JP2007196252A - 溶接トーチ - Google Patents

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Shinya Ikegaki
進也 池垣
Hiyoshi Ota
日吉 太田
Haruyuki Iwasaki
晴之 岩崎
Masao Sawafuji
政男 沢藤
Koshin Ishihara
康臣 石原
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Abstract

【課題】先端部を任意の角度に曲げて狭い箇所を溶接できるようにした溶接トーチを提供すること。
【解決手段】溶接トーチ1は、溶接ワイヤWを挿通したコンタクトチップ14と、このコンタクトチップ14を内設したトーチ本体11と、前記コンタクトチップ14より先端に配置されたノズル13と、を有する。この溶接トーチ1は、トーチ本体11とノズル13との間に設けられた屈曲可能なフレキシブルパイプ12と、このフレキシブルパイプ12に内設された屈曲用ケーブル21と、この屈曲用ケーブル21を進退させてフレキシブルパイプ12を屈曲させる駆動機構と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、先端部を任意の角度に曲げることができる溶接トーチに関する。
図10は、従来の溶接トーチを示す図であり、(a)は水平板に2枚の垂直板を溶接しているときの状態を示す要部概略図、(b)は水平板に間隔が狭い2枚の垂直板を溶接しているときの状態を示す要部概略図である。
図10(a)に示すように、従来の溶接トーチ100Aは、トーチ本体110が直線形状に形成され、そのトーチ本体110に挿通した溶接ワイヤ120を水平板(母材)200に対して45度に傾けて、その先端を溶接部500に近接させることによって溶接している。
しかしながら、図10(a)に示す水平板200に対して垂直な2枚の垂直板300,400間の溶接部510を溶接する場合には、垂直板300,400の間隔が狭くなることがある。このような場合、溶接トーチ100Bは、水平板200に垂直板400を接合する溶接部510に対して適正な溶接角K(45度)を取れないという問題点がある。
また、図10(b)に示すように、垂直板300,400の間隔がさらに狭く、一方の垂直板310の高さが高い場合、溶接部510を溶接しようとすると、溶接トーチ100Cは、垂直板310,400間にほぼ垂直な状態になる。すると、溶接トーチ100Cは、垂直板310,400間に挿入する深さが深くなることにより、溶接ワイヤ120の先端を水平板200の溶接部510に対して適正な溶接角K(図10(a)参照)にすることができないため、溶接不良となるという問題点がある。
図11は、コンタクトチップとガスチューブとをくの字状に屈曲した従来の溶接トーチを示す要部概略図である。
狭隘な場所の溶接部520であっても溶接できるようにした溶接トーチ100としては、図11に示すように、コンタクトチップ130およびガスチューブ140の先端部101をそれぞれくの字状に屈曲したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような溶接トーチ100では、先端部101が屈曲形成されていることにより、下水平板600と上水平板700との間に垂直板800を溶接するときに、溶接部520の下水平板600に対して溶接ワイヤ150を45度の適正な溶接角Kで溶接できる。この溶接トーチ100では、コンタクトチップ130とガスチューブ140と個別に設けると共に、両者の先端部101を揃えて並行に近接して、それぞれ取付け台900に固定することにより、前記溶接角Kを保持している。
特開平11−254143号公報(段落0009〜0010、図1)
しかしながら、図11に示すように、特許文献1のような溶接トーチ100では、溶接角Kを45度に保持するために、ガスチューブ140を下水平板600に水平に保持した上で、先端部101が45度になるように調節した後、取付け台900に固定しなければならない。このため、作業手順が煩雑であるという問題点がある。
また、溶接トーチ100は、コンタクトチップ130とガスチューブ140とを別々に設けているため、全体が大きくなるという問題点がある。
また、図11に示すくの字状の先端部101を有す溶接トーチ100であっても、図10(a)、(b)に示すように、水平板200に狭い間隔で2つの垂直板300,310,400を設けた場合には、溶接トーチ100と垂直板300,310,400とが干渉して溶接部500,510を溶接することができないという問題点がある。
このように、図10(a)、(b)および図11に示す溶接トーチ100,100A,100Bで、種々な形状の溶接部500,510,520を溶接することを可能にするには、ノズル部分を交換しなければならないため、汎用性に欠けるという問題点がある。
