JP2007196923A - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、ブレーキフルードへのエア混入有無を判定する上で、誤判定を回避できるような判定基準を設定するのは困難であった。
【解決手段】ブレーキ制御装置において、シリンダ圧センサ44は、ホイールシリンダに供給されるブレーキフルードの圧力を検出する。バルブ制御部201は、増圧弁40および減圧弁42の開放と閉鎖を制御するとともに、制動力の付与を終了させるときは減圧弁42を開放させる。エア混入判定部204は、制動を終了させるために減圧弁42が開放されることによるホイールシリンダ圧低下が低圧域において所定速度より遅い場合に流路内にエアが混入していると判定する。エア混入判定部204は、ブレーキフルードの温度が所定の低温域に属するときは判定を制限する。
【選択図】図2
【解決手段】ブレーキ制御装置において、シリンダ圧センサ44は、ホイールシリンダに供給されるブレーキフルードの圧力を検出する。バルブ制御部201は、増圧弁40および減圧弁42の開放と閉鎖を制御するとともに、制動力の付与を終了させるときは減圧弁42を開放させる。エア混入判定部204は、制動を終了させるために減圧弁42が開放されることによるホイールシリンダ圧低下が低圧域において所定速度より遅い場合に流路内にエアが混入していると判定する。エア混入判定部204は、ブレーキフルードの温度が所定の低温域に属するときは判定を制限する。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両の制動力を制御するブレーキ制御装置に関し、とくに液圧回路内のエア混入を検出する技術に関する。
従来、ブレーキペダルの操作力に応じた液圧を液圧回路内に発生させて、ホイールシリンダにその液圧回路内の液圧を供給することにより車両の車輪に制動力を付与する車両用液圧ブレーキ装置が知られている。車両用液圧ブレーキ装置においては、何らかの事情で液圧回路内にエアが混入していると、運転者がブレーキペダルの操作に違和感を覚えたり、ブレーキ操作から制動開始までのタイムラグが大きくなったりする場合がある。
ここで、液圧系の増圧開始から所定圧に達するまでの時間またはアキュムレータ圧の低下量をもとに液圧系にエアが混入しているか否かを判定する技術が特許文献1に開示されている。
特開2003−127849号公報
しかしながら、増圧開始時には、パッドとロータの間のギャップが変動しやすい分、液量にばらつきが生じるため、特許文献1に開示された技術では誤判定を回避できるような判定基準を設定するのは困難である。また、通常のブレーキ使用環境ではフィードバック制御が働くため、所定圧に達するまでの時間にエア量による差が生じにくく、やはり誤判定を回避できるような判定基準を設定するのは困難である。さらに、特許文献1に開示の技術は、工場での検査を前提とした判定方法であるため、ユーザが車両を使用する間に発生したエア混入を直ちに発見することは困難である。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、エアの混入を精度よく判別することができるブレーキ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御装置は、車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御する装置であって、作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する複数の開閉弁と、前記複数の開閉弁の開放と閉鎖を制御するとともに、前記制動力の付与を終了させるときは前記複数の開閉弁のうち少なくともいずれかを開放させる開閉制御手段と、前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、前記制動力の付与を終了させるために前記複数の開閉弁のうち少なくともいずれかが開放されることによる前記ホイールシリンダの圧力低下が所定の低圧域において所定速度より遅い場合に流路内にエアが混入していると判定するエア混入判定手段と、を備える。
ここで「複数の開閉弁」は、流路を増圧する増圧弁や流路を減圧する減圧弁を含んでもよい。液圧回路内へエアが混入している場合、混入していない場合と比べてホイールシリンダ圧の低下速度には違いが生じるが、これは特に低圧域において顕著な差異として現れる。この態様においては、開閉弁を開放したときの低圧域におけるホイールシリンダ圧の低下速度に応じてエア混入有無を判定するので、運転者による通常の操作範囲内にて、より高い精度で液圧回路内へのエア混入を判定することができる。とくに、いったん増圧した後の減圧時に判定するので、増圧開始前のパッド・ロータ間のギャップに依存せず、クリアランスによって生じ得る誤判定を抑制することができ、判定精度を相対的に高めることができる。また、制御終了時の最大限の減圧における判定であり、フィードバック制御が働かないため、判定のためのしきい値の設定が容易である。
