JP5019140B2 - 巻上部の剥がれ防止構造を持つ靴 - Google Patents
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Description
さらに、糸抜けを防止するために、該糸の始まりと終わりとを固定する必要があり煩雑である。また、余った糸の固定が不十分であると糸が抜けるおそれがある。また、余った糸が縺れたまま固定されると、足当たりが悪くなるおそれがある。
この図において、アウトソール3と同じ素材で前巻上部32Aが形成されている。前巻上部32Aは樹脂パーツ100と共にアッパー7の前端を覆う。樹脂パーツ100には、ゴム製の前巻上部32Aが嵌っている。
この図において、アウトソール3の前巻上部32とアッパー7との間には樹脂パーツ102が設けられている。樹脂パーツ102は、前巻上部32よりも上方まで延びている。
下記の特許文献3 には、カシメにより通気用のハトメ部材を運動靴の土踏まず部の内側等に設ける構造が開示されている。しかし、かかるハトメ部材を靴の前端の巻上部に設ける点については何ら開示されていない。また、2以上の部材をカシメにより互いに固着する構造については何ら開示されていない。
本発明において、パイプ手段は1個または複数個のパイプ部で形成される。
この実施例は、第1鍔手段の部品点数の減少に役立つかもしれない。
また、帯状の部材の場合、広い領域にわたって、床との接触抵抗が得られ易い。また、帯状の部材には社名や商品名が表示され易い。
この場合、帯状の第1部材の周囲においてゴム等からなる前巻上部の露出面が露出する。そのため、靴の床に対する種々の接地姿勢において、床と前巻上部との間に適度の摩擦力が得られる。
この場合、足の前端において足裏と中敷との間が換気される。
3:アウトソール
3h:貫通孔(貫通孔手段)
6:中敷
7:アッパー
7h:貫通孔(貫通孔手段)
10:第1部材
11:第1鍔部(第1鍔手段)
12:嵌合孔
13:座部
20:第2部材
21:第2鍔部(第2鍔手段)
22:パイプ部(パイプ手段)
22a:換気孔
23:係合部
32:前巻上部
33:露出面
34:凹部
R:径方向
以下、本発明の第1実施例が図1〜図6Bを参照して説明される。
図1に示すように、巻上部の剥がれ防止構造を持つ靴は、床面または路面に接地するアウトソール3および足の甲を包むアッパー7を備えている。
図2に示すように、アウトソール3の本体の上方Uにはミッドソール4が接着されている。ミッドソール4の上方にはインソール5が接着されている。インソール5の上方には中敷6が載置されている。
ミッドソール4の前端部とインソール5の前端部との間には、アッパー7の折り返し部7aが接着されている。
前記ミッドソール4、インソール5および中敷6は、それぞれ、樹脂の発泡体やスポンジゴムなどで形成されている。中敷6の上面には、織布が接着されている。
前記アッパー7は、たとえば、表面が合成皮革などで形成されていると共に、前記皮革の内側には、不織布や織布などが接着されている。
前記アウトソール3は、前巻上部32を形成する。前巻上部32は、アッパー7の前端部71に沿って上方Uに巻き上がって形成され、前記アッパー7に接着剤で固着されている。
靴の前端部分には、挟み具1が設けられている。挟み具1はアッパー7の前端部71とアウトソール3の前巻上部32とを挟み込み、両者を挟んだ状態を維持して、両者の固着の強度を補強する。
前記第1部材10および第2部材20は、たとえば、TPUなどの熱可塑性樹脂で形成されている。
前記第1部材10および第2部材20は、たとえば熱可塑性樹脂で形成されている。
図2に示すように、前記第1部材10は、前巻上部32の前面31において該前巻上部32に係合する第1鍔部11からなる第1鍔手段を構成している。前記前巻上部32には、後方Bに向って凹んだ凹部34が形成されている。前記凹部34には第1部材10が嵌り込んでいる。前記凹部34において、前記第1部材10は前記前巻上部32の前面31に接着されている。
第1部材10を構成する樹脂の硬度(JISK6253A)としては、好ましくは65〜100度、より好ましくは75〜100度、最も好ましくは85〜95度である。このような硬度に設定することで、第1部材10が割れにくくなったり、床等を傷つけにくくなる。また、機能性等を考慮すると、アウトソールの硬度(JISK6253A)としては、好ましくは45〜85度、より好ましくは55〜80度、最も好ましくは65〜75度である。
