JP2007196595A - インクジェットプリンタ及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクを印刷媒体に付着させて画像を形成するインクジェットプリンタにおいて、印刷を実行する前にクリーニング処理を行うことによる印刷処理待ち時間をなくし、印刷要求があったときには即時に印刷を行うことができ、かつ良好な印刷品質を得ることが可能なインクジェットプリンタ及びその制御方法を提供する。
【解決手段】クリーニング制御部は、初回クリーニングが行われた後の経過時間をタイマーを用いて計測し、印刷制御部が印刷を実行した直後に第2のクリーニング期間を経過している場合にクリーニング機構にクリーニングを実行させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクを印刷ヘッドのノズルから吐出させて印刷媒体に印刷を行うインクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの制御方法に係り、特に印刷ヘッドのノズルのクリーニング制御を行うインクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの制御方法に関する。
印刷ヘッドのノズルからインクを吐出して印刷を行うインクジェット方式の印刷装置(以下、インクジェットプリンタという)が知られている。このインクジェットプリンタは、印刷品質を良好に保つため、印刷ヘッドのクリーニング処理が必須である。クリーニング処理では、主に増粘インクおよびインク経路内の気泡の排出を目的として印刷ヘッドをキャッピングした後、ノズルからインクを吸引する吸引処理の他、ゴム製のワイパーでヘッド表面に付着したインクを拭き取るワイピング処理、スポンジ等を用いて同じくヘッド表面に付着したインクを拭き取るラビング処理等が実行される(特許文献1参照)。
これらクリーニング処理は、印刷前および定期的なタイミング、若しくは所定の条件の成立で実行されるものであり、一度開始されたならば、それが完了するまで実行しなければ効果がなく、途中で中断されると良好な印刷品質が確保できない。一般に、印刷前に行われるクリーニング処理では、前回行われたクリーニング処理から次回行われるクリーニング処理までの時間間隔をクリーニング期間として予めプリンタに設定しておき、ホストコンピュータ等から印刷要求が行われたときに、クリーニング期間が経過しているかを判断し、経過していると判断した場合にクリーニング処理を行うように設定されている。
特開2004−358791号公報
このように印刷前にクリーニング処理を行う場合には、まずクリーニング期間を経過したか否を判断し、経過したと判断した場合にインク吸引処理、ワイピング処理及びラビング処理等のクリーニング処理を行ってから印刷処理を行う。つまり、印刷を実行する前にクリーニング処理を行うため、印刷待ち状態に陥る場合がある。
一般のインクジェットプリンタにおいては1回のクリーニング処理に約100[sec]程度必要とされるため、クーポンやチケット発券等のような即時印刷が要求されるインクジェットプリンタに対して上記のクリーニング処理制御を行った場合には、ユーザはインクジェットプリンタからクーポンやチケット等が発券されるまで少なくとも100[sec]以上待たされる場合が生じ、スムーズな発券処理を行うことが困難である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、インクを印刷媒体に付着させて画像を形成するインクジェットプリンタにおいて、印刷を実行する前にクリーニング処理を行うことによる印刷処理待ち時間をなくし、印刷要求があったときには即時に印刷を行うことができ、かつ良好な印刷品質を得ることが可能なインクジェットプリンタ及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成により達成される。
(1) インクを印刷媒体に付着させて画像を形成するインクジェットプリンタであって、
インクを吐出するノズルを備えた印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを介して前記印刷媒体に印刷を行う印刷制御部と、
前記ノズルのクリーニングを行うクリーニング機構と、
前記クリーニングを実行してから次回のクリーニングまでの時間間隔を示すものであって前記印刷ヘッドからのインク吐出を良好に保つように設定された第1のクリーニング期間と、前記第1のクリーニング期間よりも短い第2のクリーニング期間と、が記憶された記憶部と、
