JP2007198668A - 製鋼用電気炉等の排ガスの処理方法 - Google Patents

製鋼用電気炉等の排ガスの処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製鋼用電気炉の排ガスや該製鋼用電気炉が設置されている建家の排ガス(排気)の処理方法において、排ガスからダイオキシン類を含む有機塩素化合物を効率良く除去することができる製鋼用電気炉等の排ガスの処理方法を提供する。
【解決手段】濾過式集塵装置17により、100〜200℃で排ガス11中の煤塵を除去する第1工程と、第1工程の後、活性炭吸着装置18に装着された活性炭カートリッジ2内の粒状活性炭により排ガス11中の有機塩素化合物を吸着する第2工程と、所定の期間、第1工程及び第2工程の処理をした後、活性炭カートリッジ2を粒状活性炭が充填された状態で当該製鋼用電気炉に投入する第3工程とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、広く製鋼用電気炉から発生する排ガス中の有害物質を除去する方法に関し、特にダイオキシン類を含む有機塩素化合物を除去する方法に関する。
一般的な製鋼用電気炉の排ガスは、特許文献1に記載されている従来技術の様に、電気炉から発生する排ガスを直接吸引する系統と、電気炉から外に漏洩した排ガスを建屋の上部より換気を兼ねて吸引する間接吸引系統からなり、これらを合流させてから濾過式集塵装置で処理している。したがって、濾過式集塵装置の処理ガス量は500,000〜1,000,000mN/hr程度であり、廃棄物焼却プラントの処理ガス量よりも非常に多い。
また、送風機を濾過式集塵装置の上流側に配し、濾過式集塵装置の上部に排気口を設けた構造(押し込み式濾過式集塵装置)とする場合が多い。この構造では、煙突を省略できると共に、濾過式集塵装置のケーシングの耐圧を低くできるので、製造コストが抑えられる。
製鋼用電気炉の排ガスのダイオキシン類濃度は、「ダイオキシン類対策特別措置法」の施行により、既設施設については5ngTEQ/m、新設施設については0.5ngTEQ/mの基準が適用されているが、操業方法の改善などの対策により製鋼用電気炉からのダイオキシン類排出量は年々減少しており、規制値は満足している施設が大部分である。ただし、産業系発生源としては最も多く、我が国の総排出量の1割を占めている。
また、最近は、企業の評価において環境に対する貢献度が重要な要素となっているため、ダイオキシン排出量を現状よりも更に下げたいという要望が高くなっている。さらに、2005年1月から「自動車リサイクル法」から本格施行されているが、ビニールやゴムが付着した鉄スクラップが溶解されることにより製鋼用電気炉から排出されるダイオキシン類濃度が増加することも懸念され、様々な低減対策が検討されている。
製鋼用電気炉の排ガスは、その温度を概ね100℃以下まで下げることにより、排ガス中のダイオキシン類の大部分が浮遊するダストに付着することが確認されている。そこで、製鋼用電気炉から直接吸引した温度の高い排ガスを、間接吸引した常温に近い排ガス(ほぼ空気)により希釈することなどによって排ガス温度を約60〜80℃とし、この希釈された排ガスを濾過式集塵装置で除塵処理することにより、排ガス中のダイオキシン類濃度を低減する方法がとられている。
一方、ダイオキシン類排出量の大幅な削減が求められた廃棄物焼却施設における従来技術では、活性炭吹き込み方式がよく用いられている。粉末活性炭を活性炭貯槽から連続的に供給して濾過式集塵装置の上流側に吹き込み、濾過式集塵装置内部のろ布の表面にダストと共に濾過層を形成してダイオキシン類を吸着する方式である。この方式を、製鋼用電気炉に適用した発明も提案されている(特許文献2)。
特開平5−10687号公報 特開平11−57373号公報
ところが、製鋼用電気炉からの排ガス中のダイオキシン処理に対して上述の方法を適用した場合、以下の課題があった。
