JP2001091167A - 密閉式直交流型冷却塔 - Google Patents

密閉式直交流型冷却塔

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JP2001091167A
JP2001091167A JP26641699A JP26641699A JP2001091167A JP 2001091167 A JP2001091167 A JP 2001091167A JP 26641699 A JP26641699 A JP 26641699A JP 26641699 A JP26641699 A JP 26641699A JP 2001091167 A JP2001091167 A JP 2001091167A
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JP
Japan
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water
heat exchanger
pipe
tank
spray
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Withdrawn
Application number
JP26641699A
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English (en)
Inventor
Toshifumi Nakanishi
利文 中西
Kazuyoshi Hayashinaka
和義 林中
Shozo Onishi
省三 大西
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Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Air Conditioning Systems Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却用水の使用量及び消費電力を少なくし、
かつ夏季の外気温が高い場合においても冷却効果を上げ
ることができる密閉式直交流型冷却塔を提供すること。 【解決手段】 送風機8、散水槽11、湿式熱交換器
5、下部水槽10、散布水循環用ポンプ13等で構成さ
れ、負荷側から戻るプロセス水を湿式熱交換器5に導入
して、湿式熱交換器5に散水した水の蒸発潜熱により冷
却する密閉式直交流型冷却塔であって、湿式熱交換器5
の塔本体1の中央部側に、エリミネータ4を介して、乾
式熱交換器3を配設し、乾式熱交換器3のプロセス水の
出口と湿式熱交換器5のプロセス水の入口とを配管19
にて接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉式直交流型冷
却塔に関し、特に、空調設備、工業設備等に汎用される
冷却塔において、冷却用の散布水の使用量及び消費電力
を少なくし、かつ冷却効果を上げることができる密閉式
直交流型冷却塔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、空調設備、工業設備等に汎用され
る冷却塔は、水の蒸発潜熱を利用して直接水を冷却する
ものであるため、冷却効果は高いものの、冷却用水の散
布による飛散、熱交換時の蒸発等にて失われる冷却用水
の量が多く、多量の水を補給することを必要とし、特
に、年間を通じて冷却塔を運転する場合、外気温の低下
に伴い、冷却能力の増加とともに、水の補給量が増加
し、ランニングコストが高くなるという問題があった。
【0003】一方、冷却用水の補給を不要にしたものと
して空冷式冷却塔がある。この空冷式冷却塔は、熱交換
器において、塔本体外より吸引した空気とプロセス水と
の間で顕熱による熱交換を行わせ、プロセス水を冷却す
るようにしたものであり、冷却用水を全く必要としない
という利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この空
冷式冷却塔は、冷却用水を全く必要としないという利点
を有する一方で、塔本体外より吸引した空気とプロセス
水との間で顕熱による熱交換を行うため、効率的に熱交
換を行うために、プレートフィンの表面積を大きくする
必要があり、このため、熱交換器の容量が大きくなり、
これに追従して熱交換器を収容する冷却塔も大きくな
り、冷却塔の据付面積が大きくなるという問題があっ
た。また、容量の大きいプレートフィン式熱交換器を流
通する送風量も多くなり、これに追従して空気圧損も大
きくなるので、これを補うために必然的に送風機の能力
を向上させる必要が生じ、これにより消費電力が増大
し、イニシャルコスト及びランニングコストが増大する
という問題があった。さらに、夏季等において、外気温
とプロセス水の水温の差が小さくなると、熱交換効率が
低下するため、所要の冷却能力を得ようとすると大容量
の熱交換器が必要となり、このため、これに追従して熱
交換器を収容する冷却塔も大きくなり、冷却塔の据付面
積が大きくなるという問題があり、さらに、外気温がプ
ロセス水の水温より高くなった場合には、冷却不能にな
るという問題があった。
【0005】本発明は、上記従来の密閉式直交流型冷却
塔及び空冷式冷却塔の有する問題点に鑑み、冷却用水の
使用量及び消費電力を少なくし、かつ夏季の外気温が高
い場合においても冷却効果を上げることができる密閉式
直交流型冷却塔を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の密閉式直交流型冷却塔は、送風機、散水
槽、湿式熱交換器、下部水槽、散布水循環用ポンプ等で
構成され、負荷側から戻るプロセス水を湿式熱交換器に
導入して、湿式熱交換器に散水した水の蒸発潜熱により
冷却する密閉式直交流型冷却塔において、前記湿式熱交
換器の塔本体の中央部側に、エリミネータを介して、乾
式熱交換器を配設し、乾式熱交換器のプロセス水の出口
と湿式熱交換器のプロセス水の入口とを配管にて接続し
たことを特徴とする。
【0007】この密閉式直交流型冷却塔は、湿式熱交換
器の塔本体の中央部側に、エリミネータを介して、乾式
熱交換器を配設し、乾式熱交換器のプロセス水の出口と
湿式熱交換器のプロセス水の入口とを配管にて接続して
いるため、潜熱による熱交換と、顕熱による熱交換とを
組み合わせて、プロセス水の熱交換を効率的に行うこと
ができるので、塔本体を小さくしてその設置スペースを
小さくできるとともに、冷却用水の使用量及び消費電力
を少なくし、かつ夏季の外気温が高い場合においても冷
却効果を上げることができる。
【0008】この場合において、乾式熱交換器のプロセ
ス水の出口と湿式熱交換器のプロセス水の入口とを接続
する配管にワックス式三方弁を配設し、該ワックス式三
方弁の出口の一方を湿式熱交換器のプロセス水の入口
