JP2007196646A - サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 接続信頼性を向上させることが可能なサーマルヘッドおよび該サーマルヘッドを備えるサーマルプリンタを提供する。
【解決手段】 ヘッド基板2と重畳する部分であって、配線端子7と接合する配線端子10およびこの配線端子10周辺部分を含む接合領域の近傍に、一端を開放させたスリット12を設ける。このスリット12により、応力が接合領域の端部に集中することを緩和でき、接合領域における剥がれを抑制することができるので、接続信頼性が向上する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、可撓性配線基板を有するサーマルヘッド、および該サーマルヘッドを備え、ワードプロセッサ、ファクシミリ装置などのプリンタ機構として組み込まれるサーマルプリンタに関する。
従来からワードプロセッサ、ファクシミリ装置などのプリンタ機構としてサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタが用いられている。
従来のサーマルヘッドは、たとえば、四角形状をなすセラミック基板上に、直線状に配列された複数個の発熱素子および複数個の電極導体を被着させるとともに、これら電極導体の少なくとも一端をセラミック基板上面の一辺部に導出して該導出部に複数個の電極端子を並設したヘッド基板と、前記電極端子を並設したセラミック基板の一辺に沿って一部がヘッド基板と重畳され、この重畳する部分に前記電極端子に電気的に接続される複数個の配線端子を並設したフレキシブル(可撓性)配線基板(以下、「FPC」と略記する)とで構成されている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照。)。
FPCは、外部からの電力や印画信号などをヘッド基板上の発熱素子等に供給するための配線基板であり、該FPCを介してヘッド基板上の発熱素子に所定の電力が供給されると発熱素子が印画信号に基づいて個々に選択的にジュール発熱を起こし、記録媒体に所定の印画が形成されるようになっている。
なお、前記電極端子と前記配線端子の電気的接続は半田接合等によって行われており、その場合、まず配線端子が並設されているFPCの端部を電極端子が並設されているセラミック基板の一辺に沿って重畳させるとともに、対応する端子間に半田を介在させ、該半田をヒーターバー等によって加熱、溶融させることにより行なわれる。
しかしながら、上記従来のサーマルヘッドにおいては、そのサーマルヘッドを組み込むプリンタの小型化に伴い、サーマルヘッドを構成するヘッド基板およびFPCの小型化設計が成されている。この小型化においては、同時に前述のセラミック基板とFPCとが重畳する部分であって、電極端子と配線端子とを接合させるための接合領域も縮小されている。そのため、サーマルヘッドをサーマルプリンタ本体にコネクタ接続する際に発生する機械的な外部応力、印字中の記録媒体が摺動することで生じるヘッド基板の振動による外部応力が加わった場合、接合領域の端部に位置する半田接合部分に機械的応力が集中する。このような応力集中が繰り返し発生すると、半田接合部分が破損して、FPCからヘッド基板から剥がれ、接続信頼性が大幅に低下する。
本発明の目的は、接続信頼性を向上させることが可能なサーマルヘッドおよび該サーマルヘッドを備えるサーマルプリンタを提供することである。
本発明は、発熱素子が配設され、該発熱素子に電気的に接続する複数の配線端子が並設されるヘッド基板と、第1の端部に、複数の配線端子が並設され、第2の端部に、前記配線端子に電気的に接続する接続端子が並設される可撓性基板とを含み、前記可撓性基板が、前記複数の配線端子と、該複数の配線端子に対応して前記複数の配線端子とを接合させるための接合領域を有するサーマルヘッドであって、前記可撓性基板は、前記接合領域以外の領域であって、前記接合領域の近傍に、一端を開放させたスリットが設けられることを特徴とするサーマルヘッドである。
また本発明は、前記複数の配線端子およびこれに対応する複数の前記接続端子は、前記配線端子の並設方向と前記接続端子の並設方向とが交差するように前記可撓性基板に設けられており、前記接合領域の前記接続端子に近い側の端部近傍に前記スリットが設けられることを特徴とする。
また本発明は、前記スリットは、前記配線端子の並設方向と平行な部分を有することを特徴とする。
