本発明の雀球遊技機は、複数の得点増加手段を備えた雀球遊技機である。この得点増加手段とは、遊技者が上がり役を完成させると、予め上がり役ごとに設定された入賞に伴うメダル枚数の他に、この上がり役を完成させたときの上がり条件が所定の条件を満たしていると、さらに加算するメダル枚数を求め、この加算メダル枚数も遊技者に払い出すメダル数を増加させる手段を示す。
本発明の雀球遊技機の特徴は、予め複数種の得点増加手段を備え、遊技者は、各ゲームの開始時に、この複数種の得点増加手段から予め設定された規定数の得点増加手段を任意に選択可能にしたことにある。そして、遊技者は上がり役を完成させると、この上がり役に設定された入賞に伴うメダル枚数を求める処理と、ゲーム開始前に選択した所定数の得点増加手段を順次作動させて、さらに、加算(増加)した枚数のメダルを払い出すことが可能か否かを判定し、可能と判定された場合には、選択された得点増加手段ごとに予め設定された増加のメダル枚数を求め、この増加したメダル枚数も獲得できるようにした雀球遊技機である。
本発明において、ゲームの開始時に、複数種の得点増加手段から規定数の得点増加手段を遊技者に選択させる方法は、例えば、次の手段を採用することができる。
すなわち、雀球遊技機が備えている液晶表示装置等の表示手段に、予め備えている複数種の得点増加手段の名称、またはこれら得点増加手段を表すメニューを表示し、遊技者はこの画面表示と対話方式により希望する得点増加手段を選択するようにする。図20はこの画面表示の一例を示すが、その詳細は後記する。
図21は、本発明の雀球遊技機が予め備えている複数種の得点増加手段と、この各得点増加手段を実行するためのプログラム名の一例を示す。図21に示すように、本発明の雀球遊技機は、ドラ牌による得点増加手段A、風牌による得点増加手段B、リーチによる得点増加手段C、得点増加上がり役による得点増加手段D、自摸回数による得点増加手段Eのように、少なくとも4種以上の得点増加手段を備えている。
続いて、図21に示している得点増加手段A、B、C、D、Eの概要について説明する。
(ドラ牌による得点増加手段A)
ドラ牌による得点増加手段Aは、遊技者が上がり役を完成した手牌データにドラ牌の図柄コードが含まれていることを、得点(メダル)増加の可否を判定するための上がり条件とした手段である。前記のように、ドラ牌による得点増加手段Aは、従来の雀球遊技機にも採用されている手段であって、例えば、ドラ牌1個に付き所定の枚数、例えば3枚のメダルを増加(加算)する処理を行なう。
なお、ドラ牌による得点増加手段Aが採用するドラ牌としては、表ドラと裏ドラの2種があり、1ゲームの開始時に抽選により各1個の図柄が決定される。表ドラは、上がり役が完成した手牌データにこの表ドラが含まれていると無条件でメダル枚数が増加される。一方、裏ドラは、遊技者の手牌が聴牌してリーチの操作を行なって上がった場合に、この上がった手牌データに裏ドラが含まれているとメダル枚数を増加する処理を行なう。
(風牌による得点増加手段B)
風牌による得点増加手段Bは、1ゲームの開始時に、風牌である「東」「南」「西」「北」のなかからいずれか一つの図柄を抽選により決定する。そして、遊技者が上がり役を完成させたときの手牌に、この抽選により決定した風牌の図柄が「刻子」として含まれていることを、得点増加の可否を判定するための上がり条件としたものである。風牌による得点増加手段Bにおいては、上がり役を完成させたときの手牌に、ゲーム開始前に抽選により決定された風牌の図柄がが「刻子」として含まれていると、例えば、3枚のメダルを増加する処理を行なう。
(リーチによる得点増加手段C)
リーチによる得点増加手段Cは、遊技者の手牌が聴牌の状態になってリーチをかけて上がり役を完成させたときの自摸操作の回数、すなわち、リーチ後の自摸回数を、得点増加の可否を判定するための上がり条件とした得点増加手段である。リーチによる得点増加手段Cにおいては、上がり役を完成したときのリーチ後の自摸回数が予め設定された回数に一致していると、この回数に応じて予め設定されているメダル枚数が増加メダル枚数として獲得できるようにしている。このリーチによる得点増加手段Cを採用すると、例えば、「リーチ一発」で上がると、遊技者はさらに多くの増加メダル枚数を獲得できるようにすることも可能になり、遊技者のゲーム進行の興趣を高めることができる。
(得点増加上がり役による得点増加手段D)
得点増加上がり役による得点増加手段Dとは、1ゲームの開始時に、予め設定された上がり役のなかからいずれか一つを抽選により、得点増加のための上がり役として決定する。そして、遊技者が上がり役を完成させたときの上がり役が、この抽選により決定した得点増加のための上がり役と同一であると、この得点増加の上がり役ごと予め設定されたメダル枚数を加算するメダル枚数とする処理を行なう。
得点増加上がり役による得点増加手段Dにおいて、抽選により決定する得点増加のための上がり役は、ビッグゲーム役やチャンスゲーム役の対象にならない上がり役であって、かつ、上がり役を完成したときに入賞により獲得できるメダル枚数が少ない上がり役、すなわち、比較的上がり易い複数の上がり役から、抽選により少なくとも一つを決定するようにするとよい。雀球遊技機においては、ビッグゲーム役の権利を獲得できる頻度はかなり低い。従って、遊技者が得点増加上がり役による得点増加手段Dを選択すると、入賞により獲得できるメダル枚数が少ない上がり役で上がっても、増加メダル枚数を獲得できるチャンスが拡大することになる。
(自摸回数による得点増加手段E)
自摸回数による得点増加手段Eは、遊技者の手牌が上がり役を完成したときの得点増加の可否を判定するための上がり条件として、記憶装置に記憶している配牌後の自摸操作の回数(以下、自摸回数という)を判定し、この自摸回数が予め設定された値以下、あるいは所定の値であると、この値(自摸回数)に対応して設定されているメダル枚数を増加メダル枚数とする得点増加手段である。なお、自摸回数は、遊技球の残り個数と逆の関係になる。従って、本発明において、自摸回数による得点増加手段Eは、遊技者が自摸の操作を行なうごとに、残り遊技球の個数を把握し、この残り遊技球を、得点増加の可否を判定するための上がり条件とした得点増加手段E(残り遊技球の個数による得点増加手段E)としてもよい。
自摸回数による得点増加手段Eにおいては、遊技者はより少ない自摸回数、すなわち、早上がりを達成すると、さらに、加算されたメダルの獲得を可能にすることができる。
(雀球遊技機の構成)
続いて、本発明を実施するための雀球遊技機の構成について説明する。本発明の雀球遊技機は、従来から提案されている雀球遊技機と同じように、27種の牌の図柄を各4個、計108個の牌を用いてゲームを行なうようにした遊技機である。この27種の牌の図柄は、萬子が「一萬」〜「九萬」の9種、筒子が「一筒」〜「九筒」の9種、索子が「一索」と「九索」の2種、字牌が「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の7種としている。従って、萬子と筒子と索子が数牌となるが、索子は「一索」と「九索」のみ設けているので、「順子」を形成することができない牌種、すなわち、字牌と同じ牌種とみなすことができる。
なお、上記した2種の数牌は、例えば、萬子を「一萬」〜「九萬」の9種の図柄、索子を「一索」〜「九索」の9種の図柄から構成し、筒子を「一筒」と「九筒」、字牌を「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の7種から構成される牌の図柄を有する雀球遊技機としてもよい。また、本発明の雀球遊技機は、3種の数牌(萬子、筒子、索子)と字牌の計4種類の牌種から構成され、計136個の図柄を使用する雀球遊技機として実施することも可能である。
まず、本発明の雀球遊技機について、筐体の前面部の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す雀球遊技機において、その筐体の前面部の構成を示す正面図である。図1に示すように、雀球遊技機1の前面部は、基本的には遊技盤2、操作パネル3、操作パネル3の下方に設けられた遊技球発射レバー4、メダル受け皿5、スピーカー6から音声や効果音を出力する音声出力口7、ランプ装置8、ガイドレール9、等から構成されている。
遊技盤2の構成は図2に示すように、ガイドレール9に囲まれた遊技盤2の中央には、表示手段となる液晶表示装置から構成される第1の表示装置10、表示装置10の上方には特別入賞装置(以下、アタッカーという)11、アタッカー11の右側には遊技球が通過可能なアタッカー作動口12が配設されている。また、アタッカー11の斜め上方には、入球口13aと13bが配置されている。さらに、遊技盤面部2の下方部2aには、図3に示すように、横方向に25個の入球口13c、13d、13e、13f、13g、・・・が配置されている。
各入球口には、牌の図柄が表示されている。これら27個の入球口13a、13b、・・・の配置は、例えば、アタッカー11の斜め左上には「一索」の入球口13a、同じく斜め右上には「九索」の入球口13bが配置されている。さらに、表示装置10の下側であって遊技盤面部2の下方部2aには、図3に示すように、横方向に、最左端には「東」の入球口13c、続いて「南」の入球口13d、「一萬」の入球口13e、・・・、最右端には「北」の入球口が配置されている。
遊技盤2には、さらに、ランプ付き飾り装置14、風車15、等が設けられている。ランプ装置8、ランプ付き飾り装置14に用いる発光体は、種々のカラー色を発光するLEDを使用する。なお、遊技盤2には、発射された遊技球の動きを案内するために多数本の釘が配設されているが、図2にはこれらの釘は図示していない。さらに、遊技盤2の上方部には、ドット表示等から構成される表示装置36が設けられている。
操作パネル3には、図4に示すように、表示手段となる液晶表示装置から構成される第2の表示装置16、メダル投入口17、各種の操作ボタン(ボタンスイッチ)が設けられている。この各種の操作ボタンは、ゲーム開始(BET)ボタン18、13個の手牌の図柄に対応してボタンが横方向に配設され、捨て牌の操作を行なうための捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、自摸した牌を捨て牌とする操作を行なうための自摸捨て牌用ボタンスイッチ20、手牌が聴牌したときにリーチをかけるための手段(リーチ操作入力手段)となるリーチボタン21、右シフトボタン22a、左シフトボタン22b、選択決定ボタン23、遊技終了ボタン24、メダル払出しボタン25、等から構成されている。なお、捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、自摸捨て牌用ボタンスイッチ20は、手牌から不要な牌を選択して捨てる操作を行なう手段になり、その下部にはそれぞれのボタン名を示す「A」、「B」、「C」、・・・、「N」が表示されている。また、図4には、左右のシフトボタン22a、22bのみを示しているが、さらに、上下のシフトボタンを設けてもよい。
遊技者が上記した各種のボタンを操作する(押圧してスイッチ接点をONする)と、例えば、捨て牌用ボタン19aを押圧すると捨て牌信号が発生し、この信号がマイクロコンピュータから構成される制御基板に入力される。そして、制御基板のROMに搭載されているソフトウエア(以下、プログラムという)は、入力された信号を解析し、この解析した入力信号に対応する処理を実行することによりゲームが進行する。
第1の表示装置10および第2の表示装置16は、遊技者に対してゲームの進行に応じて必要な情報、および演出用画像を表示するために使用される。
第1の表示装置10は、主として、遊技者が手牌から不要な牌を捨てる捨て牌の操作を行なうとき、および、手牌に1個の牌を追加する自摸操作を行なうときに、捨て牌とすべき牌、自摸すべき牌の図柄を事前にアシストするために表示する手段として使用される。これにより、麻雀の知識が少ない初心者も気楽にゲームを楽しむことが可能になる。
第2の表示装置16は、主として、遊技者が雀球遊技機に貯留している現在のメダル枚数、1ゲームの実施中における遊技球の残り個数、遊技者の手牌を構成する牌の図柄、遊技者が捨て牌として捨てた牌の図柄、等を表示する手段として使用される。
