JP2018069332A - アーク溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】裏当てを必要とせず、24mm超、50mm以下の厚板の両面溶接が可能なアーク溶接方法を提供する。【解決手段】少なくとも表面の被溶接部にY型開先を有し、厚みが24mm超50mm以下の板状の第1母材及び第2母材を用意し、表面が上を向く姿勢で第1母材及び第2母材を突き合わせて配置する。そして、母材の被溶接部に溶接ワイヤを送給すると共に、溶接電源から溶接ワイヤに溶接電流を供給することによって、溶接ワイヤの先端部及び被溶接部間にアークを発生させ、先端部及び被溶接部間に発生したアークによって母材に形成された凹状の溶融部分によって囲まれる空間に先端部を進入させて母材を溶接する。次いで、裏面が上を向く姿勢で第1母材及び第2母材を配置し、第1母材及び第2母材の裏面の被溶接部を溶接する。【選択図】図2

Description

本発明は、消耗電極式のアーク溶接方法に関する。
溶接方法の一つに、消耗電極式のガスシールドアーク溶接法がある。ガスシールドアーク溶接法は、母材の被溶接部に送給された溶接ワイヤと、母材との間にアークを発生させ、アークの熱によって母材を溶接する手法であり、特に高温になった母材の酸化を防ぐために、不活性ガスを溶接部周辺に噴射しながら溶接を行うものである。
一般に、9mm以上の厚板の溶接を行う方法としては、表面及び裏面のいずれか一方からのみ溶接を行う片面溶接と、表面及び裏面の両面から溶接を行う両面溶接が存在する。
片面溶接においては、レ型開先、Y型開先、あるいはU型開先等を母材に設け、裏当てを用いて溶接を行うのが一般的である。片面溶接では、母材を裏返す必要がないため、大掛かりな装置が不要という利点があるが、一方で開先断面積を大きくとる必要があるため、溶接施工時間の増大や溶接変形量の増大、ワイヤ使用量の増大、裏当ての使用によるコスト増加などが問題となる。
一方、両面溶接においては、両面レ型開先若しくはK型開先、両面Y型開先、又は両面U型開先若しくはH型開先等を母材に設け、裏当てを用いずに溶接を行うのが一般的である。この場合、片面溶接の場合よりも開先を小さくとることができるため、溶接施工時間や溶接ワイヤ使用量の低減が可能となる。また、両面溶接では、角変形などの溶接変形が対照的に生じるため、結果として残存する変形量が小さくなるという利点もある。更に、裏当てを使用する必要がないため、裏当てのコストも削減することができる。
こういった観点から、厚板の溶接では、片面溶接だけでなく両面溶接による施工も積極的に利用されている。
ただし、両面溶接においては、片面溶接には無い様々な課題がある。たとえば両面溶接においては、裏当てが使用できないために初層の溶接を裏当てなしの裏波溶接とする必要があり、技術的な難易度が高い。更に、そのような溶接においては溶接欠陥の発生が起こりやすくなるため、片側の溶接施工が完了したのち、裏面溶接にかかる前に初層部分を裏側からガウジング等ではつり、初層部分を除去することが求められる場合がある。
これを解決する方法として、深溶込み溶接を用いることにより、裏当てなしでの両面溶接を行う方法がある。ルート面を厚くとることで、溶落ちを防止し、両側からの深溶込み溶接によりルート部を完全に溶融及び接合させる方法である。
例えば、特許文献1には、板状の第1母材及び第2母材を間隙を設けて配置し、25kJ/cm以下の入熱により埋もれアークの状態で表面及び裏面をそれぞれ両面溶接する溶接方法が開示されている。特許文献1に係る溶接方法によれば、板厚が4mm以上、24mm以下の母材を溶接することができる。
特開2016−7620号公報
しかしながら、特許文献1に係る溶接方法においては溶接可能な母材の厚みが24mm以下に制限されるという問題がある。板厚が50mmに達する場合もある厚板構造物の溶接においては、24mmという板厚は必ずしも十分ではなく、24mmを超える板厚への対応が望まれる。
また、特許文献1に係るT継手の溶接方法においては、溶接可能な母材の厚みが20mm以下に制限されるという問題がある。
更に、特許文献1に係る溶接方法においてはT継手の両隅を深溶込み溶接する構成であり、継手の開先形状、母材の配置及び姿勢、母材の厚み等によっては、溶融金属の垂れ落ちが生じないように母材間の間隙の幅、溶接条件等を厳密に設定する必要があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、裏当てを必要とせず、24mm超、50mm以下の厚板の両面溶接が可能なアーク溶接方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、裏当てを必要とせず、T継手又は角継手のように直角的に配置した20mm超、50mm以下の厚板の溶接が可能なアーク溶接方法を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、溶融金属の垂れ落ちを防止するための裏当てを必要とせず、T継手、角継手のように直角的に配置される母材の簡便な溶接が可能なアーク溶接方法を提供することにある。
本発明に係る第1のアーク溶接方法は、母材の被溶接部に溶接ワイヤを送給すると共に、溶接電源から該溶接ワイヤに溶接電流を供給することによって、前記溶接ワイヤの先端部及び被溶接部間にアークを発生させ、前記先端部及び被溶接部間に発生したアークによって前記母材に形成された凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記先端部を進入させて前記母材を溶接する消耗電極式のアーク溶接方法であって、少なくとも表面の被溶接部にルート面を有する開先が形成され、厚みが24mm超50mm以下の板状の第1母材及び第2母材を用意する工程と、表面が上を向く姿勢で前記第1母材及び第2母材を突き合わせて配置する工程と、前記溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、該溶接電流を変動させることにより、前記第1母材及び第2母材の表面の被溶接部を溶接する工程と、裏面が上を向く姿勢で前記第1母材及び第2母材を配置する工程と、前記第1母材及び第2母材の裏面の被溶接部を溶接する工程とを備える。
本発明にあっては、開先が形成された表面が上を向く姿勢で第1母材及び第2母材を突き合わせて配置し、被溶接部を溶接する。上記溶接条件で溶接電流を変動させて溶接を行うことにより、片面1パス当たり、最大25mmの溶け込み深さを得ることができる。その際の開先の最大のルート深さは18mmである。第1母材及び第2母材はルート面を有するため、溶融金属が裏面に垂れ落ちることは無く、裏当てが不要である。
