JP2007186444A - プランルカスト含有製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間保存した場合にもプランルカストの溶出量が低下せず、使用に際してプランルカストの溶出量のばらつきの少ない高含量のプランルカスト製剤を提供すること。
【解決手段】本発明は、プランルカストと、ケイ素を含有する化合物又は水可溶性のデンプン誘導体からなる添加剤とを含有するプランルカストを含有する固形製剤である。ケイ素を含有する化合物としては、二酸化ケイ素、ケイ酸若しくはその塩が好ましく、水可溶性のデンプン誘導体としては、アルファー化デンプン、プルラン、又はデキストリンが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、付着性・凝集性が改善されるとともに、プランルカストの溶出性が改善された固形製剤に関する。
一般名がプランルカストと呼ばれる、4−オキソ−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]−2−(テトラゾール−5−イル)−4H−1−ベンゾピラン、(以下「プランルカスト」という。)は、ロイコトリエン受容体拮抗剤であり、現在、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療に利用されている。
しかし、プランルカストは非常に付着性・凝集性の大きい物質であるため、これを含む粉末を打錠したりカプセル充填しようとしても、例えば、打錠時にはターンテーブルや杵・臼への付着が激しく、カプセル充填時にはカプセルや充填機へ付着する等、そのままの状態で利用することは種々の問題を有していた。このような問題を解決するため、プランルカスト製剤の処方・製法については様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。これらの方法は有効成分であるプランルカストの付着性や凝集性を改善したり、有効成分の溶出の改善に関する技術を開示するものである。
しかし、発明者らは既存品を調査した結果、同一ロットで製造した製剤でも、個々の製剤ごとに有効成分であるプランルカストの溶出量にばらつきが生じることが確認された。このような有効成分の溶出量のばらつきは体内における薬物の血中濃度のばらつきを引き起こす可能性があり、薬物の治療効果に影響を与え、理想的な薬効効果を得ることができない可能性が考えられる。また、プランルカストを有効成分として含む製剤を数ヶ月程度の長期間保存した場合に、その保存時間の長短によっても経時的に有効成分の溶出量が変動することが確認された。
このように、プランルカスト製剤はその製造時の凝集性や付着性の改善の結果、血中濃度のバロメーターである溶出試験において様々な問題が生じている。その一つは、プランルカスト製剤を医薬品として数ヶ月にわたり貯蔵する場合に、貯蔵期間の長さに応じて経時的に有効成分であるプランルカストの溶出が変化することであり、もう一つの問題は、同一ロットで製造した製剤でも、有効成分であるプランルカストの溶出量にばらつきが生じるということである。
本発明は、上記のようなプランルカストを有効成分として含む固形製剤の問題を解決し、長期間にわたる保存時にも経時的に有効成分の溶出が遅延することがなく、また、同一ロットで製造した製剤で有効成分の溶出量にばらつきが少ない、高含量のプランルカスト製剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、プランルカストとケイ素を含有する化合物とを一緒に混合することにより得られる混合物(以下「プランルカスト混合物」ということもある)を使用することにより長期間の保存による経時的な溶出量の変動を抑えた製剤が得られることを見出した。更に、高含量のプランルカスト製剤については、デンプンから製造された水に対して溶解性のある化合物(以下「水可溶性のデンプン誘導体」ということもある)を使用することにより、プランルカストの製造ロットによる溶出量のばらつきの少ない高含量のプランルカスト製剤を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の内容をその要旨とするものである。
(1)プランルカストと、ケイ素を含有する化合物からなる添加剤とを必須成分として含有することを特徴とする、プランルカストを含有する固形製剤。
(2)ケイ素を含有する化合物が二酸化ケイ素であることを特徴とする、前記(1)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(3)ケイ素を含有する化合物がケイ酸若しくはその塩であることを特徴とする、前記(1)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(4)ケイ酸若しくはその塩が、軽質無水ケイ酸、ケイ酸塩、又はメタケイ酸アルミン酸塩のいずれかであることを特徴とする、前記(3)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(5)更に水性溶媒に溶解することのできる高分子化合物を添加したことを特徴とする、前記(1)乃至(4)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(6)プランルカストと、水可溶性のデンプン誘導体からなる添加剤とを必須成分として含有することを特徴とする、プランルカストを含有する固形製剤。
