JP2007197374A - 寿命延長剤、それを含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品 - Google Patents

寿命延長剤、それを含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品 Download PDF

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Abstract

【課題】
継続的に使用しても安全かつ効果的に寿命を延長することが可能な寿命延長剤を提供する。
【解決手段】リンゴ由来ポリフェノールを有効成分として含有してなることを特徴とする寿命延長剤。
【選択図】なし

Description

本発明は寿命延長剤、それを含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品に関する。
我が国は世界でも有数の長寿国であるが、近年になり運動量減少、ストレス要因の増加、食生活の高カロリー化および摂取栄養バランスの欠如が進行し、虚血性心疾患、脳卒中、糖尿病などの危険因子と考えられている生活習慣病の罹患率のさらなる上昇が懸念されている。
このような死に至る疾患予防の観点から、日々摂取しても副作用が無く、寿命延長効果をもつ健康食品が大変期待されている。一方これまでの研究で、リンゴ由来ポリフェノールは生体内外で抗酸化作用を有し、生体内脂質代謝調整作用、血圧低下作用、抗アレルギー作用等を有することが明らかにされてきた。
しかし、ポリフェノールと寿命延長効果に関する先行技術としては、ミトコンドリアのエネルギー代謝の刺激を特徴とした特許文献1(ブドウおよびブドウ種子抽出物等を含む組成物)があるが、実施例中に寿命延長効果を示すデータはない。その他に、寿命延長と食品に関しては、特許文献2(キトサン、ラット)、特許文献3(油脂組成物、脳卒中易発生ラット)、特許文献4(ビフィドバクテリウム・ロンガム、老化促進マウス)、特許文献5(ラクトバチルス・ガゼリ、老化促進マウス)、特許文献6(免疫乳、ラット)、特許文献7(ニンニク抽出物、ショウジョウバエ)、特許文献8(ラクトフェリン、マウス)、特許文献9(ラクトパーオキシダーゼ、マウス)、非特許文献1(魚油、ロイコトリエン阻害剤投与マウス)、非特許文献2(オリーブ油、LPS投与マウス)等が挙げられるが、プロ(アント)シアニジンの記載はない。
特表2004-519241公報 特開2005-289839公報 特開2005-210978公報 特開2003-252771公報 特開2003-252772公報 特表平7-507798号公報 特開平8-253421号公報 特開平4-58871号公報 特許第3103167号公報 Scand. J. Immunol., 60(4), 351-5(2004) Shock, 23(2), 173-8(2005)
本発明の目的は、継続的に使用しても安全かつ効果的に寿命を延長することが可能な寿命延長剤、それを含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品を提供することにある。
上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明者は果実由来ポリフェノールが、寿命延長作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を要旨とするものである。
(1) 果実由来ポリフェノールを有効成分として含有してなることを特徴とする寿命延長剤。
(2) 前記ポリフェノールがプロアントシアニジン類、フェノールカルボン酸類、カルコン酸類およびフラボノール配糖体類からなる群より選ばれる1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする(1)に記載の寿命延長剤。
(3) 前記果実がリンゴであることを特徴とする請求項1に記載の寿命延長剤。
(4) 前記寿命延長剤が心疾患予防による寿命延長剤であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の寿命延長剤。
(5) (1)ないし(4)のいずれか1項に記載の寿命延長剤を含有する飲食品。
(6) (1)ないし(4)のいずれか1項に記載の寿命延長剤を含有する食品添加物。
(7) (1)ないし(4)のいずれか1項に記載の寿命延長剤を含有する医薬。