前記印刷制御部が印刷を実行した直後、前記第2のクリーニング期間が経過しているときには前記クリーニング機構にクリーニングを実行させるクリーニング制御部と、を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
(2) 前記第2のクリーニング期間は、前記第1のクリーニング期間から所定期間を差し引いたものであることを特徴とする(1)に記載のインクジェットプリンタ。
(3) 前記クリーニング制御部は、前記第1のクリーニング期間が経過したとき前記クリーニング機構にクリーニングを実行させることを特徴とする(1)または(2)に記載のインクジェットプリンタ。
(4) 前記クリーニング制御部は、印刷要求を受信したときに前記第1のクリーニング期間が経過していれば、前記クリーニング機構にクリーニングを実行させ、その後前記印刷要求に応じた印刷を前記印刷制御部に実行させることを特徴とする(1)または(2)に記載のインクジェットプリンタ。
(5) 前記記憶部は、不揮発性の記憶部であって、
前記第1のクリーニング期間及び前記第2のクリーニング期間は、外部から与えられる書き換え指示に応じて書き換え可能であることを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
(6) インクを吐出するノズルを備えた印刷ヘッドと、該印刷ヘッドを介して印刷媒体に印刷を行う印刷制御部と、前記ノズルのクリーニングを行うクリーニング機構と、
前記クリーニングが行われた後、次回のクリーニングまでの時間間隔を示すものであって前記印刷ヘッドからのインク吐出を良好に保つように設定された第1のクリーニング期間と、前記第1のクリーニング期間よりも短い第2のクリーニング期間とが記憶された記憶部と、を備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、
印刷要求を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した印刷要求に応じて前記印刷媒体に印刷を行う印刷ステップと、
前記印刷ステップにおいて印刷が行われた直後、前記第2のクリーニング期間が経過したかを判断する第2の判断ステップと、を有し
前記第2の判断ステップにおいて、前記第2のクリーニング期間を経過していると判断した場合に前記クリーニングを行うことを特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
(7) 前記第2のクリーニング期間は、前記第1のクリーニング期間から所定期間を差し引いたものであることを特徴とする(6)に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
(8) 前記受信ステップにおいて前記印刷要求を受信しなかった場合、前記第1のクリーニング期間が経過したかを判断する第1の判断ステップを有し、
前記第1の判断ステップにおいて前記第1のクリーニング期間が経過していると判断した場合に前記クリーニングを行ってから前記印刷要求に応じた印刷を行うことを特徴とする(6)または(7)に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
(9) 前記受信ステップ後、前記第1のクリーニング期間が経過していると判断した場合に前記クリーニングを行うことを特徴とする(6)〜(8)の何れか一項に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
本発明のインクジェットプリンタおよびその制御方法によれば、印刷を実行した直後に第2のクリーニング期間が経過していればクリーニングを実行するように設定されている。すなわち、従来は印刷前に行っていたクリーニングを印刷後に行うように設定されているので、印刷前のクリーニング実行による印刷処理待ち状態に陥ることがなく、印刷ヘッドからのインク吐出を良好に保ちつつ、スムーズな印刷処理を行うことが可能である。
本発明においては、第2のクリーニング期間とは、第1のクリーニング期間から所定期間を差し引いたものであり、例えば第1のクリーニング期間から1時間差し引いた期間を第2のクリーニング期間として設定することができる。この第1のクリーニング期間と第2のクリーニング期間との間の時間差は、運用形態等を考慮して適宜設定することが可能である。
