JP2007194151A - イオン伝導体 - Google Patents

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Shuhei Murata
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Masashi Yoshio
正史 吉尾
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健史 岸本
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Abstract

【課題】室温付近から高温に至るまで、高いイオン伝導率を有するイオン伝導体を提供する。
【解決手段】電解質と、液晶性分子と、環状化合物とを含むイオン伝導体とする。環状化合物としては、クラウンエーテル、シクロデキストリン、シクロファン、カリックスアレンなどが例示できる。このようなイオン伝導体とすることによって、室温付近から高温に至るまで、例えば電極間に配置された場合に電極に対して垂直な方向に高いイオン伝導率を有するイオン伝導体を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオン伝導体に関する。より具体的には、例えば、リチウムおよびリチウムイオン電池、キャパシタ、光電気化学電池、イオンセンサ、フォトクロミック素子、燃料電池などの各種デバイスに用いることができるイオン伝導体に関する。
電池など、イオンの移動を利用したデバイスには、イオン伝導体が必要である。従来、イオン伝導体として、無機材料を用いた無機固体電解質や、有機高分子を用いた高分子固体電解質、水または非水溶媒を用いた液状電解質などが知られている。例えば、高分子固体電解質は、液漏れのおそれがなく不揮発性であることなどから、次世代リチウム二次電池の電解質として注目を集めている。しかしながら、高分子固体電解質のイオン伝導率は、現時点では十分に高くはない。
イオン伝導率の向上のために、液体状の電解質をゲル化剤などによって固化させたゲル電解質も検討されているが、ゲル電解質には揮発性を有する液状成分が残存しているため、デバイスの安全性を十分に確保することが難しい。
近年、固体と液体との中間的性質を有する液晶材料を用い、液晶材料が有する配向性などの特性を利用したイオン伝導体が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献3に記載)。
特開2001−338527号公報 特開2002−105033号公報 特開2002−358821号公報
実際にデバイスに用いられた場合、例えば、電極間にイオン伝導体が配置された場合などの条件を考慮すると、室温下において電極間の方向に相対的に高いイオン伝導率を示すイオン伝導体であることが望まれる。また、デバイスによっては室温下だけではなく高温下においても高いイオン伝導率を示すことが望まれる。しかしながら、広い温度域において、液晶材料を用いながら電極に対して垂直な方向に高いイオン伝導率を示すイオン伝導体は知られていない。
このような課題を解決するために、本発明のイオン伝導体は、電解質と液晶性分子と環状化合物とを含んでいる。
本発明によれば、室温付近から高温に至るまで、例えば電極間に配置された場合に電極に対して垂直な方向に高いイオン伝導率を有するイオン伝導体を提供できる。
本発明のイオン伝導体は、電解質と液晶性分子と環状化合物とを含んでいる。このようなイオン伝導体では、室温付近から高温に至るまで、例えば電極間に配置された場合に電極に対して垂直な方向(電極間の方向)に高いイオン伝導率を有するイオン伝導体とすることができる。
液晶性分子を含む従来のイオン伝導体では、温度が低くなるとイオンが拡散しにくくなるためイオン伝導率が低下する傾向にある。また、液晶性分子が結晶状態となるとイオン伝導率はさらに低下する。これに対して本発明のイオン伝導体では、電解質および液晶性分子に加えて環状化合物を含むことによってイオン伝導経路が形成でき、幅広い温度領域において高いイオン伝導率を発現することができる。
また、本発明のイオン伝導体では、液晶性分子を含むことによって、イオン伝導率を特定の方向に相対的に高くすることができる。例えば、本発明のイオン伝導体を一対の電極で狭持することによって、電極間の方向にイオン伝導率が相対的に高いイオン伝導体とすることができる。
本発明のイオン伝導体に含まれる環状化合物は特に限定されない。例えば、クラウンエーテル、シクロデキストリン、シクロファン、カリックスアレンなどを用いればよい。なかでも、電解質の解離能力が大きいことから、クラウンエーテルを用いることが好ましい。
本発明のイオン伝導体では、2種以上の環状化合物が含まれていてもよい。環状化合物の種類はイオン伝導体として必要な特性に応じて任意に設定することができる。各々の環状化合物の具体的な構成、構造などは特に限定されない。
