JP2007196323A - 空隙形成方法及びコンデンサマイクロホンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空隙形成用の犠牲層を完全に除去できる空隙形成方法及びそれを用いたコンデンサマイクロホンの製造方法を提供する。
【解決手段】犠牲層が固相の条件下で前記犠牲層上に被覆層を形成し、前記被覆層が固相の条件下で前記犠牲層を昇華させることを含む。
【選択図】図1
【解決手段】犠牲層が固相の条件下で前記犠牲層上に被覆層を形成し、前記被覆層が固相の条件下で前記犠牲層を昇華させることを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は空隙形成方法及びコンデンサマイクロホンの製造方法に関する。
半導体製造プロセスを応用して製造可能なコンデンサマイクロホンが知られている。コンデンサマイクロホンは、プレートと、音波によって振動するダイヤフラムと、プレートとダイヤフラムとをそれらの間に空隙が形成されるように支持するスペーサとを備えている。コンデンサマイクロホンは、ダイヤフラムの振動により変化する静電容量の変化を電気信号に変換して出力する。
従来、コンデンサマイクロホンの製造工程では、プレートとダイヤフラムの間の空隙を形成する部位に犠牲層を形成し、プレート及びダイヤフラムの形成後に犠牲層をウェットエッチングで除去することにより、上述の空隙を形成している(特許文献1参照)。しかしながら、このような空隙形成方法ではエッチング液が浸入しづらい部分に犠牲層が残存することにより、コンデンサマイクロホンの感度等の出力特性が低下したり、歩留まりが低下する等の問題がある。
上述したような問題は、コンデンサマイクロホンに限らず、半導体製造プロセスを応用して製造される微小デバイス、所謂MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造工程における一般的な問題である。
上述したような問題は、コンデンサマイクロホンに限らず、半導体製造プロセスを応用して製造される微小デバイス、所謂MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造工程における一般的な問題である。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、空隙形成用の犠牲層を完全に除去できる空隙形成方法及びそれを用いたコンデンサマイクロホンの製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための空隙形成方法は、犠牲層が固相の条件下で前記犠牲層上に被覆層を形成し、前記被覆層が固相の条件下で前記犠牲層を昇華させる、ことを含む。
犠牲層上の被覆層が固相の条件下で犠牲層を昇華させることにより、犠牲層を完全に除去して、被覆層下に空隙を形成することができる。尚、犠牲層上に犠牲層が固相の条件下で被覆層を形成するため、被覆層形成時に犠牲層が除去されることはない。
犠牲層上の被覆層が固相の条件下で犠牲層を昇華させることにより、犠牲層を完全に除去して、被覆層下に空隙を形成することができる。尚、犠牲層上に犠牲層が固相の条件下で被覆層を形成するため、被覆層形成時に犠牲層が除去されることはない。
(2)前記空隙形成方法は、前記犠牲層を形成する条件下、前記被覆層を形成する条件下及び前記犠牲層を昇華させる条件下で固相の材料によりベース層を形成し、前記ベース層上に前記犠牲層を形成する、ことを含でもよい。
犠牲層を形成する条件下、被覆層を形成する条件下及び犠牲層を昇華させる条件下で固相の材料によりベース層を形成し、被覆層とベース層との間の犠牲層を昇華させることにより、犠牲層を完全に除去して、被覆層とベース層との間に空隙を形成することができる。
犠牲層を形成する条件下、被覆層を形成する条件下及び犠牲層を昇華させる条件下で固相の材料によりベース層を形成し、被覆層とベース層との間の犠牲層を昇華させることにより、犠牲層を完全に除去して、被覆層とベース層との間に空隙を形成することができる。
(3)前記空隙形成方法は、前記ベース層上に中間層を形成し、前記中間層上に前記犠牲層を形成する、ことを含でもよい。