(7)水可溶性のデンプン誘導体が、アルファー化されたデンプン、デンプンの加水分解物、又は微生物により変換された水可溶性デンプンのいずれかであることを特徴とする、前記(6)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(8)水可溶性のデンプン誘導体が、アルファー化デンプン、プルラン、又はデキストリンのいずれかであることを特徴とする、前記(6)又は(7)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(1)プランルカストと、ケイ素を含有する化合物からなる添加剤とを必須成分として含有することを特徴とする、プランルカストを含有する固形製剤。
(2)ケイ素を含有する化合物が二酸化ケイ素であることを特徴とする、前記(1)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(3)ケイ素を含有する化合物がケイ酸若しくはその塩であることを特徴とする、前記(1)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(4)ケイ酸若しくはその塩が、軽質無水ケイ酸、ケイ酸塩、又はメタケイ酸アルミン酸塩のいずれかであることを特徴とする、前記(3)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(5)更に水性溶媒に溶解することのできる高分子化合物を添加したことを特徴とする、前記(1)乃至(4)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(6)プランルカストと、水可溶性のデンプン誘導体からなる添加剤とを必須成分として含有することを特徴とする、プランルカストを含有する固形製剤。
(7)水可溶性のデンプン誘導体が、アルファー化されたデンプン、デンプンの加水分解物、又は微生物により変換された水可溶性デンプンのいずれかであることを特徴とする、前記(6)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
(8)水可溶性のデンプン誘導体が、アルファー化デンプン、プルラン、又はデキストリンのいずれかであることを特徴とする、前記(6)又は(7)に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
本発明によれば、プランルカストを含有する固形製剤を製造するに際して、プランルカストの付着性や凝集性が抑制されるため、打錠時にターンテーブルや杵・臼への付着や、粒子同士やカプセルとの付着という問題が改善される。更に、本発明によれば、同一ロットで製造したプランルカスト含有製剤については有効成分の溶出量のバラツキが少なく、また、長期間保存した場合にも経時的な溶出量の変動を抑えた製剤とすることができる。その結果、プランルカスト製剤をヒトに投与した場合に、その有効成分の体内での血中濃度のばらつきや変動を抑制し、常に一定の条件で安定した薬効を示す製剤を得ることができる。
本発明は、上述のように、プランルカストとともにケイ素を含有する化合物、及び/又は水可溶性のデンプン誘導体を添加剤として配合し、必要に応じてその他の成分を配合して製剤化した固形製剤である。
本発明に使用するプランルカストは、既に述べたようにその化学名が4−オキソ−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]−2−(テトラゾール−5−イル)−4H−1−ベンゾピラン・1/2水和物であり、ロイコトリエンに対する強力な拮抗作用を有する化合物であり、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療に利用されている。
本発明の固形製剤に用いるプランルカストの粒径は特段限定されない。好ましくは体積平均粒子径(以下「D50」と表記する)が20μm以下で且つ、90%以上の粒子が50μm以下のものであり、更に好ましくは、D50が10μm以下で且つ90%以上の粒子が30μm以下のものである。
また、プランルカスト混合物の粒径についても特段限定はしないが、好ましくはD50が20μm以下で且つ、90%以上の粒子が50μm以下のものであり、更に好ましくは、D50が10μm以下で且つ90%以上の粒子が30μm以下のものである。
本発明の固形製剤に使用することのできるケイ素を含有する化合物は、構造上ケイ素が含有されている無機化合物であればよい。ケイ素を含有する化合物とは、ケイ素、ケイ酸、ケイ酸アルミン酸塩若しくはメタケイ酸アルミン酸又はそれらの塩であればよく、具体的には含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸カルシウム等が挙げられ、更に好ましくは軽質無水ケイ酸である。
