JP2007200642A - 燃料電池セパレータ及び燃料電池スタック - Google Patents

燃料電池セパレータ及び燃料電池スタック Download PDF

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Abstract

【課題】セパレータの電極配置エリアに流体を均等に分配できると共に、電極面積に比してセパレータの外形寸法をあまり大きくせずとも電池性能を確保できる燃料電池セパレータを提供する。また、従来よりも体積効率に優れた燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】セパレータには、その本体の四つの外周辺と電極配置エリアとの間に四角枠領域が確保されている。セパレータ本体の左辺部及び右辺部に対応する四角枠領域のうちの外側領域にはそれぞれ、第1流通孔12,11が設けられている。また、四角枠領域のうちの内側領域にはそれぞれ、複数の第2流通孔21,22が電極配置エリアの周縁に沿って一列に並んで設けられている。セパレータ本体の一方の面には、左右の第1流通孔12,11どうしをつなぐための複数条の第1流通孔連絡溝13が、電極配置エリアを横断し且つ各溝13が第2流通孔21,22の間を通るように設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池用のセパレータ、及び、複数の電池セルと複数の燃料電池セパレータとを積層配置して構成される燃料電池スタックに関するものである。
一般に燃料電池は、電池セルとセパレータとを交互に配置して積層したものを端子板及び絶縁板を介して一対のエンドプレート間に挟着保持してなる燃料電池スタックから構成されている。固体高分子型燃料電池の場合、電池セルは、プロトン透過性の高分子材料からなる固体高分子膜を、ガス透過性及び導電性を兼備した燃料ガス側電極及び酸化剤ガス側電極の間に挟んでなる膜・電極アセンブリとして構成されている。燃料電池を機能させるためには、燃料電池スタック内に、燃料ガス(例えば水素)及び酸化剤ガス(例えば空気)の二種類の流体(より好ましくは、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体(例えば冷却水)の三種類の流体)を流通させる必要があり、セパレータは、これら流体の流路形成に重要な役割を果たしている。即ち、セパレータには一般に、上記の各流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための少なくとも二種類の流通孔が形成されている。積層方向に並んだ一連の流通孔によって構築される通路は、一般に「マニホルド」と呼ばれる。また、セパレータには、当該セパレータに接する電極の表面に対し、各流通孔(マニホルド)からそれぞれの流体を供給するための面内供給路が設けられている。このように燃料電池セパレータは、電池セル同士を電気的に直列接続する役割のほかに、燃料ガスと酸化剤ガスとのクロスリークを防止しつつ、電池セルの二つの電極に燃料ガス及び酸化剤ガスをそれぞれ供給する役割を担っている。
特許文献1は、導電性酸化物板及びその導電性酸化物板に重ね合わせてこれを補強する補強板からなる複合セパレータを開示する。特許文献1の図1に示されるように、この複合セパレータにあっては、補強板中央のガス通路内に設けられた中央ポケット部に導電性酸化物板が嵌め込まれ且つ重ね合わされている。この導電性酸化物板には複数の平行な突起が形成され、その結果、複数の突起間には複数の平行な溝が構築されている。そして、それぞれの溝の片側の端部は、補強板の中央ポケット部に隣接して凹設された略三角形状(末広がりな平面形状)の第1のガス分配路を介して、補強板の一方の片隅に設けられたガス給排気孔(ガス給気孔)に接続されている。また、それぞれの溝の反対側の端部は、補強板の中央ポケット部に隣接して凹設された略三角形状(末広がりな平面形状)の第2のガス分配路を介して、補強板の他方の片隅に設けられたガス給排気孔(ガス排気孔)に接続されている。なお、上記平行溝が設けられた導電性酸化物板が占める範囲は、当該複合セパレータに接触させる電極の配置エリアと重なる。
特許文献1の複合セパレータでは、補強板の一方の片隅に設けられたガス給排気孔(ガス給気孔)から導電性酸化物板の複数の溝の各々に対して均等にガスを分配し、各溝でのガスの流れを均一化するために、ガス給排気孔(ガス給気孔)と導電性酸化物板(即ち電極配置エリア)との間に略三角形状のガス分配路を設定する必要があった。換言すれば、補強板において略三角形状のガス分配路用のスペースを確保するために、ガス給排気孔と導電性酸化物板(即ち電極配置エリア)との間の距離を長くしていた。このため、電池セルの電極面積に比べてセパレータの外形寸法をかなり大きくせざるを得ず、かかる複合セパレータを使用した燃料電池スタックは、体積が大きいにもかかわらず体積効率(体積あたりの発電効率)が低いものとなり、とりわけ車載用には不向きであった。
特開2000−223132号公報
本発明の目的は、セパレータの電極配置エリアに流体を均等に分配することができると共に、電極面積に比してセパレータの外形寸法をあまり大きくせずとも電池性能を確保することができる燃料電池セパレータを提供することにある。また、従来よりも体積効率に優れた燃料電池スタックを提供することにある。
