JP2007192388A - 遊星差動ネジ型回転−直動変換機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊星差動ネジ型回転−直動変換機構において噛合部の偏摩耗を防止する。
【解決手段】遊星差動ネジ型回転−直動変換機構内では、負荷によりプラネタリシャフト18には、公転周面上から見て反時計回りに傾倒する傾倒トルクが働く。しかしロッド20が撓んだ状態とされており、最初からリテーナ22,24に相対的トルクを発生させて、プラネタリシャフト18に対して時計回りのトルクを発生させている。このためプラネタリシャフト18に生じる傾倒トルクはロッド20の発生する相対的トルクにより減殺されることになる。このことによりプラネタリシャフト18が傾倒するのを抑制でき噛合部での偏摩耗を防止することができる。
【選択図】図7
【解決手段】遊星差動ネジ型回転−直動変換機構内では、負荷によりプラネタリシャフト18には、公転周面上から見て反時計回りに傾倒する傾倒トルクが働く。しかしロッド20が撓んだ状態とされており、最初からリテーナ22,24に相対的トルクを発生させて、プラネタリシャフト18に対して時計回りのトルクを発生させている。このためプラネタリシャフト18に生じる傾倒トルクはロッド20の発生する相対的トルクにより減殺されることになる。このことによりプラネタリシャフト18が傾倒するのを抑制でき噛合部での偏摩耗を防止することができる。
【選択図】図7
Description
本発明は、サンシャフト、プラネタリシャフト及びナット間でネジ噛合部を形成して回転−直動変換を行う遊星差動ネジ型回転−直動変換機構に関する。
各種のアクチュエータに用いられる回転−直動変換機構として、サンシャフト、プラネタリシャフト及びナットを組み合わせた遊星差動ネジ型回転−直動変換機構が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−196757号公報(第3頁、図1)
このような遊星差動ネジ型回転−直動変換機構においては、プラネタリシャフトのネジ部に対して異なる進み角のネジ部(サンシャフトあるいはナット)を噛み合わせることにより回転−直動変換を行っている。このため遊星差動ネジ型回転−直動変換機構に負荷が与えられている状況では、プラネタリシャフトには、ネジ噛合部の進み角の違いによってサンシャフトとナットとの間の公転空間において周方向に傾倒するトルク(以下「傾倒トルク」と称する)が働く。このことによりプラネタリシャフトに傾倒が生じると、ネジ部同士が噛み合っているネジ噛合部においては、実際に噛合している領域に偏りが生じて、全体的に均一な面圧が得られず面圧の偏りにより、偏摩耗を生じてしまうおそれがある。
特に遊星差動ネジ型回転−直動変換機構においてネジ部とギヤ部とを併設する構成とした場合には、プラネタリシャフトの傾倒トルクによりギヤ部同士が噛み合っているギヤ噛合部に面圧の偏りが生じて偏摩耗が生じやすくなり、耐久性が悪化するおそれがある。
特許文献1では、プラネタリシャフトの両端にリテーナを配置しているが、全てのプラネタリシャフトの傾倒方向は同一方向であるので、全プラネタリシャフトの傾倒トルクが合成されることにより、2つのリテーナ間では相対的に位相がずれてしまい、傾倒抑制はなされず、結果として偏摩耗を防止できない。
本発明は、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構において噛合部の偏摩耗を防止することを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構は、ナットとサンシャフトとの間にプラネタリシャフトを配置し、前記ナット、前記サンシャフト及び前記プラネタリシャフト間に形成されている各ネジ部同士を噛み合わせたネジ噛合部により、回転−直動変換を行う遊星差動ネジ型回転−直動変換機構であって、前記プラネタリシャフトの公転軸周りに回転可能に配置され、前記プラネタリシャフトを自転可能に軸方向2カ所にて支持する2つのリテーナと、回転−直動変換に伴って生じる前記プラネタリシャフトを傾倒させる傾倒トルクを減殺する方向に、前記リテーナ間に相対的トルクを発生させるプラネタリシャフト傾倒抑制手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構は、ナットとサンシャフトとの間にプラネタリシャフトを配置し、前記ナット、前記サンシャフト及び前記プラネタリシャフト間に形成されている各ネジ部同士を噛み合わせたネジ噛合部により、回転−直動変換を行う遊星差動ネジ型回転−直動変換機構であって、前記プラネタリシャフトの公転軸周りに回転可能に配置され、前記プラネタリシャフトを自転可能に軸方向2カ所にて支持する2つのリテーナと、回転−直動変換に伴って生じる前記プラネタリシャフトを傾倒させる傾倒トルクを減殺する方向に、前記リテーナ間に相対的トルクを発生させるプラネタリシャフト傾倒抑制手段とを備えたことを特徴とする。
このようにプラネタリシャフトに配置された2つのリテーナを利用し、該リテーナ間にプラネタリシャフト傾倒抑制手段により上述した相対的トルクを発生させる。リテーナがプラネタリシャフトの軸方向2カ所に配置されていることにより、プラネタリシャフトに傾倒トルクが生じると、この傾倒トルクは2つのリテーナ間においては相対的な位相関係をずらすトルクとなる。
したがってプラネタリシャフト傾倒抑制手段により、2つのリテーナ間の位相関係をずらす上記傾倒トルクに対抗して、2つのリテーナ間に相対的トルクを発生させることで、傾倒トルクを減殺している。このことによりプラネタリシャフトが傾倒するのを抑制でき、噛合部の偏摩耗を防止することができる。
請求項2に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項1において、前記プラネタリシャフト傾倒抑制手段は、前記プラネタリシャフトが傾倒していない状態にて前記リテーナ間に相対的トルクを発生させていることを特徴とする。
このようにプラネタリシャフトが傾倒していない状態にて予めリテーナ間に相対的トルクを発生させておくことにより、より効果的にプラネタリシャフトが傾倒するのを抑制でき、噛合部の偏摩耗を防止することができる。
請求項3に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項1又は2において、前記プラネタリシャフトは、前記ネジ部の一方又は両方にギヤ部を形成することで、該ギヤ部と、前記ナット及び前記サンシャフトの一方又は両方に設けられたギヤ部とを噛み合わせたギヤ噛合部を形成していることを特徴とする。
このようにネジ部とギヤ部とを併設する構成としたプラネタリシャフトの場合においても、プラネタリシャフト傾倒抑制手段により、プラネタリシャフトの傾倒が抑制されるので、特にギヤ噛合部における偏摩耗を防止することができる。
請求項4に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記プラネタリシャフト傾倒抑制手段は、前記2つのリテーナ間にロッドを架け渡し、該ロッドの弾性復元力により前記相対的トルクを発生させることを特徴とする。
このように2つのリテーナ間にロッドを架け渡し、このロッドの弾性復元力によりリテーナ間での前記相対的トルクを生じさせる構成とすることができ、簡易な構成によりプラネタリシャフト傾倒抑制手段が実現できる。
請求項5に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項4において、前記プラネタリシャフト傾倒抑制手段は、前記2つのリテーナに対する前記ロッドの2つの係合位置間の位相差と前記プラネタリシャフトの2つの支持位置間の位相差とを異ならせたことにより、前記相対的トルクを発生させることを特徴とする。
このように2つのリテーナに対するロッドの2つの係合位置とプラネタリシャフトの2つの支持位置との関係を形成しておく。このことにより、リテーナ、ロッド及びプラネタリシャフトからなる構成体が形成された状態、あるいは更にこの構成体が遊星差動ネジ型回転−直動変換機構内に組み込まれた状態にて、プラネタリシャフトに予め傾倒トルクとは逆方向の相対的トルクを発生させられる。
そして実際に遊星差動ネジ型回転−直動変換機構が機能する状態では、プラネタリシャフトには傾倒トルクが生じるが、傾倒トルクによりプラネタリシャフトが傾く前に予め発生している相対的トルクにより減殺される。このことによりプラネタリシャフトが傾倒するのを効果的に抑制でき、噛合部の偏摩耗を防止することができる。