表面側の溶接を終えた場合、次に裏面が上を向く姿勢で第1母材及び第2母材を配置し、同様にして溶接を行う。従って、24mm超の厚板を両面溶接することができる。
なお、上記溶接条件で溶接を行うと、アークの熱によって母材に凹状の溶融部分が形成され、溶接ワイヤの先端部が溶融部分によって囲まれる空間に進入する。溶接ワイヤの先端部が母材表面より深部に進入する。このため、片面1パスで25mmの溶け込みを得ることができる。以下、凹状の溶融部分によって囲まれる空間を埋もれ空間と呼び、埋もれ空間に進入した溶接ワイヤの先端部と、母材又は溶融部分との間に発生するアークを、適宜、埋もれアークと呼ぶ。
また、開先が形成された表面から溶接を行う例を説明したが、裏面を溶接し、次いで表面を溶接するようにしても良い。つまり、表面が上を向く姿勢で前記第1母材及び第2母材を突き合わせて配置する工程及び前記溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、該溶接電流を変動させることにより、前記第1母材及び第2母材の表面の被溶接部を溶接する工程と、裏面が上を向く姿勢で前記第1母材及び第2母材を配置する工程及び前記第1母材及び第2母材の裏面の被溶接部を溶接する工程とを逆順で実行しても良い。
本発明に係るアーク溶接方法は、前記開先は表面の被溶接部に形成されたY型開先であり、前記第1母材及び第2母材の厚みは25mm、前記Y型開先のルート面の寸法は18mm、開先深さは7mm、開先角度は90度である構成が好ましい。
本構成にあっては、板厚が25mmの第1母材及び第2母材を両面溶接することができる。
本発明に係る第2のアーク溶接方法は、母材の被溶接部に溶接ワイヤを送給すると共に、溶接電源から該溶接ワイヤに溶接電流を供給することによって、前記溶接ワイヤの先端部及び被溶接部間にアークを発生させ、前記先端部及び被溶接部間に発生したアークによって前記母材に形成された凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記先端部を進入させて前記母材を溶接する消耗電極式のアーク溶接方法であって、板状の第1母材、及びI開先又はルート面を有する開先が形成され、厚みが20mm超50mm以下の板状の第2母材を用意する工程と、前記第1母材に対して前記第2母材を直角的に配置する工程と、前記溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、該溶接電流を変動させることにより、前記第1母材及び第2母材の第1の隅部を溶接する工程と、前記溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、該溶接電流を変動させることにより、前記第1母材及び第2母材の第2の隅部を溶接する工程とを備える。
本発明にあっては、板状の第1母材と、厚みが20mm超50mm以下の板状の第2母材とを直角的に配置し、両隅部を埋もれアークにて溶接する。上記突き合わせ溶接と同様、上記溶接条件で溶接電流を変動させて溶接を行うことにより、片隅当たり、最大25mmの溶け込み深さを得ることができる。第1母材及び第2母材にはI開先又はルート面を有する開先が形成されているため、溶融金属が裏面に垂れ落ちることは無く、裏当てが不要である。本発明によれば、20mm超の厚板を両面溶接することができる。
本発明に係る第3のアーク溶接方法は、母材の被溶接部に溶接ワイヤを送給すると共に、溶接電源から該溶接ワイヤに溶接電流を供給することによって、前記溶接ワイヤの先端部及び被溶接部間にアークを発生させ、前記先端部及び被溶接部間に発生したアークによって前記母材に形成された凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記先端部を進入させて前記母材を溶接する消耗電極式のアーク溶接方法であって、板状の第1母材及び第2母材を用意する工程と、前記第1母材に対して前記第2母材を直角的に配置する工程と、平均電流が300A未満の前記溶接電流にて、前記第1母材及び第2母材の第1の隅部を隅肉溶接する工程と、平均電流が300A以上の前記溶接電流にて、前記第1母材及び第2母材の第2の隅部に形成される凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記先端部を進入させて溶接する工程とを備える。
本発明にあっては、第1の隅部を隅肉溶接することによって形成されるビードは、第2の隅部を溶接する際、裏当てとして機能する。第1母材及び第2母材の開先は、隅肉溶接によって第1の隅部側から第2の隅部側へ溶接金属が回り込まないよう、例えば溶融金属の垂れ落ちが生じないように、I開先又はルート面が小さい開先とし、ギャップも小さく設定することが望ましい。この場合、本溶接が困難になるが、平均電流が300A以上の溶接電流を用いれば、このような第1母材及び第2母材の第2の隅部も溶接することが可能となる。
以上の工程によれば、裏当てを用いること無く、簡単な溶接工程で溶融金属の垂れ落ちを防ぎつつ、第1母材及び第2母材を直角的に溶接することが可能になる。本発明で実施可能な継手は、T継手、角継手、十字継手等であるが、必ずしもこれらに限定されるものでは無い。
前記第2の隅部を溶接する工程は、完全溶け込み溶接である構成が好ましい。
本構成にあっては、裏当てを用いること無く、溶融金属の垂れ落ちを防ぎつつ、第1母材及び第2母材の完全溶け込み溶接が可能になる。
本発明によれば、裏当てを必要とせず、24mm超、50mm以下の厚板の両面溶接が可能となる。
また、裏当てを必要とせず、T継手又は角継手のように直角的に配置した20mm超、50mm以下の厚板の溶接が可能となる。
更に、溶融金属の垂れ落ちを防止するための裏当てを必要とせず、T継手、角継手のように直角的に配置される母材の簡便な溶接が可能となる。