請求項1の発明は、矩形状の電極を対面接触可能な矩形状の板材であるセパレータ本体を備え、前記セパレータ本体の四つの外周辺と前記電極の配置エリアとの間には四角枠領域が確保されると共に、その四角枠領域を、セパレータ本体の外周辺寄りに位置する外側領域と、電極配置エリア寄りに位置する内側領域とに区分可能な燃料電池セパレータにおいて、前記セパレータ本体の対向する二つの外周辺に対応する前記外側領域の対向する二箇所にはそれぞれ、第1の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための少なくとも一つの第1流通孔が設けられ、前記第1流通孔が設けられた前記外側領域の対向する二箇所の内側に位置する前記内側領域の対向する二箇所にはそれぞれ、第2の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための複数の第2流通孔が、前記電極配置エリアの周縁に沿って一列に並んだ状態で設けられ、前記セパレータ本体の一方の面には、前記外側領域の対向する二箇所にそれぞれ設けられた第1流通孔どうしをつなぐための複数条の第1流通孔連絡溝が、前記電極配置エリアを横断するように設けられ、これら複数条の第1流通孔連絡溝の各々は、前記内側領域の各箇所において一列に並んだ前記複数の第2流通孔の間を通るように設けられていることを特徴とする燃料電池セパレータである。
本発明の燃料電池セパレータでは、第2の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための第2流通孔を、前記四角枠領域の内側領域の対向する二箇所のそれぞれにおいて、電極配置エリアの周縁に沿って一列に並んだ複数の孔として設けている。このため、複数の第2流通孔のいずれをも電極配置エリアの周縁の直近に配置でき、全ての第2流通孔と電極配置エリアとの距離を非常に短くすることができる。従って、これら複数の第2流通孔を介して第2の流体をこのセパレータの電極配置エリアに供給すると共に電極配置エリアから排出する場合でも、従来例のような略三角形状のガス分配路を殊更に設定する必要がない。また、第1の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための第1流通孔を、前記四角枠領域の外側領域の対向する二箇所のそれぞれに設けると共に、二箇所に分かれて設けられた第1流通孔どうしをつなぐための複数条の第1流通孔連絡溝を電極配置エリアを横断するように設けたので、これら複数条の第1流通孔連絡溝を介して、第1の流体はこのセパレータの電極配置エリアの全体に均等に供給されると共に電極配置エリアの全体から均等に排出される。なお、複数条の第1流通孔連絡溝の設置に際して、第1流通孔連絡溝の各々が前記内側領域の各箇所において一列に並んだ複数の第2流通孔の間を通るようにしたので、各第1流通孔連絡溝と各第2流通孔とが連通することはなく、第1の流体と第2の流体とが混ざり合うこともない。このように、本発明の燃料電池セパレータによれば、電極面積に比してセパレータの外形寸法をあまり大きくせずとも、セパレータの電極配置エリアに流体を均等に分配することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の燃料電池セパレータにおいて、前記第1流通孔連絡溝が設けられた面の反対側にあたる前記セパレータ本体の他方の面には、前記内側領域の対向する二箇所にそれぞれ設けられた一方の群の複数の第2流通孔と他方の群の複数の第2流通孔とをつなぐための複数条の第2流通孔連絡溝が、前記電極配置エリアを横断するように設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、セパレータ本体の他方の面において、前記四角枠領域の内側領域の対向する二箇所に分かれて設けられた一方の群の複数の第2流通孔と他方の群の複数の第2流通孔とをつなぐための複数条の第2流通孔連絡溝を電極配置エリアを横断するように設けたので、これら複数条の第2流通孔連絡溝を介して、第2の流体は、セパレータ本体の他方の面における電極配置エリアの全体に均等に供給されると共に電極配置エリアの全体から均等に排出される。
なお、請求項2において、前記複数条の第2流通孔連絡溝が、一方の群の複数の第2流通孔と他方の群の複数の第2流通孔とを1対1の対応関係でつなぐことは好ましい。
請求項3の発明は、請求項2に記載の燃料電池セパレータにおいて、前記四角枠領域のうちの、前記第1流通孔及び第2流通孔が設けられている対向する二箇所以外に残された対向する二箇所にはそれぞれ、第3の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための少なくとも一つの第3流通孔が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第3流通孔を介して、第1の流体及び第2の流体以外の第3の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させることが可能となる。
請求項4の発明は、請求項1に記載の燃料電池セパレータにおいて、前記四角枠領域のうちの、前記第1流通孔及び第2流通孔が設けられている対向する二箇所以外に残された対向する二箇所にはそれぞれ、第3の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための少なくとも一つの第3流通孔が設けられ、前記第1流通孔連絡溝が設けられた面の反対側にあたる前記セパレータ本体の他方の面には、前記四角枠領域のうちの前記残された対向する二箇所にそれぞれ設けられた第3流通孔どうしをつなぐための複数条の第3流通孔連絡溝が、前記電極配置エリアを横断するように設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第3流通孔を介して、第1の流体及び第2の流体以外の第3の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させることが可能となる。また、セパレータ本体の他方の面において、前記四角枠領域のうちの残された対向する二箇所に分かれて設けられた第3流通孔どうしをつなぐための複数条の第3流通孔連絡溝を電極配置エリアを横断するように設けたので、これら複数条の第3流通孔連絡溝を介して、第3の流体は、セパレータ本体の他方の面における電極配置エリアの全体に均等に供給されると共に電極配置エリアの全体から均等に排出される。
