JP2007196811A - 車載装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者のみに報知すべき音声メッセージや全ての乗員に対して報知すべき音声メッセージ、車載装置本体におけるキー操作音等の音声メッセージといった具合に、音声メッセージごとに報知すべき対象を識別し、報知対象に応じて音声メッセージをより効果的に報知するための技術を提供する。
【解決手段】ETC車載器100は、車両の運転者を報知対象とする外部スピーカ22と全乗員を報知対象とする本体スピーカ23を備えている。また、記憶部17において音声報知イベントごとに音声メッセージの報知に使用するスピーカを選択するための情報を含む報知設定テーブルを記憶している。そして、報知設定テーブルの設定内容に基づき、発生した音声報知イベントに対応する音声メッセージを報知する際に使用するスピーカを選択する。そして、選択したスピーカを介して、当該音声報知イベントに対応する音声メッセージを出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の乗員に対して音声によって効果的にメッセージを報知するための技術に関する。
従来、車両に搭載されるETC車載器やナビゲーション装置等といった車載装置において、具備したスピーカ等の音声出力手段を用いて車載装置の状態通知や乗員へのガイダンス等の種々のメッセージを音声によって報知するための技術はよく知られている。また、車載装置を利用するユーザの好みに応じて、音声案内の音量を調節可能とすることでユーザが音声案内を聞き易くするための技術も一般的に知られている。さらに、スピーカを内蔵する場所を工夫することで、より効果的に音声案内を乗員に対して行うことができる技術が案出されている。
例えば、有料道路の利用料金を収受する自動料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection)に用いられる自動料金収受車載装置(車載器)において、車載器本体部と同軸ケーブルにより接続され、アンテナ部及びスピーカを備えた入出力ユニットを乗員から近い位置に配置することで、車載器本体部の設置場所に関わらず自動料金収受に関する音声案内を乗員に対して良好に報知する技術が案出されている(特許文献1参照)。
特開2005−135300号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような従来の技術では、例えば、経路上の走行規制に関する情報等といった本来運転者のみに報知すればよい情報と料金所通過時の利用料金情報等といった全ての乗員に対して報知すべき情報とが区別されることなく全ての乗員に対して一様に音声案内が行われる。このような場合、例えば、運転者のみに必要な音声案内が全ての乗員に対して一様に報知された場合、運転手以外の乗員にとって必要のない音声案内を強制的に聞かせてしまうことになり、これらの乗員に対して煩わしさを感じさせてしまうという問題がある。
また、特許文献1に記載の例では、車載器本体部とスピーカが内蔵された入出力ユニットとが空間的に離れている。したがって、車載器本体部に備えられた入力キーを操作した場合、操作対象である車載器本体部と操作の結果である音声案内(キー操作音や設定確認の音声等)が出力される場所とが離れているため、操作が確実に行われているか否かをユーザが認識し難いという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、運転者のみに報知すべき音声メッセージや全ての乗員に対して報知すべき音声メッセージ、車載装置本体におけるキー操作音等の音声メッセージといった具合に、音声メッセージごとに報知すべき対象を識別し、報知対象に応じて音声メッセージをより効果的に報知するための技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の車載装置は、予め登録されている報知設定情報に基づいて音声メッセージごとに報知すべき対象を識別し、それぞれ報知対象の異なる複数のスピーカを切り換えて音声メッセージを出力することを特徴とする。
具体的には、請求項1に記載の車載装置は、報知対象がそれぞれ異なり、各報知対象に対応する音場を形成する複数のスピーカを備えている。また、音声報知イベントごとに音声メッセージの報知に使用するスピーカを選択するためのスピーカ選択情報を少なくとも含む報知設定情報を記憶している(記憶手段)。そして、スピーカ選択手段において報知設定情報のスピーカ選択情報に基づき、発生した音声報知イベントに対応する音声メッセージを報知する際に使用するスピーカを選択する(スピーカ選択手段)。そして、スピーカ選択手段によって選択されたスピーカを介して、当該音声報知イベントに対応する音声メッセージを出力する(音声出力制御手段)。
