JP2007197644A - α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル共重合体 - Google Patents

α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル共重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐汚染性に優れた塗料、およびその原料として有用な共重合体を提供する
【解決手段】下記式(1)で表されるα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル〔式中、R1は、炭素数が1〜20の炭化水素基を表し、R2は、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。〕およびアクリル酸エステルから構成される共重合体、および該共重合体を含む塗料。
Figure 2007197644

【選択図】なし

Description

本発明は、優れた耐汚染性を有する新規共重合体に関するものである。また本発明は、該共重合体を含む塗料、およびそれから得られる塗膜も包含する。
建築外装用塗料分野では、これまでの技術改良の積み重ねにより、塗膜の耐久性が向上した結果、塗り替えサイクルが長くなり、汚れが目立つようになっている。そのため近年では、汚れにくい耐汚染性塗料がますます求められている。この耐汚染性を達成するために、従来、光触媒により汚染物質を分解・除去することが知られている。しかし光触媒を塗料に添加すると、塗料中の合成樹脂(バインダー)自体が劣化するため、充分な耐候性を発揮することが難しい。
またケイ酸エステルなどの親水性成分を塗料に添加することで塗膜を親水化し、雨水により汚れを浮き上がらせることにより、耐汚染性を実現することも知られている。例えば特許文献1は、耐候性および耐汚染性に優れる塗料として、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルの共重合体、アルコキシシランおよびそれらの溶剤からなる溶剤型塗料を提案している(特に請求項1参照)。しかしアルコキシシランの添加により塗料の安定性が低下するため、塗工の直前に配合する二液タイプの塗料にする必要があった。
なお特許文献1の発明は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを、共重合体中に水酸基を多量に導入するために用いている。即ち特許文献1の発明では、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルは、塗料中に含まれるアルコキシシランの硬化反応を促進するためにのみ用いられ、塗膜の耐汚染性はアルコキシシランにより達成されることを前提としている(特に段落0003〜0005参照)。
さらに特許文献1の発明では、水酸基含有量の高い共重合体を前提としているため、その共重合体のガラス転移温度が高いと考えられる。例えば特許文献1の参考例1(段落0021)で得られた共重合体のガラス転移温度は53℃である。そのためこのような共重合体では、成膜性が劣り、水性塗料で用いることは難しいと予想される。そして特許文献1の発明は、溶剤型塗料に限定されている。
特開平9−53042号公報、請求項1、段落0003〜0005、段落0021
従って本発明の目的は、殊に塗料に悪影響を及ぼし得る光触媒やアルコキシシランなどを必須としなくても、耐汚染性に優れた塗料を提供すること、より詳細には耐汚染性塗料の原料として有用な、それ自体が耐汚染性を有する共重合体を提供することである。
上記目的を達成し得た本発明とは、下記式(1)で表されるα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル〔式中、R1は、炭素数が1〜20の炭化水素基を表し、R2は、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。〕およびアクリル酸エステルから構成される共重合体に関するものである。
Figure 2007197644
本発明の好ましい共重合体は、水性エマルションの形態で存在する。また本発明は、前記共重合体を含む塗料、および該塗料から得られた塗膜も提供する。
驚くべきことに、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルから構成される共重合体を含む塗料は、光触媒やアルコキシシランを含有せずとも、良好な耐汚染性を示すことを見出した。よって本発明の共重合体は、その優れた耐汚染性の故に、耐汚染性を備えた窯業系の外装用塗料または屋外塗装のための外装用塗料の原料として有用である。
発明を実施するための形態
本発明の共重合体は、前記式(1)で表されるα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルから構成されることを要旨とする。
前記式(1)中のR1は炭化水素基であり、R2は炭化水素基または水素である。なおR1およびR2は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。炭化水素基の炭素数は1〜20程度、好ましくは1〜10程度、さらに好ましくは1〜5程度である。
前記炭化水素基には、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などの脂肪族炭化水素基;アリール基(フェニル基など)、アラルキル基などの芳香環を有する芳香族炭化水素基などが含まれる。脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。さらに炭化水素基(例えば芳香族炭化水素基、特にアリール基)は、C、H以外の元素を含む基、例えばハロゲン、ヒドロキシル基およびアミノ基で置換されていてもよい。
