JP2007192276A - 自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置 - Google Patents

自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発進要素の締結力が、降坂路において確実に要求通りのエンジンブレーキを発生させ得る締結力となるよう、発進要素を締結制御する。
【解決手段】S1で走行レンジと判定し、S2で非制動中、且つ、APO=0(アクセルペダル釈放中)、且つ、車速VSP<ロックアップ車速と判定する低速クリープトルク走行中は、S3で車両加速度α(路面下り勾配の大きさ)を算出し、S4およびS5で、α(路面下り勾配)が大きいほど大きなクリープトルク指令値Tcを求め、S6で、発進要素がTc相当のトルクを伝達可能な締結力となるようにするための締結圧指令値tPcを演算して出力する。よって発進要素の締結力は、α(路面下り勾配)が大きいほど大きくされ、急な下り路面勾配のもとでもスリップすることなく確実に路面勾配に応じた大きさのエンジンブレーキを発生させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、無段変速機を含む自動変速機の変速伝動機構と原動機との間へ、トルクコンバータに代えて湿式クラッチや湿式ブレーキなどの摩擦式発進要素を介在させた型式の自動変速機を搭載する車両のエンジンブレーキ補償制御装置に関するものである。
変速伝動機構と原動機との間へ、トルクコンバータに代えて湿式クラッチや湿式ブレーキなどの摩擦式発進要素を介在させた自動変速機としては従来、例えば特許文献1に記載のごときものが知られている。
一方で、発進要素としての発進クラッチの締結制御技術として特許文献2には、発進クラッチの締結容量を決定するクラッチ油圧を、エンジン回転数と、クラッチの前後速度比と、エンジンスロットル開度とに応じて定めるようにした技術が示されている。
特許文献2には更に、発進クラッチの締結容量(クラッチ油圧)と、クラッチ速度比との関係につき、クラッチ速度比が所定値以上である間は、発進クラッチの締結容量(クラッチ油圧)を一定値に保つ技術が開示されている。
特開昭63−090443号公報 特開平09−072353号公報
しかし、上記した従来の摩擦式発進要素の締結制御にあっては、発進クラッチの速度比が所定値以上である間、そのクラッチ締結容量を一定に保つため、以下のような問題が懸念される。
つまり、車両がアクセルペダル釈放状態で降坂路走行を行っている時における発進クラッチの要求締結容量は路面勾配によって異なり、下り路面勾配が急であるほど発進クラッチの締結容量を大きくしておかないとクラッチがスリップして、ここで駆動車輪からエンジンへの逆駆動力がスポイルされ、運転者が要求する路面勾配に対応したエンジンブレーキを得ることができない。
ところで従来は上記したごとく、発進クラッチの速度比が所定値以上である間、そのクラッチ締結容量を一定に保つことから、かように一定に保たれたクラッチ締結容量のもとでは、下り路面勾配が急であるとき発進クラッチが締結容量不足によりスリップして、路面勾配に対応したエンジンブレーキを得ることができず、急な下り路面勾配での走行時に車両が空走するような違和感を運転者に与える虞があった。
本発明は、発進要素の締結力を下り路面勾配に応じて補正することにより、発進要素が急な下り路面勾配のもとでもスリップすることなく確実に、車輪から原動機へ逆駆動力を伝達し得るようにし、
もって上記の空走感に関する問題を生ずることのないようにした自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため本発明による自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置は、請求項1に記載のごとく、
原動機と変速伝動機構との間に介在させた摩擦式発進要素の締結力により、原動機から変速伝動機構への伝動量が決定される自動変速機を搭載した車両を要旨構成の基礎前提とし、
車両が走行している路面の勾配を検出する路面勾配検出手段と、