請求項6に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項4において、前記プラネタリシャフト傾倒抑制手段は、前記ロッドを捻りバネとして構成していることにより前記リテーナ間での相対的トルクを発生させることを特徴とする。
このようにロッドを捻りバネとすることで、2つのリテーナ間に相対的トルクを発生させることができ、この相対的トルクを傾倒トルクを減殺する方向にかけることができる。このような簡易な構成にてプラネタリシャフトが傾倒するのを抑制でき、噛合部の偏摩耗を防止することができる。
請求項7に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記2つのリテーナは、前記プラネタリシャフトの両端に分けて配置されていることを特徴とする。
2つのリテーナがプラネタリシャフトの両側に分けて配置されている場合には、プラネタリシャフト傾倒抑制手段は、このリテーナ間で相対的トルクを発生させることにより、リテーナ間においてプラネタリシャフトが傾倒するのを抑制でき、噛合部の偏摩耗を防止することができる。
請求項8に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記2つのリテーナは、前記プラネタリシャフトの一方側の端部に配置されていることを特徴とする。
2つのリテーナが共にプラネタリシャフトの一方側の端部に配置されていても良い。このような構成によっても、プラネタリシャフト傾倒抑制手段がリテーナ間で相対的トルクを発生させることにより、2つのリテーナに支持されているプラネタリシャフトの軸を介して、傾倒トルクを減殺するトルクをプラネタリシャフトに伝達することができる。したがって、プラネタリシャフトの一方側の端部にプラネタリシャフト傾倒抑制手段を配置しても、プラネタリシャフトが傾倒するのを抑制でき、噛合部の偏摩耗を防止することができる。
請求項9に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記2つのリテーナは、前記プラネタリシャフトの中央部に配置されていることを特徴とする。
2つのリテーナがプラネタリシャフトの中央部に配置されていても良い。このような構成によっても、プラネタリシャフト傾倒抑制手段がリテーナ間で相対的トルクを発生させることにより、2つのリテーナに支持されているプラネタリシャフトに対して傾倒トルクを減殺するトルクを与えることができる。したがって、プラネタリシャフトの中央部にプラネタリシャフト傾倒抑制手段を配置しても、プラネタリシャフトが傾倒するのを抑制でき、噛合部の偏摩耗を防止することができる。
請求項10に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構は、ナットとサンシャフトとの間にプラネタリシャフトを配置し、前記ナット、前記サンシャフト及び前記プラネタリシャフト間に形成されている各ネジ部同士を噛み合わせたネジ噛合部により回転−直動変換を行うと共に、前記プラネタリシャフトは、前記ネジ部の一方又は両方にギヤ部を形成することで、該ギヤ部と、前記ナット及び前記サンシャフトの一方又は両方に設けられたギヤ部とを噛み合わせたギヤ噛合部を形成している遊星差動ネジ型回転−直動変換機構であって、前記ギヤ噛合部における前記プラネタリシャフトのギヤ部と噛み合い相手側のギヤ部との少なくとも一方がハス歯として構成され、該ハス歯は、回転−直動変換に伴って前記プラネタリシャフトが傾倒した場合に、前記ギヤ噛合部において、前記プラネタリシャフトのギヤ部の歯の方向と、前記噛み合い相手側のギヤ部の歯の方向とが近づく又は一致するねじれ角としたことを特徴とする。
このようなギヤ部が存在するプラネタリシャフトにて、プラネタリシャフトに傾倒トルクが作用しても、プラネタリシャフトのギヤ部の歯の方向と、噛み合い相手側のギヤ部の歯の方向とが近づく又は一致するねじれ角のハス歯を採用することにより、ギヤ噛合部での面圧の偏りが抑制される。このことによりギヤ噛合部での偏摩耗を防止することができる。
[実施の形態1]
図1は上述した発明が適用された遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2を組み込んだアクチュエータ4の縦断面図である。このアクチュエータ4は内燃機関の吸気バルブのバルブリフト量を調節するものである。内燃機関のシリンダヘッドあるいはカムキャリア(ここではカムキャリア6として説明)にはコントロールシャフト8の軸方向移動により吸気バルブのバルブリフト量を連続的に変更できる可変動弁機構が各気筒毎に設けられている。コントロールシャフト8は、全気筒の可変動弁機構に共通する1本が設けられ、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2に備えられているサンシャフト10の先端に図示するごとく接続具7にて接続されている。したがってアクチュエータ4においてサンシャフト10を軸方向に移動させることにより、コントロールシャフト8を駆動して吸気バルブのバルブリフト量を調節することができ、このバルブリフト量調節により内燃機関の各気筒への吸入空気量を調節して内燃機関出力を制御できる。
図1は上述した発明が適用された遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2を組み込んだアクチュエータ4の縦断面図である。このアクチュエータ4は内燃機関の吸気バルブのバルブリフト量を調節するものである。内燃機関のシリンダヘッドあるいはカムキャリア(ここではカムキャリア6として説明)にはコントロールシャフト8の軸方向移動により吸気バルブのバルブリフト量を連続的に変更できる可変動弁機構が各気筒毎に設けられている。コントロールシャフト8は、全気筒の可変動弁機構に共通する1本が設けられ、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2に備えられているサンシャフト10の先端に図示するごとく接続具7にて接続されている。したがってアクチュエータ4においてサンシャフト10を軸方向に移動させることにより、コントロールシャフト8を駆動して吸気バルブのバルブリフト量を調節することができ、このバルブリフト量調節により内燃機関の各気筒への吸入空気量を調節して内燃機関出力を制御できる。
アクチュエータ4の外形を構成するケーシング12はカムキャリア6の側面にボルト等により締結されて固定されている。ケーシング12から軸方向に突出するサンシャフト10は、カムキャリア6を貫通して、その先端は上述したごとくコントロールシャフト8の一端に接続されている。
ケーシング12の内部には、ベアリング14を介して遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2が取り付けられている。遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2は、前記サンシャフト10、外側を形成してベアリング14にて回転可能に支持されている円筒状のナット16、及び前記サンシャフト10と前記ナット16との間に配置されているプラネタリシャフト18を備えている。
サンシャフト10は、平歯ギヤ部10a、ネジ部10b及びストレートスプライン部10cを備えている。この内で、平歯ギヤ部10aは、ネジ部10b及びストレートスプライン部10cが一体に形成されているサンシャフト本体11とは別体に、リング状の外歯車として形成されている。この別体に形成された平歯ギヤ部10aを、サンシャフト本体11に対して基端側(図1の左側)から嵌合して一体化することでサンシャフト10が形成されている。
ネジ部10bは4条からなる右ネジとして形成されている。尚、ネジ部10bに図示されている斜めのハッチングは、ネジの方向(ここでは右ネジ)を模式的に示している。
ナット16は内周面に第1平歯ギヤ部16a、ネジ部16b及び第2平歯ギヤ部16cを備えている。ネジ部16bは円筒状のナット本体17の内周面が加工されることにより5条からなる左ネジとして形成されている。第1平歯ギヤ部16a及び第2平歯ギヤ部16cについてはそれぞれリング状の内歯車として別体に形成され、ネジ部16bの両側にてナット本体17の内周面に配置され、ナット本体17の外周面から貫通させたネジなどで固定されている。