また、本発明のインクジェットプリンタおよびその制御方法によれば、印刷要求を受信後、第2のクリーニング期間の経過に応じて実行されるクリーニングに加え、印刷要求を受信しない状態で第1のクリーニング期間が経過したときにもクリーニングを実行するように設定されている。したがって、クリーニングが実行されてから次の印刷要求を受信するまでに、印刷ヘッドからのインク吐出を良好に保つように設定された第1のクリーニング期間以上の時間がかかるような場合でも、第1のクリーニング期間が経過した時点で自動的にクリーニングを実行することができる。すなわち、印刷処理が頻繁に行われない使用形態においても印刷ヘッドからのインク吐出を良好に保ちつつ、スムーズな印刷処理を行うことが可能である。
また、本発明のインクジェットプリンタおよびその制御方法によれば、印刷要求を受信すると先ず第1のクリーニング期間が経過しているかを判断し、その後印刷を実行した直後に第2のクリーニング期間が経過したかを判断するように設定することも可能である。したがって、クリーニングが実行されてから次の印刷要求を受信するまでに、第1のクリーニング期間以上の時間が経過し、印刷ヘッドからのインク吐出を良好に保つことができない状態の場合には必ずクリーニングを実行してから印刷を行うので、良好な印刷品質を維持保ちつつ、スムーズな印刷処理を行うことが可能である。
また、本発明のインクジェットプリンタおよびその制御方法によれば、クリーニングが実行されてから次の印刷要求を受信するまでの期間が、第2のクリーニング期間よりも短い場合には、印刷を実行した直後の判断においても第2のクリーニング期間が経過していないと判断するので、ほとんどインクジェットプリンタの起動中にはクリーニングが実行されることがない。したがって、クリーニングによるインク消費量を抑えることが可能である。すなわち、印刷処理が頻繁に行われるか否かにかかわらず、どのような使用形態においてもインク消費量を抑えつつ良好な印刷品質を維持し、かつスムーズな印刷処理を行うことが可能である。
また、本発明のインクジェットプリンタによれば、第1のクリーニング期間及び第2のクリーニング期間は、外部から与えられる書き換え指示に応じて書き換えることが可能である。したがって、使用態様に合わせた適切なクリーニングを行うインクジェットプリンタを提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明にかかるインクジェットプリンタ及びその制御方法の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態におけるインクジェットプリンタは、インクを印刷媒体に付着させて画像を形成するプリンタであって、ホストコンピュータと通信可能に接続され、ホストコンピュータから送信される各種コマンドまたは印刷データに応じて印刷を行う。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの二つの前面カバーを開いて内部を示したプリンタの外観斜視図、図2は図1に示したインクジェットプリンタからプリンタケースを取り外した状態の斜視図である。
(プリンタの構成)
まず、本実施形態にかかるインクジェットプリンタ240について説明する。
本実施形態のインクジェットプリンタ240は、複数種のカラーインクを使用して記録媒体としてのロール紙11に画像記録(カラー印刷)を実行し、クーポン券を発券する印刷装置である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェットプリンタ240は、前面上部パネル2a及びケースカバー2bから構成されるプリンタケース2の前面に、左側から順に電源スイッチ3、ロール紙カバー5、装着部開閉カバー7が配置されている。また、電源スイッチ3の上方には、インクジェットプリンタ240やホストコンピュータ220の状態をユーザに通知するLEDランプ6が設けられている。ロール紙カバー5及び装着部開閉カバー7は、下部に設けられた図示せぬヒンジを介していずれも前方に開閉可能に設けられている。
ロール紙カバー5を開くと、印刷用紙であるロール紙11を収容した用紙収容部13が開放状態となる。この状態で、ロール紙11の交換が可能になる。一方、装着部開閉カバー7を開くと、カートリッジ装着部15が開放状態になり、カートリッジ装着部15へのインクカートリッジ20の着脱が可能になる。
インクカートリッジ20は、カートリッジケース内にイエロー、シアン及びマゼンダの3色のカラーインクパックを一つにパッケージングしたものである。本実施形態のインクジェットプリンタ240の場合は、装着部開閉カバー7の開閉動作に連動して、カートリッジ装着部15内のインクカートリッジ20がカートリッジ交換位置からカートリッジ使用位置にスライド移動する。
