JP2007187293A - 遊星歯車装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピニオンシャフト全体の強度を落とさずに軽量化でき、しかも製造コストの低減化が図れる遊星歯車装置を得ることを目的とする。
【解決手段】キャリア6に固着されたピニオンシャフト4に、ピニオンギア3が針状ころ5を介して回転自在に支持されている遊星歯車装置において、前記キャリア6はアルミ合金製であり、前記ピニオンシャフト4は、鋼製の中空シャフト11と、該中空シャフト11の中空部に挿着されるアルミ合金製の芯シャフト12とで構成され、該芯シャフト12の両端部がそれぞれ前記キャリア6の通孔6aにカシメ止めされているものである。
【選択図】図1
【解決手段】キャリア6に固着されたピニオンシャフト4に、ピニオンギア3が針状ころ5を介して回転自在に支持されている遊星歯車装置において、前記キャリア6はアルミ合金製であり、前記ピニオンシャフト4は、鋼製の中空シャフト11と、該中空シャフト11の中空部に挿着されるアルミ合金製の芯シャフト12とで構成され、該芯シャフト12の両端部がそれぞれ前記キャリア6の通孔6aにカシメ止めされているものである。
【選択図】図1
Description
本発明は自動車用自動変速機等を構成する遊星歯車装置、特に遊星歯車装置のピニオンシャフトの構造に関するものである。
従来の遊星歯車装置は、キャリアに固着されたピニオンシャフトに、サンギア及びリングギアと噛合するピニオンギアが針状ころを介して回転自在に支持され、キャリアとピニオンギアとの間に、例えば2枚の滑りワッシャをそれぞれ回転自在に重ねて介在させた構成となっている。
そして、ピニオンシャフトをキャリアに固着する一例として、ピニオンシャフトの軸方向両端部をキャリアに形成した通孔に内装すると共に、ピニオンシャフトと各キャリアとの間に係止ピンを掛け渡して、ピニオンシャフトがキャリアから脱落するのを防止するように固着するピン止めの方法がある。
また、ピニオンシャフトをキャリアに固着する別の例として、ピニオンシャフトの軸方向両端部外周縁部分を、キャリアに形成した通孔の外端開口周縁部にそれぞれカシメ付けることにより、ピニオンシャフトがキャリアから脱落するのを防止するように固着するカシメ付けの方法がある。
このようにピント止め或いはカシメ付けされるピニオンシャフトとキャリアはいずれも鉄系材料で構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−227550号公報(第2頁、図7〜図9)
そして、ピニオンシャフトをキャリアに固着する一例として、ピニオンシャフトの軸方向両端部をキャリアに形成した通孔に内装すると共に、ピニオンシャフトと各キャリアとの間に係止ピンを掛け渡して、ピニオンシャフトがキャリアから脱落するのを防止するように固着するピン止めの方法がある。
また、ピニオンシャフトをキャリアに固着する別の例として、ピニオンシャフトの軸方向両端部外周縁部分を、キャリアに形成した通孔の外端開口周縁部にそれぞれカシメ付けることにより、ピニオンシャフトがキャリアから脱落するのを防止するように固着するカシメ付けの方法がある。
このようにピント止め或いはカシメ付けされるピニオンシャフトとキャリアはいずれも鉄系材料で構成されている(例えば、特許文献1参照)。
近年、自動車では環境問題から燃費向上が求められており、各構成部品については軽量化が求められている。このため、従来は鉄系材料を用いていた部材のアルミ合金への置き換えが進んでいるが、オートマチックトランスミッション(AT)においてもアルミ合金化が進んでおり、最近では遊星歯車装置のピニオンシャフトを固着するキャリアにもアルミ合金が採用される例がある。
ピニオンシャフトのキャリアへの固着方法に、ピン止めとカシメ付けの二つの方法があるが、ピン止めは加工コストが高く、加工の容易さからカシメ付けの方が有利である。
しかし、キャリアをアルミ合金製としても、ピニオンシャフトは強度の点から鋼製のもの使用する必要があるため、両者の線膨張率が異なることにより、鋼製のピニオンシャフトをアルミ合金製のキャリアにカシメ付けで固定することは困難であり、コスト高なピン止めの方法を採用しなければならないという問題があった。