なお、ここで「音声」という用語は、言語音(声)だけを意味するものではなく、記号音等の非言語音(音)も含むものとする。つまり、ここでいう「音声メッセージ」とは、例えば、言語音によるガイダンスや、キー操作音や警告音といった記号音、効果音等のように、言語音、非言語音に関わらず音声によって伝えられる情報内容を指す。
また、「報知対象がそれぞれ異なり、各報知対象に対応する音場を形成する複数のスピーカ」は、例えばスピーカの配置位置や音声放出の指向性を変えることにより、車両の運転者、全乗員、車載装置の操作者等といった異なる報知対象ごとにそれぞれ対応する音場を形成することにより各報知対象に音声メッセージを報知するものである。
このように構成された車載装置によれば、予め登録されている報知設定情報のスピーカ選択情報に基づいて音声メッセージごとに報知すべき対象を識別し、これに対応するスピーカのみから音声メッセージを出力することで、報知対象となる乗員に対して効果的に音声メッセージを報知することができる。一方、報知する音声メッセージの対象とならない乗員を報知対象とするスピーカから音声メッセージが出力されないため、これらの乗員に不要な音声メッセージを聞かせてしまうことがない。また、車載装置の本体及び外部それぞれにスピーカを設けた場合、車載装置の本体に対するキー操作に対応する操作音等は、車載装置の本体に設置したスピーカのみから出力するようにすれば、操作が確実に行われているか否かをユーザが認識し易くなる。
ところで、報知対象となる乗員に応じてより効果的に音声メッセージを報知するためには、報知対象に応じてスピーカを選択すると共に、音声報知イベントごとに適切な出力音量に設定して報知することが考えられる。
そこで、請求項2に記載の車載装置のように構成するとよい。具体的には、報知設定情報は、音声報知イベントごとに音声メッセージを報知する際の出力音量を定めた音量設定情報を含んでいる。また、発生した音声報知イベントに対応する音声メッセージの出力音量を、報知設定情報の音量設定情報に基づく所定の値に設定する音量設定手段を備える。そして、音声出力制御手段は、当該音声メッセージを音量設定手段によって設定された出力音量で出力する。
このように構成された車載装置によれば、予め登録されている報知設定情報に基づいて、音声メッセージの報知に使用するスピーカを選択すると共に、音声報知イベントごとに適切な出力音量で音声メッセージを報知することができる。具体的には、車両の運転者のみに音声メッセージを報知する場合のように、報知対象となる乗員が限定されている場合や、報知対象がスピーカの設置場所(例えばダッシュボード等)から近い場所にいると想定される場合等、あるいは、キー操作音のように車載装置の操作者に対してのみ聞こえればよい音声等については、音声メッセージを報知する際の出力音量を比較的小さく設定しておくことが考えられる。一方、車両の全ての乗員に対して音声メッセージを報知するような場合は、音声メッセージを報知する際の出力音量を比較的大きく設定しておくことが考えられる。あるいは、乗員にとって重要な音声メッセージは出力音量を比較的大きく設定しておくといった具合に、報知する音声メッセージの重要度に応じて出力音量を設定することも考えられる。
一方、上述のような報知設定情報における音量設定情報に基づいて出力音量を設定する方法の他に、ユーザからの直接操作によって音声メッセージの出力音量を設定可能にするという方法であっても、ユーザの好みの出力音量に設定できるという観点において利便性を向上させることができる。しかしながら、ユーザによって音声メッセージの出力音量が過度に小さく設定された場合、ユーザに対する警告やエラー発生時等の極めて重要な音声報知イベントが発生した際に、出力音量が小さ過ぎるためにこれらの重要なメッセージが乗員に正しく伝達されないおそれがある。
そこで、請求項3に記載の車載装置のように構成するとよい。具体的には、ユーザからの操作に応じて音声メッセージを報知する際の出力音量を設定するためのユーザ設定手段と、ユーザ設定手段により設定された出力音量が、発生した音声報知イベントにおける報知設定情報の音量設定情報に基づく出力音量より小さいか否かを判定する判定手段を備える。そして、判定手段によって「ユーザ設定手段により設定された出力音量が、発生した音声報知イベントにおける報知設定情報の音量設定情報に基づく出力音量より小さい」と判定された場合、当該音声メッセージを報知する際の出力音量を報知設定情報の音量設定情報に基づく所定の値に設定する。一方、「ユーザ設定手段により設定された出力音量が、発生した音声報知イベントにおける報知設定情報の音声設定情報に基づく出力音量以上である」と判定された場合、当該音声メッセージを報知する際の出力音量をユーザ設定手段によって設定された値に設定する。
このように構成された車載装置によれば、ユーザにより設定された出力音量が報知設定情報における音量設定情報に基づく出力音量より小さい場合、ユーザ自信が設定した出力音量ではなく、報知設定情報における音量設定情報に基づく出力音量で音声メッセージが出力される。つまり、ここでは報知設定情報における音量設定情報は、各音声報知イベントにおいて出力すべき最小出力音量として設定されている。よって、各音声報知イベントの重要度に応じて出力すべき最小出力音量としての音量設置情報を予め登録しておくことで、ユーザによる音量設定を可能とする利便性と、重要な音声メッセージを確実に乗員に伝達する信頼性とを両立させることができる。
