材33によってアウタ部材4とインナ部材5とを、各嵌合孔30近傍で半径方向に互いに近接するように締付けることによって、各カートリッジ3を挟持する。
各締結ねじ部材33は、外ねじが刻設される軸部38と、頭部39とを有する。本実施の形態では、各締結ねじ部材33は、頭部39に断面形状が六角形である孔が形成される六角孔付ボルトによって実現される。六角孔付ボルトは、六角穴付ボルトとも呼ばれる。
図7は、図3における1つのカートリッジ3付近を拡大して示す断面である。図1〜図6を併せて参照して説明する。アウタ部材4の軸線方向一端部またはその近傍に、締結ねじ部材33の個数と同数の締結ねじ挿通孔34が形成される。本実施の形態では、8つの締結ねじ挿通孔34が形成される。各締結ねじ挿通孔34は、各アウタ嵌合溝12毎に、つまり各嵌合孔30毎に、2つずつ形成される。1つの嵌合孔30に関して形成される2つの締結ねじ挿通孔34は、その嵌合孔30に対して周方向両側に、嵌合孔30に関して対称に1つずつ形成される。
各締結ねじ挿通孔34は、アウタ部材4を半径方向に貫通して形成される。各締結ねじ挿通孔34の軸線は、アウタ部材4の半径方向に延びている。各締結ねじ挿通孔34は、アウタ部材4の半径方向内方側の部分に形成される本孔36と、アウタ部材4の半径方向外方側の凹所37とを有する。
インナ部材5の軸線方向一端部またはその近傍に、締結ねじ部材33の個数と同数の締結ねじ孔40が形成される。本実施の形態では、8つの締結ねじ孔40が形成される。各締結ねじ孔40は、各インナ嵌合溝19毎に、つまり各嵌合孔30毎に、2つずつ形成される。1つの嵌合孔30に関して形成される2つの締結ねじ孔40は、その嵌合孔30に対して周方向両側に、嵌合孔30に関して対称に1つずつ形成される。
各締結ねじ孔40は、有底の孔であり、インナ部材5の外周部に形成される。各締結ねじ孔40の軸線は、インナ部材5の半径方向に延びている。各締結ねじ孔40は、その軸線が各締結ねじ挿通孔34の軸線と一致するように形成されている。各締結ねじ孔40が形成される部分には、内ねじが形成されている。
各締結ねじ挿通孔34および各締結ねじ孔40は、基準軸線L0まわりに4回回転対称に配置されている。嵌合孔30を挟んで周方向に隣接する2つの締結ねじ挿通孔34の軸線の成す角度、および嵌合孔30を挟んで周方向に隣接する2つの締結ねじ孔40の軸線の成す角度は、第1孔間角度α1である。嵌合孔30を挟まないで周方向に隣接する2つの締結ねじ挿通孔34の軸線の成す角度、および嵌合孔30を挟まないで周方向に隣接する2つの締結ねじ孔40の軸線の成す角度は、第2孔間角度α2である。第1孔間角度α1は、第2孔間角度α2よりも小さい。
各締結ねじ部材33は、各締結ねじ挿通孔34および各締結ねじ孔40に1つずつ対応して設けられる。各締結ねじ部材33は、軸部38が本孔36を緩やかに挿通し、頭部39が凹所37に緩やかに嵌まり込み、頭部39がアウタ部材4に係止される状態で設けられる。頭部39は、アウタ部材4から外方へ突出しないように設けられる。各締結ねじ部材33は、軸部38が締結ねじ孔40が形成される部分に螺着される。このような各締結ねじ部材33によってアウタ部材4とインナ部材5とを締付けることによって、アウタ部材4を弾性変形させて、各締結ねじ挿通孔34および締結ねじ孔40が形成される位置において、アウタ部材4とインナ部材5とを相対的に近づけることができる。
各締結ねじ挿通孔34および締結ねじ孔40を、前述のように第1孔間角度α1が第2孔間角度α2よりも小さくなるように配置して形成することによって、各締結ねじ部材33によってアウタ部材4とインナ部材5とを締付けると、各嵌合孔30が形成される位置において、アウタ部材4とインナ部材5とを相対的に近づけることができる。これによって各カートリッジ3を、アウタ部材4とインナ部材5とによって、半径方向に挟持して保持することができる。
したがって切削工具1では、アウタ部材4およびインナ部材5のうち少なくとも一方、本実施の形態では両方に、カートリッジ3の嵌合する嵌合溝12,19が形成され、各嵌合溝12,19によってカートリッジ3の嵌合する嵌合孔30が形成される。カートリッジ3は、嵌合孔30に嵌合し、各嵌合溝12,19に嵌合される状態で設けられ、この状態でカートリッジ3は、アウタ部材4に半径方向外方で当接され、インナ部材5に半径方向内方で当接される。アウタ部材4において、各カートリッジ3の近傍に、締結ねじ部材33がそれぞれ具備される。各締結ねじ部材33によって、アウタ部材4とインナ部材とが固定され、これによって各カートリッジ3が、アウタ部材4とインナ部材5とによって押圧固定される。