本発明のイオン伝導体に含まれる液晶性分子は特に限定されない。なかでも、ネマチック液晶性分子であることが好ましい。ネマチック液晶状態において、液晶性分子は電極に垂直に配向するため、より確実にイオン伝導体のイオン伝導率を電極間の方向に相対的に高くできる。なお、ネマチック液晶性分子は、特定の温度領域において、ネマチック相を形成する液晶性分子であればよい。ネマチック相を形成する温度領域は特に限定されない。
また、なかでも、液晶性分子が、下記式(化1)〜(化5)から選ばれるいずれかの式によって示される分子であってもよい。ただし、下記式(化1)〜(化5)において、Aは、シアノ基(−CN)、フッ素原子(−F)またはメトキシ基(−OCH3)である。R1、R2、R3およびR4は、炭素数が2以上8以下の直鎖アルキル基である。R5は、炭素数が2以上10以下の直鎖アルキル基である。
上記式(化1)〜(化5)に示す液晶性分子はネマチック液晶性分子であり、上述したように、より確実にイオン伝導体のイオン伝導率を電極間の方向に相対的に高くすることができる。また、上記液晶性分子は、すべて末端に極性基(シアノ基、フッ素原子またはメトキシ基)を有しているため、電解質との相溶性にも優れている。
本発明のイオン伝導体では、上記液晶性分子を複数種含んでいてもよい。複数種の液晶性分子を含むことによって、高いイオン伝導率を発現する温度領域の制御が容易となる。例えば、液晶性分子の液晶−結晶転移温度を低下させ、幅広い温度領域において、液晶性を発現させる、即ち、電極間の方向に高いイオン伝導率を発現させることも可能である。なお、「複数種の液晶性分子を含む」とは、同一の式(例えば、上記式(化1))によって示され、かつ、分子の構成が部分的に異なる(例えば、上記式(化1)においてR1における炭素数が異なる、など)場合も含まれる。
本発明のイオン伝導体では、電解質、液晶性分子および環状化合物の含有率は特に限定されない。電解質の含有率は、例えば、1モル%〜20モル%の範囲であればよく、なかでも1モル%〜10モル%の範囲が好ましい。液晶性分子の含有率は、例えば、20モル%〜90モル%の範囲であればよい。環状化合物の含有率は、例えば、5モル%〜75モル%の範囲であればよく、なかでも20モル%〜70モル%の範囲が好ましい。電解質が1モル%未満となると伝導性の発現に必要なイオンが不足し、電解質が20モル%を超えると液晶相が発現しない場合がある。
本発明のイオン伝導体に含まれる電解質は特に限定されない。電解質の種類は、イオン伝導体を用いるデバイスの種類によって適宜選択すればよい。
例えば、電解質として、アルカリ金属塩、特にリチウム塩を用いてもよい。具体的な例としては、LiPF6、LiBF4、LiN(C25SO22、LiAsF6、LiSbF6、LiAlF4、LiGaF4、LiInF4、LiClO4、LiN(CF3SO22、LiCF3SO3、LiSiF6、LiN(CF3SO2)(C49SO2)などが挙げられる。これらリチウム塩を電解質に用いた場合、本発明のイオン伝導体はリチウム電池などに用いることができる。
電解質の別の例としては、LiI、NaI、KI、CsI、CaI2などの金属ヨウ化物、4級イミダゾリウム化合物のヨウ素塩、テトラアルキルアンモニウム化合物のヨウ素塩、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物が挙げられる。
電解質の別の好ましい例はプロトン酸である。プロトン酸は無機酸でも有機酸でもよい。無機酸の例としては、硝酸、硫酸、亜硫酸、重亜硫酸、燐酸、亜燐酸、次燐酸、メタ燐酸、次亜燐酸、アミド燐酸、炭酸、重炭酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、オルトホウ酸、メタホウ酸、アルミン酸、アミド硫酸、ヒドラジノ硫酸、スルファミン酸などが挙げられる。また、有機酸の例としては、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、乳酸、酢酸、酪酸、クロトン酸、アゼライン酸、クエン酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、フマル酸、マロン酸、リンゴ酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アニス酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、ナフトエ酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、アスパラギン、アスパラギン酸、4−アミノ酪酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシン、グルタミン酸、システイン、セリン、バリン、ヒスチジン、メチオニン、ロイシン、安息香酸、安息香酸−2−燐酸、アデノシン−2’−燐酸、フェノール−3−燐酸、ガラクトース−1−燐酸、ベンゼンホスホン酸、2−アミノエチルホスホン酸、2−ブロム−p−トリルホスホン酸、2−メトキシフェニルホスホン酸、t−ブチルホスフィン酸、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、4−アミノ−m−クレゾール、2,4−ジニトロフェノール、o−ブロモフェノール、p−フェノールスルホン酸、p−アセチルフェノール、アスコルビン酸、レダクチン、3−ヒドロキシフェニルホウ酸、3−アミノフェニルホウ酸、β−フェニルエチルボロン酸、ヒドラジン−N,N−ジ酢酸、ヒドラジン−N,N’−ジ酢酸などが挙げられる。プロトン酸は、上記に限らず、例えば、スルフォニルイミド酸や、その誘導体などであってもよい。
