JPH09310999A - 冷却水制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却水温を制御することにより、その冷却能
力を自由に変化させることの出来るクーリングタワーを
提供する。 【解決手段】 散水機で充填材に温水を散水し、該散水
された充填材に、吸引された外気を送風することにより
冷風を取り出すクーリングタワーにおいて、クーリング
タワーの空気取り入れファンの回転数を変化させること
により空気流入量を変化させ、冷却水の温度を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、冷却水制御方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、クーリングタワーには、自然通風
型や、機械通風型のクーリングタワーが用いられている
が、いずれも取り入れる外気と送風の量は制御されるこ
となく冷却がなされていた。従って、冬期の寒冷時から
夏期の高温時に亘る全シーズンにおいて、冷却能力を自
由に制御して、一定の冷却能力を出力することの出来
る、冷却水の循環水路系において、立ち上がり管の下方
で且つ、水槽内に所定温度で開閉する二方弁式の温度調
節弁を設け、水温が設定温度以下になると、温度調節弁
を開いて冷却水を直接水槽内へバイパスさせて、凍結を
防止するようになした、冷却塔における冷却水バイパス
装置が開示されている。

【０００３】しかし、上記特開昭５７−４１５７３号公
報この技術における二方弁式の温度調節弁は、冬期ある
いは寒冷地にあって、冷却水の水温が、設定された温度
以下になると温調弁で感知され、該温調弁が開になって
循環冷却水は貯水槽に直接バイパスされ、冷却水の必要
以上の冷却を未然に防止することによるクーリングタワ
ー内の冷却水の凍結防止を目的としており、冬期あるい
は寒冷地においてのクーリングタワー内の冷却水の温度
を制御することはできなかった。

【０００４】また、例えば特開平３−１９９８９４号公
報に、底部に貯水部を設け、当該貯水部の上方に外気導
入口を設けたタンクと、当該タンク内の上方に配置した
散水器と、当該散水器と凝縮器とを連結し、散水器に凝
縮器からの温水を供給する冷却水還流管と、上記散水器
の上方に位置し、タンク内の空気を排除する送風機と、
上記タンクの底部と凝縮部とを連結し、タンク内の冷却
水を凝縮器へ供給する冷却水往管とを備え、上記散水器
で散布された温水を、上記送風機で吸引した外気と接触
させて冷却させるようにした冷却塔において、上記冷却
塔の外気出口側開口部の上方に、当該開口部からの飛散
水を付着させる屋根部と、当該屋根部に付着した飛散水
を受ける樋部を形成すると共に、当該樋部に上記冷却塔
に接続する還流管を設けたことを特徴とする冷却塔の冷
却水飛散防止装置が開示されている。

【０００５】しかし、この技術においては、大容量の冷
房装置に用いられる強制通風式の冷却塔に関するもの
で、冷却水の飛散による水濡れ汚染の防止を目的として
おり、冷却水の温度の制御とは目的を異としていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事実
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、クーリングタワーの冷却水温度を制御することによ
り、その冷却能力を自由に変化させて、一定の冷風を出
力することの出来るクーリングタワーを提供することに
ある。

【０００７】また、本発明は、上記の事実に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、クーリン
グタワーに入れる冷却水量を制御することにより、その
冷却能力を自由に変化させて、一定の冷風を出力するこ
との出来るクーリングタワーを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、冷却水導入ポ
ンプと、該冷却水導入ポンプにより循環水を充填材に供
給する散水器と、該散水器から散水される循環水を受け
る充填材と、該充填材に外気を導入してその気化熱によ
り循環水を冷却する送風機を備えた強制通風型クーリン
グタワーを用いて、該クーリングタワーの導入側の循環
水の水温を検出し、上記充填材に散水する循環水の水量
及び、送風量を制御することを特徴とする冷却水制御方
法をその要旨とするものである。

【０００９】又、本発明は、冷却水導入ポンプと、該冷
却水導入ポンプにより循環水を充填材に供給する散水器
と、該散水器から散水される循環水を受ける充填材と、
該充填材に外気を導入してその気化熱により循環水を冷
却する送風機を備えた強制通風型クーリングタワーを用
いて、該クーリングタワーの導入側の循環水の水温を検
出し、上記充填材に散水する循環水の水量又は、送風量
を制御することを特徴とする冷却水制御方法をその要旨
とするものである。

【００１０】本発明に於ける強制通風型クーリングタワ
ーは、冷却水導入ポンプ、散水器、充填材、外気導入
口、送風機及び上記機器の制御装置を備えてなり、凝縮
器から出た温度の高くなった冷却水を、散水管から充填
材に散水するとともに、ファンによりルーバを通して空
気を吸い込んで充填材の表面で水と接触させると一部の
水が蒸発し、その蒸発潜熱により冷却されるので、凝縮
器の冷却水として再使用される。このとき、充填材は折
りたたみ状にその表面積を大きくなされているので、水
を十分に空気と接触させることが出来る。

【００１１】また、クーリングタワーは、冷却水の一部
が、常に蒸発しながら運転されるので、少なくともその
蒸発分に相当する水を補給しなければならない。

【００１２】さらに、本発明に於けるクーリングタワー
の空気取り入れファンは、インバーターモーターにより
その回転数を制御され、制御された回転数に合った冷却
能力に運転状態を合わせて変化させる。

【００１３】また、クーリングタワーを用いての冷却水
制御方法は、上記クーリングタワーの空気取り入れファ
ンの回転数を変化させることにより、冷却能力を可変に
することが出来る。即ち、空気流入量を変化させること
により、冷却水の蒸発量を変化させてクーリングタワー
全体の能力を変え、冷却水の温度を変えることができ
る。