プリンタケース2内の用紙収容部13の上方には、図2に示すように、インクを吐出するノズルを備えた印刷ヘッド22を搭載したキャリッジ23が装備されている。キャリッジ23は、ロール紙11の幅方向に沿って延在するガイド部材25によって用紙幅方向に移動自在に支持されると共に、ロール紙11の幅方向に延在する無端ベルト26aと、無端ベルト26aを駆動するキャリッジモータ26bとによって、プラテン28の上方をロール紙11の幅方向に往復移動可能になっている。
カートリッジ装着部15の上方が、往復移動するキャリッジ23の待機位置となっている。そして、この待機位置の下方には、キャリッジ23の下面に露出する印刷ヘッド22のインクノズルを覆うキャップ27と、キャップ27を介して印刷ヘッド22の各インクノズル内のインクを吸引廃棄するインク吸引機構29とが装備されている。
インク経路31やインク供給チューブ33等のインク経路内の気泡や増粘インクの排出を目的としてインク吸引を行う際には、キャリッジ23を待機位置に待機させ、印刷ヘッド22をキャップ27によってキャッピングした後、インク吸引機構29によって負圧を与えてインクノズルからインクを吸引する。ここで、本実施形態では、このインク吸引動作とキャップ27に吸引されたインクのみを吸引する空吸引動作等を含んだ、印刷ヘッド22からのインク吐出を良好に保つための一連の動作を印刷ヘッド22のインクノズルの「クリーニング」として以下説明する。
次に、図3を参照しながら、本実施形態のインクジェットプリンタ240の電気的構成とインクジェットプリンタ240と通信可能に接続されたホストコンピュータ220の電気的構成について説明する。図3は、インクジェットプリンタ240とホストコンピュータ220の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のインクジェットプリンタ240は通信可能に接続されたホストコンピュータ220から送信される各種コマンドや印刷データ(印刷要求)に応じた出力処理を行うように設定されている。
図3に示すように、インクジェットプリンタ240は、主として、CPU241と、書き換え可能な不揮発性メモリであるフラッシュROM242と、揮発性メモリであるRAM243と、通信インタフェース244と、印刷ヘッド22を介してインクをロール紙11に吐出させて画像記録を行う印刷制御部245と、用紙搬送機構246と、印刷ヘッド22と、クリーニング機構248とを備えている。インクジェットプリンタ240は、CPU241がフラッシュROM242に記憶されたファームウェアを実行しながら、通信インタフェース244を介してホストコンピュータ220と通信を行うことにより印刷データを受信する。そして、印刷制御部245が各種コマンドや印刷データに基づき、用紙搬送機構246を介してロール紙11を搬送しつつ印刷ヘッド22を駆動してロール紙11への印刷を実行し、クーポンを発券する。
クリーニング機構248は、キャップ27、インク吸引機構29等から構成され、印刷ヘッド22のノズルのクリーニングを行う。インクジェットプリンタ240の起動時や、インクカートリッジ装着部15に新たなインクカートリッジ20が装着されたとき、あるいはボタン操作等によって強制的にクリーニング指示が与えられたとき等に印刷ヘッド22をキャップ27によってキャッピングし、インク吸引機構29によってクリーニングを行う。
ホストコンピュータ220は、主として、CPU221と、不揮発性メモリであるROM222と、揮発性メモリであるRAM223と、大規模記憶装置としてのHDD224と、入力装置225と、通信インタフェース226とを備えている。ホストコンピュータ220は、CPU221がHDD224に記憶されたオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを実行しながら、通信インタフェース226を介してインクジェットプリンタ240に各種コマンドや印刷データを出力することにより、インクジェットプリンタ240を制御する。
(インクジェットプリンタ240の内部処理)
次に、本実施形態のインクジェットプリンタ240が行うクリーニング処理について説明する。図4はインクジェットプリンタ240の内部処理を示した機能ブロック図である。
図4に示すように、インクジェットプリンタ240内には、ホストコンピュータ220から送信される各種コマンドや印刷データを受信する受信部301と、受信部301が受信した各種コマンドや印刷データを一時的に保持する受信バッファ302が設けられている。受信バッファ302によって受信されたデータは、コマンド解析部303によって解析され、制御コマンドの場合は制御コマンドバッファ304に、印刷データの場合には印刷バッファ305にDMA転送等により転送される。