本発明は係る問題点を解決するためになされたもので、ピニオンギア全体の強度を落とさずに軽量化でき、しかも製造コストの低減化が図れる遊星歯車装置を得ることを目的とする。
ピニオンシャフトのキャリアへの固着方法に、ピン止めとカシメ付けの二つの方法があるが、ピン止めは加工コストが高く、加工の容易さからカシメ付けの方が有利である。
しかし、キャリアをアルミ合金製としても、ピニオンシャフトは強度の点から鋼製のもの使用する必要があるため、両者の線膨張率が異なることにより、鋼製のピニオンシャフトをアルミ合金製のキャリアにカシメ付けで固定することは困難であり、コスト高なピン止めの方法を採用しなければならないという問題があった。
本発明は係る問題点を解決するためになされたもので、ピニオンギア全体の強度を落とさずに軽量化でき、しかも製造コストの低減化が図れる遊星歯車装置を得ることを目的とする。
本発明に係る遊星歯車装置は、キャリアに固着されたピニオンシャフトに、ピニオンギアが針状ころを介して回転自在に支持されている遊星歯車装置において、前記キャリアはアルミ合金製であり、前記ピニオンシャフトは、鋼製の中空シャフトと、該中空シャフトの中空部に挿着されるアルミ合金製の芯シャフトとで構成され、該芯シャフトの両端部がそれぞれ前記キャリアの通孔に固定手段で固定されているものである。
また、前記芯シャフトは、前記中空シャフトの一端側に挿着される1つの分割芯シャフトと、前記中空シャフトの他端側に挿着されるもう1つの分割芯シャフトとで構成されている。
さらに、前記固定手段は前記芯シャフトの両端部又は前記各分割の芯シャフトの端部の外周縁に設けられ、前記キャリアの通孔の外側開口周縁部にそれぞれカシメ付けされるカシメ用凸部としている。
また、前記ピニオンシャフトは、予め荷重による撓み方向と逆向きに曲げて形成されている。
さらに、前記固定手段は前記芯シャフトの両端部又は前記各分割の芯シャフトの端部の外周縁に設けられ、前記キャリアの通孔の外側開口周縁部にそれぞれカシメ付けされるカシメ用凸部としている。
また、前記ピニオンシャフトは、予め荷重による撓み方向と逆向きに曲げて形成されている。
本発明に係る遊星歯車装置においては、ピニオンギアを針状ころを介して回転自在に支持するピニオンシャフトは、鋼製の中空シャフトと、該中空シャフトの中空部に挿着されるアルミ合金製の芯シャフトとで構成され、該芯シャフトの両端部がそれぞれアルミ合金製のキャリアの通孔に固定手段で固定されるようにしているので、ピニオンシャフト全体の強度を落とさずに軽量化できるという効果がある。
また、芯シャフトを、前記中空シャフトの一端側に挿着される1つの分割芯シャフトと、前記中空シャフトの他端側に挿着されるもう1つの分割芯シャフトとで構成することも可能となる。
また、芯シャフトを、前記中空シャフトの一端側に挿着される1つの分割芯シャフトと、前記中空シャフトの他端側に挿着されるもう1つの分割芯シャフトとで構成することも可能となる。
さらに、前記固定手段は前記芯シャフトの両端部又は前記各分割芯シャフトの端部の外周縁に設けられ、前記キャリアの通孔の外側開口周縁部にそれぞれカシメ付けされるカシメ用凸部としているので、加工コストの安く、加工が容易な固定手段を採用しており、製造コストの低減化を図ることができる。
また、ピニオンシャフトは、予め荷重による撓み方向と逆向きに曲げて形成されているので、荷重がかかる実使用時にはピニオンシャフトの真直度が保たれることとなる。
また、ピニオンシャフトは、予め荷重による撓み方向と逆向きに曲げて形成されているので、荷重がかかる実使用時にはピニオンシャフトの真直度が保たれることとなる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る遊星歯車装置の要部を示す断面図、図2は同遊星歯車装置のピニオンシャフトの構成を示す断面図、図3は同遊星歯車装置の構成を示す略側面図、図4は図3のA−A線断面図である。