図3に示すように、第1部材10の表面は、アウトソール3の前巻上部32の露出面33と概ね同一平面上ないし前記露出面33よりも若干前方Fに向って突出している。
第1部材10を構成する樹脂のJISK6253A硬度は前記前巻上部を構成するゴムのJISK6253A硬度よりも大きく設定されている。
図4に示すように、前記第2部材20は円環状の部材で、第2鍔部21、パイプ部22および係合部23が互いに一体に形成されている。
第2鍔部21は、アッパー7の前端部71の内面72において前記アッパー7に係合する第2鍔手段を構成している。図4および図5に示すように、前記第2鍔部21は、パイプ部22から前記パイプ部22の径方向R(図4)に突出して形成されている。
図4および図6Aに示すように、前記アッパー7およびアウトソール3の前巻上部32には、該アッパー7および前巻上部32を貫通する貫通孔7h,3hがそれぞれ形成されている。前記両貫通孔7h,3hは、貫通孔手段を構成している。
前記パイプ部22は、第1部材10と第2鍔部21との間を連結し、貫通孔7h,3hおよび第1部材10の嵌合孔12を貫通する。
したがって、パイプ部22は、靴の内外を通気させるパイプ手段を構成している。
また、樹脂製の挟み具1は床を傷付けにくいだろう。
図5、図6Aおよび図6Bに示すように、第1部材10における幅方向Wの2つの端部には、該第1部材10を貫通する前記嵌合孔12がそれぞれ形成されている。嵌合孔12の周囲には、第1部材10の表面10fよりも後方Bに窪んだ座部13が形成されている。
前記係合部23が嵌合孔12に入り込み易いように、各嵌合孔12の周縁には、切り込み14が複数箇所それぞれ形成されている。
図7〜図9Bは、前記巻上部の剥がれ防止構造の利点を発揮する別の構造を示す。以下に各構造が説明される。なお、これらの図において、第1部材10等は靴の前端に沿って湾曲しているが、作図の都合上、フラットな形状として図示されている。
図8Aの変形例では、第2鍔部21が前記幅方向Wに向って帯状に延びていると共に、パイプ部22と一体に形成されている。一方、図8Bの変形例では第2鍔部21が互いに離間した円盤状に形成されていると共に、パイプ部22と一体に形成されている。
図10は第2実施例を示す。
図10に示すように、第1鍔部11はパイプ部22と一体であり、この一体の部材のパイプ部22が第2鍔部21と熱溶着ないし高周波ウェルダ加工によって互いに固着されて一体に形成されている。高周波ウェルダ加工とは、高周波によって素材の分子を振動させて互いに溶着させる加工方法である。
第2鍔部21には、アッパー7の内面72に食い込み、第2鍔部21をアッパー7に係止するための凸部21aが形成されている。
本第2実施例において、前記パイプ部22と第2鍔部21とはホットメルト接着剤により互いに接着されて固着されてもよい。
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
たとえば、第2部材20は1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
また、第1部材10は、1枚の帯状であってもよいし、2枚以上の帯状であってもよい。
なお、屋外で使用する靴に本発明を利用するとき、パイプ部からの雨水進入を防止するには、第2鍔部に通気性を有する防水フィルム、シート等を貼ることで、通気孔を覆えばよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲のものと解釈される。
Claims (15)
- 樹脂の発泡体および/またはゴムからなるアウトソールをアッパーに沿って巻き上げた靴であって、
足の甲を包むアッパーと、
床面または路面に接地するアウトソールと、
前記アウトソールが前記アッパーの前端部に沿って上方に巻き上がって形成され前記アッパーに固着された前巻上部と、
前記アッパーの前端部および前巻上部を貫通する貫通孔手段と、
前記貫通孔手段に挿通されて前記アッパーとアウトソールとを挟み、両者を挟んだ状態を維持して前記アッパーとアウトソールとの固着の強度を補強する挟み具とを備え、ここにおいて、前記挟み具は樹脂からなり、
前記前巻上部の前面において前記前巻上部に係合する第1鍔手段と、
前記アッパーの前端部の内面において前記アッパーに係合する第2鍔手段と、
