JP2007196231A - 汚泥処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の浄水処理において発生する汚泥は、有効利用できないばかりでなく、処分に手間と費用がかかるものであった。
【解決手段】本発明による汚泥処理方法は、腐敗物質を含む汚泥に対し、光合成菌を含む有効微生物を付与する有効微生物付与工程と、有効微生物が付与された汚泥に電磁波を照射し、有効微生物による腐敗物質分解作用を促進させる腐敗物質分解工程と、この腐敗物質分解工程により腐敗物質が分解された汚泥を母材とし、この母材の上に新たな腐敗物質を含む汚泥を付与する汚泥追加工程と、汚泥追加工程および腐敗物質分解工程を所定回数繰り返した後、水分量が低下した汚泥をさらに乾燥させて有機肥料に転化させる肥料転化工程とを具え、腐敗物質分解工程は、有効微生物が付与された汚泥の水分量を太陽光により減少させる水分量減少工程を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は汚泥処理方法に関し、詳しくは腐敗物質を含む液状の汚泥を処理して有機肥料に転化させる方法に関する。
浄水場では、川やダムから取り入れた原水に含まれているごみや砂などを取り除いた後に塩素注入、ろ過処理などが行われる。日本の多くの浄水場では、このごみや砂を取り除く処理は次の流れで行われている。まず、最初に原水から大きなごみなどを取り除いた後、その水の中に浮遊している細かい砂などを沈めるためにポリ塩化アルミニウム等の凝集材が投入される。この凝集材によって水中に浮遊する細かい砂などは凝集され、沈み易いフロックが形成される。そして、このフロックが沈殿すると、その上澄みの水にろ過処理等が施され、飲料水として給水所へ送り出される。一方、沈殿したフロックは、天日で数ヶ月にわたり乾燥される。この乾燥の後、残った汚泥は凝集材が含まれる産業廃棄物として廃棄処理されている。廃棄処理は天日乾燥された汚泥をそのまま埋め立て処分したり、場合によってはさらに焼却処理を施して減量させた後、焼却物を埋め立て処分している。
ところで、農薬や酸性雨などにより公害物質が体積する土壌や湖沼などの汚泥に対して、有効微生物「EM(Effective Microorganisms)」と称されるシアノバクテリアや紅色細菌(赤菌)といった光合成菌を主に、乳酸菌、酵母菌などを加えた混合物を用いて処理することにより、前記土壌や汚泥を園芸用土などの有効利用できる資源に再生する試みが実施されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、汚泥有機物や硫黄、窒素、炭素酸化物およびシアン化合物等の公害堆積物を餌に動植物を蘇生させる有機物を合成する光合成細菌に酵母菌、乳酸菌などを加えた混合物(以下、これを有効微生物「EM」と称する)を、公害物質で汚染された土壌などに付与する。さらに、太陽光、白熱灯や蛍光灯などの光源、すなわち「電磁波」を土壌内に送ることによって、光合成細菌の活動を活発化させ、処理を加速させる。
この処理を加速させる装置は、太陽光を利用する集光部と、白熱灯などの光源に光ファイバを接続した光伝達部とからなる。集光部は楕円形の反射鏡を上面にした逆円錐形の集光部分とそこから連続する支持棒とを具えるものであり、該支持棒の内部は内側に反射面を有する筒状であり、集光部分で集光された太陽光を支持棒内部を通して支持棒の先端から放出することができる。また光伝達部は支持棒に集光部分の代わりに白熱灯などの光源が取付けられ、支持棒内部には光ファイバが通されており、光ファイバは支持棒の光源と接続されている側と反対の端部から外に出ている。このような構造の集光部および光伝達部の支持棒部分を土壌または汚泥に鉛直方向に突き刺して、土壌などの内部に光を照射する仕組みになっている。