まず、本発明の実施の形態1の遊星歯車装置の全体の構成について説明する。
図3及び図4に示すように、この実施の形態1の遊星歯車装置は、外周面に歯1aを形成したサンギア1と、このサンギア1と同心に配置され、内周面に歯2aを形成したリングギア2との間に、例えば3個のピニオンギア3を、円周方向に等間隔に配置している。
そして、これら3個のピニオンギア3の外周面に形成した歯3aを、サンギア1の歯1aとリングギア2の歯2aとに噛合させている。
各ピニオンギア3は、ピニオンシャフト4の外周に複数の針状ころ5を介して回転自在に支持されている。各ピニオンシャフト4の軸方向両端部はそれぞれキャリア6に固着されている。
図1は本発明の実施の形態1に係る遊星歯車装置の要部を示す断面図、図2は同遊星歯車装置のピニオンシャフトの構成を示す断面図、図3は同遊星歯車装置の構成を示す略側面図、図4は図3のA−A線断面図である。
まず、本発明の実施の形態1の遊星歯車装置の全体の構成について説明する。
図3及び図4に示すように、この実施の形態1の遊星歯車装置は、外周面に歯1aを形成したサンギア1と、このサンギア1と同心に配置され、内周面に歯2aを形成したリングギア2との間に、例えば3個のピニオンギア3を、円周方向に等間隔に配置している。
そして、これら3個のピニオンギア3の外周面に形成した歯3aを、サンギア1の歯1aとリングギア2の歯2aとに噛合させている。
各ピニオンギア3は、ピニオンシャフト4の外周に複数の針状ころ5を介して回転自在に支持されている。各ピニオンシャフト4の軸方向両端部はそれぞれキャリア6に固着されている。
サンギア1を円筒状に形成し、キャリア6を断面L字形で全体をリング状に形成していいる。そして、キャリア6の内周縁部に形成した円筒部6bを回転軸8の外周面にスプライン係合させている。サンギア1はその回転軸8の周囲に回転自在に支持されている。
また、ピニオンギア3及び各針状ころ5とキャリア6との互いに対向する面同士の間に、それぞれリング状の滑りワッシャ9、9を設けて、ピニオンギア3及び各針状ころ5の軸方向への動きを規制している。
また、ピニオンギア3及び各針状ころ5とキャリア6との互いに対向する面同士の間に、それぞれリング状の滑りワッシャ9、9を設けて、ピニオンギア3及び各針状ころ5の軸方向への動きを規制している。
次に、本発明の実施の形態1の遊星歯車装置の特徴であるピニオンシャフト4の構造について説明する。
この実施の形態1のキャリア6はアルミ合金製である。
また、この実施の形態1のピニオンシャフト4は中空部を有する鋼製の中空シャフト11と、中空シャフト11の中空の中心部に挿着されるアルミ合金製の芯シャフト12とから構成されている。
また、図2に示すように中空シャフト11の内周面には軸方向に延びるキー溝11aが形成されており、芯シャフト12の外周面に該キー溝11aと係合するキー12aが設けられており、中空シャフト11の中空部に芯シャフト12が挿着されたとき、これらキー溝11aとキー12aが係合することにより回り止めされ、中空シャフト11と芯シャフト12は一体となって回転することとなる。
この実施の形態1のキャリア6はアルミ合金製である。
また、この実施の形態1のピニオンシャフト4は中空部を有する鋼製の中空シャフト11と、中空シャフト11の中空の中心部に挿着されるアルミ合金製の芯シャフト12とから構成されている。
また、図2に示すように中空シャフト11の内周面には軸方向に延びるキー溝11aが形成されており、芯シャフト12の外周面に該キー溝11aと係合するキー12aが設けられており、中空シャフト11の中空部に芯シャフト12が挿着されたとき、これらキー溝11aとキー12aが係合することにより回り止めされ、中空シャフト11と芯シャフト12は一体となって回転することとなる。
そして、芯シャフト12の一端に中空シャフト11の一端部の端面を覆うフランジ部13が一体に形成されており、そのフランジ部13の外周縁にカシメ用凸部13aが設けられており、芯シャフト12の他端の外周縁にカシメ用凸部13bが設けられている。
