JP2007199547A - 電気光学装置、電子機器及びプロジェクタ - Google Patents

電気光学装置、電子機器及びプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】光の利用効率を確実に向上させることができる電気光学装置、電子機器及びプロジェクタを提供すること。
【解決手段】所定のF値(本実施形態ではF値は1.4)に対応する最適な最短距離Xの範囲(約8μm〜15μm)を定めることによって、画素部を透過した光のうち遮光膜203aに吸収される光を従来に比べて減少させることができるため、その分高い光線利用効率を確保することができる。これにより、光の利用効率を確実に向上させることが可能な電気光学装置を得ることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気光学装置、電子機器及びプロジェクタに関する。
プロジェクタのライトバルブとして用いられる電気光学装置の画像表示領域には、光を射出する画素部と、当該画素部に電気信号を供給する配線が形成された画素間領域とが設けられている。例えば液晶装置においては、当該画素間領域は通常遮光膜によって覆われており、この部分において光が透過しないようになっている。
このような電気光学装置においては、画素部から射出される光の光量はできるだけ多く、明るい光であることが望まれており、高い光利用効率を実現することが求められている。例えば特許文献1には、画素間領域に楔形の凹部を有する光学素子を用いた液晶装置が開示されている。当該光学素子は、液晶装置の対向する一対の基板のうち一方の基板側に設けられており、画素間領域を通過する光が当該凹部によって画素部内に反射される、すなわち、当該凹部はプリズムの役割を果たすようになっている。これにより、光の利用効率を高めることが可能になっている。
特開平3−170911号公報
しかしながら、特許文献1の記載には、光学素子と遮光膜との間隔に関しては特に言及されていない。光学素子の凹部が画素間領域の光を画素部内に反射した光は、画素部の表面に対して傾いて射出され、平面視画素部の外側に広がるため、光学素子と遮光膜との間隔が広すぎる場合、画素部から射出される光が遮光膜に吸収されてしまうことがある。そうなると、吸収された分、光の利用効率が低下してしまうこととなるため、全体としての光の利用効率が十分に向上しないという問題がある。
このような事情に鑑みて、本発明の目的は、光の利用効率を確実に向上させることができる電気光学装置、電子機器及びプロジェクタを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る電気光学装置は、所定のF値を有する投射部へ向けて光を射出する電気光学装置であって、マトリクス状に配列された複数の画素部と当該画素部間に設けられた遮光部とを有し、入射光を画像信号に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子に近接して設けられ、前記入射光を前記画素部へ向けて偏向する光偏向部を有する光学素子とを具備し、前記光学素子と前記遮光部との間の最短距離をX(X≧0)とし、前記所定のF値に対して決まる前記入射光と前記出射光の比率を光線利用効率Y(Y≧0)とすると、前記光線利用効率Yが0.015X−0.1987X+0.4681X+56.332≦Yを満たすように、前記最短距離Xが定められていることを特徴とする。
本発明者は、所定のF値に対して決まる入射光と出射光との比率である光線利用効率Yと、光学素子と遮光部との間の最短距離Xとの間に、最短距離Xを大きく設定するほど光線利用効率Yが小さくなるという関係があるのを見出した。この要因としては、光学素子と遮光部との最短距離Xが大きくなれば、画素部を透過する光のうち当該画素部の光射出面の法線方向に対して傾いて射出される光、特に光偏向部によって偏向され画素部の平面視外側へ射出される光の多くが遮光部で吸収されることが挙げられる。
更には、最短距離Xと所定のF値との間には当該所定のF値が大きいほど光線利用効率Yが低いという関係があるのを見出した。ここで、F値について説明する。画素部からの光のうち投射部に入射する光の角度(飲み込み角)をθとすると、θ=Atan(1/2F)で表されたFの値をいうものとする。例えば、F値が1.4の場合、飲み込み角θは約19.7°である。また、例えばF値が2.5の場合、飲み込み角θは約11.3°である。
また、本発明者は、最短距離Xが所定の値を超えたところから光線利用効率Yが急激に小さくなっていく、すなわち、光線利用効率Yの増減に変曲点があることを見出し、各F値についての変曲点が、Y=0.015X−0.1987X+0.4681X+56.332(式1)の曲線近傍に存在することを見出した。つまり、光線利用効率Yが(式1)の値よりも大きい範囲では、最短距離Xの増加に対して光線利用効率Yが比較的緩やかに減少し、(式1)の値よりも小さい範囲では、最短距離Xの増加に対して光線利用効率Yが急峻に減少することを見出した。
したがって、本発明では、(式1)の値よりも大きい光線利用効率Yを確保できるようなF値と、このF値に対応する最短距離Xとを定めるようにした。このように所定のF値に対応する最適な最短距離Xの範囲を定めることによって、画素部を透過した光のうち遮光部に吸収される光を従来に比べて減少させることができるため、その分高い光線利用効率Yを確保することができる。これにより、光の利用効率を確実に向上させることが可能な電気光学装置を得ることができる。
また、前記最短距離X及び前記光線利用効率Yの間で、Y≦96を更に満たしていることが好ましい。
本発明において、光線利用効率Yの上限を96(%)としたのは、遮光部の無い100%開口の光変調素子であっても光源からの光のうち所定の波長(例えば赤線)の光を利用することができないからであり、当該利用できない波長の光を除いたものである。ただ、例えば光源からの光が平行光若しくは平行光に近い場合や、F値が限りなく小さい(飲み込み角が限りなく90°に近い)投射部、例えば、画素部に対して径が極めて大きい投射レンズなどを用いる場合には、96%を超える光線利用効率Yを確保することも可能である。