(1)排ガス中のダイオキシン類は、上述のようにダストへ付着させて除塵することによって除去しているので、ダイオキシン類が消滅しているのではなく単にダストに移行しているだけである。この方式によると、除塵装置にて回収されるダストには、排ガス中から除去された量と同じ量のダイオキシン類が含まれることとなる。通常は加湿等の粉塵対策を行って系外に搬出するが、有害物質を含有しているため、その取り扱いには注意が必要である。製鋼用電気炉から排出される排ガスダストは、主に含まれる亜鉛等の重金属の再利用を計るために精錬工場等へ搬出されるが、環境対策の一環として受け入れ基準が今後厳しくなることが予想され、有害成分の含有濃度によっては再利用が不可となる場合もある。その場合、当該ダストは特定の許可を得た処理業者へ委託処理する必要があり、その処分費用等がコストアップの要因となる。
(2)製鋼用電気炉から排出される排ガスは高温(600〜900℃)であり、熱交換器などを通過した後も200〜300℃の温度となっている。したがって、ダイオキシン類を濾過式集塵装置において十分に除去可能な温度である100℃以下とするためには、この排ガスを多量の常温空気で希釈する必要があり、非常に大きな濾過式集塵装置を設置しなければならない。
(3)ガス中のダイオキシン類は活性炭の吹き込みを行わない場合でも、濾過式集塵装置によりダストと共に大部分(およそ7〜9割)が除去される。活性炭の吹き込みを行った場合、この除去効率は更に高くなるが、元々濾過式集塵装置で除去されていたダイオキシン類も活性炭に吸着されるため、活性炭吹き込みによりダイオキシン類が追加して削減される量と比較すると、かなり多くの量を吹き込むことが必要となる。製鋼用電気炉の排ガス量は廃棄物焼却施設の10〜100倍と非常に多いので、活性炭の使用量が多くなることは維持コストの面から無視できない問題である。
(4)排ガス中へ吹き込んだ活性炭は集塵装置により排ガスダストと共に除去されるため、活性炭を噴霧しない場合と比較して排出ダスト量が増大してしまう。さらに、排出ダスト全体に対する有価重金属の含有割合が低下するため、再利用価値の低下に繋がる。
(5)また、ダイオキシン類の発生は、ビニールやゴムが付着した鉄スクラップが溶解したときに一時的に多くなりやすい。しかし、ダイオキシン類が吸着されるろ布上の濾過層は厚みが数ミリ程度の不均一な層なので、高濃度のダイオキシン類に対しては十分な除去ができないことがあった。製鋼用電気炉はプロセスの時間的な変化が激しく、発生するダイオキシン類濃度に追随する形で活性炭噴霧量を調整することが困難なため、有害物質を安定して低い排出濃度とするためには多量の活性炭を定常的に吹き込み続ける必要がある。
(6)さらに、吹き込み用活性炭のサイロや吹き込み装置を別途設ける必要があり、設置スペースの確保の問題もあった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、製鋼用電気炉の排ガスや該製鋼用電気炉が設置されている建家の排ガス(排気)の処理方法において、排ガスからダイオキシン類を効率良く除去することができる製鋼用電気炉等の排ガスの処理方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]製鋼用電気炉又は該製鋼用電気炉が設置されている建家の少なくともいずれか一方から発生する排ガスの処理方法であって、
濾過式集塵装置により、100〜200℃で排ガス中の煤塵を除去する第1工程と、
第1工程の後、主に鉄鋼材料で作られた活性炭カートリッジに充填された粒状活性炭により排ガス中の有機塩素化合物を吸着する第2工程と、
所定の期間、第1工程及び第2工程の処理をした後、前記活性炭カートリッジを粒状活性炭が充填された状態で当該製鋼用電気炉に投入する第3工程と
を備えていることを特徴とする製鋼用電気炉等の排ガス処理方法。
[2]前記活性炭カートリッジは前記濾過式集塵装置の天井部もしくは出口ダクト部へ着脱可能に敷設されていることを特徴とする前記[1]に記載の製鋼用電気炉等の排ガスの処理方法。
[3]前記活性炭カートリッジは、複数の活性炭層から構成され、該活性炭層は、一方をガス流入面、他方をガス流出面とした一組の平行な面を備えていることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の製鋼用電気炉等の排ガスの処理方法。