に、他方をプロセス配管の出口にそれぞれ接続すること
ができる。
【0009】これにより、プロセス水の水温に応じて自
動的に湿式熱交換器に導入されるプロセス水の水量を調
節して、プロセス水の温度調節を行うことができる。
【0010】また、第2発明の密閉式直交流型冷却塔
は、送風機、散水槽、湿式熱交換器、下部水槽、散布水
循環用ポンプ等で構成され、負荷側から戻るプロセス水
を湿式熱交換器に導入して、湿式熱交換器に散水した水
の蒸発潜熱により冷却する密閉式直交流型冷却塔におい
て、前記湿式熱交換器の空気吸込側に、エリミネータを
介して、乾式熱交換器を配設し、湿式熱交換器のプロセ
ス水の出口と乾式熱交換器のプロセス水の入口とを配管
にて接続したことを特徴とする
【0011】この密閉式直交流型冷却塔は、湿式熱交換
器の空気吸込側に、エリミネータを介して、乾式熱交換
器を配設し、湿式熱交換器のプロセス水の出口と乾式熱
交換器のプロセス水の入口とを配管にて接続しているた
め、顕熱による熱交換と、潜熱による熱交換とを組み合
わせて、プロセス水の熱交換を効率的に行うことができ
るので、塔本体を小さくしてその設置スペースを小さく
できるとともに、冷却用水の使用量及び消費電力を少な
くし、かつ夏季の外気温が高い場合においても冷却効果
を上げることができる。
【0012】この場合において、湿式熱交換器のプロセ
ス水の出口と乾式熱交換器のプロセス水の入口とを接続
する配管にワックス式三方弁を配設し、該ワックス式三
方弁の出口の一方を乾式熱交換器のプロセス水の入口
に、他方をプロセス配管の出口にそれぞれ接続すること
もできる。
【0013】これにより、プロセス水の水温に応じて自
動的に乾式熱交換器に導入されるプロセス水の水量を調
節して、プロセス水の温度調節を行うことができる。
【0014】また、上記第1、第2発明の各密閉式直交
流型冷却塔において、下部水槽と散水槽とを散布水配管
及びその分岐管を介して接続するとともに、前記分岐管
の一方に、ワックス式三方弁を配設し、ワックス式三方
弁に下部水槽へ通ずるバイパス配管を接続することがで
きる。
【0015】これにより、散布水の水温に応じて、散水
槽へ供給される散布水の余剰部を、バイパス配管を経て
下部水槽に直接バイパスさせることができ、散布水の蒸
発損失を少なくして、散布水の使用量を低減することが
できる。
【0016】また、散布水循環用ポンプの電気回路に、
外気温を感知して散布水循環用ポンプ用電動機を制御す
るサーモスタット回路を組み込むことができる。
【0017】これにより、外気温が低下する中間期から
冬期において、ポンプ制御用サーモスタット回路を作動
させ、散布水循環用ポンプ用電動機を停止させることが
でき、散布水循環用ポンプ用電動機の消費電力を低減す
ることができるとともに、散布水の蒸発損失を少なくし
て、散布水の使用量を低減することができる。
【0018】さらに、第3発明の密閉式直交流型冷却塔
は、送風機、熱交換器等で構成され、負荷側から戻るプ
ロセス水を熱交換器にて、塔本体外より吸引する空気に
より冷却する密閉式直交流型冷却塔において、塔本体の
空気吸込口側より中央部に向かって、加湿装置、水滴を
除去するエリミネータ、プロセス水を循環して冷却する
熱交換器を順次配列配置したことを特徴とする。
【0019】この密閉式直交流型冷却塔は、塔本体内に
吸引した乾球温度をもつ空気を、加湿装置にて加湿冷却
して湿球温度をもつ空気とし、この空気をエリミネータ
を通過させることにより水滴を除去した後、熱交換器を
通過させてプロセス水の冷却を行うようにしているた
め、夏季等の外気温が高い場合においても、塔本体内に
吸引した空気とプロセス水とに温度差を生じさせ、冷却
効果を向上することができる。
【0020】この場合、加湿装置を、塔本体の下部に配
設した下部水槽と、上部に配設した散水槽と、下部水槽
から散水槽へ加湿用水を供給する加湿用水循環用ポンプ
を配設した加湿用水配管と、散水槽の下方に配設した充
填材とで構成することができる。
【0021】これにより、簡易な機構により塔本体内に
吸引した乾球温度をもつ空気を、より効果的に加湿冷却
して湿球温度をもつ空気とすることができる。
【0022】また、加湿用配管の分岐管の一方に、ワッ
クス式三方弁を配設し、ワックス式三方弁に下部水槽へ
通ずるバイパス配管を接続することができる。
【0023】これにより、加湿用水の水温に応じて、散
水槽へ供給される加湿用水の余剰部を、バイパス配管を
経て下部水槽に直接バイパスさせることができ、加湿用
水の蒸発損失を少なくして、加湿用水の使用量を低減す
ることができる。
【0024】さらに、加湿用水循環用ポンプの電気回路
に、外気温を感知してポンプ用電動機を制御するサーモ
スタット回路を組み込むことができる。
【0025】これにより、外気温が低下する中間期から
冬期において、ポンプ制御用サーモスタット回路を作動
させ、ポンプ用電動機を停止させることができ、ポンプ
用電動機の消費電力を低減することができるとともに、
加湿用水の蒸発損失を少なくして、加湿用水の使用量を
低減することができる。
【0026】最後に、上記第1〜第3発明の各密閉式直
交流型冷却塔において、送風機の電気回路に、プロセス
水の出口水温を感知して送風機用電動機を制御するイン
バータ回路を組み込むことができる。
【0027】これにより、プロセス水の出口温度に応じ
て、送風機用電動機の回転数を制御することができ、必
要な冷却効果を得ながら、送風機用電動機の消費電力を
低減することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の密閉式直交流型冷
却塔の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】図1〜図2に、本発明の密閉式直交流型冷
却塔の第1実施例を示す。この密閉式直交流型冷却塔の
塔本体1は、図1に示すように、その両側面に、塔本体
1内に冷却用空気としての空気を吸引するための空気吸
込口2を形成し、その内部に、中央部側より空気吸込口
2に向かって、乾式熱交換器3、空気吸込口2側の湿式
熱交換器5から乾式熱交換器3に水滴が飛散するのを防
止するエリミネータ4、湿式熱交換器5を順次、対称に
配列配置し、さらに、その上部に、塔本体1に接合する
ように形成した送風機ケーシング7内に送風機8を配置
し、この送風機8を電動機9にて駆動することにより、
両側部の空気吸込口2より塔本体1内に空気を吸引し、
湿式熱交換器5、エリミネータ4、乾式熱交換器3を順
に通過させて、プロセス水との間で熱交換を行わせるこ
とによってプロセス水の冷却を行い、塔本体1の中央部
から送風機8を介して塔本体1外へ排出するように構成
されている。
【0030】湿式熱交換器5に散水するための散布水散
布装置は、塔本体1の下部に配設した下部水槽10と、
上部に配設した、散水器15を備えて湿式熱交換器5に