このように工具本体2は、周方向全周にわたって一体に連なって形成され、各カートリッジ3を半径方向外方から覆うアウタ部材4と、アウタ部材4の半径方向内方に設けられ、アウタ部材4と協働して各カートリッジ3を挟持するインナ部材5とを備える。各カートリッジ3は、工具本体2に内包される状態で保持される。
また工具本体2は、1または複数の刃具係止片である係止ねじ部材45を有する。本実施の形態では、カートリッジ3の個数と同数である4つの係止ねじ部材45が設けられる。各係止ねじ部材45は、外ねじが刻設される軸部47と、頭部48とを有する。各係止ねじ部材45は、インナ部材5の各係止部20の係止孔27に、工具本体2の軸線方向他端部側から軸部47を挿通させて設けられる。各係止ねじ部材45は、頭部48が各係止部20に係止される。各係止ねじ部材45は、各係止部20に1つずつ対応して設けられる。
各カートリッジ3には、切刃10が形成される側と反対側であるカートリッジ3の軸線方向他端部に、係止ねじ孔49がそれぞれ形成される。各カートリッジ3の係止ねじ孔49が形成される部分には、内ねじが刻設されている。各カートリッジ3の係止ねじ孔49が形成される部分に、各係止ねじ部材45の軸部47が螺着される。これによって各カートリッジ3が、各係止ねじ部材45を介して各係止部20にそれぞれ係止される。したがって各カートリッジ3は、工具本体2に係止される。したがって各カートリッジ3が、アウタ部材4とインナ部材5とによって挟持されていない状態で、各カートリッジ3が、工具本体2に対して軸線方向へ変位し、各嵌合孔30から抜出して脱落することを防止することができる。
また係止ねじ部材45は、カートリッジ3に対して回動させることによって、カートリッジ3に対して螺合可能である。したがって係止ねじ部材45をカートリッジ3に対して回動させることによって、係止ねじ部材45の頭部48と、カートリッジ3との相対位置を調整することができる。このように頭部48と、カートリッジ3との相対位置を調整することによって、すなわち、本実施の形態では、基準面となるインナ部材5の軸線方向他端部側端面と、カートリッジ3との相対位置を調整することによって、カートリッジ3の工具本体2に対する工具本体2の軸線方向の位置を調整し、位置決めすることができる。しかも各嵌合孔30および各カートリッジ3は、軸線に垂直な断面形状が非円形であり、カートリッジ3が工具本体2との嵌め合いによってまわり止めとなる。したがって係止ねじ部材45を回動させて位置調整する作業が容易である。
各係止部20と、各係止ねじ部材45と、各カートリッジ3の係止ねじ孔49が形成される部分とを含んで、仮止め手段である係止手段50が構成される。この係止手段50は、アウタ部材4およびインナ部材5のうちの少なくとも一方に対して、カートリッジ3を係止して仮止めし、工具本体2に対してカートリッジ3を仮止めする手段である。本実施の形態では、係止手段50は、カートリッジ3をインナ部材5に対して仮止めしている。
また係止手段50は、アウタ部材4およびインナ部材5のうちの少なくとも一方に対して、カートリッジ3を位置調整可能に位置決めし、工具本体2に対してカートリッジ3を位置調整可能に位置決めする手段である。本実施の形態では、係止手段50は、カートリッジ3をインナ部材5に対して位置調整可能に位置決めしている。
工具本体2のアウタ部材4およびインナ部材5は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、互いに異なる金属から成る。またアウタ部材4およびインナ部材5は、カートリッジ3の材料とは異なる材料から成る。カートリッジ3のホルダ7は、たとえばタングステン−コバルト(W−Co)を含む超硬合金から成り、カートリッジ3のチップ6は、たとえば焼結ダイヤモンド(PCD)または立方晶窒化硼素焼結体(CBN)から成る。アウタ部材4およびインナ部材5は、たとえば互いに組成の異なるアルミニウム合金から成り、またはいずれか一方がアルミニウム合金から成りかつ他方が鋼から成る。