該手段により検出された路面下り勾配が急であるほど、原動機無負荷状態のもとでの上記摩擦式発進要素の締結力を増大させる発進要素締結力補正手段とを設けた構成に特徴づけられる。
かかる本発明の構成によれば、路面勾配検出手段により検出された路面下り勾配が急であるほど、発進要素締結力補正手段が原動機無負荷状態のもとでの摩擦式発進要素の締結力を増大させるため、
発進要素が急な下り路面勾配のもとでもスリップすることなく確実に原動機へ逆駆動力を伝達して、路面勾配に応じた大きさのエンジンブレーキを得ることができ、前記した空走感に関する問題を解消することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になるエンジンブレーキ補償制御装置を具えた自動変速機としてのVベルト式無段変速機を、その制御系と共に示す変速制御システム図である。
1は、原動機としてのエンジン、2は、Vベルト式無段変速機を示し、これらで車両のパワートレーンを構成する。
エンジン1はガソリンエンジンとするも、運転者が操作するアクセルペダル3に機械的に連結せず、これから切り離されて、モータ4により開度を電子制御されるようにしたスロットルバルブ5を具え、
モータ4を目標スロットル開度(tTVO)指令に対応した回転位置にすることで、スロットルバルブ5のスロットル開度TVOを目標スロットル開度tTVOにして、エンジン1の出力を基本的にはアクセル開度APOに応じたものにするが、必要に応じアクセル開度APO以外の因子によっても制御し得るようなものとする。
無段変速機2は周知のVベルト式無段変速機とし、トルクコンバータに代わる入力回転伝動機構6およびトーショナルダンパD/Pを順次介してエンジン1の出力軸に駆動結合されたプライマリプーリ7と、これに整列配置したセカンダリプーリ8と、これら両プーリ間に掛け渡したVベルト9とを具え、これらで本発明における変速伝動機構を構成する。
そして、セカンダリプーリ8にファイナルドライブギヤ組10を介してディファレンシャルギヤ装置11を駆動結合し、これらにより左右の車輪12L,12Rを回転駆動するものとする。
無段変速機2を変速可能とするために、プライマリプーリ7およびセカンダリプーリ8のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジ7a,8aを他方の固定フランジ7b,8bに対して相対的に接近してV溝幅を狭めたり、離反してV溝幅を広め得るようにし、
両可動フランジ7a,8aを、目標変速比(tI)指令に応動するコントロールバルブボディー13からのプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecに応じた位置に変位させることで、無段変速機2を実変速比が目標変速比tIに一致するよう無段変速させ得るものとする。
エンジン1およびプライマリプーリ7間に介在させた入力回転伝動機構6は、単純遊星歯車組14と、湿式多板クラッチである前進クラッチ15と、同じく湿式多板ブレーキである後進ブレーキ16とで構成し、前進クラッチ15および後進ブレーキ16が本発明における摩擦式発進要素に対応する。
単純遊星歯車組14は、そのサンギヤ14sをプライマリプーリ7に回転係合させ、リングギヤ14rをトーショナルダンパD/Pを介してエンジン1の出力軸に結合し、サンギヤ14sおよびリングギヤ14r間を前進クラッチ15により結合可能とし、サンギヤ14sおよびリングギヤ14r間に噛合するピニオン14pを回転自在に支持するキャリア14cを後進ブレーキ17により固定可能とする。
かかる構成の入力回転伝動機構6は、前進クラッチ15および後進ブレーキ16を解放した状態では、トーショナルダンパD/Pからのエンジン回転をプライマリプーリ7に入力させないことにより、停車を可能にする。
前進クラッチ15のみを締結した状態で入力回転伝動機構6は、トーショナルダンパD/Pからのエンジン回転をプライマリプーリ7にそのまま入力して前進走行を可能にする。
後進ブレーキ16のみを締結した状態で入力回転伝動機構6は、トーショナルダンパD/Pからのエンジン回転を逆転させてプライマリプーリ7に入力し、後進走行を可能にする。