また、このケイ素を含有する化合物の粒径は、特段限定はされるものではないが、具体的にはD50が50μm以下であり、好ましくは0.01μm〜30μm、更に好ましくは0.1μm〜20μmである。
このような本発明の固形製剤でのプランルカスト混合物のプランルカストとケイ素を含有する化合物との配合比率は特段限定されないが、プランルカスト1質量部に対してケイ素を含有する化合物が0.001〜1質量部、好ましくは0.005〜0.2質量部、更に好ましくは0.01〜0.1質量部である。
このような本発明の固形製剤でのプランルカスト混合物のプランルカストとケイ素を含有する化合物との配合比率は特段限定されないが、プランルカスト1質量部に対してケイ素を含有する化合物が0.001〜1質量部、好ましくは0.005〜0.2質量部、更に好ましくは0.01〜0.1質量部である。
本発明の固形製剤を製造する際に、プランルカスト混合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲で医薬品等に利用できる添加剤を混入させても特段問題はない。この様な添加剤の中でも、水性溶媒に溶解することのできる高分子化合物が、本発明の固形製剤を長期に保存した場合の有効成分の溶解性について、その経時的な安定性の向上に有効であり、より効果的な添加剤である。このような高分子化合物のうち、水に溶解することのできる高分子化合物が好ましく、例えば、セルロースを骨格とした高分子化合物、デンプンを骨格とした高分子化合物、アクリル酸系高分子化合物などが挙げられ、具体的にはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファー化デンプン、プルラン、デキストリンなどが挙げられる。また、ここに例示した高分子化合物に該当するものではないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の高分子化合物も使用することができる。
また、このような高分子化合物を溶解する水性溶媒としては、例えば、水、低級脂肪族アルコール、若しくはこれらの溶媒と混合して得られる溶媒が挙げられる。
また、このような高分子化合物を溶解する水性溶媒としては、例えば、水、低級脂肪族アルコール、若しくはこれらの溶媒と混合して得られる溶媒が挙げられる。
また、経時的に安定な溶解性を示す本発明のプランルカストを含有する固形製剤の製法としては特段、限定はされず、常法で均一に混合できれば特に問題はなく、種々の固形製剤を製造する方法を利用することができる。
具体的には、例えば、容器回転型混合機であるV型混合機やコニカル型混合機、容器固定型混合機であるタウナミキサー、リボンミキサー等が利用できる。また、容器固定型混合機には攪拌造粒機のような構造の機器も利用できる。また、混合できる機能を有する機器として、粉砕機も十分に利用可能である。粉砕機としてはハンマーミル、ピンミル、ジェットミル、ボールミル等が挙げられる。これらのうち、好ましい混合機はハンマーミル若しくはジェットミルである。
水性溶媒に溶解することのできる高分子化合物の使用方法としては、プランルカスト混合物と常法により混合して使用してもよい。ただし、本発明の効果を更に発揮するためにはこれらの高分子化合物を水性溶媒に溶解させ、この溶液にプランルカストとその他の添加剤を加え、これらを溶解若しくは分散させる方法である。このように製造した溶液若しくは懸濁液を用いてプランルカスト製剤を製造することができる。
高い濃度でプランルカストを含有する本発明の固形製剤に使用する水可溶性のデンプン誘導体は、デンプンを何らかの方法により処理することによって水に対して溶解性のあるように加工されたデンプン誘導体をいう。具体的には、デンプンを加熱処理することによって水可溶性としたもの、デンプンの加水分解物、あるいはデンプンが微生物により変換された水可溶性デンプンなどである。例えば、コーンスターチなどのデンプンを水とともに70〜100℃に加熱してアルファー化して得られるアルファー化デンプンや、デンプンを粉末状のまま若しくは酸を添加して170〜200℃に加熱して分解させたものや、水を加えて加熱し糊化したものに希酸若しくはアミラーゼを加えて加水分解したデキストリンや、微生物(Aureobasidium pullulans)から生産される水溶性のポリマーであるプルランなどが挙げられる。これらのうちで本発明の添加剤として特に好ましいものはプルランである。
高い濃度でプランルカストを含有する固形製剤とは、固形製剤に対して有効成分であるプランルカストが20質量%以上、好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上含有するものをいう。
高い濃度でプランルカストを含有する固形製剤とは、固形製剤に対して有効成分であるプランルカストが20質量%以上、好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上含有するものをいう。