また、前記最短距離X及び前記光線利用効率Yの間で、Y≧70を更に満たしていることが好ましい。
一般的に、従来の電気光学装置における光線利用効率Yは70%程度が限界効率であった。本発明では、この70%よりも大きい光線利用効率Yとすることができるため、従来に比べて光の利用効率が格段に向上することとなる。
また、前記マトリクスの行方向又は列方向のうち少なくとも一方における前記画素部のピッチが、3μm以上20μm以下であることが好ましい。
画素部のピッチが3μm以下だと、ピッチが狭すぎて画素部の製造が困難になる。画素部のピッチが20μm以下であれば最短距離Xを上述したように定めた場合の光線利用効率の向上が著しく、更にはこのピッチが20μm以上だと、電気光学装置の小型化に適応できなくなってしまう。したがって、本発明のように、画素部のピッチが3μm以上20μm以下であることにより、製造が困難になることも無く、電気光学装置の小型化に適応することも可能となる。
本発明に係る電子機器は、上記の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、光の利用効率を確実に高めることができる電気光学装置を備えているので、明るく、コントラストの高い表示部を有する電子機器を得ることができる。
本発明に係るプロジェクタは、所定のF値を有する投射部を具備するプロジェクタであって、前記プロジェクタは、該プロジェクタに入射する入射光を前記投射部から出射光として出射させてなり、マトリクス状に配列された複数の画素部と当該画素部間に設けられた遮光部とを有し、入射光を画像信号に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子に近接して設けられ、前記入射光を前記画素部へ向けて偏向する光偏向部を有する光学素子と、所定のF値を有し、前記画素部から射出された光を投射する投射部とを具備し、前記光学素子と前記遮光部との間の最短距離をX(X≧0)とし、前記所定のF値に対して決まる前記入射光と前記出射光の比率を光線利用効率をY(Y≧0)とすると、前記光線利用効率Yが0.015X−0.1987X+0.4681X+56.332≦Yを満たすように、前記最短距離X及び前記投射部のF値が定められていることを特徴とする。
本発明によれば、光線利用効率Yが0.015X−0.1987X+0.4681X+56.332≦Yを満たすように最短距離X及び所定のF値F値が定められているので、最短距離Xを最適にすることができる上、F値についても所望の値に設定することができる。これにより、光の利用効率を向上させることができる上に、プロジェクタの設計の幅を広げることもできる。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
(プロジェクタ)
まず、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの概略構成を説明する。
図1に示すように、光源部である超高圧水銀ランプ101は、第1色光である赤色光(以下、「R光」という。)、第2色光である緑色光(以下、「G光」という。)、及び第3色光である青色光(以下、「B光」という。)を含む光を供給する。インテグレータ104は、超高圧水銀ランプ101からの光の照度分布を均一化する。照度分布を均一化された光は、偏光変換素子105にて特定の振動方向を有する偏光光、例えばs偏光光に変換される。s偏光光に変換された光は、色分離光学系を構成するR光透過ダイクロイックミラー106Rに入射する。以下、R光について説明する。R光透過ダイクロイックミラー106Rは、R光を透過し、G光、B光を反射する。R光透過ダイクロイックミラー106Rを透過したR光は、反射ミラー107に入射する。反射ミラー107は、R光の光路を90度折り曲げる。光路を折り曲げられたR光は、第1色光であるR光を画像信号に応じて変調する第1色光用空間光変調装置110Rに入射する。第1色光用空間光変調装置110Rは、R光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。なお、ダイクロイックミラーを透過しても、光の偏光方向は変化しないため、第1色光用空間光変調装置110Rに入射するR光は、s偏光光のままの状態である。
第1色光用空間光変調装置110Rは、λ/2位相差板123R、ガラス板124R、第1偏光板121R、液晶パネル120R、及び第2偏光板122Rを有する。液晶パネル120Rの詳細な構成については後述する。λ/2位相差板123R及び第1偏光板121Rは、偏光方向を変換させない透光性のガラス板124Rに接する状態で配置される。これにより、第1偏光板121R及びλ/2位相差板123Rが、発熱により歪んでしまうという問題を回避できる。なお、図1において、第2偏光板122Rは独立して設けられているが、液晶パネル120Rの射出面や、クロスダイクロイックプリズム112の入射面に接する状態で配置しても良い。
第1色光用空間光変調装置110Rに入射したs偏光光は、λ/2位相差板123Rによりp偏光光に変換される。p偏光光に変換されたR光は、ガラス板124R及び第1偏光板121Rをそのまま透過し、液晶パネル120Rに入射する。液晶パネル120Rに入射したp偏光光は、画像信号に応じた変調により、R光がs偏光光に変換される。液晶パネル120Rの変調により、s偏光光に変換されたR光が、第2偏光板122Rから射出される。このようにして、第1色光用空間光変調装置110Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム112に入射する。