本実施形態1に係るアーク溶接装置の一構成例を示す模式図である。 本実施形態1に係るアーク溶接方法の手順を示すフローチャートである。 溶接対象の母材及び表面溶接時における母材の配置を示す側断面図である。 溶接電圧及び溶接電流の変動を示すグラフである。 本実施形態1に係るアーク溶接方法を示す模式図である。 裏面溶接時における母材の配置を示す側断面図である。 両面溶接された母材の側断面図である。 表面及び裏面のビード形状を示す写真である。 埋もれアークを実現する溶接電流及び電圧の条件を示すグラフである。 ワイヤ径及びワイヤ突出し長さと、埋もれアークを実現する溶接電流及び電圧の条件との関係を示す概念図である。 ワイヤ径1.6mm、溶接ワイヤの突出し長さ25mmの場合において埋もれアークを実現する溶接電流及び電圧の条件の一例を示すグラフである。 本実施形態2に係るアーク溶接方法の手順を示すフローチャートである。 第1の隅部の埋もれアーク溶接を示す側断面図である。 第2の隅部の埋もれアーク溶接を示す側断面図である。 本実施形態3に係るアーク溶接方法の手順を示すフローチャートである。 第1の隅部の隅肉溶接を示す側断面図である。 第2の隅部の完全溶け込み溶接を示す側断面図である。
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態1に係るアーク溶接装置の一構成例を示す模式図である。本実施形態1に係るアーク溶接装置は、板厚が24mm超、50mm以下の母材4を各面、1パスで両面溶接することが可能な消耗電極式のガスシールドアーク溶接機であり、溶接電源1、トーチ2及びワイヤ送給部3を備える。
トーチ2は、銅合金等の導電性材料からなり、母材4の被溶接部へ溶接ワイヤ5を案内すると共に、アーク7(図5参照)の発生に必要な溶接電流Iwを供給する円筒形状のコンタクトチップを有する。コンタクトチップは、その内部を挿通する溶接ワイヤ5に接触し、溶接電流Iwを溶接ワイヤ5に供給する。また、トーチ2は、コンタクトチップを囲繞する中空円筒形状をなし、被溶接部へシールドガスを噴射するノズルを有する。シールドガスは、アーク7によって溶融した母材4及び溶接ワイヤ5の酸化を防止するためのものである。シールドガスは、例えば炭酸ガス、炭酸ガス及びアルゴンガスの混合ガス、アルゴン等の不活性ガス等である。
溶接ワイヤ5は、例えばソリッドワイヤであり、その直径は0.9mm以上1.6mm以下であり、消耗電極として機能する。溶接ワイヤ5は、例えば、螺旋状に巻かれた状態でペールパックに収容されたパックワイヤ、あるいはワイヤリールに巻回されたリールワイヤである。
ワイヤ送給部3は、溶接ワイヤ5をトーチ2へ送給する送給ローラと、当該送給ローラを回転させるモータとを有する。ワイヤ送給部3は、送給ローラを回転させることによって、ワイヤリールから溶接ワイヤ5を引き出し、引き出された溶接ワイヤ5をトーチ2へ供給する。なお、かかる溶接ワイヤ5の送給方式は一例であり、特に限定されるものでは無い。
溶接電源1は、給電ケーブルを介して、トーチ2のコンタクトチップ及び母材4に接続され、溶接電流Iwを供給する電源部11と、溶接ワイヤ5の送給速度を制御する送給速度制御部12とを備える。なお、電源部11及び送給速度制御部12を別体で構成しても良い。電源部11は、定電圧特性の電源であり、PWM制御された直流電流を出力する電源回路11a、出力電圧設定回路11b、周波数設定回路11c、電流振幅設定回路11d、平均電流設定回路11e、電圧検出部11f、電流検出部11g及び比較回路11hを備える。
電圧検出部11fは、溶接電圧Vwを検出し、検出した電圧値を示す電圧値信号Edを比較回路11hへ出力する。
電流検出部11gは、例えば、溶接電源1からトーチ2を介して溶接ワイヤ5へ供給され、アーク7を流れる溶接電流Iwを検出し、検出した電流値を示す電流値信号Idを出力電圧設定回路11bへ出力する。
周波数設定回路11cは、母材4及び溶接ワイヤ5間の溶接電圧Vw及び溶接電流Iwを周期的に変動させる周波数を設定するための周波数設定信号を出力電圧設定回路11bへ出力する。本実施形態1に係るアーク溶接方法を実施する場合、周波数設定回路11cは、10Hz以上1000Hz以下の周波数、好ましくは50Hz以上300Hz以下の周波数、より好ましくは80Hz以上200Hz以下の周波数を示す周波数設定信号を出力する。
電流振幅設定回路11dは、周期的に変動する溶接電流Iwの振幅を設定するための振幅設定信号を出力電圧設定回路11bへ出力する。本実施形態1に係るアーク溶接方法を実施する場合、電流振幅設定回路11dは、50A以上の電流振幅、好ましくは、100A以上500A以下の電流振幅、より好ましくは200A以上400A以下の電流振幅を示す振幅設定信号を出力する。
平均電流設定回路11eは、周期的に変動する溶接電流Iwの平均電流を設定するための平均電流設定信号を出力電圧設定回路11b及び送給速度制御部12へ出力する。本実施形態1に係るアーク溶接方法を実施する場合、平均電流設定回路11eは、300A以上の平均電流、好ましくは平均電流を300A以上1000A以下の平均電流、より好ましくは500A以上800A以下の平均電流を示す平均電流設定信号を出力する。
出力電圧設定回路11bは、各部から出力された電流値信号Id、周波数設定信号、振幅設定信号、平均電流設定信号に基づいて、溶接電流Iwが目標とする周波数、電流振幅及び平均電流となるように、例えば、矩形波状又は三角波状等の任意波形の目標電圧を示す出力電圧設定信号Ecrを生成し、生成した出力電圧設定信号Ecrを比較回路11hへ出力する。
比較回路11hは、電圧検出部11fから出力された電圧値信号Edと、出力電圧設定回路11bから出力された出力電圧設定信号Ecrとを比較し、その差分を示す差分信号Evを電源回路11aへ出力する。
電源回路11aは、商用交流を交直変換するAC−DCコンバータ、交直変換された直流をスイッチングにより所要の交流に変換するインバータ回路、変換された交流を整流する整流回路等を備える。電源回路11aは、比較回路11hから出力された差分信号Evに従って、インバータをPWM制御し、電圧を溶接ワイヤ5へ出力する。その結果、母材4及び溶接ワイヤ5間に、周期的に変動する溶接電圧Vwが印加され、溶接電流Iwが通電する。なお、溶接電源1には、図示しない制御通信線を介して外部から出力指示信号が入力されるように構成されており、電源部11は、出力指示信号をトリガにして、電源回路11aに溶接電流Iwの供給を開始させる。出力指示信号は、例えば、溶接ロボットから溶接電源1へ出力される。また、手動の溶接機の場合、出力指示信号は、トーチ2側に設けられた手元操作スイッチが操作された際にトーチ2側から溶接電源1へ出力される。
溶接電源1の電源部11は、定電圧特性を有する。例えば、電源部11は、100Aの溶接電流の増加に対する溶接電圧の低下が4V以上20V以下となる外部特性を有する。電源部11の外部特性をこのように設定することにより、埋もれアーク状態を維持することが容易となる。