本発明の別の態様もまた、ブレーキ制御装置である。この装置は、車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御する装置であって、作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する複数の開閉弁と、前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、前記複数の開閉弁の開放と閉鎖を制御するとともに、前記制動力の付与を終了させるときは前記複数の開閉弁のうち少なくともいずれかを開放させる開閉制御手段と、流路内にエアが混入しているか否かを判定するエア混入判定手段と、を備える。前記開閉制御手段は、前記制動力の付与を終了させるために前記複数の開閉弁のうち少なくともいずれかを開放させる場合、前記ホイールシリンダの圧力が所定の低域値まで低下したときに前記開閉弁を所定時間だけ一時的に閉鎖させ、前記エア混入判定手段は、前記開閉弁が一時的に閉鎖される間の前記ホイールシリンダの圧力が所定値を上回った場合に流路内にエアが混入していると判定する。とくに、いったん増圧した後の減圧時に判定するので、増圧開始前のパッド・ロータ間のギャップに依存せず、クリアランスによって生じ得る誤判定を抑制することができ、判定精度を相対的に高めることができる。また、制御終了時の最大限の減圧における判定であり、フィードバック制御が働かないため、判定のためのしきい値の設定が容易である。
液圧回路内へエアが混入している場合、混入していない場合と異なり、低圧状態で開閉弁を閉鎖するとアクチュエータ内蔵センサで計測されるホイールシリンダ圧が一旦上昇する。この態様においては、低圧状態で開閉弁を閉鎖したときにホイールシリンダ圧に上昇が見られるか否かに応じてエア混入有無を判定するので、運転者による通常の操作範囲内にて、より高い精度で液圧回路内へのエア混入を判定することができる。また、開閉弁を一時的に閉鎖するときの圧力変化幅に応じて判定するので、油圧センサの0点がずれていても判定でき、高い精度で判定できる。
前記エア混入判定手段は、前記開閉弁が一時的に閉鎖される間の所定の初期期間内は前記判定を制限してもよい。ここでいう「判定を制限」は、たとえば判定そのものを一時的に停止する方法や判定結果を破棄する方法など、実質的に判定結果が出力されないよう動作すればよい。開閉弁が一時的に閉鎖された直後の初期期間は、開閉弁の閉鎖に伴う油撃が生じるため、エア混入の有無にかかわらず圧力が上下して誤判定の原因となり得る。この態様によれば、開閉弁が一時的に閉鎖された直後の初期期間はエア混入の有無を判定しないため、誤判定を回避して判定精度を高めることができる。
前記エア混入判定手段は、前記作動流体の温度が所定の低温域に属するときは前記判定を制限してもよい。低温時は作動流体の剛性が高いため、エア混入の有無にかかわらず開閉弁を閉鎖したときのホイールシリンダ圧の変動がもともと大きく、誤判定の原因となり得る。この態様によれば、低温時はエア混入の有無を判定しないため、誤判定を回避して判定精度を高めることができる。
本発明によれば、液圧回路へのエアの混入を精度よく判別することができる。
(第1の実施の形態)
本実施の形態においては、制動終了時におけるホイールシリンダ圧の減圧速度に応じてブレーキフルードにエアが混入しているか否かを判定する。ホイールシリンダ圧はとくに低圧域においてエア混入有無による減圧速度の差が生じやすいため、低圧域においてエア混入有無を判定する。また、低温時には誤差が生じやすいため、エア混入判定をしない。これにより、ブレーキフルードへのエア混入判定の精度を高めることができる。
本実施の形態においては、制動終了時におけるホイールシリンダ圧の減圧速度に応じてブレーキフルードにエアが混入しているか否かを判定する。ホイールシリンダ圧はとくに低圧域においてエア混入有無による減圧速度の差が生じやすいため、低圧域においてエア混入有無を判定する。また、低温時には誤差が生じやすいため、エア混入判定をしない。これにより、ブレーキフルードへのエア混入判定の精度を高めることができる。
図1は、実施形態に係るブレーキ制御装置10を示す系統図である。ブレーキ制御装置10は、車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、運転者によるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12の操作に応じて車両の4輪のブレーキを独立かつ最適に設定する。すなわち、ブレーキ制御装置10は、車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御することができる。
ブレーキペダル12は、運転者による踏み込み操作に応じて作動流体(作動液)としてのブレーキフルードを送り出すマスタシリンダ14に接続されている。ブレーキペダル12には、その踏み込みストロークを検出するためのストロークセンサ46が設けられている。
マスタシリンダ14にはリザーバタンク26が接続されており、マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、ストロークシミュレータカット弁23を介して、運転者によるブレーキペダル12の操作力に応じた反力を創出するストロークシミュレータ24が接続されている。なお、ストロークシミュレータカット弁23は、非通電時に閉状態にあり、運転者によるブレーキペダル12の操作が検出された際に開状態に切り換えられる常閉型電磁弁である。
マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、右前輪用のブレーキ油圧制御管16が接続されている。ブレーキ油圧制御管16は、図示しない右前輪に対して制動力を付与する右前輪用のホイールシリンダ20FRに接続されている。また、マスタシリンダ14の他方の出力ポートには、左前輪用のブレーキ油圧制御管18が接続されており、ブレーキ油圧制御管18は、図示しない左前輪に対して制動力を付与する左前輪用のホイールシリンダ20FLに接続されている。
右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、マスタカット弁22FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の中途には、マスタカット弁22FLが設けられている。これらのマスタカット弁22FRおよびマスタカット弁22FLは、いずれも非通電時に開状態にあり、運転者によるブレーキペダル12の操作が検出された際に閉状態に切り換えられる常開型電磁弁である。