ベース層と被覆層との間に形成した犠牲層を昇華させることにより、被覆層の中間層に固着していない部分が変位可能な構造を半導体製造プロセスを用いて形成することができる。すなわち、MEMSの可動部を形成することができる。
ベース層と被覆層との間に形成した犠牲層を昇華させることにより、被覆層の中間層に固着していない部分が変位可能な構造を半導体製造プロセスを用いて形成することができる。すなわち、MEMSの可動部を形成することができる。
(4)上記目的を達成するためのコンデンサマイクロホンの形成方法は、固定電極を有するプレートと、可動電極を有し音波によって振動するダイヤフラムと、前記プレートと前記ダイヤフラムとを支持し、前記プレートと前記ダイヤフラムの間に空隙を形成しているスペーサとを備えるコンデンサマイクロホンを、前記空隙形成方法を用いて製造する方法であって、前記ダイヤフラム又は前記プレートのいずれか一方を構成する前記ベース層を形成し、前記スペーサを構成する前記中間層と前記犠牲層とを前記ベース層上に形成し、前記ダイヤフラム又は前記プレートのいずれか他方を構成する前記被覆層を前記犠牲層及び前記中間層の表面上に形成し、前記犠牲層を昇華させることにより、前記プレートと前記ダイヤフラムとの間に前記空隙を形成する、ことを含む。
ダイヤフラム又はプレートのいずれか一方を構成するベース層と、ダイヤフラム又はプレートのいずれか他方を構成する被覆層との間に中間層を形成し、ベース層と被覆層との間に形成した犠牲層を昇華させることによりプレートとダイヤフラムとの間に空隙を形成する。ダイヤフラムとプレートとの間の犠牲層を昇華させることにより犠牲層を完全に除去することができるため、コンデンサマイクロホンの感度等の出力特性を高めることができ、歩留まりを向上することができる。
ダイヤフラム又はプレートのいずれか一方を構成するベース層と、ダイヤフラム又はプレートのいずれか他方を構成する被覆層との間に中間層を形成し、ベース層と被覆層との間に形成した犠牲層を昇華させることによりプレートとダイヤフラムとの間に空隙を形成する。ダイヤフラムとプレートとの間の犠牲層を昇華させることにより犠牲層を完全に除去することができるため、コンデンサマイクロホンの感度等の出力特性を高めることができ、歩留まりを向上することができる。
尚、本明細書において、「・・・上に形成する」とは、技術上の阻害要因がない限りにおいて、「・・・上に直に形成する」ことと、「・・・上に中間物を介して形成する」ことの両方を含む意味とする。
また、請求項に記載された製造方法の各工程の順序は、技術上の阻害要因がない限り、記載順に限定されるものではなく、どのような順番で実施されてもよく、また同時に実施されてもよい。
また、請求項に記載された製造方法の各工程の順序は、技術上の阻害要因がない限り、記載順に限定されるものではなく、どのような順番で実施されてもよく、また同時に実施されてもよい。
以下、本発明の実施の形態を複数の実施例に基づいて説明する。各実施例において同一の符号が付された構成要素は、その符号が付された他の実施例の構成要素と対応する。
(第一実施例)
図2、図1は、本発明の第一実施例による空隙形成方法を説明するための模式図である。(A)は(B)の図2に示すA2−A2線による断面図である。図3は、第一実施例による空隙形成方法の各工程における温度条件と圧力条件(以下、温度−圧力条件という。)を説明するための模式図である。図3の相境界50はInの昇華曲線である。
(第一実施例)
図2、図1は、本発明の第一実施例による空隙形成方法を説明するための模式図である。(A)は(B)の図2に示すA2−A2線による断面図である。図3は、第一実施例による空隙形成方法の各工程における温度条件と圧力条件(以下、温度−圧力条件という。)を説明するための模式図である。図3の相境界50はInの昇華曲線である。
まず、図2(A1)に示すように基板2上にベース層4を形成する。具体的には例えば、0.5Torr、400度の条件(図3に示す温度−圧力条件52参照)下で、単結晶シリコンの基板2上にポリシリコンを減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)で成長させる。これにより、単結晶シリコンの基板2上にポリシリコンのベース層4が形成される。