上記溶接電圧の低下が4V未満の場合、外乱要因によるアーク長の変動に対して溶接電圧の変動が小さく、溶接電流が大きく変動する。その結果、溶融部分6が大きく搖動して、埋もれアークの状態を維持することが難しくなる。上記溶接電圧の低下を4V以上とすることにより、溶融部分6の搖動が抑制され、埋もれアーク状態を維持することが容易となる。
また、外乱要因によってアーク長が短くなった場合、溶接電流の値が増加して溶接ワイヤ5の溶融速度が増大し、アーク長が長くなる。一方、外乱要因によってアーク長が長くなった場合、溶接電流の値が減少して溶接ワイヤ5の溶融速度が低下し、アーク長が短くなる(アーク長の自己制御作用)。上記溶接電圧の低下が20Vを超える場合、外乱要因によるアーク長の変動に対して溶接電流の変動が小さいため、上記アーク長の自己制御作用が小さくなる。その結果、埋もれアークの状態を維持することが難しくなる。上記溶接電圧の低下を20V以下とすることにより、上記アーク長の自己制御作用が維持され、埋もれアーク状態を維持することが容易となる。
なお、上記電圧低下は5V以上とすることが好ましい。また、上記電圧低下は15V以下とすることが好ましい。
図2は、本実施形態1に係るアーク溶接方法の手順を示すフローチャート、図3は、溶接対象の母材4及び表面溶接時における母材4の配置を示す側断面図である。まず、溶接により接合されるべき母材4、具体的には、少なくとも表面4aの被溶接部にY型開先4cを有する板状の第1母材41及び第2母材42を用意する(ステップS11)。第1母材41及び第2母材42は、例えば軟鋼、機械構造用炭素鋼、機械構造用合金鋼等の鋼板であり、その板厚は24mm超50mm以下であり、Y型開先4cのルート面の寸法は10mm以上36mm以下である。一例として、本実施形態1では、図3に示すように、表面4aの被溶接部にY型開先4cを有し、板厚が25mmの第1母材41及び第2母材42について説明する。当該Y型開先4cのルート面の寸法は18mm、開先深さは7mm、開先角度は90度である。
次いで、溶接電源1の各種設定を行う(ステップS12)。具体的には、溶接電源1は、周波数10Hz以上1000Hz以下、平均電流300A以上、電流振幅50A以上の範囲内で溶接電流Iwの溶接条件を設定する。
なお、溶接電流Iwの条件設定は、全て溶接作業者が行っても良いし、溶接電源1が、本実施形態1に係る溶接方法の実施を操作部にて受け付け、全ての条件設定を自動的に行うように構成しても良い。また、溶接電源1が、平均電流等、一部の溶接条件を操作部にて受け付け、受け付けた一部の溶接条件に適合する残りの溶接条件を決定し、条件設定を半自動的に行うように構成しても良い。
次いで、Y型開先4cが形成された表面4aが上を向く姿勢で第1母材41及び第2母材42を突き合わせて配置する(ステップS13)。
溶接電源1の各種設定及び母材4の配置が行われた後、溶接電源1は、溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、溶接電流を変動させることにより、約18mmの溶け込み深さで第1母材41及び第2母材42の表面4aの被溶接部を溶接する(ステップS14)。
具体的には、溶接の出力指示信号が溶接電源1に入力された場合、送給速度制御部12は、ワイヤの送給を指示する送給指示信号を、ワイヤ送給部3へ出力し、所定速度で溶接ワイヤ5を送給させる。溶接ワイヤ5の送給速度は、例えば、約5〜100m/分の範囲内、好ましくは30m/分以上100m/分以下の範囲内で設定される。送給速度制御部12は、例えば平均電流設定回路11eから出力された平均電流設定信号等に応じて、送給速度を決定する。なお、溶接ワイヤ5の送給速度は一定速度であっても良いし、周期的に変動させても良い。また、溶接作業者が、ワイヤの送給速度を直接設定するように構成しても良い。
次いで、溶接電源1の電源部11は、電圧検出部11f及び電流検出部11gにて溶接電圧Vw及び溶接電流Iwを検出し、検出された溶接電流Iwの周波数、電流振幅及び平均電流が設定された溶接条件に一致し、溶接電流Iwが周期的に変動するように、目標電圧を生成し、溶接電圧をPWM制御する。つまり、溶接電源1は、定電圧特性において、溶接電流Iwが周波数10Hz以上1000Hz未満、平均電流300A以上、電流振幅50A以上で周期的に変動するように、目標電圧を周期的に変動させて出力を制御する。
図4は、溶接電圧Vw及び溶接電流Iwの変動を示すグラフ、図5は、本実施形態1に係るアーク溶接方法を示す模式図である。図4に示す各グラフの横軸は時間を示し、図4A〜図4Cに示す各グラフの縦軸はそれぞれ、溶接電源1の設定電圧、母材4及び溶接ワイヤ5間の溶接電圧Vw、アーク7を流れる溶接電流Iwである。
本実施形態1に係るアーク溶接方法においては、電源部11は、溶接電流Iwの周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、溶接電流Iwを制御する。具体的には、定電圧特性の溶接電源1は、このように溶接電流Iwが変動するように、目標電圧を設定し、当該目標電圧を周期的に変動させる。以下の溶接電流Iwの制御についても同様である。定電圧特性で溶接電流Iを周期的に変動させることにより、埋もれアークの溶融部分6をより効果的に安定化させることができる。
好ましくは、電源部11は、溶接電流Iwの周波数が50Hz以上300Hz以下、平均電流が300A以上1000A以下、電流振幅が100A以上500A以下になるように、溶接電流Iwを制御する。より好ましくは、電源部11は、図4Cに示すように、溶接電源1の周波数が80Hz以上200Hz以下、電流振幅が200A以上400A以下、平均電流が500A以上800A以下になるように、溶接電流Iwを制御する。なお、図4Cにおいては、溶接電流の周波数が約100Hz、電流振幅が約240A、平均電流が約530Aである。
このように溶接電流Iw及びワイヤ送給速度が設定された場合、設定電圧は、例えば図4Aに示すように、周波数100Hz、電圧振幅30Vの矩形波状の電圧となり、溶接ワイヤ5及び母材4間には図4Bに示すような溶接電圧Vwが印加され、図4Cに示すような溶接電流Iwが流れる。溶接電源1は、例えば溶接電流Iwの電流振幅が240A、平均電流が530Aになるように、周波数100Hzで設定電圧の制御を行う。また、溶接電源1は、約40m/分の速度で溶接ワイヤ5の送給を制御する。なお、溶接電圧Vwは41V以上27以下の範囲で変動しているが、溶接電圧Vwの変動範囲は、各種インピーダンスの影響によって変化する。また、図4Cに示す電流波形は一例であり、特に限定されるものでは無い。例えば、電流波形は略矩形波状であっても良いし、三角波状であっても良い。