好ましいR1には、C1-10アルキル基(特にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのC1-5アルキル基)が含まれる。好ましいR2には、水素原子、C1-9アルキル基(特にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのC1-4アルキル基)、C7-10アラルキル基などが含まれる。
好ましいα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルとしては、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル(メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルまたはブチルエステルなど;以下、同様)、α−(1−ヒドロキシエチル)アクリル酸エステル、α−(1−ヒドロキシプロピル)アクリル酸エステル、α−(1−ヒドロキシブチル)アクリル酸エステル、α−(1−ヒドロキシペンチル)アクリル酸エステル、α−(1−ヒドロキシヘキシル)アクリル酸エステル、あるいはα−(1−ヒドロキシベンジル)アクリル酸エステルなどを例示できる。さらに好ましいα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルは、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のメチル、エチルまたはブチルエステルであり、特にα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルである。
耐汚染性の効果を充分に発揮するために、前記α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルは、共重合体中に3質量%以上含まれていることが好ましい。一方、前記α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルが過剰になると塗膜の可とう性が低下し、耐凍害性、ひび割れ追従性が低下するため、その好ましい上限は50質量%である。共重合体中のより好ましいα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル量は、5〜40質量%、より好ましくは20〜30質量%である。
本発明の共重合体は、前記α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル以外のアクリル酸エステルに由来する成分を有することも特徴とする。このアクリル酸エステル由来成分を含むことで、成膜性および柔軟性に優れた共重合体を得ることができる。このような共重合体から、成膜性および柔軟性が向上した塗料が得られ、さらに、建物ひび割れ時の追従性や耐凍害性に優れた塗膜を得ることができる。
前記アクリル酸エステルの中でも、柔軟性に優れた共重合体を形成し得る好ましいものとして、例えば以下のようなものを、1種または2種以上で使用することができる:
アクリル酸C1-20アルキルエステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、トリデシルアクリレート;
アクリル酸C4-20シクロアルキルエステル、例えばシクロへキシルアクリレート、メチルシクロへキシルアクリレート、シクロドデシルアクリレート、t−ブチルシクロへキシルアクリレート;
アクリル酸C3-20アルケニルエステル、例えばアリルアクリレート;
アクリル酸C7-20アラルキルエステル、例えばベンジルアクリレート;
重合性不飽和結合を2つ以上有するアクリレート、例えばポリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート。
上で例示したアクリル酸エステルの中でも、好ましくはアクリル酸のC1-20アルキルエステル、より好ましくはC4-10アルキルエステル、さらに好ましくはC4-6アルキルエステル、および/またはアクリル酸のC4-20シクロアルキルエステル、より好ましくはC6-10シクロアルキルエステル、さらに好ましくはC6-8シクロアルキルエステルを用いることが、優れた耐水性および耐候性が得られるため望ましい。これらの中でも2−エチルヘキシルアクリレートおよびn−ブチルアクリレートがより好ましい。
本発明の共重合体を製造するために、前記アクリル酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸シクロアルキルエステル以外にも、その他の重合性成分を使用することができる。しかし優れた耐水性および耐候性を有する共重合体を製造するために、前記α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルの他には、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸シクロアルキルエステルのみを用いることが好ましい。
前記アクリル酸エステルの量は、共重合体中に、好ましくは25〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%、さらに好ましくは20〜40質量%である。アクリル酸エステル量が25質量%未満であると、柔軟性に優れた塗膜が得られないおそれがあり、一方70質量%を越えるとかえって塗膜が軟らかくなり過ぎて、付着した汚染物質が除去されにくくなり、耐汚染性の効果が低下することが考えられるからである。
