本発明は、検索対象の各種情報を管理する情報管理システム、情報管理方法及び情報管理用プログラムに関し、特にユーザによる情報検索を支援できる情報管理システム、情報管理方法及び情報管理用プログラムに関する。
ユーザがファイルや情報を検索する際、一般に、全文検索システムや全文検索システムに類した検索システムを用いて、ファイル検索や情報検索を行うことがある。この場合、ユーザは、検索システムに対して、検索したい内容を示すキーワード等(以下、検索質問ともいう)を入力する。すると、検索システムは、その検索質問に適合する情報を順序づけてリストとして出力する。そして、ユーザは、その検索結果のリストに基づいて、必要な情報の検索を行っている。
また、ファイルや情報を検索するために、ユーザは、ファイル等をディレクトリに分類して予め保存しておき、そのディレクトリツリーを閲覧することによって、必要なファイルの検索を行っている。
また、特許文献1には、ユーザの動作によって定まるユーザプロファイルベクトルと、情報内容によって定まるコンテンツベクトルとにもとづいて、ユーザに適した情報を提供する方法が記載されている。
特開2000−20555号公報(段落0154−0157)
しかし、検索システムやディレクトリツリーを用いた検索方法では、検索する対象の情報をユーザが明示的に認識していなければ、適切な情報やファイルを検索することができない。例えば、キーワード検索をする際に、ユーザが検索内容をキーワード化することができなければ、情報検索を行うことができないという問題がある。そのため、上記に示した検索方法を用いたとしても、ユーザが検索対象を明確にしなければ情報検索が行えないので、ユーザが認識していない有用な情報を発見することは困難である。
また、特許文献1に記載された方法を用いれば、ユーザの動作と情報内容との関連性をある程度考慮してユーザに情報提供を行うことができる。しかし、複数情報における情報間の関連性を考慮してユーザに情報提供を行うことはできない。そのため、情報間に関連性のある有用な情報をユーザに提供することはできない。
そこで、本発明は、ユーザに関連した情報を提供するとともに、ユーザに有用な情報を提供できる情報管理システム、情報管理方法及び情報管理用プログラムを提供することを目的とする。
本発明による情報管理システムは、情報の属性を示すパラメータ(例えば、時間パラメータやユーザパラメータ、関連パラメータ)を設定するパラメータ設定手段(例えば、パラメータ設定手段21によって実現される)と、パラメータ設定手段が設定したパラメータに基づいて、ユーザ及び検索対象の情報の関連性を示す情報である情報関連空間を生成する情報関連空間作成手段(例えば、情報関連空間作成手段1によって実現される)とを備えたことを特徴とする。
また、情報管理システムは、情報関連空間作成手段が生成した情報関連空間に基づいて、検索対象の情報を出力するための出力情報(例えば、表示画面の画面情報や出力ファイル)を作成する出力制御手段(例えば、表示画面作成手段3によって実現される)を備えたものであることが望ましい。
また、情報管理システムにおいて、情報関連空間作成手段は、ユーザ及び検索対象の情報をノードとして、各ノードに所定の重み付けを行うことによって、情報関連空間を生成する重み付け手段(例えば、情報関連空間作成手段1によって実現される)を含むものであってもよい。
また、情報管理システムは、所定のタイミングで、情報関連空間作成手段に、生成した情報関連空間の変更を指示する情報関連空間操作手段(例えば、情報関連空間操作手段2によって実現される)を備え、情報関連空間作成手段は、情報関連空間操作手段の指示に従って、各ノードの重み付けを変更することによって、情報関連空間を生成しなおすものであってもよい。
また、情報管理システムにおいて、情報関連空間操作手段は、所定のイベントを検出するイベント検出手段(例えば、情報関連空間操作手段2によって実現される)と、イベント検出手段が検出したイベントに基づいて、情報関連空間の変更を情報関連空間作成手段に指示する変更指示手段(例えば、情報関連空間操作手段2によって実現される)とを含むものであってもよい。
また、情報管理システムにおいて、出力制御手段は、各ノードの重みを変更するための重み調整部(例えば、スライダバー1501,1502)を含む表示画面の画面情報を生成し、情報関連空間操作手段は、ユーザによって表示画面の重み調整部から各ノードの重みの変更指示が入力されると、情報関連空間の変更を情報関連空間作成手段に指示するものであってもよい。
また、情報管理システムは、ユーザ及び検索対象の情報の関連性を示す情報である情報関連空間を生成する情報関連空間作成手段と、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視点を選択する視点選択手段(例えば、視野操作手段4によって実現される)と、情報関連空間作成手段が生成した情報関連空間に含まれる情報のうち、視点選択手段が選択した視点から所定距離以内に含まれる情報を表示するための表示画面の画面情報を作成する出力制御手段とを備えたものであってもよい。
また、情報管理システムにおいて、出力制御手段は、各ノードを示す識別情報(例えば、アイコン)を含む表示画面の画面情報を生成し、視点選択手段は、ユーザによって表示画面から識別情報が選択入力されると、選択入力された識別情報に対応するノードを、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視点として選択するものであってもよい。
また、情報管理システムは、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視点を示す視点情報をACLパラメータに付加する視点付加手段(例えば、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される)を備え、視点選択手段は、ACLパラメータに付加された視点情報に基づいて、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視点を選択するものであってもよい。
また、情報管理システムは、課金情報を蓄積する課金情報蓄積手段(例えば、課金情報記憶部9によって実現される)と、ACLパラメータに付加する視点情報を変更する視点変更手段(例えば、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される)とを備え、視点変更手段は、課金情報蓄積手段が記憶する課金情報に基づいて、ACLパラメータに付加する視点情報を変更するものであってもよい。
また、情報管理システムは、ユーザ及び検索対象の情報の関連性を示す情報である情報関連空間を生成する情報関連空間作成手段と、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を設定する視野設定手段(例えば、視野操作手段4によって実現される)と、情報関連空間作成手段が生成した情報関連空間に含まれる情報のうち、視野設定手段が設定した視野範囲に含まれる情報を表示するための表示画面の画面情報を作成する出力制御手段とを備えたものであってもよい。
また、情報管理システムにおいて、出力制御手段は、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を変更するための視野調整部(例えば、スライダ81)を含む表示画面の画面情報を生成し、視野設定手段は、ユーザによって表示画面の視野調整部から入力された変更指示に従って、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を変更するものであってもよい。
また、情報管理システムは、特定のノードに対して、当該特定のノード以外のノードのパラメータをコピーするパラメータコピー手段(例えば、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される)を備え、情報関連空間作成手段は、パラメータコピー手段がコピーしたパラメータに基づいて、情報関連空間を生成するものであってもよい。
また、情報管理システムは、所定のノードを予め所定の設定情報(例えば、ポリシ)で指定する設定情報指定手段(例えば、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される)を備え、パラメータコピー手段は、情報関連空間の新規作成時に、所定の設定情報で指定されたノードのパラメータを、特定のノードに対してコピーするものであってもよい。
また、情報管理システムにおいて、情報関連空間作成手段は、ユーザ及び検索対象の情報の関連性を示す情報として、数次元の仮想空間上に検索対象の情報を示す要素を配置した情報関連空間を生成するものであってもよい。
また、情報管理システムにおいて、情報関連空間作成手段は、ユーザを示す要素を数次元の仮想空間に配置した情報関連空間を生成するものであってもよい。
また、情報管理システムにおいて、情報関連空間作成手段は、数次元の仮想空間上に配置される要素を移動させることによって、情報関連空間を更新するものであってもよい。
本発明による情報管理方法は、情報の属性を示すパラメータを設定するステップと、設定したパラメータに基づいて、ユーザ及び検索対象の情報の関連性を示す情報である情報関連空間を生成するステップとを含むことを特徴とする。
また、情報管理方法は、各ノードの重みを変更するための重み調整部を含む表示画面の画面情報を生成するステップと、ユーザによって表示画面の重み調整部から各ノードの重みの変更指示が入力されると、情報関連空間を変更するステップとを含むものであってもよい。
また、情報管理方法は、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を変更するための視野調整部を含む表示画面の画面情報を生成するステップと、ユーザによって表示画面の視野調整部から入力された変更指示に従って、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を変更するステップとを含むものであってもよい。
本発明による情報管理用プログラムは、コンピュータに、情報の属性を示すパラメータを設定する処理と、設定したパラメータに基づいて、ユーザ及び検索対象の情報の関連性を示す情報である情報関連空間を生成する処理とを実行させることを特徴とする。
また、情報管理用プログラムは、コンピュータに、各ノードの重みを変更するための重み調整部を含む表示画面の画面情報を生成する処理と、ユーザによって表示画面の重み調整部から各ノードの重みの変更指示が入力されると、情報関連空間を変更する処理とを実行させるものであってもよい。
また、情報管理用プログラムは、コンピュータに、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を変更するための視野調整部を含む表示画面の画面情報を生成する処理と、ユーザによって表示画面の視野調整部から入力された変更指示に従って、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を変更する処理とを実行させるものであってもよい。
また、本発明による情報管理システムは、情報関連空間作成手段と、情報関連空間操作手段と、表示画面作成手段と、視野操作手段と、出力手段とを備え、情報関連空間作成手段と情報関連空間操作手段とによって、写像を用いて、ファイルやユーザ等の関連性を示す情報関連空間を作成し維持するように動作する。そのような構成によって、表示画面作成手段が写像空間を利用してユーザが認識していない情報で有用な可能性のある情報を提示する表示画面の画面情報を作成することにより、本発明の目的を達成することができる。
本発明によれば、写像を用いて、ユーザ及び情報の関連性を示した情報関連空間を作成する。そのため、ユーザによって入力された通常の検索条件(例えば、入力キーワード)には適合せず表示されない情報であっても、相互に関連性が高く共に利用する可能性がある情報をユーザに提示することができる。すなわち、ユーザの操作に伴い関連性のある情報を提示できるので、ユーザが認識していないがユーザにとって有用である情報を、ユーザが容易に発見することができる。従って、ユーザに関連した情報を提供するとともに、ユーザに有用な情報を提供することができる。
また、本発明によれば、ユーザと情報との関連性に限らず、ユーザ同士の関連性や情報同士の関連性を示す情報関連空間を生成し、生成した情報関連空間に基づいてユーザに情報を提示できる。そのため、ユーザと関連性のある情報に限らず、情報間に関連性のある有用な情報をユーザに提供することができる。
また、本発明によれば、ユーザ及び検索対象の情報をノードとして、各ノードに所定の重み付けを行うことによって、情報関連空間を生成するように構成することができるので、写像空間のいずれかの軸を重視して情報関連空間から情報を抽出し、ユーザに提示することができる。
また、本発明によれば、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視点を選択できるように構成することができるので、情報関連空間に含まれる情報のうち、ユーザが任意に選択した視点を中心として所定範囲内に含まれる情報を、ユーザに提示することができる。
また、本発明によれば、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を設定できるように構成することができるので、情報関連空間に含まれる情報のうち、ユーザが任意に設定した視野範囲内に含まれる情報を、ユーザに提示することができる。
実施の形態1.
