JP2007201201A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐湿負荷特性及び高温負荷特性を向上させて電気的信頼性を高めることができる積層セラミック電子部品を提供する。
【解決手段】本発明の積層セラミック電子部品1は、積層された複数の誘電体セラミック層2と、これらの誘電体セラミック層2間に配置された第1、第2内部電極3A、3Bと、を備え、誘電体セラミック層2の主成分は、フォルステライト系結晶相からなる第1主成分と、Ti酸化物からなる第2主成分と、からなり、内部電極3A、3Bには、第1主成分の組成を有するセラミックが存在している。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層セラミック電子部品に関し、更に詳しくは、温度補償用として信頼性の高い積層セラミック電子部品に関するものである。
従来のこの種の積層セラミック電子部品としては、例えば本出願人が提案した特許文献1に記載の積層型電子部品がある。この積層型電子部品(例えば、積層セラミックコンデンサ)は、誘電体グリーンシート層と、内部電極ペースト層とが交互に積層された生の積層体を焼成することによって、誘電体セラミック層と内部電極層とが交互に積層された積層体が得られる。誘電体グリーンシートには、フォルステライトとチタン酸ストロンチウムとを主成分とする誘電体材料が用いられている。この主成分は、一般式MgSiO2+x+aSrTiO2+yで表される誘電体セラミック材料であって、上記一般式におけるx、y及びaは、それぞれ1.70≦x≦1.99、0.98≦y≦1.02及び0.05≦a≦0.40の関係を満足するものである。
特許文献1に記載の誘電体材料を用いると、従来のフォルステライトよりも低温で焼成することができると共にJIS規格で規定する所定の温度特性を満足することができ、しかも小型低容量の積層型電子部品を設計する際にも、構造欠陥を生じさせることなく多層化でき、等価直列抵抗を低減し、静電容量のバラツキを抑制することができる、優れた積層セラミック電子部品を得ることができる。
WO 2005/058774
しかしながら、特許文献1の積層セラミック電子部品は上述のように優れた特性を有しているが、その後温度特性等の電気的特性について詳細に検討した結果、誘電体セラミック層と内部電極層の界面付近に、僅かではあるが構造欠陥を生じ、この構造欠陥の影響で耐湿負荷特性が若干低下することがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、耐湿負荷特性及び高温負荷特性を向上させて電気的信頼性を高めることができる積層セラミック電子部品を提供することを目的としている。
本発明の請求項1に記載の積層セラミック電子部品は、積層された複数の誘電体セラミック層と、これらの誘電体セラミック層間に配置された内部電極層と、を備えた積層セラミック電子部品において、上記誘電体セラミック層の主成分は、フォルステライト系結晶相からなる第1主成分と、Tiを含む酸化物からなる第2主成分と、からなり、上記内部電極層には、上記第1主成分の組成を有するセラミックが存在することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載の積層セラミック電子部品は、請求項1に記載の発明において、上記内部電極層が、上記第2主成分を実質的に含まないことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載の積層セラミック電子部品は、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記第1主成分がMgSiO2+x(但し、1.70≦x≦1.99)であり、上記第2主成分がSrTiO2+y、CaTiO2+y、TiO(但し、0.98≦y≦1.02)から選択される少なくとも一種の酸化物であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に記載の積層セラミック電子部品は、請求項3に記載の発明において、上記第1主成分がMgSiO2+x(但し、1.70≦x≦1.99)であり、上記第2主成分がSrTiO2+y(但し、0.98≦y≦1.02)であり、上記誘電体セラミック層における上記第1主成分と上記第2主成分のモル比(第1主成分/第2主成分)を(1−a)/aで表した時、aは0.05≦a≦0.29の関係を満足することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5に記載の積層セラミック電子部品は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記内部電極層中の上記セラミック成分と上記金属成分の重量比(セラミック成分/金属成分)が、0.05〜0.5であることを特徴とするものである。