前進クラッチ15および後進ブレーキ16の上記した締結、解放制御(本発明が目的とする発進要素のエンジンブレーキ補償用締結力制御を含む)は、前記したごとくに無段変速機2の変速制御を司るコントロールバルブボディー13からの締結圧Pcにより、後で詳述するごとくに行うものとする。
これら制御のためコントロールバルブボディー13には、エンジン駆動されるオイルポンプO/Pからの作動油を供給し、コントロールバルブボディー13はこれを媒体として上記の各種制御を実行する。
前記した目標スロットル開度tTVO、および目標変速比tI、並びに前進クラッチ15および後進ブレーキ16の締結圧Pcに関する指令値tPcはそれぞれ、コントローラ21により求めることとする。
これがためコントローラ21には、アクセルペダル3の踏み込み位置(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ22からの信号と、
スロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ23からの信号と、
プライマリプーリ7の回転数である変速機入力回転数Niを検出する変速機入力回転数センサ24からの信号と、
セカンダリプーリ8の回転数である変速機出力回転数Noを検出する変速機出力回転数センサ25からの信号と、
車速VSPを検出する車速センサ26からの信号と、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ27からの信号と、
運転者が操作するレンジ選択スイッチ28からの選択レンジ指令Srと、
車両のブレーキペダル(図示せず)を踏み込む制動時にONにされるブレーキスイッチ29からの信号と、
走行路面の勾配θを検出する路面勾配センサ30からの信号とをそれぞれ入力する。
図1の無段変速機2はシフトバイワイヤ式自動変速機とし、これがため図2に示すごとく、コントロールバルブボディー13内のマニュアル弁31は、マニュアルシャフト32の回転を介してスプール31aを、P(駐車)レンジ位置、R(後進走行)レンジ位置、N(停車)レンジ位置、またはD(前進走行)レンジ位置へ後述のごとく電子制御下にシフトされ、選択レンジに応じて周知のように変速制御されるものとする。
マニュアル弁31は、ほとんどの自動変速機で採用されている一般的なPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジの順次配列になる直線的なレンジパターンにならってこの順番に、Pレンジ位置、Rレンジ位置、Nレンジ位置、およびDレンジ位置をスプール31aに割り当て、これらの位置ごとに以下のごとく機能するものとする。
マニュアル弁31は、入力ポート31bへライン圧Pを供給されており、このライン圧Pは、エンジン1により駆動されるオイルポンプO/P(図1参照)からの作動油を図示せざるプレッシャレギュレータ弁により調圧して作り出したものである。
マニュアル弁31は、スプール31aが図2に示すごとくNレンジ位置のとき、入力ポート31bへのライン圧Pを前進走行レンジ圧出力ポート31cおよび後進走行レンジ圧出力ポート31dのいずれにも出力せず、これら出力ポート31c,31dをともに両端ドレン開口に通じさせている。
この場合マニュアル弁31は、出力ポート31c,31dから前進走行レンジ圧Pおよび後進走行レンジ圧Pを出力せず、これらを元圧として作動する前進クラッチ15および後進ブレーキ16を共に解放し、プライマリプーリ7へエンジン回転を入力しないから、無段変速機2は動力伝達を行わない中立状態となる。
マニュアル弁31は、スプール31aが図2に示すNレンジ位置から図の右方向にシフトされてDレンジ位置になるとき、入力ポート31bへのライン圧Pを前進走行レンジ圧出力ポート31cから前進走行レンジ圧Pとして出力し、後進走行レンジ圧出力ポート31dをドレン開口に通じさせ続ける。
この場合、出力ポート31cからの前進走行レンジ圧Pが一方では、該ポート31cに接続された図示せざる発進要素締結圧制御系による減圧制御下で前進クラッチ15(図1参照)に向かい、これを締結してプライマリプーリ7へエンジン回転をそのまま入力する。