ナット16は内周面に第1平歯ギヤ部16a、ネジ部16b及び第2平歯ギヤ部16cを備えている。ネジ部16bは円筒状のナット本体17の内周面が加工されることにより5条からなる左ネジとして形成されている。第1平歯ギヤ部16a及び第2平歯ギヤ部16cについてはそれぞれリング状の内歯車として別体に形成され、ネジ部16bの両側にてナット本体17の内周面に配置され、ナット本体17の外周面から貫通させたネジなどで固定されている。
プラネタリシャフト18は図2に示すごとくの構成であり、サンシャフト10周りに6本が配置されている。ここで図2の(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は斜視図である。
各プラネタリシャフト18は、平歯ギヤ部18a、ネジ部18b、平歯ギヤ−ネジ部18c及び両端に形成された軸部18d,18eを備えている。
ネジ部18bは1条からなる左ネジであり、平歯ギヤ−ネジ部18cは、平歯ギヤとネジ(ネジ部18bに連続する1条の左ネジ)との両方が共に形成されている部分であり、平歯ギヤとも噛み合い、ネジとも噛み合うように形成されている。尚、図1にてはネジ部18b及び平歯ギヤ−ネジ部18cに図示する斜めのハッチングはネジの方向(ここでは左ネジ)を模式的に示している。
ネジ部18bは1条からなる左ネジであり、平歯ギヤ−ネジ部18cは、平歯ギヤとネジ(ネジ部18bに連続する1条の左ネジ)との両方が共に形成されている部分であり、平歯ギヤとも噛み合い、ネジとも噛み合うように形成されている。尚、図1にてはネジ部18b及び平歯ギヤ−ネジ部18cに図示する斜めのハッチングはネジの方向(ここでは左ネジ)を模式的に示している。
軸部18d,18eは、他の部分(平歯ギヤ部18a、ネジ部18b、平歯ギヤ−ネジ部18c)よりも小径に形成されている。この軸部18d,18eにより、各プラネタリシャフト18は、図3に示すプラネタリシャフト支持構成体19のごとく、3本のロッド20が架け渡されたリテーナ22,24にて自転可能に支持される。このことにより各プラネタリシャフト18は遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2に組み込まれている。ここで図3の(A)はプラネタリシャフト支持構成体19の平面図、(B)は正面図、(C)は斜視図、(D)は右側面図である。尚、図3のプラネタリシャフト支持構成体19では各プラネタリシャフト18の平歯ギヤ部18a、ネジ部18b及び平歯ギヤ−ネジ部18cについては簡略化して領域の境界のみ示しているが実際には図2に示すごとくである。
図4に2つのリテーナ22,24及び3本のロッド20の斜視図を示す。リング状に形成された2つのリテーナ22,24には、プラネタリシャフト18の軸部18d,18eを遊びをもって嵌め込む各6つの支持孔22a,24aがそれぞれ軸方向に貫通状態で形成されている。更に一方のリテーナ22側には3本のロッド20を圧入嵌合あるいは溶接などにより固定して一体にするための3つの嵌合孔22bが軸方向に形成されており、予め嵌合孔22bにはロッド20の一端が固定されている。他方のリテーナ24はロッド20の先端側を摺動状態で貫通させる貫通孔24bが軸方向に形成されている。
ここで各リテーナ22,24において形成されている支持孔22a,24a、嵌合孔22b及び貫通孔24bの関係を図5に示す。図5は各リテーナ22,24を右側面から見た状態を示している。一方のリテーナ22において嵌合孔22bは等位相間隔α(=120°)で形成されている。この嵌合孔22bの各間において、位相間隔β(=40°)で各2つの支持孔22aが形成されている。この各2つの支持孔22aは、嵌合孔22bの位相間隔αのちょうど中間に形成されているのではなく、時計回りに偏って形成されている。すなわち時計回りに隣接する嵌合孔22bとの間隔γと、反時計回りに隣接する嵌合孔22bとの間隔θとは、γ<θの関係にある。このリテーナ22の関係に対して、他方のリテーナ24は鏡面関係にある。すなわち貫通孔24bは等位相間隔α(=120°)で形成され、この貫通孔24bの各間において、位相間隔β(=40°)で各2つの支持孔24aが形成されている。この各2つの支持孔24aは、貫通孔24bの位相間隔αのちょうど中間に形成されているのではなく、反時計回りに偏って形成されている。すなわち反時計回りに隣接する貫通孔24bとは間隔γであり、時計回りに隣接する貫通孔24bとは間隔θである。
このような2つのリテーナ22,24に6つのプラネタリシャフト18を支持させる。すなわち図6の分解斜視図に示すごとく2つのリテーナ22,24間にプラネタリシャフト18配置して各軸部18d,18eを各リテーナ22,24の支持孔22a,24aに挿入する。3つのロッド20については、その先端を貫通孔24bに貫通させて2つのリテーナ22,24間を接続する。このことによりプラネタリシャフト支持構成体19が組み立てられる。
アクチュエータ4への組み込み前では、プラネタリシャフト支持構成体19において、3つのロッド20の両端が存在する嵌合孔22bと貫通孔24bとは捩れることなくリテーナ22,24上において同一の位相に存在する。しかし図5に示したごとくプラネタリシャフト18の両端を支持する支持孔22a,24aは同一位相ではなくリテーナ22に対してリテーナ24の方が右ネジの関係にずれている。このためプラネタリシャフト18は公転周面上から見て時計回りに傾斜した状態で支持されることになる。すなわち図3のプラネタリシャフト支持構成体19に示したごとく6つのプラネタリシャフト18は、全体で右ネジの方向に捩れた状態でリテーナ22,24間にて支持されることになる。
この状態のプラネタリシャフト支持構成体19の中心部に、平歯ギヤ部10aが取り付けられていないサンシャフト本体11をねじ込む。このサンシャフト本体11のねじ込みに際しては、予め、一方のリテーナ22に対して他方のリテーナ24を時計回りに回転させて、図7の斜視図に示すごとくプラネタリシャフト18の軸方向をリテーナ22,24の軸方向に一致させる。このことによりプラネタリシャフト18の各軸部18d,18eの位相位置を同一とし、プラネタリシャフト18のねじれを無くしておく。この時、3本のロッド20が撓むことで、一方のリテーナ22に対する他方のリテーナ24の時計回りを許容する。この3本のロッド20が撓むことにより生じる弾性復元力は、リテーナ22に対してリテーナ24側を反時計回りに回転させる相対的トルクを発生させる。この相対的トルクは各プラネタリシャフト18に対しては、公転周面上から見て時計回りのトルクとなる。すなわち3本のロッド20により上述のごとくリテーナ22,24間が接続された構成がプラネタリシャフト傾倒抑制手段に相当する。
この状態でリテーナ24側の中心孔24cからサンシャフト本体11を、そのネジ部10bを、平歯ギヤ−ネジ部18c及びネジ部18bに、右ネジ方向にねじ込むようにして取り付ける。このことにより図8の構成となる。
更にそしてリテーナ22側の中心孔22cから平歯ギヤ部10aを、各プラネタリシャフト18の平歯ギヤ部18aに噛み合わせてスライドし、サンシャフト本体11の基端部に嵌合固定して、図9のごとくサンシャフト10を完成する。
そして各プラネタリシャフト18の平歯ギヤ−ネジ部18c側から、ナット本体17のネジ部16bを噛み合わせて、各プラネタリシャフト18のネジ部18bまで左ネジ方向にねじ込むことにより、図10の構成とする。
そしてナット本体17の内周面に、各プラネタリシャフト18の平歯ギヤ部18aに噛み合わすように第1平歯ギヤ部16aを配置し、各プラネタリシャフト18の平歯ギヤ−ネジ部18cに噛み合わすように第2平歯ギヤ部16cを配置する。そして第1平歯ギヤ部16a及び第2平歯ギヤ部16cをナット本体17の外周から貫通ネジ穴などを介してネジ止めする。このことにより図11に示すごとくナット16が完成する。このように組み立てられた遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2内では、リテーナ22,24は、プラネタリシャフト18の公転軸周りに回転可能に配置され、かつプラネタリシャフト18を自転可能に支持した状態となっている。したがってプラネタリシャフト18の転動時には、リテーナ22,24はプラネタリシャフト18を自転させつつ、プラネタリシャフト18の公転に伴って自身も回転する。