次に、G光について説明する。R光透過ダイクロイックミラー106Rで反射された、G光とB光とは光路を90度折り曲げられる。光路を折り曲げられたG光とB光とは、B光透過ダイクロイックミラー106Gに入射する。B光透過ダイクロイックミラー106Gは、G光を反射し、B光を透過する。B光透過ダイクロイックミラー106Gで反射されたG光は、第2色光であるG光を画像信号に応じて変調する第2色光用空間光変調装置110Gに入射する。第2色光用空間光変調装置110GはG光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。第2色光用空間光変調装置110Gは、液晶パネル120G、第1偏光板121G及び第2偏光板122Gを有する。液晶パネル120Gの詳細に関しては後述する。
第2色光用空間光変調装置110Gに入射するG光は、s偏光光に変換されている。第2色光用空間光変調装置110Gに入射したs偏光光は、第1偏光板121Gをそのまま透過し、液晶パネル120Gに入射する。液晶パネル120Gに入射したs偏光光は、画像信号に応じた変調により、G光がp偏光光に変換される。液晶パネル120Gの変調により、p偏光光に変換されたG光が、第2偏光板122Gから射出される。このようにして、第2色光用空間光変調装置110Gで変調されたG光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム112に入射する。
次に、B光について説明する。B光透過ダイクロイックミラー106Gを透過したB光は、2枚のリレーレンズ108と、2枚の反射ミラー107とを経由して、第3色光であるB光を画像信号に応じて変調する第3色光用空間光変調装置110Bに入射する。第3色光用空間光変調装置110Bは、B光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。
なお、B光にリレーレンズ108を経由させるのは、B光の光路の長さがR光及びG光の光路の長さよりも長いためである。リレーレンズ108を用いることにより、B光透過ダイクロイックミラー106Gを透過したB光を、そのまま第3色光用空間光変調装置110Bに導くことができる。第3色光用空間光変調装置110Bは、λ/2位相差板123B、ガラス板124B、第1偏光板121B、液晶パネル120B、及び第2偏光板122Bを有する。なお、第3色光用空間光変調装置110Bの構成は、上述した第1色光用空間光変調装置110Rの構成と同様なので、詳細な説明は省略する。
第3色光用空間光変調装置110Bに入射するB光は、s偏光光に変換されている。第3色光用空間光変調装置110Bに入射したs偏光光は、λ/2位相差板123Bによりp偏光光に変換される。p偏光光に変換されたB光は、ガラス板124B及び第1偏光板121Bをそのまま透過し、液晶パネル120Bに入射する。液晶パネル120Bに入射したp偏光光は、画像信号に応じた変調により、B光がs偏光光に変換される。液晶パネル120Bの変調により、s偏光光に変換されたB光が、第2偏光板122Bから射出される。第3色光用空間光変調装置110Bで変調されたB光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム112に入射する。このように、色分離光学系を構成するR光透過ダイクロイックミラー106RとB光透過ダイクロイックミラー106Gとは、超高圧水銀ランプ101から供給される光を、第1色光であるR光と、第2色光であるG光と、第3色光であるB光とに分離する。
色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム112は、2つのダイクロイック膜112a、112bをX字型に直交して配置して構成されている。ダイクロイック膜112aは、B光を反射し、G光を透過する。ダイクロイック膜112bは、R光を反射し、G光を透過する。このように、クロスダイクロイックプリズム112は、第1色光用空間光変調装置110R、第2色光用空間光変調装置110G、及び第3色光用空間光変調装置110Bでそれぞれ変調されたR光、G光及びB光を合成する。
投射レンズ114は、クロスダイクロイックプリズム112で合成された光をスクリーン116に投射する。これにより、スクリーン116上でフルカラー画像を得ることができる。なお、本実施形態では、投射レンズ114のF値が1.4になっている。ここで、F値とは、画素部からの光のうち投射部に入射する光の角度(飲み込み角)をθとすると、θ=Atan(1/2F)で表されたFの値をいう。本実施形態ではF値が1.4であるため、当該投射レンズ114の飲み込み角θは約19.7°である。
上述のように、第1色光用空間光変調装置110R及び第3色光用空間光変調装置110Bからクロスダイクロイックプリズム112に入射される光は、s偏光光となるように設定される。また、第2色光用空間光変調装置110Gからクロスダイクロイックプリズム112に入射される光は、p偏光光となるように設定される。このようにクロスダイクロイックプリズム112に入射される光の偏光方向を異ならせることで、クロスダイクロイックプリズム112において各色光用空間光変調装置から射出される光を有効に合成できる。ダイクロイック膜112a、112bは、通常、s偏光光の反射特性に優れる。このため、ダイクロイック膜112a、112bで反射されるR光及びB光をs偏光光とし、ダイクロイック膜112a、112bを透過するG光をp偏光光としている。
(液晶パネル)
次に、図2に基いて、液晶パネルの詳細について説明する。図1で説明したプロジェクタ100では、3つの液晶パネル120R、120G、120Bを備えている。これら3つの液晶パネル120R、120G、120Bは変調する光の波長領域が異なるだけであり、基本的構成は同一である。このため、液晶パネル120Rを代表例にして以後の説明を行う。
図2は液晶パネル120Rの斜視断面図である。防塵ガラスである入射側防塵ガラス200の内側表面には、透明な接着層201を介してカバーガラス202が固着されている。カバーガラス202としては、例えば石英ガラス、青板ガラス、白板ガラス等を用いることが好ましい。カバーガラス202の射出側には、遮光のためのブラックマトリックス部203aと対向電極204とが形成されており、対向電極204の表面上には配向膜204cが形成されている。