図5は、第2の表示装置16に各種の画像や情報を表示したときの表示例を示している。図5に示すように、表示装置16の表示面の上部横方向には、メダル貯留枚数表示部26、遊技球の残り個数を表示する遊技球の残り個数表示部27、表ドラの図柄を表示する表ドラ表示部28a、裏ドラの図柄を表示する裏ドラ表示部28b、風牌の図柄を表示する風牌表示部29、演出画像表示部30、捨て牌の図柄を表示する捨て牌表示部33が設けられている。
遊技者がゲーム開始時に得点増加手段のうちドラ牌による得点増加手段Aを選択すると、抽選により決定された表ドラの図柄が表ドラ表示部28aに、遊技者がリーチボタン21を押圧してリーチをかけると、裏ドラの図柄が裏ドラ表示部28bに表示される。
同様に、遊技者がゲーム開始時に得点増加手段のうち風牌による得点増加手段Bを選択すると、抽選により決定された風牌の図柄が風牌表示部29に表示される。
演出表示部30の上方部には、当該ゲームで獲得できる特別遊技役のうち、ビッグゲーム役の権利を得ることができる上がり役を表示するビッグゲーム上がり役表示部31と、チャンスゲーム役の権利を得ることができる2種の上がり役を表示するチャンスゲーム上がり役表示部32aと32bが設けられている。演出表示部30には、上がり役を完成させたとき等に演出画像が表示される。
また、遊技者がゲーム開始時に得点増加手段のうち得点増加上がり役による得点増加手段Dを選択すると、抽選により決定された上がり役が、演出表示部30の下方部に設定した得点増加上がり役表示部32cに表示される。捨て牌表示部33には、遊技者が現在までに捨て牌とした図柄が捨て牌を行なった順に表示される。
さらに、第2の表示装置16の下部横方向には、13個の手牌の図柄を表示する手牌表示部34、自摸操作により自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部35が設けられている。なお、手牌表示部34および自摸牌表示部35に表示する各図柄の下部には、手牌から不要な牌を捨てる捨て牌操作手段となる捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、20と対応するボタン名(A、B、C、D、E、・・・、M、N)が表示されている。手牌表示部34に表示される牌の図柄は、所定の順序、例えば、後記する牌の図柄コードの順に、カラーで表示される。そして、表示装置16の各表示部は、ゲームの進行に応じて牌の図柄、演出画像、数値等がプログラム処理により更新して表示される。
第1の表示装置10は、例えば、ゲーム実施当日において実施されたゲーム結果に関する情報を表示する手段、遊技者が遊技球発射レバー4を操作して遊技球を発射する前、すなわち、自摸操作を行なう前に自摸すべき牌の図柄を、同じく、捨て牌の操作を行なう前に捨て牌とすべき牌の図柄を、遊技者にアシストするために表示する手段、および上がり役を完成したときの演出画像を表示する手段として使用される。
第1の表示装置10に表示する画面例Rを図6に示す。図6において、表示画面Rには、当日のゲーム実施回数37a、同じく当日の上がり回数37b、当該ゲームの直前に実施されたゲーム結果が流局の場合は、その連続流局回数38、当該ゲームにおいて遊技者が行なった自摸回数39、等を表示する領域が設けられている。なお、この連続流局回数38とは、当該ゲームの直前迄に実施されたゲーム結果において、その連続した流局ゲームの回数を示し、例えば、流局ゲームが10回連続している場合には「10」が表示される。
図6に示す画面表示の中央部には、現在の手牌が14個であって、遊技者が手牌から捨て牌操作を行なう前に、捨て牌支援プログラムが判定した捨て牌とすべき牌の図柄を表示する。図6に示す例では、「北」の図柄を捨て牌とすべきことを遊技者にアシストしている。
同様に、遊技者の手牌が13個であって自摸操作を行なう前には、この画面表示の中央部には、自摸牌支援プログラムが判定した自摸すべき牌の図柄を表示する。
雀球遊技機1の筐体内部の所定位置には、本発明の雀球遊技機1の動作を制御するための制御基板が搭載されている。この制御基板は、例えば、図7に示すように、メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、第1の画像制御基板Kc、第2の画像制御基板Kdから構成されている。これら制御基板Ka、Kb、KcおよびKdは、それぞれマイクロプロセッサであるCPU40a、40b、40c、40d、記憶装置(ROM)であるROM41a、41b、41c、41d、同じく記憶装置(RAM)であるRAM42a、42b、42c、42d、入出力インターフェイス(I/F)回路43a、43b、43c、43d、通信用インターフェイス(I/F)回路44a、44b、44c、44d等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。
メイン制御基板Kaとサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbと第1の画像制御基板Kc、およびサブ制御基板Kbと第2の画像制御基板Kdとは、ケーブル線T1、T2、T3により接続されてデータ通信が可能になっている。これにより、メイン制御基板Kaから第1の画像制御基板Kcまたは第2の画像制御基板Kdにデータを送信する場合には、サブ制御基板Kbを経由してデータが送信されることになる。なお、各制御基板のRAM42a〜42dは、雀球遊技機1の電源がOFFされたときにもその記憶内容が保持されるようにすることが望ましい。
メイン制御基板Kaに搭載されている入出力インターフェイス回路43aには、ゲームを実施するときに遊技者がメダル投入口17に投入したメダルを検出するメダル投入センサ17a、各入球口13a、・・・等に入球した遊技球を検出するための入球センサ、捨て牌用ボタンスイッチ19a、・・・、および各種のボタンスイッチ等が接続され、その入力信号がメイン制御基板Kaに入力されるようになっている。さらに、入出力インターフェイス回路43aには、遊技者にメダルを払い出すためのメダル払出装置、遊技球を発射装置に送るための遊技球送り装置、アタッカー11の開閉を制御するアタッカー開閉装置等が接続され、プログラムの制御によりこれらの装置に制御信号が出力されるようになっている。また、入出力インターフェイス回路43aには、表示装置36が接続されている。
サブ制御基板Kbに搭載されている入出力I/F回路43bには、ランプ8、14等が接続されている。第1の画像制御基板Kcの入出力I/F回路43cには、第1の表示装置10が接続され、第2の画像制御基板Kdの入出力I/F回路43dには、第2の表示装置16、スピーカー6が接続されている。
雀球遊技機1の動作を制御するプログラムは、各制御基板Ka、Kb、Kc、KdのROM41a〜41dに記憶(搭載)されている。また、各RAM42a〜42dは、これらプログラムが作動するときに各種のデータの記憶、読み込みやデータの作成、計算等を行なうための記憶領域(ワークエリア)として使用される。なお、CPU40a〜40dとしては、各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdに要求される機能を適切に処理することができるように、8ビット、16ビットあるいは32ビットのCPUの何れかを採用するようにする。上記した各制御基板Ka、Kb、Kc、KdとROM41a〜41dに記憶されているプログラムは、本発明の雀球遊技機の動作を制御する手段になる。
(メイン制御基板Ka搭載のプログラム)
続いて、メイン制御基板Kaに搭載されているプログラムの構成について説明する。メイン制御基板KaのROM41aには、雀球遊技機1のゲームの進行を統括して制御するための各種のプログラムが記憶されている。
メイン制御基板KaのROM41aに搭載されているプログラムは、例えば、図8に示すように、メイン制御プログラムP1、メダル管理プログラムP2、遊技球管理プログラムP3、自動配牌プログラムP4、特別遊技役抽選プログラムP5、ドラ抽選プログラムP6、風牌抽選プログラムP7、得点増加上がり役抽選プログラムP8、入賞判定プログラムP9、メダル払出制御プログラムP10、自摸牌選択支援プログラムP11、ゲーム履歴データ記録プログラムP12、加算メダル枚数算出プログラムP13、等から構成されている。
これらのプログラムのうち、メイン制御プログラムP1は、雀球遊技機1の動作を統括して制御するメインプログラムであり、さらにサブプログラムとして入力信号解析プログラムP1a、通信制御プログラムP1b、遊技球残り個数カウントプログラムP1c、自摸回数カウントプログラムP1d、リーチ後自摸回数カウントプログラムP1e、得点増加メニュー選択プログラムP1f、等を備えている。このうち、リーチ後自摸回数カウントプログラムP1eは、遊技者がゲーム開始時に得点増加手段としてリーチによる得点増加手段Cを選択したときに作動される。
入力信号解析プログラムP1aは、ゲーム開始ボタン18、捨て牌用ボタンスイッチ19a、・・・等、リーチボタン21、右シフトボタン22a、左シフトボタン22b、選択決定ボタン23、遊技終了ボタン24、メダル払出しボタン25等から操作信号がメイン制御基板Kaに入力されたときに、これらの入力信号を解析する処理を行なうためのプログラムである。
また、通信制御プログラムP1bは、サブ制御基板Kbとの通信を行なうためのプログラムである。この通信においては、送信するデータは如何なる処理を行なうかを予め設定した制御コマンドと、この制御コマンドと共に送信される制御データ等から構成されるデータが、通信データとして送信される。なお、メイン制御基板Kaが第1の画像制御基板Kc、および第2の画像制御基板Kdにデータを送信するときは、サブ制御基板Kbを経由して送信される。
前記したように、遊技者は、1ゲームに付き規定個数の遊技球を遊技球発射レバー4から自摸操作として発射することが可能である。遊技球残り個数カウントプログラムP1cは、この規定個数の遊技球の残り個数をカウントしてRAM42aに記憶する処理を行なうプログラムである。なお、遊技球残り個数カウントプログラムP1cは、遊技者が発射した遊技球が入球口13a、13b、等への入球信号に基づいて遊技球の残り個数を「−1」する処理を行なう。
自摸回数カウントプログラムP1dは、ゲーム開始後に遊技者が行なった自摸回数、すなわち、遊技者が遊技球発射レバー4を操作して遊技球を発射した回数をカウントしてRAM42aに記憶する処理を行なうプログラムである。自摸回数カウントプログラムP1dは、遊技者が発射した遊技球が入球口13a、13b、等への入球信号に基づいて自摸回数を「+1」する処理を行なう。
リーチ後自摸回数カウントプログラムP1eは、遊技者の手牌データが聴牌の状態になって、遊技者がリーチボタン21を押圧してリーチをかけた後に遊技者が行なった自摸回数、すなわち、リーチ後の自摸回数をカウントしてRAM42aに記憶する処理を行なうプログラムである。
得点増加メニュー選択プログラムP1fは、本発明の雀球遊技機が予め備えている前記した得点増加手段A〜E等について、ゲーム開始時に、これら複数種の得点増加手段から予め設定された規定数の手段を任意に遊技者に選択させる処理を実行するためのプログラムである。この得点増加メニュー選択プログラムP1fは、複数種の得点増加手段に対応するメニューを第2の表示装置16(または第1の表示装置10)に表示し、前記したスイッチA〜Eの操作により、1ゲームごとに希望する得点増加手段を遊技者に選択させるための制御を行なう。
なお、本発明において、1ゲームのゲーム開始時に、前記した得点増加手段A〜E等から遊技者が選択する得点増加手段の数は、少なくとも1種とし、さらに、選択可能な得点増加手段の数(規定数)は、例えば、最大3種までとするように設定する。その理由は、ゲーム進行の興趣を高めるためには、遊技者は少なくとも1種以上の得点増加手段を任意に選択可能にすることが望ましいからである。一方、4種以上の得点増加手段を選択可能にすると、この選択操作に時間を要することも考えられ、1ゲームが終了するまでの時間が長くなる可能性が生じるからである。
図20は、得点増加メニュー選択プログラムP1fの制御に基づいて、ゲーム開始時に、複数種の得点増加手段A〜Eから遊技者に予め設定された規定数の手段を選択させるための得点増加メニュー選択画面Sの一例を示している。得点増加メニュー選択画面Sは、例えば、第2の画像制御基板Kdに搭載され、得点増加メニュー表示手段となる得点増加メニュー表示プログラムP42c(図15参照)により表示装置16に表示される。