このような一連の処理によって、汚染土壌または湖沼の汚泥中の腐敗物質や公害物質が分解される。さらに、このような公害物質等の分解処理が行われた土壌には、沢山の微生物が生息しているため、処理された土壌または汚泥はさらに加工されて作物の育成に有効な栄養分を多く含んだ肥料として利用することができる。
特許第2949211号明細書
しかしながら、次のような問題によって、有効微生物を用いた公害物質の処理は、例えば浄水場等から発生する液状の汚泥に対しては実施されていなかった。すなわち、凝集材によって凝集させて、フロックを沈殿させた浄水場における汚泥は、水分が90%程度含まれた液状のものである。したがって、湖沼などに沈殿する汚泥に比べて、汚泥の粘度が非常に低く、従来の加速装置を汚泥へ突き刺して自立させることが不可能である。つまり、従来の加速装置をそのまま設置することができない。
一方、浄水場における従来の汚泥処理は、上述したように産業廃棄物として焼却、埋め立て処分をしているので、年間の処理費用はかなりかかる。また、飲料水の供給は生活にかかせないものであるため、全国にはかなりの数の浄水場が存在する。したがって、焼却で減量されたとしても埋め立て処分される汚泥の量は全国規模では相当な量となり、年々累積していくので、今後埋め立て地の確保が難しくなる可能性もある。さらに焼却時には燃料エネルギーを消費するばかりでなく、COを発生させることになり、環境悪化の面においても好ましいものではない。
このように、従来、浄水処理において発生する汚泥はいわば負の資源であり、有効利用できないばかりでなく、処分に手間と費用がかかるものであった。
本発明のこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、水分含有率の高い汚泥を、環境悪化につながる副産物を発生させることなく、有効活用できる資源に再生させる汚泥処理方法を提供することを目的とする。安価な処理費用で汚泥を処理することができ、加えて処理に要する時間を従来よりも短縮させる汚泥処理方法を提供することをさらなる目的とする。
本発明による汚泥処理方法は、腐敗物質を含む汚泥に対し、光合成菌を含む有効微生物を付与する有効微生物付与工程と、前記有効微生物が付与された汚泥に電磁波を照射し、前記有効微生物による腐敗物質分解作用を促進させる腐敗物質分解工程と、該腐敗物質分解工程により腐敗物質が分解された汚泥を母材とし、この母材の上に新たな腐敗物質を含む汚泥を付与する汚泥追加工程と、該汚泥追加工程および前記腐敗物質分解工程を所定回数繰り返した後、水分量が低下した汚泥をさらに乾燥させて有機肥料に転化させる肥料転化工程とを具えることを特徴とするものである。
この場合、腐敗物質分解工程は、有効微生物が付与された汚泥の水分量を太陽光により減少させる水分量減少工程を含むものであってよい。
また、有効微生物付与工程と、腐敗物質分解工程と、汚泥追加工程と、肥料転化工程とが汚泥貯留槽にて行われ、腐敗物質分解工程は、浮き板およびこの浮き板の底面の鉛直方向下側に発光部分が位置するように取付けられた光源を有する加速器を汚泥貯留槽内の汚泥に浮遊させた状態で行うものであってよい。
本発明の汚泥処理方法によると、今まで産業廃棄物として処分されてきた汚泥を短期間で効率よく、かつ有害な副産物を発生させることなく、一次バイオマスなどの有機肥料に再生することができる。また、従来の装置では再生処理が難しかった液状の汚泥を短期間で効率よく一次バイオマスなどの有機肥料に再生することができる。
有効微生物が付与された汚泥を太陽光により天日乾燥させる乾燥工程を腐敗物質分解工程が含む場合、さらに短期間で腐敗物質を処理することができる。
有効微生物付与工程と、腐敗物質分解工程と、汚泥追加工程と、肥料転化工程とが汚泥貯留槽にて行われ、浮き板およびこの浮き板の底面の鉛直方向下側に発光部分が位置するように取付けられた光源を有する加速器を汚泥貯留槽内の汚泥に浮遊させた状態で腐敗物質分解工程を行う場合、液状の汚泥に対しても効率良く電磁波を照射させることができ、付与された有効微生物を活発に活動させて、腐敗物質の分解を加速させることができる。