次に、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明による情報管理システムの構成の一例を示すブロック図である。なお、本実施の形態において、情報管理システムは、具体的には、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。
図1に示すように、情報管理システムは、情報関連空間作成手段1、ユーザインタフェース部11、情報蓄積部6、入力手段7、出力手段8、パラメータ設定手段21及びパラメータ記憶部22を含む。また、ユーザインタフェース部11は、表示画面作成手段3及び入力受付手段12を含む。さらに、入力受付手段12は、情報関連空間操作手段2及び視野操作手段4を含む。
情報関連空間作成手段1は、情報蓄積部6に格納されている情報群の関連性を示した情報関連空間を作成する機能を備える。また、情報関連空間操作手段2は、情報関連空間作成手段1が作成した情報関連空間を変動させる機能を備える。また、表示画面作成手段3は、情報関連空間作成手段1が作成した情報関連空間に基づいて表示画面を作成する機能を備える。また、視野操作手段4は、表示画面作成手段3が作成した表示画面の提示方法や提示範囲を変更する機能を備える。また、情報蓄積部6は、検索対象となる各種情報を格納する。また、入力手段7は、ユーザの操作に従って、情報関連空間操作手段2と視野操作手段4とパラメータ設定手段21とに対する指示を入力する機能を備える。また、出力手段8は、表示画面作成手段3が作成した表示画面の出力を行う機能を備える。また、パラメータ設定手段21は、入力手段7に対して行ったユーザ操作に従って、検索対象となる各種情報の属性やユーザの属性を示すパラメータを設定し、パラメータ記憶部22に保存する機能を備える。また、パラメータ記憶部22は、パラメータ設定手段21が設定したパラメータを格納する。
情報関連空間作成手段1は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。情報関連空間作成手段1は、情報蓄積部6に格納されている情報群(検索対象の情報)、パラメータ記憶部22に格納されている各種情報の属性を示すパラメータを取り出し、この情報蓄積部6に格納されている情報群同士の関連性を写像により示した情報である情報関連空間を作成(算出)する機能を備える。
例えば、情報関連空間作成手段1は、情報蓄積部6に格納されている情報同士の内容が近いことを示す情報関連空間を生成する。この場合、情報関連空間作成手段1は、例えば、情報のジャンルやトピックが共通することや、情報に含まれる単語が共通することを示す情報関連空間を生成する。また、例えば、情報関連空間作成手段1は、情報の内容とは関係なく情報の関連性が高いことを示す情報関連空間を生成してもよい。この場合、情報関連空間作成手段1は、例えば、同じユーザが同時期(例えば、所定期間以内)に参照又は編集したファイルや、関連性が近いユーザが編集したファイルであることを示す情報関連空間を作成してもよい。なお、「関連性が近いユーザ」とは、例えば、情報関連空間上で近くに存在するユーザや、組織内で所属が近いユーザ(例えば、同じ部署の上司と部下)、同一ファイルを閲覧又は編集したユーザのことである。
なお、情報関連空間作成手段1は、算出した情報関連空間を記録する記憶手段(例えば、磁気ディスク装置やメモリ)を備えてもよい。
本実施の形態において、「情報関連空間」とは、検索対象の情報やユーザを要素として所定次元の写像空間に対応付けた(写像した)データである。情報関連空間は、情報蓄積部6に格納されている情報や、それらの情報を検索したり利用したりするユーザの関連性や意味的な近さを示す情報である。本実施の形態では、情報関連空間作成手段1は、検索対象の情報をある仮想空間(写像空間)上に配置することによって、情報関連空間を作成する。以下、情報関連空間において、ユーザや情報の仮想空間(写像空間)上の位置を示すポインタをノードという。
写像空間は数次元の軸をもち、情報関連空間作成手段1は、情報やファイル、ユーザをノードとして写像空間上にマッピングすること(写像すること)によって、情報関連空間を作成する。この場合、情報関連空間作成手段1は、情報の属性を写像空間のいずれかの軸とすることによって、情報関連空間を作成する。例えば、情報関連空間作成手段1は、時刻を写像空間の1軸としたり、ユーザとの関連性を数値化した値を写像空間の1軸とする。また、情報関連空間上のノード間の位置が近ければ近いほど、その両ノードは、意味的に近い又は関連性が高いことを示す。
また、情報関連空間において、各ノードは、相互にリンク関係をもつことがある。本実施の形態では、情報関連空間作成手段1は、ノード間に明示的な関係がある場合、ノード間をリンクさせた情報関連空間を作成する。この場合、情報関連空間作成手段1は、例えば、写像空間上にマッピングされる各要素に、リンク先のノードを示すリンク情報を付加することによって、ノードとノードとをリンクさせる。なお、このリンクの有無は、ノード間の意味的な距離が近いか否かとは関係がない。
図2は、情報関連空間作成手段1が作成する情報関連空間の概念を示す説明図である。なお、図2は、軸が2次元である写像空間を用いた情報関連空間の概念を示したものに相当する。例えば、図2において、種類Aのノードは、情報蓄積部6に格納されているファイルを示す。また、種類Bのノードは、ユーザを示す。そして、ノード間を接続している直線は、両ノードがリンク関係にあることを示す。なお、2次元の写像空間を用いる場合に限らず、情報関連空間作成手段1は、3次元以上の写像空間を用いて情報関連空間を作成してもよい。
図2に示す例では、関連するユーザノード間がリンクされている。例えば、上司と部下の関係にあるユーザ間がリンクされている。また、関連するファイルノード間がリンクされている。例えば、同じユーザが同時に開いた(所定期間以内に開いた)ファイルノード間がリンクされている。そして、リンクの有無を、後述する情報関連空間操作に影響させることにより、意味的な近さと関係の有無を情報関連空間上に情報として保持することが可能になる。
また、ユーザ(実在する人間)を1つのノードとして扱ってもよいが、複数のユーザからなるグループ等を1つのノードとして扱ってもよい。また、ユーザが実在する人間でなく、実在しない仮想的な人物をユーザとして扱ってもよい。さらに、1人の人間を複数のユーザとして扱ってもよい。
また、本実施の形態では、情報管理システムは、後述するように、情報の属性を示すパラメータを設定するパラメータ設定手段21を備える。そして、情報関連空間作成手段1は、設定したパラメータに基づいて、情報関連空間を生成する。
また、本実施の形態では、情報関連空間作成手段1は、ユーザ及び検索対象の情報をノードとして、各ノードのパラメータに所定の重み付けを行う重み付け手段(具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される)を備える。すなわち、情報関連空間作成手段1は、各ノードのパラメータに所定の重み付けを行うことによって、情報関連空間を生成する。
また、本実施の形態では、情報関連空間作成手段1は、ユーザ及び検索対象の情報の関連性を示す情報として、数次元の仮想空間上に検索対象の情報を示すノードを配置した情報関連空間を生成する。また、情報関連空間作成手段1は、ユーザを示すノードを数次元の仮想空間に配置した情報関連空間を生成する。また、情報関連空間作成手段1は、数次元の仮想空間上に配置されるノードを移動させることによって、情報関連空間を更新する。
また、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2から受け取った情報又は指示に従って、情報関連空間上のノードの位置の変動(更新)を行う機能を備える。本実施の形態では、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2からの指示に従って、各ノードの重み付けを変更することによって、情報関連空間を生成しなおす。この変動処理において、情報関連空間作成手段1は、ノード位置を変動する毎に、情報関連空間を新たに算出してもよい。また、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間作成手段1が備える記憶手段に記録(記憶)している情報関連空間を用いて、情報関連空間を算出しなおしてもよい。すなわち、この場合、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2から受け取った情報又は指示に従って、記憶手段に記憶している情報関連空間を更新する。また、この機能は、パラメータ設定手段21が、パラメータを更新することにより実現してもよい。
なお、記憶手段が記録する情報関連空間を用いることにより、情報関連空間を算出する計算量を低減することができ、後述する表示画面の作成の処理に必要な時間を短縮することができる。また、過去の情報関連空間を記憶しておくことによって、過去の時点の情報関連空間を利用して情報を検索することができ、ユーザにとって検索効率が向上する。
ユーザインタフェース部11は、入力受付手段12及び表示画面作成手段3を含む。ユーザインタフェース部11は、ユーザの指示による入出力を受け付け、情報蓄積部6内の情報を検索する機能を備える。入力受付手段12は、情報関連空間操作手段2及び視野操作手段4を含む。入力受付手段12は、ユーザの指示に従って入力を入力手段7から受け付け、必要に応じて表示画面作成手段3に表示画面の画面情報の再作成を行わせる機能を備える。
情報関連空間操作手段2は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。情報関連空間操作手段2は、情報関連空間に影響を与え、情報関連空間上のノードの位置を変動させる機能を備える。本実施の形態では、情報関連空間操作手段2は、情報関連空間作成手段1に対して、情報関連空間の変動処理実行の指示を行う。すなわち、情報関連空間操作手段2は、所定のタイミングで、情報関連空間の更新を情報関連空間作成手段1に指示する。
また、情報関連空間操作手段2は、ユーザが情報関連空間上のノードの位置を直接変動させる指示を与えるためのインタフェースを実現するものであってもよい。この場合、ユーザは、例えば、入力手段7を操作して、情報関連空間上のノードの位置の変動を指示する。そして、情報関連空間操作手段2は、ユーザの入力指示に従って、情報関連空間の変動処理実行を情報関連空間作成手段1に指示する。また、情報関連空間操作手段2は、時間経過等のユーザと関わりない事柄に基づいて、情報関連空間を変動させる指示を情報関連空間作成手段1に与えてもよい。
また、情報関連空間操作手段2は、入力手段7から入力された操作に基づいて、情報関連空間を変動するイベントを検知(検出)して、情報関連空間の変動指示を与える機能を備える。この場合、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2からの変動指示に従って、情報関連空間に含まれる各ノードのパラメータに所定の重み付けを行うことによって、情報関連空間を更新する。
情報関連空間を変動するイベントとして、例えば、ユーザがファイルの検索動作を行う際に、ファイルの属性情報から重視する情報を選択するイベントがある。この場合、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2からの指示に従って、ユーザが選択した属性情報の影響が大きくなるよう、情報関連空間の作成方法を変更し、情報関連空間を更新する。