印刷バッファ305に一時保存された印刷データは、データ展開処理が行われてデータ変換され、最終的には印刷ヘッド22のノズル列に対応したドットパターンデータが生成されて印刷バッファ305に記憶される。一方、制御コマンドバッファ304に一時保存された制御コマンドデータは、主制御部308によって読み出されて、ロール紙カットなど制御コマンドに応じた処理が実行される。
クリーニング制御部306は、インクジェットプリンタ240の起動時や、インクカートリッジ装着部15に新たなインクカートリッジ20が装着されたとき、あるいはインクジェットプリンタ240の図示せぬクリーニングボタン等によって強制的にクリーニング指示が与えられたとき等にクリーニング機構248を駆動させクリーニングを実行させる。本実施形態では、これらの事情で行われたクリーニングを初回クリーニングとし、初回クリーニングが行われた後の経過時間をタイマー309を用いて計測し、印刷制御部245が印刷を実行した直後に後述する第2のクリーニング期間を経過している場合にクリーニング機構248にクリーニングを実行させる。
不揮発性記憶部307(記憶部)は、インクジェットプリンタ240の各種情報を記憶するための領域であり、例えばフラッシュROM242内の所定の領域に形成される。本実施形態では、クリーニング機構248がインクノズルのクリーニングを実行してから次回のクリーニングまでの時間間隔を示すものであって印刷ヘッド22からのインク吐出を良好に保つように設定された第1のクリーニング期間と、この第1のクリーニング期間よりも短い第2のクリーニング期間とが記憶されている。第1のクリーニング期間及び第2のクリーニング期間は、ホストコンピュータ220から与えられる書き換えコマンド(書き換え指示)に応じて書き換えることが可能である。したがって、ユーザはインクジェットプリンタ240に対して、使用態様に合わせた適切なクリーニング処理を行うように自由に設定変更することも可能である。
ここで、第2のクリーニング期間は、第1のクリーニング期間より短い期間に設定されており、例えば、第2のクリーニング期間としては第1のクリーニング期間よりも1時間短い期間が設定されている(第2のクリーニング期間=第1のクリーニング期間−1時間)。
本実施形態では、第2のクリーニング期間を設定することによって、インクジェットプリンタ240は第1のクリーニング期間の経過時に行われるクリーニングと第2のクリーニング期間の経過時に行われるクリーニングとを組み合わせたクリーニング制御を行うことができる。なお、第2のクリーニング期間の経過を判断してクリーニングを行う設定にする場合を考慮すれば、第2のクリーニング期間は、第1のクリーニング期間と同様に印刷ヘッド22からのインク吐出を良好に保ち、かつクリーニングによるインク消費量がほとんど変化しないよう第1のクリーニング期間と同程度の頻度で行われるように設定された期間でなければならない。このため、第2のクリーニング期間は第1のクリーニング期間よりも短い期間であって、ほぼ同程度の時間に設定されているのが好ましい。
(インクジェットプリンタ240のクリーニング処理について)
次に、本実施形態のインクジェットプリンタ240が行うクリーニング処理について図5〜7を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図5はインクジェットプリンタ240が行うクリーニング処理の第1の実施形態を説明するフローチャートである。第1の実施形態では第2のクリーニング期間の経過判断のみでクリーニングを行う場合について説明する。
まず、インクジェットプリンタ240の起動、新たなインクカートリッジ20の装着、あるいは強制的なクリーニング指示等によって初回クリーニングが実行される(ステップS11)。初回クリーニング実行後、クリーニング制御部306がタイマー309によってその後の経過時間の計測を開始する(ステップS12)。ホストコンピュータから印刷コマンド及び印刷データを受信すると(受信ステップS13:Yes)、印刷制御部245が用紙搬送機構246を介してロール紙11を搬送しつつ印刷ヘッド22を駆動してロール紙11へのクーポンの印刷を実行する(印刷ステップS14)。一方、ホストコンピュータから印刷コマンド及び印刷データを受信していない場合は、受信するまで待機する(ステップS13:No)。