右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する右マスタ圧力センサ48FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の途中には、左前輪側のマスタシリンダ圧を検出する左マスタ圧力センサ48FLが設けられている。
ブレーキ制御装置10では、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれた際、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量が検出されるが、これらの右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLによって検出されるマスタシリンダ圧からもブレーキペダル12の踏み込み操作力(踏力)を求めることができる。このように、ストロークセンサ46の故障を想定して、マスタシリンダ圧を右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLの2つによって監視することは、フェイルセーフの観点からみて好ましい。
リザーバタンク26には、油圧給排管28の一端が接続されており、この油圧給排管28の他端には、モータ32により駆動されるオイルポンプ34の吸込口が接続されている。オイルポンプ34の吐出口は、高圧管30に接続されており、この高圧管30には、アキュムレータ50とリリーフバルブ53とが接続されている。本実施形態では、オイルポンプ34として、モータ32によってそれぞれ往復移動させられる2体以上のピストン(図示せず)を備えた往復動ポンプが採用される。アキュムレータ50としては、ブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギに変換して蓄えるものが採用される。
アキュムレータ50は、オイルポンプ34によって例えば14〜22MPa程度にまで昇圧されたブレーキフルードを蓄える。リリーフバルブ53の弁出口は、油圧給排管28に接続されており、アキュムレータ50におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ53が開弁し、高圧のブレーキフルードは油圧給排管28へと戻される。
さらに、高圧管30には、アキュムレータ50の出口圧力、すなわち、アキュムレータ50におけるブレーキフルードの圧力を検出するアキュムレータ圧センサ51が設けられている。
高圧管30は、増圧弁40FR,40FL,40RR,40RLを介して右前輪用のホイールシリンダ20FR、左前輪用のホイールシリンダ20FL、右後輪用のホイールシリンダ20RRおよび左後輪用のホイールシリンダ20RLに接続されている。以下、適宜、ホイールシリンダ20FR〜20RLを総称して「ホイールシリンダ20」といい、適宜、増圧弁40FR〜40RLを総称して「増圧弁40」という。増圧弁40は、いずれも、非通電時は閉じた状態にあり、必要に応じてホイールシリンダ20の増圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。
なお、図示しない車両の各車輪に対しては、ディスクブレーキユニットが設けられており、各ディスクブレーキユニットは、ホイールシリンダ20の作用によってブレーキパッドをディスクに押し付けることで制動力を発生する。
右前輪用のホイールシリンダ20FRと左前輪用のホイールシリンダ20FLは、それぞれ減圧弁42FRまたは42FLを介して油圧給排管28に接続されている。減圧弁42FRおよび42FLは、必要に応じてホイールシリンダ20FR,20FLの減圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。右後輪用のホイールシリンダ20RRと左後輪用のホイールシリンダ20RLは、常開型の電磁流量制御弁である減圧弁42RRまたは42RLを介して油圧給排管28に接続されている。以下、適宜、減圧弁42FR〜42RLを総称して「減圧弁42」という。
本実施形態に係るブレーキ制御装置10は、右前輪用、左前輪用、右後輪用および左後輪用のホイールシリンダ20FR〜20RL付近に、それぞれ対応するホイールシリンダ20に作用するブレーキフルードの圧力であるホイールシリンダ圧を検出するシリンダ圧センサ44FR,44FL,44RRおよび44RLが設けられている。以下、適宜、シリンダ圧センサ44FR〜44RLを総称して「シリンダ圧センサ44」という。シリンダ圧センサ44は、ホイールシリンダ20に作用する作動流体としてのブレーキフルードの圧力を検出する圧力検出手段として機能する。
マスタカット弁22FRおよびマスタカット弁22FL、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL、オイルポンプ34、アキュムレータ50等は、ブレーキ制御装置10の油圧アクチュエータ80を構成する。油圧アクチュエータ80は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)200によって制御される。ECU200は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インタフェース、メモリ等を備える。