(8) (1)ないし(4)のいずれか1項に記載の寿命延長剤を含有する香粧品。
本発明の寿命延長剤は、天然物由来の果実ポリフェノールを有効成分とするものであるので、副作用が極めて少なく、生体にとって安全性が高い。また、これを摂取することで健康な人の寿命を延長させることはもとより、特に、特発性拡張型心筋症を伴う鬱血性心不全の発症による短命を回復させ、寿命を延長させることができる。
また、上記の寿命延長剤を有効成分として含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品は、副作用が極めて少なく、生体にとって安全性が高い。また、これを摂取することで健康な人の寿命を延長させることはもとより、特に、特発性拡張型心筋症を伴う鬱血性心不全の発症による短命を回復させ、寿命を延長させることができる。
本発明における果実由来ポリフェノールは、原料となる果実としては、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等のベリー類、イチゴ、クロフサスグリ、チェリー、ブドウ、ネクタリン、プラム、アプリコット、キーウィ、アボカド、マンゴー、デーツ(ナツメヤシ)、バナナ等の果実、およびリンゴ、ナシ、モモ等のバラ科に属する果実等である。
果実由来ポリフェノールに有効成分として含まれるのは、カテキンの重合体であるプロアントシアニジン類(プロシアニジンB1、プロシアニジンB2、プロシアニジンC1等オリゴマーおよびポリマー)、フェノールカルボン酸類(クロロゲン酸、カフェ酸、p−クマル酸とそのエステル体等)、カルコン配糖体類(フロリジン、フロレチンキシログルコシド等)、フラボノール配糖体類(ルチン、ケルセチン配糖体等)、フラバノール類(カテキン、エピカテキン等)などであり、多くの成分が含有されている。
本発明の果実由来ポリフェノールの原料となる果実は、例えばリンゴ、ナシ、モモ等のバラ科に属する果実が好ましく、その中でも特にリンゴ由来ポリフェノールは、カテキンの重合体であるプロアントシアニジン類、フェノールカルボン酸類、カルコン配糖体類、フラボノール配糖体類、およびフラバノール類をそれぞれ最適の組成で含有するため、最も好ましい。
本発明におけるリンゴ由来ポリフェノールは、バラ科リンゴ属植物の果実、例えば、フジ、陸奥、津軽、スターキング・デリシャス等の栽培品種及び原種リンゴ等より公知抽出手段により抽出して得られるものである。
果実としては成熟果実、幼果ともに用いることができるが、より多くのポリフェノール化合物を含有すること、及び広範な生理作用を有する各種活性成分を多量に含むことから、幼果が特に好ましい。
本発明におけるリンゴ由来ポリフェノールは、リンゴ抽出物中にポリフェノールを有効成分として含まれているものである。
本発明のリンゴ抽出物中に含有されるリンゴ由来ポリフェノールは、リンゴ果実、若しくは幼果実の搾汁果汁から得られる清澄果汁または、抽出液より精製されたポリフェノール画分からなるものであるが、当該ポリフェノール画分の精製は、搾汁果汁、抽出液を吸着剤で処理することにより行なわれ、吸着剤に吸着する画分(以下、吸着画分という)にポリフェノールは含有されている。吸着剤としては、ポリフェノールを吸着するものであれば特に限定されないが、例えば親水性ビニルポリマー樹脂(東ソー社製「トヨパールHW40」)、スチレン−ジビニルベンゼン樹脂(三菱化学社製「セパビーズSP−850」)、ゲル型合成樹脂(三菱化学社製「ダイヤイオンHP−20」)を挙げることができる。
前記吸着剤に吸着した吸着画分を、例えば含水エタノール等のアルコール溶媒で溶出させることにより、ポリフェノール画分が精製される。当該ポリフェノール画分は、次いで濃縮処理することによりリンゴ抽出物として液体製剤を得ることができ、さらに、当該液体製剤を噴霧乾燥もしくは凍結乾燥処理することにより粉末製剤を得ることもできる。
リンゴ由来ポリフェノールの原料となるリンゴ抽出物の抽出方法としては、例えば洗浄した原料をpH3.2〜4.6、好ましくはpH3.5〜4.3で破砕し、得られた果汁にペクチナーゼを5〜75℃、好ましくは30〜60℃で10〜100ppm、さらに好ましくは20〜30ppm添加して清澄化を行い、遠心分離後、5〜75℃、好ましくは15〜25℃で珪藻土(商品名「シリカ300S」、中央シリカ社製)濾過によりさらに清澄化を行い、清澄果汁を得る。或いはヘキサン、クロロホルム等の有機溶媒による分配及び濾過を行い、清澄抽出液としてリンゴ果汁が得られる。