請求項5の発明は、前記第1の流体が冷却媒体であり、前記第2の流体が燃料ガス又は酸化剤ガスのうちの一方であり、前記第3の流体が燃料ガス又は酸化剤ガスのうちの他方であり、前記第1流通孔が冷却媒体流通孔であり、前記第1流通孔連絡溝が冷却媒体流通孔連絡溝であり、請求項3に記載の第1の燃料電池セパレータ(A)と、請求項4に記載の第2の燃料電池セパレータ(B)とを、各々のセパレータにおける前記冷却媒体流通孔連絡溝としての第1流通孔連絡溝が設けられた面どうしを相互に接触させて一体化したことを特徴とする二対一体型の燃料電池セパレータである。
本発明の二対一体型の燃料電池セパレータは、タイプの異なる第1及び第2の燃料電池セパレータ(A,B)を、それぞれのセパレータにおける第1流通孔連絡溝(即ち冷却媒体流通孔連絡溝)が設けられた面(即ち一方の面(A1,B1))どうしを相互に接触させて一体化することにより構成される。この構成によれば、第1の燃料電池セパレータ(A)における他方の面(A2)において電極配置エリアを横断するように設けられた複数条の第2流通孔連絡溝は、燃料ガス又は酸化剤ガスのうちの一方である第2の流体を当該第1の燃料電池セパレータ(A)の他方の面(A2)に対面接触される電極の表面に均等に供給するための面内供給路を提供する。同様に、第2の燃料電池セパレータ(B)における他方の面(B2)において電極配置エリアを横断するように設けられた複数条の第3流通孔連絡溝は、燃料ガス又は酸化剤ガスのうちの他方である第3の流体を当該第2の燃料電池セパレータ(B)の他方の面(B2)に対面接触される電極の表面に均等に供給するための面内供給路を提供する。更に、第1の燃料電池セパレータ(A)における一方の面(A1)に設けられた複数条の第1流通孔連絡溝(即ち冷却媒体流通孔連絡溝)と、第2の燃料電池セパレータ(B)における一方の面(B1)に設けられた複数条の第1流通孔連絡溝(即ち冷却媒体流通孔連絡溝)とが互いに符合して重なり合うことにより、電極配置エリアを横断する複数本のトンネル状の冷却媒体流通孔連絡通路が、両セパレータ(A,B)内の接合境界部に構築される。この二対一体型の燃料電池セパレータによれば、各電極の表面に燃料ガスや酸化剤ガスを均等供給する機能を損なうことなく、燃料電池セパレータ(ひいては燃料電池スタック)を冷却媒体によって効率的に冷却可能となる。
請求項6の発明は、複数の電池セルと複数の燃料電池セパレータとを積層配置して構成される燃料電池スタックであって、前記各電池セルは、二つの矩形状の電極間に固体高分子膜を挟んで構成されており、前記各燃料電池セパレータは、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池セパレータであることを特徴とする燃料電池スタックである。
本発明の燃料電池スタックでは、スタックを構成する燃料電池セパレータとして、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池セパレータ(即ち、電極面積に比してセパレータの外形寸法をあまり大きくせずとも、セパレータの電極配置エリアに流体を均等に分配することができる燃料電池セパレータ)を用いたので、従来よりも体積効率(体積あたりの発電効率)が高められる。
請求項7の発明は、請求項6に記載の燃料電池スタックであって、前記複数の燃料電池セパレータの各々に設けられた複数の第2流通孔の各々が積層方向に並ぶことにより、燃料電池スタックの内部には、積層方向に延びると共に互いに独立した複数のスタック内通路が構築されており、燃料電池スタックの積層方向の一端部には、前記複数のスタック内通路の各端部を互いに連通させると共にこれらスタック内通路と第2の流体の供給源とを接続するための接続部材が設けられていることを特徴とする。
この燃料電池スタックによれば、燃料電池スタックの積層方向の一端部に設けられた接続部材によって、各セパレータの複数の第2流通孔の各々により構築される相互に独立した複数のスタック内通路の各端部がひとまとめにされると共に、これら複数のスタック内通路が第2の流体の供給源に接続される。この接続部材を介して第2の流体の供給源から複数のスタック内通路の各々に対し第2の流体が均等に分配されるので、互いに独立した複数のスタック内通路の間において、第2の流体の流通・分配が不均衡化されることはない。なお、かかる接続部材を燃料電池スタックの積層方向の一端部に設けて、互いに独立した複数のスタック内通路に対し直接的に第2の流体を均等分配するようにしたので、各セパレータごとの面内において、従来例のごとき略三角形状のガス分配路を設定する必要が全くない。このことは、燃料電池スタックの体積効率(体積あたりの発電効率)の向上に大きく貢献する。
本発明の燃料電池セパレータによれば、セパレータの電極配置エリアに流体を均等に分配することができると共に、電極面積に比してセパレータの外形寸法をあまり大きくせずとも電池性能を確保することができる。
本発明の燃料電池スタックによれば、従来よりも体積効率(体積あたりの発電効率)を高めることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態の燃料電池スタックは、電池セルCの両側に第1のセパレータ片A及び第2のセパレータ片Bを整合させつつ重ね合わせて構成される単位電池を、積層方向に複数積み重ねて構成されている。この単位電池の積層集合体の両端部には、それぞれ一組の端子板及び絶縁板(いずれも図示略)が配設され、更にそれらの両外側にはそれぞれエンドプレート(図示略)が配設され、締結具(図示略)を用いて一対のエンドプレート間に上記単位電池の積層集合体を挟着保持することにより、燃料電池スタックが最終的に構成される。なお、図1からわかるように、二つの電池セルC間には2枚のセパレータ片A及Bが介在され、これら2枚のセパレータ片A及Bが接合一体化されることで、二つの電池セルCを実質的に隔てる二対一体型のセパレータが構築される。
