JP2007187383A - 冷熱源システム - Google Patents

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Abstract

【課題】必要な冷却負荷が小さい時や冷却水の最低流量時の冷却水ポンプ動力を削減できる冷熱源システムを提供する。
【解決手段】機器54から往路配管32を介して冷却水ポンプ56により送水された冷却水を、直交流式の冷却塔50で冷却して復路配管56を介して機器54に戻す冷熱源システム70において、冷却塔50は、冷却塔本体20内の上下方向に多段配置され、機器54から送水された冷却水を上部水槽6から充填材26a(26b)が充填された散水槽に散水して冷却塔本体20内に導入された外気と接触させて熱交換することにより冷却水を冷却すると共に冷却水が多段の最上段から最下段まで通水可能な複数の熱交換ユニット48a、48bと、複数の熱交換ユニット48a、48bに対して機器54からの冷却水の送水先を切り換える切換手段と、冷却塔で冷却する冷却水の冷却負荷に応じて切換手段の切り換えを制御する制御手段58と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷熱源システムに係り、特に、機器から往路配管を介して冷却水ポンプにより送水された冷却水を、直交流式の冷却塔で冷却して復路配管を介して前記機器に戻す冷熱源システムに関する。
従来から、空調設備、工業設備等における冷却水を冷却するために、直交流式冷却塔を備えた冷熱源システムが汎用されている(例えば特許文献1)。直交流式冷却塔14は、図5に示すように、モータ2によって駆動される送風機3、充填材4などを組み込んで架台5上に設置した塔本体1の上部に、上部水槽6を配設して、例えば冷凍機から環流してきた冷却水を、冷却水入口管7を介して、この上部水槽6に導入するようにしている。そして、上部水槽6に導入された冷却水は、上部水槽6内に一体に配設した分流槽8及び上部水槽6の下方に配設した散水器9を経て、充填材が充填された散水槽4上に散水され、ルーバ10を介して塔本体1内に導入された空気と熱交換して冷却される。熱交換して冷却された冷却水は、下部水槽11を介して集水槽12に集水され、冷却水出口管13及びポンプ(不図示)を介して負荷へ送水される。このようにして、冷却塔と負荷間で冷却水を循環させることにより、負荷の冷却を行うようにしている。
また、特許文献2では、冷却水流量の変動を低減することで、吸収冷温水機の運転の安定性を確保しつつ、動力コストを低減することが提案されている。
特開2000−146484号公報 特開2004−36957号公報
しかしながら、冷熱源システムの冷却水流量制御において、冷却水流量は冷凍機が許容可能な最小流量以下、即ち定格下限以下に減少させることができないため、冷凍機が必要とする冷却負荷が減少しても、最小流量で冷却水ポンプが運転される。このため、従来の冷却塔では、冷却水を流入するための実揚程が変化することがなく、冷却水ポンプの最低流量時の冷却水ポンプ動力は冷却負荷が減少しても削減することが困難であった。
本発明は、このような事情により鑑みてなされたもので、冷却塔で冷却する冷却水の冷却負荷に応じて冷却水ポンプの実揚程を可変することができるので、冷却水の最低流量時の冷却水ポンプ動力を削減できる冷熱源システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、機器から往路配管を介して冷却水ポンプにより送水された冷却水を、直交流式の冷却塔で冷却して復路配管を介して前記機器に戻す冷熱源システムにおいて、前記冷却塔は、該冷却塔本体内の上下方向に多段配置され、前記機器から送水された冷却水を上部水槽から充填材が充填された散水槽に散水して前記冷却塔本体内に導入された外気と接触させて熱交換することにより前記冷却水を冷却すると共に前記冷却水が前記多段の最上段から最下段まで通水可能な複数の熱交換ユニットと、前記複数の熱交換ユニットに対して前記機器からの冷却水の送水先を切り換える切換手段と、前記冷却塔で冷却する冷却水の冷却負荷に応じて前記切換手段の切り換えを制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1によれば、冷熱源システムにおいて、直交流式の冷却塔は、冷却塔本体内の上下方向に多段配置され、機器から送水された冷却水を上部水槽から充填材が充填された散水槽に散水して冷却塔本体内に導入された外気と接触させて熱交換することにより冷却水を冷却すると共に冷却水が多段の最上段から最下段まで通水可能な複数の熱交換ユニットと、複数の熱交換ユニットに対して機器からの冷却水の送水先を切り換える切換手段と、冷却塔で冷却する冷却水の冷却負荷に応じて切換手段の切り換えを制御する制御手段と、を備えていることで、冷却塔で冷却する冷却水の冷却負荷に応じて冷却水ポンプの実揚程を可変することができ、例えば、冷却負荷が高い場合には、最上段の熱交換ユニットに冷却水を通水して冷却し、冷却負荷が低い場合には、最下段の熱交換ユニットに冷却水を通水することができるので、冷却水の最低流量時の冷却水ポンプ動力を削減できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、前記機器は冷凍機であることを特徴とする。