ブラックマトリックス部203aはカバーガラス202上に格子状に形成されており、当該ブラックマトリックス部203aに囲まれている矩形状の領域が開口部203bになっている。開口部203bは、超高圧水銀ランプ101からのR光が通過する画素部である。また、入射側防塵ガラス200の内部には、複数のプリズム素子211からなるプリズム群210が形成されている。
射出側防塵ガラス208の内側表面には、透明な接着層207を介してTFT基板206が固着されている。TFT基板206上には、画素電極206aと、当該画素電極206aを駆動するTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)206bと、配向膜206cとが形成されている。
画素電極206aは、上述の開口部203bに平面的に重なる領域に設けられている。TFT206bや当該TFTに電気信号を供給する配線(図示しない)などは、ブラックマトリックス部203aに平面的に重なる領域に設けられている。また、配向膜206cは、画素電極206a、TFT206bの表面上に形成されている。
この配向膜206cと上述の配向膜204cとの間には、画像表示のための液晶層205が形成されている。超高圧水銀ランプ101からのR光は、図2の上側から液晶パネル120Rに入射し、開口部203b、対向電極204、配向膜204c、液晶層205、配向膜206c、画素電極206a、TFT基板206と順に透過して、射出側防塵ガラス208側からスクリーン116の方向へ射出されるようになっている。このとき、R光は液晶層205において偏光成分が変調されるようになっている(光変調素子)。
なお、図1で示した構成では、第1偏光板121R、第2偏光板122Rを、液晶パネル120Rに対して別体に設けている。しかし、これに代えて、入射側防塵ガラス200と対向電極204との間、射出側防塵ガラス208とTFT基板206との間などにも偏光板を設けることもできる。さらに、プリズム群210は、第1偏光板121Rに形成してもよい。
(プリズム素子の構成)
図3は、液晶パネル120Rの断面構成図である。
プリズム素子211は、入射側防塵ガラス200の表面から内部にかけて溝状に形成された光路偏向部であり、カバーガラス202を接着した状態では中空になっている。また、プリズム素子211は三角柱が連続した形状であり、断面が二等辺三角形になっている。プリズム素子211の中空部では屈折率が空気とほぼ等しく、入射側防塵ガラス200の屈折率よりも低くなっているため、当該二等辺三角形の斜辺を構成する斜面211aでは、入射側防塵ガラス200内を通過してきた光を反射することができるようになっている。
プリズム素子211は、ブラックマトリックス部203aの位置に平面視で重なるように設けられている。具体的には、二等辺三角形の頂点C1は、ブラックマトリックス部203aの中心位置C2に略対応しており、二等辺三角形の底辺の長さW1(2次元的には底面積)と、少なくともブラックマトリックス部203aの長さW2(2次元的には面積)とは略同じ長さ(大きさ)であるため、入射光が開口部203bの方向へと反射されるようになっている。また、入射光の変調に寄与しないブラックマトリックス部203a近傍の領域を有効に使用することができるようになっている。
また、プリズム素子211が設けられた領域(ブラックマトリックス部203aが形成された領域に平面視で重なる領域)においては、二等辺三角形の底辺とブラックマトリックス部203aとの間の最短距離、すなわち、接着層201とカバーガラス202との合計の厚さXが約8μm〜約15μm程度になっている。また、各プリズム素子211のピッチPが、約14μmに設定されている。このピッチPに関しては、約3μm〜約20μmの範囲で設定することが好ましい。
なお、この二等辺三角形の底辺の長さW1(2次元的には面積)をブラックマトリックス部203aの長さW2(2次元的には面積)よりも大きくすることで、液晶パネル120Rに斜め方向から入射する光線がブラックマトリックス部203aに入射することを防止するためのマージン領域を確保できるような構成にしても良い。また、斜面211aの方向又は角度を適宜設定してもよい。
次に、図4を参照してプリズム素子211の作用について説明する。図4は、液晶パネル120Rへ入射する光線L1、L2の概略光路図である。光線は、屈折率差のある界面で反射又は屈折する。図4の説明においては、説明の簡単のため、屈折率差が微小な界面では光線を直進させて光路を示している。
まず、プリズム素子211を経由しないで、開口部203bへ直接入射する光線L1について説明する。空気中を進行してきた光線L1は、例えば石英ガラスからなる入射側防塵ガラス200へ入射面200aから入射する。そして、光線L1は、入射側防塵ガラス200と、接着層201と、カバーガラス202とを透過する。上述したように、開口部203bと対向電極204と液晶層205とTFT基板206とで光変調素子を構成する。画像信号に応じて変調された光線L1は、接着層207を透過して射出側防塵ガラス208から射出する。光線L1の射出角度θ3は、投射レンズ114のNAで定まる最大角度θ4よりも小さいため、光線L1は不図示のスクリーン116へ投射される。
次に、光線L1とは異なる位置に入射する光線L2について説明する。光線L2は、入射側防塵ガラス200へ入射面200aにおいて入射する。入射側防塵ガラス200内を進行する光線L2は、プリズム素子211の斜面211aの位置P1に入射する。プリズム素子211は、入射側防塵ガラス200よりも屈折率が小さい部材で構成されている。反射における光量損失を低減するために、プリズム素子211は、入射する光線L2が画素部に対応する開口部203bの方向へ全反射するような屈折率を有することが望ましい。なお、プリズム素子211における反射作用、及びその構成部材の詳細に関しては、図5を用いて後述する。
光線L2は、プリズム素子211で全反射されることにより、開口部203bの方向へ光路を偏向される。斜面211aで反射された光線L2は、接着層201と、カバーガラス202とを透過して、開口部203bへ入射する。開口部203bへ入射した光線L2は、上述の光線L1と同様に進行して射出側防塵ガラス208から射出する。