二つのセパレータ間に挟まれる電池セルCは、例えばプロトン透過性を持つ高分子材料を基材とする固体高分子膜1と、燃料ガス側電極としての水素側電極2と、酸化剤ガス側電極としての空気側電極3とを備え、両電極2,3間に固体高分子膜1を挟んでなる膜・電極アセンブリとして構成されている。水素側及び空気側の各電極2,3は、優れたガス透過性と導電性とを兼ね備えた材料(例えば多孔質のカーボン材料)により矩形状の薄い板材として構成されている。電極2,3は、電気化学反応における電子の授受及び移動に関与する電極として機能するのみならず、ガス拡散層としても機能する。なお、電池セルCの厚みは0.3〜0.6mm程度である。
[第1のセパレータ片A]
図1、図2及び図3に示すように、セパレータ本体を構成する第1のセパレータ片Aは、金属製の矩形状の板材として提供され、その厚みは0.5〜1mm程度である。図2はセパレータ片Aの一方の面(以下「冷却水面A1」という)を示し、図3はセパレータ片Aの他方の面(以下「水素ガス面A2」という)を示す。セパレータ片Aの冷却水面A1は、第2のセパレータ片Bと背中合わせに接合される面であり、セパレータ片Aの水素ガス面A2は、電池セルCの水素側電極2を対面接触させる面である。図3中央の矩形状の二点鎖線は、セパレータ片Aの水素ガス面A2に対して水素側電極2が接触配置される電極配置エリアを示す。他方、図2中央の矩形状の二点鎖線は、図3の電極配置エリアを冷却水面A1側に透過させたときの電極配置エリアを示す。図2及び図3に示すように、セパレータ片Aにおける上下左右四つの外周辺と、前記電極配置エリアとの間には、額縁のごとき四角枠領域が確保されている。その四角枠領域のうちの少なくとも左辺部及び右辺部については、セパレータ片Aの外周辺寄りに位置する外側領域と、電極配置エリア寄りに位置する内側領域とに区分することができる。
第1のセパレータ片Aには、左右で対をなす冷却水入口孔11及び冷却水出口孔12、左右で対をなす一群の水素ガス入口孔21及び一群の水素ガス出口孔22、並びに、上下で対をなす空気入口孔31及び空気出口孔32が設けられている。
セパレータ片Aの前記四角枠領域のうちの外側領域において左右に対向する左辺部及び右辺部(セパレータ片Aの左辺及び右辺に対応する部位)にはそれぞれ、縦長な形状の冷却水入口孔11及び冷却水出口孔12が貫通形成されている。より具体的には、図2のセパレータ片Aの右辺(即ち図3のセパレータ片Aの左辺)に沿って上下方向に縦長に延びるように冷却水入口孔11が設けられている。また、図2のセパレータ片Aの左辺(即ち図3のセパレータ片Aの右辺)に沿って上下方向に縦長に延びるように冷却水出口孔12が設けられている。
冷却水入口孔11及び冷却水出口孔12が設けられている前記四角枠外側領域の左辺部及び右辺部のそれぞれの内側に位置する前記四角枠内側領域の左辺部及び右辺部にはそれぞれ、一群の水素ガス入口孔21及び一群の水素ガス出口孔22が貫通形成されている。より具体的には、図2のセパレータ片Aの四角枠内側領域の左辺部(即ち図3のセパレータ片Aの四角枠内側領域の右辺部)には、複数の水素ガス入口孔21(本例では9孔)が、電極配置エリアの周縁に沿って上下方向に一列に並んだ状態で設けられている。また、図2のセパレータ片Aの四角枠内側領域の右辺部(即ち図3のセパレータ片Aの四角枠内側領域の左辺部)には、複数の水素ガス出口孔22(本例では9孔)が、電極配置エリアの周縁に沿って上下方向に一列に並んだ状態で設けられている。
更に、セパレータ片Aの前記四角枠領域において上下に対向する上辺部及び下辺部(セパレータ片Aの上辺及び下辺に対応する部位)にはそれぞれ、横長な形状の空気入口孔31及び空気出口孔32が貫通形成されている。より具体的には、図2及び図3のセパレータ片Aの上辺に沿って左右方向に横長に延びるように空気入口孔31が設けられている。また、図2及び図3のセパレータ片Aの下辺に沿って左右方向に横長に延びるように空気出口孔32が設けられている。
図2に示すように、セパレータ片Aの冷却水面A1の表面には、前記四角枠外側領域に設けられた右側の冷却水入口孔11と左側の冷却水出口孔12とをつなぐための複数条の冷却水孔連絡溝13(本例では9条)が、電極配置エリアを左右方向に横断するように形成されている。これら9条の冷却水孔連絡溝13は、上下方向に等間隔で且つ互いに平行に配設されており、これら9条の冷却水孔連絡溝13によって電極配置エリアのほぼ全体がカバーされている。なお、9条の冷却水孔連絡溝13のうち一番上の溝を除く8条の冷却水孔連絡溝13の各々は、前記四角枠内側領域の各辺部に一列に並べられた水素ガス入口孔21の間及び水素ガス出口孔22の間を通るように設けられている。それ故、水素ガス入口孔21や水素ガス出口孔22が冷却水孔連絡溝13と連通することはなく、水素ガスと冷却水とが混ざり合うこともない。
図3に示すように、前記冷却水面A1の反対面であるセパレータ片Aの水素ガス面A2の表面には、前記四角枠内側領域に設けられた右側の一群の水素ガス入口孔21と左側の一群の水素ガス出口孔22とをつなぐための複数条の水素ガス孔連絡溝23(本例では9条)が、電極配置エリアを左右方向に横断するように形成されている。水素ガス入口孔21、水素ガス出口孔22及び水素ガス孔連絡溝23の数は同数に設定されており、1条の水素ガス孔連絡溝23によって水素ガス入口孔21と水素ガス出口孔22とが1対1の対応関係で接続されている。また、これら9条の水素ガス孔連絡溝23は上下方向に等間隔で且つ互いに平行に配設されており、これら9条の水素ガス孔連絡溝23によって電極配置エリアのほぼ全体がカバーされている。
