JP2007186653A - 炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス透過性に優れる炭化水素系高分子電解質を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、過酸化水素溶液を用いて、炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させる炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法に関し、より詳細には、炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させる方法に関する。
近年、電源の一つとして燃料電池が注目されている。燃料電池とは、水素やメタノールなどの燃料の酸化により発電する装置をいう。燃料電池の発電効率は非常に高い。また、水素を燃料として用いる燃料電池からの排出物は水であり、地球環境保護の観点からも、非常に有用な電源である。
燃料電池としては、固体高分子型燃料電池、固体酸化物型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、リン酸型燃料電池など、各種燃料電池が提案されている。この中で、固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動可能であることから、自動車等の移動体用動力源として期待され、開発が進められている。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質型燃料電池、PEFCとも呼ばれ、プロトン伝導性の固体高分子電解質を用いた燃料電池である。PEFCは、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両側に、発電反応を促進する電極触媒を含む一対の触媒層、すなわち酸化剤極触媒層および燃料極触媒層が形成された膜電極接合体を有する。触媒層には、カーボン担体に触媒粒子が担持されてなる電極触媒の他に、プロトン伝導性の固体高分子電解質が含まれる。従来の触媒層では、固体高分子電解質がバインダーの役割を果たし、電極触媒の凝集体により空孔が形成された多孔質構造を有していた。
かようなPEFCでは、以下のような発電反応が進行する。まず、燃料極側に供給された燃料ガスに含まれる水素は、触媒粒子により酸化され、プロトンおよび電子となる(2H→4H+4e)。次に、生成したプロトンは、燃料極触媒層に含まれる固体高分子電解質、さらに燃料極触媒層と接触している高分子電解質膜を通り、酸化剤極触媒層に達する。また、燃料極触媒層で生成した電子は、燃料極触媒層を構成しているカーボン担体、さらに燃料極触媒層の高分子電解質膜と異なる側に接触しているガス拡散層、セパレータおよび外部回路を通して酸化剤極触媒層に達する。そして、酸化剤極触媒層に達したプロトンおよび電子は酸化剤極側に供給されている酸化剤ガスに含まれる酸素と反応し水を生成する(O+4H+4e→2HO)。燃料電池では、上述した発電反応を通して、電気を外部に取り出すことが可能となる。
前記発電反応は、触媒粒子と、固体高分子電解質と、供給されたガスとが接触する三相界面において生じる。したがって、三相界面の形成量が高く、高い出力電圧が得られる燃料電池とするためには、触媒層において反応ガスを十分に拡散させるための多孔質構造をできるだけ緻密に作製するのが一般的である。
ところで、PEFCなどの用途に用いられる固体高分子電解質は、高分子鎖中にスルホン酸基などの電解質基を有する固体高分子材料である。固体高分子電解質としては、従来から種々の材料が知られている。例えば、過酷な条件下で使用される電気化学デバイスに用いられる電解質膜および触媒層内電解質には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成(株)製)、フレミオン(登録商標、旭硝子(株)製)などの、全フッ素系電解質(高分子鎖内にC−H結合を含まない電解質)を用いるのが一般的である。
全フッ素系電解質は、C−F結合を有しているために耐酸化性などの化学的安定性に優れる一方で、製造が困難であり極めて高価である。そのため、全フッ素系電解質は、宇宙用または軍事用の固体高分子型燃料電池等の特殊な用途に限られ、自動車等の低公害動力源としての固体高分子型燃料電池の民生用への普及を困難なものとしていた。
そこで、安価な固体高分子電解質として、特許文献1ではスルホン化ポリエーテルエーテルケトン、特許文献2および3ではスルホン化ポリエーテルスルホン、特許文献4ではスルホン化ポリスルフィド、特許文献5ではスルホン化ポリフェニレン、などの炭化水素系高分子電解質が提案された。
これらエンジニアプラスチックをスルホン化した炭化水素系高分子電解質は、ナフィオンに代表される全フッ素系電解質と比較すると、製造が容易で低コストという利点がある。