本実施の形態の工具本体2によれば、カートリッジ3は、アウタ部材4によって半径方向外方から覆われ、内包される状態で設けられる。またインナ部材5も、アウタ部材4の半径方向内方に設けられ、アウタ部材4によって覆われている。このようにカートリッジ3およびインナ部材5などの部品(以下「内側部品」という)が、アウタ部材4によって半径方向外方から覆われ、半径方向外方に関して閉じた領域に設けられるので、切削工具1が回転駆動され、内側部品に遠心力が作用しても、その内側部品が半径方向外方へ飛散してしまうことが防がれる。またアウタ部材4は、周方向全周にわたって一体に連なって形成されており、アウタ部材4に遠心力が作用しても、そのアウタ部材4が分割されて半径方向外方へ飛散してしまうことがない。
このように部品の飛散を確実に防止することができるので、従来の技術のように外方に開放される空間にカートリッジが設けられる構成と比較して、回転速度の高い切削条件下での切削加工に用いることができる。したがって被削材を高能率で加工することができる。
また工具本体2は、係止手段50を有し、カートリッジ3が、アウタ部材4およびインナ部材5のうちの少なくとも一方に対して仮止めされ、工具本体2に仮止めされる。これによってカートリッジ3を工具本体2に対して着脱するにあたって、カートリッジ3を仮止めしておくことができ、カートリッジ3が工具本体2から脱落してしまうことを防ぐことができる。これによってカートリッジ3の工具本体2に対する着脱作業を容易にすることができる。
また係止手段50が設けられることによって、カートリッジ3が、アウタ部材4およびインナ部材5のうちの少なくとも一方に対して位置調整可能に位置決めされ、工具本体2に対して位置調整可能に位置決めされる。これによってカートリッジ3を工具本体2に対して装着するにあたって、カートリッジ3を位置調整して位置決めすることができる。これによってカートリッジ3の工具本体2に対する装着位置を容易に調整することができ、カートリッジ3の工具本体2に対する装着作業を容易にすることができる。
またアウタ部材4とインナ部材5とが異なる材料から成り、かつカートリッジ3と異なる材料から成る。これによってこれらが同一材料から成る場合に比べて、アウタ部材4とインナ部材5とを互いに凝着しにくくし、かつカートリッジ3と凝着しにくくすることができる。アウタ部材4とインナ部材5とによって、カートリッジ3を挟持するにあたって、アウタ部材4とインナ部材5とが部分的に圧接される場合がある。またアウタ部材4およびインナ部材5は、カートリッジ3に対して圧接される。さらに切削工具1によって被削材を切削加工すると、これに伴って熱が発生し、その熱が前記圧接される部分に加わる。このような状態となっても、アウタ部材4とインナ部材5とが異なる材料から成り、かつカートリッジ3と異なる材料から成るので、アウタ部材4とインナ部材5とが互いに凝着することを防ぐことができ、またアウタ部材4およびインナ部材5がカートリッジ3に凝着することを防ぐことができる。
例えば、本実施の形態では、アウタ部材4がアルミ合金によって、インナ部材5がスチールによって形成されることが望ましい。これによって、係止孔27が形成されるインナ部材5が十分な強度を有するとともに、アウタ部材4がアルミ合金からなるので刃工具本体2の軽量化が図れる。したがって、刃具を強固に保持した状態で、高速回転での切削加工が可能となる。
また工具本体2を、1つのアウタ部材4と、1つのインナ部材5とによって、複数のカートリッジ3を挟持する構成とすることによって、カートリッジ3毎の個別の部材によって挟持する構成と比べて、カートリッジ3の飛散防止効果を高くすることができる。また部品点数を少なくすることができ、構成を簡単にすることができるため、切削工具2の加工が容易で、経済的に優れるとともに、カートリッジ3の装着作業を容易にすることができる。
図8は、本発明の実施の他の形態の切削工具1Aを示す断面図である。図8に示す実施の形態は、図1〜図7に示す実施の形態と類似しており、対応する部分に同一の符号を付し、異なる構成についてだけ説明して同様の構成については説明を省略する。図8には、切削工具1Aを基準軸線L0を含む平面で切断して示す。本実施の形態のアウタ部材4は、軸線方向他端部に、半径方向内方に突出する底部60を備えている。このアウタ部材4では、アウタ嵌合溝12は、底部60を除く部分に形成される。底部60には、中央部に軸線方向に貫通するアウタ装着用孔61が形成されている。