本発明においては、プランルカストに対して添加剤である水可溶性のデンプン誘導体を比較的少量使用することによって本発明の効果を発揮することができる。言い換えれば、粉末の付着や凝集の問題を起こすことなく高濃度にプランルカストを配合した固形製剤とすることができる。
このような本発明の固形製剤でのプランルカストと水可溶性のデンプン誘導体からなる添加剤との配合比率は、プランルカストの1質量部に対して水可溶性のデンプン誘導体からなる添加剤が0.001〜10質量部、好ましくは0.005〜1質量部、更に好ましくは0.01〜0.5質量部である。そして、このような高含量のプランルカスト製剤中のプランルカストの含量は、素錠若しくは顆粒に対してプランルカストの含量が0.1〜0.95質量部、更に好ましくは0.3〜0.9質量部、更に好ましくは0.5〜0.8質量部である。
また、この水可溶性のデンプン誘導体を使用する本発明の固形製剤を得るための製造方法としては、従来から固形製剤の製造に使用されている一般的な方法を使用することができる。例えば、造粒物とするためには、流動層造粒、攪拌造粒、転動造粒、若しくはこれらを組み合わせた造粒方法が挙げられる。また、このように製造した顆粒を用いて錠剤若しくはカプセル剤を製造することができる。錠剤とするためにはロータリー打錠機、単発打錠機など通常、錠剤の製造に使用される圧縮成型可能な機械による圧縮成型が挙げられ、カプセル剤とするためにはカプセル充填機等で充填する方法が挙げられる。
更に、水可溶性のデンプン誘導体を使用する本発明の固形製剤では、ここにケイ素を含有する化合物を加えることが更に好ましい。即ち、水可溶性のデンプン誘導体とケイ素を含有する化合物を加えたプランルカストを含有する固形製剤とすることによって、製剤の製造ロットごとの有効成分の溶出のバラツキが防止されると同時に、長期間保存した場合にその経過時間とともに有効成分の溶出性が変化することをも防止することができる。
また、これらの添加剤以外にも本発明の効果を損なわなければ適宜、従来公知の種々の滑沢剤、可溶化剤、緩衝剤、吸着剤、結合剤、懸濁化剤、抗酸化剤、充填剤、pH調整剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、崩壊補助剤、防湿剤、防腐剤、溶剤、溶解補助剤、流動化剤等を使用することができる。
賦形剤としては、例えば乳糖、精製白糖、デキストラン、ブドウ糖、粉糖等の糖類、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコール、結晶セルロース、コーンスターチ、バレイショデンプン、トレハロース等が挙げられる。崩壊剤としては例えば、コーンスターチ、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、寒天、ハチミツ等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、タルク、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。また、コーティング剤としてはヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、アミノアクリルメタクリレートコポリマーE、アミノアクリルメタクリレートコポリマーRS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS等が挙げられる。更に、矯味成分としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。発泡剤としては、例えば、重曹などが挙げられる。人口甘味料としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。マスキング剤としては、例えば、エチルセルロース等の水不溶性高分子、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジエチルアミノエチル・コポリマー等の胃溶性高分子などが挙げられる。
次に実施例、試験例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら制約されるものではない。また、ここで用いる「%」は特に注記しない限り「質量%」である。
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L:日本曹達(株))30gをとり、これを室温で精製水600gに加えて、ゆるやかに撹拌し完全溶解させ、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液とした。一方、プランルカスト1/2水和物100g、軽質無水ケイ酸(アエロジル200:日本アエロジル(株))5gをバンタムミルにて混合した。この混合物のD50は4.8μmであり、90%が14.2μm以下の粒径になっていた。この混合物を先に製造したヒドロキシプロピルセルロース水溶液に懸濁させた。この懸濁液を用い、乳糖(乳糖80M:DMV)765g、部分アルファー化デンプン(PCS:旭化成ケミカルズ(株))100gを流動層造粒機(流動層造粒コーティング機・マルチプレックスFD−MP−01型:(株)パウレック)に投入し、先に調製した薬物含有の懸濁液を用いて造粒し、プランルカストを含有する顆粒状製剤(本発明品1)を得た。同様の処方・製法にて顆粒状製剤を3回作成し、それぞれをサンプル1A、1B、1Cとした。