[4]前記濾過式集塵装置のろ布は、濾過側の表面がメンブレン加工されていることを特徴とする前記[1]及至[3]のいずれかに記載の製鋼用電気炉等の排ガスの処理方法。
上記[1]に記載の発明によれば、排ガス中の有害物質となるダイオキシン類を含む有機塩素化合物は大部分が粒状活性炭に吸着されるので、排出される排ガスは極めて清浄となる。また、濾過式集塵装置での処理温度を従来よりも高温(100〜200℃)とすることにより、ダストへのダイオキシン類の吸着を抑制し、濾過式集塵装置から排出されるダストの有機塩素化合物の含有率を低減させることが可能となる。排ガス浄化に利用した活性炭カートリッジ内の粒状活性炭は、カートリッジに充填されたままの状態で電気炉へ投入されるので、使用済みの活性炭が周囲に飛散したりする恐れがないため作業環境の二次汚染の危険性が低く、交換作業員の安全性が高い。さらに、電気炉に投入された後は、有機塩素化合物は完全に熱分解して無害となる上、カートリッジ本体は電気炉原料として鉄の原料となり、内部充填された粒状活性炭はカーボンの代替として熱源としての効果もあるため、完全なリサイクルが達成可能である。
上記[2]に記載の発明によると、活性炭の充填装置はカートリッジ形式を採用しているため、その配置に自由度が高く、上記[2]に記載のように濾過式集塵装置上部及び側部等に設置が可能である。このため、独立して活性炭充填塔を設置する場合に比較して、機器の設置スペースが少なく効率的な機器配置が可能になる。
上記[3]に記載の発明では、処理対象の排ガスと活性炭を効率的に接触させることが可能となるため、活性炭のもつ吸着能力を十分に使い切ることが可能となる。また、活性炭カートリッジにより発生する圧力損失が、従来の活性炭吸着充填装置と比較して、概ね0.5kPa程度と低く、排ガスファンの負荷軽減となり、設備コスト及び電気代等のランニングコストの低減を可能とする。
上記[4]に記載の発明では、メンブレンコーティングのろ布を利用することで、電気炉に特有の粒径の小さいダストを除去することが可能となる。電気炉排ガスの処理で通常使われているろ布では、通常のばいじん濃度の測定では検出されない微細ダストがろ布を通過して大気放出されていた。濾過式集塵装置の後段に活性炭カートリッジを用いると、その微細ダストがカートリッジ内へ進入し活性炭表面へ付着するため、十分な活性炭の吸着性能が維持できなくなる。また、微細ダストが活性炭カートリッジ内に堆積することにより、活性炭カートリッジの圧力損失が増大して、排ガス吸引ファンの負荷増大になる。一方、メンブレンコーティングのろ布は、微細ダストまで除去可能なため、排ガスはより洗浄され、後段に設置する活性炭カートリッジ内へのダストの侵入及び活性炭吸着能の阻害を防ぐことが可能となる。また、ろ布表面からのダストの剥離性に優れているため、濾過式集塵装置本体の使用時の圧力損失も増加しない。
本発明の実施の形態について、図1に示すガスフローに基づいて説明する。
ちなみに、製鋼用電気炉の排ガスは上述のように電気炉から直接吸引する系統と電気炉が設置された建屋の上部から換気も兼ねて吸引する間接吸引の系統がある。本発明は、ダイオキシン類濃度が高いと考えられる直接吸引系統の排ガスの処理に最も適しているが、ダイオキシン類濃度が比較的低いと考えられる建家からの排ガス(排気)の処理も可能であり、(A)直接吸引系統の排ガスのみの処理、(B)直接吸引系統の排ガスと建家からの排気の混合処理、(C)建家からの排気のみの処理の3パターンが考えられる。以下、本発明の一実施形態として、(B)のパターンについて詳述するが、(A)や(C)のパターンも同様の処理方法である。また、本発明は、ダイオキシン類に限らず、クロロベンゼンやクロロフェノール等も含んだ有機塩素化合物全般の除去に適しているため、以下、除去対象の物質を有機塩素化合物として説明する。
