JP2007202815A - 釣り用履き物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アウトソール12の剥離が生じにくい釣り用履き物2の提供。
【解決手段】釣り用履き物2は、アッパー4、インソール6、ミッドソール8、保持層10、アウトソール12、スパイク14及び糸16を備えている。アウトソール12は、フェルトからなる。糸16は、アウトソール12の側面30から斜め上方に延びている。糸16は、アウトソール12、保持層10及びミッドソール8を貫通している。この糸16の縫製により、本体とアウトソール12とが堅固に接合されている。アウトソール12は、本体から離脱しない。糸16は、接地面28には露出していない。この履き物2が使用されても、糸16は地面と擦れ合わない。
【選択図】図2

Description

本発明は、釣り人に着用される履き物に関する。
海釣りは、海藻が付着した岩場、海水に濡れた防波堤等で行われる。釣りの足場は、スリップしやすいことが多い。スリップ防止の目的で、フェルト製のアウトソールを備えた履き物が用いられることが多い。このアウトソールは、ミッドソール等に積層される。アウトソールとミッドソールとは、接着剤で接合されている。典型的な接着剤は、ポリウレタンを基材とする。
接着剤は、経時変化によって劣化する。劣化により、アウトソールがミッドソールから剥離してしまうことがある。アウトソールが剥離した履き物は、もはや使用不可能である。海釣りでは、履き物が海水に濡れることが多い。この海水に含まれる塩分により、接着剤の劣化が促進される。特にポリウレタンを基材とする接着剤が海水に曝されると、加水分解によって激しい劣化が生じる。
履き物は、繰り返しの使用によりアウトソールの摩耗、アッパーの損傷等が進行し、やがて寿命を迎える。通常の使用頻度であれば、寿命までにアウトソールが剥離することはない。しかし、使用頻度が極めて少なく、かつ海水に濡れたまま放置されることが多い場合、摩耗、損傷等が進行していないにもかかわらず、アウトソールの剥離によって履き物が使用不可能となる場合がある。
本発明の目的は、アウトソールの剥離が生じにくい釣り用履き物の提供にある。
本発明に係る釣り用履き物は、本体と、この本体の底面に積層されたアウトソールとを備える。この本体とアウトソールとは、糸で縫製されることで接合されている。この糸は、接地面に露出していない。
好ましくは、糸は、アウトソールの側面から斜め上方に延びて本体に至っている。好ましくは、アウトソールの側面に、糸が通されるときの目印として凸部又は凹部が形成される。好ましくは、アウトソールはフェルトからなる。
本発明に係る他の釣り用履き物は、本体と、この本体の底面に積層されたアウトソールとを備える。この本体とアウトソールとは、連結手段によって接合されている。この連結手段は、アウトソールを貫通しており、かつ接地面に露出していない。
この釣り用履き物では、糸(連結手段)によってアウトソールが本体と堅固に接合される。このアウトソールは、本体から剥離しにくい。糸は接地面に露出していないので、この糸は摩滅しにくい。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は本発明の一実施形態に係る釣り用履き物2が示された正面図であり、図2はその一部が示された拡大断面図である。この履き物2は、アッパー4、インソール6、ミッドソール8、保持層10、アウトソール12、スパイク14及び糸16を備えている。アッパー4、インソール6、ミッドソール8及び保持層10は、本体を構成する。
アッパー4は、布製である。典型的には、アッパー4にメッシュ状の布地が用いられる。アッパー4が、合成樹脂又はゴムからなってもよい。アッパー4は、ハトメ18を備えている。このハトメ18には、紐20が通されている。アッパー4はまた、フラップ22も備えている。アッパー4には、合成樹脂製のガード24が積層されている。
インソール6は、布又は発泡合成樹脂からなる。このインソール6は、履き物2を履く動作において、足の滑りに寄与する。インソール6はまた、履き心地に寄与する。インソール6が省略されてもよい。
ミッドソール8は、インソール6と積層されている。インソール6とミッドソール8とは、接着剤により接合されている。ミッドソール8は、ゴム又は合成樹脂を基材とする。典型的な基材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)である。ミッドソール8は、発泡体からなる。ミッドソール8は、衝撃吸収に寄与する。
保持層10は、ミッドソール8と積層されている。ミッドソール8と保持層10とは、接着剤により接合されている。接着剤の基材ポリマーとしては、ポリウレタン(PU)、ポリクロロプレン(CR)及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)が例示される。接着剤が省略されてもよい。保持層10は、発泡合成樹脂からなる。保持層10の典型的な基材樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体である。保持層10の発泡倍率は、ミッドソール8の発泡倍率よりも大きい。保持層10は、変形能に優れる。
アウトソール12は、保持層10(すなわち本体)と積層されている。保持層10とアウトソール12とは、接着剤で接合されている。接着剤の基材ポリマーとしては、ポリウレタン(PU)、ポリクロロプレン(CR)及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)が例示される。接着剤が省略されてもよい。このアウトソール12は、フェルトからなる。板状のフェルトが型で打ち抜かれることにより、アウトソール12が形成される。フェルトは、釣り場でのスリップを抑制する。アウトソール12が、ゴム又は合成樹脂からなってもよい。アウトソール12は、上面26、底面28及び側面30を備えている。底面28は、接地面を構成する。