図2は、第1の実施形態に係るブレーキ制御装置10のエア混入判定に関する機能ブロック図である。ECU200には、マスタカット弁22FR、マスタカット弁22FL、ストロークシミュレータカット弁23、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL等が電気的に接続されている。これらのマスタカット弁22FR、マスタカット弁22FL、ストロークシミュレータカット弁23、増圧弁40FR〜40RL、および減圧弁42FR〜42RLは、ECU200に構築された開閉制御手段としてのバルブ制御部201によってそれぞれ制御される。
ECU200には、シリンダ圧センサ44FR〜44RLから、ホイールシリンダ20FR〜20RLにおけるホイールシリンダ圧を示す信号が与えられるとともに、車輪速センサ60から、車輪の回転速度を示す信号が与えられる。ECU200には、ストロークセンサ46からブレーキペダル12の踏み込みストロークを示す信号が与えられ、右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLからマスタシリンダ圧を示す信号が与えられる。
ブレーキ制御装置10では、通常時においてはECU200が次のように各車輪に付与される制動力を算出する。ECU200に構築された要求制動力算出部203は、ブレーキペダル12の踏み込みストロークとマスタシリンダ圧とから車両の目標減速度を算出し、その目標減速度を達成するために必要とされる要求制動力を算出する。次いでECU200に構築された圧力設定部202は、要求制動力に応じた全作動流体圧を算出する。ここで全作動流体圧とは、前輪用のホイールシリンダ20FR、20FLに作用する前輪側ホイールシリンダ圧と後輪用のホイールシリンダ20RR、20RLに作用する後輪側ホイールシリンダ圧との総和に相当するものである。
全作動流体圧に対する前輪側ホイールシリンダ圧と後輪側ホイールシリンダ圧との配分は、予め定められてECU200に記憶されている。前輪側ホイールシリンダ圧および後輪側ホイールシリンダ圧はともに、運転者によるブレーキペダル12の踏力が比較的小さい場合には踏力に比例して増加され、ホイールシリンダ圧が所定の上限値に達した場合には踏力の大きさとは無関係にその上限値に維持される。なお、踏力は、例えば右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLにより測定されるマスタシリンダ圧から求められる。
圧力設定部202は、要求制動力に応じて各ホイールシリンダの目標圧を設定する。そして、バルブ制御部201によって、各ホイールシリンダ圧が目標圧になるように増圧弁40および減圧弁42への制御電流値が定められ、増圧弁40および減圧弁42が開閉される。
ブレーキペダル12の操作量が増加して要求制動力が増加している間は、増圧弁40が開状態とされるとともに減圧弁42は閉状態とされる。その結果、開状態とされた増圧弁40を介してアキュムレータ50に蓄えられたブレーキフルードがホイールシリンダ20に供給される。このとき、減圧弁42は閉状態とされているので、ホイールシリンダ圧は要求制動力に応じた目標圧を目指して上昇する。逆に、要求制動力が減少している間は、減圧弁42が開状態とされ、ホイールシリンダ20内のブレーキフルードはリザーバタンク26へと戻される。
本実施形態に係るブレーキ制御装置10のECU200には、エア混入判定部204がさらに構築される。エア混入判定部204は、温度センサ62により検出したブレーキフルードの温度状態と、シリンダ圧センサ44により検出したブレーキフルードの圧力変動の態様に応じてエアがブレーキフルードに混入しているか否かを判定する。エア混入判定部204は、制動力の付与を終了させるために減圧弁42が開放されることによるホイールシリンダ圧の低下が所定の低圧域において所定速度より遅い場合に、流路内のブレーキフルードにエアが混入していると判定する。エア混入判定部204は、流路内のブレーキフルードにエアが混入していると判定した場合、警報装置205によりエア混入を運転者へ知らせるための警報を出力する。警報装置205による警報は、ブザーやランプ点灯により実現される。
流路内のブレーキフルードにエアが混入している場合、混入していない場合と比べてホイールシリンダ圧の低下速度には違いが生じるが、これは特に低圧域において顕著な差異として現れる。本実施の形態においては、制動終了時に減圧弁42を開放したときの低圧域におけるホイールシリンダ圧の低下速度に応じてエア混入有無を判定するので、運転者による通常の操作範囲内にて、より高い精度で流路内のブレーキフルードへのエア混入を判定することができる。とくに、いったん増圧した後の減圧時に判定するので、増圧開始前のパッド・ロータ間のギャップに依存せず、クリアランスによって生じ得る誤判定を抑制することができ、判定精度を相対的に高めることができる。
エア混入判定部204は、温度センサ62が検出するブレーキフルードの温度が所定の低温域に属するときは、エア混入の有無を判定しない。低温時はブレーキフルードの剛性が高いため、エア混入の有無にかかわらず減圧弁42を閉鎖したときのホイールシリンダ圧の変動がもともと大きく、誤判定の原因となり得る。したがって、ここでいう「低温」の具体的な温度は、減圧弁42を閉鎖したときのホイールシリンダ圧の変動が大きくなるような温度が実験結果に応じてあらかじめ設定される。本実施の形態においては、低温時はエア混入判定部204がエア混入の有無を判定しないため、誤判定を回避して判定精度を相対的に高めることができる。