そこで、本発明は、先端部を任意の角度に曲げて狭い箇所を溶接できるようにした溶接トーチを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に記載の溶接トーチの発明は、溶接ワイヤを挿通したコンタクトチップと、このコンタクトチップを内設したトーチ本体と、前記コンタクトチップより先端側に配置されたノズルと、を有する溶接トーチであって、前記トーチ本体と前記ノズルとの間に設けられた屈曲可能なフレキシブルパイプと、このフレキシブルパイプに内設された屈曲用ケーブルと、この屈曲用ケーブルを伸縮させて前記フレキシブルパイプを伸縮させる駆動機構と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の溶接トーチの発明によれば、溶接トーチは、トーチ本体とノズルとの間に屈曲可能なフレキシブルパイプを設けて、このフレキシブルパイプに内設された屈曲用ケーブルを駆動機構で押し引きして進退させることにより、フレキシブルパイプの可動範囲内で自在に湾曲させることができる。駆動機構によってフレキシブルパイプが湾曲することにより、溶接トーチの先端に設置されたノズルは、向く方向や角度を調整でき、狭隘な溶接箇所であっても溶接トーチを溶接部に配置して適正な溶接角度で溶接ができるようになる。また、溶接トーチは、トーチ本体とノズルとの間にフレキシブルパイプを設けたことにより、コンタクトチップとアークが発生する溶接ワイヤの先端とが離れて配置されるため、コンタクトチップの溶損を防止することができると共に、溶接トーチを小型化することができる。
請求項2に記載の溶接トーチの発明は、請求項1に記載の溶接トーチであって、前記フレキシブルパイプには、前記溶接ワイヤを挿通する溶接ワイヤ通路が設けられ、前記溶接ワイヤ通路は、フッ素樹脂から形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の溶接トーチの発明によれば、フレキシブルパイプの溶接ワイヤ通路は、フッ素樹脂から形成されていることにより、絶縁性および耐熱性を有するため、溶接ワイヤを供給するためのパイプとして使用できる。溶接トーチにおいて、溶接ワイヤがフッ素樹脂内に挿通されていることにより、屈曲によるフリクションの増加を抑制することができるため、溶接ワイヤが屈曲しても安定した速度で送り出すことができる。
請求項3に記載の溶接トーチの発明は、請求項2に記載の溶接トーチであって、前記フレキシブルパイプは、前記溶接ワイヤ通路が設けられた中心側パイプと、この中心側パイプの外周部に配置された外側パイプとを二重に配設してなり、前記中心側パイプと前記外側パイプとの間には、シールドガスを供給するためのガス通路が形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の溶接トーチの発明によれば、フレキシブルパイプは、中心側パイプと、この中心側パイプの外周部に配置された外側パイプとを互いに独立して設けた二重パイプになっている。中心側パイプと外側パイプとの間には、ガス通路を形成する空間が形成されて、シールドガスを供給することが可能となる。外側パイプが屈曲すれば、中心側パイプは、これに付随して屈曲する。このとき、フレキシブルパイプには、ガス通路があるため、外側パイプの曲率が小さく、中心側パイプの曲率が大きくなり、溶接ワイヤの送り抵抗を低減することができる。
請求項4に記載の溶接トーチの発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の溶接トーチであって、前記フレキシブルパイプの先端部には、絶縁性および耐熱性を有し前記溶接ワイヤを支持するガイドを設けたことを特徴とする。
請求項4に記載の溶接トーチの発明によれば、溶接トーチは、溶接ワイヤの先端部がガイドによって溶接トーチの中心に支持されている。その結果、ガイドは、フレキシブルパイプが屈曲した場合であっても、溶接ワイヤがその屈曲した方向に向くように支持できる。また、フレキシブルパイプの先端部は、例えば、絶縁性および耐熱性を有するセラミック等からなるガイドを配設されていることにより、溶接ワイヤから所望以外の部位に電流が流れることや、溶損することを抑制することが可能となる。
請求項5に記載の溶接トーチの発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の溶接トーチであって、前記駆動機構は、前記フレキシブルパイプの長手方向に沿って設けられた1対の前記屈曲用ケーブルを押し引きして屈曲させることを特徴とする。
請求項5に記載の溶接トーチの発明によれば、駆動機構は、一方の屈曲用ケーブルを押し、他方の屈曲用ケーブルを引くことにより、または、一方の屈曲用ケーブルを引き、他方の屈曲用ケーブルを押すことにより、フレキシブルパイプを所望に屈曲させる。溶接トーチは、駆動機構でコントロールされた一対の屈曲用ケーブルによって、フレキシブルパイプが、例えば、左右方向や上下方向等の2方向に向かって自由に湾曲変形するようになる。
請求項6に記載の溶接トーチの発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の溶接トーチであって、前記外側パイプは、基端部を前記トーチ本体に固定し、先端部を前記ノズルに固定した金属製の屈曲自在な外筒によって覆われていることを特徴とする。
請求項6に記載の溶接トーチの発明によれば、外側パイプは、金属製の屈曲自在な外筒によって覆われていることにより、外筒内が外部から保護される。