かかる溶接条件で溶接電流Iwを周期的に変動させると、溶接ワイヤ5の先端部5a及び被溶接部間に発生したアーク7の熱によって溶融した母材4及び溶接ワイヤ5の溶融金属からなる凹状の溶融部分6が母材4に形成される。そして、アーク7の様子を高速度カメラで撮影したところ、図5左図に示すように、溶接ワイヤ5の先端部5a及び溶融部分6の底部61間にアーク7が発生する第1状態と、図5右図に示すように、先端部5a及び溶融部分6の側部62間にアーク7が発生する第2状態とを周期的に変動することが確認された。
具体的には、溶接ワイヤ5の先端部5aから溶融部分6の底部61へアーク7が飛ぶ第1状態と、溶接ワイヤ5の先端部5aから溶融部分6の側部62へアーク7が飛ぶ第2状態とを繰り返す。第1状態は、例えば溶接ワイヤ5の溶滴移行形態がドロップ移行の状態である。第2状態は、例えば溶接ワイヤ5の溶滴移行形態がローテーティング移行の状態である。ドロップ移行は、溶接ワイヤ5の先端部5aから溶融部分6の底部61へ溶滴移行する形態の一例であり、ローテーティング移行は、溶接ワイヤ5の先端部5aから溶融部分6の側部62へ溶滴移行する形態の一例である。溶融金属は、埋もれ空間6aが閉口し、溶接ワイヤ5の先端部5aが埋没される方向へ流れようとするが、第2状態において溶融部分6の側部62にアーク7が飛び、溶融部分6の溶融金属は溶接ワイヤ5から離隔する方向へ押し返され、埋もれ空間6aは凹状の状態で安定化する。なお、図5右図では、大電流によって溶融した溶接ワイヤ5の先端部5aの溶滴が移行した結果、溶接ワイヤ5の先端部5aが短くなっている。
このような第1状態及び第2状態を10Hz以上、好ましくは50Hz以上300Hz以下、より好ましくは80Hz以上200Hz以下で変動させることによって、大きな波打ち周期よりも高周波数で溶融金属を微振動させることができ、溶融金属の波打ちが抑えられる。
なお、ステップS14の溶接においては、裏当ては不要である。Y型開先4cのルート面が18mm確保されており、表面4a側の被溶接部を溶接する際に溶融金属が裏面4b側から垂れ落ちることは無い。
図6は、裏面溶接時における母材4の配置を示す側断面図である。以上の通り、表面4aの被溶接部の溶接が完了した場合、図6に示すように、裏面4bが上を向く姿勢で表面溶接後の第1母材41及び第2母材42を突き合わせて配置する(ステップS15)。そして、表面4a側の溶接と同様、溶接電源1は、溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、溶接電流を変動させることにより、約8mmの溶け込み深さで第1母材41及び第2母材42の裏面4bの被溶接部を溶接し(ステップS16)、溶接処理を終了する。なお、板厚25mmの母材4を溶接する場合、裏面側の溶接条件は特にこれに限定されるものでは無い。板厚が37mm超の母材4を溶接する場合、表面と同様の溶接条件で溶接することが好ましい。
図7は、両面溶接された母材4の側断面図、図8は、表面4a及び裏面4bのビード形状を示す写真である。図8Aは表面4aのビード形状、図8Bは裏面4bのビード形状である。図7及び図8に示すように、上記溶接条件で両面溶接することによって、板厚が25mmの母材4を溶接することができることが確認された。
また、溶接電流を周波数10Hz以上及び電流振幅50A以上の溶接条件で振動させることによって、周波数0Hzの場合に比べて、良好なビード形状が得られることが確認された。溶融金属を高周波で振動させることによって、溶融金属の波打ちを抑える動作原理より、溶接電流の周波数が10Hz以上であっても、同様にして溶融金属の波打ちを抑え、埋もれ空間6aを安定化させることができると予想される。また、50Aの電流振幅で溶融金属の波打ちを十分に抑えることができることから、50A以上の電流振幅であっても、溶融金属の波打を抑えることができることが予想される。実際、溶融電流の周波数50Hz、溶接電流100A以上の溶接条件で溶接を行うと、より良好なビード形状が得られた。なお、ワイヤ径、溶接ワイヤ5の突出し長さ、送給速度、平均電流は、以下に説明する埋もれアークを実現できる範囲であれば、特に限定されるものでは無く、溶接電流の周波数が10Hz以上及び電流振幅が50Aの条件であれば、同様にして良好なビード形状が得られる。特に、周波数50Hz及び電流振幅100A以上であれば、より良好なビード形状が得られる。
<埋もれアークの溶接条件>
以下、埋もれアークを実現する溶接条件について説明する。
アーク溶接では一般的に、溶接ワイヤ5の先端部5aの位置は母材4より上側に位置し、その状態で溶接ワイヤ5の先端部5aと母材4の間にアークが発生する。かかる状態で発生したアークを、非埋もれアークと呼ぶ。非埋もれアークにおいては、溶接ワイヤ5の先端部5aと、母材4の表面4aに形成された溶融金属表面との間の距離をアーク長と呼ぶが、このアーク長は溶接電圧が低くなるに従って短くなることが知られている。通常のアーク溶接では、溶接電圧を下げてアーク長が短くなると、溶融金属と溶接ワイヤ5の先端部5aの位置の距離が近くなり、最終的にはアーク長が0となって溶接ワイヤ5と母材4とが短絡を起こし、アークの維持が困難となる。
しかし、高電流溶接においては、アーク圧力によって溶融金属が押しのけられるため、電圧を下げても短絡が起きにくくなる。その結果、母材4又は溶融金属表面よりも深い位置に溶接ワイヤ5の先端部5aが位置していても、アーク圧力によって溶融金属が押しのけられて形成された空間、即ち埋もれ空間6aの存在により短絡が起きず、アークを維持することができる。これが埋もれアーク現象である。
つまり、アーク圧力が強くなる高電流領域において、低い電圧条件でアークを発生させることにより、埋もれアークを実現することができる。具体的には、溶接電流は300A以上必要である(例えば、浅井知、「工場溶接の高効率化−重電機器溶接の事例−」、一般社団法人日本溶接協会 溶接情報センター、WE−COMマガジン第16号、2015年4月)。埋もれアークを実現することが可能な電圧値は、溶接電流、ワイヤ径、溶接ワイヤ5の突出し長さによって変動するが、前述のように溶接ワイヤ5の先端部5aの位置を母材4又は溶融金属表面よりも低い位置まで下げられるだけの低い電圧とすることで、埋もれアークを実現することができる。
図9は、埋もれアークを実現する溶接電流及び電圧の条件を示すグラフである。横軸は溶接電流を示し、縦軸は溶接電圧を示している。白抜き部分は、埋もれアークを実現することができる溶接電流及び電圧を示している。図9に示すように、溶接電流に対して溶接電圧が高いと、通常のアーク溶接、即ち非埋もれアーク溶接となり、逆に溶接電圧が低すぎると出力が足りず、アークの維持が困難となる。その中間の領域に、埋もれ空間6aでアーク7が発生する埋もれアークとなる範囲が存在する。