ところで、車両の乗員に対して報知する音声メッセージには、その内容に応じて運転者のみに報知すべきものと、車両の全乗員に報知すべきもの、キー操作音のように特定の位置から出力すべきもの等がある。例えば、無線通信によって外部から受信した交通情報や料金情報等の種々の情報を報知する車載通信装置を例に挙げてみれば、経路上の走行規制に関する情報、速度超過の警告、通信及び料金決済に必要なICカードの装着不良に対する警告等、運転者の操作を促す音声メッセージ等は運転者のみに報知すればよいものであると考えられる。一方、自動料金収受システム利用時における利用料金に関する情報や外部の路側機器等から配信される有用性の高い情報等は全ての乗員に報知されるべき情報であると考えられる。よって、このような音声メッセージの種類を考慮したスピーカを用いて音声メッセージをするとよい。
そこで、請求項4に記載の車載装置のように構成するとよい。つまり、複数のスピーカとして、車両の運転者を報知対象とする第1のスピーカと、車両の全ての乗員を報知対象とする第2のスピーカとを備えている。そして、報知設定情報のスピーカ選択情報として、音声報知イベントごとに第1のスピーカのみを使用するモード、第2のスピーカのみを使用するモード、第1のスピーカ及び第2のスピーカの両方を使用するモードの何れかのモードを音声報知イベントごとに設定可能に構成されている。
このように構成された車載装置によれば、報知設定情報に基づいて、運転者のみを報知対象とする音声報知イベントでは「第1のスピーカのみを使用するモード」で音声メッセージを出力し、全ての乗員を報知対象とする音声イベントでは「前記第1のスピーカ及び第2のスピーカの両方を使用するモード」で音声メッセージを出力し、キー操作音のように特定の位置から出力すべき音声イベントでは「第2のスピーカのみを使用するモード」で音声メッセージを出力するといた具合に、音声イベントごとに柔軟な態様で乗員に対して効果的に音声メッセージを報知することができる。
また、請求項5に記載の車載装置のように、車両の運転者を報知対象とする第1のスピーカとして単一指向性を有するスピーカを用いることで、報知対象である運転者に対してより確実に音声メッセージを報知すると共に、報知対象外である他の乗員に対して煩わしさを感じさせないようにすることができる。
つぎに、請求項6に記載の車載装置は、記憶手段に記憶されている報知設定情報における各音声報知イベントに対する設定内容を、ユーザからの操作に応じて変更するための設定変更手段を備えていることを特徴とする。
ここで、設定変更手段は、車載装置本体等に設けられる操作キー等によって具現化される。よってユーザは、この操作キーを操作することで報知設定情報における各音声報知イベントに対する設定内容を変更することができる。
例えば、デフォルトで運転者のみが報知対象となっている音声報知イベントについて、報知対象を運転者のみから全ての乗員に変更する場合は、報知設定情報におけるスピーカ選択情報の内容を変更すればよい。また、音声報知イベントごとの出力音量を変更する場合は、報知設定情報における音量設定情報の内容を変更すればよい。
このように、報知設定情報における各音声報知イベントに対する設定内容を、ユーザからの操作に応じて変更可能にすることで、ユーザの好みに応じた柔軟な態様で音声メッセージを報知することができる。
以上で説明したような車載装置におけるスピーカ選択手段、音声出力制御手段、音量設定手段、及び判定手段の各手段を備える制御手段の機能をコンピュータシステムにて実現するには、請求項7に記載のようにコンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えればよい。このようなプログラムは、例えば光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードすることにより、上述の各手段としての機能を実現できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[ETC車載器100の構成の説明]
図1は実施形態のETC車載器100の概略構成を示すブロック図である。
ETC車載器100は、図1に示すように、車載器本体1と外部ユニット2とからなる。このうち車載器本体1は、無線部11、電源部12、全体制御部13、ICカード制御部14、ICカードコネクタ15、音声信号出力部16、記憶部17、表示部18、入力操作部19、外部機器接続部20、及び本体スピーカ23を備えており、車両のコンソールボックスやグローブボックス等に設置される。一方、外部ユニット2は、音声出力用の外部スピーカ22及び通信用のアンテナ21を備えており、インストルメントパネル上面等に設置される。