なお前進クラッチ15の締結圧Pc(図1参照)は、停車時であればコントローラ21からの締結圧指令値tPcに応動する上記発進要素締結圧制御系により0にされて前進クラッチ15の解放により停車を可能にし、発進時であればコントローラ21からの締結圧指令値tPcに応動する上記発進要素締結圧制御系により0から漸増されて前進クラッチ15の締結力を漸増させ、滑らかな発進を可能にするよう制御される。
出力ポート31cからの前進走行レンジ圧Pは他方では、プライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecの元圧として、無段変速機2の実変速比(Ni/No)を前記の目標変速比tIとなす変速制御に供される。
マニュアル弁31は、スプール31aが図2に示すNレンジ位置から図の左方向にシフトされてRレンジ位置になるとき、入力ポート31bへのライン圧Pを後進走行レンジ圧出力ポート31dから後進走行レンジ圧Pとして出力し、前進走行レンジ圧出力ポート31cをドレン開口に通じさせ続ける。
この場合、出力ポート31dからの後進走行レンジ圧Pが一方では、該ポート31dに接続された発進要素締結圧制御系による減圧制御下で後進ブレーキ16(図1参照)に向かい、これを締結してプライマリプーリ7へエンジン回転を逆転下に入力する。
なお後進ブレーキ16の締結圧Pc(図1参照)は、停車時であればコントローラ21からの締結圧指令値tPcに応動する上記発進要素締結圧制御系により0にされて後進ブレーキ16の解放により停車を可能にし、発進時であればコントローラ21からの締結圧指令値tPcに応動する上記発進要素締結圧制御系により0から漸増されて後進ブレーキ16の締結力を漸増させ、滑らかな発進を可能にするよう制御される。
出力ポート31dからの後進走行レンジ圧Pは他方では、プライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecの元圧として無段変速機2の変速制御に供される。
マニュアル弁31は、スプール31aが上記のRレンジ位置から図の更に左方向に変位されPレンジ位置になるとき、入力ポート31bをスプール31aのランド31eにより遮断した状態で、後進走行レンジ圧出力ポート31dをドレンポート31fに通じさせると共に前進走行レンジ圧出力ポート31cをドレン開口に通じさせ続ける。
この場合マニュアル弁31は、出力ポート31c,31dから前進走行レンジ圧Pおよび後進走行レンジ圧Pを出力せず、これらを元圧として作動する前進クラッチ15および後進ブレーキ16を共に解放し、プライマリプーリ7へエンジン回転を入力しないから、無段変速機2は動力伝達を行わない中立状態となる。
上記マニュアル弁スプール31aのシフト操作は前記した通りマニュアルシャフト32の回転により生起させ、このマニュアルシャフト32を回転駆動するため、これにウォームホイール33を結着し、このウォームホイール33にウォーム34を噛合させる。
ウォーム34は、アクチュエータとしてのステップモータ35に結合し、ステップモータ35によりウォーム34およびウォームホイール33を介しマニュアルシャフト32を回転させることで、マニュアル弁31(スプール31a)をP,R,N,Dレンジ位置のいずれかにストロークさせ得るものとする。
なお、マニュアルシャフト32の回転位置と、P,R,N,Dレンジ位置との関係は、マニュアル弁スプール31aに割り当てたP,R,N,Dレンジ位置に対応させて図2に示す如きものとし、Nレンジの両隣にDレンジおよびRレンジをそれぞれ隣り合わせに位置させる。
ステップモータ35の回転位置(マニュアル弁31のシフト位置)は、前記したコントローラ21により制御することとし、このためコントローラ21には、レンジ選択スイッチ28からの電気的な選択レンジ指令Srを入力する。
レンジ選択スイッチ28は、運転者が、希望する走行形態に応じたP,R,N,Dレンジの選択を指令するために操作するレンジセレクタで、スイッチ本体28a内に円形のセレクトダイアル28bを収納して構成したロータリスイッチとするが、その他に、レンジの数と同数の押しボタンで構成した押しボタンスイッチすることができる。