(反射角度、射出角度)
次に、光線L2の入射角度、反射角度、射出角度の関係について、図4を続けて参照して説明する。入射側防塵ガラス200は、入射面200aと射出面200bとからなる平行平板である。位置P1を通り、かつ入射面220a又は射出面200bに垂直な法線N1と、光線L2とのなす角度を入射角度θ1とする。また、プリズム素子211の斜面211aは、入射側防塵ガラス200の射出面200bと傾斜角度αをなすように形成されている。さらに、液晶パネル120R内を進行し、射出側防塵ガラス208から射出する光線L2の角度を射出角度θ2とする。ここで、図4において光線L2は、液晶層205上の位置P2、及び画素電極206a上の位置P3で界面における屈折率差のために屈折するように記載されている。光線L2の入射角度θ1、及び射出角度θ2を説明するに際して、簡単のために、これら位置P2、P3においては、光線L2は殆ど屈折せずに、そのまま直進するものとして扱う。この扱いの下では、以下の式(2)が成立する。
α=(1/2)・(θ2−θ1)・・・・(2)
上式(2)から、明らかなように、斜面211aの傾斜角度αを適宜設定することにより、光線L2の入射角度θ1を、射出角度θ2へ変換して射出することができる。そして、光線L2の射出角度θ2を、投射レンズ114のNAで定まる最大角度θ4よりも小さくすることにより、光線L2は不図示のスクリーン116へ投射される。
上述したように、開口部203bに対しては、例えば光源部である超高圧水銀ランプ101から様々な入射角度の光線L1、L2が進行してくる。開口部203bへプリズム素子211を介さずに入射する光線L1は、そのまま画像信号に応じて変調されて射出側防塵ガラス208から射出する。これに対して、開口部203bの周辺の非変調領域であるブラックマトリックス部203aの方向へ入射する光線L2は、開口部203bの周辺に設けられている光路偏向部であるプリズム素子211に入射する。プリズム素子211に入射した光線L2は、開口部203bの方向へ反射される。これにより、本来は開口部203bへ入射しない光線L2の光路を反射により偏向させることで、効率良く開口部203bへ導くことができる。さらに、光線L1は、光路を大きく変換されることなく液晶パネル120Rから射出する。加えて、プリズム素子211は、マイクロレンズとは異なり集光機能を有していない。このため、プリズム素子211で反射した光線L2も、その射出角度θ2は入射角度θ1に比較して著しく異なることはない。このため、例えば、略平行光が液晶パネル120Rへ入射する場合、変調された光も略平行光で射出する。そして、略平行光で射出した光はNAが略ゼロであるため、投射レンズ114でけられること無くスクリーン116に投射される。このように、本実施形態では、開口部203bへ効率良く光線L1、L2を導くことができることに加えて、第1色光用空間光変調装置110Rを射出する光線L1、L2のNAである光線角度を大きくすることを低減できる。従って、液晶パネル120Rを射出した光は投射レンズ114でけられることがないので、明るい投射像を得ることができるという効果を奏する。
また、液晶層205へ入射光が集光すると、エネルギー集中により液晶分子が劣化してしまうおそれがある。本実施形態は、マイクロレンズのようなレンズ成分を有していない。このため、配向膜206cへ入射する光を集光させることがない。従って、光変調素子を構成する配向膜206cの一部部分へ入射光が集光されないで略均一なため、上述のようなエネルギー集中を避けることができる。この結果、配向膜206cの長寿命化を図ることができ、さらには液晶パネル120Rの長寿命化を図れる。
次に、図5を参照して、プリズム素子211の構成及び反射作用についてさらに説明する。上述したように、斜面211aでは反射による光量損失を低減するために、光線L2を全反射させることが望ましい。全反射するためには、次式の条件を満足することが必要である。
sinθin=n2/n1 (n1>n2)・・・・(3)
ここで、θinは位置P1における法線N2に対する入射角度、n1は入射側防塵ガラス200の屈折率、n2はプリズム素子211の屈折率をそれぞれ示す。例えば図4で定義する入射角度θ1=12°の場合、全反射させるための屈折率n1=1.46(石英)、n2=1.43となる。
(製造方法)
次に、上記のように構成された液晶パネル120Rのうち、入射側防塵ガラス200にプリズム素子211を形成し、カバーガラス202を貼り合せて、遮光膜203aを形成する手順について説明する。図6(a)〜図6(c)はプリズム素子211を形成する手順、図7はカバーガラス202を貼り合せて遮光膜203aを貼り合せる手順をそれぞれ示している。
このプリズム素子211は、レーザアプリケーションによる方法や、ドライエッチングプロセスを用いた方法によって形成することができる。レーザアプリケーションによる方法では、予め設定したデータに基づいて透明基板にCOレーザを照射することによりプリズム素子を形成することができる。図6(a)〜図6(c)に示す手順は、厚膜レジストを用いるドライエッチングプロセスにより、上記のプリズム素子211を形成するものである。
まず、図6(a)に示すように、基板1901に樹脂レジスト層1902を形成する。基板1901は、ガラス基板や透明樹脂基板を用いることができる。樹脂レジスト層1902はマスク層であって、例えば50μm〜200μmの厚さで塗布する。樹脂レジスト層1902には、例えばSU−8、KMPR(いずれもマイクロケム社の登録商標)を用いることができる。次に、図6(b)に示すように、プリズム素子211を形成する箇所の樹脂レジスト層1902を取り除くように、パターニングを行う。パターニング後、約60分間、約100℃の温度でベークを行う。