請求項2によれば、機器が冷凍機である場合に効果的に適応できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の発明において、前記機器の定格下限以上では、前記機器から前記冷却塔に送水される冷却水の温度に応じて前記冷却水流量及び前記冷却塔内に外気を導入する送風機の回転数が可変する冷熱源システムであって、前記制御手段は、前記冷却水流量及び/又は前記送風機の回転数に基づいて前記切換手段を切り換えることを特徴とする。
請求項3によれば、送水される冷却水の温度に応じて、冷却水流量と送風機の回転数とが可変する冷熱源システムにあっては、冷却水流量及び/又は送風機の回転数に基づいて切換手段を切り換えることで、好適に冷却水ポンプ動力を削減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3の発明において、前記制御手段は、前記冷却水流量及び前記送風機の回転数が最低な前記機器の定格下限のときに、前記冷却水が前記最下段の熱交換ユニットに送水されるように前記切換手段を切り換え、前記冷却水流量及び前記送風機の回転数の増加に従って上段側の熱交換ユニットに切り換えることを特徴とする。
請求項4によれば、冷却水流量及び送風機の回転数が最低な機器の定格下限のときに、冷却水が前記最下段の熱交換ユニットに送水されるように前記切換手段を切り換え、冷却水流量及び前記送風機の回転数の増加に従って上段側の熱交換ユニットに切り換えることで、最適に冷却水ポンプ動力を削減することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2の発明において、前記機器の往路配管出口に送水する冷却水の温度を測定する温度計を設け、前記制御手段は、前記温度計と前記往路配管出口での設定温度との差に基づいて前記切換手段を切り換えることを特徴とする。
請求項5によれば、機器の往路配管出口に冷却水の温度を測定する温度計を設け、温度計が示す温度と設定温度との差に基づいて切換手段を切り換えることで、効果的に冷却水ポンプ動力を削減することができる。
以上説明したように、本発明の冷熱源システムによれば、冷却水の実揚程を削減することができるので、必要な冷却負荷が小さい時や最低流量時の冷却水ポンプの動力を削減することができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る冷熱源システムの好ましい実施の形態について詳説する。
図1に直交流式冷却塔を組み込んだ本発明に係る冷熱源システムの実施の形態の一例を示す。尚、ここでは冷却塔で冷却された冷却水を使用する機器として冷凍機の例で説明するが、他の熱交換器なども考えられる。
図1において、冷凍機54の冷却水流量が冷却水ポンプ56の回転数で制御される冷熱源システム70に直交流式冷却塔50が設置されている。冷凍機54には、例えば空調機55に接続されており、空調を行うことができるようになっている。
冷凍機54の定格下限以上では、冷凍機54から冷却塔に送水される冷却水の温度に応じて冷却水流量及び冷却塔内に外気を導入する送風機の回転数が可変する冷熱源システムでは、冷却水流量は、冷凍機の最低流量以上で制御され、低負荷時には最低流量が維持される。
また、冷熱源システム70に温度計62を設け、送風機24は制御手段58を用いて冷却塔の冷却水出口温度が設定温度になるようにインバータ60により回転数を制御することができる。送風機回転数が下限値の時に、冷却水出口温度が設定値より低下する場合には、送風機24はON−OFF制御される。
図2に本発明の冷熱源システム70に組み込んだ直交流式冷却塔50の一例を示す。図1の直交流式冷却塔には、上部水槽30、分流槽34、散水機36、及び散水槽26からなる熱交換ユニット48a、48bが上下方向に2段設けられている。
また、モータ22によって駆動される送風機24、充填材を充填した散水槽26などを組み込んだ2段の熱交換ユニット48a、48bが架台28上に設置した塔本体20の上部に設けられており、冷却水入口管32の分岐配管32aを介して冷却水が、上段の熱交換ユニット48aに導入されるようになっている。導入された冷却水は、送風機24によりルーバ38を介して塔本体20内に吸引された空気と熱交換して冷却される。そして、上段の熱交換ユニット48aで冷却された冷却水は、下段の熱交換ユニット48bに導入され、更に送風機24によりルーバ38を介して吸引された空気と熱交換して冷却される。
そして、熱交換して冷却された冷却水は、下部水槽40を介して集水槽42に集水され、復路配管44及び冷却水ポンプ(図1参照)を介して冷凍機へ送水される。このようにして、冷却塔と冷凍機間で冷却水を循環させることにより、負荷の冷却を行うようにしている。
更に、直交流式冷却塔50は、切換手段として、冷却負荷から往路配管32を介して環流してきた冷却水を、往路配管32を分岐した分岐配管32bによって下段の熱交換ユニット48bにも流入できるようになっている。分岐配管32bには、制御弁46が設置されており、上下方向に設置された熱交換ユニット48a、48bに対して冷却水の送水先を切り換えることができるようになっている。