情報関連空間を変動するイベントとして、例えば、ユーザがファイルの編集操作を行ったことによるイベントがある。この場合、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2からの指示に従って、ユーザノードと編集対象のファイルのノードとの距離が短くなる(すなわち、関連性が高くなる)ように、各ノードに重み付けを行って写像する。また、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2からの指示に従って、同時期(所定期間内)に編集された複数ファイルのノード間の距離が短くなるように、各ノードに重み付けを行って写像する。なお、それらの処理を、情報関連空間操作手段2が行うのではなく、パラメータ設定手段21が行うパラメータ更新と、それを反映した情報関連空間作成手段1の写像により実現してもよい。
情報関連空間を変動するイベントとして、例えば、時間が経過することによるイベントがある。この場合、例えば、ファイルが所定期間にわたって編集又は閲覧されなかったことが検出されると、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2からの指示に従って、ユーザノードとファイルノードとの距離が長くなる(すなわち、関連性が低くなる)ように、各ノードに重み付けを行う。また、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2からの指示に従って、例えば、定期的に(例えば、毎週1回)編集されるファイル(又は、ディレクトリ)がある場合、それら定期的に編集されるファイルのノードとユーザノートとの距離が短くなるように、各ノードに重み付けを行う。なお、それらの処理を、情報関連空間操作手段2が行うのではなく、パラメータ設定手段21が行うパラメータ更新と、それを反映した情報関連空間作成手段1の写像により実現してもよい。
情報関連空間の変動機能を備えることによって、ファイルの現在の名称が最初に付けた時点の名称と一致しない場合であっても、情報関連空間の変動処理が繰り返し実行されることによって、情報関連空間上のノード位置として適切な位置にファイルが配置される。そのため、ユーザは、ファイル名等を定期的にメンテナンスする必要がない。また、情報関連空間操作手段2を備えることによって、ファイル操作等に基づいて自動的に情報関連空間の適切な位置にファイルが配置されるので、ユーザは、ファイル名等を必ずしも付ける必要がない。なお、それらの効果は、情報関連空間操作手段2ではなく、パラメータ設定手段21が行うパラメータ更新と、それを反映した情報関連空間作成手段1の写像により実現しても得られる。
表示画面作成手段3は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。表示画面作成手段3は、情報関連空間作成手段1が作成した情報関連空間に基づいて、ユーザに対して情報を表示するための表示画面の画面情報を作成する機能を備える。この場合、表示画面作成手段3は、視野操作手段4に指定された指定情報に従って、情報関連空間に含まれる情報を表示するための表示画面の画面情報を作成する。また、表示画面作成手段3は、視野操作手段4によって指定情報を指定されていない場合には、予め定められた設定情報に基づいて、表示画面の画面情報を作成すればよい。
なお、本実施の形態では、情報関連空間に含まれる情報を表示するための表示画面をディスプレイ装置等に表示する場合を説明するが、情報管理システムは、情報関連空間に含まれる情報を含む所定の出力ファイルを生成するものであってもよい。
視野操作手段4は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。視野操作手段4は、ユーザに対して表示するための表示画面の視野(すなわち、情報関連空間から抽出した情報を表示するための表示画面の表示範囲や内容)を調整するための指定情報(以下、視野指定情報ともいう)を作成する機能を備える。すなわち、視野操作手段4は、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を設定する。
また、視野操作手段4は、作成した視野指定情報を、表示画面作成手段3に渡す機能を備える。本実施の形態では、視野操作手段4は、ユーザの明示的な入力情報や、システム時間等のユーザにとって非明示的な事象に基づいて、表示画面の視野を調整するための指示を表示画面作成手段3に渡す。
また、視野操作手段4は、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視点を選択する機能を備える。なお、表示画面作成手段3は、情報関連空間に含まれる情報のうち、視野操作手段4が選択した視点から所定距離以内に含まれる情報を表示するための表示画面の画面情報を作成する。あるいは、表示画面作成手段3は、視野操作手段4が選択した視点を中心とした情報関連空間(情報関連空間作成手段1が作成する)の情報から、表示画面の画面情報を作成する。また、視野操作手段4は、情報関連空間を変更(あるいは再算出)させる機能を備えてもよい。情報関連空間操作手段2に対して、情報関連空間の変更指示を与えてもよいし、情報関連空間作成手段1に指示を渡してもよい。
情報蓄積部6は、具体的には、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置によって実現される。情報蓄積部6は、ユーザが検索する対象(検索対象のファイルや情報)を予め蓄積する記憶手段である。例えば、情報蓄積部6は、文書データや図面データ、グラフデータ等のデータを予め蓄積する。なお、この情報蓄積部6に蓄積される情報には、メタ情報が付与されていてもよい。この場合、情報関連空間作成手段1は、情報蓄積部6が蓄積する情報に付与されているメタ情報を利用して、写像を用いて情報関連空間を作成してもよい。
入力手段7は、具体的には、キーボードやマウス等の入力装置によって実現される。入力手段7は、ユーザによるファイル検索やファイル操作、編集等の指示を入力する手段である。
出力手段8は、具体的には、ディスプレイ装置等の表示装置によって実現される。出力手段8は、表示画面作成手段3によって作成された画面情報に基づいて、表示画面をユーザに提示する手段又は装置である。
パラメータ設定手段21は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。パラメータ設定手段21は、入力手段7を介して入力されるユーザの操作に従い、検索対象の情報やユーザの属性情報を設定する。その値はパラメータ記憶部22に記録する機能を備える。
パラメータ記憶部22は、具体的には、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置によって実現される。パラメータ記憶部22は、パラメータ設定手段21によって設定された、検索対象の情報やユーザの属性情報を記憶する。
なお、本実施の形態において、情報管理システムを実現する情報処理装置の記憶装置は、検索対象のファイルや情報を管理するための各種プログラムを記憶している。例えば、情報処理装置の記憶装置は、コンピュータに、情報の属性を示すパラメータを設定する処理と、設定したパラメータに基づいて、写像を用いて、ユーザ及び検索対象の情報の関連性を示す情報である情報関連空間を生成する処理とを実行させるための情報管理用プログラムを記憶している。
次に、動作について説明する。まず、情報関連空間作成手段1が情報関連空間を作成する場合の動作について説明する。情報関連空間作成手段1は、情報蓄積部6に格納されている各種情報要素を写像空間上に配置することによって、情報関連空間を生成する。まず、情報関連空間作成手段1は、情報蓄積部6から情報要素となるデータ自体又はメタ情報を取り出す。そして、情報関連空間作成手段1は、取り出した情報要素の写像空間上の位置を算出し、算出した位置に従って写像空間に配置する。
また、情報関連空間作成手段1は、ユーザに写像空間上の位置決定インタフェースを提示して、写像空間の位置の指示を求めてもよい。この場合、ユーザは、情報処理装置を操作して、各情報要素の初期位置を任意に入力指示する。そして、情報関連空間作成手段1は、ユーザによって指定された初期位置に従って、各情報要素を写像空間上に配置した情報関連空間を生成する。なお、初期位置を任意に指定した場合であっても、情報関連空間の変動処理が繰り返し実行され情報関連空間が更新されることによって、各情報要素(ノード)が適切な位置に配置された情報関連空間が生成されることになる。
そして、情報関連空間作成手段1は、必要に応じて、算出した情報関連空間を所定の記憶箇所(例えば、磁気ディスク装置やメモリの所定の記憶領域)に記録する。なお、情報関連空間作成手段1は、過去に算出し所定の記憶領域に保存した記録(情報関連空間)を加工することによって、情報関連空間を算出してもよい。また、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間を作成する毎に、新たに情報関連空間を算出してもよい。
次に、情報関連空間操作手段2が情報関連空間を修正(更新)する場合の動作について説明する。図3は、情報関連空間を修正する情報関連空間修正処理の一例を示すフローチャートである。まず、情報関連空間操作手段2は、入力手段7からの入力に基づいて、情報関連空間を変動させる契機(例えば、イベント)を検出する(ステップS101)。例えば、情報関連空間操作手段2は、ファイル操作や編集作業等のユーザの指示操作を検出すると、情報関連空間を変動させる契機である(イベントが発生した)と判断する。また、情報関連空間操作手段2は、この情報関連空間の位置変動の契機として、ユーザの指示操作を検出するだけでなく、時間変化等の環境の変化を検出してもよい。
次に、情報関連空間操作手段2はその検出したイベントに基づいて、その検出したイベントで示される情報関連空間の変形処理の実行を、情報関連空間作成手段1に指示する(ステップS102)。すると、情報関連空間作成手段1は、その情報関連空間操作手段2から受け付けた指示に従って、情報関連空間の修正を行う(ステップS103)。この場合、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2からの変動指示に従って、情報関連空間に含まれる各ノードに所定の重み付けを行うことによって、情報関連空間を更新する。
次に、表示画面作成手段3が表示画面の画面情報を作成する動作について説明する。まず、表示画面作成手段3は、情報関連空間作成手段1が作成した情報関連空間を取得する。例えば、表示画面作成手段3は、所定の記憶領域に保存されている情報関連空間を抽出する。次に、表示画面作成手段3は、その取得した情報関連空間に基づいて、ユーザに提示するための表示画面の画面情報を作成又は加工する。そして、表示画面作成手段3は、作成した画面情報を出力手段7に対して提示(出力)する。また、表示画面作成手段3は、視野操作手段4からの入力を受け付けると、表示画面の画面情報の再作成を行う。
また、視野操作手段4は、ユーザからの明示的な指示(例えば、ユーザ操作による入力指示を検出したこと)、又はユーザにとって非明示的な指示(例えば、システム時間に基づいて所定の時間を検出したこと)を検出し、検出した指示情報を表示画面作成手段3に渡す。この場合、表示画面作成手段3は、視野操作手段4からの指示情報に従って、表示画面の画面情報を再作成する。また、出力手段7は、表示画面作成手段3によって再作成された画面情報に基づいて、表示画面の再表示を行う。
次に、ユーザによる情報検索操作が行われたときの情報管理システム全体の動作を説明する。図4は、ユーザによる情報検索操作が行われたときに情報管理システムが行う処理の一例を示すフローチャートである。
まず、情報管理システムの情報関連空間作成手段1は、情報蓄積部6が蓄積する情報(又はメタ情報)に基づいて、写像を用いて情報関連空間を作成する(ステップS201)。なお、情報関連空間作成手段1は、毎回(ユーザによる情報検索操作毎に)情報関連空間の作成を行う必要はなく、ノードが追加されたときに過去の情報を修正して情報関連空間を更新してもよい。また、情報関連空間作成手段1が情報関連空間を記録する契機は、任意のタイミングでよい。また、過去のいつの時点の情報関連空間を記録するかについても、情報関連空間作成手段1は、任意の時点の情報関連空間を記録してよい。