特開平6−93114号公報 特開平9−245818号公報 特開平11−116679号公報 特表平11−510198号公報 特表平11−515040号公報
従来の炭化水素系高分子電解質は、ガス透過性が低い。したがって、炭化水素系高分子電解質を用いた電解質膜では、燃料や酸化剤ガスのクロスオーバー量が少ないという点でメリットがあるが、炭化水素系高分子電解質が触媒層においてバインダーとして用いられた場合には、触媒層中の燃料や酸化剤ガスの拡散性が低下して三相界面量の減少による発電性能の低下を招く虞があった。したがって、安価でありかつ発電性能に優れる燃料電池を提供するには、触媒層などに用いられる炭化水素系高分子電解質のガス透過性を向上させるのがよい。
そこで、本発明が目的とするところは、ガス透過性に優れる炭化水素系高分子電解質を提供することである。
本発明者は、炭化水素系高分子電解質のガス透過性の向上について、炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させるのが有効な手段であることを見出し、さらに種々の検討を行った結果、過酸化水素溶液を用いることで、スルホン酸基などのイオン交換基の脱離を生じさせずに炭化水素系高分子電解質の分子量のみを低下させることが可能なことを見出した。すなわち、本発明は、過酸化水素溶液を用いて、炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させる炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法を提供することにより上記課題を解決する。
本発明によれば、簡易な方法を用いて、プロトン伝導性を維持したまま炭化水素系高分子電解質の分子量を制御することができ、炭化水素系高分子電解質のガス透過性を向上させることが可能となる。前記炭化水素系高分子電解質によれば、コストが低減されるだけでなく、発電性能にも優れる燃料電池を提供することが可能となる。
本発明は、上述した通り、過酸化水素溶液を用いて、炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させる炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法である。
炭化水素系高分子電解質のガス透過性を向上させる手段としては、炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させる手段が挙げられる。これは、炭化水素系高分子電解質の分子量が低いほどミクロブラウン運動が生じ易く、主鎖のミクロブラウン運動はガス透過性に依存し、ミクロブラウン運動がし易いほどガス透過性が向上するためである。
本発明によれば、過酸化水素溶液を用いることにより、スルホン酸基などのイオン交換基の脱離を生じさせずに、炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させることができる。これにより、炭化水素系高分子電解質のプロトン伝導性を維持したまま、電解質中のミクロブラウン運動を促進させることができ、ガス拡散性およびプロトン伝導性に優れる炭化水素系高分子電解質を提供することが可能となる。
本発明の方法に用いられる炭化水素系高分子電解質としては、特に制限されず、従来公知のものが用いられうる。例えば、ポリマー骨格にフッ素を含まない炭化水素系ポリマーであって、イオン交換基を備えた固体高分子電解質などが挙げられる。また、新たに開発された炭化水素系高分子電解質も用いられうる。
前記イオン交換基としては、特に制限されないが、−SOH、−COOH、−PO(OH)、−POH(OH)、−SONHSO−、−Ph(OH)(Phはフェニル基を表す。)等の陽イオン交換基、−NH、−NHR、−NRR’、−NRR’R”、−NH (R、R’、R”は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等を表す。)等の陰イオン交換基などが挙げられる。炭化水素系高分子電解質において、これらのイオン交換基は、いずれか一種のみが用いられてもよく、二種以上が用いられてもよい。さらに、これらのイオン交換基は、直鎖状固体高分子化合物に直接結合していてもよく、または分岐状固体高分子化合物の主鎖もしくは側鎖のいずれかに結合していてもよい。
炭化水素系高分子電解質としては、具体的には、高分子鎖のいずれかにイオン交換基が導入されたポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテル等、およびこれらの誘導体(脂肪族炭化水素系高分子電解質)、高分子鎖のいずれかにイオン交換基が導入されたポリスチレン、芳香環を有するポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート等、およびこれらの誘導体(部分芳香族炭化水素系高分子電解質)、高分子鎖のいずれかにイオン交換基が導入されたポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレン、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、およびこれらの誘導体(全芳香族炭化水素系高分子電解質)等が好適な例として挙げられる。