また、埋もれアークを実現する溶接条件の範囲は、前述のようにワイヤ径と、溶接ワイヤ5の突出し長さの影響を受ける。
図10は、ワイヤ径及びワイヤ突出し長さと、埋もれアークを実現する溶接電流及び電圧の条件との関係を示す概念図である。図10に示すように、ワイヤ径が大きくなるほど、又は溶接ワイヤ5の突出し長さが短くなるほど、埋もれアークを実現できる溶接電流及び電圧の範囲は、符号Arc3、Arc2、Arc1に示すように、この順で同じ電流に対して低い電圧領域側へシフトする。
図11は、ワイヤ径1.6mm、溶接ワイヤ5の突出し長さ25mmの場合において埋もれアークを実現する溶接電流及び電圧の条件の一例を示すグラフである。図11の横軸は溶接電流、縦軸は溶接電圧を示している。黒丸プロットは、非埋もれアークと、埋もれアークとの境界を示している。図11中、上側の折れ線上にある黒丸プロットは、当該黒丸プロットが示す溶接電流において、溶接電圧を上昇させると、非埋もれアークとなり、溶接電圧を減少させると、埋もれアークになる。また、下側の折れ線上にある黒丸プロットは、当該黒丸プロットが示す溶接電流において、溶接電圧を上昇させると、埋もれアークとなり、溶接電圧を減少させると、非埋もれアークになる。要するに、溶接電流に対して溶接電圧が高いと、通常のアーク溶接、即ち非埋もれアーク溶接となり、逆に溶接電圧が低すぎると出力が足りず、アークの維持が困難となる。その中間の領域に、埋もれ空間6aでアーク7が発生する埋もれアークとなる範囲が存在する。
以上の通り、埋もれアークを実現する溶接電流は、300A以上であって、溶接ワイヤ5の先端部5aが溶融金属に接近した場合に、当該溶融金属を押しのけるアーク圧力を生じさせることが可能な電流値である。また、埋もれアークを実現する溶接電圧は、溶接ワイヤ5の先端部5aの位置を母材4又は溶融金属表面よりも低い位置まで下げることが可能な電圧値である。
具体的な溶接電流及び電圧は、図11に示す溶接電流及び電圧の範囲を基準としつつ、図9及び図10に示す傾向を考慮して溶接電流及び電圧を適宜決定すれば良い。
<埋もれ空間の安定化及び溶融金属の波打を抑えることが可能な溶接条件>
埋もれ空間6aを安定化させると共に、溶融金属の波打を抑えることができるその他の好適な溶接条件を説明する。
かかる好適な溶接条件は、例えば、溶接電流の周波数が20Hz以上600Hz以下、振幅が50A以上500A以下、平均電流が300A以上1000A以下である。
また、溶接電流の周波数が40Hz以上380Hz以下、振幅が100A以上500A以下、平均電流が300A以上1000A以下であっても良い。
更に、溶接電流の周波数が60Hz以上280Hz以下、振幅が100A以上500A以下、平均電流が300A以上900A以下であっても良い。
更にまた、溶接電流の周波数が60Hz以上180Hz以下、振幅が150A以上500A以下、平均電流が300A以上800A以下であっても良い。
以上の通り、本実施形態1に係るアーク溶接方法及びアーク溶接装置によれば、裏当てを必要とせず、24mm超、50mm以下の厚板の両面溶接が可能となる。また、開先断面積が小さく及び溶接ワイヤの使用量が少ない、低歪みの溶接を実現することができる。
特に、18mmのルート面を有するY型開先を表面に設け、両面を埋もれアーク溶接することにより、25mmの厚板の溶接が可能となる。
また、300A以上の大電流を用いてガスシールドアーク溶接を行う場合であっても、溶接電流Iwを周期的に変動させることによって、溶融金属の波打ちを抑えることができ、ビードの乱れ及び垂れの発生を防止することができる。
ところで、溶融金属の波打ちをより効果的に抑えるためには、アーク長を一定に保つ必要がある。一般的な定電流パルス溶接の場合はアーク長の自己制御作用が得られないため、一定のアーク長を保証するための何らかの制御を行う必要がある。本実施形態1に係るアーク溶接装置は定電圧特性であり、アーク長の自己制御作用が得られるため、アーク長が一定に保たれ、溶融金属の波打ちをより効果的に抑えることができる。
なお、本実施形態1では主に板厚が25mmの母材4を溶接する方法を説明したが、第1母材41及び第2母材42の表面4a及び裏面4bの双方にY型開先4cを設け、両面溶接を行うように構成しても良い。Y型開先4cのルート面の寸法は10mm以上36mm以下である。この場合、両面溶接により、表面4a及び裏面4bとも25mmの溶け込み深さを得ることができるため、最大50mmの厚板を両面溶接することができる。また、Y型開先4cのルート面の寸法を10mm以上36mm以下とすることにより、表面4a側の被溶接部を溶接する際に溶融金属の溶落ちを確実に防ぐことができる。
また、本実施形態1ではY型開先4cが形成された母材4の表面4aを溶接し、次いで、裏面4bを溶接する例を説明したが、逆に裏面4bを先に溶接し、次いで表面4aを溶接しても良い。
更に、本実施形態1では開先としてY型開先4cを説明したが、これに限定されるものでは無く、両面レ型開先若しくはK型開先、両面Y型開先、又は両面U型開先若しくはH型開先等、その他の任意の開先を母材4に設けて溶接を行っても良い。開先は、片面のみに設けても良いし、両面に設けても良い。
更にまた、本実施形態1では、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwが大きい期間と、小さい期間とが略同一である場合を説明したが、各期間の比率を変化させても良い。当該期間の比率を変化させることによって、溶融金属の波打ちを抑えつつ、溶接ワイヤ5の先端部5aの上下位置変動の幅を調整することができる。例えば、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwが大きい期間の比率を大きくすることによって、溶接ワイヤ5の先端部5aが、溶融部分6の底部61より高い位置に保持される割合が高くなる。その結果、母材4への入熱量を増加させ、ビード成形性を向上させることができる。
(実施形態2)
実施形態2に係るアーク溶接方法は、溶融金属の垂れ落ちを防止するための裏当てを必要とせず、T継手又は角継手のように直角的に配置した20mm超、50mm以下の厚板の埋もれアーク溶接を実現するものである。