【００１４】本発明の、冷却水制御方法に用いられるク
ーリングタワーは、叙上の如く構成されているので、比
較的低温時においては、汎用のクーリングタワーの空気
取り入れファン回転数を変化させることにより、冷却能
力を可変にすることが出来る。また、温度が上昇するに
従って冷却水量制御して、更に高温においては冷却風量
及び冷却水量を制御することにより、冷却能力を多段に
制御することが出来る。これにより、水温を制御するこ
とが出来、省エネルギーに大きく貢献することが出来
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面を
参照しながら更に詳しく説明する。図１は本発明の強制
通風型のクーリングタワーの構造を説明する図である。
図１において、１は充填材であり、６は送風機であり、
８はクーリングタワーである。

【００１６】又、図２は、上記クーリングタワーの作動
の状態を説明する図である。図２において、８はクーリ
ングタワーであり、１３は充填材であり、該充填材１３
を通して空気が吹き込まれて蒸発潜熱が奪われ、水が冷
却される。さらに、冷却水は冷風に接触すると空気が水
を冷却し、水から熱を受け取るので温度が上昇する。

【００１７】図２に於いて、上記充填材に流下する冷却
水は、上部散水器から散水されて、充填材１３に流下
し、ファン６により吸引された空気により蒸発潜熱が奪
われ、水が冷却される。冷却された水は、クーリングタ
ワー下部の貯水槽に落下して、貯水される。また、充填
材は、金網を円筒形に賦形したものを用いているが、本
発明において使用する充填材はこれに限定されるもので
はなく、例えば、木製、合成樹脂製、スレート等の、板
状のものを格子状または千鳥状に配列したものであって
も良い。

【００１８】このとき、水を多数の水滴飛沫として飛散
させて、空気との接触面積及び接触時間を増大させるこ
とにより、より効率的に水を冷却することが出来る。

【００１９】クーリングタワー８内に、種々の温度の高
くなった温排水が導かれ、温度の高くなった温排水を散
水管から充填材１３に散水する。一方、ファン６により
ルーバを通して空気を吸い込み、該充填材１３の表面で
水と空気を接触させることにより一部の水が蒸発し、そ
の水の蒸発潜熱により、冷却前に比べ３〜４℃程度の温
度差を有する冷水を得ることが出来る。

【００２０】又、図３は、図２のクーリングタワーを更
に詳しく説明する図であり、ファン６、ポンプ７はそれ
ぞれインバーター５、５により回転制御され、空気取り
入れファン６の回転数を必要に応じて変化させて、冷却
能力を変化させる。

【００２１】この時、水槽１２内に取り付けられた温度
センサー１１が、水槽１２内の水温を測定して、調節計
１０の温度設定値に近接するようにインバーター５、５
を比例制御する。そして、クーリングタワー８に入れる
冷却水の流量をポンプ７で変化させて冷却水温度を変
え、又、ポンプ電動機をインバーターで回転を変え、冷
却水の流量を変化させる。クーリングタワーの伝熱量は
８０％が蒸発、残り２０％が温度差によるものであり、
大部分が蒸発によるため、冷却水の出口側温度は下が
る。

【００２２】上記電動機の回転数可変装置としては、電
源周波数制御方式（インバータ方式）、極数変換方式、
一次電圧制御方式、二次抵抗制御方式、静止セルビウス
装置、サイリスタ一次電圧制御方式、サイリスタモータ
ー、ステッピングモーター、サイリスタレオナード装置
等が好適に使用出来る。

【００２３】

【発明の効果】本発明の冷却水制御は、水の蒸発潜熱を
利用して、蒸発量（クーリングタワーのファン回転数）
を変化させることにより、水温を制御する。即ち、汎用
のクーリングタワーを駆動して、冷却水の流量を変化さ
せることにより、冷却水の温度を変え、冷却水を経済的
に作ることが出来る。また、汎用のクーリングタワーを
駆動することにより、水温の制御が可能であるため、省
エネルギーに大きく貢献する。

【００２４】又、従来、ファン、ポンプは定格回転数で
使用していたが、本発明においては上記ファン、ポンプ
は二乗逓減トルク特性を有し、また、電力が回転の３乗
に比例するため、省エネルギーに大きく貢献する。

【００２５】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の冷却水制御方法のクーリングタワーの
図である。

【図２】本発明の冷却水制御方法のクーリングタワーを
説明する図である。

【図３】本発明の冷却水制御方法の実施の形態を説明す
る図である。

【符号の説明】

１、温度設定値 ２、比較部 ３、温度検出器 ４、ＰＩＤ調整部 ５、操作部（インバータ） ６、ファン ７、ポンプ ８、クーリングタワー ９、比例制御 １０、温度調節計 １１、温度センサー １２、水槽 １３、充填材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷却水導入ポンプと、該冷却水導入ポン
   プにより循環水を充填材に供給する散水器と、該散水器
   から散水される循環水を受ける充填材と、該充填材に外
   気を導入してその気化熱により循環水を冷却する送風機
   を備えた強制通風型クーリングタワーを用いて、該クー
   リングタワーの導入側の循環水温を検出し、上記充填材
   に散水する循環水の水量を制御することを特徴とする冷
   却水制御方法。
2. 【請求項２】上記充填材に送風する送風量を制御するこ
   とを特徴とする請求項１記載の冷却水制御方法。