次に、ユーザは、表示画面の視野を調整したい場合、入力手段7を操作して視野の指定を入力指示する。すると、視野操作手段4は、ユーザによって入力手段7を用いて入力された情報に基づいて、視野決定のための視野指定情報を作成する。そして、視野操作手段4は、作成した視野指定情報を表示画面作成手段3に渡す(ステップS202)。なお、視野操作手段4は、ユーザによる入力手段7からの明示的な入力指示を用いるだけでなく、情報管理システムに予め定められた標準情報、又は過去に入力された情報を用いて、視野指定情報を作成してもよい。また、視野操作手段4は、その都度(ユーザによる情報検索操作毎に)、ユーザによる明示的な入力指示に基づいて視野指定情報を決定してもよい。
次に、表示画面作成手段3は、情報関連空間作成手段1から写像空間情報(情報関連空間)を受け取る。例えば、表示画面作成手段3は、視野操作手段4から視野指定情報を入力すると、情報関連空間作成手段1に情報関連空間を要求する。また、情報関連空間作成手段1は、表示画面作成手段3からの要求に応じて、所定の記憶領域から情報関連空間を抽出する。そして、情報関連空間作成手段1は、抽出した情報関連空間を表示画面作成手段3に渡す。
また、表示画面作成手段3は、ステップS202で得られた(視野操作手段4から入力した)視野決定のための視野指定情報と、情報関連空間とに基づいて、表示画面の画面情報を作成する。また、表示画面作成手段3は、作成した表示画面の画面情報を出力手段8に渡す(ステップS203)。そして、出力手段8は、受け取った(入力した)画面情報に基づいて、表示画面を描画(出力)する(ステップS204)。例えば、出力手段8は、画面情報に基づいて、ディスプレイ装置等の表示装置に表示画面を表示する。
ユーザは、出力手段8が出力する出力画面を閲覧し、入力手段7を用いて操作を行う。情報関連空間操作手段2は、ユーザ操作によってイベントが発生したか否かを判断する。イベントが発生したと判断すると、情報関連空間操作手段2は、入力手段7からのユーザ操作によって、表示画面を更新すべきイベントが発生したか否かを判断する。また、視野操作手段4は、ユーザ操作によってイベントが発生したか否かを判断する。イベントが発生したと判断すると、視野操作手段4は、入力手段7からのユーザ操作によって、表示画面を更新すべきイベントが発生したか否かを判断する(ステップS205)。
発生したイベントが情報関連空間に基づいて表示画面を更新するイベントでないと判断した場合には、情報関連空間操作手段2は、その発生したイベントが情報関連空間を変動するイベントであるか否かを判断する(ステップS206)。ステップS206において、発生したイベントが情報関連空間を変動するイベントでないと判断した場合には、情報管理システムは、情報関連空間を変動するイベント又は表示画面を更新するイベントの待ち状態に移行する(ステップ209)。すなわち、ユーザによる入力手段7からの操作に基づいて、情報関連空間操作手段2又は視野操作手段4が、イベントとして入力を検知することを待つ状態となる。待ち状態に移行すると、情報管理システムは、ステップS205に戻り、ステップS205以降の処理を繰り返し実行する。
ステップS205で表示画面を更新するイベントが発生したと判断すると、情報関連空間操作手段2は、発生したイベントが情報関連空間を変動するイベントであるか否かを判断する(ステップS207)。発生したイベントが情報関連空間を変動させるイベントでないと判断した場合、情報管理システムは、ステップS202の処理に戻り、ステップS202以降の処理を再度実行する。
この表示画面を更新するイベントであるが情報関連空間を変動するイベントでないイベントの例として、視野操作手段4が検出するイベント(すなわち、視野操作手段4だけが検出するイベントであり、情報関連空間操作手段2が検出しないイベント)がある。ここで、この視野操作手段4がイベントを検出した場合について説明する。発生したイベントが視野操作手段4が検出するイベントであった場合、情報管理システムは、この発生したイベントによって変更された視野決定のための視野指定情報に基づいて、ステップS202からS204までの処理を再度行う。
ステップS207で情報関連空間を変動させるイベントであると判断した場合(すなわち、情報関連空間操作手段2が検出するイベントであると判断した場合)には、情報管理システムは、ステップS208に移行し、図3で示した情報関連空間修正処理を実行する。この場合、情報管理システムは、図3で示したステップS101からS103までの処理を行って、ステップS202に戻る。そして、情報管理システムは、ステップS202以降の処理を繰り返し実行する。
また、ステップS206で情報関連空間を変動させるイベントであると判断した場合も、情報管理システムは、ステップS207で情報関連空間を変動させるイベントであると判断した場合と同様に、ステップS208の情報関連空間修正処理を行う。なお、図4に示すフローチャートでは、情報管理システムは、情報関連空間の変動が行われた際に、再度の表示画面の画面情報の作成を行っているが、表示画面の画面情報の作成を情報関連空間の変動と非同期的に行ってもよい。すなわち、情報関連空間を変動させても、情報管理システムは、直ちに現在の表示画面に影響させないようにしてもよく、次回表示画面を描画(表示)する機会や、後日の情報検索等のユーザ利用の際にのみ、情報関連空間の変動結果を表示画面に反映させるようにしてもよい。
ステップS205で表示画面を更新すべきイベントとして検出され、ステップS207で情報関連空間を変動する必要がないイベントとして検出されるイベントの具体例として、視点を変更するイベントや視野を変更するイベントがある。始点を変更するイベントは、ユーザが視点を変更する操作をユーザインタフェースを介して行ったときに発生し、視野変更手段4によって検出される。また、視野を変更するイベントは、ユーザが視野を変更する操作をユーザインタフェースを介して行ったときに発生し、視野変更手段4によって検出される。
また、ステップS205で表示画面を更新すべきイベントとして検出され、ステップS207で情報関連空間を変動する必要があるイベントとして検出されるイベントの具体例として、情報関連空間変動イベントがある。情報関連空間変動イベントは、情報関連空間操作手段2により重みを変動するイベントであり、情報関連空間操作手段2によって検出される。
また、ステップS205で表示画面を更新すべきイベントとして検出されず、ステップS206で情報関連空間を変動する必要があるイベントとして検出されるイベントの具体例として、パラメータを変更するイベントがある。パラメータを変更するイベントは、パラメータ設定手段21がパラメータを変更するときのイベントである。この場合、情報関連空間作成手段1が既存の情報関連空間を再計算するタイミングは自由であり、パラメータが変更された時に再計算してもよいし、パラメータ変更と関係のない任意のタイミングで再計算してもよい。
なお、上記のイベントは、ステップS205でNoと判定されるが、パラメータが変更される度にリアルタイムに情報関連空間を計算しなおして、表示画面を更新してもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、情報管理システムは、ユーザの動作に従って、写像空間を用いて、ユーザ及び情報の関連性を示した情報関連空間を作成する。また、情報管理システムは、その作成した情報関連空間を利用して、ユーザやファイルに関連性の高い情報を抽出し表示することができる。そのため、ユーザによって入力された通常の検索条件(例えば、入力キーワード)には適合せず表示されない情報であっても、相互に関連性が高く共に利用する可能性がある情報をユーザに提示することができる。すなわち、ユーザの操作に伴い関連性のある情報を提示できるので、ユーザが認識していないがユーザにとって有用である情報を、容易に発見することができる。従って、ユーザに関連した情報を提供するとともに、ユーザに有用な情報を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、ユーザと情報との関連性に限らず、ユーザ同士の関連性や情報同士の関連性を示す情報関連空間を生成し、生成した情報関連空間に基づいてユーザに情報を提示できる。そのため、ユーザと関連性のある情報に限らず、情報間に関連性のある有用な情報をユーザに提供することができる。
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。図5は、情報管理システムの他の構成例を示すブロック図である。図5に示すように、本実施の形態では、情報管理システムが、図1で示した構成要素に加えて課金情報記憶部9を含む点で、第1の実施の形態と異なる。また、本実施の形態では、情報管理システムにおいて、情報関連空間操作手段2及び表示画面作成手段3の機能が、第1の実施の形態で示したそれらの機能と異なる。なお、本実施の形態で示す情報管理システムの構成は、課金情報記憶部9を備えることを除いて、第1の実施の形態で示した情報管理システムの構成と同様である。
なお、本実施の形態に示す情報管理システムは、例えば、所定の利用料金の支払いを条件として情報検索サービスを提供するビジネスモデルに適用可能である。
課金情報記憶部9は、具体的には、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置によって実現される。課金情報記憶部9は、ユーザの課金情報を記録する記憶手段である。なお、課金情報記憶部9は、現実の貨幣に相当する値(例えば、円やドル)を示す課金情報を記憶してもよいし、仮想世界でのみ利用できる仮想貨幣を示す課金情報を記憶してもよい。
表示画面作成手段3は、課金情報記憶部9から課金情報を受け取り(抽出し)、ユーザが利用する情報関連空間に基づく表示画面の画面情報の作成方法を変更する機能を備える。また、表示画面作成手段3は、変更後の作成方法に従って、表示画面の画面情報を作成する機能を備える。なお、課金情報に基づいて表示画面の画面情報の作成方法を変更する機能以外の表示画面作成手段3の機能は、第1の実施の形態で示した表示画面作成手段3の機能と同様である。
情報関連空間操作手段2は、課金情報記憶部9に記録されている課金情報に基づいて、情報関連空間の変形方法を変更する機能を備える。なお、課金情報に基づいて情報関連空間の変形方法を変更する機能以外の情報関連空間操作手段2の機能は、第1の実施の形態で示した情報関連空間操作手段2の機能と同様である。
また、本実施の形態では、情報管理システムは、入力手段7を用いてユーザがある特定の操作を行うと、課金情報記憶部9が記憶する課金情報を更新する。例えば、情報管理システムは、ユーザ操作(例えば、情報検索操作)によって利用料金が発生すると、発生した利用料金に基づいて、課金情報記憶部9が記憶する課金情報を更新する。
次に、具体的な実施例を用いて情報管理システムの動作を説明する。情報蓄積部6は、例えば、ユーザが保持するパーソナルコンピュータのハードディスク装置や、NAS(Network Attached Storage)等の外部装置である。この場合、情報蓄積部6は、検索対象の情報として、ファイルやディレクトリ(ディレクトリ単位で格納される情報群)を格納する。
また、情報蓄積部6は、例えば、検索エンジンを実現するネットワーク上のサーバのデータベース装置である。この場合、情報蓄積部6は、検索対象の情報として、ユーザによって閲覧されたWebページのキャッシュ(検索エンジンがWebページの検索結果を作成する際に各Webページの内容を保存したデータ)を蓄積する。また、情報蓄積部6は、例えば、WWWサーバのデータベース装置である。この場合、情報蓄積部6は、検索対象の情報として、WWWサーバ上に保持されるWebページの情報や各種ファイル(HTML以外のデータ形式のファイルや画像等も含む)を蓄積する。