さらに、図1及び図2に示すように、芯シャフト12の外周面には一端部から中間部まで軸方向に延びる複数の油溝14aが径方向に等間隔で設けられており、中空シャフト11の中間部には径方向に貫通して複数の油溝14aと連通する油孔14bが設けられている。また、一方のキャリア6には油を溜める円環状のオイルカバー16が取り付けられている。
さらに、図1及び図2に示すように、芯シャフト12の外周面には一端部から中間部まで軸方向に延びる複数の油溝14aが径方向に等間隔で設けられており、中空シャフト11の中間部には径方向に貫通して複数の油溝14aと連通する油孔14bが設けられている。また、一方のキャリア6には油を溜める円環状のオイルカバー16が取り付けられている。
さらに、ピニオンシャフト4のキャリア6への固着方法について説明する。
まず、ピニオンシャフト4を形成するため、中空シャフト11と一端にフランジ部13を有する芯シャフト12を一体に組み付ける。
中空シャフト11の中心部に芯シャフト12をそのフランジ部13が中空シャフト11の一端部端面と当接するまで挿入する。このとき、中空シャフト11のキー溝11aと芯シャフト12のキー12aを係合させ、中空シャフト11と芯シャフト12が一体となって回転するように組み付けられ、ピニオンシャフト4が構成される。
まず、ピニオンシャフト4を形成するため、中空シャフト11と一端にフランジ部13を有する芯シャフト12を一体に組み付ける。
中空シャフト11の中心部に芯シャフト12をそのフランジ部13が中空シャフト11の一端部端面と当接するまで挿入する。このとき、中空シャフト11のキー溝11aと芯シャフト12のキー12aを係合させ、中空シャフト11と芯シャフト12が一体となって回転するように組み付けられ、ピニオンシャフト4が構成される。
次に、このピニオンシャフト4の芯シャフト12のフランジ部13を図1において左側のキャリア6の通孔6aに挿入し、中空シャフト11の一端を図1において右側のキャリア6の通孔6aに挿入する。
この状態で、前記左側のキャリア6の通孔6aの外側開口周縁部に、フランジ部13の外周縁に設けられたカシメ用凸部13aをカシメ付け、前記右側のキャリア6の通孔6aの外側開口周縁部に、芯シャフト12の他端の外周縁に設けられたカシメ用凸部13bをカシメ付けして、中空シャフト11と芯シャフト12とからなるピニオンシャフト4が一対のキャリア6、6に固着される。
この状態で、前記左側のキャリア6の通孔6aの外側開口周縁部に、フランジ部13の外周縁に設けられたカシメ用凸部13aをカシメ付け、前記右側のキャリア6の通孔6aの外側開口周縁部に、芯シャフト12の他端の外周縁に設けられたカシメ用凸部13bをカシメ付けして、中空シャフト11と芯シャフト12とからなるピニオンシャフト4が一対のキャリア6、6に固着される。
このように中空シャフト11と芯シャフト12とからなるピニオンシャフト4が一対のキャリア6、6に固着されて遊星歯車装置が構成された場合、回転軸8から供給されて遠心力により外周側に案内される潤滑油のオイルは、オイルカバー16に溜められ、ピニオンシャフト4の中心まで溜まると、ピニオンシャフト4,即ち芯シャフト12の油溝14a、中空シャフト11の油孔14bを通って針状ころ5の転動面に供給され、針状ころ5を通過した潤滑油は滑りワッシャ9を潤滑した後、各キャリア6の外部に流出する。
上述のように構成する本実施の形態1の遊星歯車装置の場合には、一対のキャリア6に固着されるピニオンシャフト4は鋼製の中空シャフト11と、中空シャフト11の中空部に挿着され、一端にフランジ部13を有するアルミ合金製の芯シャフト12とで構成し、一方のキャリア6の通孔6aの外側開口周縁部に、フランジ部13の外周縁に設けられたカシメ用凸部13aをカシメ付け、他方のキャリア6の通孔6aの外側開口周縁部に、芯シャフト12の他端の外周縁に設けられたカシメ用凸部13bをカシメ付けして、中空シャフト11と芯シャフト12とからなるピニオンシャフト4が一対のキャリア6、6に固着されるようにしたので、ピニオンシャフト4全体の強度を落とさず軽量化でき、しかもアルミ合金製のキャリア6にアルミ合金製の芯シャフト12がカシメ付けにより固着されるため、コスト高なピン止めによらず製造コストを低減化することができる。