無線部11は、周知の通信回路によって構成されている。この無線部11は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の通信方式により、外部ユニット2に内蔵されているアンテナ21を介して路側に設置された無線装置である路側機器4との間で無線通信を行う。なお、路側機器4は、例えば有料道路の料金所に設置された料金決済用の路側機器、その料金決済用の路側機器よりも進行方向手前に設置された予告用の路側機器、あるいはカード確認用の路側機器等である。予告用の路側機器はETC車線の利用可否を案内するものであり、カード確認用の路側機器はETCカードの挿入忘れに対する注意喚起をするためのものである。これらの路側機器は、ETC車載器100との通信を行うための制御部と無線部等を備える。
電源部12は、車載バッテリ(図示なし)を電力供給源とする電源回路と接続されており、ETC車載器100の各部に対して電力供給を行うためのものである。
全体制御部13は、図示しない周知のCPU、ROM、RAM、入出力回路であるI/O、及びこれらの構成を接続するバスライン、入力操作部19からの信号の処理を行う信号処回路、表示部18を制御するための信号出力回路等を備えている。CPUは、ROM及びRAMに記憶された制御プログラム及びデータにより制御を行う。ROMは、プログラム格納領域とデータ格納領域とを有している。プログラム格納領域には制御プログラムが格納され、データ格納領域には制御プログラムの動作に必要なデータが格納されている。また、制御プログラムは、RAM上にてワークメモリを作業領域とする形で動作する。
そして、全体制御部13は、無線部11、ICカード制御部14、音声信号出力部16、記憶部17、表示部18、入力操作部19、外部機器接続部20と接続されており、無線部11によって受信した受信信号を信号処理によって受信データに変換したり、送信データを信号処理によって送信信号へ変換したりする。また、送受信データや記憶部17から読み出したデータ、ICカード制御部14を介して読み出したICカード3の情報等に基づいて各種演算処理を行い、ETC車載器100の初期設定処理(セットアップ情報の書き込み処理)やETCシステムにおける料金収受処理、各種音声メッセージの出力処理等を実行する。
ICカード制御部14は、ICカード3の情報をICカードコネクタ15を介して読み取ったり書き込んだりする処理を行う、いわゆるカードリーダライタ機能を有している。
ICカードコネクタ15は、ICカード3を挿抜可能に構成されている。なお、ICカード制御部14は、このICカードコネクタ15におけるICカード3の挿抜を検知することができるように構成されている。
音声信号出力部16は、各処理実行時に伴って発生した音声報知イベントに応じて全体制御部13から出力された音声データを音声信号に変換し、車載器本体1内部の本体スピーカ23及び外部ユニット2内部の外部スピーカ22を介して音声を出力する。また、音声信号出力部16は、全体制御部13からの指示に応じて音声出力に使用するスピーカを選択し、指示された出力音量にて音声を出力する。このスピーカの選択及び出力音声の設定に関する詳細な説明は後述する。
記憶部17は、記憶・読み出し可能な周知のフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成されており、図3に示す報知設定テーブル(詳細は後述)等を記憶している。
表示部18は、機器の状態や設定内容、ETCシステムにおける料金決済の情報、路側機器4から受信した種々の情報等をユーザに対して表示するためのものである。
入力操作部19は、各種ボタン等を備え、ユーザが各種操作指示やデータ入力するために用いられるものである。なお、この入力操作部19には、外部スピーカ22及び本体スピーカ23からの出力音量をユーザが調節するための音量調節キー(図示なし)も設けられている。
外部機器接続部20は、例えば図示しないナビゲーション装置等の車両に搭載された他の処理装置と接続して、互いに通信を行うためのものである。
外部ユニット2に内蔵されている外部スピーカ22は、車両の運転者を報知対象とするスピーカであり、運転者に的を絞って音声を伝達するために単一指向性を有するスピーカが用いられる。この単一指向性を有するスピーカとしては、例えば、超音波を利用して限られた範囲に的を絞って音声を伝達する音声伝送システムや、平面波を放出することで鋭い指向性を示す平面波スピーカ、アレイスピーカ、ホーンスピーカ等が挙げられる。この外部スピーカ22は、図2(a)に示すように、車両のインストルメントパネル上の外部ユニット2が設置される位置から外部スピーカ22が形成する音場が車両の運転者の頭部へ向くように設置される。
車載器本体1に内蔵されている本体スピーカ23は、車両の運転者を含む全乗員を報知対象とするスピーカであり、車内に広く音声を伝達するため無指向性の広い音場を形成するスピーカ等が用いられる。この本体スピーカ23は、図2(b)に示すように、車両のグローブボックス付近の車載器本体1が設置される位置から車内全体に広がる音場を形成するように構成されている。