図20に示す得点増加メニュー選択画面Sは、そのボタンs1欄に捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、19c、19d、19eのボタン名称であるA、B、C、D、Eに対応して、各得点増加手段A〜Eを表すメニュー欄s2と、その増加メダル枚数欄s3を表示した画面である。
図20に示す例では、ドラ牌による得点増加手段Aが捨て牌用ボタンスイッチ19aに対応し、風牌による得点増加手段Bが捨て牌用ボタンスイッチ19bに対応し、リーチによる得点増加手段Cが捨て牌用ボタンスイッチ19cに対応し、得点増加上がり役による得点増加手段Dが捨て牌用ボタンスイッチ19dに対応し、自摸回数による得点増加手段Eが捨て牌用ボタンスイッチ19eに対応することを示している。
また、メニュー欄s2には、各得点増加手段A〜Eを表す名称、あるいはそのメニューを表す名称を表示する。図20に示す例では、ドラ牌による得点増加手段Aのメニューとして「ドラ牌(表ドラ、裏ドラ)」、リーチによる得点増加手段Cのメニューとして「リーチ一発」等、遊技者が理解し易いような各得点増加手段A〜Eに対応するメニューの名称を表示するようにする。
そして、遊技者が捨て牌用ボタンスイッチ19a(A)を押圧すると、得点増加メニュー選択プログラムP1fは、ドラ牌による得点増加手段Aが選択されたと判定し、ドラ牌による得点増加手段Aに関する情報、例えば、ドラ牌による得点増加手段Aを表す識別情報となる識別コード「A」をRAM42aに記憶する処理を行なう。続いて、得点増加メニュー選択プログラムP1fは、ドラ牌による得点増加手段Aが選択されたことを表す制御コマンドを第2の画像制御基板Kdに送信する。
第2の画像制御基板Kdは、この制御コマンドを受信すると、得点増加メニュー表示プログラムP42cは、図20に示すように、選択されたドラ牌による得点増加手段Aに関するボタン欄s1、メニュー欄s2、増加メダル枚数欄s3の表示領域を赤色等で塗りつぶす処理を行なう。これにより、遊技者は、得点増加メニュー選択画面Sを見ると、選択した得点増加手段が一目で判別することが可能になる。図20に示す得点増加メニュー選択画面Sにおいては、遊技者はドラ牌による得点増加手段A、リーチによる得点増加手段C、得点増加上がり役による得点増加手段Dを選択したことを示している。
なお、得点増加メニュー選択プログラムP1f、得点増加メニュー表示プログラムP42c、捨て牌用ボタンスイッチ19a(A)〜19e(E)等は、得点増加メニュー選択手段を構成する。
メダル管理プログラムP2は、遊技者がメダル投入口17に投入したメダルの枚数をメダル投入センサ17aからの信号に基づいてカウントする処理、遊技終了ボタン24からの入力信号、メダル払い出しボタン25からの入力信号等を検出したときに、メダルの貯留枚数の更新等を行なうプログラムである。
遊技球管理プログラムP3は、ゲーム開始時と、捨て牌ボタンスイッチ19a、・・・等から捨て牌の操作信号がメイン制御基板Kaに入力されたときに、メイン制御プログラムP1により作動されるプログラムであって、遊技球送り装置を制御して、遊技球発射位置(図1には図示せず)に遊技球を1球送る処理を行なう。これにより、遊技者は、遊技球発射レバー4を操作して遊技球の発射、すなわち、自摸操作を行なうことが可能になる。
自動配牌プログラムP4は、1ゲームの開始時に遊技者の手牌となる14個の配牌の図柄コードを、ランダムに自動的に決定する処理を行なうためのプログラムである。この自動配牌プログラムP4は、乱数発生手段により発生した乱数を利用して、本雀球遊技機1で使用する27種、計108個の牌から、14個の配牌の図柄コードを決定する処理を行なう。
本発明の雀球遊技機1で使用するこの27種の各牌には、図9に示すように、例えば、「一萬」〜「中」の27種の牌に図柄コード(図9では16進数表示)が設定され、さらに、各図柄コードには4個の数値が割り付けられている。この図9に示す牌の図柄コードテーブルは、予めROM41aに登録されている。自動配牌プログラムP4は、上記した乱数発生手段が発生した乱数を利用してこの各図柄コードに割り付けられた数値(0〜107)をランダムに選択することにより、14個の配牌の図柄コードを決定する処理を行なう。
特別遊技役抽選プログラムP5は、予め設定されている上がり役の中から1ゲームごとに特別遊技役の権利を獲得することができる上がり役を、乱数発生手段が発生した乱数を利用した抽選により決定する処理を行なうプログラムである。
例えば、特別遊技役抽選プログラムP5は、ビックゲーム役の権利を獲得できる上がり役として、予め設定された「国士無双」、「大三元」、「九連宝燈」、「一気通貫」、「字一色」の5種類の上がり役から1種を抽選により決定する。同様に、チャンスゲーム役の権利を獲得できる上がり役は、例えば、「一気通貫」、「七対子」、「三暗刻」、「平和」、「一盃口」、「タンヤオ」の上がり役から2種類を抽選により決定する。これら決定された特別遊技役の権利を獲得できる上がり役のコードは、RAM42aに記憶されると共に、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信される。
ドラ抽選プログラムP6は、ゲーム開始時に、遊技者が得点増加手段としてドラ牌による得点増加手段Aを選択したときに作動されるプログラムであって、ドラ牌による得点増加手段Aの対象となる表ドラと裏ドラを決定する処理を行なう。ドラ抽選プログラムP6は、ゲーム開始時にメイン制御プログラムP1の制御により作動し、27種の図柄から表ドラと裏ドラとなる各1個の図柄コードを、乱数発生手段を用いた抽選により決定し、その図柄コードをRAM42aに記憶する。
メイン制御プログラムP1は、この決定した表ドラの図柄コードを、直ちにサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する処理を行なう。一方、裏ドラの図柄コードは、遊技者の手牌が聴牌の状態になって、遊技者がリーチボタン21を押圧してリーチをかけたときに、メイン制御プログラムP1の制御により、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信される。
風牌抽選プログラムP7は、ゲーム開始時に、遊技者が得点増加手段として風牌による得点増加手段Bを選択したときに作動されるプログラムであって、風牌による得点増加手段Bの対象となる風牌を決定する処理を行なう。風牌抽選プログラムP7は、ゲーム開始時にメイン制御プログラムP1の制御により作動し、27種の図柄から風牌である「東」「南」「西」「北」の牌のいずれか一つを、乱数発生手段を用いた抽選により決定する処理を行なう。そして、決定された風牌の図柄コードは、RAM42aに記憶するとともに、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信される。
得点増加上がり役抽選プログラムP8は、ゲーム開始時に、遊技者が得点増加手段として得点増加上がり役による得点増加手段Dを選択したときに作動されるプログラムであって、前記した得点増加上がり役による得点増加手段Dの対象となる上がり役を、乱数発生手段を用いた抽選により決定し、その上がり役コードをRAM42aに記憶する処理を行なう。そして、決定された上がり役の図柄コードは、RAM42aに記憶するとともに、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信される。
なお、得点増加上がり役による得点増加手段Dの対象となる上がり役は、図10に示す上がり役別入賞メダル枚数テーブルから、例えば、上がり役を完成したときの獲得メダル枚数が3枚と最も少ない上がり役である「七対子」〜「平上がり」であって、当該ゲームにおいてチャンスゲームの権利を獲得できる上がり役を除いた上がり役から、一つの上がり役を抽選により決定するようにするとよい。これにより、雀球遊技機において比較的上がり易い上がり役であるために獲得できるメダル枚数が3枚と少ない上がり役で上がった場合にも、遊技者は、増加メダルを得ることができるという期待感をもってゲームを進行することが可能になる。
入賞判定プログラムP9は、手牌データが上がりの組合せを完成させたか否かの判定と、上がりを完成させたと判定したときにこの上がり役の判定と、遊技者がこの上がり役を完成させたことによる入賞に伴うメダル枚数を求める処理を行なうプログラムである。この入賞判定プログラムP9は、ゲーム開始時に自動配牌プログラムP4が14個の配牌を決定したとき、および遊技者が自摸操作を行なって手牌が14個になったときに、メイン制御プログラムP1の制御に従って実行される。
図10は、本発明の雀球遊技機1に予め設定されている上がり役の名称とそのコード、この上がり役を完成させたときに遊技者が獲得できる入賞に伴うメダル枚数(M1)を示している。図10に示すデータ構成の上がり役別入賞メダル枚数テーブルは、予めメイン制御基板KaのROM41aに記憶されている。そして、入賞判定プログラムP9は、手牌データが上がりの組合せを完成させるとその上がり役を判定する処理を行なってその上がり役のコードから、図10に示す上がり役別入賞メダル枚数テーブルを参照することにより、遊技者が入賞した上がり役に対して獲得できるメダル枚数M1を求める処理を行なう。
また、手牌データが上がり役の組合せを完成させると、メイン制御プログラムP1の制御に従って、上がり役完成の制御コマンドと共にその上がり役のコード、入賞に伴うメダル枚数、後記する増加メダル枚数等が、サブ制御基板Kbを経由して第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに送信される。
遊技者の手牌データが上がり役の組合せを完成したときに、入賞判定プログラムP7が図10に示す上がり役のなかから、如何なる上がり役を完成させたかの判定処理は、例えば、次の(1)〜(4)に記載のプログラム処理を行なうことにより可能になる。
(1)「国士無双」と「七対子」を除いた一般上がり役は、4組の「刻子」や「順子」の組合せと、1組の「雀頭(対子)」から構成される。従って、入賞判定プログラムP9は、RAM42aに記憶している現在の14個の手牌データについて、「刻子」や「順子」の組合せと、「雀頭」の組合せ数を判定する処理を行なうことにより、この手牌が上がり役を完成しているか、あるいは1個の牌を捨てると聴牌の状態になるかを判定することが可能になる。
(2)現在の手牌が一般上がり役を完成していると判定されると、入賞判定プログラムP9は、いかなる上がり役で上がっているかを判定するプログラム(上がり役判定プログラム)を実行させる。この上がり役判定プログラムは、一般上がり役ごとに上がり役を判定するための判定データを予めROM41aにデータテーブルとして登録し、この上がり役判定テーブルを参照することにより、上がり役を判定することが可能になる。この上がり役判定テーブルには、上がり役ごとに、例えば、その上がり役を判定するための特徴となる「刻子」、「順子」、「雀頭」を構成する図柄コードの組合せ等に関するデータを登録しておき、この上がり役判定テーブルを順次参照して上がり役を判定するようにする。
(3)「国士無双」と「七対子」は、特殊な牌の組合せで上がる上がり役である。従って、入賞判定プログラムP9は、「国士無双」と「七対子」のそれぞれについて、現在の手牌が上がり役を完成しているか、1個の牌を捨てると聴牌の状態になるか否かを判定するプログラムを備えておくようにする。
(4)入賞判定プログラムP9は、上記(2)と(3)に記載の各上がり役を判定するためのプログラムを順次作動させることにより、現在の14個の手牌が上がり役を完成しているか、1個の牌を捨てると聴牌の状態になるかを判定する。このとき、複数の上がり役が判定される場合もある。上がり役が判定されると、その上がり役のコードをRAM42aに記憶する。
メダル払出制御プログラムP10は、遊技者が上がり役を完成させたときに、雀球遊技機の内部に設置されているメダル貯留ホッパーのメダル払出装置を制御して、入賞に伴うメダル枚数と、後記する加算メダル枚数算出プログラムP13が求めた増加メダル枚数を払い出す処理を行なうためのプログラムである。
自摸牌選択支援プログラムP11は、遊技者が特別遊技役の権利を獲得したゲームにおいて、アタッカー11に遊技球が入球した信号が入力されると、遊技者に対して、第2の表示装置16の画面と対話方式により自摸する牌の図柄を任意に選択する操作を支援するためのプログラムである。