以後、図1に示したごとく、蓋部16dでナット16の一方の開口端を閉塞し、ナット16の外周面にロータ26を取り付ける。そしてベアリング14を介して、内周面にステータ28が取り付けられているケーシング12内に配置する。このナット16に固定されたロータ26と、ケーシング12に固定されたステータ28とにより、電動モータが構成される。このように構成されたアクチュエータ4は、外部の制御回路にてステータ28内のコイルに対する通電制御を実行することによりナット16の回転を制御できる。
プラネタリシャフト18とナット16との噛み合い状態は、プラネタリシャフト18の平歯ギヤ部18aはナット16側の第1平歯ギヤ部16aに、ネジ部18bはネジ部16bに、平歯ギヤ−ネジ部18cは第2平歯ギヤ部16cに噛み合わされている。噛み合っているナット16のネジ部16bとプラネタリシャフト18のネジ部18bとは、ピッチ円径の比とネジ条数の比とが同じく「5:1」である。したがってプラネタリシャフト18がナット16の内周面にて転動してもナット16とプラネタリシャフト18との間で軸方向での相対的移動は生じない。
プラネタリシャフト18とサンシャフト10との噛み合い状態は、プラネタリシャフト18の平歯ギヤ部18aはサンシャフト10側の平歯ギヤ部10aに、プラネタリシャフト18のネジ部18bと平歯ギヤ−ネジ部18cとは共にサンシャフト10のネジ部10bに噛み合わされている。尚、サンシャフト10のストレートスプライン部10cはケーシング12の開口部分に形成されているストレートスプライン部12aに噛み合わされている。したがってサンシャフト10はケーシング12に対してストレートスプライン部12aで摺動することで軸方向移動は可能であるが、軸周りでの回転は規制されている。
ここでプラネタリシャフト18のネジ部18b及び平歯ギヤ−ネジ部18cと、サンシャフト10のネジ部10bとは、ピッチ円径の比とネジ条数の比とが異なる。すなわちピッチ円径の比は「1:3」であるが、プラネタリシャフト18のネジ部18b及び平歯ギヤ−ネジ部18cのネジ条数は1条であり、サンシャフト10のネジ部10bのネジ条数は4条であるので、ネジ条数の比は「1:4」である。このためプラネタリシャフト18が、ナット16の回転により、サンシャフト10の周りで転動すると、軸回転が規制されているサンシャフト10は、ナット16とプラネタリシャフト18とに対して軸方向での相対的移動を生じる。すなわち差動を生じる。
このように遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2が構成されているため、前記通電制御を実行してナット16を回転させると、ネジ部16b,18b、平歯ギヤ−ネジ部18c及びネジ部10b間にて噛み合わせたネジ噛合部の機能により上述した差動が生じてサンシャフト10が軸方向に移動する。したがって別途設けた変位センサにより検出されるサンシャフト10の変位が目標位置(目標ストローク量)を示すようにナット16の回転量を調節することで、可変動弁機構側のコントロールシャフト8の軸方向位置を制御でき、吸気バルブのバルブリフト量を所望の状態に調節できる。このような制御により、サンシャフト10を、図1に示した最大限図示左側に位置させている状態から、図示右側へと連続的に軸方向に移動できる。このことによりサンシャフト10に連動する可変動弁機構側のコントロールシャフト8を軸方向に連続的に移動させて、吸気バルブのバルブリフト量を連続的に調節することができる。
このように外部装置を駆動している際には、コントロールシャフト8からサンシャフト10を介してプラネタリシャフト18に負荷がかかる。この負荷を伝達する部分はサンシャフト10のネジ部10bと、プラネタリシャフト18のネジ部18b、平歯ギヤ−ネジ部18cとのネジ噛合部である。このネジ噛合部では、差動を生じさせるために、ピッチ円径の比とネジ条数の比とが異ならされて、サンシャフト10のネジ部10bの進み角の方がプラネタリシャフト18のネジ部18b及び平歯ギヤ−ネジ部18cの進み角よりも大きい。サンシャフト10のネジ部10bは右ネジであり、この右ネジに左ネジのプラネタリシャフト18のネジ部18b及び平歯ギヤ−ネジ部18cが噛み合っている。このため、負荷により、プラネタリシャフト18には、サンシャフト10の周面上から見て、反時計回りに傾倒する傾倒トルクが働くことになる。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).上述したごとく、アクチュエータ4による外部装置の駆動により、この外部装置からの負荷が遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2にかかり、プラネタリシャフト18には、サンシャフト10の周面上、すなわちプラネタリシャフト18の公転周面上から見て、反時計回りに傾倒する傾倒トルクが働く。しかし前述したごとく遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2内に組み込まれた状態では、既に3本のロッド20が撓んだ状態とされており、最初からリテーナ22,24に相対的トルクを発生させて、プラネタリシャフト18に対して時計回りのトルクを発生させている。すなわちプラネタリシャフト18が傾倒していない状態においてもリテーナ22,24間に相対的トルクを発生させた構成としている。
(イ).上述したごとく、アクチュエータ4による外部装置の駆動により、この外部装置からの負荷が遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2にかかり、プラネタリシャフト18には、サンシャフト10の周面上、すなわちプラネタリシャフト18の公転周面上から見て、反時計回りに傾倒する傾倒トルクが働く。しかし前述したごとく遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2内に組み込まれた状態では、既に3本のロッド20が撓んだ状態とされており、最初からリテーナ22,24に相対的トルクを発生させて、プラネタリシャフト18に対して時計回りのトルクを発生させている。すなわちプラネタリシャフト18が傾倒していない状態においてもリテーナ22,24間に相対的トルクを発生させた構成としている。
このため外部装置からの負荷によりプラネタリシャフト18に生じる傾倒トルクは、3本のロッド20の発生する相対的トルクにより、効果的に減殺されることになる。このことによりプラネタリシャフト18が傾倒するのを十分に抑制でき、噛合部での偏摩耗を防止することができる。
特にプラネタリシャフト18はネジ部18bの一方に平歯ギヤ部18aを、他方に平歯ギヤ−ネジ部18cを形成して、サンシャフト10側の平歯ギヤ部10a、ナット16側の第1平歯ギヤ部16a及び第2平歯ギヤ部16cと噛み合わせてギヤ噛合部としている。したがってプラネタリシャフト18が傾倒すると、特にギヤ噛合部の面圧が偏り、平歯ギヤ部18a、平歯ギヤ−ネジ部18c、平歯ギヤ部10a、第1平歯ギヤ部16a及び第2平歯ギヤ部16cにおいて偏摩耗を生じやすい。しかし上述のごとくプラネタリシャフト18の傾倒が抑制されるので、ギヤ噛合部について偏摩耗を効果的に防止することができる。
傾倒トルクを減殺するための相対的トルクの発生は、2つのリテーナ22,24に対するロッド20の係合位置間の位相差とプラネタリシャフト18の支持位置間の位相差とを異ならせたことにより、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2として組み立てた場合に生じるロッドの弾性復元力によっている。したがって簡易な構成によりプラネタリシャフト傾倒抑制手段が実現できる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、図12に示すごとく、前記実施の形態1のプラネタリシャフト支持構成体19(図3)とは異なるプラネタリシャフト支持構成体119を採用している。他の構成については前記実施の形態1と同じであり同一の符号にて説明する。
本実施の形態では、図12に示すごとく、前記実施の形態1のプラネタリシャフト支持構成体19(図3)とは異なるプラネタリシャフト支持構成体119を採用している。他の構成については前記実施の形態1と同じであり同一の符号にて説明する。