本発明の実施形態について、以下に図面を参照して説明する。
浄水場では、原水に混じっている大きなごみや砂などをスクリーニングで取り除いた後、さらに水中に浮遊している細かい土砂などを沈めるために、ポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤を注入し、凝集剤と水とをよくかき混ぜる。さらにフロック形成池において、凝集剤の作用によって細かい土砂が凝集され、沈みやすいフロックが形成される。フロックが形成された水は沈殿池に送られ、この沈殿池で静置されて、底に沈殿した汚泥と上澄みの水に分離される。上澄みの水は塩素注入されたのち、ろ過池にてろ過処理がされ、消毒処理が行われた後、各給水所へ送水される。
一方、沈殿池に沈殿した汚泥に対し、本実施形態では以下に示すように、汚泥に有効微生物(EM)を付与し、この微生物の活動による汚泥処理を実施して、優良堆肥である一次バイオマスに変換する。
(実施形態1)
図1は本発明を実施し得る汚泥処理設備の一例を示す模式斜視図である。
図2は図1の汚泥処理設備をI−I線で切断した模式断面図である。
1は所定の広さ及び深さの汚泥貯留槽である。2は汚泥投入口であり、前記沈砂池と連通している。前記沈殿池に沈殿した液状のフロック(汚泥)はポンプ等で吸い上げられ、この汚泥投入口2を介して汚泥貯留槽1に集められる。汚泥貯留槽1の大きさおよび深さは汚泥体積と汚泥の乾燥度合の関係から任意に定められたものでよい。また、沈殿池が複数ある場合は、上澄みの水を抜き取った後の沈殿池を順次そのまま利用する形態であってもよい。
3は砂層であり、投入された汚泥が地下へ浸透するのを防止するために設けられている。
5は加速器であり、通常、汚泥の上に浮かべて使用される。加速器5は次の各部材から構成されている。
50はフロート(浮き板)であり、他の部材が搭載された状態で汚泥上に常に浮遊できる程度の浮力を有する素材および大きさで形成されている。材質は木材、発泡スチロールなど浮遊可能であればいかなるものであってもよい。
51は集光器であり、鏡状の逆円錐形の集光部とそこから延在する支持棒とを具えるものであり、該支持棒の内部は内側に反射面を有する筒状であり、集光部で集光された太陽光を支持棒内部を通して支持棒の先端51aから放出する。集光器51の先端51aは通常、汚泥内に浸かっており、先端51aから放出された太陽光は直接汚泥に作用できるようになっている。なお、本実施形態では集光部を逆円錐形としたが、本発明はこれに限定せず、太陽光を一点に集光できる形であれば凸レンズ状などいかなるものであってもよい。集光器51はフロート50に集光部を上にして鉛直方向に着脱可能に取付けられている。なお、本実施形態では鉛直方向に取付けるものとしたが、太陽光の角度または汚泥の状態に応じて、入射角度を変えて取付けられるようになっていてもよい。また、集光部も太陽の角度に応じて逆円錐面の向きが変えられるものであれば、常に、太陽光を最大限に取り入れられる。
52はランプであり、白熱灯、蛍光灯、赤外線ランプまたはLEDなどの発光体を防水加工された透明もしくは半透明の容器で保護したものである。ランプ52はフロート50の底面に懸架されており、常に汚泥内に浸かっている。フロート50とランプ52との距離は固定であってもよいが、鎖などで懸架されていて、必要に応じて上下できるようになっているものが好ましい。このランプ52は太陽光が望めない夜間においても、汚泥内の有効微生物に光を供給するために利用される。
有効微生物(EM)の活動を活発化させる「電磁波」として、上記太陽光のほかに、上述のランプ52からの白色光、赤外光などが挙げられる。ランプ52の発光体としてはLEDがより好ましく、赤色、青色、緑色3色のLEDを組み合わせ、これら3色を同時に照射する構成がもっとも好ましい。一定の波長分布と発光効率のよい3原色のLEDを同時発光させることで、有効微生物に対し、有効な光量子を行き届かせることが可能となる。