ICカード3は、情報を記憶・読み出し可能な不揮発性メモリで構成される記憶部32、車載器本体1のICカードコネクタ15を介してICカード制御部14との間でデータのやり取りを行ったり記憶部32を制御する制御部31等を備えている。
記憶部32には、例えばICカード3がクレジットタイプであれば、ICカード3を特定するための識別情報(カードID)、契約情報、有料道路等の利用料金を引き落とすための決済情報等が記憶されている。
ETC車載器100にICカード3が装着されると、ICカード3内部の情報がETC車載器100に読み込まれる。この情報は、ETC車載器100に予め登録されている車両の情報と共に無線通信時に車載器情報として送信される。ETC車載器100は、有料道路等の料金所に設置されている料金決済用の路側機器4との間で無線通信を行うことで利用料金の決済を行う。このとき、路側機器4から受信した情報や利用料金に関する情報をユーザへ報知するための音声メッセージを出力する。
一方、上述した予告用の路側機器4との間で無線通信を行った場合には、その予告用の路側機器4から受信した情報に基づき、ETC車線の利用可否をユーザに報知するための音声メッセージを出力する。また、カード確認用の路側機器4との間で無線通信を行った場合には、そのカード確認用の路側機器4から受信した情報や車載器本体1へのICカード3の装着の有無に基づき、ICカード3の装着忘れに対する注意を喚起するための音声メッセージを出力する。
また、上記のような料金決済用の路側機器、予告用の路側機器、カード確認用の路側機器以外にも、例えば経路上の走行規制等の有用な情報を提供する情報提供用の路側機器4を設けることで、この情報提供用の路側機器4との間で無線通信を行った場合には、その情報提供用の路側機器4から受信した情報に基づく音声メッセージを出力することも考えられる。
ETC車載器100がユーザ(すなわち、車両の乗員)に対して報知する音声メッセージは、その内容に応じて報知すべき対象が異なると考えられる。例えば、経路上の走行規制に関する情報等といった本来運転者のみに報知すればよい情報と料金所通過時の利用料金情報等といった全ての乗員に対して報知すべき情報といったものが挙げられる。また、車載器本体1に備えられた入力操作部19を操作した場合、操作対象である車載器本体1と操作の結果である音声メッセージ(キー操作音や設定確認の音声等)は、車載器本体1側に内蔵された本体スピーカ23から出力した方が操作者にとって違和感がないといったことも考えられる。よって、報知する音声メッセージごとに、各報知対象に対応するスピーカを選択して音声メッセージを出力することが肝要である。さらに、音声メッセージごとに使用するスピーカを選択するだけでなく、音声メッセージの報知対象や音声メッセージの重要度に応じて最小出力音量も変更することで、音声メッセージをより確実にユーザへ伝達することができる。
本実施形態のETC車載器100では、外部スピーカ22及び本体スピーカ23を介した音声メッセージの出力について、音声報知イベントごとに、使用するスピーカ、対応する音声データ、最小出力音量の設定データを予め記憶している。具体的には、記憶部17に図3(a)に示す報知設定テーブルが格納されており、この報知設定テーブルの設定内容に基づき全体制御部13が音声報知イベント処理(詳細は後述する。)を実行する。
ここで、図3(a)に示す報知設定テーブルについて説明する。
図3(a)に示す報知設定テーブルは、音声報知イベントごと(イベント番号01〜)に、「使用スピーカ」、「音声データ」、「最小出力音量」をそれぞれ設定するためのテーブルである。「使用スピーカ」は、音声報知イベントごとの報知対象者に対応して設定されている。具体的には、報知対象が運転者の場合、外部スピーカ22を使用し、報知対象者が全乗員の場合、本体スピーカ23及び外部スピーカ22の両方を使用し、報知対象者が車載器本体1に対する操作者(本体操作者)の場合、本体スピーカ23を使用するように設定されている。
「音声データ」は、音声報知イベントで出力する音声メッセージに対応する音声データの識別情報(インデックス番号)が設定されている。なお、音声データ自体は、記憶部17又は全体制御部13内部のROM等に設けられた音声データ格納領域に格納されており、音声メッセージを出力する際には、このインデックス番号に対応する音声データを前述の音声データ格納領域から読み出す。
「最小出力音量」は、各音声報知イベントにおいて出力すべき最小の出力音量が設定されている。本実施形態のETC車載器100では、入力操作部19を介してユーザにより設定された出力音量がこの報知設定テーブルにおける「最小出力音量」で設定されている出力音量より小さければ、ユーザ自信が設定した出力音量ではなく、この報知設定テーブルにおける「最小出力音量」で設定されている出力音量で音声メッセージが出力される。なお、「最小出力音量」を「なし」と設定することで、最小出力音量を定めないようにすることもできる。この場合、常にユーザによって設定された出力音量で音声メッセージが出力される。