本発明の請求項1に係る溶接トーチによれば、トーチ本体とノズルとの間に屈曲可能なフレキシブルパイプを設けて、このフレキシブルパイプを駆動機構で屈曲用ケーブルを押し引きして進退させることにより、適宜にフレキシブルパイプを自在に湾曲調節させることができる。その結果、溶接トーチの先端部に設置されたノズルの向く方向を駆動機構によって適正な溶接角度に曲げることにより、種々な形状の接合部材を母材に溶接することが可能となるため、狭い溶接箇所での溶接作業が容易になると共に、溶接トーチの汎用性を向上させることができる。
本発明の請求項2に係る溶接トーチによれば、フレキシブルパイプの溶接ワイヤ通路がフッ素樹脂から形成されていることにより、絶縁性や耐熱性、低フリクション性、気密性等を確保することができる。また、溶接ワイヤが屈曲しても安定した速度で溶接トーチから送り出すことができる。
本発明の請求項3に係る溶接トーチによれば、フレキシブルパイプは、中心側パイプと外側パイプとの間にガス通路を形成する空間が形成されて、その空間をシールドガス供給用のパイプとして使用可能にする。その結果、中心に溶接ワイヤがある中心側パイプの先端の外周部から溶接部を囲むようにシールドガスを噴射して、溶接ビードを保護することができると共に、溶接トーチの全体の太さを細くしてスリム化することができる。
本発明の請求項4に係る溶接トーチによれば、フレキシブルパイプの先端部は、例えば、絶縁性および耐熱性を有するセラミック等からなるガイドで溶接ワイヤを支持して振れやがたつきを解消することができる。その結果、溶接するときに溶接トーチの先端の溶接ワイヤがガイドにしっかりと支持されるので、溶接角度の精度を向上させることができると共に、溶接作業を容易にすることができる。
本発明の請求項5に係る溶接トーチによれば、駆動機構は、一対の屈曲用ケーブルの一方を押し、他方を引くことにより、引いた他方側に曲がるようになる。その結果、フレキシブルパイプを適宜に屈曲調節させことができる。このため、溶接トーチは、駆動機構で一対の屈曲用ケーブルがコントロールされることによって、左右方向や上下方向等の2方向に向かって自由に湾曲変形するようになるため、狭い溶接部の溶接が容易に行えるようになる。
本発明の請求項6に係る溶接トーチによれば、外側パイプは、金属製の屈曲自在な外筒によって覆われていることにより、可撓性を確保しながら剛性を増すことができる。
次に、本発明の実施形態に係る溶接トーチを図1〜図9を参照して説明する。
なお、溶接トーチは、溶接ワイヤを挿通したコンタクトチップと、このコンタクトチップを内設したトーチ本体と、コンタクトチップより先端側に配置されたノズルと、を有するものであれば溶接の種類や溶接システムや溶接トーチの形状等は限定されない。溶接トーチは、例えば、アーク溶接やガス溶接であってもよい。
以下、シールドガスを用いたアーク溶接の溶接システムにおける溶接トーチを例に挙げて実施形態を説明する。
本発明の実施形態に係る溶接トーチを説明するあたり、まず、図1を参照しながら溶接トーチ1によって溶接される母材Pおよび接合部材D1,D2と、溶接トーチ1が適用される溶接システムSとを説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る溶接トーチが適用される溶接システムのブロック図である。
≪母材および接合部材の構成≫
母材Pおよび接合部材D1,D2は、溶接が行われる金属製の溶接対象物であり、いわゆるワークや製品である。
母材Pは、例えば、板金からなり、接地ケーブル7によって溶接機5に電気的に接続されている。
≪溶接システムの構成≫
図1に示すように、溶接システムSは、不活性ガスを使用するミグ(MIG)溶接や、不活性ガスと炭酸ガスとを使用するマグ(MAG)溶接等のアーク溶接のシステムであり、溶接トーチ1を用いて鋼板等からなる母材Pを接合部材D1,D2に溶接するものである。この溶接システムSは、母材Pと電極である溶接ワイヤWとの間に発生させたアークによって母材Pと溶接ワイヤWと接合部材D1,D2とを溶融させて接合させるものである。溶接ワイヤWから発生するアークは、大気中の窒素や酸素が溶接部10に混入するのを防止するために、シールドガスによってシールドされる。この溶接システムSは、後でそれぞれ詳述する駆動機構2と、送給装置3と、スプール4と、溶接機5と、ボンベBと、溶接トーチ1と、から主に構成されている。
≪駆動機構の構成≫
駆動機構2は、溶接トーチ1のトーチ本体11の先端側に配設されたフレキシブルパイプ12を屈曲させてノズル13の向きを変えるための装置である。この駆動機構2は、例えば、フレキシブルパイプ12の長手方向に沿って設けられた1対2組の屈曲用ケーブル21を押し引きすることで、フレキシブルパイプ12を自在に屈曲させるようになっている。駆動機構2は、屈曲用ケーブル21と、屈曲用ケーブル21を進退移動させるためのプーリ22a,22bと、このプーリ22a,22bを回動させるモータMa,Mbと、モータMa,Mbを反転・正転させるためのコントロールスイッチ23と、制御部24とから主に構成されている。
なお、駆動機構2は、機構全体をトーチ本体11に内設しても、一部を内設してもどちらであってもよい。
<屈曲用ケーブルの構成>