53は太陽電池パネルであり、54は太陽電池パネル53からの電気を蓄電するバッテリである。これら電力源はランプ52に電気を供給するために設けられているものである。このような独立電源を用いることにより、地上に電力源を必要とせずに、加速器を作動させることができる。また、太陽電池パネル53を用いることで、昼間、充電した電気を夜間利用することができ、非常に経済的で好ましい。なお、電源は太陽電池に限らず、他のものを用いてもよい。例えば、陸上に設けられた風力発電機から電気を供給する形であってもよい。その場合、バッテリ54までを陸上に設置し、コード配線によって加速器側へ供給する形態にすれば、フロート50表面により多くの集光器51を設置することも可能となる。また、陸上での発電は風力発電に限らず、この汚泥処理設備で生成された一次バイオマスを燃焼させるタービン発電であってもよい。このように生成物を次回生成のためのエネルギー源とすることにより、無駄なく生成物を利用することができる。
次に、汚泥に投入される有効微生物(EM)について、説明する。
有効微生物(EM)は藍色細菌や紅色細菌などの光合成菌に、乳酸菌および酵母菌などの発酵性細菌を加えたものである。汚泥に付与する菌体は、これら嫌気性細菌に栄養および呼吸が相補的関係にある好気性細菌をさらに加えたものであってもよく、好気性細菌と嫌気性細菌の両方を汚泥内で共生化させることにより、さらに有効微生物の活動を活発化させることができる。この各菌類の比率は、汚泥の濃度等に応じて任意に設定されるものとする。
このような汚泥処理設備における汚泥処理の手順について、以下に具体的に説明する。
図3は、汚泥処理の流れを示す模式図である。
まず、有効微生物による腐敗物質分解を行う前処理として、汚泥貯留槽1に液状の汚泥(フロック)を少量投入し、そのまま数日間天日乾燥させて、砂地の上に泥状の薄い汚泥層6を形成する(図3(a)参照)。この汚泥層6は、後に投入する有効微生物が水と一緒に砂地まで流れてしまうことを防止するためのものであり、この汚泥層6によって、有効微生物が液状の汚泥内に留まり、効率良く腐敗物質を分解する。なお、この前処理は本発明の汚泥処理方法に必須のものではなく、砂地の砂を粒子の細かいものにしたり、砂地の上にさらに粒子の細かい粘土層を設けるなど、有効微生物が水とともに汚泥処理槽1外へ流出してしまうことを防止できるものであればいかなるものであってもよい。
同図(a)に示すように、前処理で汚泥層6が形成された汚泥貯留槽1に、沈殿池の汚泥(フロック)が投入され、さらにそこに有効微生物が付与され、加速器が浮かべられる。この時点での汚泥の水分含有率は90%以上であり、ほとんど汚水状態である。そして、この汚泥に対し、日中は集光器からの太陽光が照射され、夜間はランプからの光が照射される。この照射された光によって、汚泥に投入された有効微生物が活発に活動し、腐敗物質等が分解されていく。
このように、フロートを浮かべて液面上部から汚泥貯留槽底部に向かって、太陽光およびランプからの光を照射することにより、液体中の有効微生物に効率よく光が照射され、有効微生物の活動を活発化させる一助となる。
加えて、日中、天日にさらされることにより、水分が蒸発して汚泥内の水分含有率は徐々に低下していく。この状態で数日間(30日程度)経過すると、汚水の水分がかなり蒸発して泥状になる。泥状ではフロートを浮かせることができないので、いったんフロートを汚泥貯留槽から取りだし、集光器のみを泥状の汚泥に突き刺す(図3(b)参照)。水分が蒸発したことで、汚泥中の腐敗物質の濃度が上がるので、有効微生物がさらに活発に活動する環境となる。この状態で数日間放置することにより、内部の有効微生物が増殖する。