次に、ベース層4が固相の条件下で、ベース層4上に犠牲層6を形成する。具体的には例えば、1×10-3Torrの条件下で、ポリシリコンのベース層4上にInをスパッタで成長させることにより、ベース層4上にInの犠牲層6を形成する。このとき、Inの成膜温度は約200度に達する(図3に示す温度−圧力条件54参照)。しかしながら、ポリシリコンの200度における蒸気圧は1×10-3Torrより十分低いため、ポリシリコンのベース層4が固相から変化することはない。尚、ベース層4が固相の条件下で犠牲層6を形成可能な方法であれば、犠牲層6はスパッタ以外の方法で形成してもよい。
次に、犠牲層6を所定の形状に成形する。具体的には犠牲層6は、例えば以下のように成形する(図2(A2)参照)。まず、犠牲層6の残存させる部位をマスクするレジスト膜7を犠牲層6上に形成する。より具体的には、犠牲層6上にレジストを塗布してレジスト膜7を形成する。そして所定形状のマスクを配置してレジスト膜7に対して露光現像処理を施し、不要なレジスト膜を除去する。レジスト膜7の除去には、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)等のレジスト剥離液を用いる。次に、図2(A2)に示すように、レジスト膜7から露出する犠牲層6をRIE(Reactive Ion Etching)等でエッチングすることにより、犠牲層6を成形する。
次に、犠牲層6が固相の条件下で、図2(A3)に示すように犠牲層6上に被覆層8を形成する。具体的には例えば、0.5Torr、400度の条件(図3に示す温度−圧力条件52参照)下でInの犠牲層6及びポリシリコンのベース層4の表面上にポリシリコンを減圧CVDで成長させる。これにより、犠牲層6及びベース層4の表面上にポリシリコンの被覆層8が形成される。ここで、Inの400度における蒸気圧は約1×10-10Torrである(図3参照)。すなわち、0.5Torr、400度の条件下でInの犠牲層6が固相から変化することはない。尚、犠牲層6が固相の条件下で被覆層8を形成可能な方法であれば、被覆層8は減圧CVD以外の方法で形成してもよい。
次に、被覆層8から犠牲層6を露出させる通孔10を被覆層8に形成する(図1(A4)参照)。具体的には通孔10は、例えば以下のように形成する。まず、レジスト膜7と同様にして、被覆層8の通孔10を形成する部位を露出させるレジスト膜9(図2(A3)参照)を形成する。次に、図1(A4)に示すように、レジスト膜9から露出する被覆層8をRIE等でエッチングすることにより、被覆層8に通孔10を形成する。そしてレジスト膜9を除去する。
次に、ベース層4及び被覆層8が固相の条件下で、図1(A5)に示すように犠牲層6を昇華させる。具体的には例えば、700度の条件下で1.0×10-6Torrまで減圧することにより(図3に示す温度−圧力条件56参照)、Inの犠牲層6を昇華させる。ここで、Inの700度における蒸気圧は約1.0×10-5Torrである。一方、ポリシリコンの700度における蒸気圧は1.0×10-6Torrより十分低い。したがって、700度の条件下で1.0×10-6Torrまで減圧することにより、ポリシリコンのベース層4及び被覆層8が固相の条件下で、Inの犠牲層6を昇華させることができる。
以上説明したように、犠牲層6を昇華させることにより、ベース層4と被覆層8との間の犠牲層6を完全に除去し、ベース層4と被覆層8との間に空隙12を形成することができる。
尚、犠牲層6は、ベース層4と被覆層8との間に形成することができ、ベース層4及び被覆層8が固相の条件下で昇華させることができれば、どのような材料で形成してもよい。例えば、ベース層4と被覆層8とをポリシリコンで形成する場合、犠牲層6はMg、Ga、Al、Au、NiCo等でもよい。ポリシリコンの800度における蒸気圧は1×10-11Torrより十分低いため、図4に示すようにMg、Ga、Al、Au、NiCoの犠牲層6は、800度の条件下でそれぞれ1.0×10-5Torr、1.0×10-7Torr、1.0×10-9Torr、1.0×10-11Torr程度まで減圧することにより、犠牲層6を昇華させることができる。