しかし何れにしてもレンジ選択スイッチ28は、運転者が指令したP,R,N,Dレンジに対応する電気的な選択レンジ指令Srをコントローラ21に向け出力するものとする。
コントローラ21は、選択レンジ指令Srを基に運転者が指令した選択レンジを判定し、ステップモータ35によりウォーム34、ウォームホイール33およびマニュアルシャフト32を順次介してマニュアル弁31(スプール31a)を選択レンジ指令対応の位置にシフトさせるものとする。
図1におけるコントローラ21は、本発明の目的であるエンジンブレーキ補償のため、図3に示すフローチャートに沿って前進クラッチ15(前進走行時)または後進ブレーキ16(後進走行時)の締結力制御、および無段変速機2の変速制御を以下のごとくに実行するものとする。
図3のエンジンブレーキ補償制御プログラムは一定時間Δt0ごとに繰り返し実行されるもので、
先ずステップS1において、選択レンジ指令Srが走行レンジ(DレンジまたはRレンジ)か否かをチェックし、走行レンジ(DレンジまたはRレンジ)でなければ、本発明によるエンジンブレーキ補償制御が不要であるから、制御をそのまま終了する。
ステップS1で走行レンジ(DレンジまたはRレンジ)と判定する場合は、ステップS2において、ブレーキスイッチ29がOFF(非制動中)で、且つ、アクセル開度APOが0(アクセルペダル釈放中)で、且つ、車速VSPがロックアップ車速未満の低車速か否かをチェックする。
ここでロックアップ車速は、トルクコンバータ付き自動変速機搭載車のロックアップ車速に相当し、ステップS2の3条件が揃うということは、トルクコンバータ付き自動変速機搭載車を低速クリープトルク走行させる場合と同様な走行(以下、これを低速クリープトルク走行と称する)中であることを意味する。
ステップS2で、ブレーキスイッチ29がON(停車中)、または、アクセル開度APO>0(アクセルペダル踏み込み状態でのドライブ走行中)、或いは、車速VSPがロックアップ車速以上の高速走行中と判定する場合も、本発明によるエンジンブレーキ補償制御が不要であるから、制御をそのまま終了する。
ステップS2で低速クリープトルク走行と判定する場合は、ステップS3において、所定時間Δt中の車速変化ΔVSPから車両加速度α=ΔVSP/Δtを算出する。
ここで車速変化ΔVSPは図4に示すごとく、瞬時t2における今回の車速検出値VSPと、これから所定時間Δt前の瞬時t1における車速検出値VSP(OLD)との偏差を意味し、車両加速度αは、所定時間Δt前から現時点t2までの車速VSPの時間変化割合を意味する。
なお所定時間Δtは、図3に示す制御プログラムの演算サイクルΔt0と同じでもよいし、車両加速度αの演算精度を高くするため、演算サイクルΔt0の整数倍にしてもよい。
ところで上記の車両加速度αは、アクセルペダルを釈放した低速クリープトルク走行のもとでの車速VSPの時間変化割合であることから、路面下り勾配が急であるほど大きくなり、結果として上記の車両加速度αは路面下り勾配の大きさを表す。
従ってステップS3は、本発明における路面勾配検出手段に相当する。
かかるステップS3での車両加速度α(路面下り勾配)の検出後、一方においては、ステップS4において図5に例示するようなクリープトルクマップを検索する。
このクリープトルクマップは、車両加速度α(路面下り勾配)が大きいほど大きなエンジンブレーキが必要であることから、
車両加速度αが0〜α1の小さな値である場合は(路面下り勾配が緩やかである場合は)、この時に必要なエンジンブレーキの大きさに符合するようクリープトルク指令値Tcを小さなTc1と定め、
車両加速度αがα1〜α2の中程度の値である場合は(路面下り勾配が中くらいである場合は)、この時に必要なエンジンブレーキの大きさに符合するようクリープトルク指令値Tcを中程度のTc2と定め、
車両加速度αがα2よりも大きな値である場合は(路面下り勾配が急である場合は)、この時に必要なエンジンブレーキの大きさに符合するようクリープトルク指令値Tcを大きなTc3と定めたものである。
次のステップS5においては、図5のマップをもとに車両加速度αからクリープトルク指令値Tcを決定し、