更に、第1のセパレータ片Aの冷却水面A1及び水素ガス面A2の各表面には、図2及び図3にハッチングで示す部位において、シール層Sが被覆形成されている。このシール層Sは、例えばフッ素ゴムからなるコーティング皮膜であり、燃料電池スタックの構成時にガスや冷却媒体の漏洩を防止するためのシール手段として機能する。
なお、本実施形態の第1のセパレータ片Aでは、冷却水入口孔11及び冷却水出口孔12によって第1流通孔又は冷却媒体流通孔が構成され、水素ガス入口孔21及び水素ガス出口孔22によって第2流通孔が構成され、空気入口孔31及び空気出口孔32によって第3流通孔が構成される。また、冷却水孔連絡溝13によって第1流通孔連絡溝又は冷却媒体流通孔連絡溝が構成され、水素ガス孔連絡溝23によって第2流通孔連絡溝が構成される。
[第2のセパレータ片B]
図1、図4及び図5に示すように、セパレータ本体を構成する第2のセパレータ片Bは、金属製の矩形状の板材として提供され、その厚みは0.5〜1mm程度である。図4はセパレータ片Bの一方の面(以下「冷却水面B1」という)を示し、図5はセパレータ片Bの他方の面(以下「空気面B2」という)を示す。セパレータ片Bの冷却水面B1は、第1のセパレータ片Aと背中合わせに接合される面であり、セパレータ片Bの空気面B2は、電池セルCの空気側電極3を対面接触させる面である。図5中央の矩形状の二点鎖線は、セパレータ片Bの空気面B2に対して空気側電極3が接触配置される電極配置エリアを示す。他方、図4中央の矩形状の二点鎖線は、図5の電極配置エリアを冷却水面B1側に透過させたときの電極配置エリアを示す。図4及び図5に示すように、セパレータ片Bにおける上下左右四つの外周辺と、前記電極配置エリアとの間には、額縁のごとき四角枠領域が確保されている。その四角枠領域のうちの少なくとも左辺部及び右辺部については、セパレータ片Bの外周辺寄りに位置する外側領域と、電極配置エリア寄りに位置する内側領域とに区分することができる。
第2のセパレータ片Bには、上記第1のセパレータ片Aと同様、左右で対をなす冷却水入口孔41及び冷却水出口孔42、左右で対をなす一群の水素ガス入口孔51及び一群の水素ガス出口孔52、並びに、上下で対をなす空気入口孔61及び空気出口孔62が設けられている。
セパレータ片Bの前記四角枠領域のうちの外側領域において左右に対向する左辺部及び右辺部(セパレータ片Bの左辺及び右辺に対応する部位)にはそれぞれ、縦長な形状の冷却水入口孔41及び冷却水出口孔42が貫通形成されている。より具体的には、図4のセパレータ片Bの左辺(即ち図5のセパレータ片Bの右辺)に沿って上下方向に縦長に延びるように冷却水入口孔41が設けられている。また、図4のセパレータ片Bの右辺(即ち図5のセパレータ片Bの左辺)に沿って上下方向に縦長に延びるように冷却水出口孔42が設けられている。
冷却水入口孔41及び冷却水出口孔42が設けられている前記四角枠外側領域の左辺部及び右辺部のそれぞれの内側に位置する前記四角枠内側領域の左辺部及び右辺部にはそれぞれ、一群の水素ガス入口孔51及び一群の水素ガス出口孔52が貫通形成されている。より具体的には、図4のセパレータ片Bの四角枠内側領域の右辺部(即ち図5のセパレータ片Bの四角枠内側領域の左辺部)には、複数の水素ガス入口孔51(本例では9孔)が、電極配置エリアの周縁に沿って上下方向に一列に並んだ状態で設けられている。また、図4のセパレータ片Bの四角枠内側領域の左辺部(即ち図5のセパレータ片Bの四角枠内側領域の右辺部)には、複数の水素ガス出口孔52(本例では9孔)が、電極配置エリアの周縁に沿って上下方向に一列に並んだ状態で設けられている。
更に、セパレータ片Bの前記四角枠領域において上下に対向する上辺部及び下辺部(セパレータ片Bの上辺及び下辺に対応する部位)にはそれぞれ、横長な形状の空気入口孔61及び空気出口孔62が貫通形成されている。より具体的には、図4及び図5のセパレータ片Bの上辺に沿って左右方向に横長に延びるように空気入口孔61が設けられている。また、図4及び図5のセパレータ片Bの下辺に沿って左右方向に横長に延びるように空気出口孔62が設けられている。
図4に示すように、セパレータ片Bの冷却水面B1の表面には、前記四角枠外側領域に設けられた左側の冷却水入口孔41と右側の冷却水出口孔42とをつなぐための複数条の冷却水孔連絡溝43(本例では9条)が、電極配置エリアを左右方向に横断するように形成されている。これら9条の冷却水孔連絡溝43は、上下方向に等間隔で且つ互いに平行に配設されており、これら9条の冷却水孔連絡溝43によって電極配置エリアのほぼ全体がカバーされている。なお、9条の冷却水孔連絡溝43のうち一番上の溝を除く8条の冷却水孔連絡溝43の各々は、前記四角枠内側領域の各辺部に一列に並べられた水素ガス入口孔51の間及び水素ガス出口孔52の間を通るように設けられている。それ故、水素ガス入口孔51や水素ガス出口孔52が冷却水孔連絡溝43と連通することはなく、水素ガスと冷却水とが混ざり合うこともない。
図5に示すように、前記冷却水面B1の反対面であるセパレータ片Bの空気面B2の表面には、前記四角枠領域に設けられた上側の空気入口孔61と下側の空気出口孔62とをつなぐための複数条の空気孔連絡溝63(本例では9条)が、電極配置エリアを上下方向に横断するように形成されている。これら9条の空気孔連絡溝63は、左右方向に等間隔で且つ互いに平行に配設されており、これら9条の空気孔連絡溝63によって電極配置エリアのほぼ全体がカバーされている。
更に、第2のセパレータ片Bの冷却水面B1及び空気面B2の各表面には、図4及び図5にハッチングで示す部位において、シール層Sが被覆形成されている。このシール層Sは、例えばフッ素ゴムからなるコーティング皮膜であり、燃料電池スタックの構成時にガスや冷却媒体の漏洩を防止するためのシール手段として機能する。