尚、犠牲層6は、ベース層4と被覆層8との間に形成することができ、ベース層4及び被覆層8が固相の条件下で昇華させることができれば、どのような材料で形成してもよい。例えば、ベース層4と被覆層8とをポリシリコンで形成する場合、犠牲層6はMg、Ga、Al、Au、NiCo等でもよい。ポリシリコンの800度における蒸気圧は1×10-11Torrより十分低いため、図4に示すようにMg、Ga、Al、Au、NiCoの犠牲層6は、800度の条件下でそれぞれ1.0×10-5Torr、1.0×10-7Torr、1.0×10-9Torr、1.0×10-11Torr程度まで減圧することにより、犠牲層6を昇華させることができる。
(第二実施例)
図6から図8は、本発明の第二実施例による空隙形成方法を説明するための模式図である。(A)は(B)の図6(B1)に示すA6−A6線による断面図である。第二実施例による空隙形成方法によると、コンデンサマイクロホンのダイヤフラムとバックプレートとの間の空隙を形成することができる。図5は、第二実施例による空隙形成方法を用いて製造されるコンデンサマイクロホン100を示す模式図である。コンデンサマイクロホン100は、図5に断面図として描かれた感音部と、図5に回路図として描かれた検出部とを備えている。以下、感音部の構成、検出部の構成、コンデンサマイクロホン100の作動、コンデンサマイクロホン100の製造方法の順に説明する。
図6から図8は、本発明の第二実施例による空隙形成方法を説明するための模式図である。(A)は(B)の図6(B1)に示すA6−A6線による断面図である。第二実施例による空隙形成方法によると、コンデンサマイクロホンのダイヤフラムとバックプレートとの間の空隙を形成することができる。図5は、第二実施例による空隙形成方法を用いて製造されるコンデンサマイクロホン100を示す模式図である。コンデンサマイクロホン100は、図5に断面図として描かれた感音部と、図5に回路図として描かれた検出部とを備えている。以下、感音部の構成、検出部の構成、コンデンサマイクロホン100の作動、コンデンサマイクロホン100の製造方法の順に説明する。
(感音部の構成)
コンデンサマイクロホン100の感音部は、ダイヤフラム110、バックプレート120、スペーサ140等を有している。
ダイヤフラム110は、第一導電層210の第一絶縁層202に固着していない部分で構成されている。プレートとしてのバックプレート120は、第二導電層218の第二絶縁層212に固着していない部分で構成されている。バックプレート120には複数の通孔122が形成されている。音波はバックプレート120の通孔122を通過し、ダイヤフラム110に伝搬する。
コンデンサマイクロホン100の感音部は、ダイヤフラム110、バックプレート120、スペーサ140等を有している。
ダイヤフラム110は、第一導電層210の第一絶縁層202に固着していない部分で構成されている。プレートとしてのバックプレート120は、第二導電層218の第二絶縁層212に固着していない部分で構成されている。バックプレート120には複数の通孔122が形成されている。音波はバックプレート120の通孔122を通過し、ダイヤフラム110に伝搬する。
スペーサ140は、第一導電層210の第一絶縁層202に固着している部分、第二導電層218の第二絶縁層212に固着している部分、第一絶縁層202、第二絶縁層212、基板200から構成されている。スペーサ140は、ダイヤフラム110とバックプレート120とを支持し、可動電極として機能する導電性のダイヤフラム110と、固定電極として機能する導電性のバックプレート120との間に空隙130を形成している。空隙130のバックプレート120を挟んだ反対側には、ダイヤフラム110とスペーサ140によりバックキャビティー150が形成されている。
(検出部の構成)
ダイヤフラム110は抵抗器1000に接続され、バックプレート120はグランドに接続されている。具体的には例えば、抵抗器1000の一端に接続されるリード線1002がダイヤフラム110を構成している第一導電層210に接続され、コンデンサマイクロホン100が実装されている基板のグランドに接続されるリード線1004がバックプレート120を構成する第二導電層218に接続されている。抵抗器1000の他端には、バイアス電源回路1006の出力端に接続されるリード線1008が接続されている。抵抗器1000としては抵抗値が大きなものを使用する。具体的には抵抗器1000は、Gルオーダーの電気抵抗を有するものが望ましい。プリアンプ1010の入力端には、コンデンサ1012の一端に接続されるリード線1014が接続されている。そしてダイヤフラム110と抵抗器1000を接続しているリード線1002は、コンデンサ1012の他端にも接続されている。