図1に示すように、屈曲用ケーブル21は、進退移動することによりフレキシブルパイプ12を上下左右方向に適宜に屈曲させるためにコントロールするアングル用のケーブルであり、例えば、屈曲可能な金属製のケーブルから形成されている。この屈曲用ケーブル21は、フレキシブルパイプ12を上方向および下方向に屈曲させるために組をなす一対の屈曲用ケーブル21A,21Bと、フレキシブルパイプ12を左方向および右方向に屈曲させるために組をなす一対の屈曲用ケーブル21C,21Dとからなる。つまり、屈曲用ケーブル21は、合計2組4本のケーブルから構成されている。
なお、屈曲用ケーブル21は、一対以上であれば溶接トーチ1の可撓部1aをスムーズに屈曲させることができ、これに限定されないが、以下、2対2組のケーブルの場合を例に挙げて説明する。
各屈曲用ケーブル21の先端には、外側パイプ12bの先端面に係止するかしめ部21Ca,21Daがそれぞれ形成されている(図4参照)。その結果、駆動機構2によって左右の屈曲用ケーブル21A,21Bを押し引きすればフレキシブルパイプ12および外筒15が左右方向に屈曲し、また、駆動機構2によって上下の屈曲用ケーブル21C,21Dを押し引きすれば、フレキシブルパイプ12および外筒15が上下方向に屈曲するようになっている。溶接トーチ1は、フレキシブルパイプ12および外筒15が屈曲することにより、溶接トーチ1の可撓部1aが湾曲変形するため、ノズル13と溶接ワイヤWの先端の向きを自在に調整できるようになっている。
上下用の屈曲用ケーブル21A,21Bは、基端部(図示せず)が、互いにプーリ22aの直径上に対向して配設され、先端のかしめ部21Aa,21Ba(図3参照)が、フレキシブルパイプ12の外側パイプ12b(図3および図4参照)を挿通してこの外側パイプ12bの先端の上下の位置にそれぞれ係止された一対のケーブルからなる。
左右用の屈曲用ケーブル21C,21Dは、基端部21Cb,21Db(図5(a)参照)が、プーリ22bの直線上に対向して配設され、先端のかしめ部21Ca,21Da(図5(a)参照)が、フレキシブルパイプ12の外側パイプ12bを挿通してこの外側パイプ12bの先端の左右に係止された一対のケーブルからなる。
上下用のプーリ22aは、モータMaが正転または反転によって回動して、屈曲用ケーブル21A,21Bをそれぞれ相対する方向に押し引きして移動させる部材である。
左右用のプーリ22bは、モータMbが正転または反転によって回動して、屈曲用ケーブル21C,21Dをそれぞれ相対する方向に押し引きして移動させる部材である。
モータMa,Mbは、プーリ22a,22bをそれぞれ回動させる動力源であり、例えば、ベルト機構または歯車機構からなる減速機構(図示せず)を介在させてプーリ22a,22bを回動させるようになっている。
図1に示すように、コントロールスイッチ23は、モータMaを反転および正転させてフレキシブルパイプ12を上方向および下方向に屈曲させる上下スイッチ23aと、モータMbを反転および正転させてフレキシブルパイプ12を左方向および右方向に屈曲させる左右スイッチ23bと、から構成されている。なお、コントロールスイッチ23は、溶接システムSが手動式または半自動式の場合には溶接トーチ1に設置され、溶接システムSが自動式の場合には、溶接機5や不図示の制御盤等に設置される。
上下スイッチ23aは、一方がモータMaに電気的に接続され、他方が制御部24を介して溶接機5に電気的に接続されている。
左右スイッチ23bは、一方がモータMbに電気的に接続され、他方が制御部24を介して溶接機5に電気的に接続されている。
制御部24は、例えば、モータMa,Mbにそれぞれ流れる電流等を検出して、フレキシブルパイプ12が屈曲できる限界まで曲げられたときに、モータMa,Mbを自動停止させる等の機能を備えている装置である。
≪スプールの構成≫
スプール4は、溶接ワイヤWを巻回したボビン状のものである。このスプール4に巻回された溶接ワイヤWは、送給装置3に引っ張られることにより、スプール4を回動させて引き出されるようになっている。
≪送給装置の構成≫
図1に示すように、送給装置3は、前記スプール4に巻回された溶接ワイヤWを溶接トーチ1に送るための装置である。この送給装置3は、溶接ワイヤWを搬送するためのフリクションローラ31と、このフリクションローラ31を回転させるための搬送モータMと、から構成されている。送給装置3の搬送モータMは、溶接機5に設けられた制御装置(図示せず)に電気的に接続されている。
なお、送給装置3の溶接ワイヤWは、コンタクトチューブ16およびコンタクトチップ14を介してトーチ本体11内に送り込まれるようになっている。
≪溶接機の構成≫
溶接機5は、母材Pと接合部材D1,D2とを溶接するためのアーク放電を発生させる電力を溶接トーチ1の溶接ワイヤWに供給する装置であり、不図示の制御装置と溶接電源とを備えている。この溶接機5には、コンタクトチップ14を介して溶接ワイヤWに電気的に接続された溶接ケーブル6と、母材Pに電気的に接続された接地ケーブル7と、が接続されている。
なお、溶接機5は、送給装置3の搬送モータMやボンベBのバルブに電気的に接続されていて、溶接ワイヤWやシールドガスの供給をコントロールできるようになっている。
≪ボンベの構成≫