なお、本実施形態の第2のセパレータ片Bでは、冷却水入口孔41及び冷却水出口孔42によって第1流通孔又は冷却媒体流通孔が構成され、水素ガス入口孔51及び水素ガス出口孔52によって第2流通孔が構成され、空気入口孔61及び空気出口孔62によって第3流通孔が構成される。また、冷却水孔連絡溝43によって第1流通孔連絡溝又は冷却媒体流通孔連絡溝が構成され、空気孔連絡溝63によって第3流通孔連絡溝が構成される。
[燃料電池スタック]
燃料電池スタックの組立てに際しては、第1及び第2のセパレータ片A,B並びに電池セルCを図1のように直列に配置すると共に、それらが互いに接するように積層する。その際、第1のセパレータ片Aの水素ガス面A2には、左右一対の細長くて薄い覆い板24(図3に破線で示す)を、左側の水素ガス出口孔22群及び右側の水素ガス入口孔21群のそれぞれの内側位置にてそれぞれの孔群に沿って予め固着しておく。そして、これら2枚の覆い板24が固着されたセパレータ片Aの水素ガス面A2の電極配置エリアに対し、電池セルCの水素側電極2を面接触させる。すると、矩形状の水素側電極2の左辺及び右辺が、左右の各覆い板24の中心線にほぼ重なるように配置される。その結果、セパレータ片Aと水素側電極2との接合により、全ての水素ガス孔連絡溝23が2枚の覆い板24及び水素側電極2によって覆われ、水素側電極2に隣接するトンネル状の水素ガス孔連絡通路になる。このトンネル状水素ガス孔連絡通路(水素ガス孔連絡溝23)は、水素ガス入口孔21と水素ガス出口孔22とを1対1の対応関係で接続しながら電極配置エリアを左右方向に横断する。
これと同様に、第2のセパレータ片Bの空気面B2には、上下一対の細長くて薄い覆い板64(図5に破線で示す)を、上側の空気入口孔61及び下側の空気出口孔62のそれぞれの内側位置にてそれぞれの孔に沿って予め固着しておく。そして、これら2枚の覆い板64が固着されたセパレータ片Bの空気面B2の電極配置エリアに対し、電池セルCの空気側電極3を面接触させる。すると、矩形状の空気側電極3の上辺及び下辺が、上下の各覆い板64の中心線にほぼ重なるように配置される。その結果、セパレータ片Bと空気側電極3との接合により、全ての空気孔連絡溝63が2枚の覆い板64及び空気側電極3によって覆われ、空気側電極3に隣接するトンネル状の空気孔連絡通路になる。このトンネル状空気孔連絡通路(空気孔連絡溝63)は、空気入口孔61と空気出口孔62とを接続しながら電極配置エリアを上下方向に横断する。
更に、第1のセパレータ片Aの冷却水面A1と第2のセパレータ片Bの冷却水面B1との接合時には、冷却水入口孔11と41、冷却水出口孔12と42、各水素ガス入口孔21と51、各水素ガス出口孔22と52、空気入口孔31と61、空気出口孔32と62、がそれぞれに符合し合い、互いに連通する。また、9条の冷却水孔連絡溝13と9条の冷却水孔連絡溝43とが1対1の対応関係で互いに符合し合い重なり合うことにより、合計9本のトンネル状の冷却水孔連絡通路が両セパレータ片A,Bの接合境界部に構築される。
こうして燃料電池スタックが完成すると、その燃料電池スタックの内部には、積層方向に貫通する複数本の流体通路(マニホルド)が構成される。即ち、積層方向に並んだ一連の冷却水入口孔11,41によって一本の冷却水供給通路が構成され、積層方向に並んだ一連の冷却水出口孔12,42によって一本の冷却水排出通路が構成される。また、積層方向に並んだ一連の水素ガス入口孔21,51によって互いに独立した合計9本の水素ガス供給通路7(図6参照)が構成され、積層方向に並んだ一連の水素ガス出口孔22,52によって互いに独立した合計9本の水素ガス排出通路が構成される。更に、積層方向に並んだ一連の空気入口孔31,61によって一本の空気供給通路が構成され、積層方向に並んだ一連の空気出口孔32,62によって一本の空気排出通路が構成される。なお、互いに独立した合計9本の水素ガス供給通路7は、「各セパレータに設けられた複数の第2流通孔の各々が積層方向に並ぶことにより、燃料電池スタックの内部に構築される、積層方向に延びると共に互いに独立した複数のスタック内通路」に相当する。
上記冷却水入口孔11,41により構成される冷却水供給通路は、その一端部が冷却水源(図示略)に接続されるものである。上記空気入口孔31,61により構成される空気供給通路は、その一端部が空気取り入れ口(図示略)に接続されるものである。また、上記水素ガス入口孔21,51により構成される9本の水素ガス供給通路7は、それぞれの一端部が水素ガス供給源(図示略)に接続されるものであるが、その接続に際しては、図6に示すような接続部材8を併用することが好ましい。
即ち図6に示すように、燃料電池スタックの積層方向の一端部であって9本の水素ガス供給通路7の各端部が開口したあたりに、縦長なカバー形状の接続部材8を装着する。この接続部材8は、9本の水素ガス供給通路7の各開口端部を互いに連通させると共に、これらの水素ガス供給通路7と水素ガス供給源(図示略)とを接続する部材である。接続部材8の略中央部には、水素ガス供給源とつながる入口穴8aが設けられている。この接続部材8によって、互いに独立した9本の水素ガス供給通路7の各開口端部がひとまとめにされると共に、これらの通路7が水素ガス供給源に接続されるので、水素ガス供給源から各水素ガス供給通路7に対し水素ガスが均等分配され、9本の水素ガス供給通路7間において水素ガスの流通・分配が不均衡化することはない。
[本実施形態の作用効果の要点]