さらに本発明の共重合体は、その効果(柔軟性など)を損なわない範囲で、以下に例示するようなアクリル酸エステルを含有することができる:
水酸基含有アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、Placcel FA−1、Placcel FA−4(以上、ダイセル化学(株)製のヒドロキシアルキルアクリレートへのε−カプロラクトン付加物);
アミノ基含有アクリレート、例えばt−ブチルアミノエチルアクリレート、t−ブチルアミノプロピルアクリレート;
含窒素ヘテロシクリル基含有アクリレート、例えばアジリジニルエチルアクリレート、ピロリジニルエチルアクリレート、ピペリジニルエチルアクリレート;
エポキシ基含有アクリレート、例えばグリシジルアクリレート;
ウレタン基含有アクリレート、例えばイソシアネート基含有化合物とヒドロキシアルキルアクリレートとの反応物。
本発明の共重合体は、前記α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル以外の他の重合性成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で含んでいても良い。但し、共重合体中の他の重合性成分量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下であることが推奨される。本発明において、他の重合性成分は特に限定されず、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルと共重合し得るあらゆるビニル系モノマーまたはマクロマーを、1種または2種以上で使用することができる。
ビニル系モノマーまたはマクロマーとして、芳香環を有するモノマー(例えばスチレン、α−メチルスチレン)、アリル系モノマー(例えばトリアリルシアヌレート)、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその誘導体(その無水物、塩若しくはエステルなど)、(メタ)アクリル基を有するモノマーまたはマクロマーを挙げることができる。
前記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物として、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸若しくは無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸若しくはイタコン酸無水物、シトラコン酸若しくはシトラコン酸無水物などのジカルボン酸またはその無水物を挙げることができる。
前記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸誘導体として、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸と炭素数1〜20の直鎖、分岐若しくは環状アルコールとのエステル、例えばマレイン酸と炭素数1〜20の直鎖、分岐若しくは環状アルコールとのモノエステル若しくはジエステル、またはα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の塩、例えばそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、さらにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のカプロラクトン変性物、例えば(メタ)アクリル酸のカプロラクトン変性物を挙げることができる。また4−クロトイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのような光安定性モノマーを使用してもよい。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸およびその誘導体の中でも、以下に例示するような(メタ)アクリル系モノマーまたはマクロマーが好ましく、(メタ)アクリル系モノマーがより好ましい。これらも、1種のみ、または2種以上で使用することができる。
(メタ)アクリル酸、およびその塩、例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩;
カルボキシル基以外の酸性基を有する(メタ)アクリル系モノマー、例えば(メタ)アクリロキシエチルホスフェート、およびその塩、例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩;
塩基性の基を有する(メタ)アクリル系モノマー、例えば(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;
(メタ)アクリルアミド類、例えば(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;
(メタ)アクリル系モノマーの中でも、以下に例示するようなメタクリレート類がより好ましい:
メタクリル酸C1-20アルキルエステル、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート;
メタクリル酸C4-20シクロアルキルエステル、例えばシクロへキシルメタクリレート、メチルシクロへキシルメタクリレート、シクロドデシルメタクリレート、t−ブチルシクロへキシルメタクリレート;
