JP2007192068A - イオン電流検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン電流を点火プラグを用いて検出するイオン電流検出装置において、イオン検出電界の分布形状を矯正できるようにする。
【解決手段】点火プラグ10の金属ハウジング15の先端部うちの接地電極11と反対側の位置に、逆L字形のダミー電極17を中心電極12と対向するように溶接等により設ける。この場合、ダミー電極17と中心電極12との間のギャップを、中心電極12と接地電極11との間の火花放電ギャップの1.5倍以上に設定して、ダミー電極17へ飛び火させないようにする。この構成では、ダミー電極17の背後方向の電界強度が弱くなるため、ダミー電極17によって、1極プラグ10のイオン検出電界の分布形状を2極プラグと同様の電界分布形状に矯正したり、或は、イオン検出方向が燃焼室内の特定方向に偏らないようにすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室内の混合気が燃焼する際に発生するイオン電流を点火プラグを用いて検出するイオン電流検出装置に関する発明である。
近年、内燃機関の燃焼状態を検出するために、例えば特許文献1(特許第3100426号公報)に示すように、点火プラグの火花放電直後(又は直前)に中心電極と接地電極との間に電圧を印加して両電極間に流れるイオン電流を検出し、そのイオン電流信号に基づいて失火、ノッキング、プレイグニッション等を検出する技術が開発されている。この場合、イオン電流の検出レベルが低いと、イオン電流とノイズとの判別が困難になって、燃焼状態の判定精度が悪くなるため、特許文献1では、中心電極の露出部(碍子から突出する部分)の表面積を25mm2 以上に設定することで、イオン電流の検出レベルを高めるようにしている。
特許第3100426号公報(第1頁〜第2頁等)
ところで、イオン検出時には、点火プラグの中心電極と接地電極との間に電圧を印加することで燃焼室内にイオン検出電界を生じさせ、このイオン検出電界が加わる領域内で生じたイオンを検出するようにしている。このとき、プラス電圧が印加される中心電極には、イオン検出電界が加わる領域内で燃焼ガスのイオン化により発生した電子(e- )が捕集されるため、図2に示すように、中心電極の露出部の表面積を大きくするほど、イオン電流の検出レベルが高くなる。
一方、燃焼ガスのイオン化により発生するCHO+ 等のプラスイオンは、接地電極に限らず、これと同電位となるシリンダヘッド等にも捕集されるため、プラスイオンを捕集する面積は現状でも十分に確保されている。このため、プラスイオンの捕集面積については特に問題となることはない。
最近の本発明者の研究結果によれば、イオン検出時に燃焼室内に生じさせるイオン検出電界の分布形状がイオン検出特性ひいては燃焼状態の検出特性に大きな影響を与えることが判明した。
例えば、図3に示すように、2本の接地電極1を中心電極2に対向させた2極プラグでは、2本の接地電極1の背後方向の電界強度が弱くなるため、接地電極1が設けられていない2方向の電界強度が強くなってその2方向のイオンを検出する特性を持つ。
また、図4に示すように、接地電極1を1本のみとする1極プラグでは、1本の接地電極1の背後方向のみで電界強度が弱くなるため、接地電極1が設けられていない3方向の電界強度が強くなってその3方向のイオンを検出する特性を持つ。
また、ノックの波形には、図5(a)、(b)に示す基本周波数ノックと、図6(a)、(b)に示す高周波数ノックとがある。
基本周波数ノックに関しては、2極プラグでは、シリンダ内のノック波の+域と−域とを平均化して検出するため、基本周波数ノックの変化を検出しにくいが、1極プラグでは、シリンダ内のノック波の+域と−域のいずれか一方のみを検出するため、基本周波数ノックの変化を検出しやすくなる。
これに対して、高周波数ノックの検出特性に関しては上記と全く反対の関係になる。すなわち、1極プラグでは、高周波数ノックによる圧力変化がない領域のイオンを主に検出するため、高周波数ノックの変化を検出しにくいが、2極プラグでは、高周波数ノックによる圧力変化が発生する領域までイオン検出領域を拡大できるため、2極プラグでは高周波数ノックの変化を検出しやすくなる。