図1に示すように、電気炉から発生する排ガス11を専用のファン14にて吸引し、排ガス用濾過式集塵装置17へ搬送する。電気炉出口の排ガス温度燃焼塔出口では最高で900℃程度になるが、これを濾過式集塵装置17の入口において、100〜200℃にまで減温する。廃棄物焼却施設においては排ガス温度を概ね200℃以下に冷却することが義務付けされている様に、この上限温度よりも高いとダイオキシン類の再合成が起きやすくなり、ダイオキシン類濃度が増加するおそれがある。また、この下限温度よりも低いと排ガス中の有機塩素化合物がダストに付着しやすくなるため、濾過式集塵装置17で集塵されて排出されるダスト中の有機塩素化合物濃度が高くなってしまう。また、これらの現象をより確実に回避するためは、濾過式集塵装置の入口温度を120〜160℃とすることがより望ましい。排ガス温度とダイオキシン類濃度との関係について、発明者らが測定分析した結果に基づいて作成したグラフを図2に示す。
排ガスの減温手段としては、周知の様々な技術手段が適用できるが、例えば、放熱塔(トロンボーン式クーラー)13による方法や、電気炉建屋からの常温の排気空気12を混合させる方法(濾過式集塵装置17の入口温度を温度計16で測定し、その測定結果に基づいて、混合する排気空気12の流量を流量調整弁15によって調整する方法)、あるいは、これらの組合せなどがある。排ガス量は、炉規模や冷却手段の違いなどにもよるが、50トン炉で冷却手段が排気空気混合方式の場合だと、濾過式集塵装置17入口で概ね700,000mN/h程度となる。
濾過式集塵装置17に用いられるろ布には様々な種類があるが、本発明に好適なものは、濾過側の表面にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のメンブレン加工を施したろ布(以下、「メンブレンフィルタ」と称する。)である。電気炉から発生するダストは、メジアン径が2〜4μm程度と非常に微細なため、メンブレン加工が施されていないろ布では、ダストが擦り抜けるおそれがあるからである。ろ布の材質は、排ガスの温度や性状、必要とされる耐久性などの条件に応じ、適切なものを選択する。たとえば、ガラス織布、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、ポリイミド繊維、テトロン(登録商標)、テファイヤー(登録商標)などが使用できる。
活性炭カートリッジは、濾過式集塵装置17の下流側に設ける。図3に示すような、複数の活性炭カートリッジ2を具備した活性炭吸着装置18を独立して設けてもよいし、あるいは、濾過式集塵装置17の内部(クリーンルーム)に活性炭カートリッジ2を配置した一体構造としてもよい。
活性炭カートリッジは、例えば、一辺の長さが1〜2m程度の6面体とし、処理ガス量に応じて必要なカートリッジ数を決める。1台の活性炭カートリッジに充填されている活性炭の量は、例えば0.5〜1m(空間速度10,000〜20,000h−1)であるが、排ガス性状、要求される性能などによって適宜選択できる。また、活性炭カートリッジにおける処理ガス温度は、濾過式集塵装置とほぼ同じ温度とすることができるが、温度を下げると活性炭への吸着性能をより向上させることができる。
活性炭カートリッジは、活性炭吸着装置18や濾過式集塵装置17から容易に着脱可能なものとすることが望ましい。着脱が容易に可能な構造とすると、劣化(破過)した活性炭が充填された活性炭カートリッジを、新品の若しくは再生された活性炭が充填された活性炭カートリッジに交換することにより、活性炭の入れ替えに要する時間や手間を削減することができ、活性炭吸着装置のメンテナンス時間を短縮することが可能となる。
活性炭カートリッジに備えられた活性炭収納部の形状は直方体が一般的であるが、該活性炭収納部が、実質的に平行な1組の面の一方をガス流入側面、他方をガス流出側面として有していればこの限りではなく、三角柱や円柱など実質的に平行な1組の面を有するものであれば良い。活性炭収納部を含めた活性炭カートリッジは、製鋼用電気炉のスクラップ原料として利用でき、耐久性や耐熱性もある炭素鋼やステンレス鋼などの鉄鋼材料によって大部分を製作することが望ましい。ガス流入側面及びガス流出側面は、鉄鋼材料で出来た金網、パンチングメタル(打抜金網)などの通気性を有するものを用いる。これらガス流入側面及びガス流出側面は通常は平面であり、また、互いに実質的に平行であることが必要である。なお、これらガス流入側面及びガス流出側面は通常は共に長方形で、かつ、面対称とする。