第1及び第2のセパレータ片A,Bでは、第2流通孔としての水素ガス入口孔21,51及び水素ガス出口孔22,52を、前記四角枠領域の内側領域の対向する左右二辺部のそれぞれにおいて、電極配置エリアの周縁に沿って一列に並んだ9個の孔として設けている。また、水素ガスの入口を9個の水素ガス入口孔21又は51として分割設置すると共に、水素ガスの出口を9個の水素ガス出口孔22又は52として分割設置することで、各孔(21,22,51,52)の断面積を小さくしている。このため、第2流通孔(21,22,51,52)のいずれをも電極配置エリアの周縁の直近に配置可能となり、全ての第2流通孔と電極配置エリアとの距離を非常に短くすることができる。それ故、第1のセパレータ片Aの水素ガス面A2において、水素ガス入口孔21と水素ガス出口孔22とをつなぐ水素ガス孔連絡溝23を介して、水素ガスをセパレータ片Aの電極配置エリアに供給・排出するときでも、従来例のような略三角形状のガス分配路を殊更に設定する必要がない。従って、本実施形態の二対一体型のセパレータによれば、電極面積に比してセパレータの外形寸法をあまり大きくせずとも、セパレータ片Aの水素ガス面A2の電極配置エリアに水素ガスを均等供給することができる。
第1のセパレータ片Aの水素ガス面A2には、前記四角枠内側領域の対向する左右二辺部に分かれて設けられた一群の水素ガス入口孔21と一群の水素ガス出口孔22とをつなぐための9条の水素ガス孔連絡溝23を、電極配置エリアを左右に横断するように互いに平行且つ等間隔に設けている。このため、これら9条の水素ガス孔連絡溝23は、当該セパレータAの水素ガス面A2に対面接触される水素側電極2の表面に水素ガスを均等に供給するための平行な面内供給路を提供する。従って、各水素ガス入口孔21からセパレータ片A内に供給される水素ガスは、これらの水素ガス孔連絡溝23を介して水素ガス面A2の電極配置エリアの全体に均等に供給されると共に、そこから各水素ガス出口孔22に向けて一様に排出される。
第2のセパレータ片Bの空気面B2には、前記四角枠領域の対向する上下二辺部に分かれて設けられた空気入口孔61と空気出口孔62とをつなぐための9条の空気孔連絡溝63を、電極配置エリアを上下に横断するように互いに平行且つ等間隔に設けている。このため、これら9条の空気孔連絡溝63は、当該セパレータBの空気面B2に対面接触される空気側電極3の表面に空気を均等に供給するための平行な面内供給路を提供する。従って、空気入口孔61からセパレータ片B内に供給される空気は、これらの空気孔連絡溝63を介して空気面B2の電極配置エリアの全体に均等に供給されると共に、そこから空気出口孔62に向けて一様に排出される。
更に本実施形態の二対一体型のセパレータによれば、第1のセパレータ片Aの冷却水面A1に設けられた9条の冷却水孔連絡溝13と、第2のセパレータ片Bの冷却水面B1に設けられた9条の冷却水孔連絡溝43とが互いに符合して重なり合うことにより、電極配置エリアを左右に横断する9本のトンネル状の冷却水孔連絡通路が、両セパレータ片A,Bの接合境界部に構築される。故に、この二対一体型セパレータによれば、各電極2,3の表面に水素ガスや空気を均等供給する機能を損なうことなく、燃料電池セパレータ(ひいては燃料電池スタック)を冷却水によって効率的に冷却することができる。
このように本実施形態によれば、電極面積に比してセパレータの外形寸法をあまり大きくせずとも、電極配置エリアに各流体を均等に分配することができる二つのセパレータ片A,Bを用いて二対一体型のセパレータを構成すると共に、そのようなセパレータを用いて燃料電池スタックを構成しているので、燃料電池スタックの体積効率を従来よりも大幅に高めることができる。また、二つのセパレータ片A,Bにそれぞれ対面接触する水素側電極2及び空気側電極3の各面に対し、水素ガス孔連絡溝23や空気孔連絡溝63を介して水素ガス及び空気を効率的に均等分配することができるため、従来よりも電池性能を向上させることができる。
[変更例]上記実施形態では、第2流通孔(21,22,51,52)を水素ガスの入口孔及び出口孔とし、第3流通孔(31,32,61,62)を空気の入口孔及び出口孔とした。これに代えて、第2流通孔(21,22,51,52)を空気の入口孔及び出口孔とし、第3流通孔(31,32,61,62)を水素ガスの入口孔及び出口孔とすることにより、第2流通孔連絡溝(23)を空気孔連絡溝にすると共に、第3流通孔連絡溝(63)を水素ガス孔連絡溝にしてもよい。
[変更例]上記実施形態では、第1流通孔又は冷却媒体流通孔としての冷却水入口孔11,41及び冷却水出口孔12,42を単一の長い孔として構成したが、当該入口孔や出口孔をそれぞれ、複数の小さな孔の一群として構成してもよい。また、第3流通孔としての空気入口孔31,61及び空気出口孔32,62を単一の長い孔として構成したが、当該入口孔や出口孔をそれぞれ、複数の小さな孔の一群として構成してもよい。
[変更例]上記実施形態では、セパレータ片(A,B)の四角枠領域の左辺部及び右辺部に第1流通孔(11,12,41,42)及び第2流通孔(21,22,51,52)を設けると共に、四角枠領域の上辺部及び下辺部に第3流通孔(31,32,61,62)を設けた。これに代えて、第1、第2及び第3流通孔の全てが、セパレータ片の四角枠領域の左辺部及び右辺部(又は上辺部及び下辺部)に設けられてもよい。例えば、セパレータ片の四角枠領域の一辺部において、セパレータ片の一外周辺に沿って設けられた第1流通孔(11,12,41,42)と、電極配置エリアの一周縁に沿って設けられた一群の第2流通孔(21,22,51,52)との中間位置に、単一又は複数の孔からなる第3流通孔(31,32,61,62)を設けてもよい。
[変更例]上記実施形態では、冷却媒体として水(冷却水)を用いたが、冷媒ガス(例えばフロンガス)が用いられてもよい。
燃料電池スタックにおいて積層される構成部品の概略を示す側面図。 第1のセパレータ片Aの冷却水面A1を示す正面図。 第1のセパレータ片Aの水素ガス面A2を示す背面図。 第2のセパレータ片Bの冷却水面B1を示す正面図。 第2のセパレータ片Bの空気面B2を示す背面図。 燃料電池スタックの積層方向の一端部付近の概略を示す斜視図。