ダイヤフラム110は抵抗器1000に接続され、バックプレート120はグランドに接続されている。具体的には例えば、抵抗器1000の一端に接続されるリード線1002がダイヤフラム110を構成している第一導電層210に接続され、コンデンサマイクロホン100が実装されている基板のグランドに接続されるリード線1004がバックプレート120を構成する第二導電層218に接続されている。抵抗器1000の他端には、バイアス電源回路1006の出力端に接続されるリード線1008が接続されている。抵抗器1000としては抵抗値が大きなものを使用する。具体的には抵抗器1000は、Gルオーダーの電気抵抗を有するものが望ましい。プリアンプ1010の入力端には、コンデンサ1012の一端に接続されるリード線1014が接続されている。そしてダイヤフラム110と抵抗器1000を接続しているリード線1002は、コンデンサ1012の他端にも接続されている。
(コンデンサマイクロホンの作動)
音波がバックプレート120の通孔122を通過してダイヤフラム110に伝搬すると、ダイヤフラム110は音波により振動する。ダイヤフラム110が振動すると、その振動によりバックプレート120とダイヤフラム110との間の距離が変化し、ダイヤフラム110とバックプレート120とにより形成されているコンデンサ(以下、マイクコンデンサという。)の静電容量が変化する。ダイヤフラム110は上述したように抵抗値が大きい抵抗器1000に接続されているため、マイクコンデンサの静電容量がダイヤフラム110の振動により変化したとしても、マイクコンデンサに蓄積されている電荷が抵抗器1000を流れることは殆どない。すなわち、マイクコンデンサに蓄積されている電荷は変化しないものとみなすことができる。したがって、マイクコンデンサの静電容量の変化をダイヤフラム110とバックプレート120との間の電圧の変化として取り出すことができる。
音波がバックプレート120の通孔122を通過してダイヤフラム110に伝搬すると、ダイヤフラム110は音波により振動する。ダイヤフラム110が振動すると、その振動によりバックプレート120とダイヤフラム110との間の距離が変化し、ダイヤフラム110とバックプレート120とにより形成されているコンデンサ(以下、マイクコンデンサという。)の静電容量が変化する。ダイヤフラム110は上述したように抵抗値が大きい抵抗器1000に接続されているため、マイクコンデンサの静電容量がダイヤフラム110の振動により変化したとしても、マイクコンデンサに蓄積されている電荷が抵抗器1000を流れることは殆どない。すなわち、マイクコンデンサに蓄積されている電荷は変化しないものとみなすことができる。したがって、マイクコンデンサの静電容量の変化をダイヤフラム110とバックプレート120との間の電圧の変化として取り出すことができる。
コンデンサマイクロホン100は、ダイヤフラム110のグランドに対する電圧の変化をプリアンプ1010で増幅することにより、コンデンサの静電容量の極めてわずかな変化を電気信号として出力する。すなわち、コンデンサマイクロホン100は、ダイヤフラム110に加わる音圧の変化をマイクコンデンサの静電容量の変化に変換し、マイクコンデンサの静電容量の変化を電圧の変化に変換することにより、音圧の変化に相関する電気信号を出力する。
ここで、ダイヤフラム110とバックプレート120との間の空隙を形成するための犠牲層が残存していると、ダイヤフラム110の音波による振動が犠牲層により妨げられることにより、コンデンサマイクロホン100の感度等の出力特性が低下したり、歩留まりが低下する。換言すれば、ダイヤフラム110とバックプレート120との間の犠牲層を完全に除去することにより、コンデンサマイクロホン100の出力特性を高めることができ、歩留まりを向上させることができる。