また、ピニオンシャフト4を構成する鋼製の中空シャフト11に対して、組み付けに伴って中空シャフト11の一部を塑性変形させるに必要がないため、この中空シャフト11の軸方向外周面に硬化処理を施す場合に、このピニオンシャフト4の表面全体を硬化させる安価な硬化処理方法を採用できる。更には、寿命延長のため、中空シャフト11の表面全体に浸炭窒化等の熱処理を施して、この中空シャフト11の表面全体の硬度を高めることも容易に行える。
更に、ピニオンシャフト4に針状ころ5へ潤滑油を供給する油路を形成する場合に、加工の容易なアルミ合金製の芯シャフト12に複数の油溝14aを形成し、これら油溝14aと連通する油孔14aは鋼製の中空シャフト11に一カ所だけ形成するだけであるから、加工コストの低減化を図ることができ、この点からも製造コストを低減化することができる。
なお、上述した実施の形態1では、ピニオンシャフト4の中間部外周面とピニオンギア3の内周面との間に設ける複数の針状ころ5を保持器により保持しない構造としたが、本発明を実施する場合には、これら複数の針状ころ5を保持器により保持する構造を採用することもできる。
なお、上述した実施の形態1では、ピニオンシャフト4の中間部外周面とピニオンギア3の内周面との間に設ける複数の針状ころ5を保持器により保持しない構造としたが、本発明を実施する場合には、これら複数の針状ころ5を保持器により保持する構造を採用することもできる。
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態1に係る遊星歯車装置の要部を示す断面図である。
この実施の形態2において、実施の形態1と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態2は、実施の形態1とピニオンシャフト4の一部である芯シャフト12の構成が相違するものである。
この実施の形態2では、鋼製の中空シャフト11は実施の形態1の中空シャフト11と実質的に同じであり、アルミ合金製の芯シャフト12が二つの分割された分割芯シャフト12a、12bとからなるものである。
各分割芯シャフト12a、12bはその一端部にそれぞれ中空シャフト11の端部端面を覆うフランジ部13が一体に形成されており、そのフランジ部13の外周縁にカシメ用凸部13aが設けられている。
図5は本発明の実施の形態1に係る遊星歯車装置の要部を示す断面図である。
この実施の形態2において、実施の形態1と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態2は、実施の形態1とピニオンシャフト4の一部である芯シャフト12の構成が相違するものである。
この実施の形態2では、鋼製の中空シャフト11は実施の形態1の中空シャフト11と実質的に同じであり、アルミ合金製の芯シャフト12が二つの分割された分割芯シャフト12a、12bとからなるものである。
各分割芯シャフト12a、12bはその一端部にそれぞれ中空シャフト11の端部端面を覆うフランジ部13が一体に形成されており、そのフランジ部13の外周縁にカシメ用凸部13aが設けられている。
そして、各分割芯シャフト12a、12bの長さは、中空シャフト11の端部から略中間部の手前に達するものであり、各分割芯シャフト12a、12bが中空シャフト11の両端部に挿着されたときに、中空シャフト11の中間位置に油路17が形成されるようにしている。
また、いずれか一方の分割芯シャフト12a、12b、例えば分割芯シャフト12bには中心部に軸方向で一端から他端に延びる油孔18が形成されている。なお、中空シャフト11の中間部には実施の形態1と同様の径方向に貫通する油孔14bが設けられており、中空シャフト11の中間位置に形成される油路17と連通する。
また、いずれか一方の分割芯シャフト12a、12b、例えば分割芯シャフト12bには中心部に軸方向で一端から他端に延びる油孔18が形成されている。なお、中空シャフト11の中間部には実施の形態1と同様の径方向に貫通する油孔14bが設けられており、中空シャフト11の中間位置に形成される油路17と連通する。