入力手段7は、例えば、外部装置として、キーボードやマウス、タッチパネル等のユーザがコンピュータ等に入力指示を与えるための入力装置である。また、論理的な入力手段として、ファイル探索を行うGUI(グラフィカルユーザインタフェース)上での操作や、CUI(キャラクタユーザインタフェース)上での操作、Webブラウザ上での検索キーワード入力やクリック操作等を実現するものが挙げられる。この場合、情報管理システムは、GUIやCUI、ブラウザの表示画面をディスプレイ装置等の表示装置に表示する。そして、情報管理システムは、ユーザ操作に従って、キーボートやマウス等の入力装置から各種情報を入力する。
出力手段8は、例えば、外部装置として、ディスプレイ装置等のコンピュータの応答内容を表示する表示装置である。また、論理的な出力手段として、ディスプレイ装置上にGUIやCUI、Webブラウザを用いた表示を実現するインタフェース等が挙げられる。
情報関連空間上のノードとなる要素は、例えば、ユーザが利用するファイル(テキストファイルや、ワードプロセッサソフトウェア用ファイル、画像ファイル、図面作成用ファイル)である。また、ノードとなる要素は、例えば、ユーザが閲覧した過去のWebページの情報である。また、ノードとなる要素は、例えば、WWWサーバ上に存在するWebページの情報や各種ファイルである。さらに、ノードとなる要素は、Webサービス等で提供されるサービスプログラムや、プログラムへのポインタ等である。また、情報管理システムは、過去の情報関連空間をノードとして、別の情報関連空間に置いてもよい。
探索対象となるノードは、所定のパラメータをもつ。以下、各ノードが含むパラメータについて説明する。なお、各ノードは、これらのパラメータを全て保持してもよい。また、各ノードは、いくつかのパラメータを選択して保持してもよく、全く別のパラメータを保持してもよい。
各ノードは、時間に関するパラメータ(時間パラメータともいう)を含む。例えば、各ノードは、時間パラメータとして、ノードに対してアクションがなされたときの時刻情報を含む。例えば、ファイルのノードの場合、ノードは、ファイルアクセス(更新や閲覧)された時刻を記録する。なお、ノードは、そのアクションを行ったユーザを示すパラメータとともに、時間パラメータを記録してもよい。
また、各ノードは、ユーザに関するパラメータ(ユーザパラメータともいう)を含む。例えば、各ノードは、ユーザパラメータとして、ノードに対してアクションを行ったユーザを示すユーザ情報(例えば、ユーザID)を含む。例えば、ファイルのノードの場合、ノードは、ファイルアクセスを行ったユーザの情報を記録する。この場合、ノードは、ユーザパラメータ「ユーザA:4回、ユーザB:1回」を記録する。また、ノードは、単にアクションの回数だけを記録するのでなく、ユーザパラメータ「ユーザA:閲覧1回,更新3回、ユーザB:閲覧1回」を記録する等のように、より詳細な情報としてユーザパラメータを保持してもよい。
また、各ノードは、他ノードとの関連性を示すパラメータ(関連パラメータともいう)を含む。例えば、各ノードは、関連パラメータとして、他ノードとの関係性の強さを示す値を含む。例えば、あるファイルのノードと他のファイルのノードとの場合、各ノードは、あるユーザによって同時期(例えば、所定期間内)に編集や閲覧等された場合に関連性を示す値を増加させた関連パラメータを含む。例えば、ファイルAとファイルBとが、あるユーザに一定期間の間に閲覧又は編集されたとする。この場合、ファイルAのノードは、関連パラメータとして、「ファイルB:1」と記録する。その後、ファイルCとファイルAとが同時期に閲覧又は編集された場合、ファイルAのノードは、関連パラメータとして、「ファイルB:1,ファイルC:1」と記録する。さらに、その後、ファイルBとファイルAとが同時期に閲覧又は編集された場合、ファイルAのノードは、関連パラメータとして、「ファイルB:1,ファイルC:1」と記録する。
また、各ノードは、ユーザノードが保有するパラメータとして、ユーザの操作履歴や作業履歴を示すパラメータを含んでもよい。この場合、各ノードは、ユーザが編集や閲覧を行ったファイル(ノード)の情報や参照履歴を、時間と合わせて記録してもよい。また、各ノードは、所属やグループ等のメタ情報をパラメータとして含んでもよい。この場合、各ノードは、ユーザ自身の所属するグループ等のメタ情報をパラメータとして保持してもよい。また、各ノードは、ユーザの役割を示すパラメータを含んでもよい。この場合、ユーザの役割毎にノードをもち、各ノードは、役割毎にパラメータを保有する。そして、情報関連空間の算出には役割毎のパラメータが利用される。また、場合によっては、同一ユーザの複数役割を示すパラメータを全て統合した値を情報関連空間の算出に用いてもよい。
また、各ノードは、検索対象の情報のパラメータとして、編集履歴やアクセス履歴を含んでもよい。この場合、各ノードは、ノードに対してアクションが起こされた履歴情報や時刻情報等を含んでもよい。また、各ノードは、編集やアクセスの頻度を示すパラメータを含んでもよい。この場合、各ノードは、ノードに対してアクションを起こしたユーザ情報や、アクセスコントロールのためのパラメータを含んでもよい。また、各ノードは、アクセスコントロール情報(ユーザやグループ毎にアクセス許可を行うか否か等の情報)や、ノードに対してアクションを起こした時刻情報を含んでもよい。
これらのパラメータ値は、パラメータ記憶部22に記憶される。また、パラメータ設定手段21が、ユーザのアクションに従い、ノードのパラメータを更新する機能を果たす。
次に、情報関連空間作成手段1が写像を用いて情報関連空間を作成する場合の具体例を説明する。情報関連空間を作成する場合、情報関連空間作成手段1は、下記の写像方法を単一的に利用してもよいし、組み合わせて利用してもよい。例えば、ノードとしてオフィス文書等の文書ファイルを用いる場合には、ある所定の方法を用いて、情報関連空間を作成し、ノードとして閲覧Webページ等を用いる場合には、文書ファイルで用いた方法とは別の方法を用いて、情報関連空間を作成してもよい。
ここで、情報関連空間作成手段1が検索対象の情報やユーザを写像空間へ写像する方法、像変換方法(情報関連空間作成方法)について具体的に説明する。以下、情報関連空間作成手段1が、前述した各ノードが保有するパラメータを用いて情報関連空間を作成する方法について説明する。なお、情報関連空間作成手段1が、情報関連空間を作成する具体例である。算出に必要なパラメータの値はパラメータ記憶部22に記録されており、その値を参照して算出する。まず、一例として、ユーザAのノードを中心として情報関連空間を作成する情報関連空間作成方法を説明する。
本例では、時間に関する重み(時間重み係数ともいう)をwtとし、ユーザに関する重み(ユーザ重み係数ともいう)をwuとする。また、現在時刻をtとし、ノード(ユーザAのノード)の最終閲覧時刻(前述した時間に関するパラメータ(時間パラメータ)から求められる)をtnとする。また、ノードのユーザAのアクション頻度(前述したユーザに関するパラメータ(ユーザパラメータ)から求められる)をunaとする。この場合、情報関連空間作成手段1は、ユーザAを中心とした各ノードのベクトルvnを、式(1)を用いて求めることができる。このベクトルvnを求める処理を、各ノードをユーザAの情報関連空間への写像と呼ぶ。
このベクトルvnが、ユーザAを中心とした情報関連空間上でのノードの位置を示すベクトルとなる。重みwt,wuの初期値は、いずれかの軸(本例では、時間とユーザとの関連性)の影響が強すぎる状態とならないように設定すればよい。なお、時間重み係数wtとユーザ重み係数wuとは、その数値が大きいほど、それぞれのパラメータの影響が大きくなる。このwt,wuの値を変更することによって、故意に何らかのパラメータの影響を強くすることができる。また、実際に、ユーザ操作に従って、wt,wuの値を変更することができる。
また、ベクトルvnの長さ絶対値vnが、各ノードとユーザAとの情報関連空間上の距離を表すことになる。情報関連空間作成手段1は、情報関連空間上の距離である絶対値vnを式(2)を用いて求めることができる。
情報関連空間作成手段1は、式(2)を用いて求めた距離が一定値(所定のしきい値)以下のノードを、ユーザAの関連情報として特定する。なお、この距離に基づいて関連情報を特定するためのしきい値も、ユーザが調整(ユーザ操作に従って変更)できるようにしてもよい。
次に、ファイルBのノードを中心として情報関連空間を作成する方法について説明する。本例では、時間に関する重み(時間重み係数ともいう)をwtとし、ノード関係に関する重み(ノード重み係数ともいう)をwRとする。また、ファイルBの最終更新時刻(又は、最終閲覧時刻。前述した時間に関するパラメータ(時間パラメータ)から求められる)をtbとし、ノードの最終閲覧時刻(前述した時間に関するパラメータ(時間パラメータ)から求められる)をtnとする。また、ノードのファイルBとの関連性頻度(前述した他ノードとの関連性を示すパラメータ(関連パラメータ)から求められる)をRbとする。この場合、情報関連空間作成手段1は、ファイルBを中心とした時の各ノードのベクトルvnbを、式(3)を用いて求めることができる。このベクトルvnbを求める処理を、各ノードのファイルBの情報関連空間への写像と呼ぶ。
このベクトルvnbが、ファイルBを中心とした情報関連空間上でのノードの位置を示すベクトルとなる。重みwt,wRの初期値は、いずれかの軸(本例では、時間とユーザとの関連性)の影響が強すぎる状態とならないように設定すればよい。なお、時間重み係数wtとノード重み係数wRとは、その数値が大きいほど、それぞれのパラメータの影響が大きくなる。このwt,wRの値を変更することによって、故意に何らかのパラメータの影響を強くすることができる。また、実際に、ユーザ操作に従って、wt,wRの値を変更することができる。
また、ベクトルvnbの長さ絶対値vnbが、各ノードとファイルBとの情報関連空間上の距離を表すことになる。情報関連空間作成手段1は、情報関連空間上の距離である絶対値vnbを式(4)を用いて求めることができる。
情報関連空間作成手段1は、式(4)を用いて求めた距離が一定値(所定のしきい値)以下のノードを、ファイルBの関連情報として特定する。なお、この距離に基づいて関連情報を特定するためのしきい値も、ユーザが調整(ユーザ操作に従って変更)できるようにしてもよい。
なお、本例では、式(3),(4)を用いてノードがファイルである時を想定して情報関連空間を作成する場合を説明したが、情報関連空間の作成方法は、本例で示した方法に限られない。例えば、他ユーザのファイルBに対するアクション時刻(時間に関するパラメータ(時間パラメータ)から算出可能)をtbとし、他ユーザのファイルBに対するアクション頻度(ユーザに関するパラメータ(ユーザパラメータ)から算出可能)をRbとする。そして、情報関連空間作成手段1は、式(4)におけるwRをwuに変更した式を用いて、ノードがユーザである場合であっても、情報関連空間上の距離を算出できる。
また、例えば、ユーザAの情報関連空間上で、一定距離内にファイルBが存在するとする。この場合、情報関連空間作成手段1は、ファイルBを中心とした情報関連空間上で近隣に存在する別のノード(ファイルC)を、元のユーザAの関連情報として特定し提示してもよい。また、この場合、情報関連空間作成手段1は、ユーザAからの距離を、式(5)を用いて求めることができる。
情報関連空間作成手段1は、式(5)を用いて求めた距離が所定のしきい値以下である場合に、ノードを関連情報として特定すればよい。また、情報関連空間作成手段1は、さらにファイルCの情報関連空間を算出して、ファイルCの情報関連空間上で近隣に存在するファイルを特定し提示することもできる。
なお、上記の算出方法に従って情報関連空間の算出を行うと、ファイルCの近隣にある別ノードの情報関連空間をまた算出して、さらに近隣にある別ノードの情報関連空間を繰り返し算出するというように何次元も先の関連空間を作成する必要があるように見える。この場合、情報関連空間作成手段1は、全ての関係する情報関連空間を計算してもよいし、例えば、孫関係(本例では、ファイルCが孫にあたる)までの情報関連空間を算出するというように、情報関連空間を生成する範囲を制限して、情報関連空間を計算してもよい。