図1に示すように、ボンベBは、溶接ワイヤWの先端から発生されるアークの周囲に送られるシールドガスを充填した容器である。このボンベBは、先端部が溶接トーチ1に内設されたガス通路12c(図3および図4参照)に連通するガスチューブBaが接続されて、ボンベB内のシールドガスが、ガスチューブBaを介して溶接トーチ1に送られるようになっている。
また、ガスチューブBa、および溶接ワイヤWは、溶接機5を経由して溶接ケーブル6と共に不図示のチューブ内を通って供給されるようにしてもよい。
シールドガスは、溶接時に発生するアークと溶融した溶接ビードWa(図2参照)とを大気中の空気から遮断してブローホールの発生を防止するためのガスである。シールドガスとしては、例えば、二酸化炭素やアルゴンやヘリウム等が使用される。
≪溶接トーチの構成≫
次に、図2〜図4を参照して溶接トーチ1を説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る溶接トーチを示す要部概略図である。
図2に示す溶接トーチ1は、中央部に溶接ワイヤWを備えて、ボンベB(図1参照)内のシールドガスを吹き付けながら溶接を行うためのものであり、溶接ガンとも言われている。この溶接トーチ1は、溶接ワイヤWを挿通したコンタクトチップ14と、このコンタクトチップ14を内設したトーチ本体11と、コンタクトチップ14より先端側に配置されたノズル13と、を有している。そのほか溶接トーチ1は、溶接ワイヤWに給電するための導電性金属からなるパイプ状のコンタクトチューブ16と、トーチ本体11とノズル13との間の可撓部1aに設けられた屈曲可能なフレキシブルパイプ12(図3および図4参照)と、このフレキシブルパイプ12内に挿通された屈曲用ケーブル21と、この屈曲用ケーブル21を進退させてフレキシブルパイプ12を屈曲させる駆動機構2(図1参照)と、を備えている。
なお、溶接トーチ1は、溶接ロボットなどの自動溶接機に取り付けられるものであっても、手動的に溶接するときの取手となるものであってもよい。
<トーチ本体の構成>
図2に示すように、トーチ本体11は、溶接トーチ1の基体を構成する略円筒状の部材である。このトーチ本体11には、コンタクトチューブ16と、コンタクトチップ14と、溶接ワイヤWと、駆動機構2の屈曲用ケーブル21と、ガス通路(図示せず)とが設けられている。トーチ本体11の先端側には、フレキシブルパイプ12と外筒15とが連結されている。
<コンタクトチップの構成>
コンタクトチップ14は、溶接トーチ1に内設され、溶接機5に電気的に接続されたコンタクトチューブ16の先端に設置された交換可能な部材である。このコンタクトチップ14およびコンタクトチューブ16内には、溶接ワイヤWが供給可能に挿通されている。
図3は、図2の矢視A−A線方向の拡大断面図である。図4は、図3の矢視C−C線方向の拡大断面図である。
<フレキシブルパイプの構成>
図3および図4に示すように、フレキシブルパイプ12は、ノズル13の向きを変更可能な状態にするために、トーチ本体11の先端に配置された屈曲可能なパイプ状の部材からなる。フレキシブルパイプ12は、例えば、曲げ方向に可撓性を有するフレキシブルな絶縁性合成樹脂によって形成されている。このフレキシブルパイプ12は、基端部をトーチ本体11(図2参照)に螺着し、先端部にノズル13を螺着されて、トーチ本体11およびノズル13から結合・分離できるようになっている。
図3に示すように、このフレキシブルパイプ12には、溶接ワイヤ通路12dが設けられた中心側パイプ12aと、この中心側パイプ12aの外周部に配置された外側パイプ12bとを二重に配設してなる。
図3および図4に示すように、フレキシブルパイプ12には、溶接ワイヤWを挿通する溶接ワイヤ通路12dと、シールドガスを送るためのガス通路12cと、が設けられている。フレキシブルパイプ12は、中心側パイプ12aと外側パイプ12bとの間に、シールドガスを供給するための前記ガス通路12cが形成されている。
図4に示すように、フレキシブルパイプ12の先端部には、絶縁性および耐熱性を有し、溶接ワイヤWを支持するガイド13aが設けられている。
中心側パイプ12aは、溶接ワイヤWを挿通する溶接ワイヤ通路12dを有するパイプであり、フレキシブルパイプ12の中心線上に配設されている。
外側パイプ12bは、フレキシブルパイプ12の中心線に略沿って屈曲用ケーブル21A〜21Dを上下左右の位置に内設したパイプであり、フレキシブルパイプ12の外周側に配設されている。この外側パイプ12bは、基端部をトーチ本体11に固定し、先端部を外筒15を介在してノズル13に固定し、金属製の屈曲自在な外筒15によって覆われている。
ガス通路12cは、ガスチューブBa(図1参照)によってトーチ本体11に送られて来たシールドガスをノズル13に供給するための供給路であり、中心側パイプ12aと外側パイプ12bとの間に形成されている。
溶接ワイヤ通路12dは、ノズル13の先端に供給される溶接ワイヤWを移動自在に挿通する孔からなり、少なくともその内面が4フッ化エチレン樹脂(PTFE)等のフッ素樹脂から形成されている。すなわち、溶接ワイヤ通路12dは、フレキシブルパイプ12をフッ素樹脂で形成するか、または、その溶接ワイヤ通路12dの内壁面をフッ素樹脂でコーティングするなどして形成されている。