なお、この報知設定テーブルは、入力操作部19を介してユーザからの操作で設定内容を変更することができる。具体的には、記憶部17に記憶されている報知設定テーブルの内容を表示部18に表示させ、ユーザが表示された内容を確認しながら入力操作部19操作することで各設定内容を変更する。図3(b)にユーザによる変更後の報知設定テーブルの内容を例示する。この図中において破線枠で強調してある項目が変更された設定内容である。変更された報知設定テーブルの内容は、記憶部17の所定領域に記憶される。
以下、全体制御部13が実行する処理のうち、発生した音声報知イベントに対応する音声メッセージを、上述の報知設定テーブルに基づいて各スピーカから出力するための処理について図4のフローチャートに基づいて説明する。
[音声報知イベント処理の説明]
図4は、ETC車載器100の全体制御部13が実行する音声報知イベント処理の手順を示すフローチャートである。
まず、音声報知イベントが発生したか否かを判定する(ステップ10。以下、ステップを単に記号Sで表記する。)。ここで、路側機器4との間で無線通信を行うこと等によって音声出力イベントが発生したと判定した場合(S10:YES)、記憶部17に記憶されている報知設定テーブル(図3参照)を検索して、発生した音声報知イベント(以下、当該音声報知イベントと称す。)に対応する設定内容を参照する(S20)。一方、S10で音声報知イベントが発生していないと判定した場合(S10:NO)、音声報知イベント処理を終了する。
S30では、報知設定テーブルにおける当該音声報知イベントの「使用スピーカ」の設定内容に基づき、当該音声報知イベントにおいて使用するスピーカを判定する。ここで、使用するスピーカが本体スピーカ23であると判定した場合(S30:「本体スピーカ」)、音声メッセージの出力に使用するスピーカとして本体スピーカ23を選択する(S40)。あるいは、使用するスピーカが外部スピーカ22であると判定した場合(S30:「外部スピーカ」)、音声メッセージの出力に使用するスピーカとして外部スピーカ22を選択する(S50)。あるいは、使用するスピーカが本体スピーカ23+外部スピーカ22であると判定した場合(S30:「本体スピーカ+外部スピーカ」)、音声メッセージの出力に使用するスピーカとして本体スピーカ23と外部スピーカ22の両方を選択する(S60)。
つぎに、報知設定テーブルにおける当該音声報知イベントの「音声データ」の設定内容に基づき、当該音声報知イベントにおいて出力する音声メッセージの内容(インデックス番号)を決定する(S70)。そして、決定したインデックス番号に対応する音声データを音声データの記憶領域から取得する(S80)。
つづいて、報知設定テーブルにおける当該音声報知イベントの「最小出力音量」の設定内容に基づき、当該音声報知イベントに最小出力音量が設定されているか否かを判定する(S90)。ここで、当該音声報知イベントに最小出力音量が設定されていないと判定した場合(S90:NO)、すなわち、報知設定テーブルにおける当該音声報知イベントの「最小出力音量」の項目が「なし」に設定されている場合、音声メッセージを出力する際の出力音量を、ユーザにより設定された出力音量に設定する(S110)。
一方、S90で当該音声報知イベントに最小出力音量が設定されていると判定した場合(S90:YES)、つづいて、ユーザによって設定された出力音量が、報知設定テーブルにおける当該音声報知イベントの「最小出力音量」で設定されている出力音量より小さいか否かを判定する(S100)。ここで、ユーザによって設定された出力音量が、報知設定テーブルにおける当該音声報知イベントの「最小出力音量」で設定されている出力音量より小さいと判定した場合(S100:YES)、音声メッセージを出力する際の出力音量を、報知設定テーブルにおける当該音声報知イベントの「最小出力音量」で設定されている出力音量に設定する(S120)。
一方、S100で、ユーザによって設定された出力音量が、報知設定テーブルにおける当該音声報知イベントの「最小出力音量」で設定されている出力音量以上であると判定した場合(S100:NO)、音声メッセージを出力する際の出力音量を、ユーザにより設定された出力音量に設定する(S110)。
つぎに、S40,S50,S60で選択した使用スピーカ、S80で取得した音声データ、S110,S120で設定した出力音量の各情報を音声信号出力部16へ出力することで、音声メッセージの報知を行う(S130)。音声信号出力部16は、全体制御部13から出力された情報に基づいて、音声メッセージを選択されたスピーカから設定された出力音量で出力する。
[効果]
本実施形態のETC車載器100によれば、以下のような効果を奏する。