次に、パターニングされた樹脂レジスト層1902をハードマスクとして、ドライエッチングを行う。ドライエッチングには、例えば高密度プラズマを形成可能なICPドライエッチング装置を用いる。ドライエッチングにより、図6(c)に示すように、基板1901に断面二等辺三角形の溝1903が形成される。エッチングエリアに高密度プラズマを均一に形成できるエッチングガスとして、例えばCやCHFなどのフッ化物系ガスを用いることが好ましい。
基板1901の材料と樹脂レジスト層1902の材料とのエッチング選択比を例えば4対1とすることにより、樹脂レジスト層1902の厚みに対して略4倍の深さを有する溝1903を基板1901に形成することができる。エッチング環境によるレジストの炭化を防止するために、チラーによって基板1901を冷却するほか、エッチングサイクル間に冷却時間を設けることとしても良い。SU−8を用いるドライエッチングプロセスは、例えば、Takayuki Fukasawaらの「Deep Dry Etching of Quartz Plate Over 100μm in Depth Employing Ultra-Thick Photoresist(SU-8)」(Japanese Journal of Applied Physics.Vol.42(2003)pp3702-3706、The Japan Society of Applied Physics)に掲載されている。
このようにして形成された溝1903の壁面が、プリズム素子211の斜面211aである。接着層201(図3参照)によって溝1903に空気や他の透明物質を封止することで、プリズム素子211が形成される。プリズム素子211に空気を封入する場合には、プリズム素子211内部を減圧することが好ましい。プリズム素子211の内部を減圧することで、温度上昇によるプリズム素子211内部の空気の熱膨張を低減し、プリズム素子211の近傍の部品の剥離等を防ぐことができる。
次に、図7(a)〜図7(c)を参照して、プリズム素子211が形成された入射側防塵ガラス200に接着層201を形成する工程を説明する。
プリズム素子211が形成された入射側防塵ガラス200に、透明材料、例えばエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの樹脂材料、SiO、Siなどを含む有機、無機化合物樹脂などの樹脂材料をスピンコート法やスプレーコート法等によって塗布する。その後、図7(a)に示すように、光硬化、熱硬化あるいは溶着によって、厚さ約1μm〜10μm程度の接着層201を形成する。
次に、接着層201上にカバーガラス202を圧着することで、入射側防塵ガラス200とカバーガラス202とを貼り合わせる。貼り合わせ後、図7(b)に示すように、カバーガラス202の表面を研削、研磨して、接着層201とカバーガラス202との厚さの合計(最短距離X)が8μm〜15μmとなるようにする。
次に、図7(c)に示すように、カバーガラス202上に遮光膜203aを形成する。遮光膜203aの材料としては、例えばCr、Alなどの金属材料を用いることが好ましい。この金属材料を、カバーガラス202全面に例えば1μm程度成膜し、フォトリソグラフィ法によってアライメント、パターニングを行い、プリズム素子211のパターンにほぼ平面的に重なるように遮光膜203aのパターンを形成する。その後、対向電極204や配向膜204cなどを形成する。
(最短距離と光線利用効率との関係)
図8及び図9に基づいて、接着層201とカバーガラス202との厚さの合計(最短距離)Xと投射レンズ114の光線利用効率Yとの関係について説明する。
本実施例1は、図9に示すように超高圧水銀ランプ101から射出された光が液晶パネル120Rを透過し、投射レンズ114によってスクリーン116に投射された場合において、投射レンズ114のF値が1.2の場合、1.4の場合、1.6の場合、1.8の場合、2.0の場合、2.4の場合、2.8の場合及び3.5の場合の上記最短距離Xと上記光線利用効率Yとの関係をシミュレーションにより求めたものである。
図8は、このシミュレーションの結果として、最短距離Xと光線利用効率Yの関係を示すグラフである。図8に示すグラフの縦軸が光線利用効率Y(Y≧0、単位は%)であり、グラフの横軸が最短距離X(X≧0、単位はμm)である。また、図中の破線は、Y=0.015X−0.1987X+0.4681X+56.332(式1)の軌跡を示している。
ここで、F値について説明する。画素部からの光のうち投射レンズ114に入射する光の角度(飲み込み角)をθとすると、θ=Atan(1/2F)で表されたFの値をいうものとする。図9の模式図においては、F値=D(投射レンズ114の直径)/S(投射レンズ114からスクリーンまでの距離)によって求められる。
また、光線利用効率Yについては、所定のF値に対して決まる入射光と出射光との比率、すなわち、超高圧水銀ランプ101から射出されてインテグレータ104に入射する光をA、投射レンズ114から投射される光をBとすると、Y=B/Aで表される値である。
本発明者は、図8に示すように、最短距離Xを大きく設定するほど光線利用効率Yが小さくなるという関係を見出した。この要因としては、プリズム素子211と遮光膜203aとの最短距離Xが大きくなれば、画素部を透過する光のうち当該画素部の光射出面の法線方向に対して傾いて射出される光、特にプリズム素子211によって反射され画素部の平面視外側へ射出される光の多くが遮光部で吸収されることが挙げられる。
更には、F値が大きいほど光線利用効率Yが低いという関係があるのを見出した。これについては、具体的には図8のグラフに示すように、F値が1.2の場合、1.4の場合、1.6の場合、1.8の場合、2.0の場合、2.4の場合、2.8の場合及び3.5の場合という順で、最短距離Xに対する光線利用効率Yが低くなっている。
また、本発明者は、図8のグラフに示すように、最短距離Xが所定の値を超えたところから光線利用効率Yが急激に小さくなっていく、すなわち、グラフ中に変曲点があることを見出した。具体的には、F値が1.2の場合は最短距離Xが15μm、1.4の場合は最短距離Xが13μm、1.6の場合は最短距離Xが11μm、1.8の場合は最短距離Xが9μm、2.0の場合は最短距離Xが7μm、2.4の場合は最短距離Xが5μm、2.8の場合は最短距離Xが3μm、3.5の場合は最短距離Xが0μmの値を超えた領域において、光線利用効率Yの減少率が高くなっている。