前記第1鍔手段と前記第2鍔手段との間を連結し、前記貫通孔手段に挿通され靴の内外を通気させるパイプ手段とを備えている靴。 - 請求項1において、前記前巻上部には後方に向って凹んだ凹部が設けられ、前記凹部に前記第1鍔手段が嵌まり込んでいる靴。
- 請求項2において、前記前巻上部は前記第1鍔手段で覆われずに前方に向って露出した露出面を有し、前記第1鍔手段の表面が前記前巻上部の露出面と概ね同一平面上ないし前巻上部の露出面よりも前方に向って突出している靴。
- 請求項1において、前記第1鍔手段は靴の幅方向に延びる帯状の第1部材で形成された靴。
- 請求項4において、前記第1部材の上方、下方および両側方には、前記前巻上部が露出している靴。
- 請求項4において、前記帯状の第1部材を貫通する1個または複数個の嵌合孔を更に備え、前記第2鍔手段およびパイプ手段が互いに一体となった1個または複数個の第2部材が前記嵌合孔に嵌合している靴。
- 請求項6において、前記嵌合孔および前記第2部材がそれぞれ複数個設けられている靴。
- 請求項7において、前記第1部材における幅方向の2つの端部にそれぞれ前記嵌合孔が設けられ、前記各第2部材がそれぞれ前記嵌合孔に嵌合している靴。
- 請求項1において、前記挟み具は、
前記第1鍔手段を構成し、かつ、前記第1鍔手段を貫通する嵌合孔を持つ第1部材と、
前記第2鍔手段およびパイプ手段が互いに一体となった第2部材とを更に備え、
前記第1部材の嵌合孔に前記第2部材のパイプ手段が貫通され、
前記パイプ手段に形成された係合部が前記第1部材の嵌合孔の周縁に係合していることで、前記前巻上部およびアッパーの前端部を前記挟み具が挟んでいる靴。 - 請求項1において、前記挟み具の第1鍔手段を構成する部材のJISK6253A硬度が前記前巻上部のJISK6253A硬度よりも大きい靴。
- 請求項1において、前記第1鍔手段は靴の幅方向に延びる帯状の第1鍔部または靴の幅方向に互いに離間した複数個の第1鍔部を包含し、
前記第2鍔手段は靴の幅方向に延びる帯状の第2鍔部または靴の幅方向に互いに離間した複数個の第2鍔部を包含し、
前記パイプ手段は横断面が靴の幅方向に延びる帯状のパイプ部または靴の幅方向に互いに離間した複数個のパイプ部を包含する靴。 - 請求項1において、前記パイプ手段は換気孔を持つパイプ部で形成され、前記換気孔の下端の位置が前記アウトソールの上方に配置された中敷の前記上面と同じかまたは前記上面よりも上方の近傍に配置されている靴。
- 請求項12において、前記第2鍔手段が前記パイプ部の径方向に突出する第2鍔部を包含し、前記第2鍔部の下端が前記中敷の上面よりも下方に配置されて前記第2鍔部の下端部が前記アッパーと前記中敷の前端との間で挟まれている靴。
- 樹脂の発泡体および/またはゴムからなるアウトソールをアッパーに沿って巻き上げた屋内競技に適した靴であって、
足の甲を包むアッパーと、
床面または路面に接地するアウトソールと、
前記アウトソールが前記アッパーの前端部に沿って上方に巻き上がって形成され前記アッパーに固着された前巻上部と、
前記アッパーの前端部および前巻上部を貫通する貫通孔手段と、
前記貫通孔手段に挿通されて前記アッパーとアウトソールとを挟み、両者を挟んだ状態を維持して前記アッパーとアウトソールとの固着の強度を補強する挟み具とを備え、
ここにおいて、前記挟み具は樹脂からなり、
前記前巻上部の前面において前記前巻上部に係合する第1鍔手段と、
前記アッパーの前端部の内面において前記アッパーに係合する第2鍔手段と、
前記第1鍔手段と前記第2鍔手段との間を連結し、前記貫通孔手段に挿通され靴の内外を通気させるパイプ手段とを備え、
前記前巻上部には後方に向って凹んだ凹部が設けられ、前記凹部に前記第1鍔手段が嵌まり込んでおり、
前記前巻上部は前記第1鍔手段で覆われずに前方に向って露出した露出面を有し、前記第1鍔手段の表面が前記前巻上部の露出面と概ね同一平面上ないし前巻上部の露出面よりも前方に向って突出し、
前記第1鍔手段は靴の幅方向に延びる帯状の第1部材で形成され、
前記第1部材のJISK6253A硬度が前記前巻上部を構成する部材のJISK6253A硬度よりも大きく、
前記第1部材のJISK6253A硬度が85〜95度に設定されている靴。 - 請求項14において、前記第1部材の上方、下方および両側方には、前記前巻上部が露出している靴。
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