実施形態のETC車載器100によれば、予め登録されている報知設定テーブルに基づいて音声メッセージごとに報知すべき対象を識別し、運転者のみを報知対象とする音声報知イベントでは外部スピーカ22から音声メッセージを出力し、全ての乗員を報知対象とする音声イベントでは外部スピーカ22及び本体スピーカ23の両方から音声メッセージを出力し、車載器本体1に対するキー操作に対応するキー操作音は本体スピーカ23から音声メッセージを出力するといた具合に、音声イベントごとに柔軟な態様で乗員に対して効果的に音声メッセージを報知することができる。
これにより、報知対象となる乗員に対して効果的に音声メッセージを報知することができる。一方、報知する音声メッセージの対象とならない乗員を報知対象とするスピーカから音声メッセージが出力されないため、これらの乗員に不要な音声メッセージを聞かせてしまうことがない。また、車載器本体1に対するキー操作に対応する操作音は、車載器本体1に設けられた本体スピーカ23のみから出力するので、操作が確実に行われているか否かをユーザが認識し易くなる。
なお、車両の運転者を報知対象とする外部スピーカ22として単一指向性を有するスピーカを用いることで、報知対象である運転者に対してより確実に音声メッセージを報知すると共に、報知対象外である他の乗員に対して煩わしさを感じさせないようにすることができる。
また、ユーザにより設定された出力音量が報知設定テーブルにおける最小出力音量より小さければ、ユーザ自信が設定した出力音量ではなく、報知設定テーブルにおける最小出力音量で音声メッセージが出力される。つまり、各音声報知イベントの重要度に応じて出力すべき最小出力音量を予め報知設定テーブルに登録しておくことで、ユーザによる音量設定を可能とする利便性と、重要な音声メッセージを確実に乗員に伝達する信頼性とを両立させることができる。
さらに、記憶部17に記憶されている報知設定テーブルの各設定内容をユーザからの操作に応じて変更することができる。例えば、デフォルトで運転者のみが報知対象となっている音声報知イベントについて、報知対象を運転者のみから全ての乗員に変更する場合は、報知設定テーブル(図3参照)における「使用スピーカ」の項目の設定内容を変更すればよい。また、音声報知イベントにおいて出力する音声メッセージの内容を変更する場合は、「音声データ」の項目の設定内容を変更すればよい。さらに、音声報知イベントごとの最小出力音量を変更する場合は、「最小出力音量」の内容を変更すればよい。このように、報知設定テーブルにおける各音声報知イベントに対する設定内容を、ユーザからの操作に応じて変更可能にすることで、ユーザの好みに応じた柔軟な態様で音声メッセージを報知することができる。
なお、本実施形態のETC車載器100の構成と特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。本実施形態における全体制御部13が、特許請求の範囲における制御手段に相当する。つまり、制御手段が備えるスピーカ選択手段、音声出力制御手段、音量設定手段、及び判定手段は全体制御部13に相当する。また、記憶部17が記憶手段に相当する。また、入力操作部19がユーザ設定手段及び設定変更手段に相当する。また、外部スピーカ22が第1のスピーカに相当し、本体スピーカ23が第2のスピーカに相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態は、ETC車載器100として本発明を実施したものであるが、本発明の技術思想はETC車載器に限らず、例えば車載用ナビゲーション装置、走行支援道路システム(AHS:Advanced Cruise-Assist Highway Systems)に用いる車載器等、車両の乗員に対して何からの音声メッセージを報知する種々の機器に適用することができる。
また、上記実施形態では各報知対象に対応するスピーカとして、運転者を報知対象とする外部スピーカ22と、全乗員を報知対象とする本体スピーカ23とを備えているが、このような構成に限らず、例えば乗員一人一人にそれぞれ対応するスピーカを設けるように構成してもよい。この場合、例えば運転席、助手席、後部座席1,2…といった各所の乗員にそれぞれ対応するスピーカを選択的に用いることで、運転席のみ、助手席のみ、後部座席1,2…、運転席+助手席、助手席+後部全座席、全乗員といった区分ごとに音声メッセージを報知することが考えられる。
また、上記実施形態における外部スピーカ22は、外部ユニット2と別体に設けられていてもよく、外部スピーカ22の設置場所としては、例えば運転席の座席シート内や、運転席の直上付近の天井内等が考えられる。
さらに、ユーザによる出力音量の設定を行わない代わりに、報知設定テーブル(図3参照)において「出力音量」なる設定項目を設け、音声メッセージを出力する際の音量を常にこの報知設定テーブルの「出力音量」の項目で設定される出力音量に設定するように構成してもよい。
また、音声メッセージの出力に用いるスピーカとして、外部機器接続部20に接続された他の機器(例えばナビゲーションシステム)に付属するスピーカを使用してもよい。