メタクリル酸C3-20アルケニルエステル、例えばアリルメタクリレート;
メタクリル酸C7-20アラルキルエステル、例えばベンジルメタクリレート;
重合性不飽和結合を2つ以上有するメタクリレート、例えばポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート;
水酸基含有メタクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、Placcel FM−1およびPlaccel FM−4(以上、ダイセル化学(株)製のヒドロキシアルキルメタクリレートへのε−カプロラクトン付加物);
アミノ基含有メタクリレート、例えばt−ブチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノプロピルメタクリレート;
含窒素ヘテロシクリル基含有メタクリレート、例えばアジリジニルエチルメタクリレート、ピロリジニルエチルメタクリレート、ピペリジニルエチルメタクリレート;
エポキシ基含有メタクリレート、例えばグリシジルメタクリレート;
ウレタン基含有メタクリレート、例えばイソシアネート基含有化合物とヒドロキシアルキルメタクリレートとの反応物。
上で例示したようなメタクリレート類の中でも、好ましくはメタクリル酸のC1-20アルキルエステル、より好ましくはC4-10アルキルエステル、さらに好ましくはC4-6アルキルエステル、および/またはメタクリル酸のC4-20シクロアルキルエステル、より好ましくはC6-10シクロアルキルエステル、さらに好ましくはC6-8シクロアルキルエステルを用いることが、優れた耐水性および耐候性が得られるため望ましい。
ビニル系モノマーまたはマクロマーとしてさらに、以下のような(メタ)アクリル基を有するモノマーまたはマクロマーを例示することができる。これらも1種または2種以上で使用することができる:
(メタ)アクリル基を有するシリコーンマクロマー、殊に(メタ)アクリル基を有するオルガノポリシロキサン、例えばγー(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン;
(メタ)アクリル基を有する光安定性モノマー、殊に(メタ)アクリル基を有するピペリジン、例えば4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
(メタ)アクリル基を有する紫外線吸収モノマー、例えば(メタ)アクリル基を有するベンゾフェノン(例えば2−ヒドロキシ−4−[3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ]ベンゾフェノン)、(メタ)アクリル基を有するベンゾトリアゾール(例えば2−[2’−ヒドロキシ−5’−((メタ)アクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−((メタ)アクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−((メタ)アクリロイルオキシメチル)フェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−((メタ)アクリロイルオキシメチル)フェニル]−5−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール)。
本発明の共重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」と省略する。)は、塗料中での使用を考慮すると、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは20℃以下、特に好ましくは0℃以下である。一方Tgが低い場合、塗膜を実暴露した際に汚染物質が塗膜に付着し易くなり、耐汚染性が悪化するおそれがあるため、Tgの下限は、好ましくは−50℃、より好ましくは−30℃、さらに好ましくは−20℃である。
前記共重合体のTgは、モノマーの質量分率を調整することにより、好ましい範囲に設定することができる。前記共重合体中のTg(K)は、各モノマーから得られる単独重合体のTg(K)と、前記共重合体中のモノマー質量分率から、下記計算式を用いて求めることができる。この計算Tgを目安にして、モノマー組成を決定することが好ましい。
Figure 2007197644
前記式中、Tgは求める共重合体のガラス転移温度(K)を示し、W1、W2、・・・Wnは、各モノマーの質量分率を示し、Tg1、Tg2、・・・Tgnは、対応するモノマーの単独重合体のガラス転移温度(K)を示す。なお、単独重合体のTgは、「POLYMER HANDBOOK」(第4版;John Wiley & Sons,Inc.発行)等の刊行物に記載されている数値を採用すればよい。
前記共重合体のTgは、例えば、対象とする樹脂分散液の樹脂固形分が10mgになるようにアルミパンに測り取り、120℃の熱風乾燥機で2時間乾燥させたサンプルを用いて、JIS K7136の方法に従うDSCにより測定することができる。
本発明の共重合体の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜2,000,000、より好ましくは20,000〜1,000,000、より好ましくは30,000〜500,000である。重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、ポリスチレン換算)によって測定することができる。