図12は、本実施形態2に係るアーク溶接方法の手順を示すフローチャート、図13は、第1の隅部の埋もれアーク溶接を示す側断面図、図14は、第2の隅部の埋もれアーク溶接を示す側断面図である。
まず、溶接により接合されるべき母材204、具体的には、両面レ型開先を有する板状の第1母材241及び第2母材242を用意する(ステップS211)。第1母材241及び第2母材242の板厚は、例えば20mm超、50mm以下である。なお、本実施形態3の溶接方法によれば板厚が9mm以上、50mm以下の第2母材242も溶接することができる。好ましくは、第2母材242の板厚は12mm以上、32mm以下である。ルート面の寸法は10mm以上36mm以下である。なお、両面レ型開先は一例であり、板厚によっては片面レ型開先でも良い。
次いで、溶接電源1の各種設定を行う(ステップS212)。溶接条件は実施形態1と同様である。
次いで、図13Aに示すように、第1母材241の表面と、第2母材242の端面との間にギャップを設けて第1母材241及び第2母材242を直角的に配置する(ステップS213)。例えば、第1母材241及び第2母材242をT継手となるように配置する。図13Aに示す例では、第1母材241の表面は鉛直方向を向き、第2母材242の表面は水平方向を向くように、第1母材241及び第2母材242が配されている。第1母材241及び第2母材242のギャップは1mmである。なお、1mmはギャップの一例であり、これに限定されるものでは無い。
溶接電源1の各種設定及び母材204の配置が行われた後、溶接電源1は、図13A及び図13Bに示すように、第1母材241及び第2母材242の交差部分に形成される第1の隅部204aを埋もれアークにて溶接する(ステップS214)。具体的には、溶接電源1は、溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、溶接電流を変動させることにより、第1の隅部204aの被溶接部を溶接する。溶接条件の詳細は実施形態1と同様である。図13Bは、第1の隅部204aの埋もれアーク溶接が行われた状態を示している。
次いで、第1の隅部204aの埋もれアーク溶接を行った後、図14A及び図14Bに示すように第2の隅部204bが上を向く姿勢で第1母材241及び第2母材242を配置する(ステップS215)。そして、溶接電源1は、第1母材241及び第2母材242の第2の隅部204bを埋もれアークにて溶接する(ステップS216)。溶接条件は、上記ステップS214と同様である。
以上の実施形態2に係るアーク溶接方法によれば、裏当てを用いること無く、T継手、角継手のように直角的に配置した20mm超、50mm以下の厚板を溶接することができる。
なお、上記実施形態2ではT継手を説明したが、第1母材241及び第2母材242の配置ないし継手の種類は一例であり、十字継手、角継手等となるように配置しても良い。また、直角的な配置には、第1母材241及び第2母材242の各表面が90度で交わるような配置はもちろん、実際の溶接において生ずる公差又は誤差の範囲で各表面が斜めに交差するような第1母材241及び第2母材242の配置も含まれる。また、本実施形態2に係る埋もれアーク溶接及び本溶接にて溶接が可能な範囲内で、各表面が斜めに交差するように第1母材241及び第2母材242を配置しても良い。更に、第1母材241及び第2母材242の配置姿勢も特に限定されるものでは無い。
(実施形態3)
実施形態3に係るアーク溶接方法は、溶融金属の垂れ落ちを防止するための裏当てを必要とせず、I開先、ルート面の大きい開先等を有し、接合する母材間のギャップが小さいT継手、角継手の完全溶け込み溶接を実現するものである。具体的には、本溶接前に裏側から隅肉溶接を行い、隅肉溶接ビードを裏当て材として利用し、次いで表側から完全溶け込み溶接を行うというものである。
図15は、本実施形態3に係るアーク溶接方法の手順を示すフローチャート、図16は、第1の隅部の隅肉溶接を示す側断面図、図17は、第2の隅部の完全溶け込み溶接を示す側断面図である。
まず、溶接により接合されるべき母材304、具体的には、I開先を有する板状の第1母材341及び第2母材342を用意する(ステップS311)。第1母材341及び第2母材342の板厚は、例えば約12mmである。
次いで、溶接電源1の各種設定を行う(ステップS312)。具体的には、溶接電源1は、後述するT継手の両隅部の溶接条件を、隅肉溶接については平均電流300A未満の範囲内で設定し、完全溶け込み溶接については平均電流300A以上の範囲内で設定する。
次いで、図16Aに示すように、第1母材341の表面と、第2母材342の端面との間にギャップを設けて第1母材341及び第2母材342を直角的に配置する(ステップS313)。例えば、第1母材341及び第2母材342をT継手となるように配置する。図16Aに示す例では、第1母材341の表面は鉛直方向を向き、第2母材342の表面は水平方向を向くように、第1母材341及び第2母材342が配されている。第1母材341及び第2母材342のギャップは1mmである。なお、1mmはギャップの一例であり、これに限定されるものでは無い。
溶接電源1の各種設定及び母材304の配置が行われた後、溶接電源1は、図16A及び図16Bに示すように、第1母材341及び第2母材342の交差部分に形成される裏側の隅部(第1の隅部)304aに対して隅肉溶接を行う(ステップS314)。例えば、溶接電源1は、ワイヤ径1.4mm、溶接電流250A、溶接電圧25Vの溶接条件で隅肉溶接を行う。図16Bは、裏側の隅部304aの隅肉溶接が行われた状態を示している。隅肉溶接によって、裏側の隅部304aに形成されたビードは、後の表側の溶接を行う際、裏当て材として機能する。従って、裏当てを用意する必要は無い。
なお、図16に示す例では、第2母材342の裏側が鉛直下方を向いているが、当該裏側の隅部304aが鉛直上方を向くように、第1母材341及び第2母材342を裏向けにして、隅肉溶接を行っても良い。
次いで、隅肉溶接を行った後、溶接電源1は、図17A及び図17Bに示すように第1母材341及び第2母材342の表側の隅部(第2の隅部)304bを溶接する(ステップS315)。例えば、溶接電源1は、ワイヤ径1.4mm、溶接電流580A、溶接電圧44Vの溶接条件で完全溶け込み溶接を行う。図17Bは、表側の隅部304bの完全溶け込み溶接が行われた状態を示している。裏当てとして機能する隅肉溶接ビードが裏側に形成されているため、溶融金属が裏側に垂れ落ちることを防ぎつつ、T継手の完全溶け込み溶接を行うことができる。なお、ステップS315で行う溶接条件は、これに限定されるものでは無く、実施形態1で説明した埋もれアークの溶接条件と同様、溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、溶接電流を変動させることにより、約12mm以上の溶け込み深さで溶接を行っても良い。ただし、ステップS315で行われる溶接において、裏当てとして機能している隅肉溶接のビードを貫通しないように、溶接条件を設定する。