次に、表示画面作成手段3が表示画面の画面情報を作成する具体例を説明する。表示画面作成手段3は、以下に示す手順に従って、情報関連空間から情報を抽出して、表示画面の画面情報を作成する。又は、表示画面作成手段3は、情報関連空間から情報を抽出して、既存の表示画面の画面情報に対して加工を施す。
図6は、表示画面作成手段3が作成(又は画面加工)した画面情報に基づく表示画面の例を示す説明図である。図6に示す例では、出力手段8は、あるディレクトリのノード(又はディレクトリに格納されているファイルのノード)の近辺(例えば、写像空間上で所定距離以内)にあるノードの情報を、関連ファイルとして表示している。また、本例では、写像空間上で「 /研究活動 /テーマA /実験」のディレクトリを示すノード(又はそのディレクトリに格納されているファイルのノード)の近辺(ある所定距離以内にあるノードを近辺とする)に「報告書ディレクトリ」、「レポート」及び「関連Web」のノードがある。そして、出力手段8は、それらのノードを含む表示画面を表示している。
また、図7は、視野操作手段4によって視野調整された画面情報に基づく表示画面の例を示す説明図である。図7は、図6に示す表示画面の画面情報に対して、ユーザによる視野操作が行われた場合の表示画面に相当する。図7に示す例では、ウィンドゥ下部のスライダ81が視野操作手段4によって実現されるユーザインタフェースに相当する。
本実施例では、ユーザは、図7に示す表示画面に含まれるスライダ81の調整ボタン82を、マウス等を用いて左右にスライドさせることによって、表示画面の視野を変更する。このスライダ81を横に広げると(本例では、調整ボタン82を右方向に移動させると)、ノードの近辺として扱う距離(視野という)を拡大することができる。すなわち、本実施例では、表示画面作成手段3は、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を変更するためのスライダ(視野調整部)81を含む表示画面の画面情報を生成する。そして、視野操作手段4は、ユーザによって表示画面のスライダ81から入力された変更指示に従って、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視野範囲を変更する。
本実施例では、視野を変更する前(すなわち、図6に示す表示画面の状態)では、図8(a)に示すように、情報関連空間のうち、ノードとして「実験」、「レポート」、「報告書」及び「関連Web」を視野範囲91に含む表示画面が表示される。そして、視野を広げたことによって、図8(b)に示すように、「事前実験報告」ノードが新たに近辺として扱われ、視野範囲92に含まれるようになり、関連ファイルとして表示されている。なお、図7に示すスライドバー(スライダ81)が視野操作手段4の実施例である。
また、本実施例では、視野範囲が写像空間上であるノードを中心とした同心円内(写像空間が3次元である場合には球体内)であるとして、その円内(又は球体内)にあるノードを近辺として扱ったが、視野範囲をそのノードを頂点とした扇形としてもよい。この場合、写像空間上である所定方向を見た場合の扇形の範囲を近辺として扱ってもよく、視野の形状は問わない。
ここで、視野変更の動作について具体的に説明する。本実施例において、情報管理システムは、ユーザがディレクトリ検索を行う際に、その検索対象のディレクトリに関する関連情報を提示することによって、ユーザの検索操作の支援を行う。
例えば、ユーザによって「/研究活動/テーマA/実験」ディレクトリにアクセスされると、情報管理システムは、図6に示す表示画面を表示する。このディレクトリ「/研究活動/テーマA/実験」には、「生データ」,「生データ2」ディレクトリと、「解析1」,「解析2」のファイルとが含まれる。そして、情報関連空間作成手段1は、前述した方法に従い、「/研究活動/テーマA/実験」ディレクトリの情報関連空間を作成する。また、表示画面作成手段3は、情報関連空間上において距離がある一定値(以下、しきい値xとする)以内であるノード(本例では、「報告書ディレクトリ」、「レポート」及び「関連Web」)を関連ファイルとして提示するための表示画面の画面情報を生成する。そして、出力手段8は、生成した画面情報に基づいて、図6に示す表示画面を表示する。
この場合、ユーザは、しきい値xをスライドバー81を用いて変更することができる。本例では、ユーザの操作に従って、図7に示すように、スライドバー81を用いて視野範囲を変更された表示画面が表示される。この場合、スライドバー81を操作することにより、しきい値xを大きな値に変更すると、ノードの距離x以内に新たに含まれるようになったノード「事前実験報告」が、関連ファイルとして新たに表示される。
なお、本例では、「/研究活動/テーマA/実験」ディレクトリを中心とする情報関連空間を作成したが、ファイル検索を行うユーザを中心とした情報関連空間を作成してもよい。この場合、その情報関連空間上における「/研究活動/テーマA/実験」ディレクトリノードからの距離が、しきい値以下であるノードを関連情報として提示してもよい。また、情報関連空間作成手段1は、この場合のノード間の距離を、2つのベクトル間の距離を算出することで求めることができる。
次に、視野操作手段4の動作の他の具体例、及び表示画面作成手段3が表示画面の画面情報を作成する他の具体例を説明する。なお、これらの具体例の組み合わせは自由であり、本実施例で説明した以外の視野操作手段4と表示画面作成手段3との具体例を組み合わせてもよい。
まず、Microsoft Windows (登録商標)のエクスプローラ等に代表されるGUIのファイル探索ツールが、視野操作手段4によって実現されるユーザインタフェースの他の具体例となりうる。この場合、ユーザは、ファイル検索ツールを用いて、入力手段7を操作して、ディレクトリ又はファイル等を開く操作や、アイコンにポインタを当てて選択する操作等を行う。また、ユーザによってこれらの操作が行われると、視野操作手段4は、表示画面作成手段3に指示を渡す。すると、表示画面作成手段3は、情報関連空間上で、ユーザによって選択されたファイルの近辺にあるノードを、関連情報として含むように表示画面の画面情報を作成しなおす。そして、出力手段8は、新たな画面情報に基づいて表示画面を表示する。
また、Webのサーチエンジン等の検索画面も、視野操作手段4によって実現されるユーザインタフェースの他の具体例となる。この場合、ユーザは、入力手段7を操作して、検索画面から検索キーワードを入力する。検索キーワードが入力されると、表示画面作成手段3は、入力されたキーワードに対応する写像空間上の位置を算出し、その算出した位置の近くにあるノードを検索結果として求める。また、表示画面作成手段3は、求めた検索結果を表示するための表示画面の画面情報を作成する。そして、出力手段8は、新たな画面情報に基づいて表示画面を表示する。
出力手段8は、検索結果の表示画面として、例えば、一般的なWebサーチエンジンの出力結果のように順位付けしたリストを含む画面を表示してもよい。また、図9に示すように、出力手段8は、通常の画面に対してキーワードを含むディレクトリやファイル等を強調表示101した表示画面を表示するようにしてもよい。この場合、出力手段8は、例えば、ディレクトリやファイルを示すアイコンや文字色を変えたり、文字の濃淡を変えて表示する等によって、強調表示を行ってもよい。すなわち、情報関連空間上の距離が短いノードを強調表示する。
また、視野の中心となるノードを直接入力するためのインタフェースを、視野操作手段4によって実現されるユーザインタフェースの他の具体例としてもよい。例えば、オペレーティングシステム(OS)等でユーザがログイン操作を行うときに、ユーザは、入力手段7を操作して、自分自身のユーザ名を入力する。この場合、視野操作手段4は、その入力されたユーザ名をそのまま視野の中心のノードとしてもよい。この場合、表示画面作成手段3は、写像空間上でそのユーザ名のノードの近辺にあるノードを、関連情報として含む表示画面の画面情報を作成する。
また、視野の中心となるノードを別途入力するためのインタフェースを、視野操作手段4によって実現されるユーザインタフェースの他の具体例としてもよい。また、他人のユーザ名やファイル等を選択するためのインタフェースを、視野操作手段4によって実現されるユーザインタフェースの他の具体例としてもよい。この場合、視野操作手段4は、ユーザによって入力されたユーザ名やファイル名を表示画面作成手段3に渡す。そして、表示画面作成手段3は、視野操作手段4からのユーザ名やファイル名に基づいて、表示画面の画面情報を作成しなおす。
図10は、ユーザ名が選択された場合の表示画面の具体例を示す説明図である。図10に示す例では、表示画面作成手段3は、入力されたユーザ名のユーザとリンク関係にある同僚や所属グループ、及び写像空間上で距離が近い「Aさん」と「Bさん」を関連情報として抽出し、出力手段8に出力する表示画面の画面情報を作成している。そして、出力手段8は、表示画面作成手段3が作成した画面情報に基づいて、図10に示す表示画面を表示している。
視野操作手段4の実施例の1つとして、ユーザインタフェースを示す。また、ユーザは、他ユーザの視点を用いて、情報の検索を行うことができる。例えば、ユーザは、図10に示すウィンドウ(表示画面)から他のユーザを選択し、情報関連空間上で他のユーザノードの近辺にある情報を閲覧することができる。図10に示す表示画面では、明白に関係するユーザ(例えば、情報関連空間を算出するまでもなく、所属グループが同一である他ユーザや上司等)と、ユーザ自身の情報関連空間で一定距離内(しきい値以下)に存在するユーザ(本例では、「Aさん」と「Bさん」)を表示している。また、ウィンドウの下部に設けられているスライダを用いて、この距離のしきい値を変更することができる。
図10に示すウィンドウから他ユーザが選択されると、情報関連空間作成手段1は、前述した方法に従って、その選択された他ユーザを中心とする情報関連空間を作成しなおす。また、表示画面作成手段3は、作成しなおした情報関連空間に基づいて、その選択された他ユーザから一定値内(所定距離以内)に含まれるノードを提示するための表示画面の画面情報を作成する。そして、出力手段8は、画面情報に基づいて、選択された他ユーザから所定距離以内のノードを含む表示画面を表示する。
すなわち、本実施例では、表示画面作成手段3は、各ノード(本例では、ユーザノード)を示すアイコン(識別情報)を含む表示画面の画面情報を生成する。そして、視野操作手段4は、ユーザによって表示画面からアイコンが選択入力されると、選択入力されたアイコンに対応するノードを、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視点として選択する。
また、視野操作手段4は、ユーザによって直接入力される情報以外の情報を用いてもよい。例えば、視野操作手段4は、日付や時刻等の情報を用いる。この場合、表示画面作成手段3は、視野操作手段4から日付や時刻の情報を受け取り、情報関連空間作成手段1からユーザに対応する過去の情報関連空間の情報を受け取る。そして、表示画面作成手段3は、例えば、同じ時間帯や同じ時期(例えば、月初め)等にユーザノードの近傍にあったノードを関連情報として含む表示画面の画面情報を作成する。例えば、表示画面作成手段3は、単に、写像空間上に記録されたログから同時期に編集されるファイルを関連情報として含む表示画面の画面情報を作成してもよい。
また、表示画面作成手段3は、図11に示すように、情報関連空間作成手段1が作成した情報関連空間そのものを表示するための表示画面の画面情報を作成し、出力手段8に提示(出力)してもよい。そして、出力手段8は、表示画面作成手段3が作成した画面情報に基づいて、図11に示す情報関連空間を含む表示画面を表示してもよい。
また、ユーザは、入力手段7を操作して、情報関連空間を動的に変動させることが可能である。まず、時間を変更することによって、情報関連空間を動的に変動させる場合を説明する。図12及び図13は、ユーザが時間を変更することによって情報関連空間を変更可能な表示画面の例を示す説明図である。