散水するようにした散水槽11と、下部水槽10から散
水槽11へ散布水を供給する散布水循環用ポンプ13を
配設した散布水配管12とで構成する。
【0031】そして、散布水循環用ポンプ13は、その
電気回路に、下部水槽10等の適宜位置に配設したセン
サ24aにより外気温を感知してポンプ用電動機を制御
するサーモスタット回路24を組み込むようにする。こ
れにより、外気温が低下する中間期から冬期において、
ポンプ制御用サーモスタット回路を作動させ、ポンプ用
電動機を停止させることができ、ポンプ用電動機の消費
電力を低減することができるとともに、散布水の蒸発損
失を少なくして、散布水の使用量を低減することができ
るものとなる。
【0032】散布水配管12は、両側の散水槽11へ散
布水を供給するために途中で分岐させるが、その分岐管
16の一方に、ワックス式三方弁(ワックス式温調弁)
18を配設し、このワックス式三方弁18に下部水槽1
0へ通ずるバイパス配管17を接続し、外気温が低下す
る中間期から冬期において、散布水の水温が低下する
と、例えば、最大で50%の散布水を、ワックス式三方
弁18が自動開閉することにより下部水槽10に直接バ
イパスさせ、湿式熱交換器5に散水される散布水の水量
を調節し、これにより、吸引した空気の湿度の調節を行
って、湿式熱交換器5内に配設した管路を循環するプロ
セス水の冷却温度の調節を行うことができるように構成
する。また、これにより、散布水の水温に応じて、散水
槽11へ供給される散布水の余剰部を、バイパス配管1
7を経て下部水槽10に直接バイパスさせ、散布水の蒸
発損失を少なくして、散布水の使用量を低減することが
できるものとなる。なお、ワックス式三方弁18は、散
布水の水温に応じて、その開度を自動的に、かつ簡易に
調節することができるものであるが、他の方式の三方弁
を使用することもできる。
【0033】散布水配管12を分岐した分岐管16の先
端には、図2に示すように、分流槽14を接続するとと
もに、水量調節弁26を配設する。
【0034】下部水槽10には、ボールタップ25を設
けて蒸発などにより減少した散布水を補給し、下部水槽
10及びその循環経路内において常に一定水量の散布水
が保持されるようにする。
【0035】また、乾式熱交換器3のプロセス水の出口
と、湿式熱交換器5のプロセス水の入口とを、配管19
を介して接続することにより、負荷側から戻ったプロセ
ス水をプロセス配管21の入口21aを経て乾式熱交換
器3に流入させ、次いで、湿式熱交換器5よりプロセス
配管の出口21bを経て再び負荷側へ送り出すようにす
る。
【0036】そして、このプロセス水の湿式熱交換器5
への流通量を調節するために、配管19の途中にワック
ス式三方弁(ワックス式温調弁)20を配設し、このワ
ックス式三方弁20の出口の一方を湿式熱交換器5のプ
ロセス水の入口に、他方をバイパス流路6を介してプロ
セス配管21の出口21bにそれぞれ接続するようにす
る。このワックス式三方弁20は、プロセス水の水温に
応じて自動的に湿式熱交換器5に導入されるプロセス水
の水量を50〜100%の範囲で調節することにより、
プロセス水の温度調節を行うことができる。なお、ワッ
クス式三方弁20は、プロセス水の水温に応じて、その
開度を自動的に、かつ簡易に調節することができるもの
であるが、他の方式の三方弁を使用することもできる。
【0037】また、送風機用電動機9の電気回路には、
送風機用電動機9を制御するインバータ回路23を組み
込み、プロセス配管21bに配設したセンサ22aによ
りプロセス水の出口水温を感知してインバータ回路23
を制御するサーモスタット回路22を配設するようにす
る。これにより、プロセス水の出口温度に応じて、送風
機用電動機9の回転数を制御することができ、必要な冷
却効果を得ながら、プロセス水の出口温度の低下に合わ
せて送風機用電動機9の消費電力を低減することができ
るものとなる。
【0038】また、本実施例においては、乾式熱交換器
3及び湿式熱交換器5には、プレートフィン式熱交換器
を採用することによって、効率的に熱交換が行われるよ
うにしている。
【0039】次に、この密閉式直交流型冷却塔の動作に
ついて説明する。下部水槽10に貯留された散布水は、
散布水循環用ポンプ13を駆動することによって、散布
水配管12及び分岐管16を経て、分流槽14にて整流
された後、散水槽11に導入され、散水槽11の底部に
穿設した散水孔から散水器15上に散水される。そし
て、散布水は、散水器15によりさらに均一に分散され
て、湿式熱交換器5のプレートフィン及びプロセス水が
循環している管路の表面に散水され、送風機8によって
空気吸込口2から吸引された空気と直接接触して熱交換
を行う。そして、熱交換によって散布水は、その一部が
蒸発し、残りは下部水槽10に導入される。
【0040】このようにして、散布水は、散布水循環用
ポンプ13を駆動することによって、下部水槽10、散
水槽11及び湿式熱交換器5の間を循環するようにする
とともに、これにより湿式熱交換器5の管路内を循環す
るプロセス水を冷却する。このとき、蒸発により失われ
た散布水は、補給水口よりボールタップ25にて自動的
に補給され、散布水の水量が一定に保たれるようにす
る。
【0041】また、散布水配管12の分岐管16の一方
に、ワックス式三方弁18を配設しているので、外気温
が低下して散布水温が低下すると、ワックス式三方弁1
8が散布水温に追従して開くようになって、散布水の一
部がワックス式三方弁18を経てバイパス管17に流
れ、下部水槽10へ直接バイパスされるようになり、さ
らに散布水温が低下すると、三方弁が全開して散布水の
約50%が下部水槽10へバイパスされるようになり、
これにより、湿式熱交換器5を流下する散布水量を調節
するようにする。
【0042】また、散布水循環用ポンプ13の電気回路
には、センサ24aにより外気温を感知してポンプ用電
動機を制御するサーモスタット回路24が組み込まれて
いるため、センサ24aにより外気温が低いことを感知
すると、サーモスタット回路24を作動させ、ポンプ用
電動機を停止させることができ、ポンプ用電動機の消費
電力を低減することができるとともに、散布水の蒸発損
失を少なくして、散布水の使用量を低減することができ
るものとなる。
【0043】一方、負荷側から戻ったプロセス水は、プ
ロセス配管21の入口21aより塔本体1内のプレート
フィン式の乾式熱交換器3の管路を流通する際、送風機
8の運転により空気吸込口2より塔本体1内に吸引され
た空気により冷却される。そして、乾式熱交換器3にお
いて冷却されたプロセス水は、配管19を通って、湿式
熱交換器5の管路に導入され、湿式熱交換器5の管路を
流通する際、散水槽11より散布される散布水により冷
却されるとともに、送風機8の運転により空気吸込口2
より塔本体1内に吸引された空気により冷却される。こ
のようにして、乾式熱交換器3と湿式熱交換器5とによ