活性炭収納部に充填する活性炭は、粒径が0.5mm以上3.4mm以下(粒度が6メッシュ以上32メッシュ以下)が好ましい。従来の排ガス用活性炭吸着装置で一般的に用いられている活性炭の粒径は4〜8mm程度であるが、これらよりも粒径が小さい活性炭を使用したのは、活性炭への有機塩素化合物の吸着は活性炭粒の表面近傍で大部分が行われていると考えられるからである。したがって、粒径が小さい程排ガスとの接触面積が増え、活性炭層の厚さが同じ場合での比較で、除去効率が高くなる。また、上記から、粒径が小さい活性炭を用いた場合、活性炭吸着装置としての除去率を従来と同じにする場合には活性炭量をより少なくできる。
しかし、粒径が小さい活性炭を用いた場合、流動化しやすくなるという問題が生じる場合があるので、活性炭を活性炭収納部に密に充填し、濾過流速を速くしても活性炭層のいずれの部分にも流動化が起こらないようにすることが望ましい。このように実質的に流動化できない状態に充填する方法としては、バイブレータで振動を与えながら充填する、充填時に棒などで上から押さえつけるなどの方法が挙げられる。また、活性炭層と活性炭収納部の蓋との間にも隙間が生じない様に、グラスウールなどの緩衝材を用いて圧着させてもよい。
充填する活性炭の種類は、円柱状炭(成形炭)、破砕炭、顆粒炭、球状炭のいずれでもよい。ここで、球状炭は形状的には最も好ましいが非常に高価であり、破砕炭や顆粒炭は粒径のばらつきが大きく、ガス流入側面やガス流出側面のガス透過板の孔を擦り抜けるものも含まれてしまうおそれがあることから、円柱状炭(成形炭)であることが最も望ましい。
ここで、本発明において用いる活性炭カートリッジの一例について図4のモデル図に基づいて説明する。図4(a)は活性炭層の断面図、図4(b)は活性炭層の斜視図、図4(c)は活性炭カートリッジの断面図、図4(d)は活性炭カートリッジの斜視図である。
本発明において用いる活性炭カートリッジ2は、直方体の活性炭層1を4層具備している。ただし、該活性炭層1の数は、該活性炭カートリッジ2の処理ガス量などに応じて適宜決定されるもので、特に4層に限定されるものではない。排ガスは、該活性炭カートリッジ2の開口部を有する一面(入口面)から内部に入り、該活性炭層1をクロスフローで通過し、入口面と向き合った出口面から排出される。排ガスがこの該活性炭層1を通過するに際し、排ガス中から有機塩素化合物が吸着により除去される。
該活性炭層1は、収納部1aを備え、該活性炭収納部1aが、平行な1組の面を、一方をガス流入側面1b、他方をガス流出側面1cとして有し、さらに、内部に充填される活性炭を交換可能とする開閉可能な蓋部1dを具備し、かつ、内部に粒径が0.5mm以上3.4mm以下の活性炭ACが蓋部1dとの隙間がなく圧密充填されて、内部の活性炭ACが実質的に流動化できない状態に密に充填されている。このとき、ガス流入側面1bとガス流出側面1cとの間に形成される活性炭ACからなる活性炭層の厚さDは100mm以下であることが望ましい。
そして、活性炭吸着装置18(活性炭カートリッジ2)を通過した排ガスを、ファン21にて吸引し、排気塔22から放出する。
一方、電気炉が設置された建屋からの排気12は、一般的に有機塩素化合物濃度が低く、ほぼ常温なので、ファン19にて吸引してから建屋用濾過式集塵装置20で除塵処理のみを行って、大気に放出する。
なお、活性炭カートリッジ2は、所定の期間使用した後、粒状活性炭が充填された状態で電気炉に投入される。
以上が、本発明の一実施形態の説明であるが、さらに詳細を以下に述べる。
製鋼用電気炉の排ガスは、濾過式集塵装置によってダストや重金属等が除去される。従来の製鋼用電気炉の排ガス処理設備では、排ガス温度を80℃以下に下げて気相中の有機塩素化合物を浮遊するダストに付着させてから除塵処理を行うことにより、排ガス中の有機塩素化合物を除去していた。
これに対して、本発明の一実施形態では、濾過式集塵装置における排ガス処理温度を120〜160℃とし、有機塩素化合物が気相中に存在する割合を増やし、ダストに付着する有機塩素化合物の量を減らして除塵処理する。このことによって、濾過式集塵装置で捕集されるダストの有機塩素化合物濃度を低減させることができる。気相中に存在する有機塩素化合物は、大部分が有機塩素化合物濾過式集塵装置のろ布を擦り抜けるが、これらは濾過式集塵装置の内部または下流に設置された活性炭カートリッジによりほぼ完全に補足され、大気中には清浄化された排ガスが放出される。