炭化水素系高分子電解質は、主鎖にベンゼン環骨格を有する化合物であるのが好ましい。かような炭化水素系高分子電解質は、耐ラジカル性に優れることから過酸化水素溶液中であっても溶解せずに安定して存在することができ、イオン交換基を減少させずに分子量のみを低下させることが可能となる。主鎖にベンゼン環骨格を有する化合物からなる炭化水素系高分子電解質としては、複数のベンゼン環が2価の有機基、酸素原子、硫黄原子、窒素原子を介して結合または直接結合した主鎖を備える炭化水素系重合体であればよい。具体的には、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンなどが好ましく挙げられる。
分子量を低下させる前の炭化水素系高分子電解質は、分子量分布におけるピークトップ分子量が、好ましくは100,000〜1,000,000、より好ましくは200,000〜500,000のものを用いるのがよい。前記ピークトップ分子量が、100,000未満であると高分子としての形態を保持することが困難であり、1,000,000を超えると膜のスルホン化をすることが困難であるため、上記範囲が好ましい。
また、本発明の方法に用いられる炭化水素系高分子電解質の形状は、特に制限されず、膜状、粒子状、繊維状、ゲル状などのいずれの形状であってもよい。炭化水素系高分子電解質の用途に併せて予め所定の形状に成形したものを用いてもよく、本発明の方法により分子量を低下させた後に用途に併せて公知の方法に準じて所定の形状に成形してもよい。
本発明の方法において、過酸化水素溶液を用いて炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させるには、過酸化水素溶液中に炭化水素系高分子電解質を浸漬させたり、炭化水素系高分子電解質に過酸化水素溶液を塗布または噴霧したりする方法が用いられるが、過酸化水素溶液中に炭化水素系高分子電解質を浸漬させるのが好ましい。
前記過酸化水素溶液に用いられる溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族あるいは脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;等が挙げられるが、なかでも、水が用いられるのが好ましい。また、溶媒は、一種単独で用いられてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
本発明の方法において、炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させるには、前記過酸化水素溶液と前記炭化水素系高分子電解質とを接触させる段階の前に、過酸化水素溶液の濃度を制御することにより行われるのが好ましい。これにより、イオン交換基を減少させずに、炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させることができる。
前記過酸化水素溶液の濃度は、好ましくは0.1〜35質量%、より好ましくは10〜35質量%に制御されるのがよい。前記過酸化水素溶液の濃度が、0.1質量%以上であれば炭化水素系高分子電解質の分子量を十分に低下させることができ、35質量%以下であればイオン交換基の減少を抑制できる。
また、本発明の方法では、イオン交換基の減少を抑制できる観点から、前記過酸化水素溶液と前記炭化水素系高分子電解質とを接触させる段階の前に、前記過酸化水素溶液の温度を制御するのが好ましい。具体的には、前記過酸化水素溶液の温度を、好ましくは10〜100℃、より好ましくは50〜100℃に制御するのが好ましい。前記過酸化水素溶液の温度が、10℃以上であれば炭化水素系高分子電解質の分子量を十分に低下させることができ、100℃以下であればイオン交換基の減少を抑制できる。
さらに、本発明の方法では、イオン交換基の減少を抑制できる観点からは、前記過酸化水素溶液への前記炭化水素系高分子電解質の浸漬時間を制御するのが好ましい。具体的には、前記過酸化水素溶液への前記炭化水素系高分子電解質の浸漬時間を、好ましくは1〜30時間、より好ましくは5〜30時間とするのがよい。前記浸漬時間が、1時間以上であれば炭化水素系高分子電解質の分子量を十分に低下させることができ、30時間以下であればイオン交換基の減少を抑制できる。