このように、従来の1極プラグと2極プラグのいずれを用いても、基本周波数ノックと高周波数ノックのいずれか一方の検出性が悪化して、ノック検出性能が悪くなるという問題があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、イオン検出時に燃焼室内に生じさせるイオン検出電界の分布形状を矯正する機能を備えたイオン電流検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の燃焼室内の混合気が燃焼する際に発生するイオン電流を点火プラグを用いて検出する際に、点火プラグの中心電極と接地電極との間に所定電圧を印加して燃焼室内にイオン検出電界を分布させるイオン電流検出装置において、前記イオン検出電界の分布形状を矯正するイオン検出電界矯正手段を備えていることを特徴とするものである。これにより、イオン電流の検出目的等に応じてイオン検出電界の分布形状を適正に矯正したり、或は、燃焼室内のイオン検出方向が特定方向に偏らないようにすることができる。
この場合、イオン検出電界矯正手段は様々なものが考えられる。
例えば、請求項2のように、点火プラグの金属ハウジングに中心電極と対向するように設けられたイオン検出電界矯正用のダミー電極をイオン検出電界矯正手段として用いても良い。ダミー電極の背後方向の電界強度が弱くなるため、例えば、1極プラグにダミー電極を設ければ、1極プラグのイオン検出電界の分布形状を2極プラグと同様の電界分布形状に矯正したり、或は、燃焼室内のイオン検出方向が特定方向に偏らないようにしたり、或は、ダミー電極の位置、形状、大きさ等を適当に調整することでイオン電流の検出目的等に合ったイオン検出電界の分布形状を作ることができる。これにより、例えば、イオン電流の検出出力のばらつきを小さくして失火検出能力を向上させたり、ノック検出能力を向上させたりすることができる。
この場合、請求項3のように、ダミー電極と中心電極との間のギャップを、中心電極と接地電極との間の火花放電ギャップの1.5倍以上に設定すると良い。このようにすれば、ダミー電極への飛び火を防止できて、中心電極と接地電極との間でのみ火花放電を発生させることができ、着火性の確保が容易になると共に、点火プラグの設計も容易となる利点がある。
更に、請求項4のように、中心電極と接地電極との対向部のみに貴金属チップを設け、ダミー電極と中心電極との対向部には貴金属チップを設けない構成とすると良い。ここで貴金属チップは、着火性向上のために径又は幅が1mm以下の細径化された貴金属チップを用いることが望ましい。ダミー電極側には貴金属チップを設けないため、過剰なコストアップを避けることができ、着火性とイオン検出電界分布の矯正とを低コストで両立させることができる。
また、請求項5のように、点火プラグの金属ハウジングに燃焼室側に突出するように設けられたイオン検出電界矯正用の壁形状のシュラウドをイオン検出電界矯正手段として用いるようにしても良い。壁形状のシュラウドの背後方向の電界強度が弱くなるため、例えば、1極プラグに壁形状のシュラウドを設ければ、1極プラグの着火性と2極プラグのノック検出特性を持たせることができる。
また、請求項6のように、内燃機関のシリンダヘッドのうちの点火プラグの近傍に燃焼室側に突出するように設けられたイオン検出電界矯正用の突起部をイオン検出電界矯正手段として用いるようにしても良い。シリンダヘッドも点火プラグの接地電極や金属ハウジングと同じアース電位となるため、シリンダヘッドに設けるイオン検出電界矯正用の突起部の位置、形状、大きさ等を適当に調整することで、イオン電流の検出目的等に合ったイオン検出電界の分布形状を作ったり、或は、燃焼室内のイオン検出方向が特定方向に偏らないようにすることができる。
ところで、点火プラグはシリンダヘッドのプラグ穴にねじで締め付けるため、請求項1〜5のように、点火プラグの金属ハウジングにイオン検出電界矯正手段(ダミー電極,壁形状のシュラウド)を設ける構成では、点火プラグの締め付け力によってイオン検出電界矯正手段の位置・向きが変わる可能性がある。このため、点火プラグの金属ハウジングにイオン検出電界矯正手段を設ける構成では、点火プラグの締め付け力によって燃焼室内におけるイオン検出電界分布の向き・位置が変わる可能性があるが、請求項6に係る発明では、シリンダヘッドにイオン検出電界矯正用の突起部を設けているため、点火プラグの締め付け力が変化しても、イオン検出電界矯正用の突起部の位置・向き、ひいては、燃焼室内におけるイオン検出電界分布の向き・位置が変わらず、安定したイオン電流の検出が可能となる。
