JP2007197559A - 懸濁型地盤改良材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水砕スラグを主成分とし、アルカリ金属及び分散剤を含有する懸濁型地盤改良材において、アルカリ金属/二酸化ケイ素の重量比が0.15〜0.25であり、懸濁液中のカルシウムイオンは分散剤により捕獲された状態で、かつ地盤に注入された後、土壌中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の作用により、カルシウムイオンが関与するスラグ成分の水和反応を促進し、軟弱地盤を高強度に改良することができる。
【選択図】なし
Description
本願発明の懸濁型地盤改良材は、懸濁液それ自体単独では、1日以上固化することはなく、懸濁液は低粘性を維持するが、地盤中に注入すると土壌中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属成分によって水和反応が促進され、地盤を高強度に固化改良することができる。
しかし、これらの地盤改良材は高強度を発揮するものの、注入液の安定性および特にシルト分が少しでも含有されている地盤では浸透し難く、十分な地盤改良ができないという問題点があった。
この点を改良する懸濁型地盤改良材を提供するため、本出願人は、水、水砕スラグ、アルカリ刺激剤及び硬化剤を含有してなる組成物の調製に際し、水砕スラグ及びアルカリ刺激剤の合計量に対する水の量を0.3〜1(重量比)の高濃度で分散剤の存在下に激しく混練して懸濁液を調製することにより、地盤への浸透性に優れ、ゲル化までの液粘性が低く安定で、かつゲル化後の固結体強度が高い懸濁型地盤改良材の調製法を開示した(特許公開2005−97413)。また、同様な水砕スラグを主成分とする懸濁型地盤改良材に、更に粘性を与える高分子物質を含有させてシルト質土を多く含む粒度分布の広い土質の地盤においても優れた浸透性を示す懸濁型地盤改良材を提案した(特願2004−168733号)。
しかし、懸濁液の安定性に優れ、シルト質土を含有する地盤に対して十分浸透し、均一で高強度の地盤へ改良ができる懸濁型地盤改良材は、未だ要請されている。
すなわち、本願の発明は、水砕スラグを主成分とし、アルカリ金属及び分散剤を含有する懸濁型地盤改良材において、ナトリウム/二酸化珪素の重量比が0.15〜0.25であり、懸濁液中のカルシウムイオンは分散剤によって捕獲された状態で、かつ地盤に注入された後、土壌中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属によって硬化反応が進行することを特徴とする懸濁型地盤改良材である。
該特定量のナトリウムを用いることにより、水砕スラグ中の二酸化珪素の鎖状結合は、徐々に切断され、セメント同様の水和反応の原料となるカルシウムの懸濁液中への溶出は抑制される。
一方、懸濁液中に溶出したカルシウムイオンは、分散剤により捕獲されて、カルシウムイオン濃度は増大しないので、懸濁液中で水砕スラグ中成分の水和反応が進行しない。
しかし、この懸濁液を地盤に注入すると、土壌中のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属により、懸濁液中のアルカリ濃度が上昇し、水砕スラグ中の二酸化珪素の鎖状結合が切断され、スラグ中のカルシウムの溶出が促進され、急速に水和反応が進行し、地盤を高強度に硬化する。
このように、本願発明の懸濁型地盤改良材は、懸濁液の安定性及び地盤中への浸透性に優れ、地盤中に注入した後、地盤を高強度に改良することができる。
水砕スラグは、銑鉄と同時に生成する高炉溶融スラグを圧力水で急冷して製造される砂状のスラグで、セメント・コンクリート用材料や地盤改良用材料などのほか多方面に使用でき、優れた特性を有するものとして商品化され市販されている。
このような水砕スラグの成分は、スラグ製造メーカが各スラグの商品特性として、その化学成分等を公表しているので知ることができる。
公表される成分によると、水砕スラグは、その化学成分としてSiO2、Al2O3、CaO、MgO、S、MnO、Fe2O3などを含有している。
本願発明で使用される水砕スラグは、CaO、SiO2及びAl2O3を少なくとも必須の成分として含有するものであり、また、本願発明で好ましく使用される水砕スラグは、このブレーン値が7,000cm2/g以上であり、更に好ましくは8,000〜12,000cm2/gの範囲である。さらに、水砕スラグは懸濁型地盤改良材1m3あたり、40〜500kg、好ましくは、50〜300kgが用いられる。