ゲーム履歴データ記録プログラムP12は、当日に実施された1ゲーム毎のゲーム結果の履歴データをRAM42aに記憶する処理を行なうためのプログラムである。このゲーム結果の履歴データとしては、これまでの当日のゲーム実施回数と上がり役を完成させた上がり回数(入賞総回数)、同じく当日にビックゲーム役とチャンスゲーム役を獲得した回数、同じく入賞したときの上がり役の名称と払い出しメダル枚数、前回の入賞から次回の入賞までに実施されたゲーム回数である連続流局回数、通常遊技において当該ゲームの直前に実施されたゲームが上がり役を完成させたゲームであるときに、その連続して入賞した回数を示す連続継続入賞回数、等に関するデータが記録され、さらに更新したデータが記録される。
上記したゲーム結果の履歴データのうち、当日のゲーム実施回数と上がり回数、連続継続入賞回数、連続流局回数等のデータは、1ゲームが終了するごとに、メイン制御プログラムP1の制御により、サブ制御基板Kbを経由して第1の画像制御基板Kcに送信される。
加算メダル枚数算出プログラムP13は、遊技者が上がり役を完成させたときにメイン制御プログラムP1の制御に従って、増加メダル枚数を求める処理を行なうプログラムである。すなわち、加算メダル枚数算出手段となる加算メダル枚数算出プログラムP13は、遊技者がゲーム開始時に得点増加メニュー選択画面Sに基づいて選択した複数種の得点増加メニューに対応する各得点増加手段について、増加メダル枚数を求めるサブプログラムを作動させるように制御し、さらに、増加メダル枚数の合計値M2を求める処理も行なう。
加算メダル枚数算出プログラムP13は、本発明の雀球遊技機が備えている得点増加手段A〜Eを実行するためのサブプログラムとして、ドラ牌による得点増加プログラムP13a、風牌による得点増加プログラムP13b、リーチによる得点増加プログラムP13c、得点増加上がり役による得点増加プログラムP13d、自摸回数による得点増加プログラムP13eを備えている。以下、これらサブプログラムの処理内容について説明する。
ドラ牌による得点増加プログラムP13aは、ドラ牌による得点増加手段Aを実行するプログラムであって、遊技者は増加メダルを獲得することが可能か否かの判定と、可能と判定した場合にはその増加メダルを求める処理を行なう。そして、ドラ牌による得点増加プログラムP13aは、上がり役を完成した手牌データに表ドラ、あるいは遊技者がリーチをかけて上がった場合にはさらに裏ドラの図柄コードが含まれていると、ドラ牌1個に付き、例えば、3枚のメダルを増加メダル枚数とする処理を行なう。
上がり役を完成した手牌データに表ドラ、あるいは裏ドラが含まれているか否かおよびその個数の判定は、ゲーム開始時に抽選により決定してRAM42aに記憶した図柄コードが14個の手牌データに含まれているか否かを順次判定することにより可能になる。
風牌による得点増加プログラムP13bは、風牌による得点増加手段Bを実行するプログラムであって、遊技者は増加メダルを獲得することが可能か否かの判定と、可能と判定した場合にはその増加メダルを求める処理を行なう。風牌による得点増加プログラムP13bは、上がり役を完成した手牌データにゲーム開始時に抽選により決定された風牌の図柄コードが「刻子」の組合せで含まれているか否かを判定する処理を行なう。そして、風牌の図柄コードが「刻子」で含まれている場合には、例えば、3枚のメダルを増加メダル枚数とする処理を行なう。
上がり役を完成した手牌データに風牌の図柄コードが「刻子」の組合せで含まれているか否かの判定処理は、上記ドラ牌と同様に、ゲーム開始時に抽選により決定してRAM42aに記憶した風牌の図柄コードが、14個の手牌データに3個含まれているかを判定することにより可能になる。
リーチによる得点増加プログラムP13cは、リーチによる得点増加手段Cを実行するプログラムであって、遊技者は増加メダルを獲得することが可能か否かの判定と、可能と判定した場合には増加メダル枚数を求める処理を行なう。前記したように、リーチによる得点増加手段Cは、遊技者の手牌が聴牌の状態になってリーチボタン21を押圧してリーチをかける操作を行なった後の自摸回数、すなわち、リーチ後の自摸回数が予め設定された回数で上がり役を完成していると判定されると、このリーチ後の自摸回数に応じて予め設定したメダル枚数を増加メダル枚数として遊技者に払い出すようにする手段である。
なお、リーチ後の自摸回数の把握は、メイン制御プログラムP1、およびリーチ後自摸回数カウントプログラムP1eにより、次の手順に基づいて行なうことができる。
すなわち、遊技者がリーチボタン21を押圧したことによる割込み信号がメイン制御基板Kaに入力(図19参照)されると、メイン制御プログラムP1はリーチがかけられたことを記憶するために、RAM42aに設定したリーチフラグをON(「1」を記憶)する。そして、遊技者の自摸操作に伴う入球信号が入力されるごとに、このリーチフラグの記憶内容を判定し、リーチフラグに「1」が記憶されている場合には、RAM42aに設定したリーチ後の自摸回数を記憶する領域を「+1」する処理を行なう。これにより、リーチ後の自摸回数を把握することができる。
リーチによる得点増加手段Cにおいて、遊技者が増加メダル枚数を獲得できるリーチ後の自摸回数としては、例えば、図11に示すように、「1」、すなわち、リーチをかけた後の最初の自摸操作で上がり役を完成させる「リーチ一発」のときには、増加メダル枚数を6枚に設定し、リーチ後の自摸回数が2〜5回で上がり役を完成させると増加メダル枚数を3枚に設定し、その他の場合は0枚に設定するようにする。
得点増加上がり役による得点増加プログラムP13dは、得点増加上がり役による得点増加手段Dを実行するプログラムであって、遊技者は増加メダルを獲得することが可能か否かの判定と、可能と判定した場合には増加メダル枚数を求める処理を行なう。
得点増加上がり役による得点増加手段Dは、前記したように、ゲーム開始時に得点増加上がり役抽選プログラムP8が決定した上がり役と同一の上がり役を完成させると、遊技者は増加メダルを獲得できる手段である。得点増加上がり役による得点増加プログラムP13dがこの得点増加上がり役で上がっているか否かの判定は、前記した入賞判定プログラムP9が判定した上がり役コードと同一であるか否かを判定することにより可能になる。なお、得点増加上がり役ごとに設定する増加メダル枚数は、例えば、一律の6枚に設定するか、得点増加上がり役による得点増加手段Dの対象となる上がり役を完成させる難易度をさらに考慮して、例えば、3枚〜6枚に設定するようにする。
自摸回数による得点増加プログラムP13eは、自摸回数による得点増加手段Eを実行して、遊技者は増加メダルを獲得することが可能か否かの判定と、可能と判定した場合には増加メダル枚数を求める処理を行なうプログラムである。
自摸回数による得点増加手段Eは、遊技者が上がり役を完成させたときの自摸操作の回数(配牌後の自摸回数)が予め設定された回数であると、この回数に対応して予め設定されたメダル枚数を、増加メダル枚数とする手段である。前記したように、自摸回数と残り遊技球の個数とは逆の関係にある。従って、図12に示す自摸回数による得点増加テーブルに、遊技球の残り個数に対応してこの残り遊技球の個数のデータを予め登録しておく。これにより、自摸回数による得点増加プログラムP13eは、上がり役が完成されたときの残り遊技球の個数に基づいて、この自摸回数による得点増加テーブルを参照することにより、増加メダル枚数を求めることも可能になる。
図12に示す自摸回数による得点増加テーブルは、上がり役が完成したときの自摸回数が予め設定した回数に一致すると、遊技者に増加メダル枚数を払い出すためのデータテーブルであって、ROM41aに予め登録しておく。図12に示すように、遊技者の自摸回数が0〜3回のとき、あるいは最後の自摸操作により上がり役を完成させると、増加メダル枚数が獲得できるようにしている。図12に示すように、自摸回数が0回、すなわち、配牌がそのまま上がりを完成させた「天和(テンホウ)」の場合には、増加メダル枚数を15枚に設定している。なお、自摸回数のカウント処理は、前記した自摸回数カウントプログラムP1dにより行なうことができる。
(サブ制御基板Kb搭載のプログラム)
続いて、サブ制御基板KbのROM41bに搭載されているプログラムの構成を、図13に基づいて説明する。図13に示すように、サブ制御基板Kbには、主として、メイン制御プログラムP21、ランプ制御プログラムP22、アシストプログラムP23から構成される。
このうち、メイン制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから送信された各種の制御コマンドと制御データを解読して、制御コマンドに対応して上記プログラムP22、P23の実行と、通信制御プログラムP21aにより第1および第2の画像制御基板Kc、Kdとの通信を制御する処理を行なう。
ランプ制御プログラムP22は、メイン制御基板Kaから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、ランプ8、14の点灯と消灯の制御を行なうためのプログラムである。
アシストプログラムP23は、遊技者に対してゲーム進行のアシストを行なうためのプログラムであって、目標上がり役設定プログラムP23a、捨て牌支援プログラムP23b、自摸牌支援プログラムP23cを備えている。
目標上がり役設定プログラムP23aは、RAM42bに記憶している遊技者の現在の手牌データ、すなわち、自摸の操作を行なう前の13個の手牌データ、および捨て牌の操作を行なう前の14個の手牌データに基づいて、現在の手牌の目標とする上がり役を判定する処理を行なうプログラムである。
目標上がり役設定プログラムP23aがこの上がり役を判定する処理は、例えば、次のようにして行なうことができる。
すなわち、前記したメイン制御基板Kaの入賞判定プログラムP9が上がり役を判定するための判定データを、予めサブ制御基板のROM41bにデータテーブルとして登録しおく。そして、目標上がり役設定プログラムP23aは、図10に示す上がり役の順にこのテーブルを参照して、例えば、向聴数が最も少ない上がり役を目標上がり役として設定する処理を行なう。
捨て牌支援プログラムP23bは、現在の手牌が14枚のとき、RAM42bに記憶している手牌データに基づいて、遊技者が捨て牌の操作を行なう前に、この手牌から捨て牌として捨てるべき牌の図柄を判定して、この図柄を捨て牌とするように遊技者にアシストするためのプログラムである。捨て牌支援プログラムP23bが判定した牌の図柄コードは、第1の画像制御基板Kcに送信されて、第1の表示装置10にその図柄が、図6に示すように表示される。
捨て牌支援プログラムP23bがこの捨て牌とすべき牌の図柄を判定する処理は、例えば、次のようにして行なうことができる。
前記した目標上がり役に対して、手牌に含まれる牌について孤立している図柄コードの牌、すなわち、「対子」、「刻子」、「順子」の形成に関与していない孤立牌を優先して捨て牌の図柄として判定する。手牌に孤立牌が含まれていない場合には、目標上がり役毎に、捨て牌を選択するためのルールを予め設定し、このルールを捨て牌支援プログラムP23bで実行することにより、適切な捨て牌を判定することが可能になる。また、目標上がり役として「国士無双」または「対子」が設定された場合には、この上がり役ごとに捨て牌を選択するためのルールを予め設定し、このルールを捨て牌支援プログラムP23bで実行することにより、適切な捨て牌を判定する処理を行なう。
自摸牌支援プログラムP23cは、現在の手牌が13枚のときに、前記した目標上がり役設定プログラムP23aにより判定したこの手牌の目標とする上がり役に対して、遊技者が自摸操作を行なう前に、この手牌に追加すべき自摸牌の図柄を判定するためのプログラムである。自摸牌支援プログラムP23cが判定した自摸すべき牌の図柄コードは、第1の画像制御基板Kcに送信されて、第1の表示装置10にその図柄が表示される。
自摸牌支援プログラムP23cがこの自摸すべき牌の図柄を判定する処理は、例えば、次のようにして行なうことができる。
自摸する前の手牌の目標上がり役から、この上がり役について必要とする「雀頭」、「刻子」、「順子」等を構成する牌の図柄の組合せに対して不足している図柄を判定する。そして、この不足している図柄について自摸すべき優先順位を予め設定しておき、この優先順位に従って自摸すべき図柄を判定する処理をプログラム化することにより可能になる。