その後ステップS6において、前進クラッチ15(Dレンジでの前進走行中)または後進ブレーキ16(Rレンジでの後進走行中)がクリープトルク指令値Tc相当のトルクを伝達可能な締結力となるようにするための締結圧指令値tPcを演算し、これを図1に示すようにコントロールバルブボディー13に出力する。
コントロールバルブボディー13は、この締結圧指令値tPcに応動してこれに追従するよう制御した実締結圧Pcを図1に示すごとく、前進クラッチ15(Dレンジでの前進走行中)または後進ブレーキ16(Rレンジでの後進走行中)へ供給して、これらをクリープトルク指令値Tc相当のトルクの伝達が可能な締結力で締結させる。
ところで図5に例示するように、車両加速度α(路面下り勾配)が大きいほどクリープトルク指令値Tcが大きいことから、前進クラッチ15(Dレンジでの前進走行中)または後進ブレーキ16(Rレンジでの後進走行中)の締結力は、車両加速度α(路面下り勾配)が大きいほど大きくなり、ステップS4〜ステップS6は本発明における発進要素締結力補正手段に相当する。
上記した本実施例の制御によれば、車両加速度αが大きいほど(路面下り勾配が急であるほど)、アクセルペダルを釈放したエンジン無負荷状態のもとでの前進クラッチ15(Dレンジでの前進走行中)または後進ブレーキ16(Rレンジでの後進走行中)の締結力を増大させるため、
前進クラッチ15(Dレンジでの前進走行中)または後進ブレーキ16(Rレンジでの後進走行中)が急な下り路面勾配のもとでもスリップすることなく確実に車輪12L,12Rからエンジン1へ逆駆動力を伝達して、路面勾配に応じた大きさのエンジンブレーキを得ることができ、
急な下り路面勾配での走行時に前進クラッチ15(Dレンジでの前進走行中)または後進ブレーキ16(Rレンジでの後進走行中)がスリップして車両が空走するような違和感を運転者に与える虞をなくすことができる。
本実施例においては更に、上記ステップS4〜ステップS6による発進要素締結力補正制御に加え、これと並行的にステップS7およびステップS8によるエンジンブレーキ補償制御を実行する。
ステップS7においては、車両加速度α(路面下り勾配)が設定加速度αa(設定勾配)以上か否かにより、無段変速機2のダウンシフトに頼らなければならないような大きなエンジンブレーキが要求される急勾配か否かをチェックする。
ステップS7で車両加速度α(路面下り勾配)が設定加速度αa(設定勾配)未満と判定するときは、制御をそのまま終了する。
ステップS7で車両加速度α(路面下り勾配)が設定加速度αa(設定勾配)以上と判定するときは、ステップS8において、無段変速機2をロー側変速比(最ロー変速比を含む)へダウンシフトさせるよう目標変速比tIを決定し、これを図1に示すごとくコントロールバルブボディー13に指令して当該ダウンシフトを行わせ、以後は、制御がこのループから外れるまで当該ダウンシフト後のロー側変速比(最ロー変速比を含む)を維持する。
従ってステップS7およびステップS8は、本発明におけるダウンシフト手段に相当する。
かかる本実施例の制御によれば、無段変速機2のダウンシフトに頼らなければならないような大きなエンジンブレーキが要求される急勾配においても、上記のダウンシフト制御により要求通りの大きなエンジンブレーキを得ることができ、このような急勾配のもとでも確実に要求されるエンジンブレーキを補償することができる。
なお、上記した実施例においては車両加速度αから路面勾配を検出するため、これを検出するセンサが不要でコスト的に有利であるが、図1に示すごとく路面勾配θを直接的に検出するセンサ30を設けてこれからの検出信号を用いるようにしたり、カーナビゲーションシステムからの道路情報から路面勾配θを直接的に読み出して用いるようにしてもよいことは言うまでもない。
また図3においては、ステップS7で無段変速機2のダウンシフトに頼らなければならないような大きなエンジンブレーキが要求される急勾配と判定したとき、ステップS8で無段変速機2をダウンシフトさせて要求通りの大きなエンジンブレーキを得ることができるようにしたが、この代わりに以下のような制御態様にすることもできる。
