JP7198067B2 - 水平隅肉アーク溶接方法 - Google Patents
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Description
そこで、埋もれアークに加え、溶接方向に対して特定方向の回転ウィービングを併用することで、アンダカット、オーバーラップ、溶融金属の垂れを抑制する。具体的には、溶接ワイヤを右側から左側へ移動させる場合、溶接ワイヤの送給方向に対して時計回りに当該溶接ワイヤを回転させる回転ウィービングを行いながら、溶接ワイヤを前記隅肉部分に沿って移動させる。同様に、溶接ワイヤを左側から右側へ移動させる場合、溶接ワイヤの送給方向に対して反時計回りに当該溶接ワイヤを回転させる回転ウィービングを行いながら、溶接ワイヤを前記隅肉部分に沿って移動させる。
アンダカットの出やすい垂直板側の溶接時は、溶接ワイヤが溶接方向反対方向へ移動するような回転方向となり、一度溶接した部分に再度溶融金属を補填し、アンダカット抑制効果を高める。
またオーバーラップの出やすい水平板側の溶接時は、相対的に溶接速度が速くなる回転方向となり、溶融金属を溶接方向へ流すことができ、過度な溶融金属の下板側への溶着を避け、オーバーラップを防止する。
上記相乗効果により、溶融金属の垂れも抑制できる。本来水平板側に溶着すべき溶融金属が垂直板側に運ばれるイメージである。
まず、本実施形態に係る水平隅肉溶接に使用する溶接装置を説明し、次いで本実施形態に係る水平隅肉アーク溶接方法を説明する。
図1は本実施形態に係る溶接装置の一構成を示す模式図である。本実施形態に係る溶接装置は、埋もれアークを用いた水平隅肉溶接行うための消耗電極式のガスシールドアーク溶接機であり、溶接電源1、溶接トーチ2及びワイヤ送給装置3を備える。
ハンドルは、溶接作業者が把持するための部位であり、トーチボディの基端部を保持している。溶接作業者は、ハンドルを把持し、溶接作業を行う。ハンドルには、トーチスイッチが設けられている。トーチスイッチは、溶接の開始及び停止の操作を受け付けるスイッチであり、トーチスイッチのオン操作により、操作信号が溶接電源1に出力され、当該操作信号が溶接電源1に入力されることにより、溶接電源1は溶接電流を供給すると共に、ワイヤ送給装置3を動作させる。
上記平均電流設定値は、周期的に変動する溶接電流Iの平均電流を設定するための数値である。本実施形態に係る水平隅肉アーク溶接方法を実施する場合、平均電流設定値は、300A以上の平均電流、好ましくは平均電流を300A以上400A以下の平均電流、より好ましくは300A以上350A以下の平均電流である。
上記周波数設定値は、母材4及び溶接ワイヤW間の溶接電圧V及び溶接電流Iを周期的に変動させる周波数を設定するための数値である。本実施形態に係る水平隅肉アーク溶接方法を実施する場合、周波数設定値は、10Hz以上1000Hz以下の周波数、好ましくは50Hz以上300Hz以下の周波数、より好ましくは80Hz以上200Hz以下の周波数である。
上記振幅設定値は、周期的に変動する溶接電流Iの振幅を設定するための数値である。本実施形態に係る水平隅肉アーク溶接方法を実施する場合、振幅設定値は、50A以上の電流振幅である。
図2は本実施形態に係る水平隅肉アーク溶接方法を示す模式図である。ここでは、半自動溶接を説明する。半自動溶接は、溶接ワイヤWを溶接トーチ2へ自動で送給し、溶接トーチ2を手動で操作する溶接手法である。
回転ウィービングによる溶接ワイヤWの回転移動周波数は0.5以上3.0Hz以下である。好ましくは、当該回転移動周波数は0.8以上1.5Hz以下である。
回転ウィービングによる縦方向の振り幅、即ち溶接トーチ2の直線移動方向に対して略垂直な方向への振り幅は、2mm以上5mm以下である。好ましくは、当該振り幅は2mm以上4mm以下である。
回転ウィービングによる横方向の振り幅、即ち溶接トーチ2の直線移動方向への振り幅は、2mm以上10mm以下である。好ましくは、当該振り幅は2mm以上5mm以下である。
次に、本実施形態に係る水平隅肉アーク溶接方法の作用効果を、通常の直流大電流溶接、回転ウィービング無しの埋もれアーク溶接の問題と共に説明する。
水平隅肉溶接におけるアンダカットは、垂直板42に形成されるビードの止端側の溝である。アンダカットは高電流で広がったアークが垂直板42を広く溶かし過ぎることによって生ずる。