この実施の形態2のピニオンシャフト4のキャリア6への固着方法について説明する。
まず、ピニオンシャフト4を形成するため、中空シャフト11と両端にフランジ部13を有する分割芯シャフト12a、12bを一体に組み付ける。
中空シャフト11の中空部に分割芯シャフト12a、12bをそれぞれ各フランジ部13が中空シャフト11の端部端面と当接するまで挿入する。このとき、中空シャフト11のキー溝11aと各分割芯シャフト12のキー12aをそれぞれ係合させ、中空シャフト11と分割芯シャフト12a、12bが一体となって回転するように組み付けられ、ピニオンシャフト4が構成される。このとき、中空シャフト11の中間位置に油路17が形成される。
まず、ピニオンシャフト4を形成するため、中空シャフト11と両端にフランジ部13を有する分割芯シャフト12a、12bを一体に組み付ける。
中空シャフト11の中空部に分割芯シャフト12a、12bをそれぞれ各フランジ部13が中空シャフト11の端部端面と当接するまで挿入する。このとき、中空シャフト11のキー溝11aと各分割芯シャフト12のキー12aをそれぞれ係合させ、中空シャフト11と分割芯シャフト12a、12bが一体となって回転するように組み付けられ、ピニオンシャフト4が構成される。このとき、中空シャフト11の中間位置に油路17が形成される。
次に、このピニオンシャフト4の一方の分割芯シャフト12aのフランジ部13を一方のキャリア6の通孔6aに挿入し、他方の分割芯シャフト12bのフランジ部13を他方のキャリア6の通孔6aに挿入する。
この状態で、一方のキャリア6の通孔6aの外側開口周縁部に、一方の分割芯シャフト12aのフランジ部13の外周縁に設けられたカシメ用凸部13aをカシメ付け、他方のキャリア6の通孔6aの外側開口周縁部に、分割芯シャフト12bのフランジ部13の外周縁に設けられたカシメ用凸部13aをカシメ付けして、中空シャフト11と2つの分割芯シャフト12a、12bとからなるピニオンシャフト4が一対のキャリア6、6に固着される。
この状態で、一方のキャリア6の通孔6aの外側開口周縁部に、一方の分割芯シャフト12aのフランジ部13の外周縁に設けられたカシメ用凸部13aをカシメ付け、他方のキャリア6の通孔6aの外側開口周縁部に、分割芯シャフト12bのフランジ部13の外周縁に設けられたカシメ用凸部13aをカシメ付けして、中空シャフト11と2つの分割芯シャフト12a、12bとからなるピニオンシャフト4が一対のキャリア6、6に固着される。
この実施の形態2の遊星歯車装置では、回転軸8から供給されて遠心力により外周側に案内される潤滑油のオイルは、オイルカバー16に溜められ、ピニオンシャフト4の中心まで溜まると、ピニオンシャフト4,即ち分割芯シャフト12bの油孔18、中空シャフト11の中間位置に形成された油路17、中空シャフト11の油孔14bを通って針状ころ5の転動面に供給され、針状ころ5を通過した潤滑油は滑りワッシャ9を潤滑した後、各キャリア6の外部に流出する。
この実施の形態2においては、中空シャフト11に一対の分割芯シャフト12a、12bが組み付けられたとき、中空シャフト11の中間位置に油路17が形成されるので、その油路17に連通する中心部に軸方向で一端から他端に延びる油孔18をいずれか一方の分割芯シャフト12a、12bに形成すればよく、実施の形態1のように芯シャフト12の外周面に複数の油溝を形成しなくとも済み、加工コストの低減化を図ることができる。
また、中空シャフト11の両端にフランジ部13を有する一対の分割芯シャフト12a、12bが組み付けられるから、一対の分割芯シャフト12a、12bのフランジ部13をカシメ付けする一方のキャリア6の通孔6aと他方のキャリア6の通孔6aとは同じ大きさのもので済み、この点からも加工コストの低減化を図ることができる。
それ以外の作用、効果は実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。