(第1の画像制御基板Kc搭載のプログラム)
続いて、第1の画像制御基板KcのROM41cに搭載されているプログラムの構成を図14に基づいて説明する。第1の画像制御基板Kcに搭載されているプログラムは、第1の表示装置10に各種の画像等を表示するためのプログラムであって、メイン制御プログラムP31、画面表示プログラムP32等から構成される。
メイン制御プログラムP31は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドと制御データを受信し、受信したデータに基づいて画面表示プログラムP32の各サブプログラムの作動を制御する処理を行なう。画面表示プログラムP32は、通常遊技画面表示プログラムP32a、特別遊技画面表示プログラムP32b、アシスト画面表示プログラムP32c、等から構成される。
通常遊技画面表示プログラムP32aは、雀球遊技機1の電源ON時から、遊技者が通常の遊技を行っているときに、表示装置10に各種の演出画像や遊技者に対して支援する各種の画像を表示する処理を行なうプログラムである。通常遊技画面表示プログラムP32aは、さらに、サブプログラムとして初期演出表示プログラムP32a−1、ゲーム演出表示プログラムP32a−2を備えている。
初期演出表示プログラムP32a−1は、雀球遊技機1の電源をONしたときに、初期画面を表示するためのプログラムである。ゲーム演出表示プログラムP32a−2は、ゲームの進行に伴って遊技者にゲームの操作等をアシストする画面等を表示する。
特別遊技画面表示プログラムP32bは、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに各種の演出用の画面を表示する処理を行なうプログラムであって、権利獲得演出表示プログラムP32b−1を備えている。
アシスト画面表示プログラムP32cは、自摸牌表示プログラムP32c−1、捨て牌表示プログラムP32c−2から構成されている。自摸牌表示プログラムP32c−1は、前記した目標とする上がり役に対する自摸すべき牌の図柄を第1の表示装置10に表示するためのプログラムである。捨て牌表示プログラムP32c−2は、同じく、前記した捨て牌とすべき牌の図柄を第1の表示装置10に図6に示すように表示するためのプログラムである。
(第2の画像制御基板Kd搭載のプログラム)
続いて、第2の画像制御基板KdのROM41dに搭載されているプログラムの構成を図15に基づいて説明する。第2の画像制御基板Kdに搭載されているプログラムは、メイン制御プログラムP41、画面表示プログラムP42、音声・効果音出力プログラムP43等から構成される。
メイン制御プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドと制御データを受信し、受信したデータに対応して画面表示プログラムP42の各サブプログラム、音声・効果音出力プログラムP43を作動させる処理を行なうためのプロググラムである。画面表示プログラムP42は、通常遊技画面表示プログラムP42aと、特別遊技画面表示プログラムP42b、得点増加メニュー表示プログラムP42cから構成されている。
通常遊技画面表示プログラムP42aは、初期演出表示プログラムP42a−1、ゲーム演出プログラムP42a−2等のサブプログラムを備えている。
初期演出表示プログラムP42a−1は、雀球遊技機の電源をONしたときに、初期画面を表示するためのプログラムである。
ゲーム演出表示プログラムP42a−2は、主として、14個の配牌が決定されたとき、および遊技の進行に伴って遊技者が捨て牌の操作、遊技球の発射による自摸操作等を行なうごとに、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbを経由して送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、図5に示すように、現在の手牌データの図柄、捨て牌の図柄等を表示する処理を行なうためのプログラムである。
特別遊技画面表示プログラムP42bは、遊技者が特別遊技役の権利を獲得したときに各種の演出用の画面を表示する処理を行なうプログラムであって、サブプログラムとして自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1を備えている。自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、遊技者が特別遊技役の権利を獲得したゲームを実行するときに、第2の表示装置16に表示される27種の牌の図柄を、右シフトボタン22a、あるいは左シフトボタン22bを操作してスクロールさせながら、対話方式により自摸すべき牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
得点増加メニュー表示プログラムP42cは、図20に示す得点増加メニュー選択画面Sを第2の表示装置16に表示するためのプログラムである。
音声・効果音出力プログラムP43は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、遊技の進行に伴って各種の演出用音声、および効果音をスピーカー6から出力するためのプログラムである。
なお、第1の画像制御基板KcのROM41c、第2の画像制御基板KdのROM41dには、それぞれ表示装置10、16に表示する画像データがデジタル画像データとして記憶されている。これらのデータは、例えば、各牌の図柄の画像、演出用の風景やキャラクタに関する画像、上がり役を完成したときの演出用の画像等である。
上記した各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdの動作を制御する遊技機動作制御プログラムは、アセンブラ言語、C言語あるいはVisual Basic言語等を利用して開発し、各基板のCPUが実行可能なプログラムである機械語プログラムに翻訳したプログラムが各制御基板Ka、Kb、Kc、KdのROMに記憶されている。
(ゲームの進行制御)
続いて、遊技者がゲームを実施するときに、雀球遊技機1の動作制御プログラムがゲームの進行を制御する流れについて説明する。図16〜図19は、ゲームの進行を統括して制御するメイン制御基板Kaに搭載されているメイン制御プログラムP1が、1ゲームのゲーム進行の制御を示すフローチャートである。
なお、以下の説明においては、1ゲームに付き選択可能な得点増加手段の規定数は「3」とし、遊技者はゲーム開始時に得点増加手段としてドラ牌による得点増加手段A、リーチによる得点増加手段C、および得点増加上がり役による得点増加手段Dの3種、すなわち、規定数の得点増加手段を選択した場合について説明する。
(ステップS1)
まず、遊技ホールの管理者等は、当日の営業を開始する前に雀球遊技機1の電源をONする。雀球遊技機1の電源がONされると、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、メイン制御基板KaのRAM42aの記憶領域を初期化する。続いて、メイン制御プログラムP1は、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kbに、サブ制御基板Kbはこの初期化制御コマンドを第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに送信する。
サブ制御基板Kb、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdは、この初期化制御コマンドを受信すると、各制御基板に搭載されているメインプログラムは、RAM42b、RAM42c、RAM42dの記憶領域を初期化する。また、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに搭載されている各メイン制御プログラムP31およびP41は、初期演出表示プログラムP32a−1およびP42a−1を作動させて、電源ON時の演出画面、例えば、風景あるいはキャラクタに関する画像を表示装置10、16に表示する等の処理を行なう。これにより、雀球遊技機1は、遊技者が1ゲームにつき所定の枚数のメダルをメダル投入口17に投入することにより、ゲームを実施することが可能な状態になる。
(ステップS2)
遊技者がゲームを行なうためには、1ゲームにつき所定の数の遊技媒体、例えば、3枚のメダルをメダル投入口17に投入する必要がある。メダル投入センサからのメダル投入信号がメイン制御基板Kaに入力されると、メイン制御プログラムP1はメダル管理プログラムP2を作動させる。メダル管理プログラムP2は、投入されたメダル枚数をカウントし、メダル貯留枚数を記憶するRAM42aの記憶領域に投入されたメダル枚数を記憶する処理を行なう。
メイン制御プログラムP1は、1ゲームの実施に必要なメダルの枚数が投入されたことを判定すると、遊技者にゲーム開始ボタン18の押圧を促すための制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して第1の画像制御基板Kcに送信する。第1の画像制御基板Kcはこの制御コマンドを受信すると、ゲーム演出表示プロググラムP32a−2は表示装置10に、「ゲーム開始ボタンを押して下さい」と表示する処理を行なう。このとき、第2の画像制御基板Kdの音声・効果音出力プログラムP43を作動させて、同時に音声をスピーカー6から出力させるようにしてもよい。
(ステップS3)
遊技者がゲーム開始ボタン18を押圧して、ゲーム開始信号がメイン制御基板Kaに入力される迄待ちの状態になる。そして、ゲーム開始ボタン18が押圧されると、メイン制御プログラムP1は、ゲーム開始の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに送信する。第1および第2の画像制御基板Kc、Kdのゲーム演出表示プログラムP32a−2、P42a−2は、この制御コマンドに基づいて、ゲーム開始時の演出画像を表示装置10、16に表示すると共に、音声・効果音出力プログラムP43により音声をスピーカー6から出力する。このようにして、雀球遊技機の1ゲームが開始する。
(ステップS4)
続いて、メイン制御プログラムP1は、1ゲームの開始に当って、RAM42aに設定した各種の記憶領域に初期値を記憶する処理を行なう。例えば、1ゲームに遊技者が自摸操作のために遊技球を発射することができる個数を記憶する領域(遊技球の残り個数記憶領域)に初期値として、規定個数の「11」を記憶する。
(ステップS5)
続いて、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、当該ゲームについて、本発明の雀球遊技機が予め備えている複数種の得点増加手段から、三つの得点増加手段を遊技者に選択させるための処理を行なう。この処理は、メイン制御基板Kaの得点増加メニュー選択プログラムP1fと、第2の画像制御基板Kdの得点増加メニュー表示プログラムP42cにより、次の手順により行なうことができる。
(1)まず、メイン制御基板Kaの得点増加メニュー選択プログラムP1fは、得点増加メニューを表示するための制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する。
(2)第2の画像制御基板Kdのメイン制御プログラムP41はこの制御コマンドを受信すると、得点増加メニュー表示プログラムP42cを作動させる。得点増加メニュー表示プログラムP42cは、第2の表示装置16に、図20に示すような得点増加メニュー選択画面Sを表示する処理を行なう。
(3)遊技者は、第2の表示装置16に表示された得点増加メニュー選択画面Sを見ながら、当該ゲームについて希望する三つの得点増加メニューを選択する操作を行なう。この希望する三つの得点増加メニューを選択する操作は、次のようにして行なうことができる。
(3−1)遊技者は得点増加メニュー選択画面Sのボタン欄S1に表示されているボタン名称「A」〜「E」に対応する捨て牌用ボタンスイッチ19a(A)、19b(B)、19c(C)、19d(D)、19e(E)のいずれか三つを選択して押圧する操作を行なう。