り2段階に冷却されたプロセス水は、プロセス配管21
の出口21bから負荷側に戻され、以下、同様に、負荷
と密閉式直交流型冷却塔との間を循環する。
【0044】ところで、乾式熱交換器3と湿式熱交換器
5を接続してプロセス水を流通、循環させるようにした
配管19には、ワックス式三方弁20が配設され、ワッ
クス式三方弁20の出口の一方を湿式熱交換器5のプロ
セス水の入口に、他方をバイパス流路6を介してプロセ
ス配管21の出口21bにそれぞれ接続するようにして
いるので、プロセス水の水温に応じて自動的に湿式熱交
換器5に導入されるプロセス水の水量を50〜100%
の範囲で調節することにより、プロセス水の温度調節を
行うことができる。そして、プロセス水の水温が設定さ
れた温度よりも高くなると、プロセス水の全量を湿式熱
交換器5のプロセス水の入口に流れるようにし、また、
逆に水温が低くなると、温度低下に応じて、プロセス水
のバイパス流路6を経てプロセス配管21の出口21b
へバイパスされるようにする。
【0045】また、塔本体1内に吸引された空気は、湿
式熱交換器5を通過する際に、湿式熱交換器5内の管路
を循環するプロセス水と熱交換することによって加湿、
加熱された後、エリミネータ4を通過し、さらに、乾式
熱交換器3を通過する際に、乾式熱交換器3内の管路を
循環するプロセス水と熱交換することによって加熱さ
れ、送風機8により塔外に排出される。
【0046】このようにして、散布水、プロセス水及び
空気は循環して所要のプロセス水の冷却を行うととも
に、プロセス水は顕熱交換と潜熱交換とにより熱交換が
効率的に行われる。
【0047】なお、季節により変化する外気温により、
本実施例の密閉式直交流型冷却塔の運転も変化する。外
気温が高い夏季においては、ワックス式三方弁18の働
きにより、散布水循環用ポンプ13からの散布水は、全
量、湿式熱交換器5内に流れ、散布水と空気により、湿
式熱交換器5内の管路を流通するプロセス水を冷却す
る。これにより、プロセス水の出口水温より高い外気温
(乾球温度)の空気を吸引しても、湿式熱交換器5内で
(湿球温度による)潜熱交換されるため、プロセス水の
出口水温が外気の湿球温度以上であれば冷却が可能とな
る。また、この空冷式冷却塔は、潜熱による熱交換と、
顕熱による熱交換との組み合わせによって所要の熱交換
を行うため、塔本体を小さくして据付面積を少なくする
ことができ、また、湿式熱交換器5の容量も小さいた
め、送風機用電動機の容量も少なくてすむものとなる。
【0048】さらに、夏季よりも外気温が低下する夏季
から中間期においては、ワックス式三方弁18の働きに
より、散布水循環用ポンプ13からの散布水の一部(最
大50%)が、バイパス配管17を介して下部水槽10
にバイパスされ、必要量だけが冷却に使われるため、散
布水の蒸発損失が少なくなって、散布水の使用量が少な
くなる。このとき、湿式熱交換器5で冷却不足が生じた
場合、乾式熱交換器3で冷却(顕熱交換)されるため、
散布水の使用量は増えることはない。
【0049】また、外気温が低下する中間期から冬期に
おいては、散布水循環用ポンプ13のポンプ用電動機を
サーモスタット回路24により制御することによりによ
り、散布水循環用ポンプ13を停止させるので、ポンプ
用電動機の消費電力を低減することができるとともに、
散布水の蒸発損失を少なくして、散布水の使用量を低減
することができるものとなる。このときは、プロセス水
は、主に乾式熱交換器3で冷却されるが、湿式熱交換器
5にもプロセス水が流通しており、湿式熱交換器5は、
散布水が散布されないので乾式熱交換器として働く。こ
のように年間を通じ経済的な運転が可能となり、また、
空冷式に比べて塔本体1を小さくすることができる。
【0050】なお、塔本体1内に吸引された空気は、夏
季時においては加熱加湿後、加熱されるが、外気温の低
下とともに加湿量は減少する。また、中間期、冬期にお
いては、加湿はなく加熱のみとなる。このため、白煙が
生じやすい中間期や冬期に、排気を送風機8によって塔
外に排出しても、高温少湿又は高温の排気は飽和空気と
ならず、白煙は生じない。また、送風機用電動機は散布
水循環用ポンプ停止後、プロセス水の出口水温が低下す
るとインバータが作動し、容量に見合った運転となり、
経済的な運転をすることができる。
【0051】次に、図3〜図4に、本発明の密閉式直交
流型冷却塔の一実施例を示す。この密閉式直交流型冷却
塔の塔本体1は、図3に示すように、その両側面に、塔
本体1内に冷却用空気としての空気を吸引するための空
気吸込口2を形成し、その内部に、空気吸込口2側より
中央部に向かって、乾式熱交換器3、中央部側の湿式熱
交換器5から乾式熱交換器3に水滴が飛散するのを防止
するエリミネータ4、湿式熱交換器5、空気に含まれる
水滴を除去するエリミネータ27を順次、対称に配列配
置し、さらに、その上部に、塔本体1に接合するように
形成した送風機ケーシング7内に送風機8を配置し、こ
の送風機8を電動機9にて駆動することにより、両側部
の空気吸込口2より塔本体1内に空気を吸引し、乾式熱
交換器3、エリミネータ4、湿式熱交換器5、エリミネ
ータ27を順に通過させて、プロセス水との間で熱交換
を行わせることによってプロセス水の冷却を行い、塔本
体1の中央部から送風機8を介して塔本体1外へ排出す
るように構成されている。
【0052】湿式熱交換器5に散水するための散布水散
布装置は、塔本体1の下部に配設した下部水槽10と、
上部に配設した、散水器15を備えて湿式熱交換器5に
散水するようにした散水槽11と、下部水槽10から散
水槽11へ散布水を供給する散布水循環用ポンプ13を
配設した散布水配管12とで構成する。
【0053】そして、散布水循環用ポンプ13は、その
電気回路に、下部水槽10等の適宜位置に配設したセン
サ24aにより外気温を感知してポンプ用電動機を制御
するサーモスタット回路24を組み込むようにする。こ
れにより、外気温が低下する中間期から冬期において、
ポンプ制御用サーモスタット回路を作動させ、ポンプ用
電動機を停止させることができ、ポンプ用電動機の消費
電力を低減することができるとともに、散布水の蒸発損
失を少なくして、散布水の使用量を低減することができ
るものとなる。
【0054】散布水配管12は、両側の散水槽11へ散
布水を供給するために途中で分岐させるが、その分岐管
16の一方に、ワックス式三方弁(ワックス式温調弁)
18を配設し、このワックス式三方弁18に下部水槽1
0へ通ずるバイパス配管17を接続し、外気温が低下す
る中間期から冬期において、散布水の水温が低下する
と、例えば、最大で50%の散布水を、ワックス式三方
弁18が自動開閉することにより下部水槽10に直接バ
イパスさせ、湿式熱交換器5に散水される散布水の水量
を調節し、これにより、吸引した空気の湿度の調節を行
って、湿式熱交換器5内に配設した管路を循環するプロ