図3は、制動終了時のブレーキフルードの消費液量とホイールシリンダ圧の関係を示す。縦軸はブレーキフルードの消費液量を示し、横軸はホイールシリンダ圧を示す。曲線400は、ブレーキフルードにエアが混入した状態における消費液量とホイールシリンダ圧の関係である。曲線402は、ブレーキフルードにエアが混入していない状態における消費液量とホイールシリンダ圧の関係である。図示するとおり、ブレーキフルードにエアが混入している場合は、混入していない場合と比べて、必要とするホイールシリンダ圧が高い。この消費液量とホイールシリンダ圧の関係は、次図においてさらに顕著な特徴として現れる。
図4は、制動終了時におけるブレーキフルードの消費液量の変化をホイールシリンダ圧との関係で示す。縦軸はブレーキフルードの消費液量をホイールシリンダ圧で微分した値を示し、横軸はホイールシリンダ圧を示す。曲線404はブレーキフルードにエアが混入した状態であり、曲線406はブレーキフルードにエアが混入していない状態である。本図から明らかなように、曲線404の変化と曲線406の変化は、特にホイールシリンダ圧が低いときに顕著な差異が見られる。エア混入判定部204は、ブレーキフルードへのエア混入有無による本図のような特性の違いに着目して、ブレーキフルードへのエア混入有無を判定する。
図5は、制動終了時に減圧されるホイールシリンダ圧と減圧経過時間の関係を示す。縦軸はホイールシリンダ圧を示し、横軸は減圧経過時間を示す。曲線408はブレーキフルードにエアが混入した状態であり、曲線410はブレーキフルードにエアが混入していない状態である。上述のとおり、エア混入判定部204は、ホイールシリンダ圧が低圧域に入ったときに、ブレーキフルードへのエア混入有無を判定する。ホイールシリンダ圧の低圧域は、所定の上限しきい値PL1と所定の下限しきい値PL2の間である。制動終了時のホイールシリンダ圧は、ブレーキフルードにエアが混入しているときの方が混入していないときより減圧速度が遅い。制動力の付与を終了させるために減圧弁42が開放されて減圧が開始されても、ホイールシリンダ圧が低域圧へ下がるまでは、エア混入有無によって減圧速度や圧力値に差はほとんど見られない。そこで、エア混入有無によって減圧速度や圧力値に差が生じ始める時間の液圧値を上限しきい値PL1に設定し、減圧速度が十分に遅くなった状態の所定の液圧値を下限しきい値PL2に設定しておく。エア混入があったときにホイールシリンダ圧が上限しきい値PL1から下限しきい値PL2まで減少する時間と、エア混入がなかったときにホイールシリンダ圧が上限しきい値PL1から下限しきい値PL2まで減少する時間とのおよそ中間値に相当する所定の時間値をTairとする。エア混入判定部204は、実際のホイールシリンダ圧が上限しきい値PL1から下限しきい値PL2まで減少する時間の長さが時間Tair以上であればエア混入があると判定でき、時間Tairより短ければエア混入がないと判定する。本実施の形態におけるエア混入有無の判定は、制御終了時の最大限の減圧における判定であり、フィードバック制御が働かないため、上限しきい値PL1や下限しきい値PL2を容易に設定することができ、判定精度を高めることができる。
図6は、制動力に関する演算と制御の過程を示すフローチャートである。まず、シリンダ圧センサ44や温度センサ62などのセンサから各種検出値が入力され(S10)、要求制動力算出部203がストロークセンサ46やマスタ圧力センサ48の検出値に基づいて制動要求値を演算する(S12)。また、圧力設定部202は、車輪速度や車輪加速度、操舵角、ヨーレート、車体加速度などの情報に基づいて車両状態を演算し(S14)、制動要求値や車両状態に基づいて各輪に必要とされるホイールシリンダ圧の値を目標液圧値として演算する(S16)。エア混入判定部204がブレーキフルードへのエア混入有無を判定し(S18)、エア混入があれば(S20のY)、警報装置205が警報を出力してから(S22)、各種開閉弁を開閉させることにより液圧を制御する(S24)。ブレーキフルードへのエア混入がなければ(S20のN)、S22をスキップしてから各種開閉弁を開閉させることにより液圧を制御する(S24)。
図7は、第1の実施の形態に係る図6のS18におけるエア混入判定の詳細な過程を示すフローチャートである。まず、制動中でなく(S60のN)、低温状態でもない場合に(S62のN)、S64以降のエア混入判定を実行する。S60において制動中の場合や(S60のY)、S62において低温状態の場合は(S62のY)、エア混入判定を回避するためにエア混入判定中であることを示すフラグをオフにし(S80)、判定時間を測定する判定タイマのカウント値をゼロにして(S82)、本図のフローを抜ける。
S64において、ホイールシリンダ圧Pwcが上限しきい値PL1以下まで減圧されていなければ(S64のN)、エア混入判定中であることを示すフラグをオンすることによりエア混入判定の準備に入り(S72)、本図のフローを抜ける。S64において、ホイールシリンダ圧Pwcが上限しきい値PL1以下まで減圧された状態であった場合(S64のY)、エア混入判定中であることを示すフラグがオンになっていれば(S66のY)、S68へ移行し、エア混入判定中であることを示すフラグがオフになっていれば(S66のN)、エア混入判定をせずにS80へ移行する。ホイールシリンダ圧Pwcが上限しきい値PL1以下でありながらエア混入判定中であることを示すフラグがオフになっている状況は、例えばホイールシリンダ圧Pwcが上限しきい値PL1より低い状態のまま制動中から制動外に切り替わったような場合であり、この場合はエア混入判定を回避する。これにより、エア混入判定の対象を、制動外の状態においてホイールシリンダ圧Pwcが上限しきい値PL1より高い状態から低い状態へと減圧された場合に限定することができ、判定精度を相対的に高めることができる。