プラネタリシャフト支持構成体119に用いられているプラネタリシャフト118及びロッド120は前記実施の形態1のプラネタリシャフト18及びロッド20と同一の構成である。プラネタリシャフト支持構成体119両端に備えられている2つのリテーナ122,124の内、ロッド120を固定している方のリテーナ122については前記実施の形態1のリテーナ22と同じ構成である。
本実施の形態では、他方のリテーナ124の形状が図13に示すごとく異なる。図13の(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は斜視図、(D)は右側面図である。このリテーナ124は、リング状の本体に、プラネタリシャフト118の一端を支持する支持孔124aと、ロッド120の先端を係止するJ字形状の係止孔124bとが設けられている。
ここでリテーナ124における支持孔124aと係止孔124bとの位相配置関係は前記実施の形態1のリテーナ24(図5)と同じである。すなわちリテーナ124においては係止孔124bは等位相間隔α(=120°)で形成されている。この係止孔124bの各間において、位相間隔β(=40°)で各2つの支持孔124aが形成されている。この各2つの支持孔124aは係止孔124bの位相間隔αのちょうど中間に形成されているのではなく、反時計回りに偏っている。すなわち反時計回りに隣接する係止孔124bとの間隔γと、時計回りに隣接する係止孔124bとの間隔θとは、γ<θの関係にある。
このような2つのリテーナ122,124に6つのプラネタリシャフト118を支持させる。すなわち図14の分解斜視図に示すごとく2つのリテーナ122,124間にプラネタリシャフト118配置して各軸部118d,118eを各リテーナ122,124の支持孔122a,124aに挿入する。3つのロッド120については、予め一方のリテーナ122の嵌合孔122bに一端を固定しておき、プラネタリシャフト118の支持の際に、先端を少し外周側に拡げるようにして他方のリテーナ124の外周面124c側に当接した状態にする。
このことにより図12に示したプラネタリシャフト支持構成体119が形成される。この状態のプラネタリシャフト支持構成体119の内部空間に、前記実施の形態1と同様に、サンシャフト本体11を、リテーナ124側の中心孔124dから、サンシャフト本体11のネジ部10bを、平歯ギヤ−ネジ部118c及びネジ部118bに、右ネジ方向にねじ込むようにして取り付ける。このことにより図15に示すごとくの構成となる。そして各ロッド120について、その弾性を利用して各先端を124側から見て時計回りにリテーナ124の外周面124c上を移動させて、図16に示すごとく、J字形状の係止孔124b内に挿入することによりロッド120の先端を弾性復元力にてリテーナ124に係合させる。
このことにより前記実施の形態1の図8に示した状態に対応する状態となる。すなわち3本のロッド120が撓むことで生じる弾性力は、リテーナ122に対してリテーナ124側を反時計回りに回転させるトルクを発生させる。このトルクは各プラネタリシャフト118に対しては、公転周面上から見て時計回りのトルクとなる。すなわち3本のロッド120により上述のごとくリテーナ122,124間が接続された構成がプラネタリシャフト傾倒抑制手段に相当する。
以後、前記実施の形態1の図9〜図11にて説明した手順と同様にして、リテーナ122側の中心孔122cから平歯ギヤ部10aを、各プラネタリシャフト118の平歯ギヤ部118aに噛み合わせてスライドし、サンシャフト本体11の基端部に嵌合固定してサンシャフト10を完成する。そして各プラネタリシャフト118の平歯ギヤ−ネジ部118c側から、ナット本体17のネジ部16bを噛み合わせて、各プラネタリシャフト118のネジ部118bまで左ネジ方向にねじ込む。そしてナット本体17の内周面に、各プラネタリシャフト118の平歯ギヤ部118aに噛み合わすように第1平歯ギヤ部16aを配置し、各プラネタリシャフト118の平歯ギヤ−ネジ部118cに噛み合わすように第2平歯ギヤ部16cを配置する。そして第1平歯ギヤ部16a及び第2平歯ギヤ部16cをナット本体17の外周から貫通ネジ穴などを介してネジ止めする。このことによりナット16が完成する。以後、蓋部16dでナット16の開口端を閉塞し、ナット16の外周面にロータ26を取り付ける。そしてベアリング14を介して、内周面にステータ28が取り付けられているケーシング12内に配置する。このようにして本実施の形態の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構を用いたアクチュエータが完成する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前述したごとくプラネタリシャフト支持構成体119が遊星差動ネジ型回転−直動変換機構内に組み込まれた状態では、3本のロッド120が撓んだ状態に設定されている。したがって遊星差動ネジ型回転−直動変換機構内においては、最初からリテーナ122,124に相対的トルクを発生させて、プラネタリシャフト118に対して時計回りのトルクを発生させている。
(イ).前述したごとくプラネタリシャフト支持構成体119が遊星差動ネジ型回転−直動変換機構内に組み込まれた状態では、3本のロッド120が撓んだ状態に設定されている。したがって遊星差動ネジ型回転−直動変換機構内においては、最初からリテーナ122,124に相対的トルクを発生させて、プラネタリシャフト118に対して時計回りのトルクを発生させている。
このことにより、前記実施の形態1の(イ)に述べたごとくの効果を生じさせることができる。
(ロ).一方のリテーナ124に設けられたJ字形状の係止孔124bは、リテーナ124の外周面124cに開口しているので、図12のごとく組み立てたプラネタリシャフト支持構成体119の外側から各ロッド120の先端を挿入できる。
(ロ).一方のリテーナ124に設けられたJ字形状の係止孔124bは、リテーナ124の外周面124cに開口しているので、図12のごとく組み立てたプラネタリシャフト支持構成体119の外側から各ロッド120の先端を挿入できる。
したがってサンシャフト本体11をプラネタリシャフト支持構成体119の内部にねじ込む際に、プラネタリシャフト118に3本のロッド120からのトルクが与えられないようにできる。このためサンシャフト本体11のネジ部10bに、6つのプラネタリシャフト118の平歯ギヤ−ネジ部118c及びネジ部118bを噛み合わせる作業時に、プラネタリシャフト118の軸方向をサンシャフト本体11の軸方向に平行に保つことが容易であり、噛み合わせ作業が特に容易となる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、図17に示すごとく、前記実施の形態1のプラネタリシャフト支持構成体(図3)とは異なるプラネタリシャフト支持構成体219を採用している。他の構成については前記実施の形態1と同じであり同一の符号にて説明する。
本実施の形態では、図17に示すごとく、前記実施の形態1のプラネタリシャフト支持構成体(図3)とは異なるプラネタリシャフト支持構成体219を採用している。他の構成については前記実施の形態1と同じであり同一の符号にて説明する。
プラネタリシャフト支持構成体219に用いられているプラネタリシャフト218は前記実施の形態1のプラネタリシャフト18と同一の構成である。
本実施の形態においては、まずプラネタリシャフト支持構成体219の両端に備えられている2つのリテーナ222,224が図18に示すごとく異なる。図18の(A)は正面図、(B)は右側面図である。2つのリテーナ222,224は同一の構成であり、リテーナ222,224はリング状の本体に対して、プラネタリシャフト218の両端を支持する支持孔222a,224aと、ロッド220の両端を固定する固定孔222b,224bとが形成されている。
本実施の形態においては、まずプラネタリシャフト支持構成体219の両端に備えられている2つのリテーナ222,224が図18に示すごとく異なる。図18の(A)は正面図、(B)は右側面図である。2つのリテーナ222,224は同一の構成であり、リテーナ222,224はリング状の本体に対して、プラネタリシャフト218の両端を支持する支持孔222a,224aと、ロッド220の両端を固定する固定孔222b,224bとが形成されている。