また、中空シャフト11の両端にフランジ部13を有する一対の分割芯シャフト12a、12bが組み付けられるから、一対の分割芯シャフト12a、12bのフランジ部13をカシメ付けする一方のキャリア6の通孔6aと他方のキャリア6の通孔6aとは同じ大きさのもので済み、この点からも加工コストの低減化を図ることができる。
それ以外の作用、効果は実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。
実施の形態3.
図6は本発明の実施の形態3に係る遊星歯車装置の要部を示す断面図である。
この実施の形態3において、実施の形態2と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態3は、実施の形態2と同様に、ピニオンシャフト4の一部である芯シャフト12が二つの分割された分割芯シャフト12a、12bとからなる構成は同じであるが、いずれか一方の分割芯シャフト12a、12bに形成される中心部に軸方向で一端から他端に延びる油孔18の構成が相違するものである。
この実施の形態3では、例えば分割芯シャフト12bに形成される中心部に軸方向で一端から他端に延びる油孔18は、フランジ部13側の一端から他端付近まで延びている。
そして、分割芯シャフト12bの油孔18の一部を有する他端付近の外周面には周方向に環状溝19が形成されている。さらに、分割芯シャフト12bの油孔18の一部を有する他端付近には径方向に貫通する油孔20が形成され、その油孔20は油孔18と環状溝19とに連通している。
図6は本発明の実施の形態3に係る遊星歯車装置の要部を示す断面図である。
この実施の形態3において、実施の形態2と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態3は、実施の形態2と同様に、ピニオンシャフト4の一部である芯シャフト12が二つの分割された分割芯シャフト12a、12bとからなる構成は同じであるが、いずれか一方の分割芯シャフト12a、12bに形成される中心部に軸方向で一端から他端に延びる油孔18の構成が相違するものである。
この実施の形態3では、例えば分割芯シャフト12bに形成される中心部に軸方向で一端から他端に延びる油孔18は、フランジ部13側の一端から他端付近まで延びている。
そして、分割芯シャフト12bの油孔18の一部を有する他端付近の外周面には周方向に環状溝19が形成されている。さらに、分割芯シャフト12bの油孔18の一部を有する他端付近には径方向に貫通する油孔20が形成され、その油孔20は油孔18と環状溝19とに連通している。
この実施の形態3の遊星歯車装置では、回転軸8から供給されて遠心力により外周側に案内される潤滑油のオイルは、オイルカバー16に溜められ、ピニオンシャフト4の中心まで溜まると、ピニオンシャフト4,即ち分割芯シャフト12bの油孔18、分割芯シャフト12bの他端付近の外周面に形成された環状溝19、油孔20、中空シャフト11の油孔14bを通って針状ころ5の転動面に供給され、針状ころ5を通過した潤滑油は滑りワッシャ9を潤滑した後、各キャリア6の外部に流出する。
この実施の形態3においても、中空シャフト11の油孔14bに連通する環状溝19、油孔20及びを油孔18をいずれか一方の分割芯シャフト12a、12bに形成すればよく、実施の形態1のように芯シャフト12の外周面に複数の油溝を形成しなくとも済み、実施の形態2と同様に、加工コストの低減化を図ることができる。
また、一方のキャリア6の通孔6aと他方のキャリア6の通孔6aも、実施形態2と同様に、同じ大きさのもので済み、この点からも加工コストの低減化を図ることができる。
それ以外の作用、効果は実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。
また、一方のキャリア6の通孔6aと他方のキャリア6の通孔6aも、実施形態2と同様に、同じ大きさのもので済み、この点からも加工コストの低減化を図ることができる。
それ以外の作用、効果は実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。