また本発明は、前記接続端子が並設される領域の幅Wは、前記スリットが形成された領域における前記可撓性基板の幅Gより大きいことを特徴とする。また本発明は、前記スリットの他端は、円弧形状を有することを特徴とする。
また本発明は、前記可撓性基板は、前記配線端子と前記接続端子とを電気的に接続する配線導体を有しており、前記スリットの他端周辺部には、前記配線導体と同部材からなる保護部材が設けられることを特徴とする。
また本発明は、上記のサーマルヘッドと、サーマルヘッドのヘッド基板上に記録媒体を搬送する搬送手段と、サーマルヘッドの前記接続端子に電気的に接続し、前記発熱素子を選択的に発熱させる駆動手段とを備えることを特徴とするサーマルプリンタである。
本発明によれば、サーマルヘッドをサーマルプリンタ本体にコネクタ接続する際に発生する機械的な外部応力、印字中の記録媒体が摺動することで生じるヘッド基板の振動による外部応力が接合領域の端部に集中しても、前記スリットにより、前記応力が接合領域の端部に集中することを緩和でき、該端部からの接合部の剥れが抑制できるので、接続信頼性を向上させることができる。
また本発明によれば、前記配線端子および前記接続端子が、前記配線端子の並設方向と前記接続端子の並設方向とが交差する、すなわち前記配線端子および前記接続端子とが非平行に前記可撓性基板に設けられているサーマルヘッドにおいては、外部応力が可撓性基板に作用すると、前記接合領域の前記接続端子に近い側の端部に応力が特に集中しやすく剥がれが生じる場合がある。本発明では、前記接合領域の前記接続端子に近い側の端部近傍に、前記スリットが設けられることで、応力が集中する部分を、前記接合領域端部からスリットの他端側にずらすことができるので、ヘッド基板と可撓性基板との接合領域における剥がれを抑制し、接続信頼性を向上させることができる。
また本発明によれば、前記スリットは、前記配線端子の並設方向と平行な部分を有する。これにより、応力が集中するスリットの他端部分を、前記接合領域からより遠くに配置することができるので、接続信頼性をさらに向上させることができる。
また本発明によれば、前記接続端子が並設される領域の幅W1は、前記スリット形成領域における前記可撓性基板の幅W2より大きく成してある。これにより、接続端子付近の配線導体の幅および接続端子の幅を広くでき、配線抵抗を低くすることができるので、消費電力の低減、発熱素子の駆動信号の高速化などが可能となる。また、接続端子付近の配線導体同士の間隔および接続端子同士の間隔を広くすれば、配線間容量を小さくすることができるので、発熱素子の駆動信号に発生するクロストークノイズの低減、発熱素子の駆動信号の高速化などが可能となる。
また本発明によれば、前記スリットの他端は、円弧形状を有している。スリットの他端が矩形状で角部が存在すると、可撓性基板が立体的に歪んだ場合にスリットの他端へ応力が集中し、角部に機械的ダメージ(たとえばクラックなど)が生じるおそれがあるが、本発明では、円弧形状を有しているので、応力が集中したとしてもクラックの発生を抑制することができる。さらに、スリットとの相乗効果で、可撓性基板の折り曲げが容易になり、これによってサーマルヘッドの小型プリンタへの実装性、つまり狭い実装空間への実装性も向上する。
また本発明によれば、前記スリットの他端周辺部に、前記配線導体と同部材からなる保護部材を設けている。保護部材により、スリットの他端に応力が集中した結果、クラックが発生したとしても、このクラックがさらに進行することを抑制することができる。また、保護部材は配線導体と同部材からなるので、配線導体の形成工程で配線導体と同時に形成することができる。
また本発明によれば、搬送手段によって、サーマルヘッドのヘッド基板上に感熱性の記録媒体を搬送し、駆動手段によってサーマルヘッドの発熱素子を選択的に発熱させることで印字する。これにより、信頼性の高いサーマルプリンタを提供することができる。
以下、本発明を添付した図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るサーマルヘッド1の平面図であり、図2は図1に示したサーマルヘッド1のX−X断面図である。
図1は本発明の第1の実施形態に係るサーマルヘッド1の平面図であり、図2は図1に示したサーマルヘッド1のX−X断面図である。
サーマルヘッド1は、ヘッド基板2および可撓性基板であるフレキシブル配線基板(FPC)3を含んで構成される。