なお、ここで使用した部分アルファー化デンプンは、水に対する溶解性のないデンプンで崩壊剤として使用するものであり、本発明に添加剤として使用する水可溶性のデンプン誘導体ではない。
なお、ここで使用した部分アルファー化デンプンは、水に対する溶解性のないデンプンで崩壊剤として使用するものであり、本発明に添加剤として使用する水可溶性のデンプン誘導体ではない。
評価試験:
上記のようにして得た本発明品1のプランルカストを含有する顆粒状製剤と、比較のための市販されている既存品(商品名:オノンドライシロップ、小野薬品工業(株)製、「比較品1」という)を用い、それぞれをアルミ製の袋に気密状態で封入して、40℃で湿度75%の条件で1ヶ月間保管した。なおここで用いた比較品1は、プランルカストの含有率が10%であり、添加剤としてケイ素化合物を含有しない顆粒状製剤である。
このように保管したプランルカスト含有固形製剤の溶解性を評価するために、「第十四改正日本薬局方 溶出試験法第2法」に準じて、これらの固形製剤の溶出試験を実施した。溶出試験の詳細な試験条件は下記の通りである。
パドル回転数:50rpm
試験液の温度:37℃
試験液 :第十四改正日本薬局方崩壊試験法第2液
(0.1%w/vポリソルベート添加) 900mL
溶出ポイント:溶出試験を開始し、30分後の溶出率を測定
上記のようにして得た本発明品1のプランルカストを含有する顆粒状製剤と、比較のための市販されている既存品(商品名:オノンドライシロップ、小野薬品工業(株)製、「比較品1」という)を用い、それぞれをアルミ製の袋に気密状態で封入して、40℃で湿度75%の条件で1ヶ月間保管した。なおここで用いた比較品1は、プランルカストの含有率が10%であり、添加剤としてケイ素化合物を含有しない顆粒状製剤である。
このように保管したプランルカスト含有固形製剤の溶解性を評価するために、「第十四改正日本薬局方 溶出試験法第2法」に準じて、これらの固形製剤の溶出試験を実施した。溶出試験の詳細な試験条件は下記の通りである。
パドル回転数:50rpm
試験液の温度:37℃
試験液 :第十四改正日本薬局方崩壊試験法第2液
(0.1%w/vポリソルベート添加) 900mL
溶出ポイント:溶出試験を開始し、30分後の溶出率を測定
即ち、試験液として第十四改正日本薬局方崩壊試験法第2液900mLを用い、これに上記のように保管した本発明品1のサンプル1A、1B、1C及び比較品1の顆粒のプランルカスト含有固形製剤を、プランルカストが100mgになる量を投入したものを用意した。これらのそれぞれについて、試験液温度37℃、パドル回転数50rpmで撹拌し、顆粒投入後、30分経過時の液のサンプルを採取し、プランルカストの濃度を測定して、その溶出量を求めた。
40℃、湿度75%RHで保管する前のプランルカストの溶出量を100%として、1ヶ月保管後の溶出量からその溶出率(相対値)を計算した。その結果を表1に示す。
40℃、湿度75%RHで保管する前のプランルカストの溶出量を100%として、1ヶ月保管後の溶出量からその溶出率(相対値)を計算した。その結果を表1に示す。
表1の結果からわかるように、本発明品1の場合には1ヶ月の保存後でもプランルカストの溶出率にほとんど変化がないのに対して、既存品を使用した比較品1の場合には1ヶ月の保存後にはプランルカストの溶出率がかなり低下している。
プルラン(プルランPI−20:(株)林原)15gをとり、これを室温で精製水180gに加えて、ゆるやかに撹拌し完全溶解させ、プルラン水溶液とした。一方、プランルカスト1/2水和物225g、軽質無水ケイ酸(アエロジル200:日本アエロジル(株))11.2g、部分アルファー化デンプン(PCS:旭化成ケミカルズ(株))39.8gを攪拌造粒機(FM−VG−05型バーチカルグラニュレーター:(株)パウレック)に投入し、先に作成したプルラン水溶液を加えて造粒した。このように得られた造粒物145.5gにタルク(タルカンハヤシ:林化成(株))4.5g、軽質無水ケイ酸1.5gを添加し、5分間混合した。この顆粒151.5mgをゼラチンカプセル(ゼラチンカプセル:カプスゲルジャパン(株))に詰めて、本発明のカプセル状のプランルカスト含有固形製剤(本発明品2)を得た。得られたプランルカストを含有する顆粒は良好な流動性を有しており、カプセルへの充填に際しても粒子同士の付着やカプセルとの付着は見られなかった。
なお、ここで使用した部分アルファー化デンプンも、実施例1同様に本発明の添加剤として使用する水可溶性のデンプン誘導体ではない。
なお、ここで使用した部分アルファー化デンプンも、実施例1同様に本発明の添加剤として使用する水可溶性のデンプン誘導体ではない。
比較例:
上記の実施例2と同様に、プルランをヒドロキシプロピルセルロース(HPC−ssL:日本曹達(株))に変更し、比較品のカプセル状のプランルカスト含有固形製剤(比較品2)を得た。
上記の実施例2と同様に、プルランをヒドロキシプロピルセルロース(HPC−ssL:日本曹達(株))に変更し、比較品のカプセル状のプランルカスト含有固形製剤(比較品2)を得た。
評価試験:
上記の本発明品2と比較品2のプランルカスト含有固形製剤の製造直後の薬効成分の溶解性を評価するために、「第十四改正日本薬局方 溶出試験法第2法」に準じて、これらの固形製剤の溶出試験を実施した。溶出試験の詳細な試験条件は実施例1と同様である。
上記の本発明品2と比較品2のプランルカスト含有固形製剤の製造直後の薬効成分の溶解性を評価するために、「第十四改正日本薬局方 溶出試験法第2法」に準じて、これらの固形製剤の溶出試験を実施した。溶出試験の詳細な試験条件は実施例1と同様である。
即ち、試験液として第十四改正日本薬局方崩壊試験法第2液(0.1%w/vポリソルベート添加)の900mLを用い、これに本発明品2のプランルカスト含有固形製剤のカプセルを1個投入したものを1検体とし、同様のものを全部で3検体用意した。この3つの検体のそれぞれについて、試験液温度37℃、パドル回転数50rpmで撹拌し、カプセルの投入後、5分、10分、15分、30分経過時の液のサンプルを採取し、プランルカストの濃度を測定して、その調製当初の薬剤量に対する溶出率(%)を求めた。その結果を表2に示し、グラフに表したものを図1に示す。
本発明品2の固形製剤カプセルの代わりに、比較品2の固形製剤カプセルを用いて、上記の本発明品2の場合と同様にして3個の検体を用意して溶出試験を行った。その結果を表3と図2に示す。
表2および図1からわかるように、水可溶性のデンプン誘導体からなる添加剤としてプルランを使用した本発明品2の場合には、3個の検体でその溶出量にほとんどの変化が見られず、溶出率のばらつきがないことがわかる。これに対して、添加剤としてプルランを使用せずヒドロキシプロピルセルロースを使用した比較品2の場合には、3個の検体間で溶出量に大きな相違があり、溶出率がばらつくことがわかる。
本発明によればプランルカストの付着性や凝集性を改善すると同時に、その薬効成分の保存による溶出量の低下や製造ロットによるばらつきを少なくすることができ、プランルカストを高い濃度で含有する固形製剤とすることができるので、プランルカストを配合した気管支喘息薬やアレルギー性鼻炎の治療薬などの製造に有用である。
Claims (8)
- プランルカストと、ケイ素を含有する化合物からなる添加剤とを必須成分として含有することを特徴とする、プランルカストを含有する固形製剤。
- ケイ素を含有する化合物が二酸化ケイ素であることを特徴とする、請求項1に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
- ケイ素を含有する化合物がケイ酸若しくはその塩であることを特徴とする、請求項1に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
- ケイ酸若しくはその塩が、軽質無水ケイ酸、ケイ酸塩、又はメタケイ酸アルミン酸塩のいずれかであることを特徴とする、請求項3に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
- 更に水性溶媒に溶解することのできる高分子化合物を添加したことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のプランルカストを含有する固形製剤。
- プランルカストと、水可溶性のデンプン誘導体からなる添加剤とを必須成分として含有することを特徴とする、プランルカストを含有する固形製剤。
- 水可溶性のデンプン誘導体が、アルファー化されたデンプン、デンプンの加水分解物、又は微生物により変換された水可溶性デンプンのいずれかであることを特徴とする、請求項6に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
- 水可溶性のデンプン誘導体が、アルファー化デンプン、プルラン、又はデキストリンのいずれかであることを特徴とする、請求項6又は7に記載のプランルカストを含有する固形製剤。
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JP2008162966A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Taisho Pharm Ind Ltd | プランルカスト水和物の付着凝集性を低減する方法 |
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JP2007176869A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Univ Meijo | 難溶性薬物含有微細粒子 |
-
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