即ち、本発明の積層セラミック電子部品を形成する誘電体セラミック層は、フォルステライト系結晶相からなる第1主成分と、Tiを含む酸化物(以下、単に「Ti酸化物」と称す。)からなる第2主成分と、を主成分として含んでいる。フォルステライト系結晶相は、正の温度特性を有すると共に比誘電率が低く、高周波特性に優れている。フォルステライト系結晶相としては、例えばMgSiO2+xで表されるものが好ましい。また、Ti酸化物は、負の温度特性を有するため、フォルステライトに所定量添加することによりフォルステライト系結晶相との混晶を形成することで、比誘電率が低く、静電容量の温度特性が平坦化し、高周波モジュールに使用する温度補償用の低容量積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品を得ることができる。Ti酸化物としては、例えばチタン酸ストロンチウム(SrTiO2+y)、チタン酸カルシウム(CaTiO2+y)、二酸化チタン(TiO)から選択される少なくとも一種の酸化物が好ましい。
中でもSrTiO2+yは、誘電体セラミック層の低誘電率化と温度特性の向上を同時に達成することができるため、他のTi酸化物より好ましい。SrTiO2+yは、比誘電率(250〜300)の割に温度特性の負の傾きが−3000と大きく、少ない添加量で所望の温度特性を得られるため、比誘電率を低く抑えることができる。このため、積層セラミック電子部品として所望の静電容量を得る際に、誘電体セラミック層の積層数を多くすることができ、結果的に等価直列抵抗を低くすることができる。また、静電容量のバラツキを抑制することができる。
而して、MgSiO2+xのxは、1.70≦x≦1.99の関係を満足することが好ましい。従来のフォルステライトは焼成温度が1350〜1400℃と高温であるが、MgSiO2+xは、xが上記範囲にあり、更に、Ti酸化物、好ましくはSrTiO2+yの添加により誘電体セラミック層としての焼結性が大幅に改善され、1300℃以下の焼成温度で焼結してフォルステライト系結晶相とTi酸化物結晶相の混晶を生成する。xが1.7未満ではフォルステライト系結晶相とTi酸化物結晶相との混晶が安定せず、比誘電率の温度係数Tccが正に大きくなって積層セラミック電子部品として要求されるJIS規格の温度特性を満足しない虞がある。また、xが1.99を超えると誘電体セラミック層としての焼結温度が高くなり、内部電極層に悪影響を及ぼさない温度範囲(例えば、1300℃以下の温度)で焼結しない虞がある。
SrTiO2+y及びCaTiO2+yのyは、それぞれ0.98≦y≦1.02の関係を満足することが好ましい。yが0.98未満になったり、1.02を超えると、温度係数Tccが正に大きくなり、JIS規格の温度特性を満足しない虞がある。
また、誘電体セラミック層の主成分を(1−a)MgSiO2+x+aSrTiO2+yとして表した時、第1主成分と第2主成分のモル比{1主成分/第2主成分=(1−a)/a}におけるaは、0.05≦a≦0.29の関係を満足することが好ましい。aが0.05未満では温度係数Tccが正に大きくなり、JIS規格の温度特性を満足しない。逆に、aが0.29を超えると温度係数Tccが負に大きくなってJIS規格を満足せず、比誘電率も26と高くなる。
(1−a)MgSiO2+x+aSrTiO2+yにおいて、0.05≦a≦0.29、1.70≦x≦1.99及び0.98≦y≦1.02を満足することによって、比誘電率が約8〜22で、温度特性がJIS規格のCG特性〜SL特性(CG〜CK、LG〜LK、PG〜PK、RG〜RK、SH〜SK、TH〜TK、UH〜UK及びSL特性)を満足し、約1300℃以下で焼成できる積層セラミック電子部品を得ることができる。