次に、このようにかなり水分が蒸発し、有効微生物の含有比率が上がった汚泥7から集光器を抜き取り、前記有効微生物に米糠、堆肥、鶏糞などを混合した母材8を撒布する。つまり、汚泥貯留槽の底部から砂地3、前処理による汚泥6および乾燥して泥状になった汚泥7、母材8の順に堆積している。このように母材8と砂地3の間に汚泥層6,7を設けることにより、母材内の有効微生物が水とともに流出してしまうことを防止する。ここに、沈殿池から新しい汚泥(汚水状態)を投入し、加速器を浮かべる(図3(c)参照)。
そして、さらに新たな有効微生物が投入され、集光器およびランプによって、光が照射される。この時点での有効微生物の数は、最初に投入された汚水(図3(a)の時点)の汚水に比べて先に投入され増殖した有効微生物および母材が含まれている分だけ多い。したがって、これら有効微生物は新たな餌を得たことで、さらに活発に活動し、汚泥の分解速度は加速する傾向となる。
この状態で数日間放置して、同じく水分を蒸発させ、泥状になるとフロートを汚泥貯留槽から取りだし、集光器のみを突き刺して、処理を続行する。そして、また母材を撒布した後に、沈殿池から新たな汚泥(汚水状態)を投入する。
このように、汚泥(汚水状態)投入、ランプ、集光器併用による照射、水分乾燥、集光器のみからの照射、母材投入、新たな汚泥(汚水状態)投入を繰り返すことにより、汚泥処理を行う。繰り返し回数が多くなるほど、汚泥内に含まれる有効微生物の数が増加することになるので、有効微生物の投入は汚泥処理の進行状況に応じて調節してもよい。
また、最初に投入される有効微生物と、母材とともに投入される有効微生物の菌体の種類は、異なっていてもよく、汚泥または汚水の汚染物質の内容および菌体の生息環境に応じて、適宜変更されるのが好ましい。
全ての汚泥(汚水状態)を投入し終え、天日で乾燥させると、図3(d)に示すように、一次バイオマスが形成される。
また、図3では前処理の後、液状の汚泥および有効微生物を投入し、その汚泥の水分を蒸発させて汚泥層を形成してから母材を投入しているが、本発明はこれに限らず、前処理の直後に母材を投入する順序であってもよい。
図4は、前処理の直後に母材を投入する形態のタイムスケジュールを示す模式図である。
まず、汚泥投入し天日乾燥させて砂地の上に汚泥層を形成した後、母材を投入し同時に有効微生物と処理対象の液状汚泥を投入する。そして、そこに加速器を浮かべて腐敗物質分解を促進させる。この状態で1ヶ月放置すると、汚泥中の水分が蒸発して泥状の汚泥となる。この泥状の汚泥に集光器を突き刺し、さらに腐敗物質を分解させる。同時に天日乾燥されて一次バイオマスが形成される。
このような処理順序で実施した場合、一例として前処理から一次バイオマスが生成されるまで、4ヶ月程度を要する。しかしながら、これはあくまでも一例であり、汚泥貯留槽の大きさや処理する汚泥量、また、加速器の台数、汚泥処理を実施する環境の温度に応じて変わるものである。
なお、図面上では加速器は一基しか記載していないが、本発明はこれに限らず、汚泥貯留槽の面積に応じて、複数基配置されてもよい。
このように、フロートを有する加速器を利用することにより、処理対象が水分含有率の非常に高いもの、すなわち液体などであっても、有効微生物を活発に活動させることができ、比較的短期間で一次バイオマスに再生することができる。さらに、投入された汚水を乾燥させて、泥状に変化させたところに新たな汚水を投入することにより、水分含有率が高い対象に対しても、効率良く有効微生物を活動させることができ、汚泥処理を加速させることができる。
したがって、今まで産業廃棄物として処理されてきた汚泥を一次バイオマスにすることができ、廃棄物を減量できるばかりでなく、価値ある資源として再生することができる。
(実施形態2)
実施形態1では、加速器は汚泥貯留槽に浮かんだ状態で静置されている。しかしながら、汚泥貯留槽の大きさによって、加速器から照射する光が十分に行き渡らない部分が発生する場合がある。そうなると、有効微生物が汚泥全体で均等に活動しないばかりか分布にもむらを生じさせる可能性がある。そこで、本実施形態では、加速器を陸上から牽引することにより、液面全体をくまなく走査させ、すみずみまで十分に光が照射されるようにする。