本発明の共重合体の重合法には、特に限定はなく、乳化重合、懸濁重合、溶液重合または塊状重合を用いることができ、また一段階重合および多段階重合のいずれでも良い。しかし本発明の共重合体を塗料中で用いる場合、水性エマルション、水性懸濁液または水溶液の形態で製造することが好ましい。環境保護の点で優れているからである。さらに塗料の成膜性および塗膜の耐水性も考慮すると、本発明の共重合体を、乳化重合により水性エマルションとして製造することが好ましい。但し懸濁重合、溶液重合または塊状重合で得られた重合体を、後分散することによって水性エマルション化しても良い。
本発明の共重合体を乳化重合する際に使用することができる乳化剤には、特に限定は無く、例えばアニオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、高分子乳化剤などを、1種のみまたは2種以上で使用することができる。乳化剤として、アニオン性乳化剤および非イオン性乳化剤が好ましい。
アニオン性乳化剤の例として、アルキルスルホネート、例えばアンモニウムドデシルスルホネート、ナトリウムドデシルスルホネート;アルキルアリールスルホネート、例えばアンモニウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムドデシルナフタレンスルホネート;ポリオキシエチレンアルキルスルホネート、例えば第一工業製薬(株)製「ハイテノール18E」など;ポリオキシエチレンアルキルアリールスルホネート、例えば第一工業製薬(株)製「ハイテノールN−08」など;ジアルキルスルホコハク酸塩;アリールスルホネートのホルマリン縮合物;脂肪酸塩、例えばアンモニウムラウレート、ナトリウムステアレートなどが挙げられる。
非イオン性乳化剤の例として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば三洋化成工業(株)製「ナロアクティーN−200」など;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、例えば三洋化成工業(株)製「ノニポール−200」など;ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールの縮合物;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセライド;ポリアミド;エチレンオキサイドと脂肪族アミンとの縮合生成物などが挙げられる。
カチオン性乳化剤の例として、アルキルアンモニウム塩、例えばドデシルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。両性乳化剤の例として、ベタインエステル型乳化剤などが挙げられる。高分子乳化剤の例として、ポリ(メタ)アクリル酸塩、例えばポリアクリル酸ナトリウム;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えばポリヒドロキシエチルアクリレートなどが挙げられる。これらの高分子乳化剤は、単独重合体でも共重合体でもよい。
水性エマルション形態の本発明の共重合体を塗料中で使用する場合、耐水性に優れた塗膜を得るために、重合可能な基を有する反応性乳化剤を使用することが好ましい。
反応性のアニオン性乳化剤の例として、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化スルホネート、例えば日本乳化剤(株)製「アントックスMS−60」など;プロペニル−アルキルスルホコハク酸モノエステル塩;(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート;(メタ)アクリル酸オキシエチレンホスホネート、例えば三洋化成工業(株)製「エレミノールRS−30」など;ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテルスルホネート、例えば第一工業製薬(株)製「アクアロンHS−10」など;アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンスルホネート、例えば第一工業製薬(株)製「アクアロンKH−10」など;アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレンスルホネート、例えば旭電化工業(株)製「アデカリアソープSE−10」など;アリル基含有硫酸エステル塩、殊にアリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン硫酸エステル塩、例えば旭電化工業(株)製「アデカリアソープSR−10」などが挙げられる。
反応性の非イオン性乳化剤の例として、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル、例えば第一工業製薬(株)製「アクアロンRN−20」など;アリルオキシメチルノニルフェニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン、例えば旭電化工業(株)製「アデカリアソープNE−10」など;アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン、例えば旭電化工業(株)製「アデカリアソープER−20」などが挙げられる。
乳化剤の使用量は、モノマーおよびマクロマーの合計使用量に対して、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%であるが、これらに限定されない。但し乳化剤が多すぎると、得られる塗膜の耐水性が低下するおそれがあり、一方少なすぎると重合安定性が低下しやすい。