図12は、あるユーザ(例えば、ユーザA)を中心とする情報関連空間から、ユーザAと関連性が高い情報を抽出して表示した表示画面の図である。図12に示すように、本例では、出力手段8が表示する表示画面は、時間を変更するためのスライドバー1301を含む。この場合、ユーザは、表示画面の右側に含まれるスライドバー1301をマウス等で操作することによって、時間を過去に戻すことができる。そして、情報管理システムは、ユーザの時間変更操作に従って、図13に示すように、過去に関連性が高かった情報を提示するための表示画面を表示する。
上記のような時間を変更して情報表示を行う動作を実現する方法として、例えば、以下に示す2つの方法が存在する。例えば、1つ目の方法として、過去の情報関連空間にアクセスすることによる方法がある。また、2つ目の方法として、パラメータを変動させることによる方法がある。
まず、過去の情報関連空間にアクセスすることによる方法(方法1)について説明する。情報管理システムは、ユーザAを中心とした情報関連空間を定期的に作成して記録している。この場合、ユーザによって表示画面の右側に含まれるスライドバー1301が操作されると、情報管理システムは、過去に作成した情報関連空間を呼び出す。そして、情報管理システムは、ユーザによって選択された時間に対応する情報関連空間に基づいて、ユーザによって選択された時間に対応する時点で関連性が高かった情報を含む表示画面を提示(表示)する。この方法1を用いれば、情報関連空間の計算をリアルタイムに行う必要が無いので、関連性が高い情報の提示を行うことが容易であるという効果がある。
次に、パラメータを変動させることによる方法(方法2)について説明する。実施例1で示したように、情報関連空間作成手段1は、式(1),(2)を用いて、ユーザAの情報関連空間を計算する。ここで、実施例1では、情報関連空間作成手段1は、式(1),(2)に含まれるtの値を現在時刻として、情報関連空間を求める場合を説明した。本実施例では、ユーザによって表示画面の右側に含まれるスライドバー1301が変動されると、情報関連空間作成手段1は、このtの値を過去(過去のある時刻)に戻して、情報関連空間の計算を行う。
例えば、方法1を用いた場合、過去の時点から見たその過去の時点における関連情報の提示だけを行えることになる。これに対し、方法2を用いれば、その過去の時点から現在時刻までの行動を踏まえた関連情報を提示することができるという効果がある。例えば、方法2を用いれば、情報管理システムは、スライドバーで指定した過去の時点の直後に利用したファイルも反映した状態で表示画面を表示することができる。なお、図12及び図13に示すスライドバーは、情報関連空間操作手段2の実施例である。
また、ユーザは、情報関連空間を作成する際に、実施例1で説明したパラメータのうち、いずれの値を重視して情報関連空間を計算するかを決定することができる。具体的には、情報関連空間を計算する際に、ユーザは、入力手段7を操作して、式(1)〜(4)の計算の時に、パラメータwt,wu,wRを変更指示する。この場合、これらパラメータの値を大きくするほど、各パラメータの影響が大きくなる。
図14は、重視するパラメータを設定可能なユーザインタフェースを含む表示画面の例を示す説明図である。本例では、図14に示すように、ユーザは、表示画面の右側に含まれる縦型のスライダを操作することによって、パラメータwt,wu,wRを変更指示する。なお、本例では、図14に示すように、あるユーザAを中心とする関連情報を提示するための表示画面を提示する場合を例として説明する。この場合、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間の計算を、実施例1で示した式(1),(2)を用いて行う。従って、情報関連空間作成手段1は、重み(重み係数)として、wt,wuの2つのパラメータを用いて情報関連空間を計算する。
図14に示す例では、表示画面は、時間パラメータを変更指示するためのスライダバー1501と、ユーザパラメータを変更指示するためのスライダバー1502とを含む。すなわち、時間のスライダバー1501がパラメータwtに連動しており、ユーザアクションのスライダバー1502がパラメータwuに連動している。ユーザによってスライダバー1501,1502が操作されることによって、両方のパラメータwt,wuの重みの値が変動される。そして、情報関連空間作成手段1は、変更後のパラメータwt,wuの値に基づいて、情報関連空間の再計算を行う。なお、この場合、例えば、ユーザアクションのスライダバー1502に含まれるスライダ(調整ボタン)1502aを下げ(すなわち、wuを下げ)、時間のスライダバー1501に含まれるスライダ1501aを上げる(すなわち、wtを上げる)と、最近利用したファイルが、情報関連空間上で近くに配置されることになる。なお、図14に示すスライドバーも情報関連空間操作手段2の実施例である。
すなわち、本実施例では、表示画面作成手段3は、各ノードの重みを変更するためのスライダバー(重み調整部)1501,1502を含む表示画面の画面情報を生成する。そして、情報関連空間操作手段2は、ユーザによって表示画面のスライダバー1501,1502から各ノードの重みの変更指示が入力されると、情報関連空間の変更を情報関連空間作成手段1に指示する。
また、ユーザは、ある特定オブジェクト(例えば、ファイルのノード)に対して、他のオブジェクトのパラメータをコピーすることもできる。例えば、情報管理システムは、ノードの新規作成を行うとき(ファイルの新規作成等)に、実施例1で説明したパラメータの初期値を、親ディレクトリのノードが保持している値をそのまま受け継ぐようにしてもよい。なお、この機能は、パラメータ設定手段21が果たす機能である。
また、情報関連空間を直接ユーザが見た時に、ユーザがあるノードAを別のノードBの近くに配置させたいと考えたとする。この場合、情報管理システムは、ユーザの操作に従って、ノードAのパラメータをノードBの値に変更することにより、ノードAをノードBと同じ位置に変更することが可能である。このとき、ユーザがあるノードAを別のノードBの近くに配置させたいと考えたときのユーザインタフェースは、パラメータ設定手段21に対して指示を与えるユーザインタフェースの手段の実施例である。
本実施例では、情報管理システムは、特定のオブジェクトに対して、他のオブジェクトのパラメータをコピーするパラメータコピー手段(具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される)を備える。そして、情報関連空間作成手段1は、パラメータコピー手段がコピーしたパラメータに基づいて、情報関連空間を生成する。
また、情報管理システムは、所定のオブジェクトを予めポリシで指定する設定情報指定手段(具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される)を備えてもよい。そして、パラメータコピー手段は、情報関連空間の新規作成時に、ポリシで指定されたオブジェクトのパラメータを、特定のオブジェクトに対してコピーするようにしてもよい。
次に、情報管理システムの第3の実施例を説明する。なお、本実施例に示す情報管理システムは、第2の実施の形態で示した情報管理システムを具体化したものに相当する。本実施例では、課金情報記憶部9が記憶する課金情報を、ユーザによる視野操作方法の変更処理や、情報関連空間作成手段1が行う情報関連空間の作成処理に影響させる。例えば、体験版サービスを提供する場合に、課金情報に基づいて、視野操作方法の変更処理や情報関連空間の作成処理を行うことが考えられる。例えば、情報管理システムは、ユーザがある定められた金額の利用料金を払わない限り、定期的に情報関連空間をリセット(消去)するように制御し、ユーザ自身の操作によって作成された情報関連空間の長期的な利用を行えないように制御する。また、情報管理システムは、例えば、仮想貨幣を保持していることを条件として、他者にファイルの操作情報や情報そのものを公開するか否かの細かい設定を可能とするように制御してもよい。
本実施例では、表示画面作成手段3は、課金情報記憶部9が記憶する課金情報に基づいて、ユーザに提示する機能を限定して、表示画面の画面情報を作成する等の処理を行う。また、情報関連空間操作手段2(又は視野操作手段4)は、課金情報記憶部9が記憶する課金情報に基づいて機能の有効/無効を判断する。そして、情報関連空間操作手段2(又は視野操作手段4)は、機能の有効/無効の判断結果に基づいて、必要に応じて、対応する機能をユーザが利用できないように制御する処理を行う。
また、情報管理システムは、ユーザによって仮想貨幣が利用されない限り、過去の情報関連空間を利用することができないように制御したり、ある特定の機能を利用できないように制御したりしてもよい。
また、本実施例において、課金情報は、実際に流通している貨幣(例えば、円やドル)だけでなく、仮想貨幣に基づいた情報であってもよい。この場合、情報管理システムは、本情報管理システム上で、他者に情報を提供する等により得た仮想貨幣を用いることによって、ユーザが他の有料サービスを受けられるように制御してもよい。
本実施例では、情報管理システムは、ユーザの視点を他人に開示する代わりに、そのユーザの視点開示の対価を得る仕組みを保持することができる。この対価は、実際に流通している紙幣としてだけでなく、仮想貨幣として支払われてもよい。例えば、ユーザAが、ユーザA自身のノードを視点とした情報関連空間を、対価を得て公開するとする。この場合、ユーザAのノードのACL(Access Control List )パラメータに、そのユーザAのノードを視点とする際に対価を要求する旨を示す情報を保持する。そして、他ユーザは、ユーザAを視点とする情報関連空間を利用する際に、ユーザAに対して対価を支払う。なお、ユーザのノードだけでなく、ファイル等のノードに対して、上記に示すようなACLを付加してもよい。この場合、ファイルで決められた(ファイルに付加されたACLによって特定される)ユーザ(所有者等)に対して、対価が支払われることになる。
本実施例では、情報管理システムは、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視点を示す視点情報をACLパラメータに付加する視点付加手段(具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される)を備える。そして、視野操作手段4は、ACLパラメータに付加された視点情報に基づいて、検索対象の情報を表示する際の情報関連空間上の視点を選択する。
また、本実施例では、情報管理システムは、ACLパラメータに付加する視点情報を変更する視点変更手段(具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される)を備える。そして、視野操作手段4は、課金情報記憶部9が記憶する課金情報に基づいて、所定の利用料金が支払われたことを条件として、ACLパラメータに付加する視点情報を変更する。
次に、情報管理システムの第4の実施例を説明する。本実施例では、第2の実施の形態で示した情報管理システムを、広告サービス等の各種サービスの提供に適用した場合を説明する。例えば、情報管理システムは、あるユーザが料金を払うことによって、検索情報の表示画面を表示する際に、他人の情報関連空間に任意のノードを出現させやすくするように制御することによって、広告サービスを提供する。また、情報関連空間上のノードはファイルや情報だけでなく、例えば、情報管理システムは、サービスプログラムをノードとする表示画面の表示処理を行うことによって、サービスプログラムへの誘導を行う広告サービスを提供するものであってもよい。そのため、そのようなプログラム誘導サービス等の有料サービスや、自社のWebページに誘導させるノードを、他者に関連する情報の近くに表示したり、他者が関連する動作を行ったときに表示画面に出現させる等の広告サービス提供が可能となる。