(3−2)図20の得点増加メニュー選択画面Sに示す例では、遊技者は捨て牌用ボタンスイッチの「A」、「C」、「D」を押圧して、ドラ牌による得点増加手段A、リーチによる得点増加手段C、得点増加上がり役による得点増加手段Dを選択したことを示している。
(3−3)上記した(3−2)において、遊技者が捨て牌用ボタンスイッチのいずれかを押圧すると、メイン制御基板Kaの得点増加メニュー選択プログラムP1fは、押圧された捨て牌用ボタンスイッチ名称に関連する制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdのメイン制御プログラムP41は、この制御コマンドを受信すると、得点増加メニュー表示プログラムP42cを作動させて、図20に示すように、遊技者が選択したメニュー欄S2を含むボタン欄S1、増加メダル枚数欄S3を、例えば、赤色で表示する処理を行なって、遊技者が選択した得点増加手段に対応するメニューを明示するようにする。
なお、ステップS5においては、得点増加メニュー選択画面Sを表示した後、所定の時間が経過しても三つの得点増加メニューが選択されない場合には、遊技者にスピーカー6から催促の音声を出力する、等の処理を行なう。
(ステップS6)
得点増加メニュー選択プログラムP1fは、上記ステップS5において遊技者が選択した三つの得点増加メニューに関する情報を、RAM42aに設定した記憶領域に、当該ゲームにおいて遊技者が選択した得点増加手段として記憶する。
この遊技者が選択した三つの得点増加メニューに関する情報としては、例えば、図20に示すように、遊技者が捨て牌用ボタンスイッチの「A」を押圧してメニュー蘭S2として「ドラ牌」を選択した場合にはドラ牌による得点増加手段Aを表す識別情報となる「A」を、同じく、捨て牌用ボタンスイッチの「C」を押圧してメニュー蘭S2として「リーチ一発」を選択した場合にはリーチによる得点増加手段Cを表す識別情報となる「C」を、同じく、捨て牌用ボタンスイッチの「D」を押圧してメニュー欄S2として「得点増加上がり役」を選択した場合には得点増加上がり役による得点増加手段Dを表す識別情報となる「D」等、得点増加メニューに対応する得点増加手段に関する1桁の識別情報をRAM42aに記憶する。
(ステップS7)
続いて、メイン制御プログラムP1は、自動配牌プログラムP4を作動させて、ゲームを開始するために必要な14個の配牌の図柄コードを自動的に決定する処理を行なう。自動配牌プログラムP4は、自動配牌した14個の図柄コードをRAM42aの手牌記憶領域に順次記憶した後、所定の順序、例えば、図柄コードの上昇順、すなわち、萬子、筒子、索子、風牌、三元牌の順に並び替えて手牌記憶領域に記憶する処理を行なう。
次に、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、この14個の配牌された図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、この14個の配牌された図柄コードを受信すると、RAM42bにこの図柄コードを記憶すると共に、第2の画像制御基板Kdにこれら14個の配牌された図柄コードを送信する。第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、14個の配牌の図柄コードを受信すると、図5に示すような牌の図柄の画像を、現在の遊技者の手牌として、表示装置16の手牌表示部34と自摸牌表示部35に表示する処理を行なう。
続いて、メイン制御プログラムP1は、特別遊技役抽選プログラムP5(ただし、通常遊技の遊技を行なうときに作動させる)を作動させて、ビッグゲーム役とチャンスゲーム役の権利を獲得することができる上がり役を決定し、その上がり役のコードをRAM42aに記憶して、さらに、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する処理を行なう。
第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、ビックゲーム役およびチャンスゲーム役の上がり役のコードを受信すると、図5に示すように、ビックゲーム役とチャンスゲーム役をそれぞれビッグゲーム上がり役表示部31と、チャンスゲーム上がり役表示部32aと32bに表示する処理を行なう。
(ステップS8)
ステップS8においては、上記ステップS5において遊技者が選択した得点増加メニューに関する情報をRAM42aに記憶した情報、すなわち、遊技者が選択した得点増加手段を判定して、次の(a)〜(c)に記載の処理を行なう。
(a)遊技者がドラ牌による得点増加手段Aを選択した場合には、ドラ抽選プログラムP6を作動させて、次の処理を行なう。
(a1)当該ゲームの表ドラと裏ドラの図柄コードを決定する処理を行なう。そして、決定した表ドラと裏ドラの図柄コードは、RAM42aに記憶するとともに、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する処理を行なう。
(a2)サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから当該ゲームの表ドラと裏ドラの図柄コードを受信すると、これらのコードをRAM42bに記憶する処理を行なう。
(a3)第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、表ドラの図柄コードを受信すると、図5に示すように、表ドラコードに対応する図柄を表ドラ表示部28aに表示し、裏ドラの図柄コードはRAM42dに記憶する処理を行なう。
(b)遊技者が風牌による得点増加手段Bを選択した場合には、風牌抽選プログラムP7を作動させて、次の処理を行なう。
(b1)当該ゲームの風牌の図柄コードを決定する処理を行なう。そして、決定した風牌の図柄コードをRAM42aに記憶するとともに、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する処理を行なう。
(b2)サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから当該ゲームの風牌の図柄コードを受信すると、これらのコードをRAM42bに記憶する処理を行なう。
(b3)第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、風牌の図柄コードを受信すると、図5に示すように、風牌の図柄コードに対応する図柄を風牌表示部29に表示する処理を行なう。
(c)遊技者が得点増加上がり役による得点増加手段Dを選択した場合には、得点増加上がり役抽選プログラムP8を作動させて、次の処理を行なう。
(c1)当該ゲームの得点増加上がり役のコードを決定する処理を行なう。そして、決定した得点増加上がり役のコードをRAM42aに記憶するとともに、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する処理を行なう。
(c2)第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、得点増加上がり役のコードを受信すると、図5に示すように、得点増加上がり役のコードに対応する上がり役名を得点増加上がり役表示部32cに表示する処理を行なう。
以上の処理が終わると、1ゲームを実施するための条件が整ったことになるので、これから1ゲームが開始される旨を第1および第2表示装置10、16に表示し、またスピーカー6から音声で知らせる処理を行なうように制御する。
なお、第2の画像制御基板Kdが受信してRAM42dに記憶した裏ドラの図柄コードに対応する図柄は、リーチがかかったことを示す制御コマンドがメイン制御基板Kaから第2の画像制御基板Kdに送信されたときに、第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2により、裏ドラ表示部28bに表示される。
(ステップS9)
メイン制御プログラムP1は、RAM42aに設定した特別遊技フラグに記憶されているデータをチェックする処理を行なう。特別遊技フラグに「0」が記憶されている場合にはステップS10に、「1」または「2」が記憶されていると図18に示すステップS30に進む。
なお、この特別遊技フラグには、これから実施するゲームが通常遊技のときには「0」、後記するが当該ゲームの前に実施したゲームにおいて、ビッグゲームの権利を獲得すると「1」、チャンスゲームの権利を獲得すると「2」が記憶される。
(ステップS10)
メイン制御プログラムP1は、入賞判定プログラムP9を作動させて、自動配牌された14個の手牌データが予め設定された上がりを完成しているか否かを判定する。このステップS10の処理において、上がりを完成していると判定された場合には、図17に示すステップS20に進む。一方、上がりを完成していないと判定された場合には、メイン制御プログラムP1は、捨て牌アシストの制御コマンドをサブ制御基板Kbに送信して、ステップS11に進む。
サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、この捨て牌アシストの制御コマンドを受信すると、アシストプログラムP23の目標上がり役設定プログラムP23aを作動させて、RAM42bに記憶している現在の14個の手牌データについてその目標とする上がり役を設定する処理を行なう。
続いて、サブ制御基板Kbの捨て牌支援プログラムP23bは、目標上がり役設定プログラムP23aが設定した現在の手牌データの目標上がり役に対して、この現在の14個の手牌から捨て牌とすべき牌を判定する処理を行なう。
そして、この捨て牌とすべき牌が判定されると、その図柄コードを捨て牌アシストの制御コマンドと共に、第1の画像制御基板Kcに送信する。第1の画像制御基板Kcはこの捨て牌とすべき牌の図柄コードを受信すると、捨て牌表示プログラムP32c−2を作動させて、この図柄コードに対応する図柄を図6に示すように、捨て牌とすべき牌として表示装置10に表示する処理を行なう。
これにより、麻雀の知識に乏しい遊技者は、表示装置10に表示された捨て牌とすべき牌の図柄を見て、この図柄に対応する捨て牌用ボタンスイッチ19a、・・・のいずれかを押圧して捨て牌の操作を適切に行なうことが可能になる。
(ステップS11)
ステップS11においては、メイン制御プログラムP1の制御により、遊技者が捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、自摸捨て牌用ボタンスイッチ20のいずれかをONしたか否かの入力待ち、すなわち、捨て牌の操作を行なうまで待ちの状態に設定する。
なお、遊技者の手牌が捨てれば聴牌の状態になると、遊技者は手牌から不要な牌を捨てる操作を行なう前にリーチボタン21を操作してリーチをかけることができる。そして、リーチをかけると、次の自摸操作で自摸した牌が上がり役を完成しないときは、この自摸牌は捨て牌用ボタンスイッチ19a等を押圧しなくてもメイン制御プログラムP1により自動的に捨て牌の処理を行なうことが可能になる。
遊技者が捨て牌の操作を行なって、捨て牌用ボタンスイッチ19a等のいずれかから捨て牌信号が入力されると、メイン制御プログラムP1はその入力信号を解析して、遊技者が捨て牌とした図柄の図柄コードを判定する処理を行なう。次に、メイン制御プログラムP1は、RAM42aの手牌記憶領域に記憶している手牌データからこの捨て牌の図柄コードを削除する処理を行なう。
続いて、メイン制御プログラムP1は、この捨て牌とした図柄コード、13個になった手牌データを、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdは、この捨て牌の図柄コードと13個の手牌データを受信すると、ゲーム演出表示プログラムP42a−2は、捨て牌の図柄コードに対応する図柄を捨て牌表示部33に、13個の手牌データに対応する図柄を手牌表示部34に表示する処理を行なう。
一方、サブ制御基板Kbは、メイン制御基板Kaから13個になった手牌データを受信すると、メイン制御プログラムP21の制御により目標上がり役設定プログラムP23aが作動して、この13個の手牌に対する目標上がり役を設定する処理を行なう。続いて、自摸牌支援プログラムP23cが作動して、この目標上がり役に対して、自摸すべき適切な牌の図柄を判定する処理を行なう。そして、自摸牌支援プログラムP23cが判定した自摸すべき牌の図柄コードは、メイン制御プログラムP21により第1の画像制御基板Kcに送信される。