乳化重合で使用することができる重合開始剤には、特に限定は無い。重合開始剤の例として、アゾ化合物、例えば2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド;過硫酸塩、例えば過硫酸カリウム;過酸化物、例えば過酸化水素などが挙げられる。これらのような重合開始剤を、1種または2種以上使用することができる。
重合開始剤の使用量は、モノマーおよびマクロマーの合計使用量に対して、好ましくは0.05〜1質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%であるが、これらに限定されない。重合開始剤が少なすぎると、重合速度が遅くなって未反応モノマーなどが残存しやすくなり、一方多すぎると、得られる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。
重合開始剤の添加方法には特に限定は無く、一括仕込み、分割仕込み、連続滴下などのあらゆる方法を採用することができる。また重合の完了を速めるために、多段階重合の最終段階でモノマーなどの滴下終了前後に、重合開始剤の一部を添加することもできる。但し、得られる重合体のエマルション粒子を細かくするために、重合開始剤の全使用量の40〜100質量%を初期重合段階で添加することが好ましい。
乳化重合において、重合開始剤の分解を促進するために、例えば亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤や、硫酸第一鉄のような遷移金属塩などを添加してもよい。
乳化重合には、通常、媒体として水が使用されるが、必要に応じて親水性溶媒、例えばメタノールのような低級アルコールなどを併用することができる。水性媒体(水、または水および親水性溶媒)の使用量は、重合体エマルションが所望の固形分となるよう、適宜設定すればよい。
乳化重合の温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは40〜95℃であるが、これらに限定されない。重合時間についても特に限定は無く、反応速度に応じて適宜設定すればよい。しかし生産性などの観点から、重合開始から終了までの時間は2〜8時間であることが好ましい。重合開始剤の効率を高めるために乳化重合は、一般に、窒素などの不活性ガスの雰囲気下で行われる。
乳化重合の際に、必要に応じて、pH緩衝剤、キレート剤、連鎖移動剤(例えばt−ドデシルメルカプタンのようなチオール基含有化合物)などの公知の添加剤を使用することができる。
本発明の共重合体は、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルを含むため、酸性条件下では下式に示すようなラクトン環化反応が生じ得る:
Figure 2007197644
よって耐熱性および耐溶剤性を向上させるために、本発明の共重合体、殊にその水性エマルションに、鉱酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸;有機酸、例えばトリフルオロ酢酸;またはヘテロポリ酸、例えばリンタングステン酸、リンモリブデン酸の1種または2種以上を添加してもよい。ラクトン環化のための酸性条件は、好ましくはpH5以下、より好ましくはpH3以下、さらに好ましくは2以下である。
但し水性エマルション形態の本発明の共重合体を塗料中で使用する場合、得られる塗膜が酸性雨などの酸性条件下に曝された場合も、塗膜中において前記のようなラクトン環化反応が起こることが期待されるので、本発明の共重合体に酸を添加しなくても良い。また水性エマルションの安定性や成膜性の観点から、共重合体の水性エマルションを、アンモニアなどにより、中性から弱アルカリ性に調整してもよい。
本発明は、前記共重合体を含む塗料およびそれから得られる塗膜も提供する。本発明の塗料は、必要に応じて、公知の塗料原料、例えば成膜助剤、無機系若しくは有機系顔料、無機系若しくは有機系充填材、滑剤、親水化剤、水溶性または水性樹脂、耐水化剤、熱可融性物質、pH調整剤、粘性調整剤、増粘剤および/または架橋剤を含んでいても良い
本発明の塗料を適用することができる対象は、特に限定されず、例えばモルタル、コンクリート、ALC(軽量気泡コンクリート)、PC(プレストレストコンクリート)板、スレート板、各種(金属系や石膏系等)サイディングボードのような無機系材料や、木材、各種プラスチック(FRPを含む)のような有機系材料を挙げることができる。
本発明の塗料を塗装する方法は、特に限定されず、はけ塗、ローラー塗、浸漬、エアスプレー法等の公知の方法を用いることができる。その塗布量は、塗料の固形分や比重、基材の種類や用途、模様の有無等に応じて適宜設定することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお以下では、特にことわりがない限り、「%」は「質量%」を表す。
1.共重合体エマルションの製造
(1)共重合体1(本発明)の製造
滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、脱イオン水125.0gを仕込んだ。また滴下ロートに、脱イオン水5.8g、乳化剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬(株)製)の25%水溶液4.0gおよびRN−20(第一工業製薬(株)製)の25%水溶液4.0g、モノマーとしてα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル25.0g、2−エチルヘキシルアクリレート45.0g、メチルメタクリレート29.0gおよびアクリル酸1.0gからなる一段目のプレエマルションを調製し、そのうちトータルモノマー量の5%にあたる7.3gをフラスコに添加し、緩やかに窒素ガスを吹き込みながら、撹拌下に75℃まで昇温した。昇温後、5%の過硫酸カリウム水溶液6.0gを添加し、重合を開始した。このときに反応系内を80℃まで昇温し、10分間維持した。ここまでを初期反応とした。