インナ部材5は、その軸線方向寸法が、アウタ部材4の底部60を除く部分の軸線方向寸法と同一となるように形成される。このインナ部材5では、インナ嵌合溝19は、軸線方向全長にわたって形成される。この構成では、インナ部材5には、係止部20が形成されておらず、アウタ部材4の底部60における各嵌合孔30に臨む部分が係止部となる。したがって底部60の嵌合孔30に臨む位置に係止孔27が形成される。このような切削工具1Aは、インナ装着用孔28およびアウタ装着用孔61を用いて切削装置の駆動軸に装着される。
このような構成の本実施の形態によれば、図1〜図7の実施の形態と同様の効果を達成することができる。さらに加えて、本実施の形態によれば、インナ部材5の軸線方向他端部がアウタ部材4の底部60に当接して固定されるため、インナ部材5をアウタ部材4に対して、軸線方向に関して位置決めすることができる。
図9は、本発明の実施のさらに他の形態の切削工具1Bを示す断面図である。図9に示す実施の形態は、図1〜図7に示す実施の形態と類似しており、対応する部分に同一の符号を付し、異なる構成についてだけ説明して同様の構成については説明を省略する。図9には、切削工具1Bを基準軸線L0に対して垂直な平面で切断して示す。本実施の形態のアウタ部材4は、内周面が円筒面に形成され、図1〜図7の実施の形態のアウタ部材4に形成されたアウタ嵌合溝12は形成されていない。
インナ部材5に形成されるインナ嵌合溝19は、基準軸線L0に垂直な断面の形状が正方形である。係止部20は、主外周面22から外方へ突出しないように、インナ嵌合溝19の軸線方向他端部側に形成されている。このような構成では、アウタ部材4にインナ部材5が嵌合された状態で、インナ嵌合溝19とアウタ内周面13の一部によって各嵌合孔30が形成される。
このような構成の本実施の形態によれば、図1〜図7の実施の形態と同様の効果を達成することができる。さらに加えて、本実施の形態によれば、アウタ部材4にアウタ嵌合溝12を形成しなくてもよいので、アウタ部材4の構成を簡単にし、アウタ部材4の製造を容易にして、工具本体2および切削工具1Bの製造を容易にすることができる。
図10は、本発明の実施のさらに他の形態の切削工具1Cを示す断面図である。図10に示す実施の形態は、図1〜図7に示す実施の形態と類似しており、対応する部分に同一の符号を付し、異なる構成についてだけ説明して同様の構成については説明を省略する。図10には、切削工具1Cを基準軸線L0に対して垂直な平面で切断して示す。本実施の形態のインナ部材5は、外周面が円筒面に形成され、図1〜図7の実施の形態のインナ部材5に形成されたインナ嵌合溝19は形成されていない。係止部20は、半径方向外方へ突出して形成されている。
アウタ部材4に形成されるアウタ嵌合溝12は、基準軸線L0に垂直な断面の形状が正方形である。このような構成では、アウタ部材4にインナ部材5が嵌合された状態で、アウタ嵌合溝12とインナ外周面22の一部によって各嵌合孔30が形成される。
このような構成の本実施の形態によれば、図1〜図7の実施の形態と同様の効果を達成することができる。さらに加えて、本実施の形態によれば、インナ部材5にインナ嵌合溝19を形成しなくてもよいので、インナ部材5の構成を簡単にし、インナ部材5の製造を容易にして、工具本体2および切削工具1Cの製造を容易にすることができる。
図11は、本発明の実施のさらに他の形態の切削工具1Dを示す断面図である。図11に示す実施の形態は、図1〜図7に示す実施の形態と類似しており、対応する部分に同一の符号を付し、異なる構成についてだけ説明して同様の構成については説明を省略する。図11には、切削工具1Dを基準軸線L0に対して垂直な平面で切断して示す。本実施の形態では、各アウタ嵌合溝12は、アウタ部材4の軸線に垂直な断面の形状が、正方形を1つの対角線で分割した直角二等辺三角形の溝である。各アウタ嵌合溝12は、前記断面における直角二等辺三角形の斜辺が、その斜辺の中心を通りかつ基準軸線L0と直交する直線に対して垂直に配置されて、形成される。