水平隅肉溶接におけるオーバーラップは水平板41に形成されるビードの止端部と母材4とのなじみが悪い状態の部分である。オーバーラップは、過剰な溶融金属の重力による垂れによって生ずる。
溶融金属の垂れは、ビードがこぶ状になったビード外観不良部分である。溶融金属の垂れは、過剰な溶融金属の重力による垂れによって生ずる。
図4A及び図4Bを比較すると分かるように、溶接ワイヤWの先端部は、凹状の溶融金属で囲まれる埋もれ空間に侵入し、溶融金属表面より深い位置にあるため、溶けた溶接ワイヤWが飛び散っても周囲の溶融金属に吸収される割合が多く、スパッタの発生を抑えることができる。
またオーバーラップの出やすい水平板41側の溶接時は、溶接ワイヤWの溶接方向への移動速度が速くなり、溶融金属を溶接方向へ流すことができ、オーバーラップの垂れを防止することができる。
更に、上記の通り溶融金属を垂直板42側へ押し上げ、また溶接方向へ流すことによって、溶接金属の垂れを防止することができる。
図5A及び図6の表中、左欄に示すように、高電流を用いた水平隅肉溶接では、アンダカット、オーバーラップ、溶融金属の垂れ、スパッタが問題になる。しかし、図5B及び図6の表中、右欄に示すように、埋もれアーク及び特定方向の回転ウィービングを併用することによって、アンダカット及びオーバーラップの溶接欠陥、溶融金属の垂れ、スパッタの発生を防止することができる。
溶接作業者は、前進法にて隅肉部分を溶接すると良い。前進法は溶接ワイヤWの送出方向が、溶接トーチ2の移動方向側を向くように溶接トーチ2を傾けて行う溶接である。前進法によれば、オーバーラップをより効果的に抑えることができる。また、半自動溶接の場合、後退法に比べて前進法の方が溶接トーチ2の移動操作が容易であり、より効果的に溶接欠陥及び外観不良を防止することができる。
溶接作業者は、後退法にて隅肉部分を溶接すると良い。後退法は溶接ワイヤWの送出方向が、溶接トーチ2の移動方向反対側を向くように溶接トーチ2を傾けて行う溶接である。後退法によれば、アンダカットをより効果的に抑えることができる。
2 溶接トーチ
3 ワイヤ送給装置
4 母材
W 溶接ワイヤ
11 電源回路
12 制御部
12a 出力電圧設定部
12b 定電圧制御部
12c 差分増幅部
13 電圧検出部
14 電流検出部
15 送給速度制御部
41 水平板
42 垂直板
R 電気抵抗
L リアクトル
E 設定電圧
V 溶接電圧
I 溶接電流
Vd 溶接電圧の電圧値
Id 溶接電流の電流値
Er 出力電圧設定値
Irc 溶接電流制御設定値
ΔI 差分値
41 水平板
42 垂直板
W 溶接ワイヤ
Claims (4)
- 水平板と垂直板との隅肉部分に溶接ワイヤを送給し、溶接電流の供給によって前記溶接ワイヤの先端部及び前記隅肉部分間にアークを発生させ、前記隅肉部分を溶接する消耗電極式の水平隅肉アーク溶接方法であって、
300A以上の前記溶接電流を供給することにより前記隅肉部分に形成される凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記溶接ワイヤの先端部を進入させるステップと、
溶接トーチを右側から左側へ(又は左側から右側へ)移動させる場合、前記溶接ワイヤの送給方向に対して時計回り(又は反時計回り)に該溶接ワイヤを回転させる回転ウィービングを行いながら、前記溶接ワイヤを前記隅肉部分に沿って移動させるステップと
を備え、
回転ウィービングによる移動成分を除いた前記溶接トーチの直線移動速度は、20cm/分以上、60cm/分以下であり、
回転ウィービングによる前記溶接ワイヤの回転移動周波数は0.5以上、3.0Hz以下、前記溶接トーチの直線移動方向に対して略垂直な方向への回転ウィービングによる振り幅は、2mm以上、5mm以下、前記溶接トーチの直線移動方向への回転ウィービングによる振り幅は、2mm以上、10mm以下である
水平隅肉アーク溶接方法。 - 前記溶接ワイヤを溶接トーチへ自動で送給し、該溶接トーチを手動で操作する半自動溶接にて前記隅肉部分を溶接する
請求項1に記載の水平隅肉アーク溶接方法。 - 前進法にて前記隅肉部分を溶接する
請求項1又は請求項2に記載の水平隅肉アーク溶接方法。 - 定電圧特性で前記溶接電流を供給し、前記溶接電流の大きさを周期的に変動させる
請求項1~請求項3までのいずれか一項に記載の水平隅肉アーク溶接方法。
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