初期反応終了後、反応系内を80℃に維持したまま、調製した一段目プレエマルションの残りを120分間にわたって均一滴下した。滴下後、脱イオン水5gで滴下ロートを洗浄し、洗浄液をフラスコに添加した。その後も同温度で30分間維持し、次に25%アンモニア水を0.9g添加し、同温度で30分間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、100メッシュの金網でろ過して、固形分:38.9%、粘度:20mPa・s、pH:9.0、実測Tg:5℃の共重合体1のエマルションを得た。
ここでエマルションの固形分は、該エマルション約1gを秤量し、熱風乾燥機で105℃にて1時間乾燥し、乾燥後の残部の質量を、乾燥前質量に対する比率として質量%で表示したものである。
エマルションの粘度は、BM型粘度計(東京計器(株)製)により30rpm、25℃にて測定した。粘度測定時には粘度に応じたロータを選定した。
エマルションのpHは、pHメーター(堀場製作所(株)製「F−23」)により25℃での値を測定した。
実測Tgは、共重合体エマルションの共重合体固形分が10mgになるようにアルミパンに測り取り、120℃の熱風乾燥機で2時間乾燥させたサンプルを用いて、JIS K7136の方法に従うDSCにより測定した。
(2)共重合体2(本発明)の製造
メチルメタクリレートの代わりにシクロヘキシルメタクリレート28.0g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製「A−174」)1gを使用したこと以外は、共重合体1の製造と同様にして、固形分:38.8%、粘度:30mPa・s、pH:9.0、実測Tg:0℃の共重合体2のエマルションを得た。
(3)共重合体3(本発明)の製造
2−エチルヘキシルアクリレートの代わりにn−ブチルアクリレート45.0gを使用したこと以外は、共重合体1の製造と同様にして、固形分:38.7%、粘度:15mPa・s、pH:8.9、実測Tg:15℃の共重合体3のエマルションを得た。
(4)共重合体4(本発明)の製造
フラスコに最初に仕込んだ脱イオン水量を73.9gに変更し、アクリル酸の代わりにメタクリル酸1.0gを使用したこと以外は、共重合体1の製造と同様にして、固形分:48.9%、粘度:2000mPa・s、pH:8.8、実測Tg:7℃の共重合体4のエマルションを得た。
(5)共重合体5(本発明)の製造
フラスコに脱イオン水73.9gを仕込み、モノマーとしてα−ヒドロキシメチルメタクリル酸メチル40.0g、n−ブチルアクリレート45.0g、メチルメタクリレート14.0gおよびメタクリル酸1.0gを使用したこと以外は、共重合体1の製造と同様にして、固形分:48.3%、粘度:2500mPa・s、pH:8.9、実測Tg:12℃の共重合体5のエマルションを得た。
(6)共重合体6(本発明)の製造
フラスコに脱イオン水73.9gを仕込み、乳化剤としてアクアロンHS−10の25%水溶液2.0gおよびRN−20の25%水溶液6.0gを、モノマーとしてα−ヒドロキシメチルメタクリル酸メチル40.0g、2−エチルヘキシルアクリレート14.0g、n−ブチルアクリレート45.0gおよびアクリル酸1.0gを使用したこと以外は、共重合体1の製造と同様にして、固形分:48.2%、粘度:3400mPa・s、pH:8.5、実測Tg:−10℃の共重合体6のエマルションを得た。
(7)共重合体7(本発明)の製造
フラスコに脱イオン水73.9gを仕込み、乳化剤としてアクアロンHS−10の25%水溶液6.0gおよびRN−20の25%水溶液2.0gを、モノマーとしてα−ヒドロキシメチルメタクリル酸メチル5.0g、2−エチルヘキシルアクリレート15.0g、n−ブチルアクリレート15.0g、メチルメタクリレート10.0g、シクロヘキシルメタクリレート54.0gおよびアクリル酸1.0gを使用したこと以外は、共重合体1の製造と同様にして、固形分:48.0%、粘度:1800mPa・s、pH:8.4、実測Tg:22℃の共重合体7のエマルションを得た。
(8)共重合体8(本発明)の製造
フラスコに脱イオン水73.9gを仕込み、乳化剤としてアクアロンHS−10の25%水溶液6.0gおよびRN−20の25%水溶液2.0gを、モノマーとしてα−ヒドロキシメチルメタクリル酸メチル5.0g、2−エチルヘキシルアクリレート15.0g、n−ブチルアクリレート15.0g、シクロヘキシルメタクリレート54.0g、n−ブチルメタクリレート10.0gおよびアクリル酸1.0gを使用したこと以外は、共重合体1の製造と同様にして、固形分:48.0%、粘度:2200mPa・s、pH:8.4、実測Tg:11℃の共重合体8のエマルションを得た。
(9)共重合体9(本発明)の製造
フラスコに脱イオン水73.9gを仕込み、乳化剤としてアクアロンHS−10の25%水溶液6.0gおよびRN−20の25%水溶液2.0gを、モノマーとしてα−ヒドロキシメチルメタクリル酸メチル5.0g、2−エチルヘキシルアクリレート15.0g、n−ブチルアクリレート15.0g、シクロヘキシルメタクリレート54.0g、t−ブチルメタクリレート10.0gおよびアクリル酸1.0gを使用したこと以外は、共重合体1の製造と同様にして、固形分:48.0%、粘度:3500mPa・s、pH:8.4、実測Tg:25℃の共重合体9のエマルションを得た。