各インナ嵌合溝19は、インナ部材5の軸線に垂直な断面の形状が、正方形を1つの対角線で分割した直角二等辺三角形の溝である。各インナ嵌合溝19は、前記断面における直角二等辺三角形の斜辺が、その斜辺の中心を通りかつ基準軸線L0と直交する直線に対して垂直に配置されて、形成される。
本実施の形態では、アウタ嵌合溝12およびインナ嵌合溝19によって、基準軸線L0に垂直な断面の形状が正方形であり、2つの対角線が半径方向および周方向に沿う嵌合孔30が形成される。本実施の形態では、大略的に四角柱状のカートリッジ3が用いられる。このような構成の本実施の形態によれば、図1〜図7の実施の形態と同様の効果を達成することができる。
図12は、本発明の実施のさらに他の形態の切削工具1Eを示す断面図である。図12に示す実施の形態は、図1〜図7に示す実施の形態と類似しており、対応する部分に同一の符号を付し、異なる構成についてだけ説明して同様の構成については説明を省略する。図12には、切削工具1Eを基準軸線L0に対して垂直な平面で切断して示す。本実施の形態では、各アウタ嵌合溝12は、アウタ部材4の軸線に垂直な断面の形状が、正三角形を1つの頂点と中心とを通る直線で分割した直角三角形の溝である。各アウタ嵌合溝12は、前記断面における直角三角形の直角を挟む2辺のうち短い方の辺が、そのアウタ嵌合溝12の位置における半径方向と平行に配置されて、形成される。したがって各アウタ嵌合溝12は、前記断面における直角三角形の直角を挟む2辺のうち長い方の辺が、その長い方の辺の中心を通りかつ基準軸線L0と直交する直線に対して垂直に配置されて、形成される。前記短い方の辺は、回転方向A下流側に配置される。
各インナ嵌合溝19は、インナ部材5の軸線に垂直な断面の形状が、正三角形を1つの頂点と中心とを通る直線で分割した直角三角形の溝である。各インナ嵌合溝19は、前記断面における直角三角形の直角を挟む2辺のうち短い方の辺が、そのインナ嵌合溝19の位置における半径方向と平行に配置されて、形成される。したがって各インナ嵌合溝19は、前記断面における直角三角形の直角を挟む2辺のうち長い方の辺が、その長い方の辺の中心を通りかつ基準軸線L0と直交する直線に対して垂直に配置されて、形成される。前記短い方の辺は、回転方向A下流側に配置される。
本実施の形態では、アウタ嵌合溝12およびインナ嵌合溝19によって、基準軸線L0に垂直な断面の形状が正三角形である嵌合孔30が形成される。本実施の形態では、大略的に三角柱状のカートリッジ3が用いられる。このような構成の本実施の形態によれば、図1〜図7の実施の形態と同様の効果を達成することができる。
前述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、構成を変更することができる。たとえば内側挟持体は、単一部材のインナ部材5に限定されることはなく、複数の部材から成る構成であってもよい。また刃具は、ホルダにチップを保持して構成されるカートリッジに限らず、他の刃具であってもよい。またアウタ部材4およびインナ部材5の形状は、前述のような構成に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
また嵌合孔30およびカートリッジ3は、例示以外の形状であってもよく、たとえば軸線に垂直な断面の形状が五角形、六角形などの他の多角形であってもよいし、楕円形、小判形などであってもよい。また嵌合孔30およびカートリッジ3の個数は、4に限られることはなく、1〜3または5以上であってもよい。さらに各嵌合孔30およびカートリッジ3の少なくとも一方を、工具本体2の軸線方向一端部に向かうにつれて先細となるテーパ状に形成し、係止手段50の代わりに、脱落防止または脱落抑制を達成するようにしてもよく、この構成を係止手段50に加えて設けてもよい。
またさらに、本実施形態では、係止手段50と位置決め手段が同一の構成を例示したが、これに限らず、異なる構成からなる係止手段および位置決め手段を有していてもよい。また係止手段50の構成は、前述の構成に限定されるものではない。たとえば係止部20が、アウタ部材4に一体的に形成される構成であってもよいし、アウタ部材4とインナ部材5との両方にわたって形成される構成であってもよい。