図3は、ヘッド基板2の平面図である。ヘッド基板2は、概ね四角形状を有し、セラミック基板4上面に所定パターンで被着させることにより、複数個の発熱素子5が配設され、発熱素子5に配線導体6を介して電気的に接続する複数の配線端子7が並設される。
セラミック基板4は、たとえばアルミナセラミックスなどのセラミック材料から成り、その上面に、発熱素子5や配線導体6およびドライバーIC(Integrated Circuit)8などを支持するための支持母材として機能する。
なお、前記セラミック基板4が、アルミナセラミックスから成る場合の製造工程を簡単に示す。まず、アルミナ、シリカ、マグネシアなどのセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加・混合して泥漿状に成し、これを従来周知のドクターブレード法、カレンダーロール法などを採用することによってセラミックグリーンシートを得る。得られたグリーンシートを所定の四角形状に打ち抜き加工した後、高温で焼成することによって製作される。
また発熱素子5は、所定のピッチ(たとえば62.5μm)で並設されており、その各々がTa−Si−O系,Ti−Si−O系,Ti−C−Si−O系などの電気抵抗材料から成っているため、配線導体6および後述するFPC3の配線導体を介して外部から電力が供給されると、ジュール発熱を起こし、矢符Tの方向に搬送される感熱紙などの記録媒体に印画を形成するのに必要な所定の温度となる。
また配線導体6は、外部からの電力、印画信号などを発熱素子5やドライバーIC8に供給するための機能を担う配線であり、たとえばAl(アルミニウム)やCu(銅)などの金属から成り、セラミック基板4上面の一辺部で後述するFPC3の配線導体と電気的に接続される。ここで、「一辺部」とは、セラミック基板4の上面を規定する各辺のうちの一つ辺および該上面における該一辺の近傍を含む部位を意味する。
本実施形態では、複数の配線導体6は、全ての発熱素子5に共通に接続される共通電極配線6aと、各発熱素子5と、これら発熱素子5に対応するドライバーIC8の出力端子とを接続する個別電極配線6bと、ドライバーIC8の入力端子に接続される信号配線6cとで構成されており、共通電極配線6aおよび個別電極配線6bは、発熱素子5に電力を印加する作用を為し、また信号配線6cはドライバーIC8に外部からの印画信号、クロック信号、ラッチ信号、ストローブ信号などを供給する作用を為す。
これら配線導体6のうち、一端部がセラミック基板4上面の一辺部まで導出されているのは共通電極配線6aおよび信号配線6cのみであり、共通電極配線6a、信号配線6cの各々の導出部には配線端子7が設けられる。なお、個別電極配線6bは、発熱素子5の列とドライバーIC8との間の領域に形成されており、これら個別電極配線6cはセラミック基板4上面の一辺部には導出されない。
上記のような発熱素子5および配線導体6は、従来周知の薄膜形成手法、具体的にはスパッタリング法、フォトリソグラフィー方およびエッチング法などを採用することによって、セラミック基板4の上面に所定の配線パターンおよび所定の配線厚みを有するように被着・形成される。
また、ドライバーIC8は、セラミック基板4に対向する実装面に、複数個の出力端子、入力端子の他、スイッチング素子などの駆動回路やANDゲートなどの論理回路、ラッチ回路、シフトレジスタなどを備えており、発熱素子5への電力供給を、入力端子より入力される印画信号に基づいて個々に制御する。
なお、前記ドライバーIC8の出力端子は対応する個別電極配線6bに、入力端子は対応する信号配線6cに半田などの導電性接着剤を介して電気的に接続される。
FPC3は、たとえば10〜35μmの厚さを有するポリイミド樹脂製のベースフィルム3aおよびカバーフィルム3b間に銅などの金属から成る配線導体9を挟持させるとともに、FPC3とセラミック基板4とが重畳する部分に導出されている配線導体9の一端部を配線端子10として並設させた構造を有しており、これらの配線端子10を、対応する配線端子7に半田接合させることによってFPC3とヘッド基板2とが電気的に接続される。
FPC3をサーマルプリンタ本体に備えられるプリント配線基板に接続することで、プリンタヘッド駆動回路(不図示)からの電力や印画信号などをヘッド基板2の発熱素子5およびドライバーIC8に供給することができる。プリント配線基板に接続するための接続端子11は、配線導体9の配線端子10とは反対側の端部を導出した部分であり、プリンタヘッド駆動回路本体のコネクタに接続される。