リンゴ果汁よりリンゴ由来ポリフェノールを得るには、次いで清澄抽出液を0〜40℃、好ましくは15〜25℃、pH1.5〜4.2、好ましくはpH3.0〜4.0で前記吸着剤を充填した吸着カラム(商品名「ダイヤイオンHP−20」、三菱化学社製)に通液し、ポリフェノール類を吸着させる。続いて純水を通液し、カラム中の非吸着物質(糖類、有機酸類等)を除去した後、10〜90%、好ましくは30〜80%のエタノールで吸着画分を溶出する。得られた吸着画分からエタノールを25〜100℃、好ましくは35〜90℃で減圧留去濃縮し、濃縮液をそのままで液体のリンゴ由来ポリフェノールとしてもよい。或いはデキストリン等の粉末助剤を添加し、噴霧乾燥又は凍結乾燥を行い、リンゴ由来ポリフェノールの抽出粉末品としてもよい。
本発明の寿命延長剤により、寿命を延長させる効果を得るための成人1日あたりの投与量は、リンゴ由来ポリフェノールとして、20〜20000mgであるが、好ましくは100〜10000mg、更に好ましくは250〜1000mgであるのが好ましい。
本発明の寿命延長剤は、飲料を含む、広く食品一般に食品添加物として添加して用いることができ、例えばスープ類、飲料(ジュース、ミネラルウォーター、コーヒー、茶、ノンアルコールビール等)、菓子類(ガム、キャンディー、チョコレート、スナック、ゼリー等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、アルコール飲料(ビール、発泡酒、カクテル、チューハイ、焼酎、日本酒、ウィスキー、ブランデー、ワイン等)に好適に用いられる。
本発明の寿命延長剤を含む医薬品の剤形は特に限定されないが、例えば錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤等の固形製剤、水剤、懸濁剤、シロップ剤、乳剤等の液剤等の経口投与剤が挙げられる。この経口投与剤は、形態に応じて当分野において通常用いられる賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール類、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料、薬剤用担体等を添加して通常使用されている方法によって製造することができる。
また、香粧品にリンゴ由来ポリフェノールを配合しても良い。本発明における香粧品とは、化粧品、身体洗浄剤、口腔剤、入浴剤等の人体に適用する一連の製品を意味する。化粧品としては、例えば化粧水、化粧クリーム、乳液、ファンデーション、おしろい、口紅、整髪料、ヘトニック、育毛料、ヘアリンス等を挙げることができる。身体洗浄剤としては、例えば洗顔料、シャンプー、ボディーソープ等を挙げることができる。口腔剤としては、例えば練り歯磨き、先口液等を挙げることができる。香粧品を調整する場合には、通常の香粧品原料として使用されているものを適宜配合して製造することができる。
リンゴ由来ポリフェノールの摂取により寿命が延長するのは、ひとつは食品等中に存在する過酸化脂質等のラジカル吸収および抑制作用によるものと考えられる。また、生体に吸収されたポリフェノールにより、血中の老化に伴い増加するフリーラジカルまたは過酸化脂質等の活性酸素種を減少させるためと考えられる。さらには生体に吸収されたポリフェノールにより、肝臓内の抗酸化酵素、例えばスーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼあるいはグルタチオンペルオキシダーゼ等の活性を誘導する効果により、老化に伴う生体内各組織中の抗酸化酵素、例えばマンガン−スーパーオキシドジスムターゼ(以下、MnSODと略称する)等の活性低下を補足することにより、血液中の抗酸化酵素活性を高め、その血液が循環して到達する臓器、例えば心臓等の老化に伴う酸化ストレス増加を防止するためであると考えられる。
本発明における心疾患予防による寿命延長剤は、心不全または鬱血性心不全を予防するものであり、特に拡張型心筋症(dilated cardiomyopathy, 以下、DCMと略称する)の発症による鬱血性心不全に対して効果を示す。DCMでは、心臓の内腔が著しく拡張し、心室筋肉の収縮不全を起こし、鬱血性心不全の臨床像を呈する。この症状は、肥大型心筋症に較べて予後の悪いものである。DCM発症の原因のひとつは、心筋細胞においてアルコール、ウイルスなどの環境要因、および遺伝要因により生体内抗酸化機構の不全が起こり活性酸素種が多く発生することにより、心筋障害を受けることによると考えられる。本発明における心疾患予防における寿命延長剤は、生体内に吸収された本剤による活性酸素種減少作用および抗酸化酵素活性増加作用により、老化に伴い心筋細胞内で発生する活性酸素種による心筋障害を抑制し、心筋細胞機能を維持するためであると考えられる。