また、請求項7のように、内燃機関の燃焼室内の混合気が燃焼する際に発生するイオン電流を点火プラグを用いて検出する際に、前記点火プラグの中心電極と逆L字形の接地電極との間に所定電圧を印加して燃焼室内にイオン検出電界を分布させるイオン電流検出装置において、逆L字形の接地電極を1本のみ中心電極の周側面に対向させるように設け、接地電極の先端部と中心電極の周側面との対向部に貴金属チップを設けた構成としても良い。この構成では、中心電極の延長方向(ピストン方向)に接地電極が存在しないため、イオン検出電界分布を中心電極の延長方向に拡大することができて、燃焼不安定時のイオン電流の検出出力低下度が小さくなり、失火誤検出余裕度を大きくすることができる利点がある。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した4つの実施例1〜4を説明する。
本発明の実施例1を図1に基づいて説明する。
本実施例1のイオン電流検出に用いる点火プラグ10は、逆L字形の接地電極11を1本のみ中心電極12の周側面に対向させるように設け、接地電極11の先端部と中心電極12の周側面との対向部にそれぞれIr、Pt等の貴金属チップ13,14を溶接している。各貴金属チップ13,14は、着火性向上のために径又は幅が1mm以下の細径化されている。中心電極12は、点火プラグ10の金属ハウジング15との間が絶縁碍子16で絶縁され、接地電極11は、金属ハウジング15に溶接等により設けられている。
更に、金属ハウジング15の先端部うちの接地電極11と反対側の位置には、金属等の導電部材により形成した逆L字形のダミー電極17(イオン検出電界矯正手段)が中心電極12と対向するように溶接等により設けられている。この場合、ダミー電極17と中心電極12との間のギャップは、中心電極12と接地電極11との間の火花放電ギャップの1.5倍以上に設定され、ダミー電極17へ飛び火しないように構成されている。
この構成では、ダミー電極17の背後方向の電界強度が弱くなるため、1極プラグ10にダミー電極17を設ければ、1極プラグ10のイオン検出電界の分布形状を2極プラグと同様の電界分布形状に矯正したり、或は、イオン検出方向が燃焼室内の特定方向に偏らないようにすることができる。これにより、イオン電流の検出出力のばらつきを小さくして失火検出能力を向上させたり、ノック検出能力を向上させたりすることができる。
しかも、ダミー電極17と中心電極12との間のギャップを、中心電極12と接地電極11との間の火花放電ギャップの1.5倍以上に設定しているので、ダミー電極17への飛び火を防止できて、中心電極12と接地電極11との間でのみ火花放電を発生させることができ、着火性の確保が容易になると共に、点火プラグ10の設計も容易となる利点がある。
更に、接地電極11と中心電極12との対向部のみに細径化された貴金属チップ13,14を設けたので、着火性を向上でき、ダミー電極17側には貴金属チップを設けないため、過剰なコストアップを避けることができ、着火性とイオン検出電界分布の矯正とを低コストで両立させることができる。
尚、本実施例1では、逆L字形の接地電極11を中心電極12の周側面に対向させるように設けたので、イオン検出電界分布を中心電極12の延長方向(ピストン方向)に拡大でき、燃焼不安定時のイオン電流の検出出力低下度が小さくなり、失火誤検出余裕度を大きくすることができる利点がある。
しかしながら、本発明は、逆L字形の接地電極を中心電極の先端面(上端面)に対向させた点火プラグにダミー電極を設けても良い。また、接地電極を2本以上設けたり、ダミー電極を2本以上設けるようにしても良い。要は、ダミー電極の位置、形状、大きさ等を適当に調整することでイオン電流の検出目的に合ったイオン検出電界の分布形状を作るようにすれば良い。
本発明の実施例2を図7及び図8に基づいて説明する。
本実施例1のイオン電流検出に用いる点火プラグ20は、逆L字形の接地電極21を中心電極22の先端面(上端面)に対向させると共に、接地電極21と中心電極22との対向部にそれぞれIr、Pt等の貴金属チップ23,24を溶接している。各貴金属チップ23,24は、着火性向上のために径又は幅が1mm以下の細径化されている。中心電極22は、点火プラグ20の金属ハウジング25との間が絶縁碍子26で絶縁され、接地電極21は、金属ハウジング25に溶接等により設けられている。
更に、金属ハウジング25の先端部のうちの接地電極21と反対側の位置には、金属等の導電部材により形成したイオン検出電界矯正用の壁形状のシュラウド27(イオン検出電界矯正手段)が燃焼室側に突出するように溶接等により設けられている。