FPC3の配線端子10とヘッド基板2の配線端子7との半田接合は、まず配線端子10が並設されているFPC3の端部を配線端子7が並設されているセラミック基板4の一辺に沿って重畳させるとともに、対応する配線端子10と配線端子7との間に半田を介在させ、この半田をヒーターバーなどによって加熱溶融、冷却固着させることにより行なわれる。
このようにして、サーマルヘッド1は、外部からの電力や印画信号などをFPC3の配線導体9、ヘッド基板2の配線導体6を介して発熱素子5およびドライバーIC8に供給し、発熱素子5をドライバーIC8の駆動に伴って個々に選択的にジュール発熱させる。この発熱した熱を感熱紙などの記録媒体に伝導させ、記録媒体に所定の印画を形成することによってサーマルプリンタとして機能する。
サーマルヘッド1をサーマルプリンタ本体にコネクタ接続する際、および印字中の記録媒体が摺動する際に発生する機械的な外部応力は、ヘッド基板2と重畳する部分であって、配線端子7と接合する配線端子10およびこの配線端子10周辺部分を含む接合領域の端部に応力が集中する。特に図1に示したようなFPC3の場合、配線端子10の並設方向と接続端子11の並設方向とが交差するように前記可撓性基板に設けられており、接合領域の接続端子11に近い側の端部に位置する半田接合部分に大きな機械的応力が集中する。このような応力集中が繰り返し発生すると、半田接合部分が破壊され、ヘッド基板2がFPC3から剥がれてしまう場合があるので、本発明では、FPC3の接合領域の近傍に、一端を開放させたスリット12を設けている。このスリット12により、応力が接合領域の端部に集中することを緩和でき、接合領域における剥がれを抑制することができるので、接続信頼性が向上する。
たとえば、スリット12が設けられたサーマルヘッド1をサーマルプリンタ本体にコネクタ接続する場合、スリット12の一端が開放されているので、FPC3のスリット12の沿った部分が上下方向やねじれ方向に動き、スリット12の開放端とは反対側の端部周辺に応力を集中させることで、接合領域の端部にかかる応力を小さくすることができる。
ここで、スリット12を設けるべき接合領域の近傍とは、接合領域からの距離が3mm〜15mmの領域をいう。スリット12は、接合領域からの距離が短すぎる、即ち接合領域に近すぎる場合、スリット12の端部周辺に集中する応力が、スリット12に近い接合領域にも及んでしまう。
一方、スリット12は、接合領域からの距離が遠すぎる、即ち接合領域に遠すぎる場合、応力緩和も効果が薄れてしまう。
また、ヘッド基板2は、7.8mm幅、54mm長で0.65mm厚の長方形状をなしている。FPC3は、ヘッド基板の54mmの長辺に接続されている部分の短手方向幅が15mmで、接続端子11方向に延在するFPCの短手方向幅は8.9mmである。そして、接続端子部の幅は8.5mmで0.5mmピッチの16個の電気接続端子で構成されている。このようなサーマルヘッド1において、スリット12は、接合領域より3mm離れたところに配置され、そのスリット12の幅は、0.7mm〜3mmであり、好ましくは1mm〜2mmである。スリットの長さは、3mm〜20mmであり、5mm〜10mmが好ましい。
スリット12の形状および形成方向は特に限定されないが、形成方向としては、少なくとも図1に示したような配線端子10の並設方向と平行な部分を有することが好ましい。これによって、応力が集中するスリット12の端部周辺を、接合領域の端部から十分な距離離間させて配置することができるので、接続信頼性をさらに向上させることができる。
図4は、本発明の第2の実施形態であるサーマルヘッド13を示す平面図である。
本実施形態では、サーマルヘッド13は、ヘッド基板2およびFPC14を含んで構成される。図1に示した第1実施形態と同様の部分については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、サーマルヘッド13は、ヘッド基板2およびFPC14を含んで構成される。図1に示した第1実施形態と同様の部分については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