前記炭化水素系高分子電解質への前記過酸化水素溶液の添加量は、過酸化水素が炭化水素系高分子電解質100質量%に対して、好ましくは10〜50質量%添加される量とするのがよい。前記過酸化水素の添加量が、10質量%以上であれば炭化水素系高分子電解質の分子量を十分に低下させることができ、50質量%以下であればイオン交換基の減少を抑制できる。
本発明の方法によれば分子量を低下させることで炭化水素系高分子電解質の分子量を制御することができる。分子量を低下させた炭化水素系高分子電解質において、分子量分布におけるピークトップ分子量は、好ましくは5,000〜200,000である。前記ピークトップ分子量が5,000以上であると、十分な成形性が得られ、膜状など所望の形状とすることができる他、バインダーなどとしての役割を果たすことが可能となる。また、前記ピークトップ分子量が200,000以下であると、十分なガス拡散性が得られる。
なお、本発明において炭化水素系高分子電解質の分子量分布の測定方法は、後述する実施例において記載の方法により測定できる。
また、本発明によれば、上述した通り、イオン交換基の減少を抑制しつつ炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させることができる。分子量を低下させた炭化水素系高分子電解質におけるイオン交換容量は、0.01〜0.02meq/gと高いことが好ましい。なお、炭化水素系高分子電解質のイオン交換容量は後記する実施例に記載する方法により測定できる。
上述した本発明の方法により得られる、分子量を低下させた炭化水素系高分子電解質の用途を、上記では燃料電池における固体高分子電解質を例に挙げて説明したが、この他にも、水電解用、食塩電解用、ハロゲン化水素酸電解用の固体高分子電解質としても用いることができ、さらにはプロトン伝導性を利用して、湿度センサ、ガスセンサ、酸素濃縮器などにも広く用いることができる。本発明の方法により得られる、分子量を低下させた炭化水素系高分子電解質は低コストであり、プロトン伝導性およびガス透過性などに優れることから、燃料電池用固体高分子電解質として用いられるのが好ましい。
燃料電池内において前記炭化水素系高分子電解質が用いられる部位は、特に制限されないが、電解質膜、電極触媒層などに用いられうる。なかでも、燃料電池の電極触媒層における固体高分子電解質として用いられるのが特に好ましい。これにより、低コスト化された発電性能に優れる燃料電池が得られる。
以下、本発明を、実施例を用いてより具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例のみに限定されることはない。まず、実施例および比較例における各測定方法を下記に示す。
(評価)
1.分子量分布測定
各電解質の分子量分布は、下記表1に示すゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定装置および測定条件を用いて測定した。
Figure 2007186653
2.イオン交換容量(1/Ew)測定
シュウ酸による滴定を行い、NaOH水溶液の濃度およびHCl水溶液の濃度(c[mol/cm])を正しく決定した。前記で濃度を決定した0.01M NaOH 20mlと1M NaCl 20mlとを混合したものに、測定サンプル(乾燥重量w[g])を入れ、十分な時間攪拌し、その上澄み液を5ml取り、0.01M HClにより滴定した(この際のHClの消費量をa[ml]とする。)。サンプルを投入していない0.01M NaOH 20mlと1M NaCl 20mlとを混合したものに関してもHClにより同様に滴定した(この際のHClの消費量をb[ml]とする。)。そして、下記式により、Ewを求めた。なお、1/Ewの値が低いほど、換言すれば、Ewの値が高いほど、電解質膜中のスルホン酸基量が少ないことを意味している。
Figure 2007186653
3.IR測定
電解質膜を15時間真空乾燥し、下記表2に示すフーリエ変換赤外分光分析装置および測定条件を用いて分析した。
Figure 2007186653
1028cm−1のスルホン酸基、および1004cm−1のフェニルエーテル基の吸収ピーク強度比(O=S=O/Ar−O−Ar)にて電解質膜中のスルホン酸基の脱離の程度を確認した。
(比較例1)
ポリエーテルスルホン膜(S−PES膜、大きさ2cm×5cm、厚さ30μm)を、過酸化水素溶液で処理せずに、分子量分布測定、Ew測定、およびIR測定を行った。
過酸化水素溶液による処理を行っていないS−PES膜において、ピークトップ分子量は250,000であり、Ewは584[g/meq]であった。また、IR測定により得られたピーク強度比(O=S=O/Ar−O−Ar)は0.91であり、S−PES膜を構成する高分子の構造は下記化学式であると予想された。
Figure 2007186653
(実施例1)
10質量%過酸化水素溶液を調製し、それを10mlの容器に入れ、80℃に加熱した後、比較例1と同様のS−PES膜(大きさ2cm×5cm、厚さ30μm)を過酸化水素溶液中に浸漬させ、6時間保持した。S−PES膜を、取り出して水溶液にて洗浄した後、分子量分布測定、Ew測定、およびIR測定を行った。