更に、本発明者は、この各F値についての変曲点が、Y=0.015X−0.1987X+0.4681X+56.332(式1)の曲線近傍に存在することを見出した。つまり、(式1)の曲線よりもグラフ中上側の範囲では、最短距離Xの増加に対して光線利用効率Yが比較的緩やかに減少し、(式1)の曲線よりもグラフ中下側の範囲では、最短距離Xの増加に対して光線利用効率Yが急峻に減少することを見出した。光線利用効率Yの減少が緩やかな領域においては、F値が1.2の場合の傾きが約−0.2828であり、1.4の場合の傾きが約−0.3852であり、1.6の場合の傾きが約−0.5772であり、1.8の場合の傾きが約−0.8588であり、2.0の場合の傾きが約−1.230であり、2.4の場合の傾きが約−2.240であり、2.8の場合の傾きが約−3.610であり、3.5の場合の傾きが約−6.870である。F値が大きくなるほど、傾きが小さくなっている、すなわち、減少率が高くなっている。
これらの結果を踏まえて、上記実施形態では、(式1)の曲線よりもグラフ内で上側の範囲に光線利用効率Yを確保できるようなF値(1.4)と、このF値に対応する最短距離X(15μm以下)とを定めるようにした。なお、上記実施形態では、最短距離Xを8μm以上にすることが好ましいと説明したが、この理由として、最短距離Xが8μm以上であればカバーガラス202を貼り合せる工程及びカバーガラス202の表面を研磨する工程を容易に行うことができるからである。したがって、上記実施形態においては、最短距離Xを8μm以上とする必要は無く、0μm〜15μmの間で適宜設定可能である。
なお、図10は、上記の図1〜図5に示す構成のプロジェクタ100において、F値が1.2の場合、1.4の場合、1.6の場合、1.8の場合、2.0の場合、2.4の場合、2.8の場合及び3.5の場合のそれぞれについて、最短距離Xを変化させたときの光線利用効率Yの値を示すグラフである。縦軸が光線利用効率Y、縦軸が最短距離Xをそれぞれ示している。
F値が1.2の場合については、最短距離Xが17μm、15μm、9μm、3μmのときの光線利用効率Yを測定している。F値が1.4の場合については、最短距離Xが15μm、13μm、9μm、3μmのときの光線利用効率Yを測定している。F値が1.6の場合については、最短距離Xが13μm、11μm、7μm、3μmのときの光線利用効率Yを測定している。F値が1.8の場合については、最短距離Xが11μm、9μm、7μm、3μmのときの光線利用効率Yを測定している。F値が2.0の場合については、最短距離Xが9μm、7μm、5μm、3μmのときの光線利用効率Yを測定している。F値が2.4の場合については、最短距離Xが7μm、5μm、3μmのときの光線利用効率Yを測定している。F値が2.8の場合については、最短距離Xが5μm、3μmのときの光線利用効率Yを測定している。F値が3.5の場合については、最短距離Xが3μmのときの光線利用効率Yを測定している。各F値について、最短距離Xを変化させたときの光線利用効率Yの値は、図10内の曲線で示される。これらの曲線は、いずれのF値においても、上記(式1)の近傍に変極点を有していることが読み取れる。したがって、図1〜図5に構成のプロジェクタにおいて測定した場合においても、シミュレーションの結果は有効であることがいえる。
なお、上記実施形態では、F値が1.4の場合のみを説明したが、他のF値(例えば、本実施例1で説明した値)であっても、(式1)の曲線よりもグラフ内で上側の範囲に光線利用効率Yの値が確保されるように最短距離Xを設定することによって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記(式1)において、Y≧70の範囲で最短距離Xを設定することがより好ましい。一般的に、従来の電気光学装置における光線利用効率Yは70%程度が限界効率であった。本実施例1では、この70%よりも大きい光線利用効率Yとすることができるため、従来に比べて光の利用効率が格段に向上することとなる。
このように、本実施形態によれば、最短距離X(約8μm〜15μm)を従来(約18μm)と比べて短くしたので、画素部を透過した光のうち遮光膜203aに吸収される光を従来に比べて減少させることができ、その分高い光線利用効率を確保することができる。これにより、光の利用効率を確実に向上させることが可能な電気光学装置を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態を説明する。本実施形態では、入射側防塵ガラス200側にカバーガラスを用いない例を説明する。なお、第1実施形態と同一の構成要素については、説明を省略する。
図11は、本実施形態に係る液晶パネル420Rの断面図である。なお、図11は、第1実施形態における図3に対応しているが、射出側防塵ガラス側の構成を省略している。
本実施形態においては、入射側防塵ガラス400の内側(液晶405側)に樹脂層401が設けられており、樹脂層401上に直接共通電極404が設けられている。したがって、プリズム素子411と遮光膜403aとの間の最短距離Xは、この樹脂層401の厚さのみとなる。樹脂層401の厚さは、0μm〜10μmの範囲で設定することができる。第1実施形態と比べてカバーガラスの厚みを考慮しなくても済むため、その分最短距離Xも小さくなる。
樹脂層401を形成する際には、例えば第1実施形態における接着層201を形成した方法と同様に、例えばスピンコート法やスプレーコート法等によって入射側防塵ガラス400上に樹脂材料を塗布する。この際、塗布された樹脂材料ごと入射側防塵ガラス400の例えば全面をプレスすることによって、プリズム素子411上に塗布された樹脂材料の一部がプリズム素子411内に侵入させ、当該プリズム素子411上の樹脂層401の厚さを0μmとしても構わない。