クーポンの印刷が行われた直後、クリーニング制御部306は初回クリーニングが実行されてから第2のクリーニング期間が経過したかを判断し、第2のクリーニング期間を経過していると判断した場合には(第2の判断ステップS15:Yes)、次のクリーニングを実行する(ステップS16)。クリーニング実行後は、タイマー309をリセットし(ステップS17)、次の印刷コマンド及び印刷データを受信するまで待機する。一方、第2のクリーニング期間を経過していなかった場合には、クリーニングを実行せずに次の印刷コマンド及び印刷データを受信するまで待機する(ステップS15:No)。
次の印刷コマンド及び印刷データを受信すると次の印刷を実行し(ステップS14)、ステップS16で次のクリーニングが実行されていた場合には、次のクリーニングが実行されてから第2のクリーニング期間が経過したかを判断する。一方、ステップS16で次のクリーニングが実行されなかった場合には、初回クリーニングが実行されてから第2のクリーニング期間が経過したかを判断する(ステップS15)。以降、このような繰返し処理を行う。
このように、第1の実施形態のインクジェットプリンタ240は、印刷コマンドおよび印刷データを受信すると、まず印刷コマンドおよび印刷データに応じたクーポン印刷を実行し、クーポン印刷が行われた直後に第2のクリーニング期間が経過していればクリーニングを実行するように設定されている。したがって、従来のように、印刷を行う前にクリーニングを行っていた場合に問題となっていた印刷処理待ち状態に陥ることがないので、良好な印刷品質を維持しつつ、スムーズなクーポン発券処理を行うことが可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では第1のクリーニング期間及び第2のクリーニング期間の経過判断を組み合わせたクリーニング制御を行う場合について説明する。
図6はインクジェットプリンタ240が行うクリーニング処理の第2の実施形態を説明するフローチャートである。なお、第1の実施形態と同様の処理については重複するため説明を省略する。
第1の実施形態と同様に、初回クリーニングを実行し(ステップS11)、初回クリーニング実行後、クリーニング制御部306はタイマー309によってその後の経過時間の計測を開始する(ステップS12)。本実施形態でも、ステップS12以後ステップS17までは第1の実施形態と同様に処理を行う。
本実施形態では、ステップS13において印刷コマンドを受信しなかった場合(受信ステップS13:No)には、クリーニング制御部306は第1のクリーニング期間が経過したかを判断する(ステップS21)。つまり、ステップS12で計測時間の計測を開始した後印刷コマンド及び印刷データを受信するまでクリーニング制御部306はタイマー309によって、第1のクリーニング期間が経過したかを監視している。そして第1のクリーニング期間が経過していると判断した場合に(第1の判断ステップS21:Yes)、次のクリーニングを行う(ステップS16)。クリーニング実行後は、タイマー309をリセットし(ステップS17)、次の印刷コマンド及び印刷データを受信するまで待機する。以降、印刷コマンド及び印刷データを受信したときには、印刷を実行した後に第2のクリーニング期間の経過に応じたクリーニングを実行し、印刷コマンド及び印刷データの受信待ちのときには、第1のクリーニング期間の経過に応じたクリーニングを実行する。
このように、第2の実施形態のインクジェットプリンタ240は、第2のクリーニング期間の経過に応じて実行されるクリーニングに加え、印刷コマンド及び印刷データの受信待ちのときには、第1のクリーニング期間の経過に応じたクリーニングを実行するように設定されている。したがって、ステップS14で印刷を実行しステップS16でクリーニングが実行された後、次の印刷コマンド及び印刷データを受信するまでに、印刷ヘッド22からのインク吐出を良好に保つように設定された第1のクリーニング期間以上の時間がかかるような場合でも、第1のクリーニング期間が経過した時点で自動的にクリーニングを実行することができる。すなわち、印刷処理が頻繁に行われない使用形態においても良好な印刷品質を維持しつつ、スムーズなクーポン発券処理を行うことが可能である。
(第3の実施形態)
図7はインクジェットプリンタ240が行うクリーニング処理の第3の実施形態を説明するフローチャートである。第3の実施形態では、第1のクリーニング期間の経過判断を印刷を実行する前に行い、第2のクリーニング期間の経過判断を印刷を実行した後に行うように設定されたクリーニング制御について説明する。