第1の画像制御基板Kcは、サブ制御基板Kbから自摸すべき牌の図柄コードを受信すると、自摸牌表示プログラムP32c−1を作動させて、この図柄コードに対応する図柄を自摸すべき牌として表示装置10に表示する処理を行なう。遊技者は、表示装置10に表示されたこの自摸すべき牌の図柄を見て、次の自摸操作で遊技球を入球すべき入球口を、事前に認識することができるようになる。図22は、表示装置10に自摸すべき牌の図柄を表示した例を示す。
(ステップS12)
ステップS12は、遊技者が自摸操作を行なうまでの待ちの状態、すなわち、メイン制御プログラムP1は、遊技者が遊技球発射レバー4から1個の遊技球を発射して、この遊技球が入球口13a等のいずれかの入球口に入球し、入球センサからその入球信号が入力されるまで待ちの状態に設定する。
そして、遊技球が入球した入球口の入球センサから入球信号が入力されると、メイン制御プログラムP1は、上記した遊技球の入球信号を解析して遊技球が入球した入球口に対応する牌の図柄コードを求める処理を行なう。そして、この図柄コードを、遊技者が自摸した牌の図柄コードとしてサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する。次に、メイン制御プログラムP1は、RAM42aの手牌記憶領域に記憶している13個の手牌データに、この遊技者が自摸操作した図柄コードを追加する処理を行なう。
なお、第2の画像制御基板Kdは、遊技者が自摸した牌の図柄コードを受信すると、ゲーム演出表示プログラムP42a−2は、この自摸した牌の図柄コードに対応する図柄を自摸牌表示部35に表示する処理を行なう。
(ステップS13)
メイン制御プログラムP1は、遊技球残り個数カウントプログラムP1cを作動させて、RAM42aの記憶領域に記憶している遊技球の残り個数を1個減算する処理を行なうとともに、遊技球の残り個数を、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、この遊技球の残り個数を受信すると、遊技球の残り遊技球個数表示部27にこの値を表示する。また、自摸回数カウントプログラムP1dを作動させて、配牌後の自摸回数を「+1」する処理を行なう。
次のステップS14〜S15は、遊技者がリーチによる得点増加手段Cを選択したときに実行されるステップになる。従って、遊技者がリーチによる得点増加手段Cを選択しなかった場合には、ステップS14〜S15は実行する必要はない。
(ステップS14)
メイン制御プログラムP1は、RAM42aに設定しているリーチフラグの記憶内容をチェックし、ゲームの場が、リーチがかかった状態になっているか否かを判定する。そして、リーチフラグに「1」が記憶されてリーチがかかっている場合にはステップS15に進み、リーチがかかっていない場合にはステップ16に進む。
(ステップS15)
メイン制御プログラムP1は、リーチ後自摸回数カウントプログラムを作動させて、RAM42aに設定したリーチ後自摸回数をカウントする領域を「+1」する処理を行なう。
(ステップS16)
ステップS16においては、前記したステップS10と同様に、入賞判定プログラムP9により、14個になった手牌データが上がりを完成させたか否かを判定する処理を行なう。そして、上がりを完成していると判定された場合には、図17に示すステップS20に進む。一方、上がりを完成していないと判定された場合には、次のステップS17に進む。
(ステップS17)
遊技者は、さらに自摸操作を行なうことが可能か、すなわち、遊技球残り個数カウントプログラムP1cによりRAM42aに記憶している遊技球の残り個数が1個以上残っているか否かを判定する処理を行なう。そして、この判定の結果、遊技球が1個以上残っている場合には、前記した捨て牌アシストの制御コマンドをサブ制御基板Kbに送信して、上記したステップS11の処理に戻る制御を行なう。一方、発射可能な遊技球が0個の場合には、次のステップS18に進む。
(ステップS18)
遊技者は規定個数の遊技球を発射する自摸操作を行なっても、上がり役を完成させることができなかったので、メイン制御プログラムP1は、当該ゲームをゲームオーバ(流局)として終了する処理を行なう。
このゲームオーバの処理としては、ゲーム履歴データ記録プログラムP12により、遊技者が今回実施したゲームの履歴データを、RAM42aの履歴データ記憶領域に追加して記録する処理と、履歴データを更新する処理を行なう。このRAM42aに記憶するゲーム結果の履歴データは、前記したゲーム履歴データ記録プログラムP12の処理内容で説明したデータ項目である。
さらに、ゲームオーバの処理として、ゲーム終了の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して第1、第2の画像制御基板Kc、Kdに送信する処理を行なう。第1、第2の画像制御基板Kc、Kdは、このゲーム終了の制御コマンドを受信すると、第1、第2の表示装置10、16に「ゲームオーバ」等の表示を行なうようにする。
(ステップS20)
メイン制御プログラムP1は入賞判定プログラムP9を作動させて、遊技者が上がりを完成させた手牌について、如何なる上がり役で上がったかを判定する処理を行なう。そして、その判定した上がり役のコードをRAM42aに記憶する。
なお、ステップS20においては、次の処理を行なうようにする。すなわち、上がり完成の制御コマンドを第1、第2の画像制御基板Kc、Kbに送信する。この制御コマンドを受信すると、第1の画像制御基板Kcは、ゲーム演出表示プログラムP32a−2により、表示装置10に上がり役完成の演出表示を、同様に、第2の画像制御基板Kdはゲーム演出表示プログラムP42a−2により、表示装置16に上がり役完成の演出表示を所定の時間(数秒)行なう。
(ステップS21)
続いて、入賞判定プログラムP9は、ステップS20により判定した上がり役について、遊技者が入賞に伴って獲得できるメダルの枚数(M1)を求める処理を行なう。このメダルの枚数(M1)は、この判定した上がり役のコードについて、予めROM41aに記憶している上がり役別入賞メダル獲得枚数テーブル(図10に示す)を参照することにより、求めることができる。
(ステップS22)
メイン制御プログラムP1は、遊技者が上がり役を完成させた上がり役のコードが、当該ゲームの開始時に特別遊技役抽選プログラムP5が決定した特別遊技役であるビックゲーム役、またはチャンスゲーム役の対象となる上がり役のコードに一致するか否かを判定する処理を行なう。この判定の結果、ビックゲーム役またはチャンスゲーム役の対象となる上がり役のコードと一致する場合には、ステップS23に進む。一方、上がり役がビックゲーム役またはとチャンスゲーム役の権利を獲得できる上がり役でない場合には、ステップS24に進む。
(ステップS23)
ステップS23においては、遊技者が完成した上がり役がビッグゲーム役の権利を獲得できる上がり役の場合には、RAM42aに設定した特別遊技フラグに、例えば、「1」を記憶し、チャンスゲーム役の権利を獲得できる上がり役の場合には「2」を記憶する。このステップS23の処理は、次回のゲーム進行の制御をビッグゲーム役またはチャンスゲーム役のモードで進行させるための前処理である。
また、ステップS23においては、特別遊技役獲得の制御コマンドを、第1の画像制御基板Kcに送信する。この制御コマンドを受信すると、第1の画像制御基板Kcは、権利獲得演出表示プログラムP32b−1により、表示装置10に特別遊技役獲得の演出表示を行なうようにする。
(ステップS24)
メイン制御プログラムP1は、加算メダル枚数算出プログラムP13を作動させる。加算メダル枚数算出プログラムP13は、遊技者がゲーム開始時に選択した三つの得点増加手段を実行するサブプログラムを作動させて、遊技者が入賞に伴って獲得できるメダルの枚数(M1)の他に、さらにメダルを加算することが可能か否かの判定と、可能な場合には加算するメダルの枚数を求める処理を行なう。
本実施形態においては、遊技者は前記したようにドラ牌による得点増加手段A、リーチによる得点増加手段C、得点増加上がり役による得点増加手段Dを選択したので、加算メダル枚数算出プログラムP13は、これら選択された得点増加手段を実行するプログラムであるドラ牌による得点増加プログラムP13a、リーチによる得点増加プログラムP13c、得点増加上がり役による得点増加プログラムP13dを作動させる。
この処理により、ドラ牌による得点増加プログラムP13aはドラ牌による得点増加手段Aに基づいた増加メダル枚数m1を、リーチによる得点増加プログラムP13cはリーチによる得点増加手段Cに基づいた増加メダル枚数m3を、得点増加上がり役による得点増加プログラムP13dは得点増加上がり役による得点増加手段Dに基づいた増加メダル枚数m4を求める処理を行なう。なお、m1、m3、m4は、それぞれ0枚の場合もあり得る。
続いて、加算メダル枚数算出プログラムP13は、増加メダル枚数の合計値M2(M2=m1+m3+m4)を算出する処理を行なう。
(ステップS25)
メイン制御プログラムP1は、遊技者が上がり役を完成することにより獲得できるメダルの合計枚数Sを求める処理を行なう。なお、この合計枚数Sは、S=(M1+M2)になる。
続いて、メイン制御プログラムP1は、遊技者が上がり役を完成させた上がり役のコード、獲得した合計メダル枚数の内訳(M1、M2、m1、m3、m4等)に関するデータを第1の画像制御基板Kcに送信する。第1の画像制御基板Kcはこれらのデータを受信すると、第1の表示装置10に完成した上がり役名、獲得した合計枚数Sとその内訳等を表示する処理を行なう。
続いて、メイン制御プログラムP1は、メダル払出制御プログラムP10を作動させてこの合計枚数Sのメダルを、遊技者に払い出す処理を行なう。なお、上がり役を完成させたとき、遊技者が獲得できるメダルの合計枚数Sは、所定の枚数、例えば、30枚を越えないように制御される。
(ステップS26)
メイン制御プログラムP1は、ゲーム終了の処理を行なう。このゲーム終了の処理としては、ゲーム履歴データ記録プログラムP12を作動させて、遊技者が今回実施して上がり役を完成させたことに関するゲームの履歴データを、RAM42aの履歴データ記憶領域に追加、更新して記録する処理を行なう。続いて、ステップS2に戻るように制御する。
(ステップS30)
遊技者は、ビッグゲーム役またはチャンスゲーム役の権利を獲得したモードでゲームを実行することになる。メイン制御プログラムP1は、まずRAM42aに設定した特別遊技フラグの記憶内容を判定する。そして、特別遊技フラグに「1」が記憶されていると、当該ゲームはビッグゲーム役の権利を獲得したゲームであるのでステップS31に進む。一方、「2」が記憶されていると、当該ゲームはチャンスゲーム役の権利を獲得したゲームであるのでステップS38に進む。
(ステップS31)
ステップS31においては、ビッグゲーム役の権利を獲得したモードでゲームの進行制御を行なう。このゲーム進行の制御は、前記したステップS9を除いたステップS2〜S17の流れになるが、ステップS12の自摸操作は、次のように遊技者にとって有利になる。
すなわち、遊技者がビックゲーム役の権利を獲得したゲームを実施するときは、14個の配牌が決定した後、遊技盤2のアタッカー作動口12が有効になる。そして、遊技者が発射した遊技球がこのアタッカー作動口を通過すると、アタッカー11が開口する。
続いて、遊技者が次に発射した遊技球がこのアタッカー11に入球するごとに、メイン制御基板Kaが備えている自摸牌選択支援プログラムP11と、第2の画像制御基板Kdが備えている自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1の制御に基づいて、表示装置16に表示された27種の牌の図柄から、右シフトボタン22a、左シフトボタン22b、選択決定ボタン23の操作により所望する牌を自摸牌として選択できるようなる。これにより、遊技者は任意の図柄を自摸牌として選択することが可能になる。
そして、このように遊技者にとって有利自摸操作により、上がりを完成させることができるとステップS32に進み、流局になった場合にはステップS37に進む。
(ステップS32)
ビックゲーム役の権利を獲得したゲームを実施して上がり続けると、予め設定した上限回数、例えば、最高14回までビックゲーム役の権利を獲得したゲームを継続して行なうことができる。ステップS32では、RAM42aに設定したビッグゲーム継続回数をカウントする領域に「1」を加算する。