このようにカバーガラスを省く構成によって、第1実施形態に比べてカバーガラスを貼り付ける工程を省略できる上、カバーガラスの厚み分最短距離Xを小さく設定することができる。これにより、遮光膜403aによって吸収される光を減少させることができ、光の利用効率の向上につながる。なお、上記のシミュレーションにおいては、図10に示す本実施形態の液晶パネル420Rを用いても結果は同様となり、本実施形態においても上記シミュレーションの結果を適用することができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記第1実施形態においては、厚膜レジストを用いたドライエッチングプロセスによって入射側防塵ガラス200にプリズム素子211を形成する場合を説明したが、これに限られることは無い。
例えば、図12(a)に示すように、金属ハードマスクを用いるドライエッチングプロセスによりプリズム素子211を形成する。この場合、基板1901に形成する金属層2002として、例えばクロムやニッケルなどを用いることができる。金属層2002は、金属材料をCVD法、スパッタ法、メッキ法等の手法により形成することができる。この後、金属層2002上にレジスト層2003を形成する。
次に、図12(b)に示すように、フォトリソグラフィ法などによってレジスト層2003をパターニングし、図12(c)に示すように、エッチング法によって金属層2002をパターニングする。ここでは、例えば塩化第二鉄を用いたウエットエッチング法、ドライエッチング法、イオンミリング法のいずれを用いても良い。
次に、図12(d)に示すように、ICPドライエッチング装置を用いてドライエッチングを施す。エッチングガスとしては、C、CHFなどのフッ化物系ガスを用いることができる。ここで、エッチング選択比は、基板1901の材料におけるエッチングレートが高くなるような条件とすることが好ましい。例えば、バイアス電力800ワット、バイアス電圧500ボルト、Cガス流量10sccm、CHFガス流量30sccmの条件でエッチングを施すことにより、基板1901に深い溝1903を形成することができる。
このように形成された溝1903の壁面がプリズム素子211の斜面211aである。この斜面211aの傾斜角度は、エッチング中にエッチング選択比を適宜選択することによって適宜調節することができる。
なお、上記工程において、金属層2002のパターニングは、リフトオフ法によって行っても構わない。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの全体構成を示す図。 本実施形態に係る液晶パネルの構成を示す斜視図。 本実施形態に係る液晶パネルの構成を示す断面図。 本実施形態に係るプリズム素子の構成を示す平面図。 本実施形態に係るプリズム素子の構成を示す平面図。 本実施形態に係る液晶パネルの製造工程の様子を示す工程図。 同、工程図。 最短距離と光線利用効率との関係を示すグラフ。 プロジェクタの構成を示す断面図。 最短距離と光線利用効率との関係を示すグラフ。 本発明の第2実施形態に係る電子機器の構成を示す図。 本発明の液晶パネルの他の製造工程の様子を示す工程図。
符号の説明
100…プロジェクタ 120R…液晶パネル 120G…液晶パネル 120B…液晶パネル 200…入射側防塵ガラス 202…カバーガラス 203a…ブラックマトリックス部 203b…開口部 203a…遮光膜 205…液晶層 207…接着層 208…射出側防塵ガラス 210…プリズム群 211…プリズム素子 211a…斜面

Claims (6)

  1. 所定のF値を有する投射部へ向けて光を射出する電気光学装置であって、
    マトリクス状に配列された複数の画素部と当該画素部間に設けられた遮光部とを有し、入射光を画像信号に応じて変調する光変調素子と、
    前記光変調素子に近接して設けられ、前記入射光を前記画素部へ向けて偏向する光偏向部を有する光学素子と
    を具備し、
    前記光学素子と前記遮光部との間の最短距離をX(X≧0)とし、前記所定のF値に対して決まる前記入射光と前記出射光の比率を光線利用効率Y(Y≧0)とすると、
    前記光線利用効率Yが0.015X−0.1987X+0.4681X+56.332≦Yを満たすように、前記最短距離Xが定められている
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記最短距離X及び前記光線利用効率Yの間で、Y≦96を更に満たしている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記最短距離X及び前記光線利用効率Yの間で、Y≧70を更に満たしている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記マトリクスの行方向又は列方向のうち少なくとも一方向における前記画素部のピッチが、3μm以上20μm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  6. 所定のF値を有する投射部を具備するプロジェクタであって、
    前記プロジェクタは、該プロジェクタに入射する入射光を前記投射部から出射光として出射させてなり、
    マトリクス状に配列された複数の画素部と当該画素部間に設けられた遮光部とを有し、入射光を画像信号に応じて変調する光変調素子と、
    前記光変調素子に近接して設けられ、前記入射光を前記画素部へ向けて偏向する光偏向部を有する光学素子と、
    所定のF値を有し、前記画素部から射出された光を投射する投射部と
    を具備し、
    前記光学素子と前記遮光部との間の最短距離をX(X≧0)とし、前記所定のF値に対して決まる前記入射光と前記出射光の比率を光線利用効率Y(Y≧0)とすると、
    前記光線利用効率Yが0.015X−0.1987X+0.4681X+56.332≦Yを満たすように、前記最短距離X及び前記投射部のF値が定められている
    ことを特徴とするプロジェクタ。
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