セス水の冷却温度の調節を行うことができるように構成
する。また、これにより、散布水の水温に応じて、散水
槽11へ供給される散布水の余剰部を、バイパス配管1
7を経て下部水槽10に直接バイパスさせ、散布水の蒸
発損失を少なくして、散布水の使用量を低減することが
できるものとなる。なお、ワックス式三方弁18は、散
布水の水温に応じて、その開度を自動的に、かつ簡易に
調節することができるものであるが、他の方式の三方弁
を使用することもできる。
【0055】散布水配管12を分岐した分岐管16の先
端には、図4に示すように、分流槽14を接続するとと
もに、水量調節弁26を配設する。
【0056】下部水槽10には、ボールタップ25を設
けて蒸発などにより減少した散布水を補給し、下部水槽
10及びその循環経路内において常に一定水量の散布水
が保持されるようにする。
【0057】また、湿式熱交換器5のプロセス水の出口
と、乾式熱交換器3のプロセス水の入口とを、配管19
を介して接続することにより、負荷側から戻ったプロセ
ス水をプロセス配管21の入口21aを経て湿式熱交換
器5に流入させ、次いで、乾式熱交換器3よりプロセス
配管の出口21bを経て再び負荷側へ送り出すようにす
る。
【0058】そして、このプロセス水の乾式熱交換器3
への流通量を調節するために、配管19の途中にワック
ス式三方弁(ワックス式温調弁)20を配設し、このワ
ックス式三方弁20の出口の一方を乾式熱交換器3のプ
ロセス水の入口に、他方をバイパス流路6を介してプロ
セス配管21の出口21bにそれぞれ接続するようにす
る。このワックス式三方弁20は、プロセス水の水温に
応じて自動的に乾式熱交換器3に導入されるプロセス水
の水量を50〜100%の範囲で調節することにより、
プロセス水の温度調節を行うことができる。なお、ワッ
クス式三方弁20は、プロセス水の水温に応じて、その
開度を自動的に、かつ簡易に調節することができるもの
であるが、他の方式の三方弁を使用することもできる。
【0059】また、送風機用電動機9の電気回路には、
送風機用電動機9を制御するインバータ回路23を組み
込み、プロセス配管21bに配設したセンサ22aによ
りプロセス水の出口水温を感知してインバータ回路23
を制御するサーモスタット回路22を配設するようにす
る。これにより、プロセス水の出口温度に応じて、送風
機用電動機9の回転数を制御することができ、必要な冷
却効果を得ながら、プロセス水の出口温度の低下に合わ
せて送風機用電動機9の消費電力を低減することができ
るものとなる。
【0060】また、本実施例においては、乾式熱交換器
3及び湿式熱交換器5には、プレートフィン式熱交換器
を採用することによって、効率的に熱交換が行われるよ
うにしている。
【0061】次に、この密閉式直交流型冷却塔の動作に
ついて説明する。下部水槽10に貯留された散布水は、
散布水循環用ポンプ13を駆動することによって、散布
水配管12及び分岐管16を経て、分流槽14にて整流
された後、散水槽11に導入され、散水槽11の底部に
穿設した散水孔から散水器15上に散水される。そし
て、散布水は、散水器15によりさらに均一に分散され
て、湿式熱交換器5のプレートフィン及びプロセス水が
循環している管路の表面に散水され、送風機8によって
空気吸込口2から吸引された空気と直接接触して熱交換
を行う。そして、熱交換によって散布水は、その一部が
蒸発し、残りは下部水槽10に導入される。
【0062】このようにして、散布水は、散布水循環用
ポンプ13を駆動することによって、下部水槽10、散
水槽11及び湿式熱交換器5の間を循環するようにする
とともに、これにより湿式熱交換器5の管路内を循環す
るプロセス水を冷却する。このとき、蒸発により失われ
た散布水は、補給水口よりボールタップ25にて自動的
に補給され、散布水の水量が一定に保たれるようにす
る。
【0063】また、散布水配管12の分岐管16の一方
に、ワックス式三方弁18を配設しているので、外気温
が低下して散布水温が低下すると、ワックス式三方弁1
8が散布水温に追従して開くようになって、散布水の一
部がワックス式三方弁18を経てバイパス管17に流
れ、下部水槽10へ直接バイパスされるようになり、さ
らに散布水温が低下すると、三方弁が全開して散布水の
約50%が下部水槽10へバイパスされるようになり、
これにより、湿式熱交換器5を流下する散布水量を調節
するようにする。
【0064】また、散布水循環用ポンプ13の電気回路
には、センサ24aにより外気温を感知してポンプ用電
動機を制御するサーモスタット回路24が組み込まれて
いるため、センサ24aにより外気温が低いことを感知
すると、サーモスタット回路24を作動させ、ポンプ用
電動機を停止させることができ、ポンプ用電動機の消費
電力を低減することができるとともに、散布水の蒸発損
失を少なくして、散布水の使用量を低減することができ
るものとなる。
【0065】一方、負荷側から戻ったプロセス水は、プ
ロセス配管21の入口21aより塔本体1内のプレート
フィン式の湿式熱交換器5の管路を流通する際、散水槽
11より散布される散布水により冷却されるとともに、
送風機8の運転により空気吸込口2より塔本体1内に吸
引された空気により冷却される。そして、湿式熱交換器
5において冷却されたプロセス水は、配管19を通っ
て、乾式熱交換器3の管路に導入され、乾式熱交換器3
の管路を流通する際、送風機8の運転により空気吸込口
2より塔本体1内に吸引された空気により冷却される。
このようにして、湿式熱交換器5と乾式熱交換器3とに
より2段階に冷却されたプロセス水は、プロセス配管2
1の出口21bから負荷側に戻され、以下、同様に、負
荷と密閉式直交流型冷却塔との間を循環する。
【0066】ところで、湿式熱交換器5と乾式熱交換器
3を接続してプロセス水を流通、循環させるようにした
配管19には、ワックス式三方弁20が配設され、ワッ
クス式三方弁20の出口の一方を乾式熱交換器3のプロ
セス水の入口に、他方をバイパス流路6を介してプロセ
ス配管21の出口21bにそれぞれ接続するようにして
いるので、プロセス水の水温に応じて自動的に乾式熱交
換器3に導入されるプロセス水の水量を50〜100%
の範囲で調節することにより、プロセス水の温度調節を
行うことができる。そして、プロセス水の水温が設定さ
れた温度よりも高くなると、プロセス水の全量を乾式熱
交換器3のプロセス水の入口に流れるようにし、また、
逆に水温が低くなると、温度低下に応じて、プロセス水
のバイパス流路6を経てプロセス配管21の出口21b
へバイパスされるようにする。
【0067】また、塔本体1内に吸引された空気は、乾
式熱交換器3を通過する際に、乾式熱交換器3内の管路
を循環するプロセス水と熱交換することによって加熱さ
れた後、エリミネータ4を通過し、さらに、湿式熱交換
器5を通過する際に、湿式熱交換器5内の管路を循環す