また、積層セラミック電子部品を形成する内部電極層には、第1主成分(MgSiO2+x)を有するセラミックが添加されている。この内部電極層は第2主成分(Ti酸化物)を実質的に含まないことが好ましい。Ti酸化物を実質的に含まないとは、意図的にTi酸化物を添加しないことを云い、原料中に避け難い微量の不純物が存在することを許容することを意味する。内部電極層に第1主成分を添加することで積層セラミック電子部品の耐湿負荷特性及び高温負荷特性がそれぞれ向上し、耐湿負荷試験では平均寿命時間が200時間以上になり、高温負荷試験では平均寿命時間を250時間以上になって、積層セラミック電子部品としての電気的信頼性が向上する。
内部電極層に第1主成分と第2主成分の双方を含むセラミック(例えば、誘電体セラミック層と同一組成のセラミック)が存在すると、高温負荷試験では250時間には達しないものの、耐湿負荷試験では平均寿命時間は200時間以上の積層セラミック電子部品を得ることができる。これに対して、セラミックを添加しない内部電極層は、耐湿負荷試験では平均寿命時間が100時間程度まで短くなり、セラミックが存在する場合と比較して積層セラミック電子部品としての電気的信頼性が低下する。
本発明の請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、耐湿負荷特性及び高温負荷特性を向上させて電気的信頼性を高めることができる積層セラミック電子部品を提供することができる。
以下、図1に示す実施形態を参照しながら本発明を説明する。尚、図1は本発明の積層型電子部品の一本実施形態を模式的に示す断面図である。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、例えば図1に示すように、積層された複数層の誘電体セラミック層2と、これらの誘電体セラミック層2間にそれぞれ配置された複数の第1、第2内部電極層3A、3Bとを有する積層体4を備えている。積層体4の両端面にはそれぞれ第1、第2外部電極5A、5Bが形成され、これらの外部電極5A、5Bはそれぞれ内部電極層3A、3Bに電気的に接続されている。
第1内部電極層3Aは、図1に示すように、誘電体セラミック層2の一端(同図の左端)から他端(右端)の近傍まで延び、第2内部電極層3Bは誘電体セラミック層2の右端から左端の近傍まで延びている。第1、第2内部電極層3A、3Bは例えばPd、Ag、CuあるいはPd−Ag合金等によって形成されている。
また、第1外部電極5Aは、図1に示すように、積層体4内の第1内部電極層3Aに電気的に接続され、第2外部電極5Bは積層体4内の第2内部電極層3Bに電気的に接続されている。第1、第2外部電極5A、5Bは、例えばAgやAg−Pd合金等によって形成されている。更に、第1、第2外部電極5A、5Bの表面には従来公知の第1めっき層6A、6B及び第2めっき層7A、7Bが順次施されている。
次に、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。本実施例では、下記の手順で表1に示す複数種の誘電体セラミック材料及び表3に示す複数種の内部電極ペーストを調製した後、これらの誘電体セラミック材料及び内部電極ペーストを用いて積層セラミックコンデンサを作製した。次いで、これらの積層セラミックコンデンサの電気的特性評価をそれぞれ行い、その結果を表1に示した。尚、表1において、*印を付した試料は本発明の範囲外のものである。
(1)誘電体セラミック材料及びセラミックスラリーの調製
まず、第1主成分の出発原料として、MgOとSiOとを表1に示す組成となるように秤量し、ボールミルを用いて混合、粉砕した後、仮焼してフォルステライトを予め合成した。また、第2主成分の出発原料として、予めSrCOとTiO、またはCaCOとTiOを表1に示す組成となるように秤量し、ボールミルを用いて混合、粉砕した後、仮焼してチタン酸ストロンチウム及びチタン酸カルシウムをそれぞれ合成した。また、第2主成分として二酸化チタンを用意した。そして、フォルステライトと、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムまたは二酸化チタンをそれぞれ秤量し、更にこれらの原料に必要に応じて表2に示す複合酸化物からなる焼結助剤を添加物として適宜添加した後、ボールミルによって混合し、表1に示す試料No.1〜37の組成からなる誘電体セラミック材料を調製した。
尚、原料中には、不純物として、BaO、ZrO、Al、Fe、MnO、CuO、ZnO、希土類酸化物を含んでいても電気的特性に大きな影響を与えない。
(2)内部電極ペーストの調製