まず、第1の実施形態と同様に、初回クリーニングを実行し(ステップS31)、初回クリーニング実行後、クリーニング制御部306がタイマー309によってその後の経過時間の計測を開始する(ステップS32)。ホストコンピュータ220から印刷コマンド及び印刷データを受信すると(受信ステップS33:Yes)、クリーニング制御部306は初回クリーニングが実行されてから第1のクリーニング期間が経過しているかを判断し、第1のクリーニング期間が経過していないと判断すると(ステップS34:No)、印刷制御部245が用紙搬送機構246を介してロール紙11を搬送しつつ印刷ヘッド22を駆動してロール紙11へのクーポン印刷を実行する(ステップS35)。
印刷が行われた後、クリーニング制御部306は初回クリーニングが実行されてから第2のクリーニング期間が経過したかを判断し、第2のクリーニング期間を経過していると判断した場合に(ステップS36:Yes)次のクリーニングを実行する(ステップS37)。クリーニング実行後は、タイマー309をリセットし(ステップS38)、次の印刷コマンド及び印刷データを受信するまで待機する。なお、第2のクリーニング期間を経過していなかった場合には、次の印刷コマンド及び印刷データを受信するまで待機する(ステップS36:No)。次の印刷コマンド及び印刷データを受信すると、再び第1のクリーニング期間が経過しているかを判断し、以後の繰返し処理を行う。
一方、印刷コマンド及び印刷データを受信後、ステップS34において初回クリーニングあるいは次のクリーニングが実行されてから第1のクリーニング期間が経過していると判断すると(ステップS34:Yes)、次または3度目のクリーニングを実行し(ステップS39)タイマー309をリセットしてから印刷を実行する(ステップS40,ステップS41)。そして、次の印刷コマンド及び印刷データを受信するまで再び待機する。以降、このような繰返し処理を行う。
このように、第3の実施形態のインクジェットプリンタ240は、印刷コマンド及び印刷データを受信すると、先ず第1のクリーニング期間が経過しているかを判断し、その後印刷が実行された場合には第2のクリーニング期間が経過したかを判断するように設定されている。したがって、ステップS33で次の印刷コマンド及び印刷データを受信するまでに、印刷ヘッド22からのインク吐出を良好に保つように設定された第1のクリーニング期間以上の時間がかかるような場合でもステップS39で必ずクリーニングを実行してから印刷を行うようになっている。
また、初回クリーニングあるいは次回以降のクリーニングが実行されてから第2のクリーニング期間よりも短い時間以内に次の印刷コマンド及び印刷データを受信した場合には、ステップS34では第1のクリーニング期間が経過していないと判断するので、印刷を実行する前にクリーニングが実行されることがない。さらに、ステップS36でも第2のクリーニング期間が経過していないと判断するので、ほぼインクジェットプリンタ240の起動中にはクリーニングが実行されることがなくクリーニングによるインク消費量を抑えることも可能である。すなわち、印刷処理が頻繁に行われるか否かにかかわらず、どのような使用形態においても良好な印刷品質を維持しつつ、スムーズなクーポン発券処理を行うことが可能である。
なお、本実施形態のインクジェットプリンタ240はホストコンピュータと通信可能に接続され、ホストコンピュータ220から送信される印刷コマンド及び印刷データに応じて印刷を実行しているが、本発明に係るインクジェットプリンタには印刷データが記憶された外部記憶媒体を直接接続可能なインタフェースを備えたインクジェットプリンタであって、それ単体で印刷処理を実行できるタイプのインクジェットプリンタも含まれる。
本実施形態の二つの前面カバーを開いて内部を示したプリンタの外観斜視図である。 図1に示したインクジェットプリンタからプリンタケースを取り外した状態の斜視図である。 本実施形態のインクジェットインクジェットプリンタとホストコンピュータの電気的構成を示すブロック図である。 本実施形態のインクジェットプリンタの内部処理を示した機能ブロック図である。 本実施形態のインクジェットプリンタが行うクリーニング処理の第1の実施形態を説明するフローチャートである。 本実施形態のインクジェットプリンタが行うクリーニング処理の第2の実施形態を説明するフローチャートである。 本実施形態のインクジェットプリンタが行うクリーニング処理の第3の実施形態を説明するフローチャートである。
符号の説明
220・・・ホストコンピュータ、240・・・インクジェットプリンタ、246・・・印刷制御部、22・・・印刷ヘッド、248・・・クリーニング機構、306・・・クリーニング制御部、307・・・不揮発性記憶部、309・・・タイマー