るプロセス水と熱交換することによって加湿、加熱さ
れ、エリミネータ27を介して、送風機8により塔外に
排出される。
【0068】このようにして、散布水、プロセス水及び
空気は循環して所要のプロセス水の冷却を行うととも
に、プロセス水は潜熱交換と顕熱交換とにより熱交換が
効率的に行われる。
【0069】なお、季節により変化する外気温により、
本実施例の密閉式直交流型冷却塔の運転も変化する。外
気温が高い夏季においては、ワックス式三方弁18の働
きにより、散布水循環用ポンプ13からの散布水は、全
量、湿式熱交換器5内に流れ、散布水と空気により、湿
式熱交換器5内の管路を流通するプロセス水を冷却す
る。これにより、プロセス水の出口水温より高い外気温
(乾球温度)の空気を吸引しても、湿式熱交換器5内で
(湿球温度による)潜熱交換されるため、プロセス水の
出口水温が外気の湿球温度以上であれば冷却が可能とな
る。また、この空冷式冷却塔は、顕熱による熱交換と、
潜熱による熱交換との組み合わせによって所要の熱交換
を行うため、塔本体を小さくして据付面積を少なくする
ことができ、また、湿式熱交換器5の容量も小さいた
め、送風機用電動機の容量も少なくてすむものとなる。
【0070】さらに、夏季よりも外気温が低下する夏季
から中間期においては、ワックス式三方弁18の働きに
より、散布水循環用ポンプ13からの散布水の一部(最
大50%)が、バイパス配管17を介して下部水槽10
にバイパスされ、必要量だけが冷却に使われるため、散
布水の蒸発損失が少なくなって、散布水の使用量が少な
くなる。このとき、湿式熱交換器5で冷却不足が生じた
場合、乾式熱交換器3で冷却(顕熱交換)されるため、
散布水の使用量は増えることはない。
【0071】また、外気温が低下する中間期から冬期に
おいては、散布水循環用ポンプ13のポンプ用電動機を
サーモスタット回路24により制御することによりによ
り、散布水循環用ポンプ13を停止させるので、ポンプ
用電動機の消費電力を低減することができるとともに、
散布水の蒸発損失を少なくして、散布水の使用量を低減
することができるものとなる。このときは、プロセス水
は、主に乾式熱交換器3で冷却されるが、湿式熱交換器
5にもプロセス水が流通しており、湿式熱交換器5は、
散布水が散布されないので乾式熱交換器として働く。こ
のように年間を通じ経済的な運転が可能となり、また、
空冷式に比べて塔本体1を小さくすることができる。
【0072】なお、塔本体1内に吸引された空気は、夏
季時においては加熱後、加熱加湿されるが、外気温の低
下とともに加湿量は減少する。また、中間期、冬期にお
いては、加湿はなく加熱のみとなる。このため、白煙が
生じやすい中間期や冬期に、排気を送風機8によって塔
外に排出しても、高温少湿又は高温の排気は飽和空気と
ならず、白煙は生じない。また、送風機用電動機は散布
水循環用ポンプ停止後、プロセス水の出口水温が低下す
るとインバータが作動し、容量に見合った運転となり、
経済的な運転をすることができる。
【0073】さらに、図5〜図6に、本発明の密閉式直
交流型冷却塔の第3実施例を示す。この密閉式直交流型
冷却塔の塔本体1は、図5に示すように、その両側面
に、塔本体1内に冷却用空気としての空気を吸引するた
めの空気吸込口2を形成し、その内部に、空気吸込口2
側より中央部に向かって、加湿装置5a、エリミネータ
4、乾式熱交換器3を順次、対称に配列配置し、さら
に、その上部に、塔本体1に接合するように形成した送
風機ケーシング7内に送風機8を配置し、この送風機8
を電動機9にて駆動することにより、両側部の空気吸込
口2より塔本体1内に空気を吸引し、加湿装置5aにて
乾球温度をもつ空気を加湿冷却して湿球温度をもつ空気
とし、この空気をエリミネータ4を通過させることによ
り水滴を除去した後、熱交換器3を通過させてプロセス
水の冷却を行い、塔本体1の中央部から送風機8を介し
て塔本体1外へ排出するように構成されている。
【0074】この場合において、加湿装置5aは、塔本
体1の下部に配設した下部水槽10と、上部に配設し
た、散水器15を備えて充填材6aに散水するようにし
た散水槽11と、下部水槽10から散水槽11へ加湿用
水を供給する加湿用水循環用ポンプ13aを配設した加
湿用水配管12aと、散水槽11の下方に配設した充填
材6aとで構成する。
【0075】そして、加湿用水循環用ポンプ13aの電
気回路には、下部水槽10等の適宜位置に配設したセン
サ24aにより外気温を感知してポンプ用電動機を制御
するサーモスタット回路24を組み込むようにする。こ
れにより、外気温が低下する中間期から冬期において、
ポンプ制御用サーモスタット回路を作動させ、ポンプ用
電動機を停止させることができ、ポンプ用電動機の消費
電力を低減することができるとともに、加湿用水の蒸発
損失を少なくして、加湿用水の使用量を低減することが
できるものとなる。
【0076】加湿用配管12aは、両側の散水槽11へ
加湿用水を供給するために途中で分岐させるが、その分
岐管16の一方に、ワックス式三方弁(ワックス式温調
弁)18を配設し、このワックス式三方弁18に下部水
槽10へ通ずるバイパス配管17を接続し、外気温が低
下する中間期から冬期において、加湿用水の水温が低下
すると、例えば、最大で50%の加湿用水を、ワックス
式三方弁18が自動開閉することにより下部水槽10に
直接バイパスさせ、充填材6aに供給される加湿用水の
水量を調節し、これにより、吸引した空気の湿度の調節
を行って、熱交換器3内に配設した管路を循環するプロ
セス水の冷却温度の調節を行うことができるように構成
する。また、これにより、加湿用水の水温に応じて、散
水槽11へ供給される加湿用水の余剰部を、バイパス配
管17を経て下部水槽10に直接バイパスさせ、加湿用
水の蒸発損失を少なくして、加湿用水の使用量を低減す
ることができるものとなる。なお、ワックス式三方弁1
8は、加湿用水の水温に応じて、その開度を自動的に、
かつ簡易に調節することができるものであるが、他の方
式の三方弁を使用することができる。
【0077】加湿用水配管12aを分岐した分岐管16
の先端には、図6に示すように、分流槽14を接続する
とともに、水量調節弁26を配設する。
【0078】下部水槽10には、ボールタップ25を設
けて蒸発などにより減少した加湿用水を補給し、下部水
槽10及びその循環経路内において常に一定水量の加湿
用水が保持されるようにする。
【0079】熱交換器3は、負荷側から戻るプロセス水
を熱交換器3に供給するプロセス水配管入口21aと、
負荷側へプロセス水を送り出すプロセス水配管出口21
bとからなるプロセス水配管21を介して負荷側と接続
するとともに、プロセス水を熱交換器3内に配設した管
路を循環させて所要の冷却を行うように構成する。
【0080】また、送風機用電動機9の電気回路には、
送風機用電動機9を制御するインバータ回路23を組み