FPC14にはスリット15が形成されており、FPC14の接続端子11が並設される領域の幅W1を、スリット15が形成された領域におけるFPC14の幅W2より大きくしたことを特徴としている。また、接続端子11が並設される領域から、スリット15までのFPC14の幅はW1で一定としている。
スリット15は、配線端子10の並設方向と平行なスリット15aと配線端子10の並設方向に垂直なスリット15bとから成り、さらに、スリット15aの他端である開放されていない側の端部15cは、円弧形状を有する。
幅W1を幅W2より大きくすることで、接続端子11付近の配線導体9の幅および接続端子11の幅を広くでき、配線抵抗を低くすることができるので、消費電力の低減、発熱素子5の駆動信号の高速化などが可能となる。また、接続端子11付近の配線導体9同士の間隔および接続端子11同士の間隔を広くすれば、配線間容量を小さくすることができるので、発熱素子5の駆動信号に発生するクロストークノイズの低減、発熱素子5の駆動信号の高速化などが可能となる。
スリット15付近の配線導体9の形成可能幅はW2であるので、配線導体9は、接続端子11からスリット15に向かって配線幅、配線同士の間隔(ラインアンドスペース)が小さくなるように設けられる。このとき、FPC14のスリット15b付近には、配線導体9を形成しない領域を確保することができ、この領域に、たとえば位置決め用の穴16などを設けることが可能となる。
スリット15が形成された領域におけるFPC14の幅W2は、配線導体9の配線数、配線幅、配線同士の間隔などのデザインによって決定される。配線導体9の配線数は、ヘッド基板2の発熱素子5の通電制御方法、言い換えればサーマルプリンタの高速印画性・解像度等の性能によって決まる。たとえば、解像度が300dots/mmの平均的なバーコード用サーマルプリンタの場合、FPC14に設けられるW2部分の配線導体9の配線数は、25〜30であり、また配線幅は、100μm〜150μmであり、配線同士の間隔は、100μm〜200μmである。したがって、幅W2としては、7mm〜12.5mm程度となる。
接続端子11が並設される領域の幅W1は、W2の1.5倍〜2.5倍が好ましく、1.5倍以上とすることで、上記のような消費電力の低減、駆動信号の高速化および、接続端子部のプリント配線基板との接続信頼性向上がより顕著となる。
図5は、本発明の第3の実施形態であるサーマルヘッド20を示す平面図である。
本実施形態では、サーマルヘッド20は、ヘッド基板2およびFPC21を含んで構成される。図1に示した第1実施形態と同様の部分については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、サーマルヘッド20は、ヘッド基板2およびFPC21を含んで構成される。図1に示した第1実施形態と同様の部分については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
FPC21には、スリット12に加えてスリット22が設けられている。スリット22は、接合領域の接続端子11から遠い側の端部近傍に設けられ、本実施形態ではスリット12に対向するように設けられている。このように、スリット22をさらに設けることで、例えば印字中の記録媒体が摺動することにより生じるヘッド基板の振動に起因する外部応力を、より適切に分散(緩和)させることができるため、ヘッド基板2とFPC21との接合領域における剥がれを抑制し、さらに接続信頼性を向上させることができる。また、スリット22付近には、配線導体9を形成しない領域を確保することができるので、この領域に例えば位置決め用の穴18を設けたり、ヘッド制御用情報が記録されたROM(Read Only Memory)19を実装したりすることが可能となる。
図6は、本発明の第4の実施形態であるサーマルヘッド23を示す平面図である。
本実施形態では、サーマルヘッド23は、ヘッド基板2およびFPC24を含んで構成される。図4に示した第2実施形態と同様の部分については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、サーマルヘッド23は、ヘッド基板2およびFPC24を含んで構成される。図4に示した第2実施形態と同様の部分については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