つまりステップS7において、車両加速度α(路面下り勾配)が今の無段変速機2の変速比よりもハイ側の変速比もとでは要求通りのエンジンブレーキを得ることができない勾配であるか否かを判定するための設定加速度(設定勾配)以上か否かをチェックし、車両加速度α(路面下り勾配)がこの設定加速度(設定勾配)以上であるとき、ステップS8において無段変速機2のアップシフトを禁止して要求通りのエンジンブレーキを補償するような制御態様にすることができる。
従って、この場合のステップS7およびステップS8は、本発明におけるアップシフト禁止手段に相当する。
更に上記した実施例では、自動変速機がVベルト式無段変速機2である場合について説明したが、他の型式の無段変速機や、有段式の自動変速機においても同様の考え方を適用して同様の作用効果を奏し得ることは言うまでもない。
本発明の一実施例になる自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置を具えたVベルト式無段変速機を、その制御系と共に示す変速制御システム図である。 同Vベルト式無段変速機のコントロールバルブボディー内におけるマニュアル弁を電子的にシフト制御するシフトバイワイヤのシステム図である。 図1および図2におけるコントローラが実行するエンジンブレーキ補償制御のプログラムを示すフローチャートである。 図1および図2におけるコントローラが求める車両加速度を、車速の時系列変化との関連において示す車速の変化タイムチャートである。 図1および図2におけるコントローラがクリープトルク指令値の検索に際して用いるクリープトルク指令値のマップ図である。
符号の説明
1 エンジン(原動機)
2 Vベルト式無段変速機(自動変速機)
3 アクセルペダル
4 モータ
5 スロットルバルブ
6 入力回転伝動機構
7 プライマリプーリ(変速伝動機構)
8 セカンダリプーリ(変速伝動機構)
9 Vベルト(変速伝動機構)
10 ドライブギヤ組
11 ディファレンシャルギヤ装置
12L,12R 左右車輪
13 コントロールバルブボディー
14 単純遊星歯車組
15 前進クラッチ(摩擦式発進要素)
16 後進ブレーキ(摩擦式発進要素)
21 コントローラ
22 アクセル開度センサ
23 スロットル開度センサ
24 入力回転数センサ
25 出力回転数センサ
26 車速センサ
27 エンジン回転数センサ
28 レンジ選択スイッチ
29 ブレーキスイッチ
30 路面勾配センサ
31 マニュアル弁
32 マニュアルシャフト
33 ウォームギヤ
34 ウォーム
35 ステップモータ

Claims (4)

  1. 原動機と変速伝動機構との間に介在させた摩擦式発進要素の締結力により、原動機から変速伝動機構への伝動量が決定される自動変速機を搭載した車両において、
    車両が走行している路面の勾配を検出する路面勾配検出手段を具え、
    該手段により検出された路面下り勾配が急であるほど、原動機無負荷状態のもとでの前記摩擦式発進要素の締結力を増大させる発進要素締結力補正手段を設けたことを特徴とする自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置において、
    前記路面勾配検出手段は前記路面下り勾配を、原動機無負荷状態のもとでの車両加速度から検出するものであることを特徴とする自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置において、
    前記路面下り勾配が設定勾配以上であるとき、前記自動変速機をロー側変速比へダウンシフトさせるダウンシフト制御手段を設けたことを特徴とする自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置。
  4. 請求項1または2に記載の自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置において、
    前記路面下り勾配が設定勾配以上であるとき、前記自動変速機のハイ側変速比へのアップを禁止するアップシフト禁止手段を設けたことを特徴とする自動変速機搭載車のエンジンブレーキ補償制御装置。
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