JP2007186605A - ポリカーボネート系難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリカーボネート系樹脂(a)45〜94.5質量%と、二酸化珪素と酸化アルミニウムとの複合体を含有する無機粒子(b)5〜50質量%と、高級脂肪酸とフェノール化合物から構成される高級脂肪酸エステル化合物(c)0.5〜5質量%とを含有することを特徴とするポリカーボネート系難燃性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、ポリカーボネート系樹脂(a)45〜94.5質量%と、二酸化珪素と酸化アルミニウムとの複合体を含有する無機粒子(b)5〜50質量%と、高級脂肪酸とフェノール化合物から構成される高級脂肪酸エステル化合物(c)0.5〜5質量%とを含有することを特徴とするポリカーボネート系難燃性樹脂組成物(以下単に「樹脂組成物」という場合がある)を提供する。該組成物においては、前記無機粒子(b)の累積50%粒径が10μm以下であることが好ましい。
<ポリカーボネート系樹脂>
本発明におけるポリカーボネート系樹脂とは、下記一般式で表されるポリカーボネート単位を含有する樹脂である。
[式中、R4およびR5は、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示し、それぞれ同じであっても異なるものであってもよく、mおよびnは、それぞれ0〜4の整数である。Zは、単結合、炭素数1〜6のアルキレン基またはアルキルデン基、炭素数5〜20のシクロアルキレン基、シクロアルキルデン基、フルオレニリデン基、または−O−、−S−、−SO−、−SO2−若しくは−CO−結合を示す。]
3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
本発明において使用する無機粒子とは、主として無機成分からなる粒子を意味する。なお、微量の有機成分を含有する無機粒子を排除する趣旨ではない。該無機粒子は、二酸化珪素と酸化アルミニウムとの複合体を含有する粒子である。これは、二酸化珪素の相と酸化アルミニウムの相とを含む粒子を意味する。その具体的態様としては、例えば、二酸化珪素とアルミニウムとの複合酸化物を含む粒子、二酸化珪素粒子と酸化アルミニウム粒子とが融着した粒子などが挙げられる。また、フライアッシュは、こうした複合体を含有する粒子の好適な例である。本発明者の検討によれば、このような構成の無機粒子を難燃剤として用いることにより、二酸化珪素粒子単体、酸化アルミニウム粒子単体、あるいはこれらの混合物では得られない、優れた難燃性を実現することができる。
本発明における無機粒子として、特許文献1に記載されているフライアッシュが好適に用いられる。フライアッシュ(以下、適宜「FA」と称する)とは、石炭を微粉炭燃焼方式で燃焼させる火力発電所などで生成される微粉末の石炭灰のことである。
フライアッシュは、以下の成分を含む。ここで、成分量は例示である。
(a)二酸化珪素:44質量%以上80質量%以下
(b)酸化アルミニウム:15質量%以上40質量%以下
(c)その他の成分:少量の酸化第二鉄(Fe2O3)や酸化チタン(TiO2)や酸化マグネシウム(MgO)や酸化カルシウム(CaO)など。
本発明に用いられる高級脂肪酸エステル化合物は、高級脂肪酸とフェノール化合物から構成される高級脂肪酸エステル化合物である。ポリカーボネート系樹脂と無機粒子からなる樹脂組成物では、無機粒子の添加量が多いほど難燃性は良好であるものの、無機粒子の分散性が低下して成形時に樹脂の流れの不均一な部分が生じることが推察され、シルバーが発生して外観不良をもたらす。
本発明においては、ポリカーボネート系樹脂と上記無機粒子と高級脂肪酸エステル化合物を含有する樹脂組成物に、さらにポリカーボネート系樹脂を含む樹脂組成物中で繊維構造(フィブリル状構造)を形成する繊維形成型の含フッ素ポリマーを配合することが好ましい。繊維形成型の含フッ素ポリマーを配合することにより、燃焼時のドリップ現象を防止することが可能である。
以下において使用された各原料の詳細は、それぞれ次の通りである。
(1−1)ポリカーボネート系樹脂(PC)は、住友ダウ(株)製カリバー301−22(重量平均分子量47,000、数平均分子量27,000)を用いた。
(1−2)無機粒子として、累積50%粒径5μm、構成成分にSiO2:63.7%、Al2O3:20.6%を含有するフライアッシュ(FA)を用いた。
(1−3)繊維形成型の含フッ素ポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン(本明細書において、PTFEとも略記)を用いた。
高級脂肪酸エステル化合物A−2として、高級脂肪酸と芳香族系化合物から構成されるポリオキシエチレンノニルフェノールラウリン酸エステルを用いた。
高級脂肪酸エステル化合物A−3として、高級脂肪酸と芳香族系化合物から構成されるポリオキシエチレンオクチルフェノールラウリン酸エステルを用いた。
高級脂肪酸エステル化合物B−1として、高級脂肪酸と脂肪酸系化合物から構成されるベヘニン酸モノグリセライドを用いた。
高級脂肪酸エステル化合物B−2として、高級脂肪酸と脂肪酸系化合物から構成されるモンタン酸エステルを用いた。
ポリカーボネート系樹脂、フライアッシュ(FA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および高級脂肪酸エステル化合物を、シリンダー口径30mmの連続混練押出機に表1に記載の配合により供給し、270℃で溶融混練した後、水中で冷却してペレット状に切断した。得られた樹脂組成物を120℃で4時間、乾燥した後、型締力20トンの射出成形機を用いて、シリンダー温度を280℃、金型設定温度を80℃の条件で成形することにより、上記樹脂組成物の難燃性評価、および外観特性(シルバー)の評価を行った。
(3−1)難燃性評価は、射出成形により得られた難燃性評価用の試験片(125mm×13mm×1.6mm)を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価にて行った。UL94試験とは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、以下の表2に示すクラスに分けられる。
○:シルバーの発生は見られない、外観はかなり良好である。
×:シルバーの発生は若干観察され、外観はあまり良好ではない。
Claims (2)
- ポリカーボネート系樹脂(a)45〜94.5質量%と、二酸化珪素と酸化アルミニウムとの複合体を含有する無機粒子(b)5〜50質量%と、高級脂肪酸とフェノール化合物から構成される高級脂肪酸エステル化合物(c)0.5〜5質量%とを含有することを特徴とするポリカーボネート系難燃性樹脂組成物。
- 前記無機粒子(b)の累積50%粒径が、10μm以下である請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
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