加速器の走査は、加速器にロープを取付け、該ロープを陸上より牽引することにより行う。ロープの牽引は手動または自動で行われ、自動の場合はウィンチ等によって行われる。液面上の走査は数日おきに行われる程度でよい。
(実施形態3)
実施形態1では、加速器は太陽光およびランプからの光を照射するだけの構成であるが、有効微生物は、光とともに加熱を行い、生息する環境温度を有効微生物の活動に適した温度にすることで、さらに活動が活発になり、処理が加速される。そこで、本実施形態では、さらに温水ラジエータを設け、汚泥(汚水)を加熱することにより、常に有効微生物に適した温度環境を維持する。
図5は、本発明を実施し得る汚泥処理設備の他の一例を示す断面図である。
加速器5の構成は実施形態1とほぼ同様であるが、さらに温水ラジエータ55が設けられている。温水ラジエータ55の駆動電源はバッテリ54から供給されるものとする。
この温水ラジエータの作動により、汚泥(汚水)を加熱し、常に有効微生物の活動がもっとも活発化する温度環境を維持する。したがって、温水ラジエータがない場合に比べて腐敗物質の分解が加速される。
なお、温水ラジエータの作動等は、汚泥の状態に応じて、適宜調節されるものとする。
実施形態1から実施形態3を通して、浄水場から発生する液状汚泥の処理について説明したが、本発明はこれに限らず、比較的水分含有率の高い汚泥の処理に対して有効である。例えば、下水処理にも適用可能である。
実施形態1における汚泥処理設備を示す斜視図である。 図1のI−I線による断面図である。 実施形態1における汚泥処理の流れを示す模式図であり、(a)は第一汚泥処理工程を示し、(b)は汚泥再投入工程を示し、(c)は第二汚泥処理工程を示し、(d)は処理が完了した一次バイオマスを示す。 処理のタイムスケジュールを示す模式図である。 温水ラジエータを具えた汚泥処理設備を示す断面図である。
符号の説明
1 汚泥貯留槽
2 汚泥投入口
3 砂
4 汚泥
5 加速器
50 フロート
51 集光器
51a 先端
52 ランプ
53 太陽電池パネル
54 バッテリ
55 温水ラジエータ
6 汚泥層(前処理による堆積分)
7 汚泥層
8 母材

Claims (3)

  1. 腐敗物質を含む汚泥に対し、光合成菌を含む有効微生物を付与する有効微生物付与工程と、
    前記有効微生物が付与された汚泥に電磁波を照射し、前記有効微生物による腐敗物質分解作用を促進させる腐敗物質分解工程と、
    該腐敗物質分解工程により腐敗物質が分解された汚泥を母材とし、この母材の上に新たな腐敗物質を含む汚泥を付与する汚泥追加工程と、
    該汚泥追加工程および前記腐敗物質分解工程を所定回数繰り返した後、水分量が低下した汚泥をさらに乾燥させて有機肥料に転化させる肥料転化工程と
    を具えることを特徴とする汚泥処理方法。
  2. 前記腐敗物質分解工程は、前記有効微生物が付与された汚泥の水分量を太陽光により減少させる水分量減少工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の汚泥処理方法。
  3. 前記有効微生物付与工程と、前記腐敗物質分解工程と、前記汚泥追加工程と、前記肥料転化工程とが汚泥貯留槽にて行われ、
    前記腐敗物質分解工程は、浮き板およびこの浮き板の底面の鉛直方向下側に発光部分が位置するように取付けられた光源を有する加速器を前記汚泥貯留槽内の汚泥に浮遊させた状態で行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汚泥処理方法。
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