ここで、4フッ化エチレン樹脂とは、例えば、テフロン(登録商標)等からなり、耐熱性、耐寒性、耐薬品性、耐蝕性、非粘着性、低摩擦特性、電気特性、不燃性等の物性を兼ね備えた材料である。なお、このような物性を備えるものであれば、他のフッ素樹脂でもよい。
<ノズルの構成>
図4に示すように、ノズル13は、先端部中央に溶接ワイヤWを突出して、この溶接ワイヤWの周囲からシールドガスを噴射するものであり、外筒15の先端部外周に着脱自在に螺着されている。ノズル13は、セラミック等の耐熱性を有する絶縁体からなる略筒状の部材であり、基端側の開口部内に形成された雌ねじ状のねじ部13bが、外筒15の雄ねじ状のねじ部15bに螺合されている。ノズル13内には、中央部に、溶接ワイヤWが挿通される溶接ワイヤ通路13cを穿設して支持するガイド13aが一体形成され、このガイド13aの周囲に、シールドガスを噴射する噴射口13dが形成されている。
図5は、本発明の実施形態に係る溶接トーチの可撓部が屈曲する原理を示す図であり、(a)は可撓部が真直ぐのときの状態を示す要部概略図、(b)は可撓部が屈曲したときの状態を示す要部概略図である。
<外筒の構成>
図5(a)、(b)に示すように外筒15は、多数の金属製の短管15aを自在継手構造によって蛇腹状に連設して屈曲可能した自在曲管からなる。この外筒15は、内設したフレキシブルパイプ12と共に屈曲用ケーブル21の移動によって屈曲するようになっている。外筒15は、基端部がトーチ本体11(図2参照)に固定され、先端部がノズル13(図4参照)に固定されている。
≪溶接トーチの動作≫
次に、図1〜図5を参照しながら溶接トーチ1の動作と共に、この溶接トーチ1で溶接するときの接合作業について説明する。
例えば、図2に示すように、母材Pの溶接部10に、接合部材D1,D2を垂直な状態に溶接する場合、母材Pの溶接部10に対する溶接トーチ1内の溶接ワイヤWの溶接角度θを45度にして溶接することが望ましい。
例えば、図2に示すように、母材Pに接合部材D1,D2を垂直な状態に溶接する場合、接合部材D1,D2間の間隔Lが狭かったり、または、接合部材D2の高さHが高かったりすることがある。このような場合では、溶接トーチ1を前記のようにトーチ本体11と可撓部1aとノズル13とを一直線状にして溶接しようとすると、トーチ本体11が接合部材D1,D2に当接するため、溶接角度θが45度以上になってしまう(例えば、図10(a)参照)。
このような場合、図1に示す駆動機構2を駆動させて、屈曲用ケーブル21A〜21Dを適宜に進退させ、可撓部1aにあるフレキシブルパイプ12および外筒15を適宜に湾曲させ、溶接角度θが45度になるようにしてから溶接作業を行う。
具体的に説明すると、溶接トーチ1全体が一直線になっている場合は、図5(a)に示すように、左右の屈曲用ケーブル21C,21Dの基端部21Cb,21Dbは、プーリ22aの直径上の左右の対象な位置に固定されて、かしめ部21Ca,21Daから左右の屈曲用ケーブル21C,21Dの基端部21Cb,21Dbまでの距離L1a,L2aが同じ距離になっている。このため、可撓部1aは、左右方向が均等な直線状態になっている。
作業者が、図1に示す駆動機構2の左右スイッチ23bを左側方向に操作して、左右スイッチ23bをONすると、モータMbが駆動する。すると、モータMbの駆動によって、図5(b)に示すプーリ22bと共に屈曲用ケーブル21C,21Dの基端部21Cb,21Dbが、矢印Eの時計回り方向に回動する。
左側の屈曲用ケーブル21Cは、基端部21Cbがプーリ22bの回動と共に溶接トーチ1側に長さL1c近寄るので、全体がプーリ22bに押されて矢印F方向に接近移動する。このため、溶接トーチ1の可撓部1aは、屈曲用ケーブル21Cがある左側が、図5(b)に示すように、溶接トーチ1側近寄った距離L1c分だけ、基端部21Cbが回動し、可撓部1aが伸びてL1bの長さとなり、元の距離(長さ)L1aより長くなる。
一方、右側の屈曲用ケーブル21Dは、基端部21Dbがプーリ22bの回動と共に溶接トーチ1から遠ざかるので、全体がプーリ22bに引かれて矢印G方向に離間移動する。このため、溶接トーチ1の可撓部1aは、屈曲用ケーブル21Dがある右側が、図5(b)に示すように、溶接トーチ1側から遠ざかった長さL2c分だけ基端部21Dbからプーリ22bまでの距離L2bが、元の距離L2aより短くなる。
このように溶接トーチ1は、可撓部1a内に配設した左右の屈曲用ケーブル21C,21Dが互いに相違する方向に進退することにより、図5(b)に示すように、屈曲用ケーブル21Dのかしめ部21Daからプーリ22bまでの距離L2bが、屈曲用ケーブル21Cのかしめ部21Caからプーリ22bまでの距離L1bより短くなるため、短くなった右側の屈曲用ケーブル21D側に湾曲する。
フレキシブルパイプ12は、左右の屈曲用ケーブル21C,21Dの進退によって、かしめ部21Daが外側パイプ12bの右側を押圧して圧縮させるため、右側に湾曲する。外筒15は、フレキシブルパイプ12の湾曲によって、各短管15aに連結部分が自在継手のように摺動し、全体が湾曲する。
このように溶接トーチ1の可撓部1aを湾曲させてから溶接すれば、図2に示すような接合部材D1,D2間の間隔Lが狭い場合や、接合部材D2の高さHが高い場合であっても、溶接トーチ1を接合部材D1,D2間にスムーズに挿入して、溶接角度θを45度の状態にして溶接することが可能となる。