(ステップS33)
ステップS33〜ステップS35の処理内容は、前記したステップS22~S23を除いたステップS20〜ステップS25の処理と同一になる。
すなわち、ステップS33においては、前記ステップS20と同様に、入賞判定プログラムP9により、遊技者が完成した上がりの上がり役を判定する。
(ステップS34)
ステップS34においては、まず、前記したステップS21の処理を行なって、入賞判定プログラムP9により、ステップS33により判定した上がり役について、遊技者が入賞に伴って獲得できるメダルの枚数(M1)を求める。続いて、前記したステップS24と同様の処理を行なって、遊技者がゲーム開始時に選択した三つの得点増加手段を実行するためのサブプログラムを作動させて、さらにメダルを加算することが可能か否かの判定と、可能な場合には加算するメダルの枚数とその合計枚数M2を求める処理を行なう。
(ステップS35)
ステップS35においては、前記したステップS25と同様の処理を行なって、遊技者が上がり役を完成することにより獲得できるメダルの合計枚数S(S=M1+M2)を求め、この合計枚数Sのメダルを遊技者に払い出す処理を行なう。
(ステップS36)
ステップS32によりRAM42aに記憶したビッグゲームの継続回数が、予め設定された上限回数を超えたか否かを判定する。そして、この上限回数を超えた場合にはステップS37に進む。一方、上限回数を超えていない場合にはステップS39に進んで、遊技者が今回実施したゲームの履歴データを、RAM42aの履歴データ記憶領域に追加して記録する処理と、履歴データを更新する処理等を行なってステップS2に戻り、次のビッグゲーム役の権利を獲得したゲームの制御を行なうことになる。
(ステップS37)
ビッグゲーム役の終了の処理として、遊技者が今回実施したビッグゲーム役のゲームについて、その履歴データ等を、RAM42aの履歴データ記憶領域に追加して記録する処理と、履歴データを更新する処理等を行なう。さらに、特別遊技フラグに「0」を記憶し、次のゲームは通常遊技のモードでゲームの進行制御が行なわれるようにする。
(ステップS38)
ステップS38においては、チャンスゲーム役の権利を獲得したゲームの進行制御を行なう。このゲーム進行の制御は、前記したステップS31の処理と同じ処理になる。そして、チャンスゲーム役の権利を獲得したゲームを実施して、上がり役を完成したと判定された場合にはステップS33に進み、上がり役を完成できなかった場合にはステップS37に進む。
なお、遊技者の手牌が聴牌の状態になって、遊技者がリーチボタン21を押圧してリーチをかけると、リーチ信号がメイン制御基板Kaに入力される。すると、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、図19に示すステップS50〜51の処理を実行する。
(ステップS50)
ステップS50では、RAM42aに設定したリーチフラグに「1」を記憶する。これにより、メイン制御プログラムP1はリーチフラグの記憶内容を判定すると、ゲーム進行の場がリーチの状態になっているか否かを把握することができる。これにより、例えば、リーチ後の自摸操作により自摸した牌が上がり役を完成させないときには、この自摸した牌を自動的に捨て牌の処理を行なうことが可能になる。さらに、ゲーム開始時に遊技者がリーチによる得点増加手段Cを選択した場合には、遊技者が自摸操作を行なうごとにこのリーチフラグの記憶内容を判定してリーチの状態になっていると、リーチ後自摸回数カウントプログラムP1eを作動させて、リーチ後の自摸回数をカウントする処理を行なう。
(ステップS51)
ステップS51では、リーチの制御コマンドを、サブ制御基板Kbを介して第2の画像制御基板Kdに送信する。これにより、第2の画像制御基板Kdは、リーチの制御コマンドを受信した後に、最初に受信した捨て牌の図柄コードに対応する図柄を、捨て牌表示部33に横向きに表示し、さらに、RAM42dに記憶している裏ドラの図柄コードに対応する図柄を裏ドラ表示部28bに表示する処理を行なう。
以上に説明した本発明の一実施形態を示す雀球遊技機に搭載されている動作制御プログラムは、上記したステップを実行することにより1ゲームの進行を制御することができる。
上記した本発明の実施形態において、遊技者が予め設定された複数種の得点増加手段から規定数の得点増加手段を選択させるための手段は、前記した捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、19c、19d、19eのボタン名称であるスイッチA、B、C、D、Eを利用する方法の他に、次の手段(1)、(2)を採用することができる。
(1)図20に示す得点増加メニュー選択画面Sについて、上シフトボタン、下シフトボタン、および選択決定ボタン23を操作して、得点増加メニュー選択画面Sと対話方式により好みの得点増加メニューを選択する。
(2)操作パネル3に、得点増加メニュー選択画面Sから好みの得点増加メニューを選択するための専用のスイッチを設ける。
上記した本発明の実施形態においては、遊技者はゲーム開始時に、複数種の得点増加手段から予め設定された規定数となる3種の得点増加手段の全てを、得点増加メニュー選択画面Sを利用して選択した例について説明した。本発明においては、遊技者が選択可能なこの規定数のうち、遊技者は少なくとも1種を選択可能とし、さらに、規定数に対して不足する数の得点増加手段は、抽選、または得点増加手段ごとに予め設定した優先順位に基づいて選択する手段を採用するようにしてもよい。
以下、これら抽選により得点増加手段を選択する手段と、予め設定した優先順位により得点増加手段を選択する手段について説明する。これらの処理を実行するプログラムは、例えば、図23に示すように、メイン制御基板Kaに搭載されている得点増加メニュー選択プログラムP1fのサブプログラムとして、抽選による得点増加手段選択プログラムP1f−1、あるいは、優先順位による得点増加手段選択プログラムP1f−2を設けるようにする。
(抽選による得点増加手段の選択)
抽選による得点増加手段選択プログラムP1f−1により、得点増加手段の選択を実行するときの遊技者の操作、およびこのプログラムの処理内容は、次のようになる。なお、この抽選により得点増加手段を選択する手段は、例えば、選択可能な得点増加手段の規定数が「3」に設定されているときに、遊技者が得点増加メニュー選択画面Sを利用して1種の得点増加手段を選択したときに、規定数に対して不足する2種の得点増加手段を抽選によるプログラム処理により決定するときに実行される。
(1)上記したステップS5の処理において、抽選による得点増加手段選択プログラムP1f−1を作動させる。ステップS5の処理は、メイン制御基板Kaの得点増加メニュー選択プログラムP1fの制御に基づいて、第2の画像制御基板Kdの得点増加メニュー表示プログラムP42cに得点増加メニュー選択画面Sを第2の表示装置16に表示させる。そして、遊技者はこの得点増加メニュー選択画面Sを利用して、対話方式により希望する規定数の得点増加手段を選択するようにしたステップである。
(2)そして、このステップS5において、遊技者は、得点増加メニュー選択画面Sを利用して、好みの得点増加手段に対応するメニューを捨て牌用ボタンスイッチ19a(A)、・・・等を操作して選択する。このとき、遊技者は、得点増加メニュー選択画面Sに表示された得点増加メニューs2欄から、例えば一つ(1種)の得点増加メニューのみを選択することを可能にする。続いて、1種の得点増加メニューのみを選択して、選択終了の入力手段となる選択決定ボタン23を押圧すると、メイン制御プログラムP1は、未選択の得点増加手段の数を求める。この場合は、二つの得点増加手段が未選択として残っているので、抽選による得点増加手段選択プログラムP1f−1を作動させる。
(3)抽選による得点増加手段選択プログラムP1f−1は、予め設定されている複数種の得点増加手段からまだ遊技者に選択されていない得点増加手段について、規定数に対して不足している二つの得点増加手段を、乱数発生手段を利用した抽選により選択(決定)する処理を行なう。
(4)得点増加メニュー抽選プログラムP1f−1は、抽選により決定した得点増加手段に関する識別情報(前記した得点増加手段のコード)をRAM42aに記憶し、続いて、抽選により決定した得点増加手段に関する識別情報を、制御コマンドとともにサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdのメイン制御プログラムP41は、この制御コマンドを受信すると、得点増加メニュー表示プログラムP42cを作動させて、前記したように、得点増加メニュー選択画面Sにおいてこの抽選により決定した得点増加手段に対応するメニュー欄s2を含むボタン欄s1、増加メダル枚数欄s3を、例えば、赤色等で明示するようにする。
(5)続いて、前記したステップS6の処理において、得点増加メニュー選択プログラムP1fは、遊技者が選択した得点増加メニューに関する識別情報と、上記した抽選により決定した得点増加手段に関する識別情報とをRAM42aに、当該ゲームにおいて選択された得点増加手段として記憶する処理を行なう。これにより、規定数の得点増加手段が選択されて以降のゲームの制御が進行することになる。
(優先順位による得点増加手段の選択)
(1)優先順位による得点増加手段の選択を行なうためには、例えば、図24に示すような得点増加手段選択優先順位テーブルを、予めROM41aに記憶しておく。この得点増加手段選択優先順位テーブルは、複数種の得点増加手段に付与した識別情報、例えば、得点増加手段ごとに付与した識別コードごとに、予めこれらの得点増加手段を選択するための優先順位を設定したデータテーブルである。図24に示すデータテーブルは、優先順位「1」が設定されている「ドラ牌に得点増加手段A」が最優先して選択され、続いて、優先順位「2」が設定されている「風牌に得点増加手段B」が選択されることを示している。
(2)そして、前記したステップS5の処理において、遊技者は、得点増加メニュー選択画面Sを利用して、例えば、二つの得点増加メニューを選択して、選択終了の入力手段となる選択決定ボタン23を押圧すると、メイン制御プログラムP1は優先順位による得点増加手段選択プログラムP1f−2を作動させて、まだ遊技者により選択されていない複数種の得点増加手段から規定数に対して不足している数となる一つ得点増加手段を、図24に示す得点増加手段選択優先順位テーブルを参照して決定する処理を行なう。
上記(2)において、例えば、遊技者が得点増加メニュー選択画面Sを利用して、「ドラ牌による得点増加手段A」と「風牌による得点増加手段B」の二つを選択した場合には、優先順位による得点増加手段選択プログラムP1f−2は、規定数に対して不足している一つの得点増加手段を選択する処理を行なう。このとき、得点増加手段選択プログラムP1f−2は、得点増加手段選択優先順位テーブルを参照して、選択されていない得点増加手段のうち最も優先順位が高い「3」が設定されている「リーチによる得点増加手段C」を選択する処理を行なうことになる。
なお、上記した優先順位による得点増加手段選択プログラムP1f−2の処理において、得点増加手段選択優先順位テーブルを必ずしもROM41aに設ける必要はない。この場合には、得点増加手段選択プログラムP1f−2は予め設定された得点増加手段を選択するための優先順位に基づいて、遊技者に選択されていない得点増加手段を検索して求める処理を行なうことにより、得点増加手段を選択することができる。
このように、遊技者がゲーム開始時に、複数種の得点増加手段から少なくとも1種の得点増加手段を選択可能とし、遊技者が選択した得点増加手段の数が予め設定した規定数に満たないときには、残りの数の得点増加手段を抽選、または予め設定した得点増加手段選択の優先順位に基づいて決定する手段を採用すると、1ゲームごとに採用される得点増加手段の組合せに多様な変化が生じるので、遊技者は各ゲームを高い興趣をもって進めることが可能になる。
なお、本発明において、上記した抽選により得点増加手段を選択する手段と、予め設定した優先順位により得点増加手段を選択する手段、のいずれを採用するかは適宜決定すればよい。また、これら二つの手段のいずれを採用するかは、ゲーム開始時に遊技者に選択ボタンの操作により選択可能にしてもよい。