この構成では、壁形状のシュラウド27の背後方向の電界強度が弱くなるため、本実施例2のような1極プラグ20に壁形状のシュラウド27を設ければ、1極プラグの着火性と2極プラグのノック検出特性を持たせることができる。
この場合、壁形状のシュラウド27の幅が広くなるほど、このシュラウド27でイオン検出電界を遮蔽する領域が広くなってイオン検出電界の分布形状に指向性を持たせることができる。従って、壁形状のシュラウド27の位置や大きさ(幅等)を適当に調整すれば、イオン検出電界の指向性を調整して、基本周波数ノックの検出性を向上させることができる。
本実施例2においても、接地電極21と中心電極22との対向部のみに細径化された貴金属チップ23,24を設けたので、着火性を向上しつつ過剰なコストアップを避けることができ、着火性とイオン検出電界分布の矯正とを低コストで両立させることができる。
尚、本実施例2では、逆L字形の接地電極21を中心電極22の先端面(上端面)に対向させたが、前記実施例1と同様に、逆L字形の接地電極を中心電極12の周側面に対向させるように構成しても良い。また、接地電極を2本以上設けたり、壁形状のシュラウドを2つ以上設けるようにしても良い。要は、壁形状のシュラウドの位置、形状、大きさ等を適当に調整することでイオン電流の検出目的に合ったイオン検出電界の分布形状を作るようにすれば良い。
上記実施例1,2では、点火プラグ10,20の金属ハウジング15,25にイオン検出電界矯正手段(ダミー電極17,壁形状のシュラウド27)を設けるようにしたが、図9乃至図12に示す本発明の実施例3では、内燃機関(エンジン)のシリンダヘッド31も点火プラグ33,34の接地電極42や金属ハウジング30と同じアース電位となることに着目して、シリンダヘッド31のうちの点火プラグ33,34の近傍に燃焼室側に突出するように設けられたイオン検出電界矯正用の突起部35,36をイオン検出電界矯正手段として用いるようにしている。
本実施例3では、1つの気筒に2本の点火プラグ33,34を対称位置に設けると共に、各点火プラグ33,34の近傍にそれぞれ突起部35,36を設けている。各突起部35,36は、ほぼ半円環壁状に形成され、各点火プラグ33,34に対して所定方向に配置されている。尚、図9の構成例では、シリンダヘッド31に、2つの吸気バルブ37,38と2つの排気バルブ39,40が設けられているが、これらのバルブ数は適宜変更しても良いことは言うまでもない。
また、本実施例3では、図11に示すように、各点火プラグ33,34は、中心電極41の周囲を取り巻くように円環状の接地電極42が設けられた沿面放電プラグが用いられている。この沿面放電プラグ33,34は、絶縁碍子43の表面を放電経路とし、プラグ燻り時に自己放電により燻りを浄化できる特性を備えている。また、この沿面放電プラグ33,34は、1極プラグや2極プラグと異なり、プラグ単体ではイオン検出電界の分布に指向性はないが、この沿面放電プラグ33,34をシリンダヘッド31に組み付けた状態では、各沿面放電プラグ33,34の近傍に位置する突起部35,36によって各沿面放電プラグ33,34のイオン検出電界が所定方向に向けて分布するように矯正されるようになっている。
本実施例3では、一方の沿面放電プラグ33のイオン検出電界が燃焼室の中心部分に向けて分布するように突起部35が配置され、他方の沿面放電プラグ34のイオン検出電界が燃焼室の外周部に向けて分布するように突起部36が配置されている。このように、一方の沿面放電プラグ33のイオン検出電界を燃焼室の中心部分に向けて分布させることで、燃焼室内のより広い範囲のイオンを検出して失火検出性能を向上させ、他方の沿面放電プラグ34のイオン検出電界を燃焼室の外周部に向けて分布させることで、燃焼室の外周部のノック振動の基本周波数振動と高周波数振動の両方の変化を精度良く検出できるようにしてノック検出性能を向上させるようにしている。
図12に示すように、2本の沿面放電プラグ33,34は、それぞれ別々のイオン電流検出回路44,45に接続され、各イオン電流検出回路44,45から出力されるイオン電流検出信号がECU46内の失火検出回路47とノック検出回路48に入力される。そして、失火検出回路47とノック検出回路48の出力信号に基づいてマイクロコンピュータ49によって失火の有無とノックの有無が判定され、このノック判定結果に基づいてノック制御(点火時期をノック発生限界付近まで進角する制御)が実施される。