上記実施の形態1〜3におけるピニオンシャフト4は中空シャフト11と芯シャフト12を一体に組み合わせたものであり、両者の回り止めとして、中空シャフト11に形成したキー溝11aに芯シャフト12の外周面に突出して設けたキー12aを係合させているが、両者の回り止めとして、これらのキー溝11aとキー12aを設けなくても、中空シャフト11に芯シャフト12を圧入して両者を一体とするようにしてもよい。
また、上記実施の形態1〜3における中空シャフト11と芯シャフト12を一体に組み合わせたピニオンシャフト4は、良好な真直度を有するように形成されいてるが、荷重がかかるとこれに比例してピニオンシャフト4の真直度が変化してしまうことがある。
そこで、荷重によるピニオンシャフト4の撓み量を見込んで、予め荷重による撓み方向と逆向きに曲げておいたピニオンシャフト4を用いることで、荷重がかかる実使用時にはピニオンシャフト4の真直度が保たれることとなる。
また、上記実施の形態1〜3における中空シャフト11と芯シャフト12を一体に組み合わせたピニオンシャフト4は、良好な真直度を有するように形成されいてるが、荷重がかかるとこれに比例してピニオンシャフト4の真直度が変化してしまうことがある。
そこで、荷重によるピニオンシャフト4の撓み量を見込んで、予め荷重による撓み方向と逆向きに曲げておいたピニオンシャフト4を用いることで、荷重がかかる実使用時にはピニオンシャフト4の真直度が保たれることとなる。
3 ピニオンギア、3a 歯、4 ピニオンシャフト、5 針状ころ、6 キャリア、6a 通孔、9 滑りワッシャ、11 中空シャフト、12 芯シャフト、13 フランジ部、13a カシメ用凸部、13b カシメ用凸部、14a 油溝、14b 油孔、16 オイルカバー。
Claims (4)
- キャリアに固着されたピニオンシャフトに、ピニオンギアが針状ころを介して回転自在に支持されている遊星歯車装置において、
前記キャリアはアルミ合金製であり、
前記ピニオンシャフトは、鋼製の中空シャフトと、該中空シャフトの中空部に挿着されるアルミ合金製の芯シャフトとで構成され、
該芯シャフトの両端部がそれぞれ前記キャリアの通孔に固定手段で固定されていることを特徴とする遊星歯車装置。 - 前記芯シャフトは、前記中空シャフトの一端側に挿着される1つの分割芯シャフトと、前記中空シャフトの他端側に挿着されるもう1つの分割芯シャフトとで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車装置。
- 前記固定手段は前記芯シャフトの両端部又は前記各分割の芯シャフトの端部の外周縁に設けられ、前記キャリアの通孔の外側開口周縁部にそれぞれカシメ付けされるカシメ用凸部であることを特徴とする請求項1又は2記載の遊星歯車装置。
- 前記ピニオンシャフトは、予め荷重による撓み方向と逆向きに曲げて形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊星歯車装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017106624A (ja) * | 2015-12-11 | 2017-06-15 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 動力ギヤボックスのピンの配置 |
FR3101387A1 (fr) * | 2019-09-26 | 2021-04-02 | Foundation Brakes France | Porte-satellite pour réducteur épicycloïdal, avec espace de stockage de lubrifiant |
JP7532726B2 (ja) | 2020-06-15 | 2024-08-14 | ニデックドライブテクノロジー株式会社 | 遊星歯車装置 |
-
2006
- 2006-01-16 JP JP2006007573A patent/JP2007187293A/ja not_active Withdrawn
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