S68において、ホイールシリンダ圧Pwcが下限しきい値PL2以上であれば、そのまま判定タイマのカウントを進めて(S70)、本図のフローを抜ける。S68において、ホイールシリンダ圧Pwcが下限しきい値PL2未満まで減圧された状態であった場合(S68のN)、判定タイマのカウント値が判定のための減圧期間を示す時間Tair以上であれば(S74のY)、エア混入判定部204はブレーキフルードにエア混入があると判定し(S76)、時間Tair以上でなければ(S74のN)、エア混入判定部204はブレーキフルードにエア混入がないと判定する(S78)。その後、エア混入判定中であることを示すフラグをオフにし(S80)、判定時間を測定する判定タイマのカウント値をゼロにして(S82)、本図のフローを抜ける。
(第2の実施の形態)
本実施の形態におけるブレーキ制御装置10は、ブレーキフルードへのエア混入の有無を判定するための判定方法および液圧制御方法が第1の実施の形態における判定方法および液圧制御方法と一部が異なる点を除き、構成および機能は共通する。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
本実施の形態におけるブレーキ制御装置10は、ブレーキフルードへのエア混入の有無を判定するための判定方法および液圧制御方法が第1の実施の形態における判定方法および液圧制御方法と一部が異なる点を除き、構成および機能は共通する。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
本実施の形態におけるバルブ制御部201は、制動力の付与を終了させるために減圧弁42を開放させる場合、ホイールシリンダ圧が所定の低域値まで低下したときに減圧弁42を所定時間だけ一時的に閉鎖させる。エア混入判定部204は、減圧弁42が一時的に閉鎖される間のホイールシリンダ圧が所定値を上回るほど上昇した場合に流路内のブレーキフルードにエアが混入していると判定する。液圧回路内へエアが混入している場合、混入していない場合と異なり、低圧状態で減圧弁42を閉鎖するとホイールシリンダ圧に上昇が見られる。本実施の形態におけるエア混入判定部204は、低圧状態で減圧弁42を閉鎖したときにホイールシリンダ圧に上昇が見られるか否かに応じてエア混入有無を判定するので、運転者による通常の操作範囲内にて、より高い精度でブレーキフルードへのエア混入を判定することができる。また、減圧弁42を一時的に閉鎖するときの圧力変化幅に応じて判定するので、シリンダ圧センサ44などのセンサの0点がずれていても判定でき、高い精度で判定できる。
エア混入判定部204は、減圧弁42が一時的に閉鎖される間の初期期間内は、エア混入有無を判定しない。減圧弁42が一時的に閉鎖された直後の初期期間は、減圧弁42の閉鎖に伴う油撃が生じるため、エア混入の有無にかかわらずホイールシリンダ圧が上下して誤判定の原因となり得る。本実施の形態におけるエア混入判定部204は、減圧弁42が一時的に閉鎖された直後の初期期間はエア混入の有無を判定しないため、誤判定を回避して相対的に判定精度を高めることができる。
エア混入判定部204は、第1の実施の形態と同様に、ブレーキフルードの温度が所定の低温域に属するときはエア混入有無を判定しないことにより、誤判定を回避して相対的に判定精度を高める。
図8は、ブレーキフルードにエア混入があった場合におけるホイールシリンダ圧の変化と減圧弁42の制御過程の関係を示す。バルブ制御部201が制動を終了させるために減圧弁42を開放すると、本図に示されるようにホイールシリンダ圧Pwcが時間の経過とともに減少する。ホイールシリンダ圧Pwcが低圧値PL3以下まで減少したときにバルブ制御部201は減圧弁42を一時的に閉鎖する。減圧弁42の閉鎖直後は油撃によってホイールシリンダ圧Pwcの値が急激に上下するので、その上下する初期期間T1の間は誤判定を避けるためにエア混入判定部204はエア混入有無を判定しない。ここで、ブレーキフルードにエアが混入している場合、初期期間T1の開始前まで漸減していたホイールシリンダ圧Pwcが、初期期間T1が経過した後では一転して漸増し始める。ホイールシリンダ圧Pwcが基準圧値PL4を超えるのに十分な期間をエア混入判定のための判定期間T2と定める。ホイールシリンダ圧Pwcは、基準圧値PL4を超えるときに減圧弁42を再び開放することでこれを契機に再び漸減し始める。ホイールシリンダ圧Pwcが低圧値PL3を下回った後、ほぼゼロまで減少したところで減圧弁42を閉鎖する。
図9は、ブレーキフルードにエア混入がない場合におけるホイールシリンダ圧の変化と減圧弁42の制御過程の関係を示す。図示するとおり、ブレーキフルードにエアが混入していない場合、漸減するホイールシリンダ圧Pwcは減圧弁42の閉鎖に伴う油撃により初期期間T1で急激に上下した後、漸増に転じることなくそのまま漸減を続け、低圧値PL3を下回った後、ほぼゼロまで減少したところで減圧弁42を閉鎖する。このように、ブレーキフルードにエアへの混入有無により、漸減していたホイールシリンダ圧が初期期間T1の経過後に漸増に転じるか否かという顕著な差異が生じる。本実施の形態においては、漸減していたホイールシリンダ圧が初期期間T1の経過後に漸増に転じるか否かに応じてブレーキフルードへのエア混入有無を判定する。なお、本実施の形態におけるエア混入有無の判定は、制御終了時の最大限の減圧における判定であり、フィードバック制御が働かないため、低圧値PL3や基準圧値PL4を容易に設定することができ、判定精度を高めることができる。