(実施例)
以下に製造例および試験例をあげ、本発明を具体的に説明する。
(製造例1)
青森県産リンゴ幼果300kgを破砕、圧搾し果汁210kgを得た。得られた果汁にペクチナーゼ30ppmで清澄化を行い、遠心分離後、珪藻土(シリカ300S、中央シリカ社製)濾過により清澄化を行い清澄果汁を得た。清澄果汁を吸着カラム(ダイヤイオンHP−20、三菱化学社製)に通液し、ポリフェノール類を吸着させた。続いて純水を通液し、カラム中の非吸着物質(糖類、有機酸類など)を除去したのち、80%アルコールで溶出した。得られた画分からアルコールを減圧留去し、抽出粉末品約2kgを調製した。抽出粉末品を逆相系高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、プロアントシアニジン類(約55%)、フェノールカルボン酸類(約15%)、フロレチン配糖体類(約10%)、フラボノール配糖体類(約10%)、フラバノール類(約5%)及びその他成分(約5%)からなることが確認できた。更に、このプロアントシアニジン類は、マトリックス支援レーザーイオン化―飛行時間型質量分析計(MALDI−TOF/MS、アプライドバイオシステム社製)による解析の結果、フラバノール類であるカテキンやエビカテキンから構成される2量体から15量体までのオリゴマーやポリマーであることが確認された(Ohnishi-Kameyama M. et al., Mass Spectrometry, 11, 31-36 (1997))。
(試験例1)
MnSOD遺伝子のエクソン3を2つのloxp配列で挟んだノックインマウス(MnSOD flox/flox(f/f))を、WO2004/014131パンフレット記載の方法(ノックインコンストラクトを含むターゲッティングベクターの作製、ES細胞への導入、キメラマウス作製および確認の各方法)に準じて作製した。
次に、心臓・筋肉細胞で特異的にMnSODが欠損するモデルマウスを作製するために、心臓・筋肉細胞でCreリコンビナーゼを発現する筋肉クレアチンキナーゼプロモーター(MCK−Cre)[muscle creatine kinase (Mck) promoter -Cre]トランスジェニックマウス(Joslin Diabetes Center, Department of Medicine, Harvard Medical School, Boston, MA 02215, USAより入手可能)と、MnSOD flox/flox(f/f)マウスを交配した。その結果、心臓・筋肉特異的MnSOD欠損マウス(del/del、d/d)が得られた。
遺伝子組み換えの効率を調べるため、得られた心臓・筋肉特異的MnSOD欠損マウスの種々の組織から抽出したゲノムDNAを用いて、PCR法を用いてゲノム内のMnSOD欠損を確認した。d/dマウスは、心臓および筋肉特異的に401bpのMnSOD欠損アリルのバンドを検出したが、その他の組織では検出されなかった。一方、f/fマウスではどの組織でも検出されなかった。なお、陽性対照にはIkegami T. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 296, 729-736 (2002)で作製したCAG−Cre MnSOD欠損マウスより抽出したDNAを用いた。
また、得られた心臓・筋肉特異的MnSOD欠損マウスの心臓、筋肉、脳、肝臓、または腎臓から抽出したサンプルに対して、ウエスタンブロット法を用いてMnSOD欠損を確認した。d/dマウスでは、心臓および筋肉特異的にMnSOD欠損がみられたが、f/fマウスではいずれの組織においてもMnSOD欠損は検出されなかった。
続いて、心臓および筋肉の免疫組織染色によりMnSOD欠損を確認した。d/dマウスでは、心臓および筋肉の内皮細胞にはMnSODが検出されたが、心筋細胞、または前脛骨筋の横紋筋細胞では検出されなかった。一方、f/fマウスではいずれの細胞組織においてもMnSODは検出された。
得られた心臓・筋肉特異的MnSOD欠損マウスは、新生児期はf/fマウスと比べて外観や体格に違いは認められなかったが、8週齢から生育の遅延がみられた。図1に示すように16週齢で大きな筋萎縮はみられなかったが、体重は25%低下していた。また、d/dマウスは8週齢前後から活動量が低下し、死亡し始めた。図2に示すような生存曲線であった。