本発明のイオン伝導体は、上述した液晶性分子、電解質、環状化合物以外に、ゲル化剤、ポリエチレンオキサイドなどのその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分の含有率は、0.2モル%以下とすることが好ましい。
本発明のイオン伝導体は、リチウムイオン電池、燃料電池などの各種デバイスへの適用が可能である。例えば、色素増感型太陽電池において不揮発性のイオン伝導体が求められているが、本発明のイオン伝導体は十分に要求特性を満たすことができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。最初に、イオン伝導率の測定方法について説明する。
(垂直方向イオン伝導率の測定方法)
図1に、イオン伝導率の測定に用いたセル(伝導率測定用セル)を示す。このセルを作製するために、まず、アルゴングローブボックス内にて、予め透明導電膜としてITO(indium tin oxide)膜3を形成した縦15mm、横10mmのガラス板(ITO膜付きガラス電極)4に、試料充填部1として直径(r)6mmの円を打ち抜いた厚さ25μmの粘着剤付きポリイミドフィルム(図2参照)をスペーサー2として貼り付けた。次に、試料充填部1に、加熱して等方性の液体状態にある(液晶性分子が等方的に存在する状態にある)試料(イオン伝導体)を充填し、さらに別のITO膜付きガラス電極4をITO膜3が充填部1側となるように配置した。
このように準備した伝導率測定用セルに対して、所定の温度において、インピーダンス測定装置(横河ヒューレットパッカード製4284A)を用いた複素インピーダンス法により高周波数側の円弧と低周波数側の直線との交点の実数成分インピーダンスを求め、以下の式(1)に基づいて試料の垂直方向イオン伝導率σv(S/cm)を算出した。
σv=d/(R×A) (1)
ただし、式(1)において、d:スペーサーの厚さ(cm)、R:実数成分インピーダンス(Ω)、A:極板面積(cm2)である。
(水平方向イオン伝導率の測定方法)
図3に、水平方向イオン伝導率の測定に用いた櫛型電極を示す。櫛型電極11は、ガラス板上に、ITOを厚さ30nmで蒸着し、さらにAgとAuとからなる合金を総厚さが0.8μmとなるように蒸着して形成した。互いに対向するように配置した櫛型電極11は、それぞれ3つの櫛部12を有しており、各櫛部12の幅Wは2mm、櫛部12の間隔Dは3mm、対向する櫛部の重複幅Vは7mmとした。この櫛型電極11の櫛部12の間に、測定対象とする試料が等方性状態となるように加熱してから塗布し、この試料を覆う領域に縦10mm、横25mmのガラス板を重ね、この領域(測定領域13)でのみ試料を保持した。その後、垂直方向イオン伝導率の測定と同様にして伝導率σhを求めた。なお、伝導率σhの絶対値は、試料が等方性液体状態のときの測定値を用いて補正した。
次に、本実施例で準備した各試料(サンプル)を示す。
−サンプル1−
環状化合物として12−Crown−4(和光純薬製)6.5mgと、液晶性分子として4’−ペンチロキシ−ビフェニル−4−カルボニトリル(ワコーケミカル製、50CB)43.9mgおよび4’−ヘプチロキシ−ビフェニル−4−カルボニトリル(ワコーケミカル製、70CB)48.5mgと、電解質としてLiN(CF3SO22(略称LiTFSI、キシダ化学製)1.1mgとを混合し、100℃に加温して均一溶液を調製した。各材料の含有率はモル比にして、12−Crown−4:50CB:70CB:LiTFSI=9:41:41:10であった。
このようにして準備したイオン伝導体について、上述した測定方法を用い、80℃および室温近傍の温度である23℃において垂直方向イオン伝導率を測定した。また、23℃において水平方向イオン伝導率を測定した。なお、23℃においてサンプル1が充填された伝導率測定用セルを偏光顕微鏡にて観察したところ、サンプル1に含まれる液晶性分子がITO電極に対して垂直な方向に配向していることが確認できた。
−サンプル2−
サンプル1と同様に、環状化合物として15−Crown−5(和光純薬製)7.2mgと、液晶性分子として50CBを39.1mgおよび70CBを43.2mgと、電解質としてLiTFSI10.4mgとを混合し均一溶液を調製した。各材料の含有率はモル比にして、15−Crown−5:50CB:70CB:LiTFSI=10/45/45/1であった。