以下、第二実施例による空隙形成方法を用いて犠牲層を完全に除去するコンデンサマイクロホン100の製造方法について説明する。
以下、第二実施例による空隙形成方法を用いて犠牲層を完全に除去するコンデンサマイクロホン100の製造方法について説明する。
(コンデンサマイクロホンの製造方法)
はじめに、図6(A1)に示すように、基板200上に第一絶縁層202を形成する。基板200は、例えば単結晶シリコン基板等の半導体基板である。具体的には例えば、基板200の表面にCVD(Chemical Vapor Deposition)等でSiO2を堆積させることにより、基板200上にSiO2の第一絶縁層202を形成する。尚、SOI基板を用いることにより、本工程は省略可能である。
はじめに、図6(A1)に示すように、基板200上に第一絶縁層202を形成する。基板200は、例えば単結晶シリコン基板等の半導体基板である。具体的には例えば、基板200の表面にCVD(Chemical Vapor Deposition)等でSiO2を堆積させることにより、基板200上にSiO2の第一絶縁層202を形成する。尚、SOI基板を用いることにより、本工程は省略可能である。
次に、第一絶縁層202にバックキャビティー150の側壁の一部を構成する開口部204を形成する(図6(A2)、(B2)参照)。具体的には開口部204は、例えば以下のように形成する。まず、第一絶縁層202の開口部204を形成する部位を露出させるレジスト膜206を第一絶縁層202上にリソグラフィで形成する(図6(A1)参照)。次に、図6(A2)、(B2)に示すように、レジスト膜206から露出する第一絶縁層202を、基板200が露出するまでRIE等でエッチングすることにより、第一絶縁層202に開口部204を形成する。そしてレジスト膜206を除去する。
次に、第一絶縁層202が固相の条件下で、図6(A3)に示すように基板200及び第一絶縁層202の表面上に第一絶縁層202より厚い第一犠牲層208を形成する。具体的には例えば、第一実施例による空隙形成方法に係る犠牲層6と同様にして、Inの第一犠牲層208を形成する。
次に、図6(A4)に示すように、第一絶縁層202と第一犠牲層208とをCMP(Chemical Mechanical Polishing)等で研磨して平坦化することにより、第一絶縁層202の開口部204内のみに第一犠牲層208を残存させる。
次に、図6(A4)に示すように、第一絶縁層202と第一犠牲層208とをCMP(Chemical Mechanical Polishing)等で研磨して平坦化することにより、第一絶縁層202の開口部204内のみに第一犠牲層208を残存させる。
次に、図7(A5)に示すように、第一犠牲層208が固相の条件下で、第一絶縁層202及び第一犠牲層208の表面上にダイヤフラム110を構成する第一導電層210を形成する。具体的には例えば、第一実施例による空隙形成方法に係るベース層4と同様にして、ポリシリコンの第一導電層210を形成する。第一導電層210は請求項に記載の「ベース層」に相当する。
次に、第一犠牲層208及び第一導電層210が固相の条件下で、第一導電層210上に第二絶縁層212を形成する。具体的には例えば、第一絶縁層202と同様にして、SiO2の第二絶縁層212を形成する。
次に、第一犠牲層208及び第一導電層210が固相の条件下で、第一導電層210上に第二絶縁層212を形成する。具体的には例えば、第一絶縁層202と同様にして、SiO2の第二絶縁層212を形成する。
次に、図7(A6)に示すように、第一絶縁層202の開口部204と同様にして、第二絶縁層212に開口部214を形成する。そして、第一犠牲層208と同様にして、第二絶縁層212の開口部214内に第二犠牲層216を形成する。第二絶縁層212が請求項に記載の「中間層」に相当し、第二犠牲層216が「犠牲層」に相当する。
次に、第一犠牲層208及び第二犠牲層216が固相の条件下で、図7(A7)に示すように、第二絶縁層212及び第二犠牲層216の表面上にバックプレート120を構成する第二導電層218を形成し、第一実施例に係る被覆層8に通孔10と同様にして、リソグラフィを用いて第二導電層218に通孔122を形成する。第二導電層218が請求項に記載の「被覆層」に相当する。