込み、プロセス配管出口21bに配設したセンサ22a
によりプロセス水の出口水温を感知してインバータ回路
23を制御するサーモスタット回路22を配設するよう
にする。これにより、プロセス水の出口温度に応じて、
送風機用電動機9の回転数を制御することができ、必要
な冷却効果を得ながら、プロセス水の出口温度の低下に
合わせて送風機用電動機9の消費電力を低減することが
できるものとなる。
【0081】次に、この密閉式直交流型冷却塔の動作に
ついて説明する。下部水槽10に貯留された加湿用水
は、加湿用水循環用ポンプ13aを駆動することによっ
て、加湿用水配管12a及び分岐管16を経て、分流槽
14にて整流された後、散水槽11に導入され、散水槽
11の底部に穿設した散水孔から散水器15上に散水さ
れる。そして、加湿用水は、散水器15によりさらに均
一に分散されて、充填材6a上に散水され、充填材6a
内を流下しながら、送風機8によって空気吸込口2より
塔本体1内に吸引された空気と直接接触することにより
熱交換し、乾球温度をもつ空気を加湿冷却して湿球温度
の空気とする。そして、熱交換によって加湿用水は、そ
の一部が蒸発し、残りは下部水槽10に導入される。
【0082】一方、このようにして、加湿用水との間で
熱交換し、加湿冷却された湿球温度をもつ空気(乾球温
度が低下(理論的には外気の湿球温度近くまで低下)し
た空気)は、エリミネータ4を通過することにより水滴
を除去された後、熱交換器3を通過し、負荷側から戻っ
て熱交換器3のプロセス水配管入口21aから熱交換器
3に供給され、熱交換器3内に配設した管路を循環する
プロセス水の冷却を行うようにする。そして、冷却され
たプロセス水は、プロセス水配管出口21bから負荷側
へ送り出される。これにより、夏季等の外気温が高い場
合においても、塔本体1内に吸引した空気とプロセス水
とに温度差を生じさせ、大きな冷却効果を得ることがで
き(プロセス水の出口温度が外気の乾球温度よりも低い
場合でも、湿球温度より高ければ冷却が可能であ
る。)、これによって、熱交換器の容量を小さくするこ
とができる。また、このとき使用する加湿用水の量は、
空気をその時の湿球温度近くまで加湿するだけでよいた
め、一般の冷却塔と比較して少なくなり、冷却用水の使
用量を低減することができる。
【0083】そして、熱交換をすることによって加熱さ
れた空気は、水蒸気となった加湿用水とともに、塔本体
1の中央部から送風機8を介して塔本体1外へ排出され
るが、この排気空気は、高温低湿であるため、年間を通
じて飽和空気とならず、外気温が低下する冬期において
も白煙を生じることがない。
【0084】水蒸気となって放出された加湿用水の減少
分は、下部水槽10にボールタップ25を設けることに
より自動的に補給され、下部水槽10及びその循環経路
内において常に一定水量の加湿用水が保持される。
【0085】
【発明の効果】以上のように、第1発明の密閉式直交流
型冷却塔によれば、湿式熱交換器の塔本体の中央部側
に、エリミネータを介して、乾式熱交換器を配設し、乾
式熱交換器のプロセス水の出口と湿式熱交換器のプロセ
ス水の入口とを配管にて接続しているため、潜熱による
熱交換と、顕熱による熱交換とを組み合わせて、プロセ
ス水の熱交換を効率的に行うことができるので、塔本体
を小さくしてその設置スペースを小さくできるととも
に、冷却用水の使用量及び消費電力を少なくし、かつ夏
季の外気温が高い場合においても冷却効果を上げること
ができ、これにより、イニシャルコスト及びランニング
コストを低廉にすることができる。
【0086】そして、乾式熱交換器のプロセス水の出口
と湿式熱交換器のプロセス水の入口とを接続する配管に
ワックス式三方弁を配設し、該ワックス式三方弁の出口
の一方を湿式熱交換器のプロセス水の入口に、他方をプ
ロセス配管の出口にそれぞれ接続することにより、プロ
セス水の水温に応じて自動的に湿式熱交換器に導入され
るプロセス水の水量を調節して、プロセス水の温度調節
を行うことができる。
【0087】また、第2発明の密閉式直交流型冷却塔に
よれば、湿式熱交換器の空気吸込側に、エリミネータを
介して、乾式熱交換器を配設し、湿式熱交換器のプロセ
ス水の出口と乾式熱交換器のプロセス水の入口とを配管
にて接続しているため、顕熱による熱交換と、潜熱によ
る熱交換とを組み合わせて、プロセス水の熱交換を効率
的に行うことができるので、塔本体を小さくしてその設
置スペースを小さくできるとともに、冷却用水の使用量
及び消費電力を少なくし、かつ夏季の外気温が高い場合
においても冷却効果を上げることができる。
【0088】そして、湿式熱交換器のプロセス水の出口
と乾式熱交換器のプロセス水の入口とを接続する配管に
ワックス式三方弁を配設し、該ワックス式三方弁の出口
の一方を乾式熱交換器のプロセス水の入口に、他方をプ
ロセス配管の出口にそれぞれ接続することにより、プロ
セス水の水温に応じて自動的に乾式熱交換器に導入され
るプロセス水の水量を調節して、プロセス水の温度調節
を行うことができる。
【0089】さらに、第1、第2発明の各密閉式直交流
型冷却塔において、下部水槽と散水槽とを散布水配管及
びその分岐管を介して接続するとともに、前記分岐管の
一方に、ワックス式三方弁を配設し、ワックス式三方弁
に下部水槽へ通ずるバイパス配管を接続することによ
り、散布水の水温に応じて、散水槽へ供給される散布水
の余剰部を、バイパス配管を経て下部水槽に直接バイパ
スさせることができ、散布水の蒸発損失を少なくして、
散布水の使用量を低減することができる。
【0090】また、散布水循環用ポンプの電気回路に、
外気温を感知して散布水循環用ポンプ用電動機を制御す
るサーモスタット回路を組み込むことにより、外気温が
低下する中間期から冬期において、ポンプ制御用サーモ
スタット回路を作動させ、散布水循環用ポンプ用電動機
を停止させることができ、散布水循環用ポンプ用電動機
の消費電力を低減することができるとともに、散布水の
蒸発損失を少なくして、散布水の使用量を低減すること
ができる。
【0091】さらに、第3発明の密閉式直交流型冷却塔
によれば、塔本体内に吸引した乾球温度をもつ空気を、
加湿装置にて加湿冷却して湿球温度をもつ空気とし、こ
の空気をエリミネータを通過させることにより水滴を除
去した後、熱交換器を通過させてプロセス水の冷却を行
うようにしているため、夏季等の外気温が高い場合にお
いても、塔本体内に吸引した空気とプロセス水とに温度
差を生じさせ、冷却効果を向上させることができる。
【0092】そして、加湿装置を、塔本体の下部に配設
した下部水槽と、上部に配設した散水槽と、下部水槽か
ら散水槽へ加湿用水を供給する加湿用水循環用ポンプを
配設した加湿用水配管と、散水槽の下方に配設した充填
材とで構成することにより、簡易な機構により塔本体内
に吸引した乾球温度をもつ空気を、より効果的に加湿冷
却して湿球温度をもつ空気とすることができる。