FPC24には、スリット15に加えて、スリット25およびスリット26が設けられている。スリット25は、第3実施形態と同様に、接合領域の接続端子11から遠い側の端部近傍に設けられ、本実施形態ではスリット15に対向するように設けられている。スリット26は、スリット15bに対向するように設けられ、スリット15が形成された領域におけるFPC24の幅W2は、スリット15とスリット26との間の距離となる。このとき、スリット25,26付近には、スリット15b付近と同様に配線導体9を形成しない領域を確保することができ、この領域に、例えば位置決め用の穴18を設けたり、ヘッド制御用情報が記録されたROM19を実装したりすることが可能となる。
このようにスリット25およびスリット26をさらに設けることで、サーマルヘッド23をサーマルプリンタ本体にコネクタ接続する際に発生する機械的な外部応力や、印字中に記録媒体が摺動することにより生じるヘッド基板の振動に起因する外部応力を、より適切に分散(緩和)させることができるため、ヘッド基板2とFPC24との接合領域における剥がれを抑制し、さらに接続信頼性を向上させることができる。
図7は、スリット端部15c周辺領域Aの部分拡大図である。接合領域の応力集中を緩和させた代わりに、スリット端部15cに外部応力が集中することになる。スリット端部15cを円弧形状とすることで、たとえ応力が集中したとしてもクラックの発生を抑制することができる。さらに、FPC14,24の折り曲げが容易になり、これによってサーマルヘッド13,23の小型プリンタへの実装性、つまり狭い実装空間への実装性も向上する。
また円弧の直径dが、スリット幅wよりも大きくなるようにスリット15を形成することが好ましく、たとえばスリット幅wに対して直径dを2倍〜2.5倍とするとよい。
また他の実施形態として、図8に示すように、スリット他端15cの周辺部に、配線導体9と同部材からなる保護部材17を設けることも有効である。スリット端部15cに応力が集中した結果、クラックが発生したとしても、保護部材17により、このクラックがさらに進行することを抑制することができる。また、保護部材17を配線導体9と同部材とすることで、配線導体の形成工程で配線導体9と同時に形成することができる。
さらに他の実施形態として、配線導体9をスリット端部15cの周辺に沿って設けることで、配線導体9の一部を保護部材17として作用させることができる。
なお、上記では第2実施形態および第4実施形態のスリット15の他端部を円弧形状としているが、これに限らず、第1実施形態および第3実施形態のスリット12、第3実施形態のスリット22、第4実施形態のスリット25およびスリット26の他端部を円弧形状としてもよいし、該他端部に保護部材17を設けてもよい。各スリット12,15,22,25,26の中でもスリット12、およびスリット15には応力が集中しやすいので、少なくともそれぞれの他端部は円弧形状、あるいは更に保護部材17を設けておくことが好ましい。
図9は、サーマルヘッド1を備えるサーマルプリンタ100の構成を示す概略図である。
サーマルプリンタ100は、記録媒体Pをサーマルヘッド1の発熱素子5上に搬送する搬送手段として、プラテンローラR1や搬送ローラR2などが設けられる。
プラテンローラR1は、SUS等の金属から成る軸芯の外周にブタジエンゴム等を3mm〜15mm程度の厚みに巻きつけた円柱状の部材であり、サーマルヘッド1の発熱素子5上方に回転可能に支持され、その回転で記録媒体Pを発熱素子5の並設方向と直交する方向に搬送する。
またプラテンローラR1は、その表面が記録媒体Pを挟んでヘッド基板2に接触しており、その接触領域で記録媒体Pを発熱素子5に押圧している。
一方、搬送ローラR2は、その外周部が金属やゴム等によって形成されており、サーマルヘッド1に対し記録媒体Pの搬送方向上流側と下流側に分かれて設けられ、これらの搬送ローラR2とプラテンローラR1とが搬送手段を構成し、記録媒体Pの走行を支持している。
そして、搬送と同時にサーマルヘッド駆動手段101によって、複数の発熱素子5をドライバーIC8の駆動に伴い選択的にジュール発熱させ、これらの熱を記録媒体Pに伝達させることによって所定の印画が形成される。
なお、本発明は上述した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良が可能である。
たとえば、上記第1および第2の実施形態では、スリットの形成方向として、配線端子10の並設方向と平行な場合、配線端子10の並設方向と垂直な場合について例示したが、配線端子10の並設方向に対して斜め方向であってもよい。