また、溶接トーチ1は、トーチ本体11とノズル13との間に配設したフレキシブルパイプ12および外筒15が、駆動機構2によって上下左右の屈曲用ケーブル21A〜21Dを進退させることによって四方八方へ自由に湾曲させることができる。
このため、溶接トーチ1は、溶接作業時に接合部材D1,D2および母材Pと干渉することが防止できる。その結果、このような相互の干渉等により、溶接システムSによる溶接作業の中断が回避されるので、溶接作業の効率を向上させることができる。
溶接された溶接部10は、溶接ワイヤWが45度の溶接角度θで溶接されることにより、溶接ワイヤWと母材Pと接合部材D1とが、ノズル13から噴射されるシールドガスで保護されながらアークによって適正な割合で溶融し、溶接ビードWaが発生して溶接される。このとき、溶接ワイヤWは、ノズル13の中央部にあるガイド13aによってがたつきなく支持されているので、ノズル13の中心からずれたり、振れたりすることがないため、溶接作業が正確に行われる。
≪母材および接合部材の一例≫
次に、図6〜図9を参照しながら前記母材Pおよび接合部材D1,D2の具体例として、サブフレーム8に溶接されるブラケット9A,9B,9Cを挙げて説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る溶接トーチによって溶接した自動車用のサブフレームを示す斜視図である。図7は、図6の矢視X方向から見たブラケットの要部拡大斜視図である。図8は、図6の矢視Y方向から見たブラケットの要部拡大斜視図である。図9は、図6の矢視Z方向から見たブラケットの要部拡大斜視図である。
<母材としてのサブフレームの構成>
まず、図6を参照しながら前記母材Pとしてのサブフレーム8を説明する。
図6に示すように、自動車に搭載されるサブフレーム8には、形状がそれぞれ相違する複数のブラケット9A,9B,9Cがそれぞれ溶接されている。このサブフレーム8は、前記母材Pに相当する部材であって井桁状の金属フレームからなり、前記接合部材D1,D2としてのブラケット9A〜9C等を介在して不図示のサスペンションペンやエンジンを支持している。
<接合部材としてのブラケットの説明>
次に、図7を参照しながら図2で示した接合部材D1,D2としてのブラケット9Aを説明する。
図7に示すブラケット9Aは、サブフレーム8の前側上面に溶接される金属製板部材であって、背面視して略直角三角形の2つの接合部材9Aa,9Abを、比較的狭い間隔L1で対向させて配置してなる。この接合部材9Aa,9Abをサブフレーム8に溶接する溶接部9Ac,9Adは、互い対向する下側角部(図7の太線で示す部分)である。接合部材9Aa,9Abは、高さH1が間隔L1より長く、溶接部9Ac,9Adの長さも間隔L1より長く形成されて、溶接部9Ac,9Ad間が狭くなっている。このため、溶接部9Ac,9Adを溶接する溶接作業は、行い難くなっている。
次に、図8を参照しながら図2で示した接合部材D1,D2としてのブラケット9Bを説明する。
図8に示すブラケット9Bは、サブフレーム8の左後側上面に溶接される金属製板部材であって、側面視および正面視して共に略四角形に形成されている。このブラケット9Bは、左側に四角形に形成された開口部9Bbを有し、この開口部9Bbの周辺部位が補強用板部材8aによって覆われている。この場合、ブラケット9Bをサブフレーム8に溶接する溶接部9Baは、開口部9Bb内のコ字状の角部である。ブラケット9Bの溶接部9Baは、周囲がブラケット9Bの内壁によって覆われて、開口部9Bb内に配置されていることにより、左右の内壁間L2が狭く、サブフレーム8から内天井面までの高さH2が低い状態になっている。
次に、図9を参照しながら図2で示した接合部材D1,D2としてのブラケット9Cを説明する。
図9に示すブラケット9Cは、サブフレーム8の左前側上面に溶接される金属製板部材であって、側面視して略コ字状に形成されている。このブラケット9Cは、下側に略四角形の舌片9Cbを有し、この舌片9Cbの左側半分が補強用板部材8bによって覆われている。この場合、ブラケット9Cをサブフレーム8に溶接する溶接部9Caは、高さH3の部位を舌片9Cb側に折曲した補強用板部材8bの折曲部8cによって覆われている。ブラケット9Cの溶接部9Caは、周囲が折曲部8cによって覆われて隠れた状態になっているため、溶接作業が行い難くなっている。
次に、図7〜図9を参照して、溶接トーチ1を使用してサブフレーム8にブラケット9A〜9Cを溶接するときの作用を説明する。
図7〜図9に示すように、サブフレーム8に各ブラケット9A〜9Cを溶接する溶接部9Ac,9Ad,9Ba,9Caが、ブラケット9A〜9Cや補強用板部材8bによって隠れた狭隘な状態になっている場合であっても、溶接トーチ1の先端部分が適宜に屈曲可能となっていることにより、溶接することができる。