【0093】また、加湿用配管の分岐管の一方に、ワッ
クス式三方弁を配設し、ワックス式三方弁に下部水槽へ
通ずるバイパス配管を接続することにより、加湿用水の
水温に応じて、散水槽へ供給される加湿用水の余剰部
を、バイパス配管を経て下部水槽に直接バイパスさせる
ことができ、加湿用水の蒸発損失を少なくして、加湿用
水の使用量を低減することができる。
【0094】さらに、加湿用水循環用ポンプの電気回路
に、外気温を感知してポンプ用電動機を制御するサーモ
スタット回路を組み込むことにより、外気温が低下する
中間期から冬期において、ポンプ制御用サーモスタット
回路を作動させ、ポンプ用電動機を停止させることがで
き、ポンプ用電動機の消費電力を低減することができる
とともに、加湿用水の蒸発損失を少なくして、加湿用水
の使用量を低減することができる。
【0095】また、第1〜第3発明の各密閉式直交流型
冷却塔において、送風機の電気回路に、プロセス水の出
口水温を感知して送風機用電動機を制御するインバータ
回路を組み込むことにより、プロセス水の出口温度に応
じて、送風機用電動機の回転数を制御することができ、
必要な冷却効果を得ながら、送風機用電動機の消費電力
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉式直交流型冷却塔の第1実施例を
示す縦断面図である。
【図2】同実施例の散水槽の平面図である。
【図3】本発明の密閉式直交流型冷却塔の第2実施例を
示す縦断面図である。
【図4】同実施例の散水槽の平面図である。
【図5】本発明の密閉式直交流型冷却塔の第3実施例を
示す縦断面図である。
【図6】同実施例の散水槽の平面図である。
【符号の説明】
1 塔本体 2 空気吸込口 3 乾式熱交換器 4 エリミネータ 5 湿式熱交換器 5a 加湿装置 6 プロセス配管のバイパス流路 6a 充填材 7 送風機ケーシング 8 送風機 9 送風機用電動機 10 下部水槽 11 散水槽 12 散布水配管 12a 加湿用水配管 13 散布水循環用ポンプ 13a 加湿用循環用ポンプ 14 分流槽 15 散水器 16 分岐管 17 バイパス配管 18 三方弁 19 配管 20 三方弁 21 プロセス配管 21a プロセス配管の入口 21b プロセス配管の出口 22 サーモスタット回路 23 インバータ回路 24 サーモスタット回路 25 ボールタップ 26 水量調整弁 27 エリミネータ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風機、散水槽、湿式熱交換器、下部水
    槽、散布水循環用ポンプ等で構成され、負荷側から戻る
    プロセス水を湿式熱交換器に導入して、湿式熱交換器に
    散水した水の蒸発潜熱により冷却する密閉式直交流型冷
    却塔において、前記湿式熱交換器の空気吹出口側に、エ
    リミネータを介して、乾式熱交換器を配設し、乾式熱交
    換器のプロセス水の出口と湿式熱交換器のプロセス水の
    入口とを配管にて接続したことを特徴とする密閉式直交
    流型冷却塔。
  2. 【請求項2】 乾式熱交換器のプロセス水の出口と湿式
    熱交換器のプロセス水の入口とを接続する配管にワック
    ス式三方弁を配設し、該ワックス式三方弁の出口の一方
    を湿式熱交換器のプロセス水の入口に、他方をプロセス
    配管の出口にそれぞれ接続したことを特徴とする請求項
    1記載の密閉式直交流型冷却塔。
  3. 【請求項3】 送風機、散水槽、湿式熱交換器、下部水
    槽、散布水循環用ポンプ等で構成され、負荷側から戻る
    プロセス水を湿式熱交換器に導入して、湿式熱交換器に
    散水した水の蒸発潜熱により冷却する密閉式直交流型冷
    却塔において、前記湿式熱交換器の空気吸込側に、エリ
    ミネータを介して、乾式熱交換器を配設し、湿式熱交換
    器のプロセス水の出口と乾式熱交換器のプロセス水の入
    口とを配管にて接続したことを特徴とする密閉式直交流
    型冷却塔。
  4. 【請求項4】 湿式熱交換器のプロセス水の出口と乾式
    熱交換器のプロセス水の入口とを接続する配管にワック
    ス式三方弁を配設し、該ワックス式三方弁の出口の一方
    を乾式熱交換器のプロセス水の入口に、他方をプロセス
    配管の出口にそれぞれ接続したことを特徴とする請求項
    3記載の密閉式直交流型冷却塔。
  5. 【請求項5】 下部水槽と散水槽とを散布水配管及びそ
    の分岐管を介して接続するとともに、前記分岐管の一方
    に、ワックス式三方弁を配設し、ワックス式三方弁に下
    部水槽へ通ずるバイパス配管を接続したことを特徴とす
    る請求項1、2、3又は4記載の密閉式直交流型冷却
    塔。
  6. 【請求項6】 散布水循環用ポンプの電気回路に、外気
    温を感知して散布水循環用ポンプ用電動機を制御するサ
    ーモスタット回路を組み込んだことを特徴とする請求項
    1、2、3、4、又は5記載の密閉式直交流型冷却塔。
  7. 【請求項7】 送風機、熱交換器等で構成され、負荷側
    から戻るプロセス水を熱交換器にて、塔本体外より吸引
    する空気により冷却する密閉式直交流型冷却塔におい
    て、塔本体の空気吸込口側より中央部に向かって、加湿
    装置、水滴を除去するエリミネータ、プロセス水を循環
    して冷却する熱交換器を順次配列配置したことを特徴と
    する密閉式直交流型冷却塔。
  8. 【請求項8】 加湿装置を、塔本体の下部に配設した下
    部水槽と、上部に配設した散水槽と、下部水槽から散水
    槽へ加湿用水を供給する加湿用水循環用ポンプを配設し
    た加湿用水配管と、散水槽の下方に配設した充填材とで
    構成したことを特徴とする請求項7記載の密閉式直交流
    型冷却塔。
  9. 【請求項9】 加湿用配管の分岐管の一方に、ワックス
    式三方弁を配設し、ワックス式三方弁に下部水槽へ通ず
    るバイパス配管を接続したことを特徴とする請求項7又
    は8記載の密閉式直交流型冷却塔。
  10. 【請求項10】 加湿用水循環用ポンプの電気回路に、
    外気温を感知してポンプ用電動機を制御するサーモスタ
    ット回路を組み込んだことを特徴とする請求項7、8又
    は9記載の密閉式直交流型冷却塔。
  11. 【請求項11】 送風機の電気回路に、プロセス水の出
    口水温を感知して送風機用電動機を制御するインバータ
    回路を組み込んだことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9又は10記載の密閉式直交流型
    冷却塔。
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