実施形態のETC車載器100の概略構成を示すブロック図である。 各スピーカが形成する音場の様子を示す説明図である。 記憶部17に記憶されている報知設定テーブルの内容を示す図である。 ETC車載器100の全体制御部13が実行する音声報知イベント処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…車載器本体、2…外部ユニット、3…ICカード、4…路側機器、11…無線部、12…電源部、13…全体制御部、14…ICカード制御部、15…ICカードコネクタ、16…音声信号出力部、17…記憶部、18…表示部、19…入力操作部、20…外部機器接続部、21…アンテナ、22…外部スピーカ、23…本体スピーカ、31…制御部、32…記憶部、100…ETC車載器。

Claims (7)

  1. 音声報知イベントの発生に応じて、当該音声報知イベントに対応する所定の音声メッセージをスピーカを介して車両の乗員に対して報知する制御手段と、
    報知対象がそれぞれ異なり、各報知対象に対応する音場を形成する複数のスピーカと、
    前記音声報知イベントごとに前記音声メッセージの報知に使用する前記スピーカを選択するためのスピーカ選択情報を少なくとも含む報知設定情報を記憶する記憶手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記報知設定情報のスピーカ選択情報に基づき、発生した前記音声報知イベントに対応する音声メッセージを報知する際に使用する前記スピーカを選択するスピーカ選択手段と、
    前記スピーカ選択手段によって選択された前記スピーカを介して、当該音声報知イベントに対応する音声メッセージを出力する音声出力制御手段とを備えること
    を特徴とする車載装置。
  2. 請求項1に記載の車載装置において、
    前記報知設定情報は、前記音声報知イベントごとに前記音声メッセージを報知する際の出力音量を定めた音量設定情報を含み、
    前記制御手段は、発生した前記音声報知イベントに対応する音声メッセージの出力音量を、前記報知設定情報の音量設定情報に基づく所定の値に設定する音量設定手段を備え、
    前記音声出力制御手段は、当該音声メッセージを前記音量設定手段によって設定された出力音量で出力すること
    を特徴とする車載装置。
  3. 請求項2に記載の車載装置において、
    ユーザからの操作に応じて前記音声メッセージを報知する際の出力音量を設定するためのユーザ設定手段を備え、
    前記制御手段は、前記ユーザ設定手段により設定された出力音量が、発生した前記音声報知イベントにおける前記報知設定情報の音量設定情報に基づく出力音量より小さいか否かを判定する判定手段を備え、
    前記音量設定手段は、前記判定手段によって「前記ユーザ設定手段により設定された出力音量が、発生した前記音声報知イベントにおける前記報知設定情報の音量設定情報に基づく出力音量より小さい」と判定された場合、当該音声メッセージを報知する際の出力音量を前記報知設定情報の音量設定情報に基づく所定の値に設定し、「前記ユーザ設定手段により設定された出力音量が、発生した前記音声報知イベントにおける前記報知設定情報の音声設定情報に基づく出力音量以上である」と判定された場合、当該音声メッセージを報知する際の出力音量をユーザ設定手段によって設定された値に設定すること
    を特徴とする車載装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車載装置において、
    前記複数のスピーカとして、車両の運転者を報知対象とする第1のスピーカと、車両の全ての乗員を報知対象とする第2のスピーカとを備え、
    前記報知設定情報のスピーカ選択情報として、前記音声報知イベントごとに前記第1のスピーカのみを使用するモード、前記第2のスピーカのみを使用するモード、前記第1のスピーカ及び第2のスピーカの両方を使用するモードの何れかのモードを前記音声報知イベントごとに設定可能に構成されていること
    を特徴とする車載装置。
  5. 請求項4に記載の車載装置において、
    前記第1のスピーカは、単一指向性を有するスピーカであること
    を特徴とする車載装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の車載装置において、
    前記記憶手段に記憶されている報知設定情報における各音声報知イベントに対する設定内容をユーザからの操作に応じて変更するための設定変更手段を備えていること
    を特徴とする車載装置。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の車載装置における制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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