ここで各リテーナ222,224における6つの支持孔222a,224aと3つの固定孔222b,224bとの位相配置関係は前記実施の形態1のリテーナ22,24(図5)とは異なり、等位相間隔にて形成されている。すなわちリテーナ222,224においては、それぞれ全体で9つの孔222a,224a,222b,224bが40°間隔で配置されている。
ロッド220はトーションバー(捻りバネ)が用いられている。プラネタリシャフト支持構成体219の形成に当たっては、図19に示すごとくロッド220は、同一の回転位相に配置した各リテーナ222,224の3つの固定孔222b,224b同士を接続している。この接続では、ロッド220自体の一方側を予め反時計回りに捻った状態(図示矢印)にして固定されている。尚、この固定の際には同時にプラネタリシャフト218もリテーナ222,224の支持孔222a,224aに支持される。
したがってプラネタリシャフト支持構成体219が単独で存在する状態では、図17に示したごとくロッド220のトーションバーとしての弾性復元力は、リテーナ222に対してリテーナ224側を反時計回りに回転させる相対的トルクを発生させる。この相対的トルクは各プラネタリシャフト218に対しては、公転周面上から見て時計回りのトルクとなる。すなわち3本のトーションバーとしてのロッド220により上述のごとくリテーナ222,224間が接続された構成がプラネタリシャフト傾倒抑制手段に相当する。
このように形成されたプラネタリシャフト支持構成体219は、前記実施の形態1の図8〜図11にて説明した手順と同様に、リテーナ224側の中心孔224cからサンシャフト本体11を、そのネジ部10bを、平歯ギヤ−ネジ部218c及びネジ部218bに、右ネジ方向にねじ込むように取り付ける。そしてリテーナ222側の中心孔222cから平歯ギヤ部10aを、各プラネタリシャフト218の平歯ギヤ部218aに噛み合わせてスライドし、サンシャフト本体11の基端部に嵌合固定してサンシャフト10を完成する。そして各プラネタリシャフト218の平歯ギヤ−ネジ部218c側から、ナット本体17のネジ部16bを噛み合わせて、各プラネタリシャフト218のネジ部218bまで左ネジ方向にねじ込む。そしてナット本体17の内周面に、各プラネタリシャフト218の平歯ギヤ部218aに噛み合わすように第1平歯ギヤ部16aを配置し、各プラネタリシャフト218の平歯ギヤ−ネジ部218cに噛み合わすように第2平歯ギヤ部16cを配置する。そして第1平歯ギヤ部16a及び第2平歯ギヤ部16cをナット本体17の外周から貫通ネジ穴などを介してネジ止めする。このことによりナット16が完成する。以後、蓋部16dでナット16の開口端を閉塞し、ナット16の外周面にロータ26を取り付ける。そしてベアリング14を介して、ステータ28が内周面に取り付けられているケーシング12内に配置する。このようにして本実施の形態の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構を用いたアクチュエータが完成する。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)の効果が生じると共に、リテーナ222,224の構成が共通でかつ9つの孔222a,222b,224a,224bも全て等位相間隔で形成すれば良いので、より簡易な構成にてプラネタリシャフト218が傾倒するのを抑制でき、噛合部での偏摩耗を防止することができる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)の効果が生じると共に、リテーナ222,224の構成が共通でかつ9つの孔222a,222b,224a,224bも全て等位相間隔で形成すれば良いので、より簡易な構成にてプラネタリシャフト218が傾倒するのを抑制でき、噛合部での偏摩耗を防止することができる。
[実施の形態4]
本実施の形態のプラネタリシャフト支持構成体319は、図20,図21に示すごとくである。ここで図20は斜視図、図21の(A)は正面図、(B)は右側面図である。前記実施の形態1〜3のプラネタリシャフト支持構成体19(図3),119(図12),219(図17)とは異なり、ロッド20,120,220に相当する部材は存在しない。9本のプラネタリシャフト318がリテーナ322,324により、等位相間隔(40°間隔)で支持されている。尚、図20,21ではプラネタリシャフト318は1本のみ詳細な構成を示し、他の8本は簡略形にて領域のみ示している。これら9本のプラネタリシャフト318は全て同一形状である。
本実施の形態のプラネタリシャフト支持構成体319は、図20,図21に示すごとくである。ここで図20は斜視図、図21の(A)は正面図、(B)は右側面図である。前記実施の形態1〜3のプラネタリシャフト支持構成体19(図3),119(図12),219(図17)とは異なり、ロッド20,120,220に相当する部材は存在しない。9本のプラネタリシャフト318がリテーナ322,324により、等位相間隔(40°間隔)で支持されている。尚、図20,21ではプラネタリシャフト318は1本のみ詳細な構成を示し、他の8本は簡略形にて領域のみ示している。これら9本のプラネタリシャフト318は全て同一形状である。
プラネタリシャフト318の構成を図22に示す。ここで(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は斜視図である。ここでプラネタリシャフト318はハス歯ギヤ部318a、ネジ部318b及びハス歯ギヤ−ネジ部318cを備え、両端には軸部318d,318eが設けられている。前記実施の形態1〜3の各プラネタリシャフト18,118,218と異なるのは、ハス歯ギヤ部318aが左ネジ方向に形成されたハス歯として形成され、同様にハス歯ギヤ−ネジ部318cについても同じ進み角の左ネジ方向に形成されたハス歯として形成されている点である。ネジ部318bからハス歯ギヤ−ネジ部318cにかけてのネジの形状等の他の構成については、前記実施の形態1〜3の各プラネタリシャフト18,118,218と同じである。
図23に示すごとく、プラネタリシャフト支持構成体319の組み立てに当たっては、2つのリテーナ322,324の支持孔322a,324aに、軸部318d,318eを挿入してプラネタリシャフト318を配置するのみであり、リテーナ322,324間には相対的トルクは発生しない。
したがって特に拘束しなくても図20に示したごとくプラネタリシャフト支持構成体319においてプラネタリシャフト318の軸方向がリテーナ322,324の軸方向に平行な状態で組み立てられる。
そして、このプラネタリシャフト支持構成体319に対して、前記実施の形態1にて説明したごとくサンシャフト10を組み付ける。このサンシャフト10の組み付けの最後に平歯ギヤ部10aを配置する。平歯ギヤ部10aをハス歯ギヤ部318aに噛み合わせるため、プラネタリシャフト318全体が平歯ギヤ部10aに誘導されて、図24に示すごとくハス歯ギヤ部318aのねじれ角分、公転周面上から見て反時計回りに傾く。
この傾き角度は、サンシャフト10のネジ部10bとプラネタリシャフト318のネジ部318bとのネジ噛合部に生じる傾倒力により最も高頻度に生じるプラネタリシャフト318の傾倒角と同じ、あるいはこの傾倒角に近づけて設定されている。尚、サンシャフト10のネジ部10bとプラネタリシャフト318のネジ部318bとの進み角の差を、ハス歯のねじれ角として設定しても良い。
すなわち予め、傾倒力によりプラネタリシャフト318が倒れた角度、あるいはこの角度に近い角度にて、サンシャフト10の平歯ギヤ部10aとプラネタリシャフト318のハス歯ギヤ部318aとのギヤ噛合部にて面圧の偏りが少なくなるようにハス歯ギヤ部318aのねじれ角が設定されている。
そして前記実施の形態1のナット本体17をねじ込む。そして図24に示したごとくプラネタリシャフト支持構成体319の外周側に生じたハス歯ギヤ部318a及びハス歯ギヤ−ネジ部318cにおけるギヤ歯方向に対応したハス歯ギヤ部を、ナット本体17の両側からナット本体17の内周面に前記実施の形態1と同様に取り付ける。
このハス歯ギヤ部318a及びハス歯ギヤ−ネジ部318cにおけるギヤ歯方向は、ハス歯ギヤ部318a及びハス歯ギヤ−ネジ部318cのハス歯のねじれ角と傾倒角度との合計に相当する角度でプラネタリシャフト支持構成体319全体の軸方向から傾斜している。