次に、図8(A8)に示すように、バックキャビティー150の側壁の一部を形成する開口部222を基板200に形成する。具体的には開口部222は、例えば以下に示すように形成する。まず、基板200の開口部222を形成する部位を露出させるレジスト膜224をリソグラフィを用いて形成する。次に、基板200のレジスト膜224から露出する部分をエッチングストッパ層としての第一犠牲層208に達するまでDeepRIE等で除去することにより、基板200に開口部222を形成する。そしてレジスト膜224を除去する。
次に、第一導電層210及び第二導電層218が固相の条件下で第一犠牲層208及び第二犠牲層216を昇華させることにより、図8(A9)に示すように、ダイヤフラム110とバックプレート120との間に空隙130を形成し、空隙130のバックプレート120を挟んだ反対側にバックキャビティー150を形成する。これにより、コンデンサマイクロホン100を得ることができる。
このように、ダイヤフラム110とバックプレート120との間の第二犠牲層216を昇華させることにより、第二犠牲層216を完全に除去することができる。したがって、コンデンサマイクロホン100の出力特性を高めることができ、歩留まりを向上させることができる。
4:ベース層、6:犠牲層、8:被覆層、12:空隙、100:コンデンサマイクロホン、110:ダイヤフラム、120:バックプレート、130:空隙、140:スペーサ、210:第一導電層(ベース層)、212:第二絶縁層(中間層)、216:第二犠牲層(犠牲層)、218:第二導電層(被覆層)
Claims (4)
- 犠牲層が固相の条件下で前記犠牲層上に被覆層を形成し、
前記被覆層が固相の条件下で前記犠牲層を昇華させる、
ことを含む空隙形成方法。 - 前記犠牲層を形成する条件下、前記被覆層を形成する条件下及び前記犠牲層を昇華させる条件下で固相の材料によりベース層を形成し、
前記ベース層上に前記犠牲層を形成する、
ことを含む請求項1に記載の空隙形成方法。 - 前記ベース層上に中間層を形成し、
前記中間層上に前記被覆層を形成する、
ことを含む請求項2に記載の空隙形成方法。 - 固定電極を有するプレートと、可動電極を有し音波によって振動するダイヤフラムと、前記プレートと前記ダイヤフラムとを支持し、前記プレートと前記ダイヤフラムの間に空隙を形成しているスペーサとを備えるコンデンサマイクロホンを、請求項3に記載の空隙形成方法を用いて製造する方法であって、
前記ダイヤフラム又は前記プレートのいずれか一方を構成する前記ベース層を形成し、
前記スペーサを構成する前記中間層と前記犠牲層とを前記ベース層上に形成し、
前記ダイヤフラム又は前記プレートのいずれか他方を構成する前記被覆層を前記犠牲層及び前記中間層の表面上に形成し、
前記犠牲層を昇華させることにより、前記プレートと前記ダイヤフラムとの間に前記空隙を形成する、
ことを含むコンデンサマイクロホンの製造方法。
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JP2006017543A JP2007196323A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | 空隙形成方法及びコンデンサマイクロホンの製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009101757A1 (ja) * | 2008-02-14 | 2009-08-20 | Panasonic Corporation | コンデンサマイクロホン及びmemsデバイス |
KR101185291B1 (ko) | 2010-04-28 | 2012-09-21 | 오므론 가부시키가이샤 | 음향 센서 및 그 제조 방법 |
CN114598977A (zh) * | 2022-05-10 | 2022-06-07 | 迈感微电子(上海)有限公司 | 一种mems麦克风和语音通讯设备 |
-
2006
- 2006-01-26 JP JP2006017543A patent/JP2007196323A/ja active Pending
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