以上の実施形態3に係るアーク溶接方法によれば、裏当てを用いること無く、T継手、角継手の完全溶け込み溶接を実現することができる。
通常のT継手の溶接では、開先が深くてルート面が小さく、ギャップも大きい場合、隅肉溶接を行おうとすると溶融金属の溶け落ちが生じてしまう。しかし、本実施形態3のように、本溶接に300A以上の高電流埋もれアーク溶接を利用するため、ルート面を大きくとり、ギャップを小さくすることが可能であり、裏側から隅肉溶接を行うことができ、隅肉溶接ビードを裏当ての代わりに利用することが可能になる。
なお、本実施形態3では、主に完全溶け込み溶接を説明したが、第1母材341及び第2母材342の表側の隅部304bを部分溶け込み溶接にて溶接しても良い。部分溶け込み溶接であっても、条件によっては溶融金属の垂れ落ちが生ずる場合があるが、本実施形態3の溶接方法によれば、予め裏側を隅肉溶接することにより、本溶接時の溶融金属の垂れ落ちを確実に防止することが可能である。
なお、上記実施形態3ではT継手を説明したが、第1母材341及び第2母材342の配置ないし継手の種類は一例であり、十字継手、角継手等となるように配置しても良い。第1母材341及び第2母材342の配置は、実施形態2と同様、これらに限定されるものでは無い。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 溶接電源
2 トーチ
3 ワイヤ送給部
4,204,304 母材
4a 表面
4b 裏面
4c 開先
5 溶接ワイヤ
5a 先端部
6 溶融部分
6a 埋もれ空間
61 底部
62 側部
7 アーク
11 電源部
11a 電源回路
11b 出力電圧設定回路
11c 周波数設定回路
11d 電流振幅設定回路
11e 平均電流設定回路
11f 電圧検出部
11g 電流検出部
11h 比較回路
12 送給速度制御部
41,241,341 第1母材
42,242,342 第2母材
204a 第1の隅部
204b 第2の隅部
304a 裏側の隅部(第1の隅部)
304b 表側の隅部(第2の隅部)
Vw 溶接電圧
Iw 溶接電流
Ecr 出力電圧設定信号
Ed 電圧値信号
Id 電流値信号
Ev 差分信号

Claims (5)

  1. 母材の被溶接部に溶接ワイヤを送給すると共に、溶接電源から該溶接ワイヤに溶接電流を供給することによって、前記溶接ワイヤの先端部及び被溶接部間にアークを発生させ、前記先端部及び被溶接部間に発生したアークによって前記母材に形成された凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記先端部を進入させて前記母材を溶接する消耗電極式のアーク溶接方法であって、
    少なくとも表面の被溶接部にルート面を有する開先が形成され、厚みが24mm超50mm以下の板状の第1母材及び第2母材を用意する工程と、
    表面が上を向く姿勢で前記第1母材及び第2母材を突き合わせて配置する工程と、
    前記溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、該溶接電流を変動させることにより、前記第1母材及び第2母材の表面の被溶接部を溶接する工程と、
    裏面が上を向く姿勢で前記第1母材及び第2母材を配置する工程と、
    前記第1母材及び第2母材の裏面の被溶接部を溶接する工程と
    を備えるアーク溶接方法。
  2. 前記開先は表面の被溶接部に形成されたY型開先であり、
    前記第1母材及び第2母材の厚みは25mm、前記Y型開先のルート面の寸法は18mm、開先深さは7mm、開先角度は90度である
    請求項1に記載のアーク溶接方法。
  3. 母材の被溶接部に溶接ワイヤを送給すると共に、溶接電源から該溶接ワイヤに溶接電流を供給することによって、前記溶接ワイヤの先端部及び被溶接部間にアークを発生させ、前記先端部及び被溶接部間に発生したアークによって前記母材に形成された凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記先端部を進入させて前記母材を溶接する消耗電極式のアーク溶接方法であって、
    板状の第1母材、及びI開先又はルート面を有する開先が形成され、厚みが20mm超50mm以下の板状の第2母材を用意する工程と、
    前記第1母材に対して前記第2母材を直角的に配置する工程と、
    前記溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、該溶接電流を変動させることにより、前記第1母材及び第2母材の第1の隅部を溶接する工程と、
    前記溶接電流の周波数が10Hz以上1000Hz以下、平均電流が300A以上、電流振幅が50A以上になるように、該溶接電流を変動させることにより、前記第1母材及び第2母材の第2の隅部を溶接する工程と
    を備えるアーク溶接方法。
  4. 母材の被溶接部に溶接ワイヤを送給すると共に、溶接電源から該溶接ワイヤに溶接電流を供給することによって、前記溶接ワイヤの先端部及び被溶接部間にアークを発生させ、前記先端部及び被溶接部間に発生したアークによって前記母材に形成された凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記先端部を進入させて前記母材を溶接する消耗電極式のアーク溶接方法であって、
    板状の第1母材及び第2母材を用意する工程と、
    前記第1母材に対して前記第2母材を直角的に配置する工程と、
    平均電流が300A未満の前記溶接電流にて、前記第1母材及び第2母材の第1の隅部を隅肉溶接する工程と、
    平均電流が300A以上の前記溶接電流にて、前記第1母材及び第2母材の第2の隅部に形成される凹状の溶融部分によって囲まれる空間に前記先端部を進入させて溶接する工程と
    を備えるアーク溶接方法。
  5. 前記第2の隅部を溶接する工程は、完全溶け込み溶接である
    請求項4に記載のアーク溶接方法。
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