表3に示すように、Pd粉末、Ag粉末、Cu粉末とセラミック粉末をそれぞれ準備し、それぞれの金属粉末に有機ビヒクル及び有機溶媒を添加して混合した後、これらに表3に示す割合でセラミック粉末を添加し、混合して試料a〜jに示す内部電極ペーストを調製した。
(3)積層セラミックコンデンサの作製
(1)で得られた試料No.1〜37の誘電体セラミック材料をそれぞれ秤量し、ポリビニルブチラール系バインダを加え、ボールミルによって湿式混合してセラミックスラリーをそれぞれ調製した。
次いで、ドクターブレード法によって上記各セラミックスラリーからセラミックグリーンシートをそれぞれ作製した。その後、表3に示す試料a〜jの内部電極ペーストをセラミックグリーンシート上にそれぞれ印刷した後、積層セラミックコンデンサとなるように10層積層し、圧着してセラミック積層体を得た。このセラミック積層体を所定のチップ寸法に切断して生のセラミック積層体を得た。
Pd内部電極ペースト(試料a〜e)の場合には、生のセラミック積層体を空気中350℃でそれぞれ脱バインダ処理を行った後、空気中で50℃/分の昇温速度でそれぞれ昇温し、1200℃で焼成してそれぞれのセラミック焼結体を得た。Ag内部電極ペースト(試料i、j)の場合には、生のセラミック積層体を空気中350℃でそれぞれ脱バインダ処理を行った後、空気中で50℃/分の昇温速度でそれぞれ昇温し、900℃で焼成してそれぞれのセラミック焼結体を得た。また、Cu内部電極ペースト(試料g、h)の場合には、生のセラミック積層体をN雰囲気中350℃でそれぞれ脱バインダ処理を行った後、N/H/HO雰囲気中50℃/分の昇温速度でそれぞれ昇温し、900℃で焼成してそれぞれのセラミック焼結体を得た。そして、これらのセラミック焼結体をバレル研磨し、それぞれの端面から内部電極層を露出させた。
Pd、Ag内部電極層を有するセラミック焼結体についてはそれぞれの端面にAgペーストを塗布し、乾燥させた後、適切な温度、雰囲気中でAgペーストを焼き付けて外部電極を形成した。また、Cu内部電極層を有するセラミック焼結体の端面にはCuペーストを塗布し、同様に外部電極を形成した。更に、バレルメッキ法で各セラミック焼結体の外部電極上にNiメッキ層を形成した後、更にSnメッキ層を形成して表1に示す試料No.1〜37の積層セラミックコンデンサをそれぞれ得た。これらの積層セラミックコンデンサの外形寸法は、いずれも幅1.2mm、長さ2.0mm、厚さ1.2mmであり、誘電体セラミック層の層間距離は約5μmであり、それぞれの有効誘電体セラミック層の総数はいずれも10層であった。
(4)積層セラミックコンデンサの特性評価
LCRメータ(HP社製4284A)を用いて、試料No.1〜No.37について25℃、1MHz、1Vにおける静電容量及びQ値を測定し、これらの測定値と電極面積、素子厚に基づいて比誘電率εrを算出し、その結果を表1に示した。また、静電容量温度特性測定装置を用いて、各試料について、各温度における静電容量を測定し、静電容量の温度係数Tccを次式によりそれぞれ算出し、その結果を表1に示した。
Tcc[ppm/℃]={(C85−C20)/C20}×{1/(85℃−20℃)}
×10
20:20℃における静電容量
85:85℃における静電容量
高温負荷試験は、温度150℃、印加電圧100V、試料数72個の条件で行った。絶縁抵抗値が109.0Ω未満となった平均時間を高温負荷寿命として表1に示した。
耐湿負荷試験は、温度120℃、相対湿度90%、2気圧、印加電圧25V、試料数72個の条件で行った。絶縁抵抗値が109.0Ω未満となった平均時間を耐湿負荷寿命として表1に示した。
Figure 2007201201
Figure 2007201201
Figure 2007201201
表1に示す結果によれば、試料No.1〜37のうち、表3に示すように第1主成分のセラミック粉末を添加した内部電極ペースト(試料a〜c及び試料g、i)を用いた試料は、いずれも高温負荷寿命が250時間以上で、耐湿負荷寿命が200時間以上であった。また、試料No.1〜37のうち、表3に示すように誘電体セラミック層と同一組成のセラミック粉末を添加した内部電極ペースト(試料f、h、j)を用いた試料は、いずれも高温負荷寿命が250時間には満たないものの、耐湿負荷寿命は200時間以上であった。