Claims (9)

  1. インクを印刷媒体に付着させて画像を形成するインクジェットプリンタであって、
    インクを吐出するノズルを備えた印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドを介して前記印刷媒体に印刷を行う印刷制御部と、
    前記ノズルのクリーニングを行うクリーニング機構と、
    前記クリーニングを実行してから次回のクリーニングまでの時間間隔を示すものであって前記印刷ヘッドからのインク吐出を良好に保つように設定された第1のクリーニング期間と、前記第1のクリーニング期間よりも短い第2のクリーニング期間と、が記憶された記憶部と、
    前記印刷制御部が印刷を実行した直後、前記第2のクリーニング期間が経過しているときには前記クリーニング機構にクリーニングを実行させるクリーニング制御部と、を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記第2のクリーニング期間は、前記第1のクリーニング期間から所定期間を差し引いたものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記クリーニング制御部は、前記第1のクリーニング期間が経過したとき前記クリーニング機構にクリーニングを実行させることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記クリーニング制御部は、印刷要求を受信したときに前記第1のクリーニング期間が経過していれば、前記クリーニング機構にクリーニングを実行させ、その後前記印刷要求に応じた印刷を前記印刷制御部に実行させることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記記憶部は、不揮発性の記憶部であって、
    前記第1のクリーニング期間及び前記第2のクリーニング期間は、外部から与えられる書き換え指示に応じて書き換え可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェットプリンタ。
  6. インクを吐出するノズルを備えた印刷ヘッドと、該印刷ヘッドを介して印刷媒体に印刷を行う印刷制御部と、前記ノズルのクリーニングを行うクリーニング機構と、
    前記クリーニングが行われた後、次回のクリーニングまでの時間間隔を示すものであって前記印刷ヘッドからのインク吐出を良好に保つように設定された第1のクリーニング期間と、前記第1のクリーニング期間よりも短い第2のクリーニング期間とが記憶された記憶部と、を備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、
    印刷要求を受信する受信ステップと、
    前記受信ステップにおいて受信した印刷要求に応じて前記印刷媒体に印刷を行う印刷ステップと、
    前記印刷ステップにおいて印刷が行われた直後、前記第2のクリーニング期間が経過したかを判断する第2の判断ステップと、を有し
    前記第2の判断ステップにおいて、前記第2のクリーニング期間を経過していると判断した場合に前記クリーニングを行うことを特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
  7. 前記第2のクリーニング期間は、前記第1のクリーニング期間から所定期間を差し引いたものであることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  8. 前記受信ステップにおいて前記印刷要求を受信しなかった場合、前記第1のクリーニング期間が経過したかを判断する第1の判断ステップを有し、
    前記第1の判断ステップにおいて前記第1のクリーニング期間が経過していると判断した場合に前記クリーニングを行ってから前記印刷要求に応じた印刷を行うことを特徴とする請求項6または7に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  9. 前記受信ステップ後、前記第1のクリーニング期間が経過していると判断した場合に前記クリーニングを行うことを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載のインクジェットプリンタの制御方法。
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