図10は、第2の実施の形態に係る図6のS18におけるエア混入判定の詳細な過程を示すフローチャートである。まず、制動中でなく(S20のN)、またエア混入判定完了状態を示すフラグがオフになっており(S22のN)、さらに低温状態でない場合に(S24のN)、S26へ移行してエア混入有無を判定する。S20において制動中の場合は(S20のY)、制動終了後のエア混入判定に備えるため、エア混入判定完了状態を示すフラグをオフして未完了状態にし(S21)、S48へ移行する。S22とS24のそれぞれにおいて、エア混入判定完了状態を示すフラグがオンになっている場合や(S22のY)、低温状態の場合は(S24のY)、エア混入有無の判定を回避してS48へ移行する。S48以降は、エア混入判定許可状態を示すフラグをオフして禁止状態にし(S48)、エア混入判定中であることを示すフラグをオフにし(S50)、判定タイマのカウント値をゼロにして(S52)、本図のフローを抜ける。
S26において、エア混入判定中であることを示すフラグがオフになっている場合であって(S26のN)、ホイールシリンダ圧Pwcが低圧値PL3以下まで減少していた場合は(S28のN)、エア混入判定許可状態を示すフラグをオンして許可状態にすることによってエア混入判定の準備に入り(S29)、本図のフローを抜ける。S28において、ホイールシリンダ圧Pwcが低圧値PL3以下まで減少していなかった場合はS30に移行する。S26において、すでにエア混入判定中であってエア混入判定中であることを示すフラグがオンになっている場合(S26のY)、S28をスキップしてS30へ移行する(S26のY)。
S30において、エア混入判定許可状態を示すフラグがオフになっている場合は(S30のN)、S48へ移行してエア混入有無を判定しない。これは、例えばホイールシリンダ圧Pwcが低圧値PL3より低い状態のまま制動中から制動外に切り替わったような場合であり、この場合はエア混入判定を回避する。これにより、エア混入判定の対象を、制動外の状態においてホイールシリンダ圧Pwcが低圧値PL3より高い状態から低い状態へと減圧された場合に限定することができ、判定精度を相対的に高めることができる。
S30において、エア混入判定許可状態を示すフラグがオンになっている場合は(S30のY)、エア混入判定中であることを示すフラグをオンし(S32)、判定タイマのカウント値が初期期間T1を経過するまで進んでいなければ(S34のN)、油撃による誤判定を回避するためにエア混入判定をしないまま判定タイマのカウントを進め(S36)、本図のフローを抜ける。S34において、判定タイマのカウント値が初期期間T1を経過するまで進んでいた場合であって(S34のY)、判定タイマのカウント値が判定期間T2を経過するまで進んでおらず(S38のN)、しかもホイールシリンダ圧Pwcが基準圧値PL4以上の値になっていなければ(S40のN)、エア混入判定をしないまま判定タイマのカウントを進めて(S36)、本図のフローを抜ける。
S38において、判定タイマのカウント値が期間T2以内のまま(S38のN)、ホイールシリンダ圧Pwcが基準圧値PL4以上の値まで増加していれば(S40のY)、エア混入判定部204はブレーキフルードにエア混入があると判定し(S42)、判定タイマのカウント値が期間T2を超過していた場合は(S38のY)、エア混入判定部204はブレーキフルードにエア混入がないと判定する(S44)。その後、エア混入判定完了状態を示すフラグをオンし(S46)、エア混入判定許可状態を示すフラグをオフして禁止状態にし(S48)、エア混入判定中であることを示すフラグをオフにし(S50)、判定タイマのカウント値をゼロにして(S52)、本図のフローを抜ける。
なお、エア混入判定部204がエア混入有無を判定した後に、S48でエア混入判定完了状態を示すフラグをオンにし、S22でエア混入判定完了状態を示すフラグがオンになっている場合にエア混入判定を回避している。これは、エア混入判定のために減圧弁42を開閉させるソレノイド作動が繰り返されるのを防止するためであり、制動1回につきエア混入判定を1回に限定する趣旨である。
図11は、第2の実施の形態に係る図6のS24における液圧制御の詳細な過程を示すフローチャートである。本実施の形態における減圧弁42は常閉型の電磁流量制御弁であり、本図のフローは電磁流量制御弁の減圧弁42が採用された場合の液圧制御の過程を示す。バルブ制御部201は、制動中の場合(S90のY)、制動外の期間経過を示すタイマのカウント値をゼロにし(S104)、通常状態の制御における増圧弁40や減圧弁42への制御電流値を出力して(S106)、本図のフローを抜ける。S90において、制動中でない場合(S90のN)、バルブ制御部201は制動外の期間経過を示すタイマのカウントを進めて(S92)、増圧弁40を閉鎖する(S94)。エア混入判定中であることを示すフラグがオンになっている場合は(S96のY)、減圧弁42を閉鎖して(S98)、本図のフローを抜ける。エア混入判定中を示すフラグがオンになっていない場合であって(S96のN)、制動外の期間経過を示すタイマのカウント値が期間T3以下の場合は(S100のY)、減圧弁42を開放して本図のフローを抜け(S102)、カウント値が期間T3以下でない場合は(S100のN)、通常状態の制御における増圧弁40や減圧弁42への制御電流値を出力して本図のフローを抜ける(S106)。
図12は、増圧弁40および減圧弁42に常開型の電磁流量制御弁を採用した場合の図6のS24における液圧制御の詳細な過程を示すフローチャートである。バルブ制御部201は、制動中の場合(S110のY)、通常状態の制御における増圧弁40や減圧弁42への制御電流値を出力して(S118)、本図のフローを抜ける。S110において、制動中でない場合(S110のN)、増圧弁40を閉鎖する(S112)。エア混入判定中であることを示すフラグがオンになっている場合は(S114のY)、減圧弁42を閉鎖して(S116)、本図のフローを抜ける。エア混入判定中を示すフラグがオンになっていない場合は(S114のN)、通常状態の制御における増圧弁40や減圧弁42への制御電流値を出力して本図のフローを抜ける(S118)。