これらのアルカリ刺激剤は、アルカリ金属として水砕スラグ中の二酸化珪素分に対して、重量比で0.15〜0.25の量が用いられる。この特定された範囲では、調製される注入材の性能及び地盤改良効果が全般的に優れている。
上記範囲未満又は超えると、注入液としての粘度、安定性、地盤への浸透性が不適切であり、または強度が不十分であるなど改良剤としての性能に満足できない点がある。
通常、水砕スラグを主剤とする地盤改良材では、それ自体単独では殆ど硬化能力がなく、硬化剤、増強剤等のアルカリ分の作用により水砕スラグのカルシウムイオンが溶出し、スラグ中のクリンカー化合物が水和反応を起し、水和物を生成しこれらが土粒子間に架橋結合し、地盤を硬化するとされている。
したがって、水砕スラグを主剤とする懸濁型地盤改良材では、スラグの硬化性を発現させるために硬化剤や増強剤等のアルカリ性の化合物を加えて改良材を調合すると、調合後直ちに、スラグ含有成分であるCaO,SiO2,Al2O3などの成分が、調合された懸濁液において溶出するカルシウムイオンにより水和反応がおこり、調合された注入液を施工に十分な時間安定に保持することが出来なかった。その結果、調合された注入液を地盤中に十分に浸透させることが困難であった。
一方、注入液は改良を要する地盤中に優れた浸透性を有する。通常、土壌中の地下水には、塩素、硫酸根、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウムや珪酸などの化学成分が溶けている(地表環境の地学−地形と土壌:新版地学教育講座3巻、東海大学出版会、1998年3月20日発行、117頁)。懸濁液がこのような化学成分を含有する地盤に注入されると、地盤中のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属により懸濁液のアルカリ濃度が増大し、スラグ中の二酸化珪素の鎖状結合が更に切断され、スラグ中のカルシウムイオンの溶出が多くなり、スラグ中から溶出したカルシウムイオンが水砕スラグ含有成分の水和反応を促進し、急速に硬化反応が進行する。水和生成物を生成し、土壌粒子間の架橋により軟弱地盤の固化反応が進行し、高強度の固結体を形成する。
実施例1
高炉水砕スラグ(スミットメント スーパー10、ブレーン値 10,000cm2/g;住金鉱化株式会社;CaO 42.5重量%、SiO2 33.5重量%) 200g及び消石灰(秩父石灰工業株式会社)50gの合計量に対して、125mLの水を用い、分散剤(オレフィン−マレイン酸共重合体塩:日本ゼオン株式会社)5.0gの存在下に攪拌槽中でプロペラ型羽根付き攪拌機(モーター:HEDIONスリーワンモーター600G)で20℃、5分間激しく攪拌混練して、ペースト状の混練物を得た。
調製した注入液の初期粘度、流動消失時間、サンドゲル強度、一次元浸透距離を測定した。結果を表1に示す。
なお、試験方法は次の通りである。
1)初期粘度
調製直後の注入材を20℃に保ち、B型粘度計60rpmで粘度を測定した。
2)流動消失時間
調製した注入材を静置状態で放置し、時々傾斜させて懸濁液部の流動性が失われるまでに要した時間又は日数。
3)サンドゲル強度
豊浦砂と注入材を重量比で310:83の割合で混和し、成型用円筒モールド容器(内径50mm、高さ100mm)に充填放置し、径日の強度変化を測定した。1日、3日、14日の養生条件をそれぞれ経過後、脱型し、得られたサンドゲルを1軸圧縮強度試験に供した。そして、単位面積あたりの降伏破壊強度を求め、サンドゲル強度とした。
4)一次元浸透距離
JGS0812(安定処理土静的締固めによる供試体作成方法の2)の試験用具に規定する注入装置に準じる試験用具、懸濁液を経て最終的に調製された懸濁型地盤改良材を圧力容器に充填し、これを空隙率41%で豊浦砂を詰めたφ5cm、長さ1mの試料管に、コンプレッサーにより下方から加圧注入し、管を上昇する調製液の高さを計測した。
実施例1と同様の方法においてB/Aが表1に示すように変えて試験を行い、同様に各性能を評価した。結果を表1に纏めて示す。
Claims (1)
- 水砕スラグを主成分とし、アルカリ金属及び分散剤を含有する懸濁型地盤改良材において、ナトリウム/二酸化珪素の重量比が0.15〜0.25であり、懸濁液中のカルシウムイオンは分散剤によって捕獲された状態で、かつ地盤に注入された後、土壌中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属によって硬化反応が進行することを特徴とする懸濁型地盤改良材。
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