スパイク14は、2本のピン32と、これらピン32を連結する連結棒34とからなる。ピン32は、アウトソール12を上下方向に貫通している。ピン32の下端は、接地面28に露出している。岩場でアウトソール12に局部的な力が加わったとき、アウトソール12の圧縮によってピン32の下端がアウトソール12から突出する。突出したピン32により、スリップが抑制される。連結棒34は、保持層10に埋設されている。保持層10は、変形により連結棒34を包み込み、これを保持する。
図3は、図1の履き物2の一部が示された断面斜視図である。この図3には、履き物2の爪先近傍が示されている。この図3には、ミッドソール8、保持層10、アウトソール12及び糸16が示されている。図3では、インソール6の図示が省略されている。図2及び図3から明らかなように、糸16はアウトソール12の側面30から斜め上方に延びている。糸16は、アウトソール12、保持層10及びミッドソール8を貫通している。この糸16の縫製により、本体とアウトソール12とが堅固に接合されている。アウトソール12の側面30には、糸16による縫い目36が形成されている。ミッドソール8の上面38にも、縫い目40が形成されている。図示されていないが、踵近傍も同様の構成の縫い目36、40を備えている。
履き物2が海水に濡れて、加水分解により接着剤が劣化しても、アウトソール12と本体とが縫製されているので、アウトソール12は本体から剥離しない。糸16は接地面28には露出していないので、この履き物2が使用されても糸16は地面と擦れ合わない。換言すれば、糸16は摩滅しない。この履き物2は、長持ちする。
図4は図1の履き物2のアウトソール12が示された底面図であり、図5はその一部が示された拡大底面図である。この図4及び図5には、アウトソール12の上面26が示されている。このアウトソール12は、側面30に微小な多数の凸部42を備えている。図1から明らかなように、凸部42は筋状であり、上下方向に延在している。この凸部42は、糸16による縫製の目印とされる。作業者は、この凸部42に針を突き刺し、糸16を通す。凸部42により、均一な縫い目36、40が形成される。この凸部42は、多数の凹部を備えた型で板状のフェルトが打ち抜かれることで形成されうる。側面30に、凸部42ではなく凹部が形成され、この凹部が縫製時の目印とされてもよい。
図4から明らかなように、アウトソール12のうち爪先近傍及び踵近傍のみに縫製がなされている。接着剤が劣化した場合でも、爪先近傍及び踵近傍において縫製によりアウトソール12が本体と接合されているので、アウトソール12が本体から離脱しない。部分的な縫製により、短い作業時間が達成されうる。もちろん、アウトソール12の全体にわたって縫製がなされてもよい。
図4において、両矢印Lで示されているのはアウトソール12の全長であり、両矢印Ltで示されているのは爪先近傍において縫製が施されている領域の長さであり、両矢印Lhで示されているのは踵近傍において縫製が施されている領域の長さである。アウトソール12の離脱が確実に防止されるとの観点から、全長Lに対する長さLtの比(Lt/L)及び全長Lに対する長さLhの比(Lh/L)は0.05以上が好ましく、0.10以上がより好ましい。
アウトソール12を上下方向に貫通する糸により、本体とアウトソール12とが接合されてもよい。この場合、アウトソール12の底面に、第二のアウトソールが積層される。第二のアウトソールの底面は、接地面を構成する。第二のアウトソールにより、糸の接地面への露出が防止される。
接地面に溝が形成されてもよい。アウトソールを上下方向に貫通する糸により、この溝に縫い目が形成される。この場合も、糸は接地面に露出しない。
糸に代えて、他の連結手段が用いられてもよい。他の連結手段としては、金属線材及びリベットが例示される。
本発明に係る履き物は、種々の釣り場において利用されうる。本発明に係る履き物には、ブーツ及びウェーダーが含まれる。
図1は、本発明の一実施形態に係る釣り用履き物が示された正面図である。 図2は、図1の履き物の一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1の履き物の一部が示された断面斜視図である。 図4は、図1の履き物のアウトソールが示された底面図である。 図5は、図4のアウトソールの一部が示された拡大底面図である。
符号の説明
2・・・釣り用履き物
4・・・アッパー
6・・・インソール
8・・・ミッドソール
10・・・保持層
12・・・アウトソール
14・・・スパイク
26・・・上面
28・・・底面
30・・・側面
36、40・・・縫い目
42・・・凸部

Claims (5)

  1. 本体とこの本体の底面に積層されたアウトソールとを備えており、この本体とアウトソールとが糸で縫製されることで接合されており、この糸が接地面に露出していない釣り用履き物。
  2. 上記糸が、アウトソールの側面から斜め上方に延びて本体に至っている請求項1に記載の釣り用履き物。
  3. 上記アウトソールの側面に、糸が通されるときの目印として凸部又は凹部が形成されている請求項2に記載の釣り用履き物。
  4. 上記アウトソールがフェルトからなる請求項1から3のいずれかに記載の釣り用履き物。
  5. 本体とこの本体の底面に積層されたアウトソールとを備えており、この本体とアウトソールとが連結手段によって接合されており、この連結手段がアウトソールを貫通しかつ接地面に露出していない釣り用履き物。
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