このようにして準備したイオン伝導体について、サンプル1と同様にイオン伝導率を測定した。また、サンプル1と同様に偏光顕微鏡観察を行ったところ、サンプル2に含まれる液晶性分子がITO電極に対して垂直な方向に配向していることが確認できた。
−サンプル3−
サンプル1と同様に、環状化合物として18−Crown−6(和光純薬製)8.5mgと、液晶性分子として50CBを38.5mgおよび70CBを42.6mgと、電解質としてLiTFSI10.3mgとを混合し均一溶液を調製した。各材料の含有率はモル比にして、18−Crown−6:50CB:70CB:LiTFSI=9:40.5:40.5:10であった。
このようにして準備したイオン伝導体に対して、サンプル1と同様にイオン伝導率を測定した。また、サンプル1と同様に偏光顕微鏡観察を行ったところ、サンプル3に含まれる液晶性分子がITO電極に対して垂直な方向に配向していることが確認できた。
−サンプルA〜C(比較例)−
上述したサンプル1〜3とは別に、比較例として環状化合物を含まないサンプルA〜Cを調製し、サンプル1と同様にイオン伝導率を測定した。サンプルAはサンプル1を調製する際に環状化合物を加えなかったサンプルであり、サンプルBおよびCは、それぞれ、サンプル2および3を調製する際に環状化合物を加えなかったサンプルである。
以下の表1に各サンプルのイオン伝導率の測定結果を示す。表1におけるイオン伝導率の単位は(S/cm)である。
表1に示すように、環状化合物が含まれるサンプル1〜3は、環状化合物が含まれないサンプルA〜Cに比べて、より幅広い温度領域において電極間の方向に高いイオン伝導率を発現することがわかった。
次に、以下の表2に、23℃における各サンプルの偏光顕微鏡観察結果をまとめて示す。偏光顕微鏡観察はクロスニコル下においてコノスコープ観察により行った。
表1および表2に示すように、サンプル1〜3では23℃においても液晶性分子がネマチック相を形成していることがわかった。このことは、表1における垂直方向のイオン伝導率と水平方向のイオン伝導率との差に反映していると考えられる。また、比較例であるサンプルAおよびBにおいても、液晶性分子がネマチック相を形成していた。しかしながら、表1によればサンプルAおよびBでは、垂直方向のイオン伝導率と水平方向のイオン伝導率との差がサンプル1〜3に比べて大きくない。このため、液晶性分子が形成するネマチック相は、サンプルA〜Cに比べて、環状化合物を含むサンプル1〜3の方がより安定的であるといえる。
次に、図4に、23℃におけるサンプル3のオルソスコープ(偏光顕微鏡、クロスニコル下)観察の結果を示す。図4に示すように、オルソスコープ上で暗視野として観察される領域(液晶性分子が垂直配向している領域)において、十字状のアイソジャイヤ(暗黒十字帯)が観察された。上記十字状の領域に、環状化合物であるクラウンエーテルを含むイオン伝導経路が形成されていると推測される。
本発明によれば、室温付近から高温に至るまで、例えば電極間に配置された場合に電極に対して垂直な方向に高いイオン伝導率を有するイオン伝導体を提供できる。また、本発明のイオン伝導体は、室温付近から高温に至るまで高いイオン伝導率を有するため、なかでも使用温度領域が広いデバイスに適した特性を有している。本発明のイオン伝導体は、不揮発性であって、実用面で重要である電極間の伝導率が大きい。本発明のイオン伝導体は、リチウムイオン電池、燃料電池に代表される各種デバイスの材料として大きな利用価値を有している。
実施例で用いたイオン伝導率測定用セルの断面図である。 図1のセルに用いたスペーサーの平面図である。 実施例で用いた水平方向イオン伝導率測定用セルにおける櫛型電極を示す平面図である。 実施例において測定した偏光顕微鏡像の一例を示す図である。
符号の説明
1 試料充填部
2 スペーサー
3 ITO膜
4 ITO膜付きガラス電極
11 櫛型電極
12 櫛部
13 測定領域

Claims (5)

  1. 電解質と、液晶性分子と、環状化合物とを含むイオン伝導体。
  2. 前記環状化合物が、クラウンエーテルである請求項1に記載のイオン伝導体。
  3. 前記液晶性分子が、ネマチック液晶性分子である請求項1または2に記載のイオン伝導体。
  4. 前記液晶性分子が、下記式(化1)〜(化5)から選ばれるいずれかの式によって示される分子である請求項1〜3のいずれかに記載のイオン伝導体。
    ただし、前記式(化1)〜(化5)において、
    Aは、シアノ基、フッ素原子またはメトキシ基であり、
    1、R2、R3およびR4は、炭素数が2以上8以下の直鎖アルキル基であり、
    5は、炭素数が2以上10以下の直鎖アルキル基である。
  5. 前記液晶性分子を2種以上含む請求項4に記載のイオン伝導体。
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