以上、本発明を各実施形態をもとに説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素およびプロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、そのような変形例を述べる。
第1の実施の形態においては、ホイールシリンダ圧が上限しきい値PL1から下限しきい値PL2まで減少する時間の長さで減圧速度の速さを測定し、エア混入有無を判定した。変形例においては、ホイールシリンダ圧が上限しきい値PL1まで減少してから所定時間が経過したときのホイールシリンダ圧の大きさで減圧速度の速さを測定し、エア混入有無を判定してもよい。
各実施の形態において用いられた「制動」は、主に運転者による制動要求に対応する制動だけでなく、車両安定性制御装置(VSCシステム)の作動に対応する制動であってもよい。たとえば、第2の実施の形態においては、制動終了時に減圧弁を一時的に閉鎖するが、VSCシステムの場合にはマスタシリンダ圧カット弁を一時的に閉鎖することで第2の実施の形態におけるエア混入判定を実現してもよい。
10 ブレーキ制御装置、 20 ホイールシリンダ、 40 増圧弁、 42 減圧弁、 62 温度センサ、 80 油圧アクチュエータ、 200 ECU、 201 バルブ制御部、 202 圧力設定部、 203 要求制動力算出部、 204 エア混入判定部、 205 警報装置。
Claims (4)
- 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御する装置であって、
作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する複数の開閉弁と、
前記複数の開閉弁の開放と閉鎖を制御するとともに、前記制動力の付与を終了させるときは前記複数の開閉弁のうち少なくともいずれかを開放させる開閉制御手段と、
前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記制動力の付与を終了させるために前記複数の開閉弁のうち少なくともいずれかが開放されることによる前記ホイールシリンダの圧力低下が所定の低圧域において所定速度より遅い場合に流路内にエアが混入していると判定するエア混入判定手段と、
を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。 - 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御する装置であって、
作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する複数の開閉弁と、
前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記複数の開閉弁の開放と閉鎖を制御するとともに、前記制動力の付与を終了させるときは前記複数の開閉弁のうち少なくともいずれかを開放させる開閉制御手段と、
流路内にエアが混入しているか否かを判定するエア混入判定手段と、を備え、
前記開閉制御手段は、前記制動力の付与を終了させるために前記複数の開閉弁のうち少なくともいずれかを開放させる場合、前記ホイールシリンダの圧力が所定の低域値まで低下したときに前記開閉弁を所定時間だけ一時的に閉鎖させ、
前記エア混入判定手段は、前記開閉弁が一時的に閉鎖される間の前記ホイールシリンダの圧力が所定値を上回った場合に流路内にエアが混入していると判定することを特徴とするブレーキ制御装置。 - 前記エア混入判定手段は、前記開閉弁が一時的に閉鎖される間の所定の初期期間内は前記判定を制限することを特徴とする請求項2に記載のブレーキ制御装置。
- 前記エア混入判定手段は、前記作動流体の温度が所定の低温域に属するときは前記判定を制限することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
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Cited By (2)
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JP2011529815A (ja) * | 2008-08-04 | 2011-12-15 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 車両内のブレーキ装置の機能検査方法 |
JP2018509334A (ja) * | 2015-03-18 | 2018-04-05 | ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 車両の回生ブレーキシステムを作動させる方法、および車両の回生ブレーキシステムのための制御装置 |
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2006
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US11110802B2 (en) | 2015-03-18 | 2021-09-07 | Robert Bosch Gmbh | Method for operating a regenerative braking system of a vehicle and control unit for a regenerative braking system of a vehicle |
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