その結果、ピークトップ分子量が180,000であり、Ewが604[g/meq]であった。また、IR測定により得られたピーク強度比(O=S=O/Ar−O−Ar)は0.94であった。
(実施例2)
過酸化水素溶液中にS−PES膜を浸漬させる時間を9時間とした以外は、実施例1と同様にして、分子量分布測定、Ew測定、およびIR測定を行った。
その結果、ピークトップ分子量が160,000であり、Ewが589[g/meq]であり、ピーク強度比(O=S=O/Ar−O−Ar)は0.85であった。
(実施例3)
過酸化水素溶液を60℃に加熱した以外は、実施例1と同様にして、分子量分布測定、Ew測定、およびIR測定を行った。
その結果、ピークトップ分子量が180,000であり、Ewが533[g/meq]であり、ピーク強度比(O=S=O/Ar−O−Ar)は0.84であった。
(実施例4)
過酸化水素溶液を60℃に加熱し、過酸化水素溶液中にS−PES膜を浸漬させる時間を9時間とした以外は、実施例1と同様にして、分子量分布測定、Ew測定、およびIR測定を行った。
その結果、ピークトップ分子量が150,000であり、Ewが572[g/meq]であり、ピーク強度比(O=S=O/Ar−O−Ar)は0.80であった。
(実施例5)
32質量%過酸化水素溶液を調整し、過酸化水素溶液中にS−PES膜を浸漬させる時間を4時間とした以外は、実施例1と同様にして、分子量分布測定、Ew測定、およびIR測定を行った。
その結果、ピークトップ分子量が110,000であり、Ewが559[g/meq]であり、ピーク強度比(O=S=O/Ar−O−Ar)は0.86であった。
上記比較例1および実施例1〜5で得られた結果をまとめて下記表3に記載する。
Figure 2007186653
表3から、上記実施例1〜5と比較例1とでは、S−PES膜のイオン交換容量およびピーク強度比がほとんど変わらないことから、スルホン酸基が脱離せずに分子量が低下していることがわかる。

Claims (9)

  1. 過酸化水素溶液と炭化水素系高分子電解質とを接触させる段階を含む、炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させる炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法。
  2. 前記炭化水素系高分子電解質が、主鎖にベンゼン環骨格を有する化合物である請求項1記載の炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法。
  3. 前記過酸化水素溶液と前記炭化水素系高分子電解質とを接触させる段階の前に、前記過酸化水素溶液の濃度を制御することにより、前記炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させる請求項1または2記載の炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法。
  4. 前記過酸化水素溶液の濃度が、0.1〜35質量%に制御される請求項3記載の炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法。
  5. 前記過酸化水素溶液と前記炭化水素系高分子電解質とを接触させる段階の前に、前記過酸化水素溶液の温度を制御することにより、前記炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させる請求項1〜4のいずれかに記載の炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法。
  6. 前記過酸化水素溶液の温度が、10〜100℃に制御される請求項5記載の炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法。
  7. 前記過酸化水素溶液への前記炭化水素系高分子電解質の浸漬時間を制御することにより、前記炭化水素系高分子電解質の分子量を低下させる請求項1〜6のいずれかに記載の炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法。
  8. 前記過酸化水素溶液への前記炭化水素系高分子電解質の浸漬時間が、1〜30時間である請求項7記載の炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法。
  9. 分子量を低下させた前記炭化水素系高分子電解質の分子量分布におけるピークトップ分子量が、5,000〜200,000である請求項1〜8のいずれかに記載の炭化水素系高分子電解質の分子量制御方法。
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