また、情報管理システムは、ユーザが料金を払うことによって、上記のような広告サービスを停止するように制御してもよい。また、情報管理システムは、積極的に広告サービスを受け入れることによって、ユーザが仮想貨幣を受け取ることができるように制御してもよい。
次に、情報管理システムの第5の実施例を説明する。本実施例では、情報管理システムは、ノードを他者に公開したり、ノードの移動を他者に公開したりすると、ユーザが仮想貨幣を得ることができるように制御してもよい。また、情報管理システムは、有用なノードを公開することによって他者に情報が参照されたり利用されたりした場合に、ユーザが仮想貨幣を得るように制御してもよい。
図15は、情報関連空間作成手段1が生成する情報関連空間の例を示す説明図である。本実施例では、図15に示すように、情報蓄積部6は、ディレクトリ「実験」や、生データ、解析データ(「解析1」や「解析2」)を含む情報群を蓄積している。そして、情報関連空間作成手段1は、情報蓄積部6が蓄積する情報群に基づいて、図15に示すように、写像空間を用いた情報関連空間62を生成する。
次に、情報関連空間操作手段2の動作の具体例を説明する。情報関連空間操作手段2は、ユーザによる指示操作(ファイル操作や作業)を監視し、所定条件が成立すると情報関連空間を変動させるように、情報関連空間作成手段1に指示する。例えば、情報関連空間操作手段2は、ユーザによるファイル操作に基づいて、写像空間上の各ノードを移動させるように、情報関連空間作成手段1に指示する。具体的には、情報関連空間操作手段2は、ユーザがファイル編集操作を行った場合、その編集対象のファイルのファイルノードとユーザノードとの距離を近づけるように、各ノードを写像空間上で移動させるように、情報関連空間作成手段1に指示する。この場合、情報関連空間作成手段1は、情報関連空間操作手段2の指示に従って、ファイルノードとユーザノードとを、予め定められた距離だけ相互に近づけるように所定の重み付けを行って、情報関連空間を作成しなおす。
次に、情報管理システムの第6の実施例を説明する。本実施例では、情報管理システムは、入力手段7からのユーザ操作に従って、他ユーザの表示画面にノードを表示させるか否かを決定する機能(プライバシオプション)を備える。
本実施例では、ノード毎にプライバシオプションを付与し、予め他ユーザや他グループのユーザに情報を見せるか否か(情報公開を許可するか否か)が設定される。情報管理システムは、プライバシオプションで情報を見せない旨が設定されている場合には、他のユーザからのアクセスの際に、表示画面作成手段3に、非公開対象の情報を含む表示画面の画面情報を作成させないように制御する。なお、このプライバシオプションの情報(設定情報)は、情報関連空間作成手段1が備える記憶手段、又は情報蓄積部6に記録させればよい。
また、本実施例において、ユーザ自身の行動(ユーザの行動に伴うノードの移動)について、他ユーザに情報を公開するか否かを設定することができるようにしてもよい。この場合、情報管理システムは、情報公開しない旨が設定されている場合には、ユーザ自身の行動による影響がユーザ自身に対応する情報関連空間内で閉じた状態となるようにし、他ユーザの情報関連空間に影響を与えないように制御する。なお、本実施例に示す情報管理システムは、第1の実施の形態で示した情報管理システムを具体化したものに相当する。
以下、プライバシオプションの具体例を説明する。ユーザは、他のユーザに対して、ユーザ自身の情報関連空間や、ユーザ自身の行動を見せるか見せないかを予め選択することができる。例えば、プライバシオプションの機能は、各ノードが、実施例1で説明したパラメータの他に、アクセスコントロールのパラメータを保持することによって実現することができる。
例えば、ユーザAが、ユーザBにはアクセスを許可し、ユーザCにはアクセスを許可しない場合を考える。まず、情報管理システムは、ユーザの設定操作に従って、ユーザAのACLパラメータとして、「ユーザB:1,ユーザC:0」という値を保持する。この場合、情報管理システムは、ユーザBが情報関連空間上でユーザA(すなわち、ユーザAの情報関連空間)を閲覧できるように制御し、ユーザCがユーザA(すなわち、ユーザAの情報関連空間)を閲覧できないように制御する。実際には、情報管理システムは、ユーザAノードに対して、ACLパラメータが「1」となっているユーザに対してのみ、情報関連空間を計算するように制御すればよい。なお、ACLのパラメータは、パラメータ記憶部22に記憶される。
次に、情報管理システムの第7の実施例を説明する。本実施例では、情報関連空間作成手段1は、情報蓄積部6に格納されている各ファイルの文書ベクトルを、ベクトル空間モデルに基づき作成する。この場合、情報関連空間作成手段1は、潜在的意味インデキシング等の技術を用いて、各ファイルの文書ベクトルを低次元化してもよい。また、情報関連空間作成手段1は、算出した文書ベクトルを、写像空間上の場所を示すベクトルとして、そのファイルのノードを写像空間上に配置することによって、情報関連空間を作成する。
次に、情報管理システムの第8の実施例を説明する。本実施例では、情報関連空間作成手段1は、ファイル等のメタ情報を用いて、情報関連空間を作成する。この場合、情報関連空間作成手段1は、写像空間上にマッピングする情報蓄積部6に格納されている各ファイルのメタ情報を、写像空間上の軸として扱う。例えば、情報関連空間作成手段1は、写像空間の1軸を時刻とし、各ファイルのメタ情報からファイルの最終更新時刻を取得して、写像空間にマッピングする1要素とする。そして、情報関連空間作成手段1は、ファイルの最終更新時刻に従って、各ファイルを写像空間に配置する。
また、予めユーザを数値化したリスト(例えば、関連性が近いユーザが近くになるような順序でユーザを並べて数値化したリスト)を作成しておき、各ファイルの作成者や所有者等のユーザを写像空間の1軸としてもよい。この場合、情報関連空間作成手段1は、ユーザを数値化した値に従って、各ユーザを写像空間に配置する。そして、情報関連空間の1軸を、時刻から、ユーザを数値化した値に変更することにより、情報関連空間が修正され、ユーザに対して提示する結果(視野)が変更される。
また、情報関連空間作成手段1は、上述した「ファイル等の情報を解析し、写像空間上にマッピングする」方法を、メタ情報を用いる方法と組み合わせて情報関連空間を作成してもよい。例えば、情報関連空間作成手段1は、上述した意味ベクトルを2次元のベクトルとし、写像空間の1軸を時刻とする方法を用いて、情報関連空間を作成してもよい。
次に、情報管理システムの第9の実施例を説明する。本実施例では、情報関連空間作成手段1は、最初にファイル等を作成したとき、作成したファイルの写像空間上の位置をユーザに決めさせて、ファイルを写像空間上にマッピングする。すなわち、ファイルを写像空間にマッピングする必要がある時に、ユーザが入力手段7を操作して直接写像空間上のマッピング位置の決定を行う。例えば、写像空間を示すグラフをユーザに提示して、新たにマッピングするノードの位置をユーザに指定させる方法が挙げられる。この場合、例えば、情報関連空間作成手段1は、写像空間を示すグラフをディスプレイ装置等の表示装置に表示させる。そして、情報関連空間作成手段1は、入力手段7からのユーザ操作に従って、ノード位置の指定情報を入力する。
また、情報関連空間作成手段1は、ユーザが頻繁によく操作するファイルの近くにファイルをマッピングして、情報関連空間を作成する。ユーザ操作によって新たなファイルが作成されたときに、情報関連空間作成手段1は、例えば、そのファイルを作成したユーザ(以下、作成ユーザともいう)が頻繁によく利用するファイルの近くに新たなファイルを配置して、情報関連空間を作成する。また、情報関連空間作成手段1は、例えば、新規ファイル作成の時点で、その新規ファイルと同時に利用されていたノードの近くに新たなファイルを配置して、情報関連空間を作成する。また、情報関連空間作成手段1は、例えば、新規ファイル作成の時点の時間的近隣(例えば、新規ファイル作成時点から所定時間以内)に用いられた複数のノードの位置から平均的に近い位置を求め、求めた位置に新たなファイルを配置して、情報関連空間を作成する。
また、情報関連空間作成手段1は、作成ユーザ自身の位置ではなく、その作成ユーザと関係が深い他のユーザ(例えば、家族や友人)の位置と同位置に、新たなファイルをマッピングして、情報関連空間を作成してもよい。また、情報関連空間作成手段1は、ユーザ自身のノードの位置を、ユーザと関係が深い他のユーザの位置をマッピングする方法と同様の方法でマッピングして、情報関連空間を作成してもよい。
次に、情報管理システムの第10の実施例を説明する。本実施例では、情報関連空間操作手段2は、ユーザによって頻繁に使用されるファイルのファイルノードと、そのファイルを使用するユーザのユーザノードとをリンクさせるように、情報関連空間作成手段1に指示する。なお、リンク付けされたノードは相互に離れる方向への移動がしにくくなるようにする等、リンク付けされているノード間とリンク付けされていないノード間との移動アルゴリズムを異なるものとしてもよい。また、実施例1の場合だと、情報関連空間作成手段1における写像に用いる数式をリンク付けされているノードとされていないノードの場合に用いる数式を変更する。その際、パラメータ設定手段21が設定するパラメータとして、リンク情報パラメータを記録する。
また、情報関連空間操作手段2は、同時期に(例えば、所定時間以内に)、ユーザによって参照又は編集されているファイル間をリンクさせるように、情報関連空間作成手段1に指示してもよい。また、情報関連空間操作手段2は、同時期に(例えば、所定期間以内に)、ユーザによって参照又は編集されているファイル間を、距離を近づけるよう移動させるように、情報関連空間作成手段1に指示してもよい。また、情報関連空間操作手段2は、時間経過に従って、ユーザによって使用されていないファイルのノードとユーザのノードとの距離を遠ざけるよう移動させるように、情報関連空間作成手段1に指示してもよい。
本発明は、ユーザからの要求に従って記憶手段からファイルを検索する検索システムや検索インタフェースの用途に適用できる。また、複数人での情報共有を行うグループウェアや、コンテンツマネジメントシステム等の情報蓄積システムや情報管理システムの用途に適用できる。また、電子メールを処理するメールクライアント等の情報蓄積システムや情報管理システムの用途にも適用可能である。
本発明による情報管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
情報関連空間作成手段1が作成する情報関連空間の概念を示す説明図である。
情報関連空間を修正する情報関連空間修正処理の一例を示すフローチャートである。
ユーザによる情報検索操作が行われたときに情報管理システムが行う処理の一例を示すフローチャートである。
情報管理システムの他の構成例を示すブロック図である。
表示画面作成手段3が作成した画面情報に基づく表示画面の例を示す説明図である。
視野操作手段4によって視野調整された画面情報に基づく表示画面の例を示す説明図である。
表示画面の視野範囲を調整する場合の例を示す説明図である。
キーワードを含むディレクトリやファイル等を強調表示した表示画面の例を示す説明図である。
ユーザ名が選択された場合の表示画面の具体例を示す説明図である。
情報関連空間そのものを含む表示画面の例を示す説明図である。
ユーザが時間を変更することによって情報関連空間を変更可能な表示画面(変更前)の例を示す説明図である。
ユーザが時間を変更することによって情報関連空間を変更可能な表示画面(変更後)の例を示す説明図である。
パラメータを設定可能なユーザインタフェースを含む表示画面の例を示す説明図である。
情報関連空間作成手段1が生成する情報関連空間の例を示す説明図である。
符号の説明
1 情報関連空間作成手段
2 情報関連空間操作手段
3 表示画面作成手段
4 視野操作手段
6 情報蓄積部
7 入力手段
8 出力手段
9 課金情報記憶部
11 ユーザインタフェース部
12 入力受付手段
21 パラメータ設定手段
22 パラメータ記憶部