d/dマウスは16週齢で例外なく顕著な心肥大を示した。d/dマウスは体重あたりの心臓比重量はf/fマウスと比較して3.3倍重かった。
HE(hematoxylin-eosin)染色法により心筋の組織学的検索を行ったところ、心筋細胞の肥大化、菲薄化の不整混在像、筋線維減少とそれに伴う空胞化、核の膨化などが認められた。
アザン(Azan)染色法、およびPAS(periodic acid-Schiff)染色法により心筋の病理組織染色を行ったところ、びまん性間質性繊維化、間質へのグリコーゲンの蓄積がそれぞれに認められた。一方、骨格筋の組織像では軽度の間質繊維化以外、明らかな異常は認められなかった。
心筋または骨格筋のコハク酸脱水素酵素(succinate dehydrogenase, SDH)活性染色およびミトコンドリア呼吸酵素(NADH-cytochrome c reductaseおよびsuccinate-cytochrome c reductase)活性測定を行ったところ、活性の低下が認められた。
以上の結果より、MnSOD欠損により心筋でのミトコンドリア呼吸能の低下が引き起こされ形態異常を示すことがわかった。マウスで心臓・筋肉特異的にMnSOD遺伝子を欠損させることにより、ヒトの特発性拡張型心筋症を伴う鬱血性心不全に類する鬱血性心不全の発症を引き起こすことがわかった。
(試験例2)
試験例1で作製した心臓・筋肉特異的MnSOD欠損マウス(d/d)に対して、製造例1で作製したリンゴ由来ポリフェノール(以下、APと略称する)を投与した。投与方法は、脱イオン水に0.1%(w/v)で添加したものを飲み水として自由摂取させた。離乳前は、親マウスに自由摂取させた。対照群には、脱イオン水を用いた。各群11匹ずつ飼育した。その結果を、図3に示す。AP投与群は対照群と比べ、生存率が上昇した。Log Rank法による検定では1.73%の危険率で有意に寿命が延長した。生存率50%となる日数は、対照群では144.9±8.6日であるのに対し、AP群では179.2±32.4日であった。30週目の生存率は、対照群が9%であるのに対しAP群では45%であった。平均寿命は対照群の144.8±11.5日に対し、AP群では193.5±16.4日で34%延長した。ヒトに換算すると、例えば82歳の寿命が109歳へ延長されることに相当する。
リンゴ由来ポリフェノールは天然由来の化合物であり、継続的に使用しても安全かつ効果的に寿命を延長することが可能となる。
心臓・筋肉特異的MnSOD欠損マウスの体重変化を示すグラフである。 心臓・筋肉特異的MnSOD欠損マウスの生存率変化を示すグラフである。 心臓・筋肉特異的MnSOD欠損マウスに対して、APを投与して飼育させたときの生存率を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 果実由来ポリフェノールを有効成分として含有してなることを特徴とする寿命延長剤。
  2. 前記ポリフェノールがプロアントシアニジン類、フェノールカルボン酸類、カルコン酸類およびフラボノール配糖体類からなる群より選ばれる1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする請求項1に記載の寿命延長剤。
  3. 前記果実がリンゴであることを特徴とする請求項1に記載の寿命延長剤。
  4. 前記寿命延長剤が心疾患予防による寿命延長剤であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の寿命延長剤。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の寿命延長剤を含有する飲食品。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の寿命延長剤を含有する食品添加物。
  7. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の寿命延長剤を含有する医薬。
  8. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の寿命延長剤を含有する香粧品。
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