1,13,20,23 サーマルヘッド
2 ヘッド基板
3,14,21,24 FPC
4 セラミック基板
5 発熱素子
6 配線導体
7 配線端子
8 ドライバーIC
9 配線導体
10 配線端子
11 接続端子
12,15,22,25,26 スリット
16,18 位置決め用穴
17 保護部材
19 ROM(Read Only Memory)
100 サーマルプリンタ
101 サーマルヘッド駆動手段
2 ヘッド基板
3,14,21,24 FPC
4 セラミック基板
5 発熱素子
6 配線導体
7 配線端子
8 ドライバーIC
9 配線導体
10 配線端子
11 接続端子
12,15,22,25,26 スリット
16,18 位置決め用穴
17 保護部材
19 ROM(Read Only Memory)
100 サーマルプリンタ
101 サーマルヘッド駆動手段
Claims (7)
- 発熱素子が配設され、該発熱素子に電気的に接続する複数の配線導体が並設されるヘッド基板と、
第1の端部に、複数の配線端子が並設され、第2の端部に、前記配線端子に電気的に接続する接続端子が並設される可撓性基板とを含み、
前記可撓性基板が、前記複数の配線導体と、該複数の配線導体に対応する前記複数の配線端子とを接合させるための接合領域を有するサーマルヘッドであって、
前記可撓性基板は、前記接合領域以外の領域であって、前記接合領域の近傍に、一端を開放させたスリットが設けられることを特徴とするサーマルヘッド。 - 前記複数の配線端子およびこれに対応する複数の前記接続端子は、前記配線端子の並設方向と前記接続端子の並設方向とが交差するように前記可撓性基板に設けられており、
前記接合領域の前記接続端子に近い側の端部近傍に前記スリットが設けられることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。 - 前記スリットは、前記配線端子の並設方向と平行な部分を有することを特徴とする請求項1または2に記載のサーマルヘッド。
- 前記接続端子が並設される領域の幅W1は、前記スリットが形成された領域における前記可撓性基板の幅W2より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のサーマルヘッド。
- 前記スリットの他端は、円弧形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のサーマルヘッド。
- 前記可撓性基板は、前記配線端子と前記接続端子とを電気的に接続する配線導体を有しており、前記スリットの他端周辺部には、前記配線導体と同部材からなる保護部材が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のサーマルヘッド。
- 請求項1〜6のいずれか1つに記載のサーマルヘッドと、
サーマルヘッドのヘッド基板上に記録媒体を搬送する搬送手段と、
サーマルヘッドの前記接続端子に電気的に接続し、前記発熱素子を選択的に発熱させる駆動手段とを備えることを特徴とするサーマルプリンタ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012135965A (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-19 | Kyocera Corp | サーマルヘッド |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000071552A (ja) * | 1998-08-31 | 2000-03-07 | Canon Inc | 記録装置におけるフレキシブル基板の固定方法 |
JP2002184496A (ja) * | 2000-12-18 | 2002-06-28 | Funai Electric Co Ltd | コネクタとフレキシブルケーブルの接続構造及びフレキシブルケーブル |
-
2006
- 2006-02-28 JP JP2006054028A patent/JP2007196646A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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