以上説明した本実施例3では、シリンダヘッド31も点火プラグ33,34の接地電極42や金属ハウジング30と同じアース電位となることに着目して、シリンダヘッド31のうちの点火プラグ(沿面放電プラグ)33,34の近傍にイオン検出電界矯正用の突起部35,36を燃焼室側に突出するように設けたので、このイオン検出電界矯正用の突起部35,36の位置、形状、大きさ等を適当に調整することでイオン電流の検出目的に合ったイオン検出電界の分布形状を作ることができる。
ところで、点火プラグ33,34はシリンダヘッド31のプラグ穴にねじで締め付けるため、前記実施例1,2のように、点火プラグの金属ハウジングにイオン検出電界矯正手段(ダミー電極,壁形状のシュラウド)を設ける構成では、点火プラグの締め付け力によってイオン検出電界矯正手段の向きが変わる可能性がある。このため、点火プラグの金属ハウジングにイオン検出電界矯正手段を設ける構成では、点火プラグの締め付け力によって燃焼室内におけるイオン検出電界分布の向き・位置が変わる可能性があるが、本実施例3では、シリンダヘッド31にイオン検出電界矯正用の突起部35,36を設けているため、点火プラグ33,34の締め付け力が変化しても、イオン検出電界矯正用の突起部35,36の位置・向き、ひいては、燃焼室内におけるイオン検出電界分布の向き・位置は変わらず、安定したイオン電流の検出が可能となる。
また、本実施例3では、点火プラグ33,34として、プラグ単体ではイオン検出電界の分布に指向性のない沿面放電プラグを用いているが、イオン検出電界の分布に強い指向性のある点火プラグを使用すると、イオン検出電界矯正用の突起部35,36によってイオン検出電界分布を十分に矯正できない可能性があるが、本実施例3では、イオン検出電界の分布に指向性のない沿面放電プラグ33,34を用いているため、イオン検出電界矯正用の突起部35,36によってイオン検出電界分布を確実に矯正できる。
しかし、本実施例3で使用する点火プラグは、沿面放電プラグに限定されず、1極プラグや2極プラグ等を用いても良い。イオン検出電界の分布に強い指向性のある点火プラグを使用する場合は、イオン検出電界矯正用の突起部35,36に対する接地電極の向きを一定方向に限定できるようなプラグ組み付け調整方法と組み合わせて実施すれば良い。
また、本実施例3では、1つの気筒に2本の点火プラグ33,34を設け、一方の点火プラグ33のイオン検出電界が燃焼室の中心部分に向けて分布するように突起部35を配置し、他方の点火プラグ34のイオン検出電界が燃焼室の外周部に向けて分布するように突起部36を配置したので、一方の点火プラグ33で検出したイオン電流により失火を精度良く検出しながら、他方の点火プラグ34で検出したイオン電流によりノックを精度良く検出することができ、失火検出性能とノック検出性能の両方を十分に向上させることができる。
但し、本発明は、1つの気筒に1つの点火プラグのみを設けたエンジンのシリンダヘッドにイオン検出電界矯正用の突起部を設けた構成としても良い。
また、本発明は、実施例3のように、シリンダヘッドにイオン検出電界矯正用の突起部を設ける場合でも、1つの点火プラグで検出したイオン電流により失火とノックの両方を検出するようにしても良い。この場合、失火検出性能とノック検出性能のうちの不足する方の性能をリカバーするようにイオン検出電界矯正用の突起部を設ければ良い。
図13に示す本発明の実施例4のイオン電流検出に用いる点火プラグ50は、逆L字形の接地電極51を1本のみ中心電極52の周側面に対向させるように設け、接地電極51の先端部と中心電極52の周側面との対向部にそれぞれIr、Pt等の貴金属チップ53,54を溶接している。各貴金属チップ53,54は、着火性向上のために径又は幅が1mm以下の細径化されている。中心電極52は、点火プラグ50の金属ハウジング55との間が絶縁碍子56で絶縁され、接地電極51は、金属ハウジング55に溶接等により設けられている。要するに、本実施例4の点火プラグ50は、前記実施例1の点火プラグ10からダミー電極17(イオン検出電界矯正手段)を取り除いた構成となっている。
本実施例4の点火プラグ50は、中心電極52の延長方向(ピストン方向)に接地電極51が存在しないため、イオン検出電界分布を中心電極52の延長方向に拡大することができて、燃焼不安定時のイオン電流の検出出力低下度が小さくなり、失火誤検出余裕度を大きくすることができる利点がある。