さらに締結ねじ部材33の位置および個数は、前述の例示の位置および個数に限定されるものではない。工具本体2の直径とカートリッジ3の個数にともなって、たとえば締結ねじ部材33は、各嵌合孔30に対して回転方向の上流側または下流側に近接して、1つずつ、合計で4つ設けられる構成であってもよい。このように4つの締結ねじ部材33を設ける場合、α1=α2となるよう、すなわち、各締結ねじ部材33が周方向に等間隔に設けられ、各嵌合孔30の中間に締結ねじ部材33が配置されてもよい。また、切刃10付近における工具本体2の剛性が上がるため、各嵌合孔30に対して回転方向の下流側に各々配置されるように設けて、カートリッジ3の切刃10に近接する位置でアウタ部材4とインナ部材5とが固定されるような構成であってもよい。。
本発明の実施の一形態の切削工具1を示す斜視図である。 切削工具1を分解して示す斜視図である。 切削工具1を基準軸線L0に垂直な平面で切断して示す断面図である。 切削工具1を基準軸線L0を含む平面で切断して示す断面図である。 アウタ部材4を示す正面図である。 インナ部材5を示す正面図である。 図3における1つのカートリッジ3付近を拡大して示す断面である。 本発明の実施の他の形態の切削工具1Aを示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態の切削工具1Bを示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態の切削工具1Cを示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態の切削工具1Dを示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態の切削工具1Eを示す断面図である。
符号の説明
1,1A〜1E 切削工具
2 工具本体
3 カートリッジ
4 アウタ部材
5 インナ部材
12 アウタ嵌合溝
19 インナ嵌合溝
20 係止部
27 係止孔
30 嵌合孔
33 締結ねじ部材
34 締結ねじ挿通孔
40 締結ねじ孔
45 係止ねじ部材
50 係止手段

Claims (7)

  1. 周方向全周にわたって一体に連なって形成され、刃具を半径方向外方から覆う外側挟持体と、
    外側挟持体の半径方向内方に設けられ、外側挟持体と協働して刃具を挟持する内側挟持体とを備えることを特徴とする刃具保持具。
  2. 外側挟持体および内側挟持体のうちの少なくとも一方に対して、刃具を位置決めする位置決め手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の刃具保持具。
  3. 位置決め手段は、
    外側挟持体および内側挟持体のうち少なくとも一方に形成される係止部と、
    係止部に係止される係止ねじ部材とを有し、
    前記係止部には、軸線方向に沿って係止孔が形成され、
    前記係止ねじ部材は、係止孔に挿入可能であり、かつ刃具に形成される係止ねじ孔に螺合可能であることを特徴とする請求項2に記載の刃具保持具。
  4. 外側挟持体および内側挟持体のうちの少なくとも一方に対して、刃具を仮止めする仮止め手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の刃具保持具。
  5. 外側挟持体と内側挟持体とは、互いに異なる材料から成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の刃具保持具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の刃具保持具と、
    刃具保持具によって保持される刃具とを備えることを特徴とする切削工具。
  7. 前記外側挟持体および前記内側挟持体のうち少なくとも一方には、前記刃具の嵌合する嵌合溝が形成され、
    前記刃具が前記嵌合溝に嵌合される状態で、前記刃具は、前記外側挟持体に半径方向外方で当接され、前記内側挟持体に半径方向内方で当接され、
    前記外側挟持体において、前記刃具の近傍に締結ねじ部材が具備され、
    前記締結ねじ部材によって、前記外側挟持体と前記内側挟持体とが固定され、
    前記刃具が、前記外側挟持体と前記内側挟持体とにより押圧固定されることを特徴とする請求項6に記載の切削工具。
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