(10)共重合体10(本発明)の製造
フラスコに脱イオン水73.9gを仕込み、乳化剤としてアクアロンHS−10の25%水溶液6.0gおよびRN−20の25%水溶液2.0gを、モノマーとしてα−ヒドロキシメチルメタクリル酸メチル5.0g、2−エチルヘキシルアクリレート15.0g、n−ブチルアクリレート15.0g、シクロヘキシルメタクリレート54.0g、スチレン10.0gおよびアクリル酸1.0gを使用したこと以外は、共重合体1の製造と同様にして、固形分:48.0%、粘度:3000mPa・s、pH:8.4、実測Tg:24℃の共重合体10のエマルションを得た。
(11)共重合体11(比較例)の製造
フラスコに脱イオン水73.9gを仕込み、モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート45.0g、メチルメタクリレート54.0g、メタクリル酸1.0gを使用したこと以外は共重合体1の製造と同様にして、固形分:49.8%、粘度:3200mPa・s、pH:9.0、実測Tg:5℃の共重合体11(比較例)のエマルションを得た。
2.塗料の製造
前記のようにして得た共重合体1〜11のエマルションのそれぞれを300g、予め調製した白色ペーストを135g、消泡剤(サンノプコ製「ノプコ8034L」)を1.5g、ブチルセロソルブを15g、および成膜助剤(チッソ製「CS−12」)を15g配合し、塗料1〜10(本発明)および塗料11(比較例)を得た。
なお白色ペーストは、分散剤(花王製「デモールEP」)を60g、分散剤(第一工業製薬製「ディスコートN−14」)を50g、湿潤剤(花王製「エマルゲン909」)を10g、脱イオン水を210g、エチレングリコールを60g、酸化チタン(石原産業製「CR−95」)を1000g、および消泡剤(サンノプコ製「ノプコ8034L」)を10g配合し、これに直径2mmのガラスビーズを500g加えて、ホモディスパーで3000rpm×60分間撹拌した後、これをガーゼで濾過してガラスビーズを取り除くことにより調製した。
3.塗膜の製造および評価
(1)基材の調製
スレート板(ノザワ製「フレキハード(FS−N)」(ノンアスベストスレート))上に、溶剤シーラー(大日本塗料製「V セラン#200」)を、乾燥質量が20g/m2になるようにエアスプレーで塗装して、基材を調製した。
(2)塗膜の製造
前記のようにして得た基材上に、塗料1〜11を10milのアプリケーターで塗装し、室温下1週間養生することにより、塗膜1〜10(本発明)および塗膜11(比較例)を備えた試験板を得た。得られた塗膜の膜厚は100ミクロンであった。
(3)耐汚染性の評価
(3−1)耐汚染性Aの評価
前記のようにして製造した塗膜1〜11を、その試験板ごと、0.05%のカーボン水溶液に撹拌しながら浸漬し、その後に水洗して、塗膜への汚れ付着の程度を観察し、下記基準で評価した。その結果を表1に示す。
◎:汚れの付着なし
○:ほとんど汚れの付着なし
△:やや汚れの付着あり
×:汚れの付着あり
(3−2)耐汚染性Bの評価
前記のようにして製造した塗膜1〜11を、大阪府吹田市で、水平面から30°の角度をつけた状態で南に向けて室外で暴露させ、初期塗膜の明度に対する3ヶ月後の塗膜の明度の差(ΔL”値)を、JIS Z8730に従い、一体型分光式色差計(日本電子工業製)を用いて測定し、下記基準で評価した。その結果を表1に示す。なお一般に、ΔL”値が0に近いほど、その塗膜は汚れていないこと示す。
◎: ΔL”≦5
○:5<ΔL”≦10
△:10<ΔL”≦15
×:15<ΔL”
Figure 2007197644
表1の結果から、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルを含む共重合体1〜10から得られた塗膜1〜10(本発明)では、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルを含まない塗膜11(比較例)に比べて、耐汚染性AおよびBの両方が向上していることが分かる。
前記式(1)で表されるα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルから構成される本発明の共重合体は、優れた耐汚染性を示す。従って本発明の共重合体は、窯業系の外装用塗料または屋外塗装のための外装用塗料の原料として有用である。本発明の共重合体を含む組成物は、例えば、建築内外装用、メタリックベースまたはメタリックベース上のクリアーなどの自動車用、アルミニウム、ステンレス、銀などの金属直塗用、スレート、コンクリート、瓦、モルタル、石膏ボード、プレキャストコンクリート、軽量気泡コンクリート、珪酸カルシウム板、タイル、レンガなどの窯業系直塗用、ガラス用、天然大理石、御影石などの石材用の塗料または上面処理剤として好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表されるα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル〔式中、R1は、炭素数が1〜20の炭化水素基を表し、R2は、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。〕およびアクリル酸エステルから構成される共重合体。
    Figure 2007197644
  2. 水性エマルションの形態で存在する請求項1に記載の共重合体。
  3. 請求項1または2に記載の共重合体を含む塗料。
  4. 請求項3に記載の塗料から得られた塗膜。
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