カートリッジ内では排ガスと活性炭が接触することにより、排ガス中の有機塩素化合物を中心とした有害成分が活性炭により吸着除去される。活性炭は、通ガスする時間に伴って吸着性能や吸着の余力が徐々に低下するが、本発明における活性炭の寿命はおよそ半年から1年程度であることが実施した試験により確認されており、日常の運転時においては活性炭の交換やメンテナンスを必要としない。活性炭の吸着性能が低下して交換時期を迎えた場合は、カートリッジ内部から活性炭を取り出す方法ではなく、活性炭吸着塔や濾過式集塵装置からカートリッジごと搬出する方法で行う。そして、新しい活性炭が充填された新規のカートリッジを装着する。
使用済みの活性炭カートリッジは、カートリッジ本体が主に鉄鋼材料で製作されたものであり、その状態のままで電気炉に投入し、他のスクラップ原料と共に処理することができる。炉内は1000℃以上の高温となるで溶融されるため、活性炭に吸着された有機塩素化合物は瞬時に分解して無害化される。また、カートリッジ本体はスクラップ鉄原料となり、活性炭はカーボン代替の熱源となるので、使用済みの活性炭カートリッジを資源として完全にリサイクルすることが可能となる。
処理ガス量300mN/hr、活性炭充填量30L(空間速度10,000h−1)の小型試験装置を用いて本発明を実施した結果(本発明例)を表1に示す。これに対して、従来技術によって実施した結果(従来例)を表2に示す。
Figure 2007198668
Figure 2007198668
従来例では、表2に示すように、処理後(濾過式集塵装置出口)のダイオキシン類濃度(毒性等量)が0.4ngTEQ/mであったのに対して、本発明例では、表1に示すように、処理後(活性炭カートリッジ出口)のダイオキシン類濃度(毒性等量)が0.01ngTEQ/m未満と大幅に低減していた。
これによって、本発明の有効性を確認することができた。
本発明の一実施形態におけるガスフローである。 濾過式集塵装置入口排ガス温度とダイオキシン類濃度の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態における活性炭吸着装置の説明図である。 本発明で用いる活性炭カートリッジの一例を示す図である。
符号の説明
1 活性炭層
1a 活性炭収納部
1b ガス流入側面
1c ガス流出側面
1d 蓋部
2 活性炭カートリッジ
11 電気炉からの排ガス
12 建屋からの排気(排ガス)
13 放熱塔
14 ファン
15 流量調整弁
16 温度計
17 排ガス用濾過式集塵装置
18 活性炭吸着装置
19 ファン
20 建屋用濾過式集塵装置
21 ファン
22 排気塔

Claims (4)

  1. 製鋼用電気炉又は該製鋼用電気炉が設置されている建家の少なくともいずれか一方から発生する排ガスの処理方法であって、
    濾過式集塵装置により、100〜200℃で排ガス中の煤塵を除去する第1工程と、
    第1工程の後、主に鉄鋼材料で作られた活性炭カートリッジに充填された粒状活性炭により排ガス中の有機塩素化合物を吸着する第2工程と、
    所定の期間、第1工程及び第2工程の処理をした後、前記活性炭カートリッジを粒状活性炭が充填された状態で当該製鋼用電気炉に投入する第3工程と
    を備えていることを特徴とする製鋼用電気炉等の排ガス処理方法。
  2. 前記活性炭カートリッジは前記濾過式集塵装置の天井部もしくは出口ダクト部へ着脱可能に敷設されていることを特徴とする請求項1に記載の製鋼用電気炉等の排ガスの処理方法。
  3. 前記活性炭カートリッジは、複数の活性炭層から構成され、該活性炭層は、一方をガス流入面、他方をガス流出面とした一組の平行な面を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の製鋼用電気炉等の排ガスの処理方法。
  4. 前記濾過式集塵装置のろ布は、濾過側の表面がメンブレン加工されていることを特徴とする請求項1及至3のいずれかに記載の製鋼用電気炉等の排ガスの処理方法。
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