符号の説明
A…第1のセパレータ片、B…第2のセパレータ片(A及びBはセパレータ本体を構成する)、C…電池セル、1…固体高分子膜、2…水素側電極(燃料ガス側電極)、3…空気側電極(酸化剤ガス側電極)、7…水素ガス供給通路(スタック内通路)、8…接続部材、11…冷却水入口孔(第1流通孔、冷却媒体流通孔)、12…冷却水出口孔(第1流通孔、冷却媒体流通孔)、13…冷却水孔連絡溝(第1流通孔連絡溝、冷却媒体流通孔連絡溝)、21…水素ガス入口孔(第2流通孔)、22…水素ガス出口孔(第2流通孔)、23…水素ガス孔連絡溝(第2流通孔連絡溝)、31…空気入口孔(第3流通孔)、32…空気出口孔(第3流通孔)、41…冷却水入口孔(第1流通孔、冷却媒体流通孔)、42…冷却水出口孔(第1流通孔、冷却媒体流通孔)、43…冷却水孔連絡溝(第1流通孔連絡溝、冷却媒体流通孔連絡溝)、51…水素ガス入口孔(第2流通孔)、52…水素ガス出口孔(第2流通孔)、61…空気入口孔(第3流通孔)、62…空気出口孔(第3流通孔)、63…空気孔連絡溝(第3流通孔連絡溝)。

Claims (7)

  1. 矩形状の電極を対面接触可能な矩形状の板材であるセパレータ本体を備え、前記セパレータ本体の四つの外周辺と前記電極の配置エリアとの間には四角枠領域が確保されると共に、その四角枠領域を、セパレータ本体の外周辺寄りに位置する外側領域と、電極配置エリア寄りに位置する内側領域とに区分可能な燃料電池セパレータにおいて、
    前記セパレータ本体の対向する二つの外周辺に対応する前記外側領域の対向する二箇所にはそれぞれ、第1の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための少なくとも一つの第1流通孔が設けられ、
    前記第1流通孔が設けられた前記外側領域の対向する二箇所の内側に位置する前記内側領域の対向する二箇所にはそれぞれ、第2の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための複数の第2流通孔が、前記電極配置エリアの周縁に沿って一列に並んだ状態で設けられ、
    前記セパレータ本体の一方の面には、前記外側領域の対向する二箇所にそれぞれ設けられた第1流通孔どうしをつなぐための複数条の第1流通孔連絡溝が、前記電極配置エリアを横断するように設けられ、これら複数条の第1流通孔連絡溝の各々は、前記内側領域の各箇所において一列に並んだ前記複数の第2流通孔の間を通るように設けられていることを特徴とする燃料電池セパレータ。
  2. 前記第1流通孔連絡溝が設けられた面の反対側にあたる前記セパレータ本体の他方の面には、前記内側領域の対向する二箇所にそれぞれ設けられた一方の群の複数の第2流通孔と他方の群の複数の第2流通孔とをつなぐための複数条の第2流通孔連絡溝が、前記電極配置エリアを横断するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セパレータ。
  3. 前記四角枠領域のうちの、前記第1流通孔及び第2流通孔が設けられている対向する二箇所以外に残された対向する二箇所にはそれぞれ、第3の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための少なくとも一つの第3流通孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池セパレータ。
  4. 前記四角枠領域のうちの、前記第1流通孔及び第2流通孔が設けられている対向する二箇所以外に残された対向する二箇所にはそれぞれ、第3の流体を燃料電池スタックの積層方向に流通させるための少なくとも一つの第3流通孔が設けられ、
    前記第1流通孔連絡溝が設けられた面の反対側にあたる前記セパレータ本体の他方の面には、前記四角枠領域のうちの前記残された対向する二箇所にそれぞれ設けられた第3流通孔どうしをつなぐための複数条の第3流通孔連絡溝が、前記電極配置エリアを横断するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セパレータ。
  5. 前記第1の流体が冷却媒体であり、前記第2の流体が燃料ガス又は酸化剤ガスのうちの一方であり、前記第3の流体が燃料ガス又は酸化剤ガスのうちの他方であり、前記第1流通孔が冷却媒体流通孔であり、前記第1流通孔連絡溝が冷却媒体流通孔連絡溝であり、
    請求項3に記載の第1の燃料電池セパレータ(A)と、請求項4に記載の第2の燃料電池セパレータ(B)とを、各々のセパレータにおける前記冷却媒体流通孔連絡溝としての第1流通孔連絡溝が設けられた面どうしを相互に接触させて一体化したことを特徴とする二対一体型の燃料電池セパレータ。
  6. 複数の電池セルと複数の燃料電池セパレータとを積層配置して構成される燃料電池スタックであって、
    前記各電池セルは、二つの矩形状の電極間に固体高分子膜を挟んで構成されており、
    前記各燃料電池セパレータは、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池セパレータであることを特徴とする燃料電池スタック。
  7. 請求項6に記載の燃料電池スタックであって、
    前記複数の燃料電池セパレータの各々に設けられた複数の第2流通孔の各々が積層方向に並ぶことにより、燃料電池スタックの内部には、積層方向に延びると共に互いに独立した複数のスタック内通路が構築されており、
    燃料電池スタックの積層方向の一端部には、前記複数のスタック内通路の各端部を互いに連通させると共にこれらスタック内通路と第2の流体の供給源とを接続するための接続部材が設けられていることを特徴とする燃料電池スタック。
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