すなわち、溶接トーチ1は、駆動機構2のモータMa,Mbを駆動させてプーリ22a,22bを回動させることにより、プーリ22a,22bによって溶接トーチ1内の屈曲用ケーブル21A〜21Dが進退するため、可撓部1aが上下左右に適宜に湾曲する。可撓部1aが湾曲した溶接トーチ1は、ブラケット9A〜9C間の狭い溶接部9Ac,9Ad,9Ba,9Ca内であっても、溶接トーチ1をブラケット9A〜9Cと干渉することなくスムーズに挿入させることができる。そして、ノズル13の先端中央から突出した溶接ワイヤWは、狭い溶接部9Ac,9Ad,9Ba,9Caのサブフレーム8に対する溶接角度θを45度にして溶接することができる。
したがって、溶接トーチ1は、サブフレーム8にブラケット9A〜9Cを溶接する溶接作業が容易に行えるようになる。その結果、溶接トーチ1は、ブラケット9A〜9Cの干渉等による溶接システムSの中断が回避されるので、サブフレーム8の生産効率を向上させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
≪変形例≫
例えば、外筒15は、フレキシブル成型された金属製のパイプを屈曲自在に形成したものであってもよい。なお、外筒15は、屈曲自在なパイプ状のものでればよく、例えば、金属製のコルゲート管や、螺旋状に巻回したフレキシブルな金属管等であってもよい。
また、溶接ワイヤWは、溶接トーチ1の中央部分に設置した溶接棒であってもよい。
屈曲用ケーブル21は、前記実施形態ではフレキシブルパイプ12の左右、または上下方向に配設した例を説明したが、フレキシブルパイプ12の片側に1本の屈曲用ケーブル12を配置して、この1本の屈曲用ケーブル12を押し引きして屈曲させるようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る溶接トーチが適用される溶接システムのブロック図である。 本発明の実施形態に係る溶接トーチを示す要部概略図である。 図2の矢視A−A線方向の拡大断面図である。 図3の矢視C−C線方向の拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る溶接トーチの可撓部が屈曲する原理を示す図であり、(a)は可撓部が真直ぐのときの状態を示す要部概略図、(b)は可撓部が屈曲したときの状態を示す要部概略図である。 本発明の実施形態に係る溶接トーチを用いてブラケットを溶接したサブフレームの斜視図である。 図6の矢視X方向から見たブラケットの要部拡大斜視図である。 図6の矢視Y方向から見たブラケットの要部拡大斜視図である。 図6の矢視Z方向から見たブラケットの要部拡大斜視図である。 従来の溶接トーチを示す図であり、(a)は水平板に2枚の垂直板を溶接しているときの状態を示す要部概略図、(b)は水平板に間隔が狭い2枚の垂直板を溶接しているときの状態を示す要部概略図である。 コンタクトチップとガスチューブとをくの字状に屈曲した従来の溶接トーチを示す要部概略図である。
符号の説明
1 溶接トーチ
2 駆動機構
11 トーチ本体
12 フレキシブルパイプ
12a 中心側パイプ
12b 外側パイプ
12c ガス通路
12d 溶接ワイヤ通路
13 ノズル
13a ガイド
14 コンタクトチップ
15 外筒
21,21A,21B,21C,21D 屈曲用ケーブル
W 溶接ワイヤ

Claims (6)

  1. 溶接ワイヤを挿通したコンタクトチップと、このコンタクトチップを内設したトーチ本体と、前記コンタクトチップより先端側に配置されたノズルと、を有する溶接トーチであって、
    前記トーチ本体と前記ノズルとの間に設けられた屈曲可能なフレキシブルパイプと、
    このフレキシブルパイプに内設された屈曲用ケーブルと、
    この屈曲用ケーブルを進退させてフレキシブルパイプを屈曲させる駆動機構と、を備えたことを特徴とする溶接トーチ。
  2. 前記フレキシブルパイプには、前記溶接ワイヤを挿通する溶接ワイヤ通路が設けられ、
    前記溶接ワイヤ通路は、フッ素樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の溶接トーチ。
  3. 前記フレキシブルパイプは、前記溶接ワイヤ通路が設けられた中心側パイプと、この中心側パイプの外周部に配置された外側パイプとを二重に配設してなり、
    前記中心側パイプと前記外側パイプとの間には、シールドガスを供給するためのガス通路が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の溶接トーチ。
  4. 前記フレキシブルパイプの先端部には、絶縁性および耐熱性を有し、前記溶接ワイヤを支持するガイドを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の溶接トーチ。
  5. 前記駆動機構は、前記フレキシブルパイプの長手方向に沿って設けられた1対の前記屈曲用ケーブルを押し引きして屈曲させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の溶接トーチ。
  6. 前記外側パイプは、基端部を前記トーチ本体に固定し、先端部を前記ノズルに固定した金属製の屈曲自在な外筒によって覆われていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の溶接トーチ。
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