このようにして遊星差動ネジ型回転−直動変換機構が完成し、アクチュエータに組み込むことができる。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).サンシャフト10の平歯ギヤ部10aは平歯であるが、噛み合っているプラネタリシャフト318のハス歯ギヤ部318aは、ハス歯として左ネジ方向のねじれ角である。このネジ噛合部の関係は、ギヤ噛合部が存在しないと仮定して負荷によりプラネタリシャフト318のネジ部318bがサンシャフト10のネジ部10bの進み角に近づくように傾倒した場合、ハス歯ギヤ部318aの歯の方向が平歯に近づくあるいは一致する関係にある。すなわちプラネタリシャフト318が傾倒トルクを受けても、ハス歯ギヤ部318aと平歯ギヤ部10aとのギヤ噛合部での面圧の偏りが抑制される。
更に、ナット本体17側に取り付けるギヤも、プラネタリシャフト支持構成体319の外周側に生じたハス歯ギヤ部318a及びハス歯ギヤ−ネジ部318cのハス歯のねじれ角と傾倒角度との合計に対応するハス歯ギヤ部である。このため、プラネタリシャフト318のハス歯ギヤ部318a及びハス歯ギヤ−ネジ部318cはナット側のハス歯ギヤ部に対して面圧の偏りが抑制される。
このようにしてギヤ噛合部での偏摩耗を防止することができる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態1〜3のプラネタリシャフト傾倒抑制手段に相当する構成は、プラネタリシャフト支持構成体の両側のリテーナをロッドが接続する構成であるため、プラネタリシャフト支持構成体の全長に渡って形成されていた。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態1〜3のプラネタリシャフト傾倒抑制手段に相当する構成は、プラネタリシャフト支持構成体の両側のリテーナをロッドが接続する構成であるため、プラネタリシャフト支持構成体の全長に渡って形成されていた。
この代わりに、プラネタリシャフト傾倒抑制手段をプラネタリシャフト支持構成体の一端側に寄せて形成しても良い。図25はプラネタリシャフト支持構成体の一端側にプラネタリシャフト傾倒抑制手段を形成した例である。
図25では9本の同形のプラネタリシャフト418については一方の端部に形成された軸部418dに、2つのリテーナ422,424が隣接して設けられている。このリテーナ422,424にはそれぞれバネ収納部423,425がほぼ同一位相にて連絡するように形成されており、内部には1本の圧縮バネ430が配置されている。圧縮バネ430はバネ収納部423,425のそれぞれの壁面を軸周りに逆方向に押圧することにより、リテーナ422,424間で相対的トルクを発生させている。
リテーナ422,424はプラネタリシャフト418の軸部418dを遊びを持って貫通させているので、プラネタリシャフト支持構成体419として組み立てた状態では、上記相対的トルクにより、各プラネタリシャフト418は公転周面上から見て、時計回りのトルクを受ける。
各プラネタリシャフト418は一方の端部にのみ軸部418dが形成されている以外は、前記実施の形態1のプラネタリシャフトと同じ平歯ギヤ部418a、ネジ部418b及び平歯ギヤ−ネジ部418cを備えている。
したがってこのプラネタリシャフト支持構成体419を遊星差動ネジ型回転−直動変換機構として組み立てると、サンシャフトからの負荷により各プラネタリシャフト418は公転周面上では反時計回りの傾倒トルクを受ける。しかし、この傾倒トルクは、前記圧縮バネ430によりリテーナ422,424を介して、各プラネタリシャフト418に与えられる時計回りのトルクにより減殺される。このことにより前記実施の形態1の効果を生じる。
(b).上記(a)に示した構成の代わりに、プラネタリシャフト傾倒抑制手段をプラネタリシャフト支持構成体の中央部に形成しても良い。図26はプラネタリシャフト支持構成体の中央部、ここでは平歯ギヤ部518aとネジ部518bとの間にプラネタリシャフト傾倒抑制手段を形成した例である。
図26では9本の同形のプラネタリシャフト518については平歯ギヤ部518aとネジ部518bとの間に形成された軸部518dに、2つのリテーナ522,524が隣接して設けられている。このリテーナ522,524にはそれぞれバネ収納部523,525がほぼ同一位相にて連絡するように形成されており、内部には1本の圧縮バネ530が配置されている。圧縮バネ530はバネ収納部523,525のそれぞれの壁面を軸周りに逆方向に押圧することにより、リテーナ522,524間で相対的トルクを発生させている。
リテーナ522,524はプラネタリシャフト518の軸部518dを遊びを持って貫通させているので、プラネタリシャフト支持構成体519として組み立てた状態では、上記相対的トルクにより、各プラネタリシャフト518は公転周面上から見て、時計回りのトルクを受ける。
各プラネタリシャフト518は中央部のみに軸部518dが形成されている以外は、前記実施の形態1のプラネタリシャフトと同じ平歯ギヤ部518a、ネジ部518b及び平歯ギヤ−ネジ部518cを備えている。
したがってこのプラネタリシャフト支持構成体519を遊星差動ネジ型回転−直動変換機構として組み立てると、サンシャフトからの負荷により各プラネタリシャフト518は公転周面上では反時計回りの傾倒トルクを受ける。しかし、この傾倒トルクは、前記圧縮バネ530によりリテーナ522,524を介して、各プラネタリシャフト518に与えられる時計回りのトルクにより減殺される。このことにより前記実施の形態1の効果を生じる。
(c).前記実施の形態1ではロッドは一方のリテーナのみに固定されていたが、プラネタリシャフトをリテーナにて支持する際に、他方のリテーナに対してもロッドの端部を固定しても良い。
(d).前記実施の形態1では図5に示したごとく、2つのリテーナ22,24間における支持孔22a,24a、嵌合孔22b及び貫通孔24bの関係は、鏡面関係にあった。この代わりに、いずれか一方のリテーナ22(又は24)のみ図5の孔位置関係に形成し、他方のリテーナ24(又は22)については孔位置関係は全て等位相間隔としても良い。すなわちプラネタリシャフトの軸方向を遊星差動ネジ型回転−直動変換機構の軸方向に一致させた状態でのリテーナ22,24間の位相差と、ロッドの軸方向を遊星差動ネジ型回転−直動変換機構の軸方向に一致させた状態でのリテーナ22,24間の位相差とが異なればよい。
このように2つのリテーナに対する、ロッドの2つの係合位置間の位相差と、プラネタリシャフトの2つの支持位置間の位相差とを異ならせることで、リテーナ間に相対的トルクを発生させることができる。
(e).前記実施の形態4では、プラネタリシャフト318側をハス歯にしていたが、サンシャフト10側を平歯ギヤ部の代わりにハス歯ギヤ部として構成しても良い。ナット側の第1平歯ギヤ部及び第2平歯ギヤ部については、このことに対応したハス歯ギヤ部とする。
更に、前記実施の形態4ではリテーナ322,324を用いていたが、リテーナ322,324間では相対的トルクを発生させていないので、リテーナ322,324は用いずに、各プラネタリシャフト318の支持はしなくても良い。
(f).前記各実施の形態では、アクチュエータにて駆動される外部機構としては、内燃機関の吸気バルブのバルブリフト量を連続的に調節できる可変動弁機構であったが、内燃機関の排気バルブのバルブリフト量を連続的に調節できる可変動弁機構でも良い。尚、外部機構としては、可変動弁機構に限らない。
(g).前記各実施の形態において、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構は電動モータでなく、他の動力源によりナットを回転させても良い。
(h).前記各実施の形態において、サンシャフトにコアを設け、ナットの蓋部にコイルを設けることで、変位センサを遊星差動ネジ型回転−直動変換機構内に構成しても良い。
(h).前記各実施の形態において、サンシャフトにコアを設け、ナットの蓋部にコイルを設けることで、変位センサを遊星差動ネジ型回転−直動変換機構内に構成しても良い。
(i).前記実施の形態1〜3及び図25,26の例では、プラネタリシャフトにはギヤ部(ギヤ−ネジ部を含む)が存在したが、ネジ部のみで構成したプラネタリシャフトでも良い。この場合にもプラネタリシャフトの傾倒が抑制されることで、実際に広い範囲でネジ噛合部の噛み合いが保持される。したがってネジ噛合部での偏摩耗を防止できる。