以上の制御が行われる冷熱源システム70において、冷却水流量と送風機回転数を基に、直交流式冷却塔の制御弁46が制御される。図3に本発明に係る直交流式冷却塔50の制御弁46を制御するフローチャートを示す。冷却水流量が最低流量かつ冷却塔送風機の回転数が最低値となる時に、分岐配管32bを開とし、下段の熱交換ユニット48bへ冷却水を通水し、往路配管32の実揚程を低下させる。そして、冷却負荷が大きくなり冷却塔送風機の回転数が増加したときは、制御弁46を閉とし、上段の熱交換ユニット48aへ冷却水を通水させる。
以上から分かるように、冷凍機の定格下限以上では、機器から冷却塔に送水される冷却水の温度に応じて冷却水流量及び冷却塔内に外気を導入する送風機の回転数が可変する冷熱源システムであって、冷却水流量及び送風機の回転数が最低な機器の定格下限のときに、冷却水が最下段の熱交換ユニットに送水されるように制御弁46を切り換え、冷却水流量及び送風機の回転数の増加に従って上段側の熱交換ユニットに切り換えることによって、最低流量時に冷却水の実揚程を削減することができるので、冷却水ポンプ動力を削減することができる。また、冷凍機の往路配管出口に送水する冷却水の温度を測定する温度計62を設け、温度計と往路配管出口での設定温度との差に基づいて切換手段を切り換えることでも、冷却水ポンプ動力を削減することができる。
以上、本発明に係る冷熱源システムの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
例えば、制御弁46の切り換えは、上述の冷却水出口温度ではなく、外気の温度によって制御することも考えられる。
また、図4に示すように、上段の熱交換ユニット48aに接続された分岐配管32aにも制御弁46’を設けることが考えられる。この場合、冷却水出口温度が低いときには、制御弁46を開き、制御弁46’を閉じる制御を行うことで、冷却水流量が一定のシステムにおいても冷却水の実揚程を削減することができる。
更に、本実施形態では、熱交換ユニットが2段の場合について説明したが、2段以上の場合においても、効果的に冷却水ポンプの動力を削減することができる。
本発明に係る冷熱源システムを示す概略図 本発明に適用される直交流式冷却塔を示す正面断面図 本発明に適用される直交流式冷却塔の制御弁の制御を示すフローチャート 本発明に適用される直交流式冷却塔の別の実施形態を示す正面断面図 従来の直交流式冷却塔を示す正面断面図
符号の説明
1…塔本体、2…モータ、3…送風機、4…充填材、5…架台、6…上部水槽、7…往路配管、8…分流槽、9…散水器、10…ルーバ、11…下部水槽、12…集水槽、13…冷却水出口管、14…直交流式冷却塔、20,20’…塔本体、22…モータ、24…送風機、26a,26b…充填材、28…架台、30…上部水槽、32…往路配管、32a…分岐配管、32b…分岐配管、34…分流槽、36…散水器、38…ルーバ、40…下部水槽、42…集水槽、44…復路配管、46,46’…制御弁、48a…(上段の)熱交換ユニット、48b…(下段の)熱交換ユニット、50,50’…直交流式冷却塔、54…冷凍機(機械)、55…空調機、56…冷却水ポンプ、58…演算器(制御手段)、60…インバータ、62…温度計、70…冷熱源システム

Claims (5)

  1. 機器から往路配管を介して冷却水ポンプにより送水された冷却水を、直交流式の冷却塔で冷却して復路配管を介して前記機器に戻す冷熱源システムにおいて、
    前記冷却塔は、
    該冷却塔本体内の上下方向に多段配置され、前記機器から送水された冷却水を上部水槽から充填材が充填された散水槽に散水して前記冷却塔本体内に導入された外気と接触させて熱交換することにより前記冷却水を冷却すると共に前記冷却水が前記多段の最上段から最下段まで通水可能な複数の熱交換ユニットと、
    前記複数の熱交換ユニットに対して前記機器からの冷却水の送水先を切り換える切換手段と、
    前記冷却塔で冷却する冷却水の冷却負荷に応じて前記切換手段の切り換えを制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする冷熱源システム。
  2. 前記機器は冷凍機であることを特徴とする請求項1の冷熱源システム。
  3. 前記機器の定格下限以上では、前記機器から前記冷却塔に送水される冷却水の温度に応じて前記冷却水流量及び前記冷却塔内に外気を導入する送風機の回転数が可変する冷熱源システムであって、
    前記制御手段は、前記冷却水流量及び/又は前記送風機の回転数に基づいて前記切換手段を切り換えることを特徴とする請求項1又は2の冷熱源システム。
  4. 前記制御手段は、前記冷却水流量及び前記送風機の回転数が最低な前記機器の定格下限のときに、前記冷却水が前記最下段の熱交換ユニットに送水されるように前記切換手段を切り換え、前記冷却水流量及び前記送風機の回転数の増加に従って上段側の熱交換ユニットに切り換えることを特徴とする請求項3の冷熱源システム。
  5. 前記機器の往路配管出口に送水する冷却水の温度を測定する温度計を設け、前記制御手段は、前記温度計と前記往路配管出口での設定温度との差に基づいて前記切換手段を切り換えることを特徴とする請求項1又は2の冷熱源システム。
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