尚、本発明は、上記各実施例1〜4で説明した点火プラグで検出したイオン電流に基づいて失火やノックを検出する構成に限定されず、プレイグニッション等、様々な燃焼異常を検出するシステムに適用して実施できる。
本発明の実施例1に用いる点火プラグの主要部の拡大図である。 中心電極の露出部の表面積とイオン電流の検出出力との関係を示す特性図である。 2極プラグのイオン検出電界の分布を説明する図である。 1極プラグのイオン検出電界の分布を説明する図である。 燃焼室内における基本周波数ノックの圧力波と1極プラグのイオン検出領域と2極プラグのイオン検出領域との関係を説明する図である。 燃焼室内における高周波数ノックの圧力波と1極プラグのイオン検出領域と2極プラグのイオン検出領域との関係を説明する図である。 本発明の実施例2に用いる点火プラグの主要部の拡大図である。 イオン検出電界矯正用の壁形状のシュラウド周辺部分の拡大斜視図である。 本発明の実施例3におけるシリンダヘッドの点火プラグの配置を示す図である。 実施例3のシリンダヘッド周辺部分の縦断面図である。 実施例3に用いる点火プラグ(沿面放電プラグ)の主要部の拡大図である。 実施例3の失火検出系とノック検出系の回路構成を説明するブロック図である。 本発明の実施例4に用いる点火プラグの主要部の拡大図である。
符号の説明
10…点火プラグ、11…接地電極、12…中心電極、13,14…貴金属チップ、25…金属ハウジング、16…絶縁碍子、17…ダミー電極(イオン検出電界矯正手段)、20…点火プラグ、21…接地電極、22…中心電極、23,24…貴金属チップ、25…金属ハウジング、26…絶縁碍子、27…イオン検出電界矯正用の壁形状のシュラウド(イオン検出電界矯正手段)、30…金属ハウジング、31…シリンダヘッド、33,34…点火プラグ(沿面放電プラグ)、35,36…イオン検出電界矯正用の突起部(イオン検出電界矯正手段)、41…中心電極、42…接地電極、43…絶縁碍子、50…点火プラグ、51…接地電極、52…中心電極、53,54…貴金属チップ、55…金属ハウジング、56…絶縁碍子

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃焼室内の混合気が燃焼する際に発生するイオン電流を点火プラグを用いて検出する際に、前記点火プラグの中心電極と接地電極との間に所定電圧を印加して燃焼室内にイオン検出電界を分布させるイオン電流検出装置において、
    イオン検出時に前記点火プラグの中心電極と接地電極との間に電圧を印加することで燃焼室内に生じるイオン検出電界の分布形状を矯正するイオン検出電界矯正手段を備えていることを特徴とするイオン電流検出装置。
  2. 前記イオン検出電界矯正手段は、前記点火プラグの金属ハウジングに前記中心電極と対向するように設けられたイオン検出電界矯正用のダミー電極であることを特徴とする請求項1に記載のイオン電流検出装置。
  3. 前記ダミー電極と前記中心電極との間のギャップは、前記中心電極と前記接地電極との間の火花放電ギャップの1.5倍以上に設定されていることを特徴とする請求項2に記載のイオン電流検出装置。
  4. 前記中心電極と前記接地電極との対向部のみに貴金属チップが設けられ、前記ダミー電極と前記中心電極との対向部には貴金属チップが設けられていないことを特徴とする請求項2又は3に記載のイオン電流検出装置。
  5. 前記イオン検出電界矯正手段は、前記点火プラグの金属ハウジングに燃焼室側に突出するように設けられたイオン検出電界矯正用の壁形状のシュラウドであることを特徴とする請求項1に記載のイオン電流検出装置。
  6. 前記イオン検出電界矯正手段は、前記内燃機関のシリンダヘッドのうちの前記点火プラグの近傍に燃焼室側に突出するように設けられたイオン検出電界矯正用の突起部であることを特徴とする請求項1に記載のイオン電流検出装置。
  7. 内燃機関の燃焼室内の混合気が燃焼する際に発生するイオン電流を点火プラグを用いて検出する際に、前記点火プラグの中心電極と逆L字形の接地電極との間に所定電圧を印加して燃焼室内にイオン検出電界を分布させるイオン電流検出装置において、
    前記逆L字形の接地電極を1本のみ前記中心電極の周側面に対向させるように設け、前記接地電極の先端部と前記中心電極の周側面との対向部に貴金属チップを設けたことを特徴とするイオン電流検出装置。
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