これに対し、表3に示すようにセラミック粉末を添加しない内部電極ペースト(試料e)を用いた比較例の試料No.11は、耐湿負荷寿命が150時間と短くなった。また、表3に示すように第1主成分のセラミック粉末を60重量%添加した内部電極ペースト(試料d)を用いた試料No.10は、積層セラミックコンデンサとしての電気的特性を測定することができなかった。試料No.10は、内部電極層のPdによる被覆率が低下し、外部電極と電気的に接続することができないために電気的特性を測定することができなかったと考えられる。
また、表1に示す結果によれば、誘電体セラミック層の主成分が第1、第2主成分(1−a)MgSiO2+x+aSrTiO2+yであり、0.05≦a≦0.29、1.70≦x≦1.99、0.98≦y≦1.02である、試料No.1〜19(試料No.11を除く)及び試料No.24〜37は、いずれも1200℃以下の温度で誘電体セラミック層として焼結し、低誘電率と温度特性の向上を同時に達成し、比誘電率が8〜22で、温度に対する静電容量の温度係数TccがCG特性〜SL特性の広い範囲でJIS規格の温度特性を満たす、温度補償用として好適な積層セラミック電子部品が得られた。試料No.18と試料No.20、22を比較すると、第2主成分としてSrTiO系結晶相を含む試料No.18はCaTiO、TiO系結晶相を含む試料No.20、22よりも低誘電率化すると共に高温負荷特性が向上した。
尚、上記実施例では積層セラミックコンデンサを作製した場合について説明したが、本発明は積層セラミックコンデンサに限らずLCフィルタや多層基板等、他の積層型電子部品も同様にして作製することができる。また、外径寸法が幅1.2mm、長さ2.0mm、厚さ1.2mmの積層セラミックコンデンサについて説明したが、更に小型化した積層セラミック電子部品を設計する際にも、低誘電率で構造欠陥を生じさせることなく多層化することができ、等価直列抵抗を低減し、静電容量のバラツキを抑制することができる。また、誘電体セラミック材料の出発原料は、上記実施例に用いられた以外の酸化物、水酸化物、炭酸化物等も用いることができ、また、誘電体セラミック材料には表2に示す焼結助剤以外のものも用いることができる。
本発明は、高周波モジュールに使用する温度補償用の低容量積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品に好適に利用することができる。
本発明の積層セラミック電子部品の一実施形態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 積層セラミックコンデンサ
2 誘電体セラミック層
3A、3B 第1、第2内部電極層

Claims (5)

  1. 積層された複数の誘電体セラミック層と、これらの誘電体セラミック層間に配置された内部電極層と、を備えた積層セラミック電子部品において、
    上記誘電体セラミック層の主成分は、フォルステライト系結晶相からなる第1主成分と、Tiを含む酸化物からなる第2主成分と、からなり、
    上記内部電極層には、上記第1主成分の組成を有するセラミックが存在することを特徴とする積層セラミック電子部品。
  2. 上記内部電極層が、上記第2主成分を実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 上記第1主成分がMgSiO2+x(但し、1.70≦x≦1.99)であり、
    上記第2主成分がSrTiO2+y、CaTiO2+y、TiO(但し、0.98≦y≦1.02)から選択される少なくとも一種の酸化物である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 上記第1主成分がMgSiO2+x(但し、1.70≦x≦1.99)であり、
    上記第2主成分がSrTiO2+y(但し、0.98≦y≦1.02)であり、
    上記誘電体セラミック層における上記第1主成分と上記第2主成分のモル比(第1主成分/第2主成分)を(1−a)/aで表した時、
    aは0.05≦a≦0.29の関係を満足する
    ことを特徴とする請求項3に記載の積層セラミック電子部品。
  5. 上記内部電極層中の上記セラミック成分と上記金属成分の重量比(セラミック成分/金属成分)が、0.05〜0.5であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
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