2…遊星差動ネジ型回転−直動変換機構、4…アクチュエータ、6…カムキャリア、7…接続具、8…可変動弁機構側のコントロールシャフト、10…サンシャフト、10a…平歯ギヤ部、10b…ネジ部、10c…ストレートスプライン部、11…サンシャフト本体、12…ケーシング、12a…ストレートスプライン部、14…ベアリング、16…ナット、16a…第1平歯ギヤ部、16b…ネジ部、16c…第2平歯ギヤ部、16d…蓋部、17…ナット本体、18…プラネタリシャフト、18a…平歯ギヤ部、18b…ネジ部、18c…平歯ギヤ−ネジ部、18d,18e…軸部、19…プラネタリシャフト支持構成体、20…ロッド、22…リテーナ、22a…支持孔、22b…嵌合孔、22c…中心孔、24…リテーナ、24a…支持孔、24b…貫通孔、24c…中心孔、26…ロータ、28…ステータ、118…プラネタリシャフト、118a…平歯ギヤ部、118b…ネジ部、118c…平歯ギヤ−ネジ部、118d,118e…軸部、119…プラネタリシャフト支持構成体、120…ロッド、122…リテーナ、122a…支持孔、122b…嵌合孔、122c…中心孔、124…リテーナ、124a…支持孔、124b…J字形状の係止孔、124c…外周面、124d…中心孔、218…プラネタリシャフト、218a…平歯ギヤ部、218b…ネジ部、218c…平歯ギヤ−ネジ部、219…プラネタリシャフト支持構成体、220…ロッド、222,224…リテーナ、222a,224a…支持孔、222b,224b…固定孔、222c,224c…中心孔、318…プラネタリシャフト、318a…ハス歯ギヤ部、318b…ネジ部、318c…ハス歯ギヤ−ネジ部、318d,318e…軸部、319…プラネタリシャフト支持構成体、322,324…リテーナ、322a,324a…支持孔、418…プラネタリシャフト、418a…平歯ギヤ部、418b…ネジ部、418c…平歯ギヤ−ネジ部、418d…軸部、419…プラネタリシャフト支持構成体、422…リテーナ、423…バネ収納部、424…リテーナ、425…バネ収納部、430…圧縮バネ、518…プラネタリシャフト、518a…平歯ギヤ部、518b…ネジ部、518c…平歯ギヤ−ネジ部、518d…軸部、519…プラネタリシャフト支持構成体、522…リテーナ、523…バネ収納部、524…リテーナ、525…バネ収納部、530…圧縮バネ。
Claims (10)
- ナットとサンシャフトとの間にプラネタリシャフトを配置し、前記ナット、前記サンシャフト及び前記プラネタリシャフト間に形成されている各ネジ部同士を噛み合わせたネジ噛合部により、回転−直動変換を行う遊星差動ネジ型回転−直動変換機構であって、
前記プラネタリシャフトの公転軸周りに回転可能に配置され、前記プラネタリシャフトを自転可能に軸方向2カ所にて支持する2つのリテーナと、
回転−直動変換に伴って生じる前記プラネタリシャフトを傾倒させる傾倒トルクを減殺する方向に、前記リテーナ間に相対的トルクを発生させるプラネタリシャフト傾倒抑制手段と、
を備えたことを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。 - 請求項1において、前記プラネタリシャフト傾倒抑制手段は、前記プラネタリシャフトが傾倒していない状態にて前記リテーナ間に相対的トルクを発生させていることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
- 請求項1又は2において、前記プラネタリシャフトは、前記ネジ部の一方又は両方にギヤ部を形成することで、該ギヤ部と、前記ナット及び前記サンシャフトの一方又は両方に設けられたギヤ部とを噛み合わせたギヤ噛合部を形成していることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記プラネタリシャフト傾倒抑制手段は、前記2つのリテーナ間にロッドを架け渡し、該ロッドの弾性復元力により前記相対的トルクを発生させることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
- 請求項4において、前記プラネタリシャフト傾倒抑制手段は、前記2つのリテーナに対する前記ロッドの2つの係合位置間の位相差と前記プラネタリシャフトの2つの支持位置間の位相差とを異ならせたことにより、前記相対的トルクを発生させることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
- 請求項4において、前記プラネタリシャフト傾倒抑制手段は、前記ロッドを捻りバネとして構成していることにより前記リテーナ間での相対的トルクを発生させることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
- 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記2つのリテーナは、前記プラネタリシャフトの両端に分けて配置されていることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
- 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記2つのリテーナは、前記プラネタリシャフトの一方側の端部に配置されていることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
- 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記2つのリテーナは、前記プラネタリシャフトの中央部に配置されていることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
- ナットとサンシャフトとの間にプラネタリシャフトを配置し、前記ナット、前記サンシャフト及び前記プラネタリシャフト間に形成されている各ネジ部同士を噛み合わせたネジ噛合部により回転−直動変換を行うと共に、前記プラネタリシャフトは、前記ネジ部の一方又は両方にギヤ部を形成することで、該ギヤ部と、前記ナット及び前記サンシャフトの一方又は両方に設けられたギヤ部とを噛み合わせたギヤ噛合部を形成している遊星差動ネジ型回転−直動変換機構であって、
前記ギヤ噛合部における前記プラネタリシャフトのギヤ部と噛み合い相手側のギヤ部との少なくとも一方がハス歯として構成され、該ハス歯は、回転−直動変換に伴って前記プラネタリシャフトが傾倒した場合に、前記ギヤ噛合部において、前記プラネタリシャフトのギヤ部の歯の方向と、前記噛み合い相手側のギヤ部の歯の方向とが近づく又は一致するねじれ角としたことを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
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JP2006013687A JP2007192388A (ja) | 2006-01-23 | 2006-01-23 | 遊星差動ネジ型回転−直動変換機構 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010007791A (ja) * | 2008-06-27 | 2010-01-14 | Toyota Motor Corp | 遊星差動ネジ型回転直動変換機構製造方法 |
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WO2024094243A1 (de) * | 2022-11-04 | 2024-05-10 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Planetenwälzgetriebe, verfahren zur herstellung eines planetenwälzgetriebes, sowie lenkungsaktuator |
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2006
- 2006-01-23 JP JP2006013687A patent/JP2007192388A/ja active Pending
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